JP6263852B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧板の製造方法に関するものである。
ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィスの壁面には、化粧板を複数壁に取り付けることで、見栄えの良い住空間が演出されている。
このような用途に用いられる化粧板は、基板の全面に化粧シートを貼り付けた構成を有するものが一般である(例えば、特許文献1参照)。
従来の化粧板では、基板の側面に化粧シートを貼る場合、別途側面の形状に切り抜いた化粧シートを貼り付けたり、ロールプレスやアイロンベンダー等を用いて化粧シートを加熱して曲げて側面に回り込ませて貼り付けたり等行っていた。
しかしながら、前者の方法では、化粧シート同士の境目が目立ってしまい、十分な審美性を得るのが困難であった。
また、後者の方法では、加熱のタイミングと曲げるタイミングにズレがあるため、曲げ部に十分に熱が保持されず、成型性(曲げ成型性)や貼着性が十分ではなかった。特に、化粧シート厚みが0.5mm以下の薄厚タイプでは、加熱から曲げ加工に移行するまでの時間差による放熱・温度降下が生じ易く、最適な加熱状態の下で加工する事が難しく安定した曲げ加工を実施する事が困難であった。また、曲げるのに使用する部材を化粧シート表面を滑らすように扱うため、引っ張り応力が発生してしまい、曲げの最中に化粧シートの曲げ部にひび割れが生じたり、また、曲げるのに使用する部材をシート表面で動かすため擦り傷が生じたり、貼り付け不良が発生したり等といった問題があった。特に、薄厚のメラミン化粧シートを用いた化粧板では、このような問題が顕著であった。
特開2010−234766号公報
本発明の目的は、ひび割れ、擦り傷、貼り付け不良等の発生を抑制し、審美性、意匠性に優れた化粧板を製造することが可能な化粧板の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) 第1の面と当該第1の面と反対側の第2の面とを有する基板と、メラミン化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、
前記基板の前記第1の面に、当該第1の面の面積よりも貼着面積が広い前記メラミン化粧シートを貼着する第1の工程と、
前記メラミン化粧シートの前記基板とは反対側の面の、前記基板の前記第1の面の一つの角部近傍で、かつ、前記基板と前記メラミン化粧シートとが貼着している領域から貼着していない領域にわたって、前記基板と略平行に、加熱手段および冷却手段を備えた平板を設置する第2の工程と、
前記加熱手段により、前記基板の前記1つの角部近傍の前記メラミン化粧シートを加熱しつつ、前記1つの角部を軸として、前記基板を前記第2の面方向に回転させ、前記基板の側面方向に前記メラミン化粧シートを曲げ、前記基板の側面に前記メラミン化粧シートを貼着する第3の工程と、
前記平板を前記メラミン化粧シートに押し当てた状態で、前記冷却手段により、前記第3の工程で加熱した部位を冷却する第4の工程と、を有することを特徴とする化粧板の製造方法。
(2) 前記第3の工程において、前記基板の回転速度は、3〜25°/sである上記(1)に記載の化粧板の製造方法。
(3) 前記第3の工程において、前記メラミン化粧シートの加熱温度は、90〜230℃である上記(1)または(2)に記載の化粧板。
前記加熱手段により、前記1つの角部と隣接する前記側面と前記平板とが平行になった後、前記側面における前記1つの角部と対向する他の角部近傍の前記メラミン化粧シートを加熱しつつ、前記他の角部を軸として、前記基板を前記第2の面方向に回転させ、前記基板の第2の面方向に前記メラミン化粧シートを曲げ、前記基板の前記第2の面に前記メラミン化粧シートを貼着する第5の工程を有する上記(1)ないし()のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
) 前記第5の工程の後、前記平板を前記メラミン化粧シートに押し当てた状態で、前記冷却手段により、前記第5の工程で加熱した部位冷却する第6の工程を有する上記(4)に記載の化粧板の製造方法。
) 前記メラミン化粧シートは、全体厚みが0.1〜2mmである上記(1)ないし()のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
) 前記基板の前記第1の面の角部は、面取り加工が施されている上記(1)ないし()のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
) 前記角部は、0.5R〜3Rとなるように面取り加工が施されている上記(1)ないし()のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
) 前記メラミン化粧シートは、表面層と芯材層とが積層された積層体で構成され、
前記表面層は、意匠面となる第1の面側にメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記芯材層と接する第2の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面層基材からなる表面層材料で構成され、
前記芯材層は、ガラスクロスまたはガラスクロスを基材とするプリプレグからなる芯材層材料で構成される上記(1)ないし()のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
本発明によれば、ひび割れ、擦り傷、貼り付け不良等の発生を抑制し、審美性、意匠性に優れた化粧板を製造することが可能な化粧板の製造方法を提供することができる。
化粧板の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の化粧板の製造方法を示す工程図である。 本発明の化粧板の製造方法を示す工程図である。 本発明の化粧板の製造方法を示す工程図である。 化粧シートの構成の一例を表す概念図である。 化粧シートの製造方法の一例を説明する図である。 化粧シートの構成の他の一例を表す概念図である。 化粧シートの構成の他の一例を表す概念図である。
以下、本発明の化粧板の製造方法について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
《化粧板》
まず、本発明の化粧板の製造方法に先立ち、化粧板の好適な実施形態について説明する。
化粧板は、ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィスの壁面に取り付けることで、空間の見栄えを向上させることができるものである。
図1は、化粧板の好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、化粧板100は、基板10と、メラミン化粧シート20と、接着剤層30とを有している。
基板10は、メラミン化粧シート20を支持する機能を有するとともに、化粧板100全体の剛性に寄与する部材である。
基板10は、後述するメラミン化粧シート20が全面に貼着される第1の面(表面)と、取り付ける際に壁面側となる第2の面(裏面)と、側面とで構成される。
基板10としては、その材質は特に限定されず、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる木材単板、合板、集成材、単板積層材(LVL)、配向性ボード(OSB)、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)、硬質繊維板(HDF)等の木質材料系基板、アルミニウム、鋼鉄、真鍮、ステンレス鋼等の金属材料系基板、大理石、花崗岩等の天然石材、石膏板、珪酸カルシウム板、セメント板、コンクリート板等の無機材料系基板、繊維強化プラスチック(FRP)等の合成樹脂材料系基板等を用いることができる。
基板10の厚さ(平均厚さ)は、審美的な観点から適宜変更されるが、3〜30mmであるのが好ましく、6〜12mmであるのがより好ましい。
基板10の大きさ・形状は、壁面のデザイン等によって適宜変更することができる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、第1の面の角部に面取り加工が施されている。このような面取り加工を施すことにより、化粧板100の意匠性をより高いものとすることができる。
また、角部は、0.5R〜3Rとなるように面取り加工が施されているのが好ましい。これにより、化粧板100の意匠性をさらに高いものとするとともに、曲げ加工を安定させることができる。
ところで、このような比較的小さいRの角部を持つ基板に対してメラミン化粧シートを貼る場合、Rが小さいため、角部においてメラミン化粧シートにひび割れ等が生じる場合があった。しかしながら、本発明の方法を適用することで、常に最適な加熱状態が維持されるため、そのようなひび割れ等を抑制することができる。
メラミン化粧シート20は、図1に示すように、基板10の第1の面全面、側面および第2の面の一部にわたって配されている。メラミン化粧シート20は、表面に木目等の意匠が施されている。メラミン化粧シート20の材料等については、後に詳細に説明する。
基板10に配されたメラミン化粧シート20は、接着剤層30を介して、基板10と接合されている。
接着剤層30は、主として、接着剤で構成されている。この接着剤としては、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等を挙げることができる。
アクリル系接着剤としては、接着性を与える低Tgの主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体よりなる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、ゴム系接着剤としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするもの等を挙げることができる。
また、シリコーン系接着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のもの等を挙げることができる。
以上のような接着剤は、非架橋型、架橋型のいずれのものも使用可能である。後者の場合、必要に応じ、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。
このような接着剤は、有機溶剤系、エマルション系のいずれでもよい。
また、接着剤層30には、例えば、可塑剤、接着付与剤、増粘剤、充填剤、老化防止剤、防腐剤、防カビ剤、染料、顔料等の各種添加剤が必要に応じ添加されていてもよい。
また、離型シートとしては、いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート等の各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の各種紙材を基材とし、この基材の接着剤層30との接合面に、離型処理が施されたものを用いることができる。
この場合、離型処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の離型剤よりなる離型剤層の塗布、形成が挙げられる。
以上、説明したような化粧板100では、一枚のメラミン化粧シート20を、第1の面から側面のほうまで貼着しているので、第1の面および側面を別々のシートを用いて化粧板を作成した場合と比較して、角部におけるメラミン化粧シート20の境目が無く、審美性に優れたものとなる。また、第1の面および側面を別々のシートを用いて化粧板を作成した場合と比較して、角部の面取りをより確実に再現することができ、より高い意匠性を発揮させることができる。
《化粧板の製造方法》
次に、本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態について説明する。
図2〜図4は、本発明の化粧板の製造方法を示す工程図である。
本実施形態の化粧板の製造方法は、基板10の第1の面に、当該第1の面の面積よりも貼着面積が広いメラミン化粧シート20を貼着する第1の工程と、メラミン化粧シート20の基板10とは反対側の面の、基板10の第1の面の一つの角部近傍で、かつ、基板10とメラミン化粧シート20とが貼着している領域から貼着していない領域にわたって、基板10と略平行に平板40を設置する第2の工程と、基板10の1つの角部近傍のメラミン化粧シート20を加熱しつつ、1つの角部を軸として、基板10を第2の面方向に回転させ、基板10の側面方向にメラミン化粧シート20を曲げ、基板10の側面にメラミン化粧シート20を貼着する第3の工程と、を有している。
また、本実施形態の化粧板の製造方法は、メラミン化粧シート20の加熱した部位を80℃以下に冷却する第4の工程を有している。
また、本実施形態の化粧板の製造方法は、1つの角部と隣接する側面と平板40とが平行になった後、側面における上記1つの角部と対向する他の角部近傍のメラミン化粧シート20を加熱しつつ、上記他の角部を軸として、基板10を第2の面方向に回転させ、基板10の第2の面にメラミン化粧シート20を貼着する第5の工程と、当該第5の工程で加熱した部位を80℃以下に冷却する第6の工程とを有している。
ところで、従来の化粧板では、基板の側面に化粧シートを貼る場合、別途側面の形状に切り抜いた化粧シートを貼り付けたり、ロールプレスやアイロンベンダー等を用いて化粧シートを加熱して曲げて側面に回り込ませて貼り付けたり等行っていた。
しかしながら、前者の方法では、化粧シート同士の境目が目立ってしまい、十分な審美性を得るのが困難であった。
また、後者の方法では、加熱のタイミングと曲げるタイミングにズレがあるため、曲げ部に十分に熱が保持されず、成型性(曲げ成型性)や貼着性が十分ではなかった。特に、化粧シート厚みが0.5mm以下の薄厚タイプでは、加熱から曲げ加工に移行するまでの時間差による放熱・温度降下が生じ易く、最適な加熱状態の下で加工する事が難しく安定した曲げ加工を実施する事が困難であった。また、曲げるのに使用する部材を化粧シート表面を滑らすように扱うため、引っ張り応力が発生してしまい、曲げの最中に化粧シートの曲げ部にひび割れが生じたり、また、曲げるのに使用する部材をシート表面で動かすため擦り傷が生じたり、貼り付け不良が発生したり等といった問題があった。特に、メラミン化粧シートを用いた化粧板では、このような問題が顕著であった。
これに対して、本願発明では、メラミン化粧シートの曲げる部位(曲げ部)を加熱しつつ、当該曲げる部位に対応する基板の角部を軸に基板を回転させてメラミン化粧シートを基板に貼り付けるため、曲げている最中に曲げ部に十分に熱が伝わり、曲げ部のメラミン化粧シートが十分に柔らかくなる。その結果、メラミン化粧シートの成型性を向上させることができ、基板の角部に沿ってメラミン化粧シートを容易に曲げることができる。また、基板への接着性を高いものとすることができる。また、角部を軸とした基板の回転を利用してメラミン化粧シートを曲げるため、曲げ部にひび割れが生じるのを効果的に防止することができる。また、曲げる際には、平板に基板を押しつけているだけなので、メラミン化粧シート表面に不本意な擦り傷等が発生するのを効果的に防止することができる。また、メラミン化粧シートは平板によって均一に基板に貼り付けられるため、貼り付け不良が発生するのを効果的に防止することができる。
また、本方式によれば、曲げ加工に必要な加熱処理が熱板に接触する曲げ加工部位のみに効果的に行われ、加熱を必要としない部分への余分な加熱が大幅に軽減される事で、加工後に生じる加熱・冷却に伴う加工パネル材の反り、変形などの不具合を生じる危険性も回避されるなどの効果も付与される。
以下、各工程について詳細に説明する。
<第1の工程>
まず、図2(a)に示すように、基板10の第1の面(表面)にメラミン化粧シート20を、接着剤層30を介して貼着する。この際、図2(a)に示すように、基板10の角部からメラミン化粧シート20の未貼着部分がはみ出るように貼着する。
<第2の工程>
次に、図2(b)に示すように、加熱手段50を備えた平板40を、メラミン化粧シート20が貼着されている側(メラミン化粧シート20の基板10とは反対側)の面に、基板10と略平行となるように設置する。
この際、平板40は、メラミン化粧シート20と基板10とが貼着している領域からメラミン化粧シート20の未貼着領域において、メラミン化粧シート20と平板40とが当接するように切歯する。また、加熱手段50が、メラミン化粧シート20の曲げる部位に当接するように、平板40を設置する。
<第3の工程>
次に、加熱手段50により、基板10の1つの角部近傍のメラミン化粧シート20、すなわち、メラミン化粧シート20の曲げる部位近傍を加熱しつつ、上記角部を軸として基板10を第2の面方向(図3(b)中の矢印の方向)に回転させる。
この回転によって、メラミン化粧シート20の未貼着部分は、軸とした角部に対応する部位から、基板10の側面方向に曲がって行く。
そして、図3(d)に示すように、90°回転し、基板10の側面と平板40とが平行に達したとき、メラミン化粧シート20の未貼着部分と基板10の側面とが貼着する。
このように、曲げる部位を加熱しつつ、メラミン化粧シート20の曲げを行うため、メラミン化粧シート20の曲げた部位に不本意なひび割れ等が発生するのを防止することができる。また、基板10の回転を利用してメラミン化粧シート20を曲げて側面に貼着するため、メラミン化粧シート20表面に不本意な擦り傷等が発生するのを効果的に防止することができる。また、平板40によってメラミン化粧シート20に力が掛かるので、メラミン化粧シート20の貼り付け不良が発生するのを効果的に防止することができる。
メラミン化粧シート20の加熱温度は、90〜230℃であるのが好ましく、130〜180℃であるのがより好ましい。これにより、メラミン化粧シート20の曲げ成型性をより効果的に向上させることができる。また、貼着不良が発生するのをより効果的に防止することができる。加熱温度が前記下限値未満であると、メラミン化粧シート20の厚さや材質等によっては、十分な曲げ成型性を得るのが困難となる場合がある。加熱温度が前記上限値を超えると、メラミン化粧シート20の材質によっては、メラミン化粧シート20の材質が変質してしまう場合がある。
基板10の回転速度(角速度)は、3〜25°/sであるのが好ましく、4〜15°/sであるのがより好ましい。このような速度で回転させることにより、メラミン化粧シート20の曲げと、メラミン化粧シート20と基板10との接着とを十分に行いつつ、化粧板100の生産性をより高いものとすることができる。
<第4の工程>
次に、メラミン化粧シート20の上記第3の工程で加熱した部位を冷却する。
冷却は、加熱した部位が80℃以下となるまで冷却を行う。これにより、メラミン化粧シート20と基板10との接着性をより高いものとすることができる。
冷却は、メラミン化粧シート20の加熱した部位を他の部材に押し当てて行ってもよいし、平板40の加熱手段50の近くに、冷却手段を設けることにより行ってもよい。後者の方法では、加熱・曲げ・冷却を一連の動作で行うことができるため、化粧板100の生産性をさらに向上させることができる。
<第5の工程>
次に、図4(e)に示すように、メラミン化粧シート20を貼着した側面に平板40を設置し、上記第3の工程で軸とした角部と対向する角部近傍を加熱手段50で加熱しつつ、当該他の角部を軸として、基板10の第2の面方向(図中の矢印の方向)に、基板10を回転させる。これにより、メラミン化粧シート20の未貼着部分は、基板10の第2の面方向に曲げられ、基板10の第2の面に貼着される。
このような工程を有することにより、メラミン化粧シート20を裏面まで回り込ませて接着することとなり、メラミン化粧シート20の不本意な剥がれをより確実に防止することができる。また、側面の審美性・意匠性をより高いものとすることができる。
本工程におけるメラミン化粧シート20の加熱温度は、上述した第3の工程と同様に、90〜230℃であるのが好ましく、130〜180℃であるのがより好ましい。これにより、メラミン化粧シート20の曲げ成型性をより効果的に向上させることができる。また、貼着不良が発生するのをより効果的に防止することができる。
また、本工程における基板10の回転速度(角速度)は、上述した第3の工程と同様に、3〜9°/sであるのが好ましく、6〜8°/sであるのがより好ましい。このような速度で回転させることにより、メラミン化粧シート20の曲げと、メラミン化粧シート20と基板10との接着とを十分に行いつつ、化粧板100の生産性をより高いものとすることができる。
<第6の工程>
次に、メラミン化粧シート20の上記第5の工程で加熱した部位を冷却する。
冷却は、上記第4の工程と同様に、加熱した部位が80℃以下となるまで冷却を行う。これにより、メラミン化粧シート20と基板10との接着性をより高いものとすることができる。
冷却は、メラミン化粧シート20の加熱した部位を他の部材に押し当てて行ってもよいし、平板40の加熱手段50の近くに、冷却手段を設けることにより行ってもよい。後者の方法では、加熱・曲げ・冷却を一連の動作で行うことができるため、化粧板100の生産性をさらに向上させることができる。
その後、メラミン化粧シート20の他の未貼着部位についても、上記と同様にして、基板10に貼着することにより、図1に示すような化粧板100が得られる。
《メラミン化粧シート》
次に、化粧板100を構成するメラミン化粧シート20について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の化粧板の製造方法に用いられるメラミン化粧シートは、難燃性または不燃性の化粧シートである。
メラミン化粧シートとは、一般に、色や柄を印刷した化粧紙に、メラミン樹脂を含浸したものをいう。
化粧板100では、以下に述べるようなメラミン化粧シート20を用いるのが好ましい。
以下、化粧板に好適に用いられるメラミン化粧シートについて詳細に説明する。
図5は、メラミン化粧シートの構成の一例を表す概念図、図6は、メラミン化粧シートの製造方法の一例を説明する図、図7は、メラミン化粧シートの構成の他の一例を表す概念図、図8は、メラミン化粧シートの構成の他の一例を表す概念図である。
本実施形態に係るメラミン化粧シート20は、図5に示すように、表面層15と芯材層16とが積層された構造を有するものあり、表面層15は、意匠面となる第1の面側151にメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、芯材層16と接する第2の面側152に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面層基材からなる表面層材料で構成され、芯材層16は、ガラスクロスまたはガラスクロスを基材とするプリプレグからなる芯材層材料で構成されている。
このようなメラミン化粧シート20は、例えば、図6に示すように、表面層材料15Aと芯材層材料16Aとを重ね合わせ、これを加熱加圧成型して積層することにより得られる。
以下、各層について詳細に説明する。
<1.表面層>
表面層15は、表面層材料15Aで構成されている。
この表面層材料15Aは、メラミン化粧シート20の意匠面(露出される側の面)側に配置されている。この表面層材料15Aは、意匠面となる第1の面側151にメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、芯材層16と接する第2の面側152に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面層基材からなるものである。
なお、本明細書中において、表面層基材が樹脂を担持するとは、樹脂が基材(担体)の表面に付着し、または、基材内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成型後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。なお、樹脂は、基材の表面および基材の内部に均一に分布していなくてもよい。
表面層基材は、第1の面側151に意匠面が形成されたシート状の基材である。表面層基材の材質は特に限定されず、例えば、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維等を用いることができる。また、必要に応じて、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙などを用いることができる。
表面層基材の坪量は、特に限定されないが、40〜150g/mであることが好ましい。坪量が前記下限値未満であると、樹脂含浸工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難であり、さらに第1の面と第2の面それぞれに担持させる樹脂含浸量を調整することも困難である。一方、坪量が前記上限値を超えると、表面層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ、メラミン化粧シート20の柔軟性を低下させると共に、生産性低下、コスト高の原因となる場合がある。
表面層材料15Aは、表面層基材の第1の面側151にはメラミン樹脂を含有する樹脂が担持されてなる。これにより、表面層材料15Aの第1の面側151の表面、すなわち、メラミン化粧シート20表面に好適な表面硬度を付与することができる。
メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。
メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比((ホルムアルデヒドのモル量)/(メラミンのモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.1〜1.8として、反応させて得られたものを好適に用いることができる。反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となる場合がある。また、前記上限値を超えると、硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる場合がある。なお、メラミン樹脂としては、1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
メラミン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、200〜500であるのが好ましく、250〜350であるのがより好ましい。分子量が前記下限値よりも小さいと、未反応分が多くなり、保存性が低下する場合がある。また、前記上限値よりも大きいと、基材への含浸性が低下する場合がある。なお、前記重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
表面層材料15Aの第1の面側151に担持される樹脂中の上記メラミン樹脂の含有量は、特に限定されないが、80〜100質量%であるのが好ましく、95〜100質量%であるのがより好ましい。メラミン樹脂の含有量が前記下限値未満であると、表面硬度や耐汚染性が低下する。
メラミン樹脂を含有する樹脂を表面層基材の第1の面側151に担持させる方法としては、特に限定されず、例えば、前記樹脂を溶剤に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
なお、加熱乾燥後の樹脂含浸紙には、当該樹脂含浸紙全体の重さを100質量%としたときに、2〜6質量%の揮発分(溶剤)が残存する事が好ましい。これにより、樹脂含浸紙の取り扱いが容易になり、また、加熱成型時において、第1の面側151に担持させたメラミン樹脂の樹脂フローが向上する事でメラミン化粧シート20の意匠外観・表面光沢度が良好となる。揮発分が2質量%未満では樹脂含浸紙が割れ易く取り扱いが困難となり、樹脂フローの低下もあり外観形成に支障が生じる。また、揮発分が6%を超えた場合、成型後の乾燥環境下では、化粧シート反り(シートカール)が増大しやすくなり、7.5%以上では化粧シート外観での光沢転写性に揮発分の影響が生じて来る。
メラミン樹脂を含有する樹脂を溶解する溶剤としては、特に限定されず、例えば、水、メタノール等が挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。前記樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、前記樹脂ワニスの30〜70質量%であるのが好ましく、45〜60質量%であるのがより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
表面層材料15Aは、表面層基材の意匠面と反対側である第2の面側152には、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持されてなる。なお、本明細書中おいて、熱可塑性エマルジョン樹脂とは、熱可塑性樹脂を含むが溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分とは、熱可塑性エマルジョン樹脂から溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、メラミン化粧シートに柔軟性を付与する。したがって、第2の面側152には、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持することにより、表面層15と芯材層16との接着強度を向上させることができるとともに、メラミン化粧シート20の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本明細書中において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が芯材層16との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層16との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
また、前記ウレタンアクリル複合粒子が、表面層材料15Aの第1の面側151に担持された時の粒子間の配列状態は、特に限定されず、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造および粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。これらの中でも、前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプであることが特に好ましい。ウレタンアクリル複合粒子が上記コアシェル構造であると、表面層材料15Aの第2の面側152に担持させたときに、表面外郭がウレタン組成となるので、表面層材料15Aの第2の面側152は、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン樹脂の特性が付与される。なお、本明細書中において「水性クリヤー」とは、樹脂液は水溶性であり水分を飛ばした後の塗膜は非水性で、かつ下地の色柄が明らかに識別出来る程の透明性を持つ樹脂水溶液を意味する。表面層材料15Aの第2の面側152に担持される樹脂が水性クリヤータイプであることにより、表面層が有する意匠面の色調に及ぼす影響を抑制することができる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、前記エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60〜90nmであることがより好ましい。これにより、表面層基材の繊維間への含浸性が向上し、より表面層基材の内部に含浸させることができるため、表面層15に良好な柔軟性を付与することができる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、非水溶性であることが好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が表面層材料15Aの第1の面側151へと移行して、第1の面側151に担持されているメラミン樹脂と混合して、第1の面側151のメラミン樹脂による表面性能を損なうことを防止することができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を表面層基材の第2の面側152に担持させる方法としては、特に限定されず、メラミン樹脂を含有する樹脂を表面層基材の第1の面側151に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解されたエマルジョン状態の熱可塑性エマルジョン樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
なお、前記加熱乾燥後の樹脂含浸紙には、当該樹脂含浸紙全体の重さを100質量%としたときに、2〜6質量%の揮発分が残存することが好ましい。これにより、樹脂含浸紙の取り扱いが容易になり、また加熱成型時において、第1の面側151に担持させたメラミン樹脂の樹脂フローが向上する事でメラミン化粧シート20の意匠外観・表面光沢度が良好となるからである。
熱可塑性エマルジョン樹脂に用いられる溶剤としては、特に限定されず、例えば、水等が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%であるのが好ましく、30〜45質量%であるのがより好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
<2.芯材層>
メラミン化粧シート20は、表面層15の第2の面側152に、芯材層16を積層してなる。
芯材層16は、ガラスクロスまたはガラスクロスを基材とするプリプレグからなる芯材層材料16Aで構成される。これにより、メラミン化粧シートに、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
ガラスクロスとしては、特に限定されず、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等が挙げられ、中でも不燃性、強度の点からガラス織布が好ましい。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもTガラスが好ましい。これにより、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。
ガラスクロスの重量は、特に限定するものではないが、建築基準法第2条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合は、坪量100g/m以上とする事が好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。
樹脂組成物としては、表面層15の第2の面側152と芯材層16との層間接着強度が、メラミン化粧シート20を形成するために十分であれば、特に限定されないが、中でも、熱可塑性樹脂を固形分で10〜50質量%含有することが好ましく、20〜35質量%含有することがより好ましい。これにより、表面層15の第2の面側152と芯材層16との層間接着強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、樹脂組成物を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
また、芯材層材料16Aは、表面層材料15Aと接する面側に、さらに熱可塑性エマルジョン樹脂を担持させる事で、さらに接着強度を向上させ、高い常温曲げ加工性を達成出来る。なお、芯材層材料16Aの表面層材料15Aと接する面側に担持させる熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、柔軟性を付与し、燃焼時の発熱量、ガス有害性に支障なければ特に限定されず、当該熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が含むエマルジョン樹脂粒子の平均粒径は特に限定されず、水溶性でも非水溶性でもよい。
芯材層16の厚みは、100μm以上とすることが好ましい。これにより、メラミン化粧シート20に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほどメラミン化粧シート20の厚みと重量が増大すると共に、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、350μm以下にすることが好ましい。
<3.メラミン化粧シート>
メラミン化粧シート20は、上述した表面層材料15Aと芯材層材料16Aとを、所定の順序で重ね合わせ、これを加熱加圧成型して積層することにより得られる。
メラミン化粧シート20を加熱加圧成型する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度130〜150℃、圧力2〜8MPa、時間3〜60分間で実施することができる。
また、メラミン化粧シート20の成型時に、表面層材料15Aの第1の面側に、鏡面仕上げ板を重ねることにより鏡面仕上げとすることができ、エンボス板またはエンボスフィルム等を重ねることにより、エンボス仕上げとすることができる。
メラミン化粧シート20は、常温(通常20〜30℃程度)での最小曲げ半径が10mmR以下の曲げ加工が可能であるが、特に限定はされない。最小曲げ半径Rとは、半径Rの湾曲部を有する型に沿わせて、一方方向に行う常温曲げ加工を繰り返し実施しても、割れ等の不具合を生じず、100%の良品が得られる最小の型の半径Rを意味する。
また、メラミン化粧シート20は、全体厚みが0.1〜2mmであるのが好ましく、0.1〜1.2mmであるのがより好ましい。
なお、本発明の化粧板の製造方法に適用可能なメラミン化粧シートは、図5および図6に示したメラミン化粧シート20の形態に限定されず、機械的強度等を付与したい場合には、図7に示すように、芯材層の下側にさらに別の芯材層材料を積層して芯材層を2層積層した、表面層15、芯材層16、芯材層17の三層構成としたメラミン化粧シート20Aを用いることもできる。また、表面層および芯材層以外の別の層を有していてもよく、例えば、図8に示すように、意匠面側の最外層に保護層18を有していたり、芯材層側の最外層に支持層19を有していたりするメラミン化粧シート20Bを用いてもよい。
保護層18は、特に限定されず、例えば、坪量10〜50g/mの紙基材に、メラミン樹脂単独、あるいは、メラミン樹脂に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、あるいはシリカから選ばれる無機充填材を含有させた樹脂組成物を含浸させ、これを乾燥することにより得ることができる。
支持層19は、特に限定されず、例えば、表面層基材に用いられるものと同様の基材に、表面層材料の第1の面側または第2の面側に用いることができる樹脂を含浸させてなるプリプレグや、金属箔等を用いることができる。
以上、本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明の製造方法は、前述した工程以外の他の工程を有するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、冷却工程としての、第4の工程、第6の工程を有するものとして説明したが、これに限定されず、このような工程は無くてもよいし、第4の工程だけで第6の工程がない製造方法であってもよいし、第6の工程だけで第4の工程がない製造方法であってもよい。
また、前述した実施形態では、メラミン化粧シート側に接着剤層があるものとして説明したが、これに限定されず、基板側に設けられていてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[1]化粧板の製造
(実施例1)
基板として、縦2,430mm、横860mm、厚さ5.5mmのパーチクルボード単板(ノポパン社製、商品名「JSS5」)を用意した。基板の第1の面の角部は1Rの面取り加工が施されていた。
また、メラミン化粧シートとして、縦2,440mm、横920mm、厚さ0.2mmの化粧シート(住友ベークライト(株)社製、商品名「イノベア:MFG」)を用意した。このメラミン化粧シートで上記基板を包んだ場合にメラミン化粧シート同士が重なる部分については、下記工程の前に予めカットを行った。
次に、メラミン化粧シートに接着剤(日東電工(株)社製、商品名「5015D」)を付与し、両側巻込み部(基材厚み+裏面圧着幅)が各辺より均等にはみ出す様に、メラミン化粧シートの中心に基板を設置した後に、基板の第1の面とメラミン化粧シートとを接着した。
次に、加熱手段と、当該加熱手段と隣接する冷却手段とを備えた平板を用意し、当該平板上に、平板と基板の第1の面とが平行になるように、基板と貼着したメラミン化粧シートを設置した。この際、メラミン化粧シートの曲げる部位(第1の面の1つの角部)が加熱手段で加熱できるように設置した。
次に、加熱温度を160±5℃とした状態で、水平状態に静置し3秒間の初期加熱を行った後に、曲げる部位に対応する角部を軸として、基板を8±1°/sの速度で、基板の裏面方向に90°回転させ、メラミン化粧シートを曲げ、基板の側面に接着した(第3の工程)。
次に、加熱部位を冷却手段により80℃以下となるまで側面部を押圧しながら冷却した。
次に、側面の上記軸とした角部と対向する角部と接しているメラミン化粧シートに、加熱手段が接触するように設置した。
次に、加熱温度を160±5℃とした状態で、側面部を水平状態に静置し3秒間の加熱処理を行った後に、曲げる部位に対応する角部を軸として、基板を8±1°/sの速度で、基板の裏面方向にさらに90°回転させ、メラミン化粧シートを曲げ、基板の裏面(第2の面)に接着した(第5の工程)。
その後、他のメラミン化粧シートの未貼着部分を上記と同様にして貼り付け、化粧板を得た。巻込み加工後は、裏面巻込み部の貼り付け面部を金属ロールにて圧締処理した。
(実施例2)
第3の工程および第5の工程における加熱温度を175±5℃とし、回転速度を15±1°/sとした以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
(実施例3)
第3の工程および第5の工程における加熱温度を190±5℃とし、回転速度を20±1°/sとした以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様の基板およびメラミン化粧シートを用意し、アイロンベンダーマシン(BRANT社製)を用いて、基板にメラミン化粧シートを貼着し、化粧板を製造した。なお、アイロンベンダーマシンのアイロン設定温度は、170±5℃で、第1角部と対向する裏面角部(第2の面)の曲げはハンドロールで巻込み押え込んだ。
(比較例2)
実施例1と同様の基板およびメラミン化粧シートを用意し、シーズヒーター挿入式加熱ロール(松岡機械製作所(株)製)を用いて、基板にメラミン化粧シートを貼着し、化粧板を製造した。なお、シーズヒーター挿入式加熱ロールの加熱ロール設定温度は、180±5℃であった。
[2]化粧板の評価
各実施例および比較例の化粧板の、メラミン化粧シートの曲げ部を目視により確認したところ、実施例の化粧板では、ひび割れ、擦り傷、貼り付け不良等は確認されなかった。
これに対して、比較例の化粧板では、ひび割れ、擦り傷、小口側面部の貼り付け不良(浮き)等が確認された。
100 化粧板
10 基板
20、20A、20B メラミン化粧シート
30 接着剤層
40 平板
50 加熱手段
15 表面層
15A 表面層材料
151 第1の面側
152 第2の面側
16 芯材層
16A 芯材層材料
17 芯材層
18 保護層
19 支持層

Claims (9)

  1. 第1の面と当該第1の面と反対側の第2の面とを有する基板と、メラミン化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、
    前記基板の前記第1の面に、当該第1の面の面積よりも貼着面積が広い前記メラミン化粧シートを貼着する第1の工程と、
    前記メラミン化粧シートの前記基板とは反対側の面の、前記基板の前記第1の面の一つの角部近傍で、かつ、前記基板と前記メラミン化粧シートとが貼着している領域から貼着していない領域にわたって、前記基板と略平行に、加熱手段および冷却手段を備えた平板を設置する第2の工程と、
    前記加熱手段により、前記基板の前記1つの角部近傍の前記メラミン化粧シートを加熱しつつ、前記1つの角部を軸として、前記基板を前記第2の面方向に回転させ、前記基板の側面方向に前記メラミン化粧シートを曲げ、前記基板の側面に前記メラミン化粧シートを貼着する第3の工程と、
    前記平板を前記メラミン化粧シートに押し当てた状態で、前記冷却手段により、前記第3の工程で加熱した部位を冷却する第4の工程と、を有することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、前記基板の回転速度は、3〜25°/sである請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  3. 前記第3の工程において、前記メラミン化粧シートの加熱温度は、90〜230℃である請求項1または2に記載の化粧板の製造方法。
  4. 前記加熱手段により、前記1つの角部と隣接する前記側面と前記平板とが平行になった後、前記側面における前記1つの角部と対向する他の角部近傍の前記メラミン化粧シートを加熱しつつ、前記他の角部を軸として、前記基板を前記第2の面方向に回転させ、前記基板の第2の面方向に前記メラミン化粧シートを曲げ、前記基板の前記第2の面に前記メラミン化粧シートを貼着する第5の工程を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の化粧板の製造方法。
  5. 前記第5の工程の後、前記平板を前記メラミン化粧シートに押し当てた状態で、前記冷却手段により、前記第5の工程で加熱した部位冷却する第6の工程を有する請求項4に記載の化粧板の製造方法。
  6. 前記メラミン化粧シートは、全体厚みが0.1〜2mmである請求項1ないしのいずれか1項に記載の化粧板の製造方法。
  7. 前記基板の前記第1の面の角部は、面取り加工が施されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の化粧板の製造方法。
  8. 前記角部は、0.5R〜3Rとなるように面取り加工が施されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の化粧板の製造方法。
  9. 前記メラミン化粧シートは、表面層と芯材層とが積層された積層体で構成され、
    前記表面層は、意匠面となる第1の面側にメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記芯材層と接する第2の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面層基材からなる表面層材料で構成され、
    前記芯材層は、ガラスクロスまたはガラスクロスを基材とするプリプレグからなる芯材層材料で構成される請求項1ないしのいずれか1項に記載の化粧板の製造方法。
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