JP5585286B2 - 床用枚葉状粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、床改装に用いられ得る床用枚葉状粘着シート及びその製造方法に関する。
近年、大規模商業スペースにおいて、売上、利益を生み続けるため不採算テナントをやめ、新たに、集客力の高い新規テント導入することが広く行われている。これにより、店舗改装のニーズは、高まっている。
店舗改装をするに当たって、店舗の壁面の場合は、容易に行なう事ができるが、床の場合は、既存床を剥がし、新たに新規の床を設けることは、コストと時間がかかる。そのため、床部分の改装を見送る場合もあるが、既存床の上から、そのまま新規床を施工することが多い。
しかし、かかる施行方法は、溶剤系接着剤の残臭や、部分施工の場合の段差が発生する場合がある。また、広い面積を施工した場合では床材自体の重さもあり、構造の耐荷重への問題が発生することがある。
また、部分的に施工する場合では、床は2〜3mmの段差となり、外観、歩行安全上の問題が発生する場合もある。
例えば、特許文献1では、透明樹脂保護層、発泡樹脂層、粘着剤層、離型シートを順に積層してなり、透明樹脂保護層、発泡樹脂層の少なくとも一方に装飾処理を施したことを特徴とする、リフォーム用の床材シートが提案されているが、厚み2mmと厚く、部分的な施工には不適であった。
また、特許文献2では、ベース層とベース層の表面に配置された保護層とベース層の背面に配置された接着層を有する接着シートが提案されている。ここで接着層は、粘着剤を主に使用するもので、表面保護層の耐久性に主眼をおいた発明であり、接着シート全体の厚みも100〜250μmの範囲と規定している。この発明には、広い面積を施工する施工性についての検討はなく、床改装用には問題が発生するものと思われる。
特開平11−182009号公報 特開2001−262092号公報
本発明は、かかる状況の中で、床改装に用いることができ、且つ広い施工面積を短時間で施工可能である床用粘着シート及びその生産性の高い製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を達成するため、既存床の上に、薄い床用粘着シートで、施工する事により上記の店舗用改装を効率よくできる方法を種々検討した。
種々の検討を積み重ねるに当たり、まず、壁面や建具の改装方法に着目した。
壁面の場合は、壁面の高さ以上の長さに、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シートを切断し、上部のみ、剥離紙を剥がし垂直性を確認しつつ、一部固定し、そのまま剥離紙を剥がしながら、上から下へ、脱気しながら施工する。隣接部の施行は、端部の重ね合わせ部を考慮した位置で、同様の作業を行い、施工後重ねあわせ部の中心付近から、上下の化粧シートを切断し、重ねあわせ部を除去し、左右のジョイントを行なう。
上記と同様のことを床面で行なって見たが、施工上の問題、品質上の問題が発生した。ロール状に巻き取られた長尺状の粘着シートを、垂直面である壁面に貼る場合は、重力で垂れ下がるが、床面の場合は、重力効果がないので、剥離紙をこまめに剥がし、少しずつ施工しないと、エアがみが入り、また一度貼ったシートを剥がすと、部分的にシートが伸び、歪んでしまう。従って、3m程度の施工を行なうと、粘着シート自体も少なからずタルミ等の歪みがあるので、粘着シートが施工中に曲がってしまう事になる。
また、ジョイント部は、重ね合わせになっており、あとから、中心部を切断するが、壁面に比べ、床面での作業は、作業負荷が多く、非常に作業性が悪いことを知見した。
以上の検討から、施工性を考慮すると、重ね切り施工でなく、タイルの様につき合わせ施工をすれば作業性を向上することができること、及び粘着シートの歪みがない状態にしないと、つき合せ施工が出来ないことがわかった。即ち、広い施工面積を短時間で施工するには、ロール状に巻き取られた長尺状の粘着シートと比較して、枚葉の粘着シートの方が好ましいことが知見された。
また、粘着シートが適度な柔軟性を有していると施工時間が短縮されることもわかった。
しかし、枚葉の場合でも、剥離紙を剥がし、施工面に粘着層がついた状態で、エアがみ、ゴミかみなどで、シートの一部分を剥がし、また貼りあわせる作業が必須となる。このとき、シートの剛性が弱いと剥離したときにシートが伸びて歪んでしまう。このことだけ考えると、シートは堅いほうが良いが、粘着加工はロール状に巻き取られた長尺状のシートで行わないと、生産が著しく低下する。
したがってロール状の粘着加工と、枚葉の加工とを組合わせることが、粘着シートの生産性を高め、かつ、施工時間を短縮する観点から好まし好ましいことであり、シートの剛性を施工性と、生産性を鑑み、考慮することにより、課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]化粧シートの裏面に粘着剤層を有する床用枚葉状粘着シートであって、該化粧シートの2%伸度時の力が35〜80N/10mm幅である床用枚葉状粘着シート、及び
[2]粘着剤の塗布された剥離紙と、長尺状の化粧シートの裏面とをロール圧着により貼り合わせて粘着剤層を形成し粘着シートを製造する工程と、該粘着シートを枚葉に断裁する工程とを含む床用枚葉状粘着シートの製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、床改装に用いることができ、且つ広い施工面積を短時間で施工可能である床用枚葉状粘着シート及びその生産性の高い製造方法を提供することができる。また、施工現場で化粧シートに粘着剤を塗布する必要がないので、溶剤を発生することがない。さらに、化粧シートの厚みを薄くすることができるので、床面に段差を生じにくい効果をも奏する。
本発明の枚葉状粘着シートの一例を示す模式図である。
本発明の床用枚葉状粘着シートは、化粧シートの裏面に粘着剤層を有する床用枚葉状粘着シートであって、該化粧シートの2%伸度時の力が35〜80N/10mm幅であり、且つ枚葉に断裁されてなるものである。化粧シートの2%伸度時の力が35N/10mm幅以上であれば、断裁された枚葉状粘着シートを施工する際、エアがみ(床面と粘着シートとの間に空気が入ってしまうこと)やシワが発生し、部分的に剥がさなければならない場合に枚葉状粘着シートの伸びが発生したりしてシートが歪んで、断裁したシートの直線性が歪んでしまうことを防ぐことができる。枚葉状粘着シートを施工する場合、部分的に枚葉状粘着シートを剥がしたり、貼り位置を修正する場合に一度全面を剥がすことがあるので、シートの歪みを防止できれば、剥がした後に再び好適につき合せ施工することができ、柄も歪まないので意匠的にも優れることとなる。また、化粧シートの2%伸度時の力が80N/10mm幅以下であれば、粘着シートのロール状加工も可能であり、また、枚葉状粘着シートも床面に圧着時に、下地形状になじみ、施工し易くなる。
枚葉の寸法は特に限定されないが、0.16〜4.00m2であれば、施工性の早さと作業のし易さとの双方を満足し易いので好ましく、0.81m2[例えば、0.5畳(90cm×90cm)]〜1.62m2[例えば、1畳(90cm×180cm)]であれば更に好ましい。枚葉状粘着シートの形状は正方形又は長方形が好ましい。
本発明の床用枚葉状粘着シートに用いられる化粧シートの厚みは、0.3〜0.6mmであることが好ましい。0.3mm以上であれば、化粧シートの2%伸度時の力を容易に35N/10mm幅以上にすることができるので好ましく、特に、枚葉状粘着シートの伸びが発生して断裁シートの直線性が歪んでしまうことを好適に防ぐことができ、下地の不陸を軽減することができる。また、0.6mm以下であれば、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シートの各層の積層や粘着剤の塗布された剥離紙と化粧シートとのロール圧着による貼り合わせの粘着加工が問題なく加工でき、また、枚葉状粘着シートを部分的に施工した場合の段差も、問題のないレベルである。
本発明の床用枚葉状粘着シートの好適な態様の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の枚葉状粘着シートの一例を示す模式図である。
図1に示される枚葉状粘着シート1は、化粧シート10の裏面に粘着剤層20を有するものであり、通常、施工前では、粘着剤層20の表面に剥離紙30が貼着されている。そして、床施工のときに剥離紙30は剥がされる。
[化粧シート10]
図1に示すように、本発明に係る化粧シート10の好適な態様として、基材シート11の表面側に着色層12、透明樹脂層13及び表面保護層14をその順に有し、基材シート11の裏面側に合成樹脂層15を有する化粧シートが挙げられる。
《基材シート11》
本発明に用いられる基材シート11としては、合成樹脂シートが好適に用いられ、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(以下、「ABS樹脂」という。)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの内、ポリオレフィン系樹脂からなるシートが、汎用性、生産性の観点から望ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
これらの中でも、特にポリプロピレンが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすれば良い。
基材シート11の厚みは、特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シート11は、着色(白を含む)を通常行う。絵柄に合わせた着色を行うが着色剤は特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔紛からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シート11は、施工される床面を下地色の影響を受けなくするため、不透明着色(隠蔽着色)を行う。
基材シート11の片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理等の表面処理を施しても良い。
基材シート11の片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層(例えば、着色層12の形成を容易にするプライマー、合成樹脂層15の接着を容易にするための裏面プライマー層)を設けても良い。
《着色層12》
本発明に所望により用いられる着色層12は、絵柄模様層12a及び/又は隠蔽層12bからなる。
絵柄模様層12aは、本発明で用いられる化粧シートに装飾性を付与するために好ましく設けられるものであり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。
模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様などがあり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。また、文字、記号、幾何学模様、全面を印刷した着色ベタや、これらを複合した模様も挙げられる。
これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷などによっても形成される。
絵柄模様層12aの形成に用いられるインキには、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などから選ばれる任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
この絵柄模様層12aの厚さは、通常1〜20μm程度である。
隠蔽層12bは、全面ベタ層であり、基材シート11等の色等を隠蔽するものであるが、装飾目的で積層される場合もある。用いられるインキのバインダー、着色剤等の各成分は、絵柄模様層12aと同様である。この隠蔽層12bの厚さは、通常1〜20μm程度である。
《透明樹脂層13》
本発明に係る化粧シート10は、所望により、着色層12と表面保護層14との間に、透明樹脂層13を有していても良い。透明樹脂層13を設けることにより、化粧シート10の耐摩耗性が向上し、後述するエンボス加工を化粧シート10に施す場合は、微細かつ複雑な形状の凹凸模様に、より深みを持たせることが可能となる。
透明樹脂層13は、透明性のものであれば限定されず、無色透明、着色透明、半透明などの透明性を有する樹脂からなる層である。
透明樹脂層13としては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたものを好適に使用することができる。具体的には、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどを挙げることができる。
透明樹脂層13は、上記したように透明であれば着色されていても良い。この場合、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、公知又は市販の顔料又は染料を適宜使用することができる。これらは、1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合いなどに応じて適宜設定すれば良い。
また、透明樹脂層13には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)などの各種の添加剤が含まれていても良い。
透明樹脂層13の形成方法としては、例えば予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、透明樹脂層13を形成し得る樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法などのいずれも採用することができる。
透明樹脂層13の厚みは、最終製品の用途、使用方法などにより適宜設定できるが、一般的には10〜250μm、特に60〜200μm程度とすることが好ましい。
また、透明樹脂層13の形成にあたり、着色層12との接着性を高める為、着色層12の上に、透明性接着層を形成後、透明樹脂層13を積層しても良い。透明性接着層は透明性の接着剤で特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。接着剤としては例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又は、ポリエステル樹脂も適用し得る。
また、透明樹脂層13の表面及び/又は裏面には、隣接する層との接着性を高めるために、必要に応じて酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、熱可塑性樹脂フィルム層の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
《表面保護層14》
表面保護層14は、基材シート11と表面保護層14との間に設けられる層を保護するために設けられる層であり、好ましくは電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して得られる層である。電離放射線硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線などの電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂とその他必要に応じて添加される成分とからなる組成物である。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層14に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の化合物を適宜使用すれば良い。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有するような多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて用いれば良い。官能基数としては、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。これらのオリゴマーのうち、多官能性の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2〜16が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。これらの重合性オリゴマーは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明においては、前記重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されない。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
(各種添加剤)
電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる表面保護層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えばアルミナ、シリカなどの無機粒子やアクリルなどの樹脂粒子などの耐摩耗性向上剤、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂類がエステル系などの有機溶剤に溶解又は分散して得られるワックスのほか、耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。なお、これらの各種添加剤の電離放射線硬化性樹脂組成物における含有量は、各種添加剤の添加効果を十分に得つつ、本発明の効果を害しない範囲内であり、適宜設定するものである。
本発明に係る表面保護層14は、所望により、艶調整のためシリカなどの無機粒子をマット剤として含有しても良い。
(表面保護層14の形成方法)
表面保護層14の形成方法は、好ましくは以下のように行う。電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、熱可塑性樹脂フィルム層の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であれば良く、特に制限はない。
このようにして調製された塗工液を、熱可塑性樹脂フィルム層12の表面に、硬化後の厚さが所定の範囲内になるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、通常1〜40μmであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜20μmである。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
《合成樹脂層15》
本発明における合成樹脂層15は、バッカー層と称されるものであり、化粧シートの寸法を安定にするものである。この観点から、合成樹脂層15の引張り弾性率(ヤング率)は、500〜2000MPaであることが好ましい。
合成樹脂層15は、通常、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。この熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
合成樹脂層15の形成方法は、例えば予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、合成樹脂層15を形成し得る樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法などのいずれも採用することができる。
効率的な方法としては、基材シート11及び着色層12、透明樹脂層13、表面保護層14が積層された中間シートの基材シート11の裏面に、合成樹脂層15を溶融押出し成形にて積層することが好ましい。具体的には、Tダイを用いた押出し成形が好適に利用できる。
合成樹脂層15の形成にあたり、基材シート11の裏面との接着性を高める為、基材シート11の裏面上に、透明性接着層を形成後、合成樹脂層15を積層しても良い。透明性接着層は透明性の接着剤で特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。接着剤としては例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又は、ポリエステル樹脂も適用しうる。
合成樹脂層15の厚みは、用途に応じて選定されるが、80〜500μmが好ましく、100〜400μmがより好ましく、150〜300μmが更に好ましい。なお、合成樹脂層(バッカー層)15は押出し成形によって形成される限り単層でも多層でも良い。合成樹脂は単独でも混合物でも良い。
合成樹脂層15の裏面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理等の表面処理を施しても良い。
同様に、必要に応じて、プライマー層(例えば、粘着剤層20の接着を容易にするプライマー)を設けても良い。
《凹凸模様》
本発明で用いられる化粧シート10には、歩行する人のスリップ防止や意匠性を高める目的でエンボス加工による凹凸模様を施すことが好ましい。
凹凸模様は、化粧シート10が製造過程において何らかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、表面保護層14側の上面からエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。ここで、エンボス加工は、表面保護層14を設ける前に行っても、後に行っても良い。
また、望ましい形態としては、合成樹脂層15を積層する前(基材シート11及び着色層12、透明樹脂層13、表面保護層14が積層された中間シート)に凹凸加工を行うことが、生産性、品質の上で好適である。エンボス加工は、シート厚みが厚すぎると、加熱及び冷却の時間が長くなるため生産性が落ちるからである。
凹凸模様の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられ、凹凸模様の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがある。
エンボス加工する際の温度としては、加熱圧着成形時に凹凸模様が消失する所謂エンボス戻りが少なくなる温度が好ましい。
凹凸模様の深さは、化粧シート10の厚みにもよるが、優れた意匠性を得るためには、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
[枚葉状粘着シート1の製造方法]
以下に、枚葉状粘着シート1の製造方法の発明について説明する。
本発明の床用枚葉状粘着シート1の製造方法は、粘着剤の塗布された剥離紙30と、長尺状の化粧シート10の裏面とをロール圧着により貼り合わせて粘着剤層20を形成し粘着シートを製造する工程と、該粘着シートを枚葉に断裁する工程とを含む床用枚葉状粘着シートの製造方法である。
《粘着シート製造工程》
上述のように基材シート11に、必要に応じ、着色層12、透明樹脂層13、表面保護層14、合成樹脂層15及びその他の層を所定の配置に積層して、ロール状に巻き取って製造した長尺状の化粧シート10を準備する。
また、別途、長尺状の剥離紙30を用意する。
剥離紙30の表面に各種の塗布方法で粘着層を形成した後、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シート10の合成樹脂層15側とを2本の圧着ラミネートロールにて圧着して粘着剤層20を形成しロール状に巻き取られた長尺状の粘着シートを製造する。
粘着剤が、溶剤系、水性エマルジョン系の場合は、ロールコート、ナイフコート、コンマロールコート等の方法で、剥離紙30表面に塗布し、加熱乾燥を行ない、溶剤又は水を揮発させてから圧着ラミネートを行う。
粘着剤が、無溶剤のホットメルト系の場合は、Tダイ等の加熱塗布システムで塗布と同時に圧着ラミネートを行う。
粘着加工をロール状で行うことにより飛躍的に生産性を向上することができる。
《粘着シート断裁工程》
次に、得られた長尺状の粘着シートを、断裁機で所定の寸法の枚葉に断裁して本発明の枚葉状粘着シート1を得る。
具体的には、ロール状の粘着シートを巾方向の寸法に合わせ、ロール刃で連続スリット断裁する。その後、シートの送り装置と、ギロチン刃又はスライドカッター装置で、流れ方向の断裁を行なう。
本発明において、粘着剤層20を形成する粘着剤としては、溶剤型、エマルジョン型等を問わず使用することができ、ホットメルト型や電離放射線硬化型樹脂も使用することができる。粘着剤層20を形成する樹脂として具体的な材質としては、例えば、ポリイソプレンゴム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のアクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂等の任意の接着剤に適当な粘着付与剤、例えば、ロジン、ダンマル、重合ロジン、部分水添ロジン、エステルロジン、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂等を適当量添加したものであり、更に必要に応じて、軟化剤、充填剤、老化防止剤等も添加することができる。
これらの内、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が好ましい。
粘着剤層20の厚みは、20〜100μ、望ましくは30〜50μである。
床面への施工の場合、初期の貼り直しを好適に行うため初期接着力が10N/25mm巾以下であることが好ましい。これにより、貼り直し時の労力を軽減でき、エアがみ時のエア抜け性を向上し得る。
また、施工後は、10N/25mm巾以上であれば、歩行者の靴が部分施工した床用枚葉状粘着シートの段差のある端部に引掛かり、端部の部分的なめくりあがりが発生することを、より好適に防止できる。
本発明における剥離紙30としては、表面を剥離処理した、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂シート、紙、及び紙の表裏にポリエチレン系樹脂を積層したポリラミ紙等各種使用することができる。樹脂シートの剥離紙30の厚みとしては、10〜200μmである。ポリラミ紙の場合は、坪量50g/m2〜200g/m2程度の上質紙を使用しポリエチレン等でラミネートする。そのラミネートの厚さは、10μm〜30μmとするのが好ましい。
剥離処理の方法は、フッ素系樹脂、シリコーン、メラミン、ポリオレフィン、電離放射線硬化性樹脂等を表面に塗工して形成することができる。
また、本用途の剥離紙30は、連通溝を有する剥離型紙が好ましい。連通溝を有する剥離型紙を用いることにより粘着剤層20に連通溝を形成することができる。この連通溝は多方向性にランダムに形成されているので、粘着剤層20が連通溝を有すると、どのような施工方向であっても容易にエア抜けができ、エアがみをが発生した場合除去することができる。
床施工の場合は、壁面施工の場合と異なり、剥離紙30を剥がしたシートは、床面に均一にはつかずエアがみが容易に発生してしまう。
連通溝を有する剥離型紙としては、例えば、日栄化工(株)製、商品名「マトリクス剥離紙」が挙げられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、化粧シートの2%伸度時の力、枚葉状粘着シートの剥離強度、枚葉状粘着シートの床施工試験[直線性及び寸法(流れ)]、枚葉状粘着シートの生産性及び合成樹脂層の引張り弾性率を下記の方法に従って評価した。
(1)化粧シートの2%伸度時の力(N/10mm幅)
JIS K6734「プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−寸法及び特性−第2部:厚さ1mm未満のシート」の規定に準拠して測定した。化粧シートを幅10mmのダンベル状に打ち抜いて得た試料を、引張り試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて、23℃・50%RHで50mm/分の速度で引っ張り、2%伸度時の力(N/10mm幅)を測定した。引張り弾性率ではなく、単位断面積で割らない力を測定したのは、化粧シートの厚みの効果をも含めて評価するためである。
(2)枚葉状粘着シートの剥離強度(N/25mm幅)
JIS Z 0237に準拠し、25mm幅の短冊状にした枚葉状粘着シートを#360研磨したステンレスに床面に貼着した後、23℃・50%RH、剥離速度300mm/minで180°剥離を測定した。貼着後、20分値及び24時間値を評価した。
(3)枚葉状粘着シートの床施工試験[直線性及び寸法(流れ)]
45cm×180cmに断裁された枚葉状粘着シートについて、Pタイルの床面(廊下)に施工し、施工後の直線性及び寸法(流れ)を以下の基準で評価した。施工は、施工が1/3終わった段階で、10cm剥がして、又施工をし、施工が2/3終わった段階で、更に10cm剥がして、又施工する方法で行った。即ち、施工時、異物等が入った場合や、大きなエアがみが入った場合、施工した枚葉状粘着シートの一部を剥がし、不具合の原因を除去してから行なうので、その実際の施工を想定して床施工試験を行なった。
直線性
○: 180cm中の、直線からの最大変位量が1mm以下である。
△: 180cm中の、直線からの最大変位量が1mmを超え、2mm以下である。
×: 180cm中の、直線からの最大変位量が2mmを超える。
寸法(流れ)
◎: 縦180cm及び横45cmの寸法変化の合計量が1mm以下である。
○: 縦180cm及び横45cmの寸法変化の合計量が1mmを超え、2mm以下である。
△: 縦180cm及び横45cmの寸法変化の合計量が2mmを超え、3mm以下である。
×: 縦180cm及び横45cmの寸法変化の合計量が3mmを超える。
(4)枚葉状粘着シートの生産性
枚葉状粘着シート製造工程の生産性を以下の基準で評価した。
◎: 粘着加工時、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シートのガイドロールへの抱きつきが良好で、粘着加工速度も高速にできた。
○: 粘着加工時、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シートのガイドロールへの抱きつきがやや悪かったが、生産に支障はなかった。
△: 粘着加工時、ロール状に巻き取られた長尺状の化粧シートのガイドロールへの抱きつきが悪く、枚葉状粘着シートにしわが発生した。
×: 粘着加工ができなかった。
(5)合成樹脂層の引張り弾性率(MPa)
JIS K6734「プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−寸法及び特性−第2部:厚さ1mm未満のシート」の規定に準拠して測定した。合成樹脂層として用いた合成樹脂フィルムを幅10mmのダンベル状に打ち抜いて得た試料を、引張り試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて、23℃・50%RHで50mm/分の速度で引っ張り、引張り弾性率(MPa)を測定した。
実施例1〜5及び比較例1〜3
0.06mm厚の着色ポリプロピレンからなる基材シート11にアクリルウレタン系樹脂の隠蔽インキ及び絵柄インキを使用し、グラビア印刷で木目柄の着色層12を形成した。ついで、その上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルム(透明樹脂層13)を、ウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて接着した。ついで、透明樹脂層13の上に、透明な電子線硬化型の表面保護層14(15μm)を形成した。ついで、表面保護層14側からエンボス加工として、深さ30μm程度の木目導管模様を付与した。
上記の中間の化粧シートの裏面に、下記第1表記載の合成樹脂層15の厚み、及び引張り弾性率の透明性ポリプロピレン系樹脂を、ウレタン系接着剤を介して押出し同時ラミネートをすることにより、化粧シート10を作成した。
但し、比較例1では、合成樹脂層15を積層しなかった。
次いで、連通溝を有する剥離型紙[日栄化工(株)製、商品名「マトリクス剥離紙」:80g/m2の上質紙の両面にポリエチレン10μをラミしたポリラミ紙の表面にシリコーン系の剥離剤を塗布後、エンボス加工にて連通溝を形成した剥離紙]に溶剤系のアクリル酸エステル系樹脂粘着剤をロールコーターで塗布後加熱乾燥し、この剥離紙の粘着層と、上記8種類のロール状に巻き取られた化粧シート10の裏面側とを2本の圧着ラミネートロールにて圧着して粘着剤層20を形成しロール状に巻き取られた8種類の粘着シートを製造した。その時の粘着剤の塗布量は、40g/m2dryと8種類とも同一とした。
その後、得られた長尺状の粘着シートを、断裁機で寸法45cm×180cmの枚葉に断裁し、8種類の枚葉状粘着シートを得た。得られた8種類の枚葉状粘着シートの化粧シートの2%伸度時の力、枚葉状粘着シートの剥離強度、枚葉状粘着シートの床施工試験[直線性及び寸法(流れ)]、枚葉状粘着シートの生産性及び合成樹脂層の引張り弾性率を上記の方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
Figure 0005585286
実施例1〜5の床用枚葉状粘着シートは、比較例1〜3の床用枚葉状粘着シートと比較して、床施工試験及び枚葉状粘着シートの生産性のいずれにおいても優れており、広い施工面積を短時間で施工可能であった。また、床面に段差も生じなかった。
一方、比較例1及び2は、枚葉状粘着シートが2%伸度時の力が弱いため施工時、枚葉状粘着シートが歪んでしまい、直線性が出なかったり、枚葉状粘着シートの伸びが発生し寸法が変化した。また、比較例3は、粘着加工ができず、床施工試験を実施できなかった。また、粘着シートができなかったので、枚葉状粘着シートの剥離強度を測定できなかった。
本発明の床用枚葉状粘着シートは、施工性に優れ、張替え及び取外し等の施行が容易であり、床改装用枚葉状粘着シートとしても好適であるので、一般建築物(住宅、店舗)の新築、床の改装の広く用いられる。
1 枚葉状粘着シート
10 化粧シート
11 基材シート
12 着色層
12a 絵柄模様層
12b 隠蔽層
13 透明樹脂層
14 表面保護層
15 合成樹脂層
20 粘着剤層
30 剥離紙

Claims (6)

  1. 化粧シートの裏面に粘着剤層を有する床用枚葉状粘着シートであって、該化粧シートの2%伸度時の力が35〜80N/10mm幅であり、該化粧シートが、基材シートの表面側に着色層、透明樹脂層及び表面保護層をその順に有し、該基材シートの裏面側に合成樹脂層を有するものであり、該基材シートが合成樹脂シートからなり、該透明樹脂層が熱可塑性樹脂からなり、該合成樹脂層が熱可塑性樹脂からなり、該化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmである床用枚葉状粘着シート。
  2. 前記粘着剤層の剥離強度が、20分値で10N/25mm幅未満、且つ24時間値で10N/25mm幅以上である請求項1に記載の床用枚葉状粘着シート。
  3. 前記粘着剤層が、連通溝を有する請求項1又は2に記載の床用枚葉状粘着シート。
  4. 粘着剤の塗布された剥離紙と、長尺状の化粧シートの裏面とをロール圧着により貼り合わせて粘着剤層を形成し粘着シートを製造する工程と、該粘着シートを枚葉に断裁する工程とを含む床用枚葉状粘着シートの製造方法であって、該化粧シートの2%伸度時の力が35〜80N/10mm幅であり、該化粧シートが、基材シートの表面側に着色層、透明樹脂層及び表面保護層をその順に有し、該基材シートの裏面側に合成樹脂層を有するものであり、該基材シートが合成樹脂シートからなり、該透明樹脂層が熱可塑性樹脂からなり、該合成樹脂層が熱可塑性樹脂からなり、該化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmである床用枚葉状粘着シートの製造方法
  5. 剥離強度が、20分値で10N/25mm幅未満、且つ24時間値で10N/25mm幅以上である請求項に記載の床用枚葉状粘着シートの製造方法。
  6. 前記粘着剤層が、連通溝を有する請求項4又は5に記載の床用枚葉状粘着シートの製造方法。
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