JP2021133544A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性を備えた化粧シートを得る。【解決手段】化粧シート1は、樹脂材料で構成された基材層15と、基材層15の一方の面側に設けられ、樹脂材料と無機粒子とを含む耐傷性層17と、を備える。耐傷性層17は、無機粒子として、シリカ、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも一種を含んでいてもよい。また、耐傷性層17は、樹脂材料100質量部に対して、0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で無機粒子が添加された材料により形成されていてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば建造物の床面等に用いられる化粧シートに関する。
従来、土足歩行される空間に配置された床材は、居室等の土足歩行されない空間に配置された床材と異なり、靴底や靴のかかと、小石等の硬いもので傷つけられることが多い。このため、従来、研磨や塗装により表面を修復することが可能な無垢の木材等が床材として用いられてきた。
一方、近年無垢の木材は入手が困難になってきており、また、表面修復処理自体に時間や費用が掛かることから、所定の硬さを有する樹脂製の表面保護層を備えた積層体を床材として用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2016−211367号公報
しかしながら、所定の硬さを有する樹脂製の表面保護層を備えた床材では、表面の耐傷性が充分でない場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耐傷性を備えた化粧シートを得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、樹脂材料で構成された基材層と、基材層の一方の面側に設けられ、樹脂材料と無機粒子とを含む耐傷性層と、を備えることを特徴とする。
本発明の態様によれば、耐傷性を備えた化粧シートを得ることができる。
本発明の第一実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る化粧シートの他の構成例を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す断面図である。
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は特許請求の範囲に係る発明を模式的に示すものであり、各部の幅、厚さ等の寸法は現実のものとは異なり、これらの比率も現実のものとは異なる。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態の各態様について説明する。
1.第一実施形態
本発明の第一実施形態に係る積層体(化粧シート)について説明する。本実施形態に係る化粧シート1は、例えば、建物の床材、特に土足で歩行される空間の床材上に施工される化粧シートである。なお、以下の説明では、化粧シート1の靴と接触する側を「上」とし、化粧シート1が床面に接触する側を「下」として説明する場合がある。
(1.1)化粧シートの基本構成
図1は、本実施形態に係る化粧シート1の一構成例を説明するための断面図である。図1に示すように、化粧シート1は、プライマー層11と、着色層12と、絵柄層13と、第一接着剤層14と、基材層15と、第二接着剤層16と、耐傷性層17と、トップコート層18と、を備えている。化粧シート1は、プライマー層11、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14、基材層15、第二接着剤層16、耐傷性層17及びトップコート層18がこの順に積層されて構成されている。
着色層12は、化粧シート1に所望の色彩による意匠性を付与するとともに、化粧シート1が貼りつけられる床材の色・模様を隠蔽するための層である。絵柄層13は、着色層12よりも上側に設けられ、化粧シート1に所望の絵柄による意匠性を付与するための層である。基材層15は、緩衝層として機能し、下地となる床材の凹凸や段差などを吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にするための層である。耐傷性層17は、化粧シート1の上面側に設けられ、靴のかかとや石等によって化粧シート1に生じる傷を抑制するための層である。トップコート層18は、靴と接触する化粧シート1の最上面に設けられ、化粧シート1の保護や化粧シート1表面の艶の調整のために設けられる層である。また、第一接着剤層14は、着色層12及び絵柄層13と基材層15とを接着する層であり、第二接着剤層16は、基材層15と耐傷性層17とを接着する層である。
以下、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14、基材層15、第二接着剤層16、耐傷性層17及びトップコート層18の各層について詳細に説明する。
<耐傷性層>
耐傷性層17は、樹脂材料と無機粒子とを含む層である。本実施形態では、相対的に硬度の高い無機粒子を含む樹脂材料によって耐傷性を獲得した樹脂シートを耐傷性層17としている。
耐傷性層17の厚さは、例えば70μm以上110μm以下の範囲内であることが好ましく、85μm以上95μm以下の範囲内であることがより好ましい。耐傷性層17の厚さが70μm以上である場合、靴のかかとや小石等に対する耐傷性層17の耐傷性が十分に高くなる。また、耐傷性層17の厚さが110μm以下である場合、化粧シート1の曲げ性が必要以上に高くなりすぎず、化粧シート1を貼り付ける床材が平面でない場合にも床材に対して密着した状態で施工することができる。
(樹脂材料)
耐傷性層17を構成する樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂により構成される。熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで基材層等として用いられていた熱可塑性樹脂と同様の材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等、或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
なかでも、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂等の塩素(ハロゲン)を含有する熱可塑性樹脂を使用することは好ましくなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。特に、各種物性や加工性、汎用性、経済性等の面からは、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂(非晶質又は二軸延伸、或いは無延伸)又はポリオレフィン系樹脂、特にポリオレフィン系樹脂を使用することが最も好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂として、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が95%以上の高結晶性ホモポリプロピレン樹脂を30質量%以上100質量%以下含むポリプロピレン樹脂を使用することが好ましい。
耐傷性層17には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていてもよい。なお、耐傷性層17は、化粧シート1の表面(上面)から着色層12の色彩及び絵柄層13の絵柄を透視可能な程度の透明性(無色透明、有色透明、半透明)を有することが好ましい。
(無機粒子)
耐傷性層17は、微細化した無機粒子、例えば、平均粒径(D50)がナノサイズの無機粒子を含んでいる。耐傷性層17を構成する無機粒子としては、例えばシリカ、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも一種からなる微粒子が挙げられる。
耐傷性層17は、例えば、主成分としてのポリプロピレン樹脂100質量部に対して好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内で無機粒子が添加された樹脂材料により形成される。無機粒子の添加量が0.05質量部未満の場合、無機粒子の添加量が十分でなく、耐傷性層17の耐傷性が十分に向上しないおそれがある。また、無機粒子の添加量が0.5質量部を超える場合、樹脂材料の含有量が相対的に少なくなるため、耐傷性層17の施工性(特に、耐折曲性)が十分に向上しないおそれがある。
ここで、「主成分」とは、耐傷性層17を構成する樹脂材料の50質量%以上を占める樹脂材料を示すものとする。
無機粒子は、球状形状のものが好ましく、その平均粒径(D50)は、1nm以上500μm以下の範囲内であれば好ましい。より好ましくは、10nm以上1μm以下の範囲内であり、さらに好ましくは、100nm以上500nm以下の範囲内である。また、無機粒子の平均粒径は、10μm以上300μm以下の範囲内であれば好ましく、より好ましくは、100μm以上200μm以下の範囲内である。無機粒子の平均粒径(D50)が上記数値範囲内であれば、耐傷性層17に十分な耐傷性を付与することができる。
また、耐傷性層17は、平均粒径の異なる2種類の無機粒子を含んでいてもよい。ここで、平均粒径がナノサイズの無機粒子を「第1の無機粒子」とし、平均粒径がミクロンサイズの無機粒子を「第2の無機粒子」とした場合、第1の無機粒子の平均粒径は、100nm以上500nm以下の範囲内が好ましく、300nm以上400nm以下の範囲内がより好ましく、第2の無機粒子の平均粒径は、10μm以上300μm以下の範囲内が好ましく、100μm以上200μm以下の範囲内がより好ましい。また、第2の無機粒子の含有量は、第1の無機粒子の含有量に比べて多ければ好ましく、2倍以上30倍以下の範囲内であればより好ましく、3倍以上10倍以下の範囲内であればさらに好ましい。各無機粒子の平均粒径(D50)が上記数値範囲内であれば、耐傷性層17に十分な耐傷性を付与することができる。
第1の無機粒子と第2の無機粒子の合計含有量は、耐傷性層17を構成する樹脂材料100質量部に対して、0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内である。無機粒子の含有量が上記数値範囲内であれば、耐傷性層17に十分な耐傷性と十分な施工性の両方を付与することができる。
また、無機粒子の表面に、例えばコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが好ましい。無機粒子の表面を処理することで、無機粒子の硬度が向上し、耐傷性層17の硬度が高まり、耐傷性層17に十分な耐傷性を付与することができる。
このように、耐傷性層17は、相対的に硬度の高い無機粒子を含むため、化粧シート1の耐擦傷性(耐傷性)を向上することができる。
上述のように、本実施形態の化粧シート1は、耐傷性層17が樹脂材料と無機粒子とを含有する点に特徴を有している。
<着色層>
着色層12は、樹脂材料と、染料又は顔料等の着色剤とを含む層である。
着色層12の厚さは、所望の厚さとすることが可能であるが、例えば40μm以上70μm以下の範囲内であることが好ましく、50μm以上60μm以下の範囲内であることがより好ましい。
着色層12の厚さが40μm以上である場合、顔料による着色効果が十分に発揮できる。また、着色層12の厚さが70μm以下の場合、樹脂材料及び顔料を必要以上に使用することなく着色層12を形成することができる。
(樹脂材料)
着色層12を構成する樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂により構成される。熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで着色層として用いられていた熱可塑性樹脂と同様の材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、耐傷性層17に用いられるのと同様に、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂等、或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
中でも樹脂材料として、ポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。着色層12に用いられるポリプロピレン樹脂は、後述する無機顔料を分散し易くするため、所定の範囲内でエチレンコンテンツを有するランダムポリプロピレン樹脂や公知の非晶性ポリプロピレン樹脂を混合することが好ましい。弾性率を向上させ耐傷性を重視する用途においては、高結晶性ホモポリプロピレンを用いることもできるが、複数のポリプロピレン樹脂を併用し、弾性率を調整することもできる。また、製造方法で弾性率をコントロールすることもできる。
(着色剤)
着色層12を構成する着色剤としての無機顔料は、隠蔽性を付与するための酸化チタンに代表される公知の無機顔料を用いることができる。隠蔽性が低い場合、絵柄層13と床材の模様が混在し、好ましくない。無機顔料を含有することにより、隠蔽性が良好な化粧シート1を得ることができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば天然無機顔料、合成無機顔料が挙げられる。天然無機顔料としては、例えば、土系顔料、焼成土、鉱物性顔料などが挙げられる。合成無機顔料としては、例えば、酸化物顔料、水酸化物顔料、硫化物顔料、珪酸塩顔料、燐酸塩顔料、炭酸塩顔料、金属粉顔料、炭素顔料などが挙げられる。また、天然無機顔料、合成無機顔料の中から、1種類もしくは2種類以上を混合した混合顔料を用いてもよい。カーボンブラックのような有機顔料を併用しても構わない。
更に、分散性の向上や、押出適正を改善するために脂肪酸金属塩などの添加剤を加えても構わない。
無機顔料の混合量は、所望の隠蔽性に応じて調整されればよく、例えば樹脂材料100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下の範囲内とすることが好ましい。無機顔料の混合量が5質量部以上である場合、十分な隠蔽性を得ることができる。また、無機顔料の混合量が50質量部以下である場合、着色層12の脆化が起こりにくくなる。
また、着色層12は、化粧シート1を施工する床材の表面の色のばらつきや欠陥等を隠蔽する場合には、隠蔽性の不透明に着色された層とすることが好ましい。また、床材表面の質感を活かす場合には、床材表面を透視可能な透明性を有する程度に着色された層とすることが好ましい。
なお、着色層12としてオレフィン系の原反層のような表面が不活性な基材を用いる場合は、着色層12の表裏に、例えばコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが好ましい。
<絵柄層>
絵柄層13は、着色層12の上面に形成され、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形等の柄模様により形成されている。
絵柄層13の厚さは、3μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましい。絵柄層13の厚さがこの数値範囲内である場合、印刷を明瞭にすることができるとともに、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
絵柄層13の構成材料は、特に限定されるものではない。例えば、マトリックスと、染料、顔料等の着色剤とを溶剤中に溶解、分散してなる印刷インキやコーティング剤を用いることができる。マトリックスとしては、例えば、油性の硝化綿樹脂、2液ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、塩酢ビ−ウレタン系樹脂等の各種合成樹脂類、又はこれらの混合物、共重合体等を用いることができる。また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、黄鉛、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料、又はこれらの混合物を用いることができる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、水等、もしくはこれらの混合物等を用いることができる。
また、絵柄層13には、各種機能を付与するために、例えば、体質顔料、可塑剤、分散剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬化剤、硬化促進剤及び硬化遅延剤等の機能性添加剤を添加してもよい。
ここで、絵柄層13は、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等の各種印刷方法によって形成することができる。これらの印刷方法は、形成する層によって別々に選択してもよいが、同じ方法を選択して一括加工することが効率的である。
なお、着色層12と絵柄層13との間には、目的とする意匠の程度に応じて下地ベタインキ層(不図示)を設けるようにしてもよい。下地ベタインキ層は、着色層12の全面を被覆するようにして設けられる。また、下地ベタインキ層は、求められる隠蔽性等に応じて2層以上の多層としてもよい。さらに、絵柄層13は、求められる意匠を表現するために必要な分版の数だけ積層して形成してもよい。このように、絵柄層13と下地ベタインキ層とは、求められる意匠、つまり、表現したい意匠に応じて様々な組み合わせとなるが、特に限定されるものではない。
下地ベタインキ層は、絵柄層13と同様の材料、印刷法により形成されることが好ましい。また、下地ベタインキ層は、着色層12の全面を被覆しているため、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法等の各種コーティング方法によっても形成することができる。
<基材層>
基材層15は、樹脂材料、例えば熱可塑性樹脂により構成される。
基材層15の厚さは、160μm以上220μm以下の範囲内であることが好ましく、180μm以上190μm以下の範囲内であることがより好ましい。基材層15の厚さが160μm以上である場合、下地となる床材の凹凸や段差などを吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にすることができる。また、基材層15の厚さが190μm以下である場合、基材層15を必要以上に厚く形成することがなく、化粧シート1の製造コストを削減することができる。
また、基材層15は、耐傷性層17と同様に無機粒子を含み、高硬度化されていても良い。
(樹脂材料)
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで基材層として用いられていた熱可塑性樹脂と同様の材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、耐傷性層17に用いられるのと同様に、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂等、或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
なかでも、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂等の塩素(ハロゲン)を含有する熱可塑性樹脂を使用することは好ましくなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。特に、各種物性や加工性、汎用性、経済性等の面からは、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂(非晶質又は二軸延伸、或いは無延伸)又はポリオレフィン系樹脂を使用することが最も好ましく、ポリエステル系樹脂を使用することがさらに好ましい。基材層15は、下地となる床材の凹凸や段差等を吸収するために他層よりも厚く形成される必要があるが、一方で絵柄層13の絵柄が基材層15を介して化粧シート1表面で鮮明に発現するようにする必要がある。このため、基材層15は、透明性が高く、かつ基材としての硬さを兼ね備えた樹脂材料であるポリエステル系樹脂により形成されることが好ましい。
基材層15には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていてもよい。なお、基材層15は、化粧シート1の表面(上面)から着色層12の色彩及び絵柄層13の絵柄を透視可能な程度の透明性(無色透明、有色透明、半透明)を有することが好ましい。
<トップコート層>
トップコート層18は、樹脂材料により構成される。トップコート層18を構成する樹脂材料の主成分となる材料は、例えば、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキド系、尿素系などの樹脂材料から適宜選択して用いられる。樹脂材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。樹脂材料の硬化法についても1液タイプ、2液タイプ、紫外線硬化法、熱硬化法、光硬化型など適宜選択して行うことができる。
トップコート層18の主成分として用いる樹脂材料としては、イソシアネートを用いたウレタン系のものが作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートには、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの誘導体であるアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などの硬化剤より適宜選定して用いることができる。なかでも、耐候性の点から、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)もしくはイソホロンジイソシアネート(IPDI)を用いることが好ましい。この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型と光硬化型とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、硬化収縮の抑制及び密着性の向上を図ることができる。
トップコート層18は、艶調整のために艶調整剤を含んでいても良い。艶調整剤としては、市販されている公知の材料を用いればよく、例えば、シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機材料からなる微粒子を用いてもよい。また、艶調整剤として、アクリル等の有機材料からなる微粒子を用いることもできる。ただし、高い透明性が要求される場合には、艶調整剤として透明性の高いシリカ、ガラス、アクリル等の微粒子を用いることが好ましい。特に、シリカやガラス等の微粒子のなかでも、中実の真球状粒子ではなく、微細な1次粒子が2次凝集した嵩密度の低い艶調整剤は、添加量に対する艶消し効果が高い。それゆえ、嵩密度の低い艶調整剤を用いることで、艶調整剤の添加量を少なくすることができる。
また、トップコート層18に各種機能を付与するために、トップコート層18は抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤を含んでいてもよい。また、トップコート層18は、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。
トップコート層18の層厚は、3μm以上15μm以下の範囲内が好ましい。トップコート層18の層厚が3μm以上である場合、耐傷性の向上効果が高くなる。また、トップコート層18の層厚が15μm以下である、曲げ加工時におけるクラックや割れの発生を抑制し、化粧シート1の意匠性や耐候性の悪化を抑制することができる。
<接着剤層>
第一接着剤層14は、基材層15と着色層12及び絵柄層13とを接着するために形成され、第二接着剤層16は、基材層15と耐傷性層17とを接着するために形成される層である。第一接着剤層14及び第二接着剤層16を構成する材料は特に限定されるものではなく、接着する層間の相性を鑑みてウレタン系樹脂・変性シリコン系樹脂・エポキシ樹脂等の接着剤やポリエステル系樹脂等の粘着剤等公知の材料を適宜使用することができる。また、化粧シート1の製造方法によっては第一接着剤層14及び第二接着剤層16は設けられていなくても良い。
<プライマー層>
プライマー層11としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ウレタン−塩酢ビ系樹脂、これらの混合物等を使用することができる。更に、ポリオールとイソシアネートによる2液タイプにすることで、着色層12とプライマー層11との密着性及びプライマー層11自体の凝集力が向上する。ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の脂肪族系が挙げられる。プライマー層11は、反応性の早さ、耐熱性の点で芳香族系のポリオールを用いることが好ましい。
プライマー層11の厚みは、1μm以上であることが好ましい。プライマー層11の厚みを1μm以上とすることにより、溶剤によって接着剤が溶解し、プライマー層11が消失して密着性が低下することを防止することができる。
なお、化粧シート1を床材上に施工する場合、床材表面の凹凸が大きい場合には、予めパテによる目止めを行い、必要時応じてプライマー塗布を行うのが良い。
(1.2)化粧シートの製造方法
化粧シート1の一製造例について説明する。
まず、着色層12となる着色フィルムを形成する。ポリプロピレン樹脂に無機顔料を添加した無機顔料含有ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、押し出し成形などによって、厚さが40μm以上70μm以下のシート状に成形して着色層12とする。この後、着色フィルム上に、所望の絵柄を印刷によって形成して絵柄層13を形成する。
次に、基材層15となる基材フィルムを形成する。ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、押し出し成形などによって、厚さが160μm以上220μm以下のシート状に成形して基材層15とする。
ここで、着色フィルム及び基材フィルムは同時に形成されても良く、異なる順序で形成されても良い。
続いて、着色フィルム及び基材フィルムをドライラミネートにより貼り合わせる。着色フィルムの絵柄層13が形成された面に、第一接着剤を塗布し、乾燥させて第一接着剤層14を形成した後、第一接着剤層14に対して基材フィルムを圧着し、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14及び基材層15を有する第一積層体を形成する。
次に、無機粒子を、ポリプロピレン樹脂に添加して耐傷性層17用の樹脂材料を作製する。
続いて、加熱溶融した無機粒子含有ポリプロピレン樹脂を第一積層体の基材フィルムの側の面に押出し、押出ラミネートにより厚さが70μm以上110μm以下のシート状に成形して耐傷性層17とする。これにより、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14、基材層15及び耐傷性層17を有する第二積層体を形成する。
最後に、第二積層体の耐傷性層17側面にトップコート層18を形成する。
以上により、化粧シート1を形成することができる。
なお、上述した例では、着色層12、絵柄層13及び基材層15の形成にドライラミネートを用い、耐傷性層17の形成に押出ラミネートを用いたが、これに限られない。例えば、各フィルムの押し出し成形時にTダイもしくはTダイ前のフィードブロックにて溶融樹脂(第一接着剤及び第二接着剤)を合流させ、共押し出し成形にて化粧シート1を形成しても良い。共押し出し形成を用いる場合、化粧シート1の形成が簡便であり、生産性が高いため好ましい。また、耐傷性層17となる耐傷性フィルムを予め作成し、基材フィルム及び耐傷性フィルムをドライラミネートを用いて貼り合せても良い。
(1.3)変形例
上述した化粧シート1は、表面が平坦である場合について説明したが、このような構成に限られない。例えば、図2に示すように、化粧シート1は、トップコート層18、又はトップコート層18及び耐傷性層17の上面に凹凸を付与してより意匠性が高められていても良い。
(1.4)第一実施形態の効果
以上のような化粧シート1は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の化粧シート1は、樹脂材料と無機粒子とを含み、高硬度化された耐傷性層17を有している。
この構成によれば、耐傷性に優れ、重歩行時における靴のかかとや小石による傷の発生を抑制可能な化粧シート1を提供することができる。
(2)本実施形態の化粧シート1は、耐傷性層17を構成する無機粒子として、シリカ、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも一種を含むことが好ましい。
この構成によれば、耐傷性層17を構成する無機粒子の硬度が相対的に高いため、重歩行時に要求される耐傷性を十分に有する化粧シート1を得ることができる。
(3)本実施形態の化粧シート1は、耐傷性層17を構成する樹脂材料100質量部に対して無機粒子が0.05質量部以上0.5質量部以下添加された耐傷性層17を有することが好ましい。
この構成によれば、耐傷性層17を構成する無機粒子の分量が十分であるため、重歩行時に要求される耐傷性を十分に有する化粧シート1を得ることができる。
(4)本実施形態の化粧シート1は、耐傷性層17の厚さが70μm以上110μm以下の範囲内であることが好ましい。
この構成によれば、重歩行時に要求される耐傷性と耐摩耗性の両方を十分に有する化粧シート1を得ることができる。
(5)本実施形態の化粧シート1は、基材層15の厚さが160μm以上220μm以下の範囲内であることが好ましい。
この構成によれば、下地となる床材の凹凸や段差などを吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にすることができる。
(6)本実施形態の化粧シート1は、耐傷性層17の基材層15に対向する面と反対側の面に設けられたトップコート層18が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、重歩行時に要求される耐傷性を十分に有する化粧シート1を得ることができる。
(7)本実施形態の化粧シート1は、基材層15の他方の面に設けられた絵柄層13と、絵柄層13の基材層15に対向する面と反対側の面に設けられた着色層12と、が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、化粧シート1の意匠性を向上させることができる。
2.第二実施形態
以下、本発明の第二実施形態に係る化粧シートについて、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第二実施形態に係る化粧シート3の一構成例を説明するための断面図である。本実施形態に係る化粧シート3は、化粧シート1と同様に、建物の床材、特に土足で歩行される空間の床材上に施工される化粧シートである。
(2.1)化粧シートの基本構成
化粧シート3は、第一実施形態に係る化粧シート1の着色層12側の面に、離型シート31と粘着層32とを備えるタック層30を備えている点で、化粧シート1と相違する。すなわち、化粧シート3は、離型シート31、粘着層32、プライマー層11、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14、基材層15、第二接着剤層16、耐傷性層17、及びトップコート層18を備えている。
以下、タック層30について説明する。なお、タック層30以外の各層(プライマー層11、着色層12、絵柄層13、第一接着剤層14、基材層15、第二接着剤層16、耐傷性層17、及びトップコート層18)については、化粧シート1の各層と同様の構成であるため説明を省略する。
<タック層>
(離型シート)
離型シート31は、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム(ポリエステル系フィルム)等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
(粘着層)
粘着層32は、離型シート31及びプライマー層11の双方との親和性が高い材料であれば特に限定されない。粘着層32は、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系接着剤及び酢酸ビニル系接着剤等を挙げることができる。
粘着層32は、貼り付け面(床材)に対する化粧シート3の密着強度が10N/inch以上であることが好ましく、15N/inch以上であることがより好ましく、20N/inch以上であることがさらに好ましい。ここで、本実施形態において、貼り付け面(床材)に対する化粧シート3の密着強度は、JISZ0237に準拠した剥離試験を行った場合の剥離強度よって示される。なお、粘着層32と床材との間の密着が得られにくい場合、床材上に粘着層32との密着性が向上するプライマー等を塗布してから化粧シート3を貼り合せることが好ましい。
粘着層32の厚さは、50μm以上100μm以下であることが好ましい。粘着層32の厚さが50μm以上である場合、化粧シート3の貼り合わせ面である床材に異物や傷があったときでも、異物や傷の凹凸を吸収して、化粧シート3の接着性を高めることができる。また、粘着層32の厚さが50μm以上である場合、床材上に貼り合わされた他の化粧シートの上から本実施形態の化粧シート3を貼り合せる場合においても化粧シート3の施工仕上がりを良好にするとともに、施工作業を効率化することができる。さらに、粘着層32の厚さが100μm以下である場合、粘着層32が必要以上に厚くなりすぎず、化粧シート3の端面から粘着剤がはみ出すことを防止して、製造コスト削減や施工作業性低下の抑制につながる。
(2.2)第二実施形態の効果
以上のような化粧シート3は、第一実施形態の効果(1)〜(7)に加えて、以下の効果を有する。
(8)本実施形態の化粧シート3は、化粧シート3の下面側に離型シート31と粘着層32とを有するタック層30を有している。
この構成によれば、耐傷性に優れ、重歩行時における靴のかかとや小石による傷の発生を抑制可能な化粧シート3の床材への施工性を向上させることができる。
(9)本実施形態の化粧シート3は、50μm以上100μm以下の厚みの粘着層32を有するタック層30を有していても良い。
この構成によれば、床材上の異物や傷の凹凸を吸収し、かつ化粧シート3の端面から粘着剤がはみ出すことを防止して、化粧シート3の施工仕上がりを良好にするとともに、施工作業を効率化することができる。
(10)本実施形態の化粧シート3は、密着強度が10N/inch以上である粘着層32を有するタック層30を有していても良い。
この構成によれば、床材との密着性を十分なものとすることができる。
以下、本発明に係る化粧シートについて、実施例を挙げて説明する
実施例では、第二実施形態で説明した構成のタック層付き化粧シートを作製し、床材上に貼り合せて化粧シートの評価を行った。
<実施例1>
厚さ55μmの着色シート(リケンテクノス社製)を着色層として用い、着色シートの一方の表面に、グラビア印刷によりウレタンインキ(東洋インキ株式会社製ラミスター)を用いて木目柄を印刷して絵柄層とした。
次に、着色シートの絵柄層形成側面に、基材シート(基材層)である厚さ150μmの透明ポリエステルフィルムをアクリル系接着剤(東洋モートン株式会社製)を用いてドライラミネートにより貼り合わせた。この後、着色シートと基材シートとを、十分な養生期間を設けてしっかり接着させた。
続いて、ポリプロピレン樹脂100質量部に対し、無機粒子として窒化ケイ素(平均粒径1μm)を0.7質量部混合し、着色シートと貼り合わされた基材シートの表面に加熱溶融した無機粒子含有ポリプロピレン樹脂を厚さ65μmのシート状に押出して、押出ラミネートにより耐傷性層を形成した。
続いて、耐傷性層の表面に、紫外線硬化型樹脂(DICグラフィック社製アクリルウレタン樹脂)をコーティングしてトップコート層を形成した。
最後に、離型紙に耐反発力のあるアクリル系粘着剤45μmを塗布し、基材シートと貼り合わされた着色シートの表面にアクリル系粘着剤を貼り合わせて、実施例1の化粧シートを作製した。このとき、アクリル系粘着剤として、SUSに対して粘着層と離型紙とを有するタック層を貼り付け、JISZ0237に準拠した剥離試験を行った場合の値(20分間放置後に測定した速度300mm/minでの180°剥離強度)が8N/inchである粘着剤を用いた。
<実施例2>
耐傷性層を構成する無機粒子としてシリカ(平均粒径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の化粧シートを形成した。
<実施例3>
耐傷性層を構成する無機粒子としてガラス(平均粒径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3の化粧シートを形成した。
<実施例4>
耐傷性層を構成する無機粒子としてアルミナ(平均粒径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例4の化粧シートを形成した。
<実施例5>
耐傷性層を構成する無機粒子として炭酸カルシウム(平均粒径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例5の化粧シートを形成した。
<実施例6>
耐傷性層を構成する無機粒子の添加量を0.05質量部とした以外は実施例1と同様にして実施例6の化粧シートを形成した。
<実施例7>
耐傷性層を構成する無機粒子の添加量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様にして実施例7の化粧シートを形成した。
<実施例8>
耐傷性層の厚さを70μmとした以外は実施例1と同様にして実施例8の化粧シートを形成した。
<実施例9>
耐傷性層の厚さを110μmとした以外は実施例1と同様にして実施例9の化粧シートを形成した。
<実施例10>
基材シートの厚さを160μmとした以外は実施例1と同様にして実施例10の化粧シートを形成した。
<実施例11>
基材シートの厚さを220μmとした以外は実施例1と同様にして実施例11の化粧シートを形成した。
<実施例12>
粘着層の厚さを50μmとした以外は実施例1と同様にして実施例12の化粧シートを形成した。
<実施例13>
粘着層の厚さを100μmとした以外は実施例1と同様にして実施例13の化粧シートを形成した。
<実施例14>
剥離強度(密着強度)が10N/inchである粘着剤を用いた以外は実施例1と同様にして実施例14の化粧シートを形成した。
<実施例15>
剥離強度(密着強度)が30N/inchである粘着剤を用いた以外は実施例1と同様にして実施例15の化粧シートを形成した。
<実施例16>
耐傷性層を構成する無機粒子として炭酸カルシウム(平均粒径1μm)を用い、耐傷性層を構成する無機粒子の添加量を0.3質量部とし、耐傷性層の厚さを90μmとし、基材シートの厚さを190μmとし、粘着層の厚さを30μmとした以外は実施例1と同様にして実施例16の化粧シートを形成した。
<比較例1>
耐傷性層を構成する粒子として有機材料で構成されたPET粒子(平均粒径1μm)を用いた以外は実施例16と同様にして比較例1の化粧シートを形成した。
<評価>
(a)耐傷性の評価1(摩耗試験)
実施例1〜16及び比較例1の化粧シートをビニル床上に貼り合せ、フローリングの日本農林規格(JAS:Japanese Agricultural Standards)に規定された摩耗A試験を3000回クリアできるか否かを確認した。
(b)耐傷性の評価2(スクラッチ試験)
実施例1〜16及び比較例1の化粧シートのそれぞれの表面を10円硬貨で強く引っ掻き、連続的な傷跡が生じるか否かを確認した。この試験では、3か所を硬貨で引っ掻き、傷跡が生じた本数を確認した。
(c)施工性の評価1(折り曲げ試験)
実施例1〜16及び比較例1の化粧シートをそれぞれ2.5cm×15cmにカットし、長尺方向を縦に素早く二つ折りにした。その際に折り目の化粧シート表面を目視にて確認した。
(d)施工性の評価2(床材への接着性試験)
実施例1〜16及び比較例1の化粧シートをビニル床上に貼り合せ、貼り合せ30日後においてビニル床に対する化粧シートの接着性を目視にて確認した。
以下、表1に耐傷性(耐摩耗性、耐スクラッチ性)及び施工性(耐折曲性、床材への接着性)の各評価結果を示す。表1では、評価結果を、評価結果が高い順に「◎」「○」「△」「×」で記載した。
ここで、摩耗試験において、「◎」は摩耗A試験を3000回以上クリアした場合を示し、「○」は摩耗A試験を2000回以上クリアした場合を示し、「△」は摩耗A試験を1000回以上クリアした場合を示し、「×」は摩耗A試験を1000回以上クリアできなかった場合を示す。なお、摩耗試験においては、「◎」、「○」、「△」を使用上問題がないとして合格とした。
また、スクラッチ試験において、「◎」は傷が0本の場合を示し、「○」は傷が1本の場合を示し、「△」は傷が2本の場合を示し、「×」は傷が3本以上の場合を示す。なお、スクラッチ試験においては、「◎」、「○」、「△」を使用上問題がないとして合格とした。
また、折り曲げ試験において、「◎」は100倍の拡大鏡を用いた場合であっても割れがない場合を示し、「○」は割れがない場合を示し、「△」は一部が割れた場合を示し、「×」は目視で容易に確認できるレベルで割れた場合を示す。なお、折り曲げ試験においては、「◎」、「○」、「△」を使用上問題がないとして合格とした。
また、床材への接着性において、「◎」は化粧シートの剥がれがない場合を示し、「○」は化粧シートの端部に微量の剥がれがある場合を示し、「△」は化粧シートの端部に大きな剥がれがある場合を示し、「×」は化粧シートが完全に剥がれた場合を示す。なお、床材への接着性においては、「◎」、「○」、「△」を使用上問題がないとして合格とした。
Figure 2021133544
以上の評価結果から、耐傷性層を有する実施例1〜16の化粧シートは、無機粒子を含まない耐傷性層を備えた比較例1の化粧シートと比較してスクラッチ試験での評価が高く、局所的な引っ掻き等に対して高い効果を有することが確認された。また、実施例1〜16の化粧シートは、化粧シート全体の摩耗に対して効果を有することが確認された。したがって、特に重歩行空間で用いられる床用の化粧シートは、樹脂材料と無機粒子とを含む耐傷性層を備えることにより、靴のかかとや小石等に対する高い耐傷性を有することが確認された。
また、実施例1〜16の化粧シートであれば、耐折曲性を有することが確認された。
また、以上の評価結果から、JISZ0237に準拠した剥離試験を行った場合の剥離強度が10N/inch以上の粘着剤を用いて形成した粘着層を有する化粧シートは、床材への接着性が30日経過後でも良好であることが確認された。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1,3 化粧シート
11 プライマー層
12 着色層
13 絵柄層
14 第一接着剤層
15 基材層
16 第二接着剤層
17 耐傷性層
18 トップコート層
30 タック層
31 離型シート
32 粘着層

Claims (10)

  1. 樹脂材料で構成された基材層と、
    前記基材層の一方の面側に設けられ、樹脂材料と無機粒子とを含む耐傷性層と、を備える化粧シート。
  2. 前記耐傷性層は、前記無機粒子として、シリカ、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムの少なくとも一種を含む請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記耐傷性層は、前記樹脂材料100質量部に対して、0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で前記無機粒子が添加された材料により形成される請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記耐傷性層の厚さは、70μm以上110μm以下の範囲内である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記基材層の厚さは、160μm以上220μm以下の範囲内である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記耐傷性層の前記基材層に対向する面と反対側の面に設けられたトップコート層を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記基材層の他方の面に設けられた絵柄層と、
    前記絵柄層の前記基材層に対向する面と反対側の面に設けられた着色層と、を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記着色層の前記絵柄層形成面と反対側の面に設けられたプライマー層と、
    前記プライマー層の前記着色層に対向する面と反対側の面に設けられた粘着層と、
    前記粘着層の前記プライマー層に対向する面と反対側の面に設けられた離型シートと、を備える請求項7に記載の化粧シート。
  9. 前記粘着層の厚さは、50μm以上100μm以下の範囲内である請求項8に記載の化粧シート。
  10. 前記粘着層の密着強度は、10N/inch以上である請求項8または請求項9に記載の化粧シート。
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