JP6920810B2 - 床材 - Google Patents

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Description

本発明は、施工面に接着剤を用いて良好に接着でき、耐動荷重性に優れ且つ施工外観も良好となる床材に関する。
床材の敷設方法として、接着剤を用いて床材を施工面に接着して固定することが行われている。
かかる接着剤による敷設方法にあっては、施工面や接着剤などから生じるガスに起因して、床材の一部分にフクレが起こることがある。かかるフクレを防止するため、特許文献1乃至3には、裏面に凸部を突設することにより、ガス抜き用の凹部が形成された床材が開示されている。
前記床材では、施工面に接着した後、床材の表面側から見たときに、裏面に突設された凸部の輪郭が表れることがある。以下、床材の表面に凸部の輪郭が表れることを「表写り」という。
さらに、前記床材には、耐動荷重性について考慮されておらず、所定以上の動荷重を付与すると損傷することがある。なお、「耐動荷重性」は、比較的重量の大きい重量物を床材表面上で動かしたときに、フクレや凹みを生じ難い性質をいう。
実開平6−083835号公報 特開平7−305488号公報 特開平8−232446号公報
本発明の目的は、施工面に接着剤を用いて良好に接着でき、施工後には、表写りが生じ難く、耐動荷重性に優れた床材を提供することである。
本発明の床材は、表面にパイル地を有さず且つ厚み1mm〜8mmの柔軟な床材であって、表面にエンボス凹凸が形成され且つ軟質樹脂から形成された表面層と軟質樹脂から形成された裏面層とを有する床材本体と、前記床材本体の裏面層の裏面に点在して設けられた複数の凸部と、を有し、前記凸部が、縦×横が2mm〜3mm×2mm〜3mmの平面視略矩形状又は1辺の長さが2mm〜3mmの平面視略菱形状であり、前記隣合う凸部の間に形成される凹部の幅が、0.7mm〜1.8mmとされている。
本発明の好ましい床材は、前記エンボス凹凸の深さが、0.01mm〜0.1mmである。
本発明の好ましい床材は、前記凹部の幅が、1.5mm≦凹部の幅<2mmであり、前記凸部の1辺の長さ/前記凹部の幅で求められる凹凸比率が1を越えるように、前記凸部が形成されている。
本発明の好ましい床材は、前記複数の凸部が、その凸頂面において略皿状に窪んだ小凹みが形成されている凸部と、その凸頂面が平坦状に形成されている凸部と、を含む。
本発明の好ましい床材は、前記床材本体が、前記表面層と裏面層の間に設けられた樹脂を含む中間層と、前記表面層と裏面層の間に設けられた繊維を含む補強層と、を有する。
本発明の床材によれば、施工面に接着剤を用いて良好に接着でき、施工後には、表写りが生じ難く、耐動荷重性に優れた床構造を構築できる。
本発明の長尺帯状の床材を表面側から見た平面図。 同長尺帯状の床材を裏面側から見た平面図。 本発明の枚葉状の床材を表面側から見た平面図。 同枚葉状の床材を裏面側から見た平面図。 図4のV−V線で切断した端面図。 図4の一部分を拡大した拡大平面図(床材を裏面側から見た拡大平面図)。 図6のVII−VII線で切断した断面図。 図6のVIII−VIII線で切断した断面図。 図6のIX−IX線で切断した断面図。 第1変形例に係る床材を裏面側から見た拡大平面図。 第2変形例に係る床材を裏面側から見た拡大平面図。 第3変形例に係る床材を裏面側から見た拡大平面図。
以下、本発明について、適宜図面を参照しつつ説明する。
本明細書において「平面視」は、裏面側から鉛直方向に床材を見ることをいい、「平面視形状」は、裏面側から鉛直方向に見たときの形状をいう。また、「略矩形状」は、略正方形状又は略長方形状を意味する。
本明細書において、「略平行」は、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含み、例えば、平行の対象となるもの同士が、厳密に0度を成している場合の他、0±5度の範囲内を含み、好ましくは、0±3度の範囲内を含む。
本明細書において、「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「〜」で結んだ範囲とすることができるものとする。
[床材の概要]
図1及び図2は、本発明の1つの実施形態に係る床材の平面図であり、図3及び図4は、本発明のもう1つの実施形態に係る床材の平面図である。
図1及び図2に示す床材1は、平面視長尺帯状に形成されている。なお、図1及び図2においては、床材1の中間部及び紙面左側を省略している。
前記長尺帯状は、第1方向の長さが第2方向よりも十分に長い平面視略長方形状をいう。長尺帯状としては、例えば、第2方向の長さの長さが1000mm〜4000mmで、第1方向の長さが5m以上であり、好ましくは、第1方向の長さが10m以上である。なお、本明細書において、第1方向は、第2方向と直交する方向であり、例えば、第1方向は、紙面の横方向であり、第2方向は、縦方向である。
図3及び図4に示す床材1は、例えば平面視略矩形状などの枚葉状に形成されている。もっとも、枚葉状の床材1の平面視形状は、略矩形状に限定されず、例えば、略円形状、略楕円形状、略三角形状や略六角形状などの略多角形状などに形成されていてもよいが、敷設しやすく製造効率も良いことから、平面視略矩形状の床材1が好ましい。
本明細書において、形状を表す際の「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。平面視略矩形状(平面視略正方形状又は略長方形状)、略三角形状などの略多角形状の「略」は、例えば、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。また、平面視略円形状及び略楕円形状の「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状などが含まれる。
平面視略矩形状の床材1の寸法は、特に限定されないが、例えば、第1方向の長さ×第2方向の長さが100mm〜1000mm×100mm〜1000mmなどである。
なお、図3及び図4では、平面視略正方形状の床材1を例示している。
本発明の床材1は、柔軟性を有する。床材1の柔軟性の程度としては、例えば、直径10cmの芯材の周囲に床材1をロール状に巻き付けることができるほどに柔軟である。
本発明の床材1の厚みは、特に限定されず、例えば、1mm〜8mmであり、好ましくは、1.5mm〜6mmである。
[床材の層構成]
本発明の床材1は、図5に示すように、床材本体2と、床材本体2の裏面に点在して設けられた複数の凸部3と、を有する。
図5は、図3及び図4に示す枚葉状の床材1を第1方向と平行な線で切断したときに現れる端面図である。なお、前記床材1を第2方向と平行な線及び第1方向に対して傾斜した線で切断したときに現れる端面(断面)も図5と同様な構造であるため、その図示を省略している。また、図1及び図2に示す長尺帯状の床材1についても、その第1方向及び第2方向と平行な線並びに第1方向に対して傾斜した線で切断したときに現れる端面(断面)も図5と同様な構造であるため、その図示を省略している。
床材本体2は、シート状の床材1を構成する主要な部材であり、床材1と同様な柔軟性を有する。
床材本体2の層構成は、特に限定されない。通常、床材本体2は、表面層21と、裏面層22と、を有し、必要に応じて、補強層23及び/又は中間層24を有する。
前記表面層21は、床材本体2の最表面を構成する。例えば、前記表面層21は、所望のデザインが表されたパイル地であってもよい。パイル地は、基布にパイル糸がタフトされたものである。パイル地からなる表面層21を有する床材1は、一般に、カーペットと呼ばれる。ただし、表面にパイル地からなる表面層21を有する場合は、裏面に突設された凸部の輪郭が表れる「表写り」という現象が課題となることは少ない。このため、本発明を最も効果的に適用できるのは、表面にパイル地を有さない床材であり、特に、比較的軟らかい樹脂からなる樹脂層を含む表面層211を有する床材である。
好ましくは、表面層21は、シート状である。図示例では、シート状の表面層21を有する床材本体2を表している。前記シート状の表面層21は、床材本体2の最表面を構成する表層211を含み、好ましくは、表層211の裏面側に設けられた化粧層212を含む。
前記表層211は、化粧層212が設けられている場合にはそれを保護し、また、床材1に付着した汚れを容易に除去できるようにするために設けられる層である。表層211は、透明又は不透明でもよいが、表層211の下側に設けられた化粧層212などのデザインを視認できるようにするため、透明であることが好ましい。
表層211は、通常、樹脂材料から形成された樹脂層から構成される。特に、表層211は、非発泡体で且つ比較的密度が高い樹脂層から形成されていることが好ましい。
前記表層211は、1層構造でもよく、或いは、2層以上で構成されていてもよい。例えば、表層211は、化粧層212の表面に積層された第1樹脂層と、その第1樹脂層の表面に積層された、床材本体2の最表面を構成する第2樹脂層(表面保護層)と、から構成されていてもよい(図示せず)。
前記表層211を形成する樹脂材料は、特に限定されず、比較的軟らかい樹脂でもよく、或いは、比較的硬い樹脂でもよい。
前記表層211が1層構造である場合には、比較的軟らかい樹脂から形成されていることが好ましい。
表層211が2層以上の積層体からなる場合には、例えば、前記第1樹脂層が比較的軟らかい樹脂で形成され、第2樹脂層が比較的硬い樹脂で形成されていることが好ましい。
前記比較的軟らかい樹脂としては、後述するような軟質の熱可塑性樹脂が挙げられ、化粧層212に対して強固に接合することから、ペースト塩化ビニル系樹脂などの塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
前記比較的硬い樹脂としては、主成分樹脂として硬質合成樹脂を含む樹脂材料が挙げられる。前記硬質合成樹脂としては、特に限定されないが、加工性の良さから硬化性樹脂を用いることが好ましく、汎用的であることから、紫外線硬化樹脂などの電離放射線硬化性樹脂を用いることがより好ましい。前記硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂以外に、熱硬化性樹脂、非電離放射線により硬化する樹脂などが挙げられる。
前記樹脂材料から形成された表層211の厚みは、特に限定されないが、例えば、30μm〜1mmである。表層211が2層以上の積層体からなる場合には、例えば、第1樹脂層の厚みは、約20μm〜1mmであり、第2樹脂層の厚みは、約1μm〜500μmである。
前記化粧層212は、転写層、意匠印刷シート、意匠性が付与された熱可塑性樹脂層などが挙げられる。もっとも、化粧層212は、これら例示の層に限られず、デザインを表出できる層であれば任意のものを用いることができる。
前記転写層は、印刷インキを剥離紙などの基材上に印刷して固化させた後に、固化した印刷インキを剥離して形成した転写フィルムから構成される。前記意匠印刷シートは、予め意匠印刷を施したシートからなる。意匠印刷シートの材質としては、塩化ビニル製樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートなどが挙げられる。前記意匠性が付与された熱可塑性樹脂層は、そのものが意匠となり得る層である。前記熱可塑性樹脂層は、(1)樹脂そのものの色彩で意匠性が付与されている場合、(2)着色剤が混合され、その着色剤の色彩及びその混ざり方によって意匠性が付与されている場合、(3)樹脂チップが混合され、その樹脂チップの色彩、形状、分散の仕方などによって意匠性が付与されている場合、(4)色彩の異なる着色剤と樹脂チップとが混合され、それらの色彩や混ざり方などによって意匠性が付与されている場合、などが挙げられる。
前記化粧層212の厚みは特に限定されないが、例えば、0.5μm〜1mmであり、好ましくは0.01mm〜0.8mmである。特に、意匠印刷シートからなる化粧層212の厚みは、20μm〜500μmである。
裏面層22は、床材本体2の最裏面を構成する裏層を含む。
裏面層22は、裏層のみから構成されていてもよく、或いは、裏層と他の層との積層構造であってもよい。つまり、裏面層22は1層構造であってもよく、或いは、2層以上の積層構造であってもよい。図示例では、1層構造の裏面層22を表している。
裏層を含む裏面層22は、樹脂材料で形成された樹脂層であることが好ましい。裏面層22が積層構造である場合には、裏層及び中間層の何れもが樹脂材料で形成された樹脂層であることが好ましい。
裏面層22を形成する樹脂材料は、特に限定されないが、柔軟性に優れた床材1を構成するために、主成分樹脂として軟質合成樹脂を含む樹脂材料を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、軟質合成樹脂及び硬質合成樹脂は、JIS K6900(1994)のプラスチック−用語に記載の軟質プラスチック及び硬質プラスチックを意味する。
裏面層22の主成分樹脂としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられ、好ましくは軟質の熱可塑性樹脂が用いられる。
前記軟質の熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;ウレタン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂;エチレン−メタクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;エステル系樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの各種エラストマー;ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を併用できる。安価で且つ優れた柔軟性を有し、さらに、エンボス加工し易く、強度があって耐動荷重性にも優れることから、裏面層22は、塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂とする樹脂層であることが好ましい。前記エンボス加工し易いという特性は、本発明の床材の裏面構造を設計通りに作製できることに繋がる。
なお、本明細書において、主成分樹脂は、その層を構成する樹脂成分(ただし、添加剤を除く)の中で最も多い成分(重量比)をいう。主成分樹脂の量は、その層を構成する樹脂成分全体を100重量%とした場合、50重量%を超え、好ましくは、70重量%以上であり、より好ましは80重量%以上である。主成分樹脂の量の上限は、100重量%である。主成分樹脂の量が100重量%未満である場合において、その層に含まれる主成分樹脂以外の樹脂は、特に限定されず、公知の樹脂成分を用いることができる。
前記塩化ビニル系樹脂としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などで製造されたものを用いることができる。加工し易く且つ取り扱い易いことから、乳化重合法、又は、懸濁重合法で得られる塩化ビニル系樹脂が好ましい。これらの塩化ビニル系樹脂は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
裏面層22が塩化ビニル系樹脂を主成分とする場合、ペースト塩化ビニル系樹脂でもよく、サスペンション塩化ビニル系樹脂でもよいが、好ましくは、裏面層22は、主成分樹脂としてペースト塩化ビニル系樹脂を含む。裏面層22をペースト塩化ビニル系樹脂で形成することにより、床材1の強度を確保しつつエンボス加工し易い裏面層22を構成できる。
ペースト塩化ビニル系樹脂は、例えば、乳化重合法で得られるペースト状の塩化ビニル系樹脂であり、可塑剤により、適宜粘度を調整できる。ペースト塩化ビニル系樹脂は、多数の微粒子集合体からなる粒子径が0.1〜10μm(好ましくは1〜3μm)の微細粉末であり、好ましくは、前記微細粉末の表面に界面活性剤がコーティングされている。ペースト塩化ビニル系樹脂の平均重合度は1000〜2000程度が好ましい。
サスペンション塩化ビニル系樹脂は、例えば、懸濁重合法で得られる塩化ビニル系樹脂である。サスペンション塩化ビニル系樹脂は、粒子径が好ましくは20μm〜100μmの微細粉末である。サスペンション塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、700〜1500程度が好ましく、700〜1100程度がより好ましく、700〜1000程度がさらに好ましい。
ただし、前記粒子径は、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。 前記各塩化ビニル系樹脂は、K値60〜95程度のものが好ましく、K値65〜80程度のものがより好ましい。
前記裏面層22は、通常、上記樹脂成分以外に各種添加剤が含まれる。添加剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、充填剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、吸湿剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、発泡剤、防黴剤などが挙げられる。
裏面層22の厚みは、特に限定されず、適宜設定でき、例えば、0.5mm〜5mmであり、好ましくは0.7mm〜2mmである。なお、前記裏面層22の厚みは、裏面層22が2層以上の積層構造である場合には、その合計厚みに相当する。
裏面層22は、発泡体でもよく、或いは、非発泡体でもよい。裏面層22が発泡体の場合、柔軟性に優れ、比較的軽い床材1を構成できる。裏面層22が非発泡体の場合、エンボス加工性に優れ、また、強度が増すので耐動荷重性の高い床材1を構成できる。裏面層22が発泡体からなる場合、その発泡樹脂の発泡倍率は、特に限定されないが、余りに小さいとクッション性が付与できず、余りに大きいと沈み込みが大きくなり過ぎることから、1.1倍〜3倍が好ましく、1.2倍〜2倍がより好ましい。
図示例では、補強層23は、表面層21と裏面層22の間に設けられている。なお、図示のように、中間層24を有する場合には、補強層23は、裏面層22と中間層24の間に設けられることが好ましい。
補強層23は、必要に応じて、適切な接着剤を介して中間層24や裏面層22に接着される。ただし、接着剤は不図示である。なお、補強層23が裏面層22などに直接的に接着する場合には、前記接着剤を用いなくてもよい。補強層23を直接的に接着させる方法としては、例えば、カレンダー加工、熱ラミネート、加熱・加圧などによって補強層23を裏面層22及び/又は中間層24に接着させる方法、裏面層22及び/又は中間層24を形成するペースト塩化ビニル樹脂などの樹脂材料を補強層23に含浸させる方法などが挙げられる。
前記補強層23としては、特に限定されないが、例えば、不織布、織布などが挙げられる。不織布や織布を構成する繊維の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成樹脂繊維;ガラス、カーボンなどの無機繊維;天然繊維などが挙げられる。特に、温度による寸法変化が小さいことから、補強層23としては、ガラス繊維を含む不織布又は織布を用いることが好ましい。寸法安定性、表写りの抑制、施工面の不陸隠蔽性などの観点から不織布を用いることがより好ましい。特に、ガラスマットは、寸法安定性、表写りの抑制、施工面の不陸隠蔽性に優れ、さらに、ペースト塩化ビニル系樹脂などの樹脂材料をこれに含浸させるとガラス繊維の周辺に樹脂が一体的に結合して強固な層を構成するので、本発明において最も好適に使用できる。
前記補強層23を構成する不織布又は織布の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1mm〜1mmであり、その目付量は、10g/m〜100g/mである。
中間層24は、必要に応じて設けられる。中間層24は、通常、樹脂層から構成される。中間層24を形成する樹脂材料は、特に限定されないが、良好な柔軟性を有する床材1を構成するために、比較的軟らかい樹脂で形成されていることが好ましい。前記比較的軟らかい樹脂としては、上述の軟質の熱可塑性樹脂が挙げられ、補強層23及び化粧層212に対して強固に接合することから、ペースト塩化ビニル系樹脂などの塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
[床材の裏面構造]
図6乃至図9にも示すように、床材本体2の裏面には、独立した複数の凸部3が形成されている。
なお、図6は、枚葉状の床材1の裏面構造の一部分を拡大した拡大平面図であり、図7乃至図9は、第1方向と平行な線、第2方向と平行な線、及び、第1方向に対して45度に傾斜した線で切断したときに現れる拡大断面図である。図1及び図2に示す長尺帯状の床材1についても、前記拡大平面図及び拡大断面図と同様な構造であるため、その図示を省略している。
各凸部3は、裏面層22を凹凸状に成形することにより、床材本体2の裏面に形成されている。複数の凸部3の間には、凹部4が形成されている。凹凸は、凹と凸の相対的な関係で決定されるものであり、前記凸部3は、凹部4の底面を基準として下方に突出した部分である。
各凸部3は、縦×横が2mm〜3mm×2mm〜3mmの平面視略矩形状又は1辺の長さが2mm〜3mmの平面視略菱形状に形成されている。
図示例では、各凸部3は、1辺の長さが2mm〜3mmの平面視略正方形状に形成されている。
各凸部3は接しておらずにそれぞれ独立しており、隣合う凸部3の間には、凹部4が形成されている。前記隣合う凸部3の間に形成される凹部4の幅は、0.5mmを越え2mm未満とされている。
具体的には、平面視略正方形状の凸部3は、床材本体2の裏面全体に亘って設けられている。複数の凸部3の平面視における大きさは、同じでもよく、或いは、前記範囲内(縦×横が2mm〜3mm×2mm〜3mmの範囲内)において異なっていてもよい。好ましくは、複数の凸部3の平面視形状は、同形同大である。
複数の凸部3は、等間隔に配置されていてもよく、或いは、不均等な間隔を有して配置されていてもよい。ガスが抜け易く、表写りを抑制でき且つ耐動荷重性に優れた床構造を構築できる上、裏面構造を全体的に均質化できることから、複数の凸部3は、図示例のように、等間隔で且つ規則的に配置されていることが好ましい。なお、凸部3が等間隔に配置されている場合には、凹部4の幅は略一定となる。
平面視略正方形状の複数の凸部3は、その少なくとも1辺が床材本体2の1つの縁2a(例えば、図2及び図4に示すように、床材本体2の縁のうち第1方向に延びる縁2a)と略平行となるように配置されていてもよく、その少なくとも1辺が床材本体2の1つの縁2aに対して鋭角を成して傾斜するように配置されていてもよい。
図示例では、平面視略正方形状の複数の凸部3は、その全ての辺が床材本体2の各縁2aに対して鋭角を成して傾斜するように配置されている。凸部3の1辺の、床材本体2の1つの縁2aに対する傾斜角度は、鋭角であれば特に限定されず、例えば、10度〜80度などが例示され、さらに、30度〜60度などが例示される。好ましくは、凸部3の1辺が床材本体2の1つの縁2aに対して略45度に傾斜して配置されている。この好ましい配置では、平面視略正方形状の各凸部3は、その正方形の対角線が床材本体2の1つの縁2aに略平行となるように配置されている。
平面視略矩形状の床材1(床材本体2)に対しては縁2a方向に視線を移動させて目視する場合が多いので、前記のように複数の凸部3をその1辺が縁2aに対して傾斜するように配置することにより、仮に僅かな表写りが生じたとしても、その僅かな表写りが視覚的に殆ど目立たなくなる。
各凸部3の高さ3Hは、特に限定されないが、余りに小さいと、実質的に凸部3が生じなくなり、余りに大きいと、表写りを十分に抑制できないおそれがある。かかる観点から、各凸部3の高さ3Hは、それぞれ独立して、0.08mm〜0.5mmであることが好ましく、0.1mm〜0.45mmがより好ましく、0.12mm〜0.4mmがさらに好ましい。
ただし、凸部3の高さ3Hは、凸部3の基部から凸頂面までの鉛直方向における直線長さをいう(図7参照)。
図示例では、全ての凸部3の高さは略同じである。
複数の凸部3のうち、少なくとも幾つかの凸部3の凸頂面に、略皿状に窪んだ小凹み5が形成されていてもよい。前記小凹み5は、全ての凸部3にそれぞれ形成されていてもよいが、好ましくは、複数の凸部3のうち、幾つかの凸部3が前記小凹み5を有し、且つ、残る凸部3が前記小凹み5を有さない。この場合、小凹み5を有する凸部3の割合は、特に限定されないが、凸部3の全体を100%とした場合に、小凹み5を有する凸部3は、20%〜95%であり、好ましくは、40%〜90%であり、より好ましくは、50%〜85%である。前記小凹み5を有する凸部3の割合は、小凹み5を有する凸部3の数/全ての凸部3の数、により求められる。小凹み5を有する凸部3と小凹み5を有さない凸部3の配置は、規則的でもよく、ランダムでもよい。図示例では、小凹み5を有する凸部3がランダムに配置された場合を表している。
なお、小凹み5を有さない凸部3は、その凸頂面の全体が平坦状となっている。
複数の凸部3が前記小凹み5を有する凸部3を含んでいることにより、凸頂面の表面積が増し、床材1の接着強度が高まる上、凸部3の中央部分の断面が、図示のように弧状になるので、アーチ効果により耐動荷重性を高めることができる。
前記小凹み5は、立体的には、浅い皿状に凹んでいる。小凹み5は、凸部3の凸頂面から連続してなだらかな流線形を描きながら内側に凹んだ凹みである。小凹み5の平面視形状は、特に限定されず、例えば、平面視略円形状、平面視略楕円形状などに形成されている。
小凹み5を有する凸部3において、その全ての凸部3の小凹み5の平面視形状が同じでもよく、或いは、異なっていてもよい。例えば、幾つかの凸部3は、平面視略円形状の小凹み5を有し、幾つかの凸部3は、平面視略楕円形状の小凹み5を有する。
小凹み5の深さ5Hは、特に限定されないが、余りに小さいと、実質的に小凹み5が生じなくなり、余りに大きいと、凸部3の強度が低下し、また、接着剤が小凹み5の全体に充満され難くなる。かかる観点から、各小凹み5の深さ5Hは、それぞれ独立して、0.01mm〜0.08mmが好ましく、さらに、0.02mm〜0.05mmがより好ましい。ただし、小凹み5の深さ5Hは、凸頂面から小凹み5の底部までの鉛直方向における直線長さをいう(図7参照)。
上述のように、隣合う凸部3の間には、幅0.5mmを越え2mm未満の凹部4が形成されている。隣合う凸部3の間の凹部4の幅4Wは、全ての凹部の任意の箇所において同じ長さでもよく、或いは、前記範囲内(0.5mmを越え2mm未満の範囲内)において異なっていてもよい。
同形同大の複数の凸部3が等間隔に配置されている図示例のような場合には、前記凹部4の幅4Wは、全て同じである。
ただし、前記凹部4の幅4Wは、1つの凸部3の1辺とそれに隣合うもう1つの凸部3の1辺とのそれぞれに対して垂直な線の長さに相当する(図6参照)。なお、幾つかの凹部の幅が異なっている又は部分的に異なっている場合には、前記凹部4の幅4Wは、その中の最大値を指すものとする。
前記隣合う凸部3の間の凹部4の幅4Wは、0.7mm〜1.8mmが好ましく、さらに、0.8mm〜1.7mmがより好ましく、0.9mm〜1.6mmがさらに好ましい。
また、隣合う凸部3の間に形成される凹部4は、全体的に見ると、平面視で網目状を成している。図示例のように、凸部3の1辺が第1方向に対して傾斜するように複数の凸部3が配置されている場合には、凹部4は、平面視において第1方向に対して傾斜して直線状に延びる長状の凹部4となっている。詳しくは、凹部4は、第1方向に対して±45度に傾斜する複数本の長状の凹部4からなる。
凹部4の深さ4Hは、凸部3の高さ3Hと同じである(図7参照)。
また、凸部3と凹部4は、図示例のように、床材1の縁2aと平行な方向において、交互に並設されていることが好ましい。
詳しくは、図6に示すように、例えば、床材1の裏面に、第1方向(床材の縁2aと平行な方向)に延びる仮想線Xを観念的に引くと、その仮想線X上に凸部3と凹部4が交互に存在している。好ましくは、床材1の裏面全体において、前記第1方向の仮想線X上に凸部3と凹部4が交互に連続して存在しているという関係を満たしている。換言すると、床材1の裏面の何れの箇所に、第1方向に延びる仮想線Xを引いても、その仮想線X上に凸部3と凹部4が交互に連続して存在している。
さらに、凸部3と凹部4は、第2方向に延びる仮想線Yを観念的に引いた場合でも、その仮想線Y上に凸部3と凹部4が交互に連続して存在し、好ましくは、床材1の裏面全体において、その関係を満たしている。
人は自然に何かを目印として行動し易く、床材上を移動する際には、床材1の縁と略平行に歩行或いは台車、キャスターなどを移動させる傾向にあり、特に通路や出入り口付近などではその傾向が顕著である。床材本体2の形状が平面視略矩形状などの場合は、縁2aが移動方向と一致して敷設されることが多く、縁2a方向に沿ってキャスターや人が移動する。前記のように凸部3と凹部4が床材1の縁2aと平行な方向において、交互に並設されていることにより、台車などの重量物を移動させた際に、荷重が分散し、床材1に凹み癖が付きにくくなり、その結果、耐動荷重性も特に良好となる。
さらに、仮想線Y上に凸部3と凹部4が交互に連続して存在する配置と、複数の凸部3の1辺が床材本体2の縁2aに対して鋭角に傾斜させた配置と、の組み合わせにより、表写りし難く、耐動荷重性の向上を相乗的に発揮できる。特に、凸部3の対角線が床材本体2の1つの縁2aに略平行となるように配置すると、縁2aと平行な方向に均等に荷重が分散しやすくなり、床材1に凹み癖が付きにくくなる。
さらに、表写りを効果的に抑制する観点から、1.5mm≦凹部の幅<2mmである場合には、下記式で表される凹凸比率が1を越えていることが好ましく、さらに、凹凸比率が1.2以上であることがより好ましい。
式:凹凸比率=凸部の1辺の長さ(mm)/凹部の幅(mm)。
前記式における凸部の1辺の長さについて、凸部が平面視長方形状の場合には、前記式の1辺は、(長方形の短辺+長辺)/2とする。
なお、床材本体2の表面には、表写りを目立ち難くできることから、必要に応じてエンボス凹凸6が形成されていることが好ましい(図5乃至図9参照)。エンボス凹凸6は、床材1にデザインを付与するために設けられている。このエンボス凹凸6の深さ(凹凸の高低差)は、特に限定されず、例えば、0.01mm〜0.1mmである。前記深さのエンボス凹凸6を形成することにより、仮に僅かな表写りが生じたとしても目立たなくなり、床材1の裏面構造と相乗して表写りを効果的に目立たなくすることができる。
また、床材本体2の表面は、凹凸状に形成されている場合に限られず、平坦面とされていてもよい。床材本体2の表面を平坦にする方法は、例えば、表面層21を形成した後、その表面を鏡面ローラーにて押圧する方法のほか、表面層21を形成した時点で平坦である場合には、そのまま何らの処理を施さなくてもよい。
[床材の製法]
本発明の床材1は、例えば、次のようにして製造できる。
ガラス不織布などの補強層23の上に、裏面層形成材料を塗布し、補強層23の上に裏面層形成材料からなる層を形成する。
裏面層形成材料としては、ペースト塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂材料を用いることができる。
次に、この裏面層形成材料からなる層の表面に、エンボスローラーなどの凹凸形成装置を用いて、小凹みを有さない凸部3及び小凹み5を有する凸部3並びに凹部4を形成すると同時に、塩化ビニル系樹脂を加熱してゲル化させることにより、複数の凸部3を有する裏面層22を形成する。
この裏面層22が形成された補強層23の反対面に、中間層形成材料を塗布し、さらに、意匠印刷シートなどの化粧層212を積層接着し、さらに、その化粧層212の表面に、第1樹脂層形成材料を塗布した後、加熱することにより、裏面層/補強層/中間層/化粧層/第1樹脂層(表層)からなる積層構造の床材を形成する。前記中間層形成材料及び第1樹脂層形成材料としては、ペースト塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂材料を用いることができる。
必要に応じて、前記第1樹脂層の表面側からエンボスロールなどの凹凸形成装置を用いてエンボス凹凸6を形成することによって、エンボス凹凸を有する床材を得ることができる。
必要に応じて、エンボス凹凸を形成しない第1樹脂層又はエンボス凹凸を形成した第1樹脂層の表面に、電離放射線硬化性樹脂などを塗布した後、それを硬化させることにより、第2樹脂層(表面保護層)を有する床材を得ることができる。
[床材の使用]
本発明の床材1は、従来の床材1と同様に、接着剤を用いて施工面に接着して使用され、下から順に施工面と接着剤と床材1とを有する床構造を構築できる。
接着剤は、特に限定されず、アクリル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、酢酸ビニルなどのエマルジョンタイプの水系接着剤などが挙げられる。本発明の床材1は、ガス発生量が比較的多いウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤を用いた場合であっても、支障なく施工することができる。
施工面の材質は、特に限定されず、例えば、コンクリート面、モルタル面、石膏ボード面、木質面、合成樹脂面、セラミックタイルや陶タイルなどの陶磁器面、石材面、鉄板などの金属面などが挙げられる。施工面は、材質に拘わらず、平坦な面であることが好ましく、平坦で且つ比較的硬質な面であることがさらに好ましい。
通常、くし目ごてを用いて施工面に接着剤を塗布し、その上に床材1を敷設した後、床材1の表面に鏡面ローラーを当て、ローラーを前後に転がすことによって、施工面と床材1との間のガスを床材1の縁へと導くという空気抜き作業を行うことが多い。かかるローラーとしては、例えば、東リ(株)製の商品名「大型タイルローラー」などを用いることができる。ローラーの転がし作業において、床材1の縁2aが視覚的な基準となることから、ローラーを床材1の縁と略平行な方向に転がすことが多いが、上記のように、凸部3の対角線が床材本体2の1つの縁2aに略平行となるように配置されていることにより、ガスを床材1の縁にスムースに導くことができる。
本発明の床材1は、接着剤を用いて施工面に良好に接着できる。
本発明の床材1は、その裏面に複数の1辺の長さが2mm〜3mmの平面視略正方形状の複数の凸部3が0.5mmを越え2mm未満の間隔を有して設けられているので、表写りし難く、耐動荷重性にも優れている。
なお、上記実施形態では、凸部3は、平面視略正方形状に形成されているが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、平面視略菱形状に形成されていてもよく、或いは、図11に示すように、平面視略長方形状に形成されていてもよい。
なお、図10に示す平面視略菱形状の凸部3は、その対角線が床材本体2の1つの縁2a(例えば、図2及び図4に示すように、床材本体2の縁のうち第1方向に延びる縁2a)と略平行となるように配置されており、図11に示す平面視略長方形状の凸部3は、その対角線が床材本体2の1つの縁2aに対して傾斜するように配置されている。もっとも、図10及び図11の何れの場合も、凸部の少なくとも1辺が床材本体2の1つの縁2aに対して鋭角を成すように、複数の凸部3が配置されている。
また、図10及び図11の何れの場合も、上記実施形態と同様に、凸部3と凹部4は、第1方向及び第2方向と平行な仮想線上において交互に並設されている(仮想線は、図示せず)。
上記実施形態では、平面視略正方形状の凸部3は、その対角線が床材本体2の1つの縁2aと略平行となるように配置されているが、例えば、図12に示すように、平面視略正方形状の凸部3は、その1辺が床材本体2の1つの縁2aと略平行となるように配置されていてもよい。
また、平面視略菱形状の凸部3は、図10のような配置に限られず、平面視略菱形状の凸部3の対角線が床材本体2の1つの縁2aに対して傾斜するように配置されていてもよく、或いは、平面視略菱形状の凸部3の1辺が床材1の1つの縁2aと略平行となるように配置されていてもよい(図示せず)。
さらに、平面視略長方形状の凸部3は、図11のような配置に限られず、平面視略長方形状の凸部3の1辺が床材1の1つの縁2aと略平行となるように配置されていてもよい(図示せず)。
以下、実施例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)裏面層
ペースト塩化ビニル系樹脂。(株)カネカ製の商品名「PSH985」。K値:70。
(2)補強層
ガラス不織布。オリベスト(株)製の商品名「MBPP057」。目付量:57g/m
(3)中間層及び第1樹脂層
ペースト塩化ビニル系樹脂。(株)カネカ製の商品名「PSM162」。K値:70。
(4)化粧層
意匠印刷シート。(株)トッパンコスモ製、商品名「NS4800」。この意匠印刷シートは、補強層と略同じ大きさで、厚み:約150μmの塩化ビニル製フィルムと、前記フィルムに公知の印刷法にて公知のインキを用いて形成された厚み約1μmの意匠印刷層と、からなる。意匠印刷層には、大理石調のデザインが表されている。
(5)第2樹脂層(表面保護層)
紫外線硬化型樹脂。大日精化工業(株)製の商品名「TLI−112M 」。
[実施例1]
ガラス不織布(補強層)を、縦×横=300mm×300mmに裁断し、このガラス不織布(補強層)の第1面に、裏面層形成材料であるペースト塩化ビニル系樹脂を、1600g/mでベタ状に塗布し、厚み約1.2mmの未硬化の裏面層を形成した。
この未硬化の裏面層を、ヒーターを用いて約140℃で予備加熱した後、未硬化の裏面層の一方面(一方面は、ガラス不織布が積層されている面とは反対側の面)に、ヒーターを備えるエンボスローラーを押し当て、凸部及び小凹み並びに凹部を形成すると同時に樹脂材料を硬化させて裏面層を形成した。
設計上、凸部、凹部及び小凹みを次のように設定した。凸部は、縦×横が2mm×2mmの平面視略正方形状で、高さが0.4mmで、全ての凸部は、同形同大。凹部は、深さが0.4mmで、幅が1mm。なお、凹部の深さと凸部の高さは同義であり、凹部の幅は、隣接する凸部の間隔に等しい。平面視略正方形状の凸部の対角線が不織布の横方向と平行になるように各凸部を、凹部の幅である1mmの間隔を有して、等間隔に配置した。さらに、幾つかの凸部の凸頂面に、深さ約0.03mmの平面視略円形状の小凹みを形成した(図6参照)。
前記凸部を形成した裏面層と補強層の積層体の、補強層の第2面(第2面は、裏面層が積層されている面である第1面とは反対側の面)に、中間層形成材料であるペースト塩化ビニル系樹脂を厚み約300μmに塗布し、その上に、化粧層である意匠印刷シートを重ね合わせ、押圧ローラーを用いて意匠印刷シートを中間層側に押圧した後、その意匠印刷シートの表面に第1樹脂層形成材料であるペースト塩化ビニル系樹脂を厚み約200μmに塗布し、ヒーターを用いて、約200℃に加熱して中間層形成材料及び第1樹脂層形成材料を硬化させることにより、凸部を有する裏面層/補強層/中間層/化粧層/第1樹脂層からなる積層体を形成した。
次に、前記第1樹脂層の表面に、エンボスローラーを用いて、梨地模様のエンボス凹凸(深さ約0.05mm)を形成した後、その表面に紫外線硬化型樹脂を厚み約20μmに塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより、第2樹脂層を形成した。
このようにして図4及び図7乃至図9に示すような層構成の床材を作製した。
[実施例2乃至6、比較例1乃至7]
凸部の平面視形状、凹部の幅及び/又は凹部の深さを、表1及び表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。なお、小凹みについては、実施例1と同様である。
なお、表1及び表2において、凹凸比率は、凸部の1辺の長さ(mm)/凹部の幅(mm)の値である。ただし、割り切れない場合には、小数点第二位を四捨五入している。
[比較例8]
凸部を形成しなかった(つまり、裏面を平坦状に形成した)こと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
Figure 0006920810
Figure 0006920810
[寸法測定]
各実施例及び比較例で作製された床材の凸部及び凹部の寸法について、設計値との誤差を確認するため(設計値に基づいたエンボスローラーによる凹凸が実際に裏面層に形成されているかどうかを確認する)、次の手法でそれらを計測した。
各実施例及び比較例のそれぞれについて、任意に5つの凸部を選び、その凸部の1辺の長さを、マイクロスコープ(オムロン(株)製の商品名「VC7700」)を用いて測定したが、全て、設計値通りであった。
各実施例及び比較例のそれぞれについて、隣接する凸部間である凹部を任意に5ヶ所選び、その凹部の幅を、同マイクロスコープを用いて測定したが、全て、設計値通りであった。
各実施例及び比較例のそれぞれについて、任意に5つの凹部を選び、その深さ(凸部の高さ)を、同マイクロスコープを用いて測定したところ、幾つかが設計値と一致しなかった。そのため、その平均値を求めた。
なお、小凹みは目視で確認できるが、その小凹みの深さは極めて小さいため、測定することが困難であるため、測定しなかった。
[接着試験]
23℃環境下で、平坦状のモルタル面に、JIS A 5536に規定される接着剤塗布用具(くし目ごて)を用いて、エポキシ系接着剤(東リ(株)製の商品名「エポキシグレーS」)を塗布した。
その接着剤を塗布したモルタル面上に、各実施例及び比較例の床材を貼り付け、その表面をローラーで馴らすことによって、床材をモルタル面(施工面)に接着した。
接着後、常温常圧下で、3時間放置した後、その表面の状態を目視で観察した。その結果を、表1及び表2に示す。表中の○、△、×は、次のことを表す。なお、比較例8については、裏面に凹凸が形成されていないので、表写りは生じない。
○:床材の表面に、裏面の凸部及び凹部に起因する輪郭が確認されなかった。
△:床材の表面を凝視していると、裏面の凸部及び凹部に起因する輪郭が僅かに確認された。
×:床材の表面に、裏面の凸部及び凹部に起因する輪郭が明らかに表れていた。
実施例1乃至6のように、凸部の縦×横が2mm〜3mm×2mm〜3mmで、凹部の幅が0.5mmを越え2mm未満(特に、1mm〜1.5mm)である床材は、表写りし難いことが判る。
一方、比較例1乃至5のように、凹部の幅が2mm以上の場合には、表写りを生じ易いことが判る。
さらに、表写りの有無を目視観察後に、床材の縁部から人力で捲り上げようとしたが、各実施例及び比較例の床材の何れも、剥離することはできず、床材に関するJISの規格値である、接着強度が1N/1mm以上は満たしていた。
実施例1乃至6及び比較例7から、凹部の幅が1.5mm以上2mm未満である場合には、凹凸比率が1を越え、好ましくは1.3以上である場合に表写りを効果的に抑制できることが判る。また、凹部の幅が1.5mm以上2mm未満で、凹凸比率が1以下である場合には、表写りが生じ易いことが判る。
また、実施例1及び3並びに比較例6から、凹部の幅が1.5mm未満である場合には、表写りを抑制できることが判る。
[ガス膨れ試験]
5℃環境下で、前記[接着試験]と同様にモルタル面に接着剤塗布用具を用いてエポキエポキシ系接着剤を塗布した後、各実施例及び比較例の床材を貼り付け、その表面をローラーで馴らし、床材をモルタル面に接着した後、その温度で2時間放置した。次に、20℃環境下で3時間放置した後、床材のガス膨れの有無を斜光下で確認した。
その結果を、表1及び表2に示す。表中の○、×は、次のことを表す。
○:ガス膨れは認められなかった、又は、膨れは殆ど気にならない程度であった。
×:明らかにガス膨れが認められた。
比較例6のように、凹部の幅が0.5mmである場合には、ガスが逃げにくく、ガス膨れが生じ易いことが判る。従って、凹部の幅が0.5mmを越えていることにより、ガス膨れを抑制できることが判る。
[耐動荷重性試験]
前記ガス膨れを確認した後の各床材について、耐動荷重性を測定した。
耐動荷重性は、JIS A 1454 B法に規定されるキャスター性試験に準拠して評価した。試験条件として、一輪のキャスター(スチール製、直径110mm、幅50mm)に2000Nの荷重をかけ、このキャスターを180分間往復回転させた後、床材の剥離や凹みを確認した。この試験を3回行った。その結果を、表1及び表2に示す。表中の○、△、×は、次のことを表す。
○:3回ともに、床材に膨れが生じなかった。
△:3回のうち1回、床材に膨れが確認された。
×:3回ともに、床材に膨れが確認された。
1 床材
2 床材本体
3 凸部
4 凹部
5 小凹み

Claims (5)

  1. 表面にパイル地を有さず且つ厚み1mm〜8mmの柔軟な床材であって、
    表面にエンボス凹凸が形成され且つ軟質樹脂から形成された表面層と軟質樹脂から形成された裏面層とを有する床材本体と、前記床材本体の裏面層の裏面に点在して設けられた複数の凸部と、を有し、
    前記凸部が、縦×横が2mm〜3mm×2mm〜3mmの平面視略矩形状又は1辺の長さが2mm〜3mmの平面視略菱形状であり、
    前記隣合う凸部の間に形成される凹部の幅が、0.7mm〜1.8mmとされている、床材。
  2. 前記エンボス凹凸の深さが、0.01mm〜0.1mmである、請求項1に記載の床材。
  3. 前記凹部の幅が、1.5mm≦凹部の幅<2mmであり、
    前記凸部の1辺の長さ/前記凹部の幅で求められる凹凸比率が1を越えるように、前記凸部が形成されている、請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記複数の凸部が、その凸頂面において略皿状に窪んだ小凹みが形成されている凸部と、その凸頂面が平坦状に形成されている凸部と、を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の床材。
  5. 前記床材本体が、前記表面層と裏面層の間に設けられた樹脂を含む中間層と、前記表面層と裏面層の間に設けられた繊維を含む補強層と、を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の床材。
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