JP3461171B2 - 表面に突板を接着している木材の加工方法 - Google Patents

表面に突板を接着している木材の加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の内装に使用
される木材の加工方法に関し、とくに表面を無垢の木材
を薄くスライスした突板で装飾してい木材の加工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】芯材の表面に突板を接着している木材
は、表面の模様を、天然木材と同じ美しい自然の木目に
できる。さらに、芯材に修正材やMDFのように、経時
的に狂い難い材料を使用して、無垢の木材よりも反りや
歪みを少なくできる特長がある。しかしながら、突板の
接着に手間がかかって製造コストが高くなる欠点があ
る。とくに、床板のように平面でなく、図1に示すよう
に、小さい曲率半径のコーナーがある芯材7の表面に突
板3を接着するのに非常に手間がかかる。それは、図に
示すように、コーナーの両面に別々に突板3を接着した
後、コーナー部分に厚く切断した木材10を接着し、こ
れを切削加工して表面を仕上げるからである。
【0003】このような欠点を解消する技術が以下の公
報に記載される。 (イ) 実開昭61−140803号公報 (ロ) 特開昭61−205101号公報
【0004】これ等の公報に記載される方法は、以下の
工程で突板を接着する。 突板を下地板に接着する。 表面に突板を接着している下地板の裏面に折曲溝を
設ける。 折曲溝に沿って下地板を折曲し、折曲している下地
板を芯材に接着する。
【0005】以上の工程は、下地板を折曲して突板を小
さい曲率半径で折曲するときに、突板が割れやすい。こ
の弊害を防止するために、(イ)の公報に記載される方
法は、折曲溝の幅を広くして、下地板を折曲するときに
突板に作用する引張力を小さくする。(ロ)の公報に記
載される方法は、突板の表面に、ウレタン塗料等の特定
の物性の塗料を塗布し、この塗料を突板の導管に含浸さ
せる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の公報に記載され
る方法は、突板を極めて小さい曲率半径で折曲すると、
突板が折曲線に沿って割れやすく、また、折曲線で変形
できる限界を越えて変質して色が変わる等の弊害があ
る。さらに、(ロ)の公報に記載される方法は、突板の
表面にウレタン塗料等を塗布しているので、塗装されな
い無垢の天然木材に独特の表面状態に仕上げることがで
きない欠点がある。
【0007】さらに、(ロ)の公報は、保護フィルムを
接着して突板を折曲する方法も記載される。この方法
は、突板に保護フィルムを接着した後、下地板の裏面に
折曲溝を設け、この折曲溝でもって下地板と突板とを一
緒に折曲する。保護フィルムは折曲される突板を保護す
る。この方法は、保護フィルムを剥離するときに、ある
いは剥離した後に、突板の折曲線に沿って割れや変質が
発生する。とくに、小さい曲率半径で折曲するときに、
突板に変質や割れが発生する。保護フィルムを剥離し
て、突板に割れや変色が発生するので、保護フィルムで
は突板の折曲線を保護できないと考え、本発明者は他の
種々の方法を実験した。しかしながら、他の全ての方法
は、突板自体の物性を変更して折曲線の割れや変色を防
止するために、突板に塗料を塗布したり、あるいはフィ
ルム等を積層して接着する必要がある。このため、木材
の生地を表面に表出させる状態で折曲線の割れや変色を
防止できない。とくに、突板の割れや変質を防止する塗
料は、突板の表面に厚く積層するように塗布する必要が
あって、木材表面が厚い塗膜で被覆されてしまう。とこ
ろで、現在は、表面を塗装しない木材が好んで使用され
る傾向が強くなっている。塗料等から放出されるホルム
アルデヒド等の有害物質の放出が心配されるからであ
る。また、木材が室内の水分を吸湿したり放出して湿度
を調整する機能も失われるからである。このことから、
理想的な木材の加工方法は、塗装しない突板を小さい曲
率半径で折曲して割れや変質を阻止することである。
【0008】しかしながらこのことを実現するには、突
板に厚い塗料や保護フィルムを接着できず、突板の物性
を塗料や保護フィルムで改善できないので極めて難し
い。本発明者は、なんとかこの難問題を解決することを
目的として、膨大な実験を繰り返した結果、極めて簡単
な方法で、小さい曲率半径で折曲される突板の割れと変
色を確実に防止できることに成功した。この方法は、保
護フィルムを突板に接着する強度を特定の範囲で弱くす
る。さらに、保護フィルムに特定の厚さのプラスチック
フィルムを使用する。本発明者は、保護フィルムで突板
を有効に保護するために、より強く突板に接着する方法
を試験したが、この方法では突板の折曲線を有効に保護
できなかった。その原因の究明は非常に難しかったが、
割れた部分をミクロに観察した結果、突板に強く接着さ
れた保護フィルムが、突板の折曲線で著しく変形される
ことを見いだした。すなわち、図2に示すように、突板
3に強く接着された保護フィルム11は、突板3と一体
となって変形する。小さい曲率半径で折曲される突板3
は、折曲部分で大きく変形する。とくに、外側が大きく
伸びる状態で変形する。これに強く折曲された保護フィ
ルム11も、突板3と一緒に強く引き伸ばされて大きく
変形する。このとき、保護フィルム11は、極めて狭い
領域で局部的に長く伸ばされるので、伸長される幅
(W)が狭く、限界を越えて引き伸ばされ、強度が著し
く低下して保護フィルム11を外側面から保護できなく
なる。すなわち、保護フィルム11は、局部的にはほと
んど破損されるのに近い状態となってしまう。この状態
の保護フィルムは、小さい曲率半径で折曲される突板を
有効に保護できなくなり、突板も限界を越えて折曲され
る。したがって、保護フィルムを剥離し、あるいは剥離
した後に限界を越えて折曲された突板に割れが発生し、
あるいは変色してしまう。
【0009】本発明者は、通常に考えられる方法とは反
対に、保護フィルムを突板と一緒に折曲するのではな
く、突板の折曲部分で保護フィルムを突板とルーズに接
着する、いいかえると、保護フィルムを突板に対して多
少スリップできるように接着することにより、保護フィ
ルムを突板と一緒に変形させず、突板の変形を保護フィ
ルムの広い領域に拡散することにより、突板の割れと変
質を極めて効果的に防止できることを見いだした。この
方法は、従来と同じように保護フィルムで突板を保護し
ながら折曲するものであるが、保護フィルムが突板を保
護する状態が全く異なる。従来の保護フィルムも折曲す
る突板を保護するが、小さい曲率半径で折曲される突板
の折曲部は、変形できる限界ないしは限界を越える状態
で無理に折曲されるので、保護フィルムを剥離すると変
色したり割れることになる。これに対して本発明の方法
は、小さい曲率半径で折曲される突板の変形を、保護フ
ィルムの広い領域に拡散して保護するので、保護フィル
ムが突板を有効に保護し、突板を折曲した後に保護フィ
ルムを剥離しても、突板が割れや変形を起こすことがな
い。
【0010】したがって、本発明の大切な目的は、突板
を小さい曲率半径で折曲して割れと変質を有効に防止し
て、美しい表面状態に仕上げることができる表面に突板
を接着している木材の加工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の表面に突板3を
接着している木材の加工方法は、木材を薄くスライスし
ている突板3を板状の下地板1の表面に接着する突板接
着工程と、突板3の表面に、剥離強度を0.1〜1.5
kg/インチとする接着強度で、膜厚を30〜300μ
mとするプラスチックフィルム4を接着するフィルム接
着工程と、下地板1の裏面に折曲溝6を設ける溝加工工
程と、突板3とプラスチックフィルム4を表面に接着し
て、裏面には折曲溝6を設けている下地板1を折曲溝6
で折曲して、突板3を1mmよりも小さい曲率半径で折
曲すると共に、下地板1を芯材7の表面に接着する芯材
接着工程と、芯材接着工程の後、突板3の表面に接着し
ているプラスチックフィルム4を剥離する剥離工程とか
らなる。
【0012】本発明の木材の加工方法は、フィルム接着
工程の後、溝加工工程で下地板1に折曲溝6を設けるこ
とができる。フィルム接着工程におけるプラスチックフ
ィルム4の接着強度は、好ましくは、剥離強度が0.2
〜1kg/インチとなるようにする。フィルム接着工程
では、接着層のあるプラスチックフィルム4を加熱加圧
して突板3の表面に接着することができる。接着層は、
たとえば、熱可塑性のプラスチックであるホットメルト
接着層5とすることができる。突板接着工程では、紙ま
たは不織布である下地シート2を介して突板3を下地板
1に接着することができる。プラスチックフィルム4
は、好ましくは、膜厚が50〜150μmであるポリエ
チレンフィル、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフ
ィルムのいずれかを単層で、あるいはこれらを積層して
なるフィルムを使用する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための木材の加工方法を例示す
るものであって、本発明は木材の加工方法を下記の方法
に特定しない。
【0014】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0015】表面に突板を接着している木材は、以下の
加工方法で製作される。 [突板接着工程]図3に示すように、下地板1の表面に
下地シート2を介して突板3を接着する。下地板1は、
厚さを約3mmとするMDFである。ただし、下地板1
には、MDFに変わってベニヤ板等の反り歪の少ない板
材も使用できる。さらに、下地板1の厚さは、2〜10
mmとすることもできる。下地板1に直接に突板3を接
着することもできるが、下地シート2を介して突板3を
接着することにより、突板3を折曲するときの割れや変
色をより少なくできる。下地シート2は、紙または不織
布である。突板3は、木材を約0.2から0.5mmの
厚さに薄くスライスしたものである。この工程は、下地
板1の上に接着剤をスプレーして塗布して下地シート2
を載せ、さらに下地シート2の上に接着剤をスプレーし
て塗布し、その上に突板3を載せて接着する。下地シー
ト2と突板3は、下地板1と下地シート2と突板3を積
層する状態でコールドプレス8で挟着して接着される。
【0016】[フィルム接着工程]この工程は、図4に
示すように、突板3の表面にプラスチックフィルム4を
接着する。プラスチックフィルム4は、図の一部拡大断
面図に示すように、ホットメルト接着層5を介して突板
3の表面に接着される。このプラスチックフィルム4
は、突板3の接着面にホットメルト接着層5を積層して
いる。ホットメルト接着層5は、熱可塑性のプラスチッ
クで、加熱すると溶融されてプラスチックフィルム4を
突板3に接着する。このプラスチックフィルム4は、ホ
ットプレス9で加圧して突板3に接着される。
【0017】ホットメルト接着層5は、ホットプレス9
の熱板の温度と加圧する圧力で、プラスチックフィルム
4を突板3に接着する強度を調整できる。プラスチック
フィルム4は、熱板の温度を高くして圧力を大きくする
と、ホットメルト接着層5の接着力は強くなる。プラス
チックフィルム4は、剥離強度が約0.3kg/インチ
となる接着強度で突板3に接着される。剥離強度は、ピ
ーリング強度と呼ばれるもので、1インチ幅のプラスチ
ックフィルム4を剥離できる最低の引張強度である。た
だし、プラスチックフィルム4は、0.1〜1.5kg
/インチの剥離強度で接着して、突板3の折曲線を有効
に保護できる。プラスチックフィルム4の接着強度は、
剥離強度が0.1kg/インチより小さくても、また
1.5kg/インチより大きくても、小さい曲率半径で
折曲される突板3を保護できない。プラスチックフィル
ム4の剥離強度が0.1kg/インチよりも小さいと、
突板3とプラスチックフィルム4との接着力が弱すぎ
て、突板3の折曲部分を外側から充分な圧力で押圧でき
なくなって、突板3が局部的に大きく変形して破損した
り変色する。また、プラスチックフィルム4の剥離強度
が1.5kg/インチより大きくなると、プラスチック
フィルム4と突板3とが一体に変形するので、突板3の
折曲部分の外側でプラスチックフィルム4が局部的に大
きく伸ばされて強度が低下する。このため、突板3の折
曲線を外側から押圧できなくなって、突板3を有効に保
護できなくなる。このため、プラスチックフィルム4
は、剥離強度が前述の範囲となるように、突板3に接着
される。ホットメルト接着層5は、加熱温度と加圧する
圧力でプラスチックフィルム4の剥離強度を調整できる
ので、簡単にしかも正確に接着強度の調整ができる特長
がある。ただ、プラスチックフィルムは、接着剤で突板
に接着することもできる。この場合、接着剤の塗布量や
材質で剥離強度を最適値とする。
【0018】プラスチックフィルム4は、薄くても厚く
ても突板3の折曲線を有効に保護する作用が低下する。
プラスチックフィルム4は、その材質を考慮して最適厚
さを設定する。プラスチックフィルム4に、ポリエチレ
ンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレン
フィルムを使用する場合、最適厚さは約100μmであ
る。ただし、プラスチックフィルム4には、膜厚を30
〜300μm、好ましくは50〜150μmとするもの
も使用できる。プラスチックフィルム4の膜厚が30μ
mよりも薄くなると、突板3の折曲部分で伸びて突板3
を外側から強く押圧できなくなる。また、プラスチック
フィルム4の膜厚が300μmよりも厚くなると、突板
3に密着して変形できなくなって、折曲された突板3の
折曲部分の前面を均一に保護できなくなる。また、厚い
プラスチックフィルム4は高価であるので、加工コスト
も高くなってしまう。
【0019】[溝加工工程]表面に突板3を接着してい
る下地板1の裏面に折曲溝6を設ける。図5の下地板1
と突板3は、接近する2列の折曲溝6で折曲される。し
たがって、下地板1の裏面には、接近して2列のV溝6
Aを切削して設ける。V溝6Aは、下地シート2と突板
3を切断しないで、下地板1の全体を切断する深さに加
工する。V溝6Aは、突板3を折曲する状態で、対向面
を互いに接着する角度に加工される。図の突板3は、4
5度に折曲される。したがって、V溝6Aの底の角度も
45度に加工される。図示しないが、突板を90度に折
曲する場合、V溝の角度も90度に加工される。
【0020】[芯材接着工程]この工程で、図6に示す
ように、V溝6Aを設けた下地板1が芯材7の表面に接
着される。下地板1は、芯材7の表面に沿って折曲して
接着できる位置にV溝6Aを設けている。下地板1は、
接着剤を介して芯材7に接着される。
【0021】[剥離工程]下地板1を芯材7に接着して
いる接着剤が硬化した後、突板3の表面に接着している
プラスチックフィルム4を剥離する。
【0022】以上の加工方法は、フィルム接着工程の後
に下地板1に折曲溝6を設けているが、突板3を接着し
た後であって、プラスチックフィルム4を接着する前工
程で折曲溝6を設けることもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明の木材の加工方法は、突板を小さ
い曲率半径で折曲しながら、割れと変質を有効に防止し
て、突板でもって美しい表面状態に仕上げることができ
る特長がある。それは、本発明の方法が、突板の表面に
保護フィルムとして接着するプラスチックフィルムを、
剥離強度が0.1〜1.5kg/インチとなる接着強度
で接着しているからである。この接着強度で突板に接着
されるプラスチックフィルムは、突板を小さい曲率半径
で折曲するときに、突板と一緒に折曲されない。突板の
表面に接着しているプラスチックフィルムは、図7の拡
大断面図の矢印で示すように、突板3が折曲される折曲
線の局部において、突板3に対してわずかにスリップす
る。スリップするプラスチックフィルム4は、突板3の
折曲線の外側において、伸長される幅(W)が広くな
る。プラスチックフィルムは、狭い幅で大きく伸ばされ
ると、薄くなって破損し、あるいは強度が著しく低下
し、あるいはまた強度が著しく弱くなって、突板の折曲
部を有効に保護できなくなる。ところが、本発明の方法
は、プラスチックフィルムの伸長される幅(W)が広く
なるので、局部的に大きく伸ばされることがない。伸び
る幅が広く拡散されるからである。このため、突板の外
側を被覆しているプラスチックフィルムは、折曲線の領
域においても強度が低下したり、あるいは破損されるこ
とがなく、突板の外側を有効に保護する。プラスチック
フィルムで有効に保護されて折曲される突板は、小さい
曲率半径で折曲されても破損することがない。このた
め、突板を折曲して下地板を芯材に接着した後、プラス
チックフィルムを突板から剥離しても、突板の折曲線が
割れたり変色することがない。
【0024】さらに、本発明の方法は、突板を保護する
プラスチックフィルムに、厚さが30〜300μmであ
るフィルムを使用するので、安価なプラスチックフィル
ムで折曲される突板を有効に保護できる特長がある。さ
らに、この膜厚のプラスチックフィルムは、伸縮しやす
いために、折曲される突板の外側でスムーズに伸長され
ると共に、伸長される範囲を広くして、突板を外側で有
効に保護できる。このため、本発明の方法は、安価なプ
ラスチックフィルムを使用して、突板の折曲線の割れや
変質を有効に保護することができる特長がある。
【0025】以上のように、本発明の木材の加工方法
は、突板を折曲するときに保護した後、プラスチックフ
ィルムを剥離するので、完成された状態で突板の表面は
プラスチックフィルムで被覆されることがない。また、
突板に厚い塗料等を塗布して突板自体の物性を改善する
ものでないから、必要ならば突板表面を無垢の木材と同
じ状態に仕上げることもでき、極めて高級な表面状態に
仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の加工方法を示す断面図
【図2】従来の他の加工方法で加工された木材の表面状
態を示す拡大断面図
【図3】本発明の一実施例にかかる加工方法の突板接着
工程を示す概略図
【図4】本発明の一実施例にかかる加工方法のフィルム
接着工程を示す概略図
【図5】本発明の一実施例にかかる加工方法の溝加工工
程を示す拡大断面図
【図6】本発明の一実施例にかかる加工方法の芯材接着
工程を示す拡大断面図
【図7】本発明の加工方法で加工された木材の表面状態
を示す拡大断面図
【符号の説明】
1…下地板 2…下地シート 3…突板 4…プラスチックフィルム 5…ホットメルト接着層 6…折曲溝 6A…V溝 7…芯材 8…コールドプレス 9…ホットプレス 10…木材 11…保護フィルム

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を薄くスライスしている突板(3)を
    板状の下地板(1)の表面に接着する突板接着工程と、 突板(3)の表面に、剥離強度を0.1〜1.5kg/イ
    ンチとする接着強度で、膜厚を30〜300μmとする
    プラスチックフィルム(4)を接着するフィルム接着工程
    と、 下地板(1)の裏面に折曲溝(6)を設ける溝加工工程と、 突板(3)とプラスチックフィルム(4)を表面に接着して、
    裏面には折曲溝(6)を設けている下地板(1)を折曲溝(6)
    で折曲して、突板(3)を1mmよりも小さい曲率半径で
    折曲すると共に、下地板(1)を芯材(7)の表面に接着する
    芯材接着工程と、 芯材接着工程の後、突板(3)の表面に接着しているプラ
    スチックフィルム(4)を剥離する剥離工程とからなる表
    面に突板を接着している木材の加工方法。
  2. 【請求項2】 フィルム接着工程の後、溝加工工程で下
    地板(1)に折曲溝(6)を設ける請求項1に記載される表面
    に突板を接着している木材の加工方法。
  3. 【請求項3】 フィルム接着工程における、プラスチッ
    クフィルム(4)の接着強度を、剥離強度が0.2〜1k
    g/インチとなるようにする請求項1に記載される表面
    に突板を接着している木材の加工方法。
  4. 【請求項4】 フィルム接着工程において、接着層のあ
    るプラスチックフィルム(4)を加熱加圧して突板(3)の表
    面に接着する請求項1に記載される表面に突板を接着し
    ている木材の加工方法。
  5. 【請求項5】 突板接着工程において、紙または不織布
    である下地シート(2)を介して突板(3)を下地板(1)に接
    着する請求項1に記載される表面に突板を接着している
    木材の加工方法。
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルム(4)として、膜厚
    が50〜150μmであるポリエチレンフィルム、ポリ
    プロピレンフィルム、塩化ビニルフィルムのいずれかを
    使用する請求項1に記載される表面に突板を接着してい
    る木材の加工方法。
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KR101483109B1 (ko) * 2012-12-11 2015-01-16 (주)원진우드 표면지가 부착된 가구재용 패널

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