JP3726214B2 - ホットメルトを用いた積層板の製造方法 - Google Patents

ホットメルトを用いた積層板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に厚みの薄い化粧材が貼着され、端縁部に湾曲面が形成された積層板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材の表面に化粧材を貼着して成る積層板は、従来、板やパーティクルボードなどを基材とし、その表面に印刷紙,つき板,布,合成樹脂シート等の厚みの薄い化粧材を貼着して製造されている。また艶出しや表面硬度の増強のため、化粧材に合成樹脂をあらかじめ塗布又は含浸しておくか、あるいは、化粧材を貼着した後、その表面に合成樹脂を塗布することもある。
【0003】
積層板の端縁部に湾曲面を形成する場合、従来、次のような手法が採用されている。表面に化粧材を貼着した基材の端縁部において化粧材の裏面側を切削し、層厚みが薄い湾曲領域と、比較的層厚みが大きい貼着領域とを形成する。他方、基材における上記湾曲領域と面する箇所に切欠部を形成しておく。次いで、化粧材裏面側の湾曲領域又は基材切欠部にウレタン樹脂等の合成樹脂を塗布すると共に、化粧材裏面側の貼着領域に接着剤を塗布した後、前記湾曲領域を加熱しつつ湾曲させて、前記貼着領域を基材端面に貼着する。これにより、化粧材と基材切欠との隙間が合成樹脂で充填され、表面の美麗な湾曲面を端縁部に形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
端縁部に形成される湾曲面の裏面側、すなわち化粧材と基材との隙間を充填する合成樹脂には、強度・価格・取り扱いの容易性等を考慮して、従来、ウレタン樹脂を用いることが多かった。しかし、ウレタン樹脂は熱に若干弱い(耐熱温度約140°C)という性質を持つため、次のような問題を有している。積層板に美観性と表面硬度とを与えるため、通常、化粧材に合成樹脂の被覆又は含浸が施される。それ故、化粧材を湾曲させる際には、化粧材を加熱し被覆樹脂又は含浸樹脂を軟化させることが必要である。使用樹脂がポリエステル系の場合、加熱温度は約120°C程度であるから、ウレタン樹脂に障害をもたらすことはなかった。ところが使用樹脂をメラミン系とした場合、これを湾曲可能に軟化させるには約160°C以上の高温に加熱する必要があり、その結果、ウレタン樹脂の発泡現象を誘発し、湾曲面の仕上がりが損なわれるという欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の問題を解決できる積層板の製造方法を提供するものであって、その特徴とするところは、基材の表面に化粧材を貼着し、端縁部において基材又は基材と化粧材裏面側を切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域にホットメルトを塗布したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成することである。なおホットメルトは、常温で固体であり、加熱によって可逆的に軟化・溶融するものであればよく、その種類に特に制限は設けられない。また化粧材には、通常、合成樹脂が被覆又は含浸され、該合成樹脂は艶出し用でも艶消し用でもよい。
【0006】
本発明方法によれば、化粧材と基材との隙間を充填する樹脂をホットメルトとしたので、化粧材に被覆又は含浸する合成樹脂がメラミン樹脂であり、湾曲領域を湾曲するため化粧材表面を160°C以上の高温に加熱する場合でも、ホットメルトは軟化・溶融するだけであり、ウレタン樹脂のように発泡現象をきたすおそれがない。それ故、美麗な湾曲面を確実に形成することができる。またホットメルトは、常温で個体であるから、湾曲領域に塗布した後、貼着領域に接着剤を塗らないでそのまま放置することができるから、積層板の生産量を調整するのが容易である。
【0007】
なお本発明は、溶融したホットメルトを塗布するのに変えて、ホットメルトの棒材を用いる方法も可能である。すなわち、基材の表面に化粧材を貼着し、端縁部において基材又は基材と化粧材裏面側を切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域又は前記基材切欠部にホットメルトから成る棒材を配置したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成するという積層板の製造方法が採用可能である。なお、ホットメルトの棒材は、接着剤又はホットメルトで、湾曲領域又は基材切欠部に固定するようにしてもよい。
【0008】
本発明方法を実施するにあたり、基材と化粧材との間に補強材を介装してもよく、それによって以下のような利点が得られる。化粧材裏面側の基材を切削する際に、厚みが薄い化粧材を用いている場合、湾曲領域の強度を確保するため、基材を全部除去するのではなく薄く残存させる必要がある。そのため、残存させた基材の繊維が、湾曲処理時に厚みの薄い化粧材表面に悪影響を及ぼして、湾曲面の仕上げを悪くするおそれがある。そこで前記の如く、化粧材と基材との間に補強材を介在させれば、基材の影響が化粧材に及ぶのを阻止でき、その結果、美麗な湾曲面を確実に形成できる。また、化粧材裏面の基材をできるだけ削り取って湾曲領域の厚みを非常に薄く設定する場合に、化粧材裏面の補強材は、基材切削の際に刃物が化粧材を傷つけるのを防止するという機能を発揮する。さらに、基材切削直後に積層板材料を搬送するときなどに、厚みの薄い湾曲領域がひび割れるのを防止できるという効果も発揮する。さらに、つき板のような厚みの均一性に幾分むらのある化粧材を用いる場合に、補強材を介在させることによって、基材を切削する際に層厚みを均一化するのが容易になるという利点を有している。
【0009】
なお本発明方法は、積層板の端縁部に、曲率半径が5mm以下の小さい湾曲面を形成するのに適している。但し、曲率半径の小さい湾曲面を形成する場合、湾曲領域の層厚みは0.05〜0.7mmの範囲に設定することが望ましい。湾曲領域の層厚みを0.05mmより薄くすると、基材の切削時に刃物で化粧材を傷つけるおそれがあると共に、切削形成した湾曲領域が割れ易くなる。反対に層厚みを0.7mmより大きくすると、曲率半径を5mm以下としたときに、湾曲面の表面を美麗に仕上げるのが難しくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に基づき製造される積層板は、図1(A)に示す如く、基材1、補強材2、化粧材3より成る。但し補強材2は、場合により省略が可能である。
【0011】
基材1の材質は、積層板の用途に応じ適宜選択すればよいが、無配向性で切削の容易な素材が好ましく、例えば有機質材料であれば中質繊維板(MDF)・硬質繊維板・軟質繊維板等の繊維板やパーティクルボード等、無機質材料であれば珪酸カルシウム板や灰の圧縮成形板などが挙げられる。上記のうち、家具用・内装用としては、強度,価格,取扱いの容易性等の面から見て繊維板かパーティクルボードを採用するのがよく、特にMDFが最適と考えられる。また後者の無機質材料は、不燃材として利用できる。
【0012】
補強材2としては、パーチメント紙・防水紙・強化紙・クラフト紙等の紙類、織布又は不織布等の布類などが挙げられ、これらにフェノール樹脂やダップ樹脂を含浸させる場合もあり、さらには複数枚を積層して用いることも可能である。
【0013】
補強材2の選定に当たっては、基材1との接着性や化粧材3との関連性等を考慮する。具体的には、化粧材3として印刷紙を用いた場合、補強材2にも紙を用いるのが好ましく、特にパーチメント紙は、基材1に対する接着性が良好で剥離が起こりにくいという点で最適である。また、つき板を化粧材3に用いる場合、つき板は厚みの均一性が紙より劣るので、厚み調整のため、比較的厚みが大きい補強材2を用いることが望ましい。例えばダップ樹脂を含浸させた紙を積層してなる厚みが0.1〜0.6mmのシートなどが挙げられる。なお、厚みの大きい補強材2を用いた場合は、後述する基材切削工程の際に、基材1と共に一部を切削することにより、湾曲領域の厚みを所定厚みに調整することができる。
【0014】
前述した補強材2の省略が可能な場合とは、例えば化粧材3に比較的厚みの大きいものを使用する場合や、製品の仕上がり状態にこだわらない場合等である。例えば化粧材3が紙の場合、湾曲面の仕上がり具合を十分に満足できる状態とするには、この紙が重さ80g/m2 以下の薄いときには補強材2が必要であるが、重さが100g/m2 以上の厚みのあるときには補強材2を省略することが可能と考えられる。
【0015】
化粧材3としては、印刷紙、チタン紙(白紙)、単板、つき板、メラミン・ダップ(DAP)・ペット(PET)等の合成樹脂製シート又はフィルム、メラミン化粧板・ダップ化粧板等の化粧板などが使用される。化粧材3は、通常、あらかじめ合成樹脂を含浸させるか、または塗布により合成樹脂層3が設けられる。合成樹脂の種類はポリエステル・ウレタン・ダップ・メラミン・フェノールなどが挙げられる。これら合成樹脂のうち、塗布の場合は、美観性・表面硬度を考慮すると、ポリエステルが最適であり、含浸の場合はメラミンやダップも可能である。なお合成樹脂は無色透明であっても着色したものであってもよい。また塗布により形成する合成樹脂層は、艶出し用のほか、製品の用途に応じ艶消し用とすることも可能である。さらに合成樹脂層には所望により、防虫剤,害虫忌避剤,抗菌剤等の各種薬効成分・化学成分や、金属粉・ガラス粉等の添加材を配合してもよい。
【0016】
化粧材3の上に合成樹脂層を設ける手段は、化粧材3を貼着したあと、スプレー,フローコーター,ロールコーター等で合成樹脂を塗布する方法や、適量の合成樹脂を化粧材3表面に載せ、その上にフィルムを被せてローラーで圧延展開するという手法等が考えられる。あるいは、化粧材3表面にあらかじめ合成樹脂を塗布しておき、これを基材1に貼着するという手順も採用可能である。
【0017】
以上述べたようなところから、本発明の積層板における補強材・化粧材の具体的な組み合わせをいくつか下に例示する。
・化粧材=印刷紙にメラミン樹脂を含浸させたもの、補強材=クラフト紙にフェノール樹脂を含浸させたものとし、これらを基材に重ねて同時に熱プレスし、積層板とする。
・化粧材=印刷紙にダップ樹脂を含浸させたもの、補強材=クラフト紙にフェノール樹脂を含浸させたものとし、これらを基材に重ねて同時に熱プレスし、積層板とする。
・化粧材=印刷紙、補強材=パーチメント紙とし、基材にパーチメント紙を貼着し、その上に重ねて印刷紙を貼ったのち、さらに表面にポリエステル樹脂を塗布して積層板とする。
・化粧材=チタン紙(白紙)、補強材=パーチメント紙とし、基材にパーチメント紙を貼着し、その上に重ねてチタン紙を貼ったのち、さらに表面に塗料又は顔料を混合したポリエステル樹脂を塗布して積層板とする。
・メラミン化粧板を基材にプレス接着し、積層板とする。
・ダップ化粧板を基材にプレス接着し、積層板とする。
【0018】
本発明に基づき積層板を製造する手順の一例を図面を用いて説明する。まず始めに図1(A)に示す如く、基材1、補強材2、化粧材3を用意する。続いて同図(B)のように、基材1の表面に補強材2を貼着し、次いで、その上に化粧材3を貼着する。補強材2及び化粧材3の貼着処理は、通常、加熱プレスで行う。補強材2及び化粧材3を貼着するのに用いる接着剤の種類は特に制限はなく、接着対象との相性を考慮して適当なものを選択すればよい。一般には、エポキシ系・酢酸ビニール系・尿素系の接着剤がよく使用される。また所望により、基材1の裏面側にも印刷紙・強化紙や合成樹脂シート等の適当な表層材(図示せず)や表面側と同じ化粧材を貼着したり、基材裏面に直接あるいは上記表層材・化粧材の上にウレタン系・アミノ系の合成樹脂を塗布したりしてもよい。
【0019】
基材1の表面に、図1(B)及び(C)に示す如く、補強材2及び化粧材3を貼着し、必要に応じ裏面にも表層材を貼着する等の処理を施したならば、図2に示すように、基材1の端縁部における化粧材3の裏面側を切削し、層厚みが薄い湾曲領域4aと層厚みが比較的大きい貼着領域4bとからなる湾曲面形成部4を形成する。それと同時に、基材1側に段部状の切欠部5を形成する。切欠部5の大きさは、積層板に形成する湾曲面の大きさに基づき適宜設定される。曲率半径の小さい湾曲面を形成する場合、図2(B)に拡大して示すように、湾曲領域4aの基材1をほとんど除去し、補強材2と化粧材3のみとすることが望ましい。基材1を薄く残存させたり補強材2を省略したりすることも可能であるが、いずれの場合でも、湾曲領域4aの層厚みはなるべく0.05〜0.7mmの範囲に収めるのが望ましい。これに対し貼着領域4bは、基材1を若干残存させて裏打ち層sを設けるのが望ましい。さらに湾曲面形成部4の端部には、断面三角形状の突起部tを形成しておく。
【0020】
続いて図3(A)に示す如く、湾曲領域4aと基材1の切欠部5との間に加熱溶融した適量のホットメルトPを塗布し、それと同時に又は続けて、接着剤Qを貼着領域4bに塗布する。ホットメルトPの種類は、特に制限はないが、なるべく取り扱いの容易なものが好ましく、例えばコニシ株式会社製「ボンドメルターボル」等が挙げられる。他方、後者の接着剤Qの種類は特に制限されるものではなく、例えばエポキシ系接着剤等を使用できる。また場合によっては、湾曲領域4aに塗布するホットメルトPと、貼着領域4bに塗布する接着剤Qとを、同一のものとすることも可能である。
【0021】
ホットメルトPは、塗布後、比較的短時間で冷却し固化する。しかるにホットメルトPは、いつでも加熱して軟化・溶融することができるから、積層板の生産量を調整する場合などには、ホットメルトPを塗布した後、接着剤Qを塗布せずに、そのまま放置することもできる。但し、積層板を連続的に製造する場合は、ホットメルトPと同時に又はあまり間を置かずに続けて接着剤Qの塗布を行えばよい。
【0022】
引き続き湾曲面形成部4を、表面側から加熱しつつ、図3(B)のように湾曲させ、貼着領域4bを基材1の側端面6に貼着する。湾曲領域4aを表面側から加熱することにより軟化・溶融したホットメルトPが、補強材2・化粧材3と基材切欠部5との間の空隙を充填する。また、化粧材3に塗布又は含浸させた合成樹脂が軟化する一方で、湾曲領域4a裏面に基材1の残存層がある場合は、これが熱収縮する。その結果、湾曲領域4aに、曲率半径が小さく、美麗で且つ変形が生じにくい湾曲面Rが形成される。
【0023】
本発明では、湾曲面形成部4を湾曲処理する前に、予めホットメルトPを湾曲領域4a裏面に塗布しておくという手順を採用することによって、内側がホットメルトPで充填された曲率半径の小さい湾曲面Rの形成を可能としている。従って、湾曲領域4aの長さと、基材1の切欠部5の大きさとを適当に設定することにより、湾曲面Rの曲率半径を例えば5mm以下とすることが可能である。
【0024】
またホットメルトPは、軟化温度を比較的高く設定することができるから、化粧材3に塗布又は含浸させた合成樹脂が例えば比較的軟化温度の高いメラミン系樹脂であるため、湾曲時の加熱温度を多少高く(例えば160°C)する必要があったとしても、発泡等の現象を来すおそれがない。勿論、化粧材3に塗布又は含浸させる合成樹脂に、ポリエステル系などの比較的軟化温度が低い樹脂を用いる場合は、それに合わせて、ホットメルトPにも比較的軟化温度の低いものを使用すればよい。
【0025】
なお、湾曲面形成部4の端部に設けられた前記突起部tは、上記作業を容易にするための補助部材として利用されるものであり、貼着領域4bの貼着作業終了後、切除される。以上のようにして、目的とする積層板X(図3(C)参照)を得ることができる。
【0026】
図4乃至図6は、基材1の切削態様に関する異なる例を示すものである。基材1を切削して湾曲面形成部4を形成するにあたり、図4のように、貼着領域4bの裏打ち層sにおける湾曲領域4a側の端部を斜めに切削して面取り状に形成したり、あるいは図5に示すように、基材1側も斜めに面取り状に切削するという態様も考えられる。さらには図6の如く、裏打ち層sの厚みを端部に向かって減少させ、突起部tを切除し易くしてもよい。これらの態様を採用することで、切削加工が容易になったり、ホットメルトPの使用量を節約できたり、後処理工程の能率が向上したりする。
【0027】
ホットメルトは加熱することで軟化・溶融が可能であるから、湾曲領域4aにホットメルトを塗布するのに代え、図7(A)に示す如く、ホットメルトの棒材P1を湾曲領域4aに配置してもよい。この場合、同図(B)に示すように、湾曲領域4aを湾曲する際に加える熱により、上記棒材P1を軟化・溶融させて変形させ、湾曲領域4aの裏面側の空隙をホットメルトP1で充填することができる。なお、ホットメルトの棒材P1を配置するに当たり、接着剤又はホットメルトで、当該棒材P1を湾曲領域4aの裏面又は基材切欠部5の表面に固定するようにしてもよい。
【0028】
〔反りの修正〕
積層板Xは、何らかの原因で反りが発生する場合がある。反りの発生原因は様々な要因が絡んでいるため、反りの発生を確実に予防するのは困難である。特に前記積層板Xは、基材1表面に補強材2を貼着するとき、及び、その上に化粧材3を貼着するときの2回、加熱プレスを施すため、反りが発生し易くなっていると考えられる。
【0029】
そこで本発明者は、次のような反り修正手段を提案する。図8に示すように、積層板Xの四隅に装着し得る三角形状のコーナー部材10を用意する。このコーナー部材10は、厚紙、ボール紙、プラスチック等、積層板Xを傷つけるおそれのない比較的軟質の素材で製作したものであって、厚みが0.5〜3mm程度である。反りが発生した積層板Xの四隅に上記コーナー部材10を装着し、図9の(A)に示すように、上面側が凸となるように積層板Xを積み重ねる。すると、積層板Xの両端部と中央部との間に、コーナー部材10の厚みに基づく高低差が生ずるから、この状態で適当時間放置することにより、図9(B)に示す如く、自重で積層板Xの反りを修正することが可能である。なお、本発明に係る積層板Xの反りを前記の手法によって修正するためには、基材1が、MDFやパーチクルボード等の無配向性材料であることが望ましい。
【0030】
なお上記コーナー部材10は、積層板Xの四隅を保護する働きを有している。さらに、積み重ねた各積層板Xどうしの間に、コーナー部材10の厚みによる隙間が形成され、この隙間が、積層板Xの表面に塗布した合成樹脂や、化粧材を貼着するのに用いた接着剤の硬化を促進するのに有効に作用する。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、端縁部に湾曲部を有する積層板を製造するにあたり、化粧材又は補強材の裏面側と基材切欠部との間の空隙を充填する部材をホットメルトとしたところを特色とする。常温では固体であるホットメルトは、加熱することによって容易に軟化・溶融できるから、湾曲領域の裏面側にホットメルトを塗布した状態で一次的に保存し、必要に応じ、積層板の製造工程を再開・続行することが可能である。従って、積層板の生産量を容易に調整できるという利点が得られる。
【0032】
また、ホットメルトは多少高温になっても発泡現象をきたすことがないから、湾曲領域を湾曲するに際し比較的高い温度を採用できる。それ故、軟化温度が比較的高い合成樹脂であるメラミン樹脂を化粧材に塗布又は含浸させたものを用いて、端縁部に湾曲面を形成した積層板を製造することが可能である。
【0033】
さらに本発明方法によれば、曲率半径が5mm以下と小さく且つ美麗な湾曲面の形成が可能であるから、本発明に基づき製造した積層板を、例えば扉材に用いた場合、端縁部の湾曲面が小さいため、周囲の壁面との一体感を高めることが可能である。特に本発明は、表面に艶出し加工を施したものにおいて、湾曲面を美麗に仕上げることができるから、非常に付加価値の高い建築材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態に関するものであり、図(A)は基材と補強材と化粧材とを分離して示す側面断面図、図(B)は基材に補強材及び化粧材を貼着した状態を示す側面断面図、図(C)は図(B)の要部を拡大して示す側面断面図である。
【図2】 本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態に関するものであり、図(A)は、基材を切削して湾曲面形成部を形成した状態を示す側面断面図、図(B)は、湾曲面形成部を拡大して示す側面断面図である。
【図3】 本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態に関するものであり、図(A)は湾曲領域にホットメルトを塗布すると共に貼着領域に接着剤を塗布した状況を示す側面断面図、図(B)は湾曲面形成部を加熱しつつ湾曲させる状況を示す側面断面図、図(C)は突起部を切除した状態を示す側面断面図である。
【図4】 本発明に係る積層板の製造方法の異なる実施形態に関するものであり、図(A)は基材を切削して湾曲面形成部を形成した状態を示す側面断面図、図(B)は湾曲面形成部を湾曲させた状態を示す側面断面図である。
【図5】 本発明に係る積層板の製造方法のさらに異なる実施形態に関するものであり、図(A)は基材を切削して湾曲面形成部を形成した状態を示す側面断面図、図(B)は湾曲面形成部を湾曲させた状態を示す側面断面図である。
【図6】 本発明に係る積層板の製造方法のさらに異なる実施形態に関するものであり、図(A)は基材を切削して湾曲面形成部を形成した状態を示す側面断面図、図(B)は湾曲面形成部を湾曲させた状態を示す側面断面図である。
【図7】 本発明に係る積層板の製造方法のさらに異なる実施形態を示すものであって、図(A)は湾曲領域にホットメルトの棒材を配置すると共に貼着領域に接着剤を塗布した状況を示す側面断面図、図(B)は湾曲領域を加熱しつつ湾曲させる状況を示す側面断面図、図(C)は突起部を切除した状態を示す側面断面図である。
【図8】 積層板の反り修正手段を説明するためのものであって、積層板の四隅に装着されるコーナー部材を例示する斜視図である。
【図9】 積層板の反り修正手段を説明するためのものであって、図(A)は反りを有する積層板の四隅にコーナー部材を装着して積み重ねた状態を示す正面図、図(B)は、同積層板の反り修正後の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1…基材 2…補強材 3…化粧材 4…湾曲面形成部 4a…湾曲領域 4b…貼着領域 5…切欠 6…側端面 10…コーナー部材 P…ホットメルト Q…接着剤 R…湾曲面 s…裏打ち層 t…突起部 X…積層板

Claims (5)

  1. 基材の表面に化粧材を貼着し、端縁部において基材又は基材と化粧材裏面側を切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域にホットメルトを塗布したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成することを特徴とするホットメルトを用いた積層板の製造方法。
  2. 基材の表面に化粧材と補強材とを重ねて貼着し、端縁部において基材又は基材と補強材とを切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域にホットメルトを塗布したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成することを特徴とするホットメルトを用いた積層板の製造方法。
  3. 基材の表面に化粧材を貼着し、端縁部において基材又は基材と化粧材裏面側を切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域又は前記基材切欠部にホットメルトから成る棒材を配置したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成することを特徴とするホットメルトを用いた積層板の製造方法。
  4. 基材の表面に化粧材と補強材とを重ねて貼着し、端縁部において基材又は基材と補強材とを切削して、層厚みが小さい湾曲領域と比較的層厚みが大きい貼着領域とからなる湾曲面形成部を形成すると共に、基材における前記湾曲領域と面する位置に切欠部を形成し、前記化粧材裏面における湾曲領域又は前記基材切欠部にホットメルトから成る棒材を配置したのち、前記化粧材裏面における貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲領域を加熱しながら湾曲させて、前記ホットメルトを溶融させると同時に前記貼着領域を切削後の基材に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成することを特徴とするホットメルトを用いた積層板の製造方法。
  5. 前記湾曲面の曲率半径を5mm以下とした請求項1乃至4のいずれかに記載するホットメルトを用いた積層板の製造方法。
JP2002232371A 2002-08-09 2002-08-09 ホットメルトを用いた積層板の製造方法 Expired - Fee Related JP3726214B2 (ja)

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