JP2003118055A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2003118055A
JP2003118055A JP2001320348A JP2001320348A JP2003118055A JP 2003118055 A JP2003118055 A JP 2003118055A JP 2001320348 A JP2001320348 A JP 2001320348A JP 2001320348 A JP2001320348 A JP 2001320348A JP 2003118055 A JP2003118055 A JP 2003118055A
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resin
decorative
sheet
decorative sheet
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JP2001320348A
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Yoshiaki Nezu
義昭 根津
Kazuteru Onoda
一輝 小野田
Yoshiko Yasutake
淑子 安武
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧シートについて、表面保護層が無くても
耐スクラッチ性と共に、帯電防止性能が得られる様にす
る。 【解決手段】 不透明層からなる第1層1の上に、透明
層からなる第2層2が積層された構成の化粧シートSに
ついて、第2層をポリアミド系樹脂層3を最表面層とし
て有する単層または複層の樹脂層とする。更に、化粧シ
ートを構成する何れかの層に、装飾層4や凹凸模様8等
と、印刷、エンボス等による装飾処理を施せば、意匠性
が向上する。また、層間には適宜接着層5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外装、内
装、建具、家具、車両内装等の表面化粧等に用い得る化
粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧シートは、下層とする不透明
層や上層とする透明樹脂層に用いる樹脂シートとして
は、塩化ビニル樹脂シートが多用されてきた。しかし、
最近では、環境的見地等から、それに替わって、非塩ビ
系の樹脂シートとして、ポリプロピレン、オレフィン系
熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂の樹脂
シートが使用される様になってきている(特開昭54−
62255号公報、特開平6−210808号公報、特
開平11−221888号公報、等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧シ
ート表面がポリオレフィン系樹脂等による樹脂シートの
ままであると、耐スクラッチ性が不足する場合があっ
た。耐スクラッチ性は、表面にウレタン樹脂等の硬化性
樹脂による表面保護層を塗工形成すれば改善するが、製
造工程が増える難点があった。また、表面がポリオレフ
ィン系樹脂等の樹脂シートであると、静電気帯電により
ゴミや塵が付着し易く、また付着したゴミや塵は除去し
難い等の問題があった。帯電は、帯電防止剤を樹脂シー
ト中に添加すれば改善するが、経時的に帯電防止剤がブ
リードアウトする等の問題もあった。
【0004】すなわち、本発明の課題は、特別な表面保
護層を設けなくても、耐スクラッチ性と共に、帯電防止
性能が得られる化粧シートを提供する事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の化粧シートでは、不透明層からなる第
1層の上に、透明層からなる第2層が積層されて成る化
粧シートにおいて、第2層がポリアミド系樹脂層を最表
面層として有する単層または複層の樹脂層である構成と
した。この様に、化粧シート表面側となる第2層の最表
面層としてポリアミド系樹脂を用いることで、表面に表
面保護層を設ける事なく、耐スクラッチ性が良くなり、
また該樹脂自体がポリオレフィン系樹脂等に比べて適度
な吸湿性を有するので、帯電防止性能も得られる。
【0006】本発明の化粧シートは、更に上記構成に於
いて、化粧シートを構成する何れかの層に、印刷、エン
ボス等による装飾処理が施された構成とした。この様な
構成とすれば、その装飾処理によって、意匠性が向上す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
について、実施の形態を詳述する。
【0008】〔概要〕先ず、図1の断面図で、本発明の
化粧シートの形態例の内の幾つかを示す。図1(A)に
例示の化粧シートSは、樹脂等による不透明層からなる
第1層1の上に、透明層からなる単層の第2層2が積層
されて成り、該単層の第2層2自体がポリアミド系樹脂
層3からなる構成で、且つ、第1層1と第2層2との間
に、第1層1側から順に、装飾層4及び接着層5が積層
された構成の化粧シートである。一方、図1(B)に例
示の化粧シートSは、樹脂等による不透明層からなる第
1層1の上に、装飾層4及び接着層5を介して、透明層
からなる第2層2として2層構成の樹脂層が積層され、
該第2層2の内の最表面層となる層がポリアミド系樹脂
層3であり、第1層側がポリアミド系樹脂以外による非
PA(ポリアミド系樹脂)層6となった構成の化粧シー
トである。
【0009】以下、各層毎に更に詳述する。
【0010】〔第1層〕第1層1は、不透明な層であ
り、樹脂シート(フィルム)が代表的であるが、この
他、不透明であれば、紙、金属箔等でも良い。これらの
厚みは、用途に応じた厚みとすれば良い。樹脂シートの
場合、樹脂自体が透明な場合は、着色剤添加等で不透明
とする。一方、樹脂自体が不透明な場合(例えばABS
樹脂等)では、そのままでも使用できるが、着色剤を添
加しても良い。なお、第1層の厚みは、第1層を樹脂シ
ート、紙、金属箔等の様に、化粧シートの形状保持機能
を担う基材シートとして用いる場合には、通常30〜3
00μm程度である。また、第1層は不透明層であれば
良いので、上記形状保持機能を担わせない形態として、
装飾層の一種とも言えるが、印刷等による全面ベタ隠蔽
層等でも良い。この場合は、第1層の厚みは、通常1〜
10μm程度となる。ところで、第1層を不透明層とす
るのは、化粧シートの被着体色を隠蔽して、化粧シート
の意匠表現の邪魔にならない様にしたり、装飾層に対す
る基調色を演出したりする為である。従って、もちろ
ん、被着体色の隠蔽が不要ならば、第1層は透明層でも
良いのだが、その場合でも基調色を演出させる事が多
く、従って、第1層を透明層とする構成は実用上は少な
い。
【0011】なお、上記樹脂シートの樹脂としては、通
常、熱可塑性樹脂が使用される。但し、環境対応の観点
からは、塩素等のハロゲンは未含有の樹脂が好ましく、
例えば、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、共重合ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、塩
化ビニル樹脂等が使用できる。なお、樹脂シート中に
は、必要に応じ適宜、着色剤、充填剤、発泡剤、難燃
剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を添加する。な
お、透明な樹脂を不透明とする為には、公知の着色剤を
添加すれば良い。着色剤としては、例えば、チタン白、
カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、ア
ニリンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フ
タロシアニンブルー等の有機顔料等を用いる。
【0012】なお、上記ポリオレフィン系樹脂として
は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ブテン共重合体、ポリメチルペンテン、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等が使用され
る。また、上記共重合ポリエステル樹脂としては、エチ
レン−イソフタレート−テレフタレート共重合体、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー(ハードセグメントに
高結晶で高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメン
トにはガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエー
テル等を使用したブロックポリマー等であり、前記高結
晶性で高融点の芳香族ポリエステルには、例えばポリブ
チレンテレフタレートが使用され、上記非晶性ポリエー
テルには、ポリテトラメチレングリコール等が使用され
る。)、完全非晶質ポリエステル(代表的なものとして
は、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメ
タノール−テレフタル酸共重合体がある。)等が使用さ
れる。
【0013】また、上記紙としては、薄葉紙、クラフト
紙、チタン紙、上質紙、コート紙等が挙げられ、金属箔
の金属としては、アルミニウム、銅、ステレンレス、鉄
等が挙げられる。
【0014】〔第2層〕第2層2は透明な樹脂層であ
り、位置的には第1層1の上側、つまり、第1層に対し
て化粧シート表側に位置し、第2層表面側が化粧シート
最表面を成す層である。本発明では、この第2層2につ
いて、図1(A)及び(B)に例示の如く、化粧シート
最表面を成す層を、ポリアミド系樹脂層3とする。第2
層は単層でも複層でも良く、単層の場合は第2層全体を
ポリアミド系樹脂層3とし〔図1(A)参照〕、複層の
場合は少なくとも最表面を成す層をポリアミド系樹脂層
3とする〔図1(B)参照〕。
【0015】第2層を複層構成とする形態は、第2層最
表面となるポリアミド系樹脂層3と、第1層1との間に
他層(例えば易接着樹脂による層)を介在させて、これ
ら両層の接着性向上、或いは、透明層としての総厚確保
等の為である。例えば、接着性向上では、ポリアミド系
樹脂層が、第1層1や装飾層等の他層との接着性が不足
する場合に、これら両層に接着性の良い樹脂層を、設け
る等である。
【0016】〔ポリアミド系樹脂層〕ポリアミド系樹脂
層3に用いるポリアミド系樹脂としては、用途に応じた
公知の樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン12、ナイロン610、ナイロン11等を用いるこ
とができる。これらは、単独使用又は2種以上の混合使
用する。なお、ポリアミド系樹脂層の厚みは特に限定は
無いが、通常20〜300μm程度である。
【0017】この様に化粧シート最表面層をポリアミド
系樹脂層とすることで、該樹脂の強靭さによって耐スク
ラッチ性が良好となる。また、該樹脂の適度な吸湿性に
よって帯電防止性能も得られる。なお、帯電防止は、帯
電防止剤を樹脂中に添加しても実現できるが、例えばカ
ーボンブラック等の場合では、透明層としての透明性が
損なわれる。その点で、ポリアミド系樹脂を使用すれ
ば、帯電防止剤無添加でも、帯電防止性能が得られる。
これによって、静電気帯電に起因する、埃や塵の付着
や、手を近づけた時にパチパチする静電気放電等を、防
げる。また、帯電防止剤添加の場合に起きる、帯電防止
剤の表面へのブリードアウトの問題も防げる。
【0018】〔非PA層〕第2層2を複層構成とする場
合、第2層の構成層のうち最表面の樹脂層はポリアミド
系樹脂層3とし、該最表面となったポリアミド系樹脂層
3に接する樹脂層は、ポリアミド系樹脂層以外の樹脂
層、つまり非ポリアミド系樹脂層6(以下、単に非PA
層と呼ぶ)で構成する。なお、これに関連して、第2層
が例えば3層構成の場合で言えば、その最裏面層にもポ
リアミド系樹脂層を設けた構成を本発明は排除するもの
ではない。そして、非PA層の樹脂としては、用途に応
じた、ポリアミド系樹脂以外の透明な樹脂を使用でき
る。例えば、第1層の樹脂シートで述べた各種樹脂を使
用できる(但し、樹脂自体が不透明なABS樹脂は除
く)。なお、非PA層の厚みは特に限定は無いが、通常
5〜100μm程度である。なお、複層構成の第2層
は、他層押出し法、ドライラミネーション法等によって
形成することができる。
【0019】なお、第2層2は、透明であれば、公知の
着色剤添加で着色しても良い(着色透明)。着色剤は、
例えば、後述装飾層で列記する如きものが使用出来る。
また、第2層の総厚としては特に限定はないが、通常2
0〜300μm程度である。
【0020】〔第2層と第1層の積層方法〕第2層と第
1層との積層方法は、特に限定されず、構成、用途等に
応じた公知の積層方法によれば良い。例えば、次に
(1)〜(3)等がある。なお、第1層と第2層間に装
飾層を設けた構成とする場合は、何れかの層または両層
に装飾層を設けた後で第1層と第2層とを積層する。
【0021】(1)第2層それ自体を、予め単層又は多
層押出し法等により成膜した単層又は複層の樹脂シート
として用意し、この樹脂シートを接着剤或いは融着でシ
ート状の第1層と接着積層する。 (2)上記(1)の如く用意した第2層とする樹脂シー
トの下側面に、第1層として印刷等によって全面ベタ隠
蔽層を形成する。 (3)シート状の第1層上に、第2層を成膜と同時に接
着積層する。
【0022】〔装飾処理〕化粧シートを構成する何れか
の層に、印刷、エンボス等による装飾処理を施した構成
とする事によって、より高意匠な化粧シートとすること
ができる。上記何れかの層とは、具体的には例えば第1
層、第2層、及びこれらの構成層等である。装飾処理の
代表例としては、以下に述べる、(1)樹脂シート中へ
の着色剤添加(着色透明又は着色不透明)、(2)模様
等を表現する印刷等による装飾層4の形成〔図1(A)
及び(B)参照〕、エンボス加工等による凹凸模様8の
賦形〔図2参照〕、等が挙げられる。この様な装飾処理
は、一般的な化粧シートに於ける従来公知の各種装飾処
理を適宜採用できる。また、これら各種装飾処理は、用
途に応じて適宜組み合わせても使用する。
【0023】(1)樹脂シート中への着色添加:樹脂シ
ート中への着色添加の例としては、第2層に用いる透明
樹脂シートを着色剤添加で透明着色とする場合の他、第
1層に不透明樹脂シートを用いる場合でも、無着色不透
明樹脂シートを着色剤添加で着色して着色不透明樹脂シ
ートとする場合等が挙げられる。なお、着色剤は、公知
の着色剤、例えば後述装飾層で列記するもの等が使用で
きる。
【0024】(2)装飾層の形成:装飾層4の形成は、
第1層、第2層、或いはこれらの構成層の何れかの面に
対して行う。形成面は、用途、積層方法等に応じたもの
となる。装飾層4は、絵柄等を付与する為に、絵柄印刷
層、金属薄膜層等として成形される。装飾層の形成面
は、好ましくは、傷付き等に対して化粧シートの表裏両
面から保護できる様に化粧シートの最裏面、最表面は避
けた内部、例えば第1層と第2層との間、第1層或いは
第2層が複層構成の場合は、これら層間となる面が良い
(図1参照)。
【0025】絵柄印刷層の形成は、グラビア印刷、シル
クスクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキ
ソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、転写印刷等の
公知の印刷法で形成できる。なお、装飾層の柄が全面ベ
タの場合には、ロールコート等の公知の塗工法で形成す
ることもできる。
【0026】なお、装飾層の絵柄は、例えば、木目模
様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、
布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽
象模様、或いは全面ベタ等、或いはこれらの組合わせ等
である。
【0027】また、絵柄印刷層に用いるインキ(或いは
塗料、以下同様)としては、公知のものを使用すること
ができる。例えば、インキのバインダーの樹脂として
は、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩
素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性
樹脂、2液硬化型等のポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、或いは、紫外線や電子線等の電離
放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂
を使用することができる。また、インキの着色剤として
は、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等
の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソイ
ンドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸
化チタン被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いは、その
他染料等を用いる。
【0028】なお、装飾層としての金属薄膜層は、アル
ミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸
着、スパッタリング等の方法で製膜し形成する。金属薄
膜層は、部分的にパターン状に或いは全面に設ける。
【0029】(3)凹凸模様の賦形:凹凸模様8は、ヘ
アライン加工、サンドブラスト加工、エンボス加工等に
より賦形する。例えば、エンボス加工は、熱プレス方式
の枚葉又は輪転式エンボス機を用いて、加熱軟化させた
樹脂シートの表面にエンボス版を押圧して形成する。凹
凸模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩
劈開面等)、タイル貼り乃至は煉瓦積みの目地溝、布表
面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等
である。また、凹凸模様はこれらの組み合わせでも良
い。なお、凹凸模様を賦形する面は、通常は第2層の最
表面だが、第2層と第1層との層間、第1層の裏側面と
なる面に設ける場合もある。また、凹凸模様の賦形は、
樹脂シート成膜時に、冷却ローラとして凹凸模様を冷却
面に有するエンボス兼冷却ローラを用いて、成膜と同時
に賦形する事もできる。またこれと同様にして、例え
ば、第2層とする樹脂層を第1層上に成膜と同時に積層
する際に、該樹脂層表面に賦形する事もできる。
【0030】〔接着層〕第1層、第2層、或いはこれら
を複層構成とする場合の各層、装飾層、或いは化粧シー
トと被着体、等を互いに接着させる際に、その接着性向
上が必要な場合は、易接着処理を行うのが好ましい。易
接着処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、接
着層(プライマー層或いはアンカー層ともいう)形成等
の公知の処理を適宜行う。また、シート同士、例えば第
1層とするシートと第2層とするシート等を、ドライラ
ミネーション法等で積層する場合の接着剤としても、接
着層は用いられる。これらの接着層としては、接着対象
の材料に応じたものを適宜使用すれば良く、例えば、熱
硬化性樹脂等の硬化性樹脂の他、熱可塑性樹脂等の樹脂
が使用される。樹脂の具体例としては、例えば、2液硬
化型ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等
が単体又は混合物として使用される。なお、接着層はグ
ラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法で形成で
きる。
【0031】なお、2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオ
ールを主剤としポリイソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするウレタン樹脂であるが、ポリオールとしては、分
子中に2個以上の水酸基を有する化合物、例えばポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタ
ンポリオール等が用いられる。また、ポリイソシアネー
トは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化
合物、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の
芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環
式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、ポリイ
ソシアネートとしては、上記各種ポリイソシアネートの
付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネート
の付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trim
er)等も用いられる。
【0032】接着層の使用例を示せば、図1(A)及び
(B)に例示の化粧シートSでは、第2層2とするポリ
アミド系樹脂層3と装飾層4との間に、接着層5を設け
てある。また、図3に例示の化粧シートSでは、二層構
成の第2層2のうち裏面側の非PA層6と、装飾層4と
の間に接着層5aを設け、更に第1層1の裏面側に接着
層5bを設けてある。なお、もちろんだが、接着層は不
用な場合には省略できる。
【0033】〔被着体〕なお、化粧シートを貼着する被
着体としては、用途に応じたものが使用される。被着体
の具体例としては、各種材質からなる平板、曲面板等の
板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等であ
る。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボー
ド、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や
立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アル
ミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として
用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミック
ス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡
コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立
体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノー
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の
板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹
脂素材、或いは、専らシートとして用いられる上質紙、
和紙等の紙、炭素、石綿、ガラス、合成樹脂等の繊維か
らなる不織布または織布、或いは、これら2種以上の素
材を複合した素材、例えば、板材や立体形状物品等とし
て用いられる、木粉プラスチック、紙粉プラスチック、
或いは、ガラス繊維等の繊維で不飽和ポリエステル樹脂
を強化したものが代表的であるFRP(繊維強化プラス
チック)等の複合(素)材、あるいはこれらの組合わせ
が挙げられる。
【0034】〔化粧シートの用途〕本発明の化粧シート
の用途としては、特に制限は無い。例えば、壁、床、天
井等の建築物の内装材、外壁、屋根、扉外面、窓枠等の
建築物の外装材、箪笥、棚、机等の家具の表面材、回
縁、幅木、扉枠等の造作部材、テレビ受像機等の電気機
器の筐体(キャビネット)、冷蔵庫の扉等の家電製品の
表面材、自動車、電車、船等の乗物内装材等である。
【0035】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳述する。
【0036】〔実施例1〕図3の断面図の様な化粧シー
トSを次の様にして作製した。先ず、不透明層となる第
1層1として、厚み60μmで着色剤添加で不透明茶色
としたポリエチレン系樹脂フィルム(大倉工業株式会社
製、商品名「E−5」)を用い、この樹脂フィルムの両
面にコロナ放電処理を施して濡れ指数45mN/m(4
5dyn/cm)とした後、表側とする面に、グラビア
印刷法により、ウレタン樹脂系インキによる木目絵柄の
装飾層4、易接着処理としてポリエステル系接着剤によ
る全面の接着層5aを順次形成した。次に、この樹脂フ
ィルムの裏側とする面には、易接着処理として、グラビ
ア印刷法によりウレタン樹脂系インキによる全面の接着
層5bを形成して、印刷シートを作製した。
【0037】次に、透明樹脂層となる第2層2として、
ポリアミド系樹脂(三菱化学株式会社製、「ノバミッド
(登録商標)1020」)と、極性基を有する接着性ポ
リプロピレン系樹脂(三菱化学株式会社製、「モディッ
ク(登録商標)−AP P513」)とを、Tダイを用
いた溶融(多層)押出塗工法にて、厚み比が7:1(ポ
リアミド:ポリプロピレン)で総厚80μmとなる様
に、成膜と同時に、上記印刷シートの装飾層形成面側
に、ポリプロピレン系樹脂側が接する様な向きで積層し
て、積層シートを得た。2層構成とした第2層2は、最
表面側がポリアミド系樹脂層3で、他方の側が、接着性
ポリプロピレン系樹脂からなる非PA層6である。な
お、溶融押出塗工は、シリンダ温度250℃、ダイ温度
250℃、冷却ローラ温度20℃で行った。
【0038】次に、第2層まで積層された上記積層シー
トの第2層側の面に、木目導管溝の凹凸模様8を、熱エ
ンボス加工により賦形して、図3の断面図で示す如き所
望の化粧シートSを得た。
【0039】そして、上記化粧シートSを、ウレタン樹
脂系2液硬化型接着剤を用いて厚み2.5mmのMDF
(中質繊維板)にラミネートして、接着剤を硬化させて
化粧板を作製し、この化粧板で、性能評価した。結果は
表1に纏めて示す。
【0040】〔比較例1〕実施例1に於いて、二層構成
の第2層のうちポリアミド系樹脂層として形成した最表
面層に、ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー株式会社
製、「サンアロマー(登録商標)PM600A」)を用
いた他は、実施例1と同様にして化粧シート、更に化粧
板を作製して、性能評価した。
【0041】〔性能評価結果〕性能評価は、耐スクラッ
チ性と表面抵抗値について行った。
【0042】耐スクラッチ性はホフマンスクラッチ試験
機(米国、BYK−Gardner社製)で行った。試
験は、試験体表面に対して、45度の角度で接する様に
スクラッチ刃(直径7mmの円柱のエッジ部)をセット
し、スクラッチ刃を引っ張る様に移動させて、表面を擦
る。その際、スクラッチ刃にかける荷重を変化させて、
試験体表面に傷が発生するときの荷重を読み取る。ホフ
マンスクラッチ試験は、米国海軍リサーチ研究所の規格
(Naval Research Laborator
y(NRL) Specification)にある
が、JIS K5400の鉛筆硬度試験(鉛筆ひっかき
値)よりも、実際に物を引きずったときの傷の付き方に
近いと言われている。
【0043】以上の評価試験の結果、実施例1では、耐
スクラッチ性は、試験機の荷重7.85N(800g
f)でも、下側の第1層が剥げず、良好であった。ま
た、表面抵抗値は1013〜1014で静電気が帯電し難か
った。これに対して、比較例1では、耐スクラッチ性
は、荷重7.85N(800gf)で下側の第1層が剥
げてしまい、不良となった。一方、表面抵抗値は1016
と高く、静電気が帯電し易かった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】(1)本発明の化粧シートによれば、表
面に表面保護層を設ける事なく、耐スクラッチ性が良
く、また、帯電防止性能も得られる。 (2)更に、印刷、エンボス等による装飾処理が施され
た構成とすれば、意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの或る2形態を例示する断
面図。
【図2】本発明の化粧シートの別の1形態を例示する断
面図。
【図3】本発明の化粧シートの別の1形態を例示する断
面図。
【符号の説明】
1 第1層 2 第2層 3 ポリアミド系樹脂層 4 装飾層 5 接着層 5a、5b 接着層 6 非PA層 8 凹凸模様 S 化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安武 淑子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK04 AK46C AR00A AR00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C EH20 EH23 EJ55 GB08 GB33 GB81 HB00 HB21A HB21B HB21C HB31A HB31B HB31C JN01B JN02A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明層からなる第1層の上に、透明層
    からなる第2層が積層されて成る化粧シートにおいて、 第2層がポリアミド系樹脂層を最表面層として有する単
    層または複層の樹脂層である、化粧シート。
  2. 【請求項2】 化粧シートを構成する何れかの層に、印
    刷、エンボス等による装飾処理が施された、請求項1記
    載の化粧シート。
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