JP3150456U - ジグソーパネル型床用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に十分に優れ、かつジグソーパズルとして楽しむことも可能なジグソーパズル型の床用シートを提供する。【解決手段】裏面が床面に接着される基材と、基材の表面に形成された表面側合成樹脂組成物層と、基材の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層と、表面側合成樹脂組成物層上に形成されたインク層と、裏面側合成樹脂組成物層の上に粘着剤層を介して積層接着された発泡体層と、発泡体層の上に形成された床面への接着と床面からの剥離が繰返し可能な微粘着層とを備え、基材が帆布からなり、表面側合成樹脂組成物層の表面が所望の凸部と凹部からなる凹凸面に形成され、インク層は微細インクが凸部を覆いかつ凹部に浸透して形成される。【選択図】図1

Description

本考案は、保育園、幼稚園、託児所又は小学校等の床、或いは子供部屋、勉強部屋等の床に敷く床用シートに関する。更に詳しくは、幼児や子供がシート上で活動する際の安全性に優れ、かつ形状の異なる複数のピースを嵌め合わせて一枚のシートに完成させる際に、シート表面の絵柄や模様、図形、文字等も同様に完成させてパズルとして楽しむことも可能なジグソーパズル型の床用シートに関するものである。
一般に、保育園、幼稚園、託児所又は小学校等の床、或いは子供部屋、勉強部屋等の幼児や子供が活動する場所の床には、主としてスポンジやゴム等の発泡樹脂からなるシートが敷かれる。このような、保育園、幼稚園又は小学校等の床、或いは子供部屋、勉強部屋等の床に敷かれる床用シートには、そのシート上で遊ぶ幼児や子供が転倒して負傷するのを防止するために、衝撃吸収性、防滑性等の安全性が求められ、また、騒音等の防音性等が求められる。また、幼児や子供が活動する場所で使用されるため、上記衝撃吸収性、防滑性等の安全性の他に、幼児や子供の発育向上、娯楽のための遊技性も求められる。
このように、幼児や子供が活動する場所に敷く床用シートであって、衝撃吸収性、防滑性等の安全性に優れ、かつ遊技性を備えた遊戯マットが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この遊技マットは、敷物やマットに幼児の知能や情操を向上させるための機能を持たせることにより、遊びを通じて道徳観念や協調性などの社会性を向上させることを目的として、マット本体の表面に遊技に使用する模様パターン、例えば人間双六に使用される螺旋状模様等が表示されている。また、安全性の面から、その表面層部分に滑り止め機能のある微細な凹凸が形成された表面処理層を、中間層部分には転倒時の衝撃吸収機能を有する層を、更に下層部分にはマット本体の床面からのズレを防止する層を備えている。
また、子供が活動する場所に限らず、床に敷く用途に用いられるシートは、その表面を頻繁に人間が通過するため、表面に描かれた絵柄や模様、図形、文字等の激しい摩耗又は傷により視認性が低下する問題や、シート自体の耐久性についての問題がある。視認性低下の問題を改善する方法としては、例えば、誘導案内サイン等の情報を印刷した印刷面上に、コーティングによって保護層を形成する手法等が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。そして、このような保護層により耐摩耗性、耐傷性が向上するとしている。
特開2003−102893号公報(請求項1,5及び6、段落[0059]〜段落[0061]) 特開平11−10823号公報(請求項12、段落[0002]、段落[0003])
しかしながら、上記特許文献1には、特に床用シートとしての視認性低下の問題については言及しておらず、また、ベース基材が如何なるものからなるのかが不明であるため、その耐久性についても不明であり、これらの問題点を解決するには至らない。また、各層の材質についても不明であるため、衝撃吸収性、防滑性等の安全性がどの程度得られるのかについても問題がある。
また、上記特許文献2のように、印刷面を保護するために、印刷された面を保護層により保護することは、保護層を印刷作業と別に形成する作業を必要とし、作業工数が増加することにより製品の単価が押し上げられる。これを回避するためには、印刷面上に形成される保護層を省くことが考えられるが、保護層を省いた場合には印刷面の耐摩耗性や耐傷性等が劣ることになるとともに、表面の防滑性も劣る結果を生じさせる。
本考案の第1の目的は、床用シートの上で遊ぶ幼児や子供が、シートがずれることによって転倒する危険が少なく、かつ転倒した場合の安全性に十分に優れたジグソーパズル型床用シートを提供することにある。
本考案の第2の目的は、複数のピースを所定の位置に嵌め合わせて一枚のシートに完成する際に、シート表面の絵柄や模様、図形、文字等も同様に完成させてパズルとして楽しむことが可能なジグソーパズル型床用シートを提供することにある。
本考案の第3の目的は、印刷面を保護するためのコスト高となる保護層を設けることなく、印刷面の摩耗による絵柄や模様、図形、文字等の視認性の低下が少ないジグソーパズル型床用シートを提供することにある。
本考案の第1の観点は、1枚のシートを切断して得られたピース形状がそれぞれ異なる複数のピースを、ピースの切断面における凹凸を合わせながら、所定の位置に嵌め合わせて1枚のシートに完成させるジグソーパネル型床用シートであって、ジグソーパネル型床用シートは、裏面が床面に接着される基材と、基材の表面に形成された表面側合成樹脂組成物層と、基材の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層と、表面側合成樹脂組成物層上に形成されたインク層と、裏面側合成樹脂組成物層の上に粘着剤層を介して積層接着された発泡体層と、発泡体層の上に形成された床面への接着と床面からの剥離が繰返し可能な微粘着層とを備え、基材が表面及び裏面に凹凸を有し、平均厚みが200〜500μm、単位面積当たりの質量が100〜300g/m2である帆布からなり、表面側合成樹脂組成物層の表面が凸部と凹部からなる凹凸面に形成され、表面側合成樹脂組成物層の表面はJIS−B−0601(2001)規格に準拠して測定されたカットオフ値λsが0.25mm及びλcが8mmにおける粗さ曲線の算術平均高さRaが10〜50μmの範囲内であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRSmが500〜2000μmの範囲内であり、インク層は微細インクが凸部を覆いかつ凹部に浸透して形成されたことを特徴とする。
本考案の第2の観点は、第1の観点に基づく考案であって、更に表面側合成樹脂組成物層の凸部と凹部からなる凹凸面が基材表面の凹凸に起因して形成されたことを特徴とする。
本考案の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく考案であって、更に帆布は太さが22〜67デシテックス、糸密度が40〜80本/インチ(15.7〜31.5本/cm)の合成繊維のたて糸と、太さが22〜67デシテックス、糸密度が30〜70本/インチ(11.8〜27.6本/cm)の合成繊維のよこ糸からなる織布であることを特徴とする。
本考案の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく考案であって、更にインク層を最外層とすることを特徴とする。
本考案の第5の観点は、第1ないし第3の観点に基づく考案であって、インク層の表面に防汚コーティング層が更に形成されたことを特徴とする。
本考案の第6の観点は、第1ないし第5の観点に基づく考案であって、更に表面側合成樹脂組成物層の表面に防汚コーティング層が形成され、防汚コーティング層の表面にインク層が部分的に形成されたことを特徴とする。
本考案の第7の観点は、第1ないし第6の観点に基づく考案であって、更に表面側合成樹脂組成物層及び/又は裏面側合成樹脂組成物層が塩化ビニル樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれた1種又は2種以上からなることを特徴とする。
本考案の第8の観点は、第1ないし第7の観点に基づく考案であって、更に表面側合成樹脂組成物層又は裏面側合成樹脂組成物層の厚さが10〜200μmであることを特徴とする。
本考案の第9の観点は、第1ないし第8の観点に基づく考案であって、更にインク層がインクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷又は平板印刷のいずれかにより形成されたことを特徴とする。
本考案の第10の観点は、第1ないし第9の観点に基づく考案であって、更に発泡体層がポリオレフィン系樹脂発泡体であることを特徴とする。
本考案の第11の観点は、第1ないし第10の観点に基づく考案であって、更に微粘着層のステンレス鋼板に対する粘着力が0.05〜5.0N/25mmであり、かつせん断強度が1〜50N/cm2であることを特徴とする。
本考案の第12の観点は、第1ないし第11の観点に基づく考案であって、更に微粘着層がアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤の少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本考案の第13の観点は、第12の観点に基づく考案であって、更に微粘着層がアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤の少なくとも1種を含む発泡層であることを特徴とする。
本考案の第14の観点は、第1ないし第13の観点に基づく考案であって、更に微粘着層の表面に離型紙を更に備え、離型紙がポリオレフィン樹脂フィルムであることを特徴とする。
本考案の第1の観点のジグソーパネル型床用シートでは、1枚のシートを切断して得られたピース形状がそれぞれ異なる複数のピースを、ピースの切断面における凹凸を合わせながら、所定の位置に嵌め合わせて1枚のシートに完成させるジグソーパネル型床用シートであって、裏面が床面に接着される基材と、基材の表面に形成された表面側合成樹脂組成物層と、基材の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層と、表面側合成樹脂組成物層上に形成されたインク層と、裏面側合成樹脂組成物層の上に粘着剤層を介して積層接着された発泡体層と、発泡体層の上に形成された床面への接着と床面からの剥離が繰返し可能な微粘着層とを備える。これにより、シートが容易に床面からずれるのを防止し、シートがずれることによって床用シートの上で遊ぶ幼児や子供が転倒するのを防止することができる。また、万一、幼児や子供が床用シートの上で転倒した場合であっても、優れた衝撃吸収性により高い安全性が得られる。
また、本考案のジグソーパネル型床用シートは、床面への接着と床面からの剥離が容易であって、かつ繰返しが可能であるため、床面に接着した複数のピースを幼児や子供の力でも容易に剥離して移動することができる。このため、これら複数のピースを容易に剥離し、所定の位置に嵌め合わて1枚のシートに完成させる際に、インク層によって描かれたシート表面の絵柄や模様、図形、文字等も完成させてパズルとして楽しむことができる。
更に、本考案のジグソーパネル型床用シートは、基材が表面及び裏面に凹凸を有する帆布からなり、表面側合成樹脂組成物層の表面が凸部と凹部からなる凹凸面に形成され、表面側合成樹脂組成物層の表面はJIS−B−0601(2001)の規格に準拠して測定されたカットオフ値λsが0.25mm及びλcが8mmにおける粗さ曲線の算術平均高さRaが10〜50μmの範囲内であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRSmが500〜2000μmの範囲内であり、インク層は、微細インクが凸部を覆いかつ凹部に浸透して形成される。この床用シートを床面に貼り付けて、インク層が摩耗すると、表面側合成樹脂組成物層の凸部が表出する。しかし、比較的に機械的強度が強い材料を使用しているので、表面側合成樹脂組成物層の凸部はインク層に比較して摩耗し難い。これにより、印刷面上に、インク層の摩耗を防止するために形成される保護層等を設けなくても、表面側合成樹脂組成物層の凹部に残存するインク層はその凹部に隣接する凸部により保護されるため、印刷面の摩耗による表示及び装飾の視認性が低下するのを防止することができる。
本考案のジグソーパネル型床用シートの構造を示す断面図である。 インク層が摩耗して合成樹脂層の凸部が出現した状態のジグソーパネル型床用シートを示す断面図である。 本考案のジグソーパネル型床用シートの一例を示す上面図である。
次に本考案を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図3に示すように、本考案のジグソーパネル型床用シート10は、1枚のシートを切断して得られたピース形状がそれぞれ異なる複数のピース40を、ピース40の切断面における凹凸を合わせながら、所定の位置に嵌め合わせて1枚のシートに完成させるジグソーパネル型の床用シート10である。複数のピース40を嵌め合わせて1枚のシートに完成させる際に、インク層13によって描かれた床用シート10表面の絵柄や模様、図形、文字等も完成させてパズルとして楽しむことができる。
そして、図1又は図2に示すように、本考案のジグソーパネル型床用シート10は、裏面が床面31に接着される基材11と、基材11の表面に形成された表面側合成樹脂組成物層12と、基材11の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層14と、表面側合成樹脂組成物層12上に形成されたインク層13と、裏面側合成樹脂組成物層14の上に粘着剤層16を介して積層接着された発泡体層17と、発泡体層17の上に形成された床面31への接着と床面31からの剥離が繰返し可能な微粘着層18とを備える。
本考案に使用される基材11は、表面に凹凸を有し、床面用途としての十分な強度と柔軟性を有する帆布からなる。帆布はポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂及びそのブレンドや共重合体からなる糸11a、或いは綿や亜麻や大麻やジュートなどからなる比較的太い糸11aを使用し、その糸11aを密に織った比較的厚手の平織物からなる。このような帆布では、比較的太い糸11aを織ることからその表面及び裏面には比較的大きな凹凸が形成され、これを基材11として用いることにより基材11の表面に明確な凹凸を形成することができる。そして、好ましくは、ポリエステル樹脂繊維のマルチフィラメント糸又はスパン糸の平織りから成る帆布を基材11として用いることが機械的強度の点から好ましい。なお、本明細書において帆布(sailcloth)とは、強くて丈夫なキャンバス織り(canvas weave)の織布と定義する。
本考案に使用する帆布は平均厚みが200〜500μm、単位面積当たりの質量が100〜300g/m2のものである。平均厚みが200μm未満では、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になる。一方、500μmを超えると、製品全体の厚みが厚くなりすぎて、平滑な床面に添付する床用シートとしては美観上好ましくなく、またインクジェット印刷する場合において、床用シートが印刷機のノズル下で通過障害を起こすことがある。また、単位面積当たりの質量が100g/m2未満では、十分な機械的強度が得られず、300g/m2を超えると、帆布の柔軟性が乏しくなり、製品取扱時のハンドリング性が悪化し、更に幼児や子供が転倒した際の衝撃吸収性も得られ難くなる。このうち、平均厚みが250〜450μm、単位面積当たりの質量が120〜280g/m2であるものが好ましい。
また、使用する帆布は太さが22〜67デシテックス、糸密度が40〜80本/インチ(15.7〜31.5本/cm)のたて糸と、太さが22〜67デシテックス、糸密度が30〜70本/インチ(11.8〜27.6本/cm)のよこ糸からなる織布である。たて糸の太さが22デシテックス未満では、帆布の流れ方向、即ち帆布を製造する際の送り方向(マシン運転方向:Machine Direction)の機械的強度が低下したり、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。67デシテックスを超えると、帆布の柔軟性が乏しくなりやすく、また、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。よこ糸の太さが22デシテックス未満では、帆布の幅方向、即ち帆布を製造する際の送り方向と直角な方向(マシン運転方向と直角な方向:Cross Direction)の機械的強度が低下しやすい。一方、67デシテックスを超えると、帆布の柔軟性が乏しくなりやすく、また、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。また、たて糸の糸密度が40本/インチ未満では、帆布の流れ方向、即ち帆布を製造する際の送り方向(マシン運転方向:Machine Direction)の機械的強度が低下したり、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。一方、80本/インチを超えると、帆布の柔軟性が乏しくなりやすく、また、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。よこ糸の糸密度が30本/インチ未満では、帆布の幅方向、即ち帆布を製造する際の送り方向と直角な方向(マシン運転方向と直角な方向:Cross Direction)の機械的強度が低下しやすい。一方、70本/インチを超えると、帆布の柔軟性が乏しくなりやすく、また、表面側合成樹脂組成物層の表面に所望の凹凸面を付与するのが困難になりやすい。このうち、たて糸は太さが28〜61デシテックス、密度が43〜70本/インチ(16.9〜27.6本/cm)であるものが好ましく、よこ糸は太さが28〜61デシテックス、密度が35〜65本/インチ(13.8〜25.6本/cm)であるものが好ましい。
また、基材11の表面に形成される表面側合成樹脂組成物層12、基材11の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層14の素材は、床面用途としての十分な耐水性及び印刷性が十分であれば特に限定するものではないが、塩化ビニル樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂及びそのブレンドや共重合体であってもよい。特に、基材11への被覆加工性の良さ及びコストの点から軟質塩化ビニル樹脂が好ましい。そして、基材11にこのような合成樹脂をロールコータ或いはスプレー等によって塗布することにより得られた表面側合成樹脂組成物層12の表面は、基材11表面の凹凸に起因して、凸部12a及び凹部12bからなる凹凸面に形成される。この凸部12a及び凹部12bは、シート表面の摩耗面積を極めて小さく抑えることで結果的に後述するインク層13における表示及び装飾の視認性低下を抑える機能を担っている。なお、本考案における凸部12a及び凹部12bは、規則的に配置している必要はなく不規則であっても良い。
ここで、凸部12aと凹部12bからなる凹凸面に形成された表面側合成樹脂組成物層12の表面は、JIS−B−0601(2001)において定義される2種のパラメータ即ち粗さ曲線の算術平均粗さRaと粗さ曲線要素の平均長さRSmによって規定される。ここで、上記Raは、凸部12aの突出し度合い及び凹部12bの抉れ度合いを与え、RSmは、凸部12aと凹部12bの分布頻度を与えるものである。
また、本考案における表面側合成樹脂組成物層12の表面形状は、高さ方向のパラメータとしてJIS−B−0601(2001)に定義される粗さ曲線の算術平均高さRaによって限定される。即ち、表面側合成樹脂組成物層12の表面においてJIS−B−0601(2001)に準拠して測定されたそれぞれ0.25mm及び8mmのカットオフ値λs及びλcにおける粗さ曲線の算術平均高さRaが10〜50μmの範囲内であることを特徴とする。ここで、粗さ曲線の算術平均高さRaは14〜40μmの範囲内が好ましく、14〜20μmの範囲内が更に好ましい。Raが10μm未満では、表面が平滑すぎて摩耗面積が大きくなり表示・装飾の視認性が維持できない。一方、Raが50μmを超える場合、印刷面としては表面が粗すぎて表示・装飾のグラフィック性が著しく劣るうえ歩行に違和感を感じさせてしまう。
また、本考案における表面側合成樹脂組成物層12の表面形状は、横方向のパラメータとしてJIS−B−0601(2001)に定義される粗さ曲線要素の平均長さRSmによって限定される。即ち、表面側合成樹脂組成物層12の表面においてJIS−B−0601(2001)に準拠して測定されたそれぞれ0.25mm及び8mmのカットオフ値λs及びλcにおける粗さ曲線要素の平均長さRSmが500〜2000μmの範囲内であることを特徴とする。ここで、粗さ曲線要素の平均長さRSmは740〜1200μmの範囲内が好ましい。RSmが500μm未満では凸部12aと凹部12bの数が多すぎてトータルの摩耗面積が大きくなり本考案の効果を示さない。RSmが2000μmを超えると凸部12aと凹部12bの数が少なすぎて算術平均高さRaを満たしたとしても本考案の効果に寄与しない。さらにカットオフ値λsが0.25mm未満の短波長成分は本考案の効果に寄与しない。一方、カットオフ値λcが8mmを超える長波長成分も本考案の効果に寄与しない。
一方、裏面側合成樹脂組成物層14上には、粘着剤層16を介して発泡体層17が積層接着される。この発泡体層17を備えることにより、十分な衝撃吸収性が付与される。この発泡体層17には、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル又はシリコーン等の合成樹脂発泡体、或いは天然ゴム、ポリイソプロピレン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体又はアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム発泡体を用いることができる。このうち、柔軟性や衝撃吸収性等の性能面とコスト面とのバランスから、また、有害性が少なくリサイクル性に優れることから、ポリオレフィン系の合成樹脂発泡体を用いるのが特に好ましい。このポリオレフィン系樹脂発泡体は、例えば次のような従来公知の方法で形成することができる。エチレン酢酸ビニル共重合体と、酢酸ビニル共重合体をベースの樹脂成分とし、これに水酸化ナトリウム粉末等の無機物粉末、アゾジカルボンアミド等の発泡剤、ジクミルパーオキサイド等の架橋剤、トリメチロールプロパントリアクリレート、更にはチタネート系カップリング剤やステアリン酸カルシウムを混合して得られた混合物を、ブラベンダープラストグラフにて120℃の温度で十分に混練して発泡性組成物を得る。これを120℃の熱プレスにて成形することにより、所定の厚さの発泡体が得られる。発泡体の発泡倍率は5〜60倍が好ましい。発泡倍率が下限値未満では十分な衝撃吸収性が得られ難く、上限値を超えると、足踏み時における沈み込み量が大きくなりすぎて、シート上における歩行、その他の活動に支障を来たす場合がある。また、発泡体層17の厚さは1〜10mmの範囲であることが好ましい。厚さが下限値未満では十分な衝撃吸収性が得られ難く、上限値を超えると、ピースの厚さが大きくなりすぎて、幼児や子供がこのシートをパズルとして楽しむ際、その取扱に支障を来す場合がある。
裏面側合成樹脂組成物層14と発泡体層17を接着する粘着剤層16については、発泡体層17との十分な粘着性又は接着性を有すものであれば、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂、合成ゴム系樹脂を主成分とするものが使用でき、そのものを裏面側合成樹脂組成物層14上に塗布することにより又は伸縮性離型紙を用いた転写方式等により形成することができる。
発泡体層17の上には、床面31への接着と床面31からの剥離が繰返し可能な微粘着層18が形成される。本考案に使用される微粘着層18は、床用シート10を床面31に貼付施工する際、床用シート10裏面の微粘着層18が床面31に対して容易に自己密着し、かつ容易に剥離することが可能なものである。このため、床面に接着した複数のピースを幼児や子供の力でも容易に剥離して位置直しや移動ができる。これにより、複数のピースを容易に剥離し、所定の位置に嵌め合わて1枚のシートに完成させ、繰り返しパズルとして楽しむことができる。また、剥離する際に、床等の被着体表面を傷つけることはなく、しかも微粘着層18の一部が被着体表面に残らないため、被着体表面を汚すことなく容易に剥離することができる。
微粘着層18の粘着力は、0.05〜5.0N/25mmの範囲であることが好ましく、このうち、0.1〜2.0N/25mmの範囲が特に好ましい。ここで、本明細書中、微粘着層18の粘着力とは、微粘着層18を備えた床用シート10を、JIS Z0237に準拠した圧着装置を用いて一往復圧着してステンレス鋼板(SUS304)に貼合せ、温度23℃、相対湿度65%の条件下で1時間経過させた後、300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの剥離強度をいう。微粘着層18の粘着力が下限値未満では、床用シート10上で幼児や子供が活動している際に、床用シート10が捲れたり、床面から剥がれることがあるため好ましくない。一方、上限値を超えると、幼児や子供の力では容易に剥離して位置直しや移動ができなくなり、パズルとしての機能に支障を来すことがあることから好ましくない。また、この微粘着層18のせん断強度は、1〜50N/cm2であることが好ましい。ここで、本明細書中、微粘着層18のせん断強度とは、微粘着層18を備えた床用シート10を、JIS Z0237に準拠した圧着装置を用いて一往復圧着してステンレス鋼板(SUS304)に貼合せ、温度23℃、相対湿度65%の条件下で1時間経過させた後、床用シート10の貼着面と平行に床用シート10をずらす際にかかる力のことをいう。微粘着層18のせん断強度が下限値未満では、床用シート10上で幼児や子供が活発に活動している際に、床用シート10が床面からずれることにより、幼児や子供が転倒する危険が生じるため好ましくない。一方、上限値を超えると、粘着力が大きくなりすぎて、幼児や子供の力では容易に剥離して位置直しや移動ができなくなり、パズルとしての機能に支障を来すことがあることから好ましくない。
微粘着層18は、発泡体層17上に粘着剤を塗布することにより形成される。微粘着層18の材質については、上記範囲の粘着力及びせん断強度が得られれば特に限定されるものではないが、アクリル系粘着剤、シリコーン粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤を使用することができる。
アクリル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、これと共重合可能なモノマーが共重合した(メタ)アクリル酸エステルポリマーを主成分とする。(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能なモノマーは、例えば、官能基としてのカルボキシル基をもつアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又は無水マレイン酸、或いは官能基としての水酸基をもつヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート又はヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノマーが挙げられる。上記ポリマーは、更に架橋剤によって架橋されていてもよい。
シリコーン粘着剤は、シリコーンエラストマーを主成分とし、このシリコーンエラストマーは、オルガノポリシロキサンを架橋することにより得ることができる。オルガノポリシロキサンは特に限定されず、例えば、付加型オルガノポリシロキサンや縮合型オルガノポリシロキサンを使用することができる。
微粘着層18の形成には、上記アクリル系粘着剤、シリコーン粘着剤、ゴム系粘着剤、又はウレタン系粘着剤を単独で用いても良いし、或いはこれらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。微粘着層18の厚さは50〜500μmである必要があり、70〜400μmであることがより好ましい。微粘着層18の厚さが50μm未満であると被着体への密着力が十分でなく、床用シート10上で幼児や子供が活動している際に、床用シート10が捲れたり、床面から剥がれる不具合が生じやすい。一方、微粘着層18の厚さが500μmを超えると、床用シート10の総厚が大きくなり過ぎるため、幼児や子供がこのシートをパズルとして楽しむ際、その取扱に支障を来す場合がある。
また、微粘着層18は、上記アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤の少なくとも1種を含む発泡層としても良い。微粘着層18を発泡層に形成する方法は、先ず、上記粘着剤の原料となる、合成樹脂含有量が通常30〜60質量%程度である合成樹脂エマルジョンに、必要に応じて各種添加剤として、例えば、架橋剤、起泡剤、整泡剤、粘度調節剤、着色剤、充填剤、酸化防止剤又は防カビ剤などを配合する。次いで、これら添加剤を配合した合成樹脂エマルジョンを、機械発泡機にて空気と混合させて、気泡を含有する発泡性エマルジョンとする。最後に、調整した発泡性エマルジョンを発泡体層17に直接塗工した後、焼成することにより、微粘着層18を発泡層に形成することができる。また、発泡性エマルジョンを発泡体層17に直接塗工し焼成する代わりに、上記発泡性エマルジョンを一度剥離紙に塗工して乾燥させた後、転写法により発泡体層17に密着性良く積層して形成しても良い。
この微粘着層18の表面には離型紙19が更に積層される。離型紙19はクレープ加工されJIS−P−8113にて測定される引張破断伸びが5〜50%の範囲内であるクレープ紙が好ましい。即ち、離型紙19は、例えば基材となるクラフト紙等に対してクレープ加工を行い、その加工により得られたクレープ紙を一般的な熱可塑性樹脂のラミネート加工及び剥離剤塗工を行って得られる。熱可塑性樹脂のラミネート加工は、クレープ紙の片面に、公知のポリエチレン等の加熱溶融された樹脂を押し出し機で押し出しラミネートする。熱可塑性樹脂はポリオレフィン樹脂をはじめとする公知のものが使用出来るが、例えばL−LDPE(線状低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂が好ましい。一方、剥離剤は一般にシリコーン樹脂を用い、熱可塑性樹脂をラミネートしたクレープ紙のラミネート面にシリコーンを塗工することによりクレープ紙からなる離型紙19が得られる。このうち、離型紙19には、クレープ紙の片面にポリオレフィン樹脂がラミネートされたポリオレフィン樹脂フィルムを用いるのが好ましい。
微粘着層18を発泡層に形成する上記以外の方法としては、次のような方法がある。先ず、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の厚さ10〜100μmの合成樹脂製支持体を用意する。次に、この支持体の表面に上記発泡性エマルジョンを塗工し、その塗工面にポリプロピレンフィルム等の剥離フィルムを上記離型紙19として予め貼り合わせることにより、微粘着層形成フィルムを得る。最後に、得られた微粘着層形成フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム裏面を、発泡体層17に予め塗工された粘着層に接着し圧着させることにより、微粘着層18を積層する。この場合、発泡体層17と微粘着層18との間に、粘着層及びポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持体が形成されるが、発泡体層17の有する衝撃吸収性に影響を及ぼさなければ、このような構造であっても構わない。
この発泡層は、塗工時に塗工表面から気体が抜けたり泡が破壊することにより、開放された気泡群が層内に形成される。この気泡群をそのまま残して架橋させると、各気泡群がそれぞれ物理的吸着性を有する、いわゆる微小吸盤として機能する。この微小吸盤の好ましい数は、1万〜3万個/cm2である。微小吸盤の平均直径は1〜300μmの範囲が好ましい。具体的に、本考案の床用シート10における微粘着層18として好適な発泡層には、例えば、ゼオンALシート (ゼオン化成株式会社製)、ダイヤフィット(ダイヤミック株式会社製)、ぴたっと君(大庫洋紙株式会社製)等が挙げられる。
表面側合成樹脂組成物層12の表面には、微細インクが凸部12aを覆いかつ凹部12bに浸透してインク層13が形成される。このインク層13により、床用シート10の表面に、絵柄や模様、図形、文字等が描かれる。インク層13の形成には、特に限定されないが、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷又は平板印刷等の印刷法が挙げられる。インク層13の形成は、通常、後述する複数のピースへの切断前に行うが、特に限定されない。例えば、インク層13の形成をインクジェット印刷により行う場合、インクジェットプリンタの対応厚みを越える可能性があることから、比較的厚みを確保する必要のある発泡体層17の積層前に行うのが好ましい。
床用シート10は、基材11と、この基材11の表裏面に形成された表側及び裏面側合成樹脂組成物12,14と、裏面側合成樹脂組成物層14の上に粘着剤層16を介して積層接着された発泡体層17と、この発泡体層17の上に形成された微粘着層18までの離型紙19を除く厚みが0.14〜11mmであることが好ましい。
シートはその後切断され、ピース形状がそれぞれ異なる複数のピースにカッティングされることにより、ジグソーパズルとしての機能が付与される。このとき、切断された切断面、即ち切断面の凹凸はその形状によっては、単にパズルとしての機能を持たせるものではなく、完成させた後のシートのズレを防止して安定させる機能を付与することも可能である。シートの切断は、特に限定されないが、絵柄や文字輪郭に沿って、糸鋸刃又は糸状の刃で切断する方法或いはレーザーカット法等により行う。床面への貼り付けは離型紙19を剥がすことにより表出する微粘着層18により行われる。
また、本考案の床用シート10は、従来設けられていた印刷面上に形成される保護層を省き、このインク層13を最外層とするため、インク層13を保護することができずに、そのインク層13は、シート上で活動する幼児や子供の活発な活動によって摩耗する。しかし、本考案の床用シート10は、基材11として表面に凹凸を有する帆布を用い、表面側合成樹脂組成物層12の表面に基材11表面の凹凸に起因する凸部12a及び凹部12bを有し、微細インクが表面側合成樹脂組成物層12の凹部12bに浸透して形成されるので、インク層13が摩耗すると、図2に示すように、表面側合成樹脂組成物層12の凸部12aが表出する。そして、比較的機械的強度が強い材料を使用しているので、その表面側合成樹脂組成物層12の凸部12aはインク層13に比較して摩耗し難い。このため、表面側合成樹脂組成物層12の凹部12bに残存するインク層13はその凹部12bに隣接する凸部12aにより保護され、床面に使用しても印刷面の摩耗による表示及び装飾の視認性が低下することを防止することができる。
本考案の床用シート10は、インク層13の汚れによる視認性の低下を防止するために、インク層13の表面に防汚コーティング層を更に形成しても良い。また、表面側合成樹脂組成物層12表面にインク層13が部分的に形成されるような場合、インク層13が形成されていない表面側合成樹脂組成物層12の表面の非印刷面の汚れを防止するために、インク層13を形成する前の表面側合成樹脂組成物層12の表面に防汚コーティング層を更に形成しても良い。この場合に、部分的に形成されたインク層13の表面に更に防汚コーテイング層を形成しても良い。防汚コーティング層の材料には、フッ素樹脂溶剤系又はフッ素樹脂・アクリル樹脂溶剤系等のフッ素樹脂系防汚剤や、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン又は合成ゴム系ラテックス等のエマルジョン・ラテックス系防汚剤の他、ケイ酸ソーダ又はケイ酸ソーダ・アクリル系樹脂混合液等のケイ酸ソーダ(いわゆる水ガラス)系防汚剤、或いは二酸化チタン又は二酸化ケイ素等の無機ナノ粒子系防汚剤等が挙げられる。塗布方法は、例えば、コンマコーティング法、ドクターナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、グラビアコーティング法又はバーコーティング法等が挙げられるが、塗布溶液の塗工に適した方法であるグラビアコーティング法又はスクリーンコーティング法等が特に好ましい。防汚コーティング層の厚さは、インク層13の表面に形成する場合は、0.5〜200μmの範囲内が好ましい。一方、表面側合成樹脂組成物層12の表面に形成する場合は、0.5〜10μmの範囲内が好ましい。
従って、本考案の床用シート10は、床面に貼付して使用される場合に、印刷面に保護層を有しない従来のシートと比較し、印刷面の表示・装飾の視認性維持に優れ、印刷面に保護層を有する従来のものと比較しても印刷面の表示・装飾の視認性維持を大きく損なうことがない。よって、本考案の床用シート10は、従来の床面用途に必要とされた保護層を設ける必要がないため、低コスト化及び製造工程の簡素化において有用である。
また、本考案の床用シート10は、基材11に帆布を使用しているため、引張破断強度1000N/3cm以上の非常に高い強度が得られる。そのため、本考案の床用シート10は、基材11に帆布以外のものを使用する従来のものに比べ、耐久性に優れる。
<実施例1>
先ず、帆布であるポリエステル樹脂繊維織布からなる基材11に、その表面及び裏面に塩化ビニルからなる表面側及び裏面側合成樹脂組成物層12,14が形成された、厚みが540μmのシート(株式会社クラレ製 商品名「クレモナ」)を用意した。このシートの表面性状をJIS−B−0601(2001)に準拠して測定したところ、Raが18.6μm、RSmが1165.2μmであった。なお、使用した上記帆布であるポリエステル樹脂繊維織布は、平均厚みが367μm、単位面積当たりの質量が238g/m2であった。また、このポリエステル樹脂繊維織布は、たて糸の太さが59デシテックス、糸密度が46本/インチ(18.1本/cm)であり、よこ糸の太さが59デシテックス、糸密度が42本/インチ(16.5本/cm)であった。
次に、上記クレモナシートの裏面側合成樹脂組成物層14の上に、厚さ200μmのクレープ紙からなる伸縮性離型紙を用いた転写方式により、厚さ80μmの粘着剤層16(光洋産業株式会社製 商品名「KR−159」)を形成した。
次に、このクレモナシートにインクジェットプリンタ(ローランドディージー株式会社の機種名「ローランドプロ3」)にて絵柄を印刷した。
次に、裏面に剥離シート及び粘着層が積層された、厚さ3mm、発泡倍率40倍の独立気泡構造無機質高充填プラスチック発泡体を有するポリオレフィン系樹脂発泡シート(古川電工株式会社製 商品名「フネンエース」)を用意して、上記クレモナシートの裏面側合成樹脂組成物層14上の伸縮性離型紙を剥離して露出させた粘着剤層16上に、このポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面を接着させた。
次いで、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面に、厚さ150μmの発泡性アクリル樹脂を塗工し、更にこの塗工面に厚さ30μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせて形成した、表面に気泡群を有する微粘着層形成フィルム(ゼオン化成株式会社製 商品名「ゼオンALシート 」)を用意した。
この微粘着層形成フィルムのポリエチレンテレフタレート支持体裏面を、ポリオレフィン系樹脂発泡シート裏面に積層された剥離シートを剥離して露出させた粘着層に、密着させるように重ねた後、クリアランス3.5mmに設定した圧着ロールを通して圧着させた。
これにより、基材11と、この基材11の表裏面に形成された表側及び裏面側合成樹脂組成物12,14と、裏面側合成樹脂組成物層14上に予め形成された粘着剤層16を介して積層された発泡体層17と、発体層17の上に粘着層及びポリエステルフィルムを介して形成された気泡群を含有する微粘着層18と、この微粘着層18の表面に積層されたポリプロピレンフィルムである離型紙19とから構成された全体の厚みが3930μmの積層シートを得た。
続いてこの積層シートを切断し、ピース形状がそれぞれ異なる9枚のピースからなる本考案のジグソーパネル型床用シート10を得た。
10 ジグソーパネル型床用シート
11 基材
12 表面側合成樹脂組成物層
12a 凸部
12b 凹部
13 インク層
14 裏面側合成樹脂組成物層
16 粘着剤層
17 発泡体層
18 微粘着層
19 離型紙
31 床面

Claims (14)

  1. 1枚のシートを切断して得られたピース形状がそれぞれ異なる複数のピースを、前記ピースの切断面における凹凸を合わせながら、所定の位置に嵌め合わせて1枚のシートに完成させるジグソーパネル型床用シート(10)であって、
    前記ジグソーパネル型床用シート(10)は、裏面が床面(31)に接着される基材(11)と、
    前記基材(11)の表面に形成された表面側合成樹脂組成物層(12)と、
    前記基材(11)の裏面に形成された裏面側合成樹脂組成物層(14)と、
    前記表面側合成樹脂組成物層(12)上に形成されたインク層(13)と、
    前記裏面側合成樹脂組成物層(14)の上に粘着剤層(16)を介して積層接着された発泡体層(17)と、
    前記発泡体層(17)の上に形成された前記床面(17)への接着と前記床面(17)からの剥離が繰返し可能な微粘着層(18)とを備え、
    前記基材(11)が表面及び裏面に凹凸を有し、平均厚みが200〜500μm、単位面積当たりの質量が100〜300g/m2である帆布からなり、
    前記表面側合成樹脂組成物層(12)の表面が凸部(12a)と凹部(12b)からなる凹凸面に形成され、
    前記表面側合成樹脂組成物層(12)の表面はJIS−B−0601(2001)規格に準拠して測定されたカットオフ値λsが0.25mm及びλcが8mmにおける粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が10〜50μmの範囲内であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が500〜2000μmの範囲内であり、
    前記インク層(13)は微細インクが前記凸部(12a)を覆いかつ前記凹部(12b)に浸透して形成された、
    ことを特徴とするジグソーパネル型床用シート。
  2. 表面側合成樹脂組成物層(12)の凸部(12a)と凹部(12b)からなる凹凸面が基材(11)表面の凹凸に起因して形成された請求項1記載のジグソーパネル型床用シート。
  3. 帆布は太さが22〜67デシテックス、糸密度が40〜80本/インチ(15.7〜31.5本/cm)の合成繊維のたて糸と、太さが22〜67デシテックス、糸密度が30〜70本/インチ(11.8〜27.6本/cm)の合成繊維のよこ糸からなる織布である請求項1又は2記載のジグソーパネル型床用シート。
  4. インク層(13)を最外層とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  5. インク層(13)の表面に防汚コーティング層が更に形成された請求項1ないし3いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  6. 表面側合成樹脂組成物層(12)の表面に防汚コーティング層が形成され、前記防汚コーティング層の表面にインク層(13)が部分的に形成された請求項1ないし5いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  7. 表面側合成樹脂組成物層(12)及び/又は裏面側合成樹脂組成物層(14)が塩化ビニル樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれた1種又は2種以上からなる請求項1ないし6いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  8. 表面側合成樹脂組成物層(12)又は裏面側合成樹脂組成物層(14)の厚さが10〜200μmである請求項1ないし7いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  9. インク層(13)がインクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷又は平板印刷のいずれかにより形成された請求項1ないし8いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  10. 発泡体層(17)がポリオレフィン系樹脂発泡体である請求項1ないし9いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  11. 微粘着層(18)のステンレス鋼板に対する粘着力が0.05〜5.0N/25mmであり、かつせん断強度が1〜50N/cm2である請求項1ないし10いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  12. 微粘着層(18)がアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤の少なくとも1種を含む請求項1ないし11いずれか1項に記載のジグソーパネル型床用シート。
  13. 微粘着層(18)がアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はウレタン系粘着剤の少なくとも1種を含む発泡層である請求項12記載のジグソーパネル型床用シート。
  14. 微粘着層(18)の表面に離型紙(19)を更に備え、前記離型紙(19)がポリオレフィン樹脂フィルムである請求項1ないし13記載のジグソーパネル型床用シート。
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JP2016069798A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

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