JP5247425B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、飛距離に優れたゴルフボールに関するものである。
従来、スリーピースゴルフボールやマルチピースゴルフボールにおいて、中間層用組成物に、樹脂成分として酸含量の高いアイオノマー樹脂や、中和度の高いアイオノマー樹脂を用いて、中間層を高剛性化し、高打出角化および低スピン化を図ることにより、飛距離を向上させたゴルフボールが開発されている。
しかしながら、中間層用組成物として、酸含量の高いアイオノマー樹脂を用いた場合には、ゴルフボールの耐久性が低下するという問題があった。また、中和度の高いアイオノマー樹脂を用いた場合には、中間層用組成物の成形性が低下するという問題があった。
そこで、上記のような酸含量あるいは中和度の高いアイオノマー樹脂を用いることなく、高剛性化を図る技術が提案されている。例えば、特許文献1には、約4乃至95重量%の1種以上のアイオノマー樹脂、約95乃至4重量%の1種以上の非イオンポリマー、及びアイオノマー樹脂及び非イオンポリマー100部に対して約1乃至15phrの1種以上の、官能化されたブロック及びグラフトポリマー、オリゴマー、及びそれらの混合物からなる群から選択された物質を含む非カルボン酸相溶化剤を含み、非カルボン酸相溶化剤の少なくとも一部が1種以上のアイオノマーと混和性であり、かつ非カルボン酸相溶化剤の少なくとも一部が1種以上の非イオンポリマーと混和性である相溶化されたブレンドを用いることが開示されている。
特許文献2には、アイオノマー樹脂もしくは非アイオノマー熱可塑性エラストマー又はこれらの混合物からなるベース樹脂に、官能性ゴム状共重合体を配合してなるゴム変性熱可塑性樹脂組成物を主成分とすることを特徴とするゴルフボール用カバー材が開示されている。特許文献3には、下記(A)〜(C)成分、(A)アイオノマー、(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる樹脂組成物、及び(C)酸基を有する熱可塑性樹脂組成物を必須成分として配合してなることを特徴とするゴルフボール用材料が開示されている。
特表2001−509204号公報 特開平10−314341号公報 特開2007−622号公報
従来、酸含量あるいは中和度の高いアイオノマー樹脂を用いることなく、高剛性化を図る技術が提案されている。しかしながら、従来の高剛性化を図る技術、例えば、アイオノマー樹脂に高剛性の熱可塑性樹脂を混合する方法などでは、中間層用組成物の流動性を確保しようとすると、得られる中間層の剛性が低下してしまうため、ドライバーなどのショットに対してスピン量が増加するという問題があった。また、中間層用組成物の流動性が低下してしまい、中間層の薄肉化ができないため、反発性の高いゴム組成物から形成されるセンターを小径化せざるをえなかった。そのため、ゴルフボールの飛距離の観点から検討の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、飛距離に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一片または一層は、樹脂成分として、(A)(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有し、曲げ弾性率が500MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有する高流動性中間層用組成物から形成されていることを特徴とする。
すなわち、本発明は高流動性中間層用組成物に、(A)成分と(B)成分とを含有させることで、中間層用組成物の高弾性化が図られ、且つ、流動性が向上する。そして、この高流動性中間層用組成物から中間層を形成することにより、高弾性を有する中間層を得ることができる。その結果、コアが高反発、且つ、コアの硬度分布が外剛内柔となるため、ドライバーなどのショットに対して高打出角化および低スピン化でき高飛距離が得られる。
前記高流動性中間層用組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)は、1.0g/10min〜30.0g/10minであることが好ましく、曲げ弾性率は350MPa〜1000MPa、スラブ硬度は、ショアD硬度で65〜75であることが好ましい。前記高流動性中間層用組成物中の前記(A)成分と(B)成分との配合比率(合計100質量%としたとき)は、20質量%/80質量%〜90質量%/10質量%であることが好ましい。
前記(a−1)成分は、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612およびポリエーテルブロックアミド共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂は、水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性エラストマーであることが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび熱可塑性ポリスチレンエラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、特に、熱可塑性ポリスチレンエラストマーが好適である。
前記(B)成分は、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されていることが好ましい。
前記中間層の厚みは、0.5mm〜2.0mmであることが好ましい。本発明で用いられる高流動性中間層用組成物は、高弾性を有し、且つ、高流動性を有する。そのため、この高流動性中間層用組成物を用いることにより中間層の薄肉化が可能となる。その結果、反発性の高いセンターを大径化することができ、より飛距離を向上させることができる。
本発明によれば、飛距離に優れたゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一片または一層は、樹脂成分として、(A)(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有し、曲げ弾性率が500MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有する高流動性中間層用組成物から形成されていることを特徴とする。
本発明に用いられる(A)曲げ弾性率が500MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物(以下、単に「(A)ポリアミド樹脂組成物」ということがある)について説明する。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)は、5.0g/10min以上、好ましくは6.0g/10min以上、より好ましくは7.0g/10min以上であり、150g/10min以下が好ましく、より好ましくは120g/10min以下、さらに好ましくは110g/10min以下である。前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であれば、中間層用組成物の流動性が良好となり、中間層の薄肉化が可能となるため、ドライバーなどのショットに対して低スピン化が図られ飛距離が向上する。また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が150g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率は、500MPa以上、好ましくは520MPa以上、より好ましくは550MPa以上であり、4000MPa以下、好ましくは3500MPa以下、より好ましくは3000MPa以下である。前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率が500MPa以上であれば、中間層が十分に高弾性化されて、ドライバーなどのショットに対して低スピン化の効果が得られる。また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率が4000MPa以下であれば、中間層が硬くなりすぎず、打球感および耐久性が良好となる。
また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物は、(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有する。(a−2)成分を含有させることにより(A)ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができ、ゴルフボールの耐久性を向上させることができる。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物に含有される(a−1)ポリアミド樹脂について説明する。前記(a−1)ポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−NH−CO−)を複数有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ラクタムを開環重合させたり、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを反応させたりすることによって、アミド結合が分子内に形成された生成物が挙げられる。
前記ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタムなどが挙げられる。前記ジアミン成分としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、メチルペンタジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、などが挙げられる。前記ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。
前記(a−1)ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612などの脂肪族系ポリアミド;ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどの芳香族系ポリアミドが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族系ポリアミドが好適である。
前記(a−1)ポリアミド樹脂の具体例を商品名で示すと、例えば、アルケマ社から市販されている「リルサン(登録商標)B(例えば、リルサンBESN TL、リルサンBESN P20 TL、リルサンBESN P40 TL、リルサンMB3610、リルサンBMF O、リルサンBMN O、リルサンBMN O TLD、リルサンBMN BK TLD、リルサンBMN P20 D、リルサンBMN P40 Dなど)」などが挙げられる。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物に含有される(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂(以下、単に「(a−2)官能基含有樹脂」ということがある)について説明する。
前記(a−2)官能基含有樹脂は、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、無水酸基(−CO−O−CO−)、スルホン酸基(−SOH)、エポキシ基(−COC)(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するものであれば、特に限定されない。なお、(a−2)官能基含有樹脂には、後述する(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物は含まない。
前記(a−2)官能基含有樹脂を構成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性エラストマーが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、熱可塑性ポリスチレンエラストマーが好適である。
前記熱可塑性ポリオレフィンエラストマーとしては、構成成分としてエチレンを含有するものが好ましい。官能基を含有する熱可塑性ポリオレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
前記熱可塑性スチレンエラストマーとしては、ポリスチレンブロックと共役ジエン化合物を主体とするブロックとからなるブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。ここで、ブロック共重合体の水素添加物とは、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の少なくとも一部が水素添加されているものである。前記熱可塑性ポリスチレンエラストマーとしては、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンを用いたブロック共重合体の水素添加物(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック(SEBS));共役ジエン化合物として2−メチル−1,3−ブタジエンを用いたブロック共重合体の水素添加物(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS))が挙げられる。
前記(a−2)官能基含有樹脂の具体例を商品名で示すと、例えば、アルケマ社製の「ロタダー(LOTADER)AX8840」、東亜合成社製の「アルフォン(ARUFON)(登録商標)UG−4030」、住友化学社製の「ボンドファスト(登録商標)E」などの官能基を有する熱可塑性ポリオレフィンエラストマー;旭化成社製の「タフテック(登録商標)M1913、タフテックM1943」、デュポン社製の「FUSABOND(登録商標)NM052D」、JSR社製の「ダイナロン(登録商標)4630P」などの官能基を有する熱可塑性ポリスチレンエラストマーが挙げられる。
そして、前記(A)ポリアミド樹脂組成物の具体例を商品名で示すと、例えば、三菱エンジニアリング社製の「ノバミッド(登録商標)ST120」などが挙げられる。
前記高流動性中間層用組成物を構成する樹脂成分中の(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率は、20質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、90質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。前記高流動性中間層用組成物を構成する樹脂成分中の(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率が20質量%以上であれば、中間層の弾性率が高くなり、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。また、(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率が90質量%以下であれば、中間層の弾性率が高くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性や打球感がより良好となる。
本発明に用いられる(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、単に「(B)共重合体および/またはその金属中和物」ということがある)について説明する。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体(以下、単に「二元共重合体」ということがある)とは、エチレンと(メタ)アクリル酸とを含有する単量体組成物を共重合することにより得られる共重合体である。前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体(以下、単に「三元共重合体」ということがある)とは、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルとを含有する単量体組成物を共重合することにより得られる共重合体である。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
前記二元共重合体または三元共重合体中の(メタ)アクリル酸成分の含有量は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
また、前記二元共重合体および三元共重合体は、本発明の効果を損なわない程度で他の単量体が共重合されていてもよい。前記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル;一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられる。前記他の単量体を用いる場合には、前記二元共重合体または三元共重合体中のこれら他の単量体成分の含有量は40質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
前記二元共重合体および三元共重合体の具体例を商品名でしめすと、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、ニュクレルAN4214C、ニュクレルAN4225C、ニュクレルAN42115C、ニュクレルN0903HC、ニュクレルN0908C、ニュクレルAN42012C、ニュクレルN410、ニュクレルN1035、ニュクレルN1050H、ニュクレルN1108C、ニュクレルN1110H、ニュクレルN1207C、ニュクレルN1214、ニュクレルAN4221C、ニュクレルN1525、ニュクレルN1560、ニュクレルN0200H、ニュクレルAN4228C、ニュクレルN4213C、ニュクレルN035Cなどの二元共重合体;ニュクレルAN4311、ニュクレルAN4318などの三元共重合体)」などが挙げられる。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物(以下、単に「二元共重合体の金属中和物」ということがある)とは、前記二元共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された金属中和物である。前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物(以下、単に「三元共重合体の金属中和物」ということがある)とは、前記三元共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された金属中和物である。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物に用いられる金属(イオン)としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属(イオン);マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属(イオン);アルミニウムなどの3価の金属(イオン);錫、ジルコニウムなどのその他の金属(イオン)が挙げられる。これらの中でも、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウム(イオン)が反発性、耐久性などから好ましく用いられる。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物において、二元共重合体または三元共重合体が有するカルボキシル基の中和度は、20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上であり、90モル%以下が好ましく、より好ましくは85モル%以下である。なお、二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物中のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
Figure 0005247425
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物の具体例を商品名で例示すると、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)などの二元共重合体アイオノマー;ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)など三元共重合体アイオノマー)」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されている「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)などの二元共重合体アイオノマー;サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)などの三元共重合体アイオノマー)」が挙げられる。デュポン社から市販されている「HPF1000」、「HPF2000」などの三元共重合アイオノマーが挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などの二元共重合体アイオノマー;アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など三元共重合体アイオノマー」が挙げられる。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物は、例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。前記商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
本発明に用いる(B)共重合体および/またはその金属中和物としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されているものが好ましい。
前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の曲げ弾性率は250MPa以上が好ましく、より好ましくは260MPa以上、さらに好ましくは270MPa以上であり、1000MPa以下が好ましく、より好ましくは800MPa以下、さらに好ましくは600MPa以下である。前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の曲げ弾性率が低すぎると、中間層の弾性率が低くなり、高打出角化および低スピン化の効果が小さくなり、曲げ弾性率が高すぎると、中間層の弾性率が高くなりすぎ、ゴルフボールの耐久性や打球感が低下する傾向がある。
前記高流動性中間層用組成物を構成する樹脂成分中の(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率は、10質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、80質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率が10質量%以上であれば、ゴルフボールの反発がより良好となり、また、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。また、前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率が80質量%以下であれば、中間層の弾性率がより適正な範囲となり、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。
前記高流動性中間層用組成物中の(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との含有量比率(合計100質量%としたとき)は、(A)ポリアミド樹脂組成物/(B)共重合体および/またはその金属中和物=20質量%/80質量%〜90質量%/10質量%である。(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との含有量比率を上記範囲内とすることにより、中間層が所望の弾性率となり、高打出角化および低スピン化が図られ、ゴルフボールの飛距離が向上する。高流動性中間層用組成物中の(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との含有量比率(合計100質量%としたとき)は、より好ましくは(A)ポリアミド樹脂組成物/(B)共重合体および/またはその金属中和物=25質量%/75質量%〜85質量%/15質量%、さらに好ましくは30質量%/70質量%〜80質量%/20質量%である。
前記高流動性中間層用組成物は、本発明の効果を損なわない程度に、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物以外の樹脂成分を含有させてもよいが、樹脂成分として、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物のみを含有することが好適である。
本発明において、高流動性中間層用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下、より好ましくは8質量部以下であることが望ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、中間層に隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られる中間層の耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のゴルフボールの製造方法では、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物および必要に応じて添加剤とを配合して高流動性中間層用組成物を得る。高流動性中間層用組成物の配合は、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。高流動性中間層用組成物を配合する態様としては、例えば、(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物および酸化チタンなどの添加剤を混合し、押出して、ペレットを調整する態様;(B)共重合体および/またはその金属中和物に、酸化チタンなどの添加剤を混合し、押出して、予め白ペレットを調製し、前記白ペレットと(A)ポリアミド樹脂組成物をドライブレンドする態様などを挙げることができる。
前記高流動性中間層用組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)は、1.0g/10min以上が好ましく、より好ましくは1.5g/10min以上、さらに好ましくは2.0g/10minであり、30.0g/10min以下が好ましく、より好ましくは28.0g/10min以下、さらに好ましくは26.0g/10minである。前記メルトフローレイトが1.0g/10min以上であれば、中間層用組成物の流動性が良好となり、中間層の薄肉化が可能となるため、ドライバーなどのショットに対して低スピン化が図られ飛距離が向上する。また、前記メルトフローレイトが30.0g/10min以下であれば、中間層が硬くなりすぎず、耐久性の低下を抑制しつつ、飛距離を向上させることができる。
前記流動性中間層用組成物の曲げ弾性率は、350MPa以上が好ましく、より好ましくは370MPa以上、さらに好ましくは400MPa以上であり、1000MPa以下が好ましく、より好ましくは950MPa以下、さらに好ましくは900MPa以下である。前記曲げ弾性率が350MPa以上であれば、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。また、前記曲げ弾性率が1000MPa以下であれば、高流動性中間層用組成物が硬くなりすぎず、成形性が低下することが抑制され、また、中間層が硬くなりすぎずゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記高流動性中間層用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で65以上が好ましく、より好ましくは66以上、さらに好ましくは67以上であり、75以下が好ましく、より好ましくは73以下、さらに好ましくは70以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で65以上であれば、中間層が高硬度となり、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で75以下であれば、中間層が硬くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記高流動性中間層用組成物の引張弾性率は、400MPa以上が好ましく、より好ましくは410MPa以上、さらに好ましくは420MPa以上であり、2000MPa以下が好ましく、より好ましくは1500MPa以下、さらに好ましくは1200MPa以下である。前記引張弾性率が400MPa以上であれば、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。また、前記引張弾性率が2000MPa以下であれば、中間層が硬くなりすぎずゴルフボールの耐久性がより良好となる。
ここで、前記高流動性中間層用組成物のメルトフローレイト、曲げ弾性率、スラブ硬度および引張弾性率は、後述する測定方法により測定する。なお、前記高流動性中間層用組成物のメルトフローレイト、曲げ弾性率、スラブ硬度および引張弾性率は、前記(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との組合せ、添加剤の含有量などを適宜選択することによって、調整することができる。
本発明のゴルフボールに用いられるコアについて説明する。本発明に用いられるコアは、センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアであって、前記中間層の少なくとも1つまたは一層が、前述した高流動性中間層用組成物から形成されていることを特徴とする。
本発明のゴルフボールのコアの構造としては、例えば、センターと前記センターを被覆する単層の中間層とからなるコア;センターと前記センターを被覆する複数片もしくは複数層の中間層とからなるコアなどを挙げることができる。また、コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する箇所が生じるからである。一方、センターの形状としては、球状が一般的であるが、球状センターの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状センターの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、球状センターの表面にセンターと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の中間層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状センターを地球とみなした場合に、赤道と球状センター表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状センター表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、コアの形状を球形とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
そして前記中間層としては、前記センターを単層もしくは複層の中間層で被覆している場合には、その中間層のうちの少なくとも一層が、センターの表面に設けられた突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層によって充填するような場合には、その複数の中間層のうち少なくとも1つが、前記高流動性中間層用組成物から形成されている。なお、コアが、センターと前記センターを被覆する複数片もしくは複数層の中間層とからなる場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記高流動性中間層用組成物以外の中間層用組成物から形成される中間層を有していてもよい。この場合には、コアの最外層が、前記高流動性中間層用組成物から形成された中間層とすることが好ましく、複数片もしくは複数層の中間層のすべてが、前記高流動性中間層用組成物から形成されていることが好ましい。
前記高流動性中間層用組成物以外の中間層用組成物としては、例えば、後述するセンター用ゴム組成物や、前記アイオノマー樹脂のほか、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられ、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
前記中間層を形成する方法としては、例えば、センターを高流動性中間層用組成物またはそれ以外の中間層用組成物で被覆して中間層を成形する。中間層を成形する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、高流動性中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてセンターを包み、130℃〜170℃で1分間〜5分間加圧成形するか、または高流動性中間層用組成物を直接センター上に射出成形してセンターを包み込む方法などが用いられる。
前記中間層の厚みは、0.5mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.6mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上であり、2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.8mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。前記中間層の厚みが0.5mm以上であれば、中間層が薄くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。また、中間層の厚みが2.0mm以下であれば、ゴルフボールの反発がより良好となり飛距離がより向上し、さらに、打球感も良好となる。
前記センターには、従来公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を採用することができ、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、より好ましくは0.4質量部以上であって、5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下である。0.3質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、5質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、55質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは48質量部以下である。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために架橋開始剤の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、センターが硬くなりすぎて、打球感が低下するおそれがある。
コア用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下、より好ましくは20質量部以下であることが望ましい。充填剤の配合量が0.5質量部未満では、重量調整が難しくなり、30質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記センターは、前述のゴム組成物を混合、混練し、金型内で成形することにより得ることができる。この際の条件は、特に限定されないが、例えば、前記ゴム組成物を130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは、130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
前記センターの直径は、25mm以上が好ましく、より好ましくは30mm以上であって、41mm以下が好ましく、より好ましくは40mm以下である。前記センターの直径が25mm以上よりも小さいと、中間層またはカバー層を所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、センターの直径が41mmを超える場合は、中間層またはカバー層を所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
前記センターは、直径25mm〜41mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、1.5mm以上が好ましく、より好ましくは2.0mm以上であり、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。前記圧縮変形量が、1.5mm未満では打球感が硬くて悪くなり、5.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
前記センターの表面硬度Hs1は、ショアD硬度で、好ましくは40以上、より好ましくは48以上、さらに好ましくは54以上であって、好ましくは75以下、より好ましくは67以下、さらに好ましくは64以下である。センターの表面硬度Hs1がショアD硬度で40より小さいと、柔らかくなり過ぎて反発性が低下し、飛距離が低下する。一方、センターの表面硬度Hs1がショアD硬度で75より大きいと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる場合がある。
本発明のゴルフボールのコアの直径は、30mm以上であることが好ましく、より好ましくは35mm以上、さらに好ましくは37mm以上である。コアの直径が30mm未満では、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下するからである。また、コアの直径は、42.2mm以下であることが好ましく、より好ましくは42.0mm以下、さらに好ましくは41.8mm以下である。コアの直径が42.2mmを超えると相対的にカバーが薄くなり過ぎて、カバーによる保護効果が十分に得られないからである。
前記コアは、直径30mm〜42.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にコアが縮む量)が、1.5mm以上が好ましく、より好ましくは2.0mm以上であり、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。前記圧縮変形量が、1.5mm未満では打球感が硬くて悪くなり、5.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボールのコアとして、表面硬度Hsが中心硬度Hoより大きいコアを使用することも好ましい態様である。コアの表面硬度Hsと中心硬度Hoとの硬度差(Hs−Ho)は、ショアD硬度で10以上であることが好ましく、さらに好ましくは15以上である。コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることによって、打出角が高くなり、スピン量が低くなって、飛距離が向上する。また、コアの表面硬度と中心硬度とのショアD硬度差は、55以下であることが好ましく、より好ましくは50以下である。硬度差が大きくなりすぎると、耐久性が低下するおそれがあるからである。
さらに、前記コアの中心硬度Hoは、ショアD硬度で20以上であることが好ましく、より好ましくは27以上であり、さらに好ましくは32以上である。コアの中心硬度HoをショアD硬度で20以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの中心硬度Hoは、ショアD硬度で60以下であることが好ましく、より好ましくは53以下であり、さらに好ましくは48以下である。前記中心硬度HoをショアD硬度で60以下とすることにより、硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。本発明において、コアの中心硬度とは、コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
本発明のゴルフボールのコアの表面硬度Hsは、ショアD硬度で40以上が好ましく、より好ましくは48以上、さらに好ましくは54以上である。前記表面硬度HsをショアD硬度で40以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの表面硬度Hsは、ショアD硬度で75以下が好ましく、より好ましくは72以下、さらに好ましくは70以下である。前記表面硬度HsをショアD硬度で75以下とすることにより、硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
次に、本発明のゴルフボールのカバーについて説明する。前記カバーを形成するカバー用組成物の樹脂成分としては、ポリウレタン樹脂、従来公知のアイオノマー樹脂のほか、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でもポリウレタン樹脂が好適である。
本発明のゴルフボールのカバーを構成するカバー用組成物は、樹脂成分として、ポリウレタン樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。なお、カバー用組成物中の樹脂成分としてポリウレタン樹脂のみを用いることが最も好ましい。前記カバーを構成する樹脂成分の主成分を、熱可塑性または熱硬化性ポリウレタンとすることにより、ショートアイアンなどのショットに対してスピン量が安定し、ゴルフボールのコントロール性を向上させることができる。
前記ポリウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を複数有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらに低分子量のポリオールや低分子量のポリアミンなどにより鎖長延長反応させることにより得られるものである。
前記ポリウレタン樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で、10以上が好ましく、より好ましくは20以上、さらに好ましくは25以上であり、65以下が好ましく、より好ましくは60以下、さらに好ましくは55以下である。ポリウレタン樹脂の硬度が低すぎると、ドライバーでのショットの際にスピン量が増加する場合がある。また、ポリウレタン樹脂の硬度が高すぎると、アプローチウェッジでのショットの際にスピン量が低下しすぎる場合がある。前記ポリウレタン樹脂の具体例としては、BASFジャパン株式会社製のエラストラン(登録商標)XNY85A、XNY83A、XNY90A、XNY75A、ET880などを挙げることができる。
本発明において、前記カバーは、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下、より好ましくは8質量部以下であることが望ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合があるからである。
前記カバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で60以下が好ましく、より好ましくは53以下、さらに好ましくは48以下である。カバー用組成物のスラブ硬度を60以下とすることによって、ショートアイアンなどのアプローチショット時のスピン安定性速度が高くなる。その結果、アプローチショット時のコントロール性に優れるゴルフボールが得られる。アプローチショット時のスピン速度を十分確保するためには、また、前記カバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で20以上が好ましく、より好ましくは23以上、さらに好ましくは25以上である。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。カバー用組成物をコア上に射出成形してカバーを成形する場合、カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、加熱溶融されたカバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができ、例えば、980kPa〜1,500kPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融したカバー用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
圧縮成形法によりカバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形してカバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。上記成形条件とすることによって、均一なカバー厚みを有するゴルフボールカバーを成形できる。
なお、前記成形温度とは、型締めから型開きの間に、下型の凹部の表面が到達する最高温度を意味する。またカバー用組成物の流動開始温度は、島津製作所の「フローテスター CFT−500」を用いて、ペレット状のカバー用組成物を、プランジャー面積:1cm、DIE LENGTH:1mm、DIE DIA:1mm、荷重:588.399N、開始温度:30℃、昇温速度:3℃/分の条件で測定することができる。
カバーを被覆してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
また、カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが5μm以上、より好ましくは7μm以上、25μm以下、より好ましくは18μm以下であることが望ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明において、ゴルフボールのカバーの厚みは、3mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、2mm以下がさらに好ましい。カバーの厚みを3mm以下とすることによって、反発性や打球感が良好になるからである。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。0.1mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがあるからである。また、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合もある。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するものであれば、特に限定されない。本発明のゴルフボールの構造の具体例としては、センターと前記センターを被覆する中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーを有するスリーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆する2層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーを有するフォーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆する複数片もしくは複数層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーを有するマルチピースゴルフボールを挙げることができる。これらの中でも本発明は、センターと前記センターを被覆する単層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーを有するスリーピースゴルフボールに好適に適用できる。
本発明のゴルフボールとしては、センターと前記センターを被覆する単層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーを有するスリーピースゴルフボールであって、前記中間層が高流動性中間層用組成物から形成されている態様が最も好ましい。
なお、本発明においては、前記高流動性中間層用組成物から形成される中間層をコアの一部としているが、前記高流動性中間層用組成物から形成される中間層を内層カバーとみなしてもよい。すなわち、本発明のゴルフボールを、例えば、単層コアと前記コアを被覆する2層カバーを有するスリーピースゴルフボールであって、前記内層カバーが高流動性中間層用組成物から形成されている態様とみなすこともできる。
本発明のゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.1mm以上、さらに好ましくは2.2mm以上であり、3.0mm以下が好ましく、より好ましくは2.9mm以下、さらに好ましくは2.8mm以下である。前記圧縮変形量を、2.0mm以上とすることにより良好な打球感が得られ、また、3.0mm以下とすることにより、良好な反発性が得られる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
(1)メルトフローレイト(MFR)(g/10min)
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。なお、測定は、測定温度240℃×荷重2.16kg;測定温度240℃×荷重5kg;測定温度250℃×荷重5kgの条件で行った。
(2)曲げ弾性率(MPa)
(A)ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットを用いて、射出成形により、長さ80.0±2mm、幅10.0±0.2mm、厚み4.0±0.2mmの試験片を作製し、直ちに防湿容器中で23℃±2℃で24時間以上保持した。この試験片を防湿容器から取り出した後、速やか(15分以内)に、曲げ弾性率をISO178に準じて測定した。測定は、温度23℃、湿度50%RHで行った。
(B)共重合体および/またはその金属中和物、または、高流動性中間層用組成物を用いて、射出成形により、長さ80.0±2mm、幅10.0±0.2mm、厚み4.0±0.2mmの試験片を作製し、23℃、50%RHで2週間保存した。この試験片の曲げ弾性率を、ISO 178に準じて測定した。測定は、温度23℃、湿度50%RHで行った。
(3)引張弾性率(MPa)
高流動性中間層用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートからダンベル型試験片を作製し、当該試験片について引張弾性率をISO 527−1に準じて測定した。
(4)スラブ硬度(ショアD硬度)
カバー用組成物または高流動性中間層用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(5)センター、コア硬度(ショアD硬度)
ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センターまたはコアの表面部において測定したショアD硬度をセンター表面硬度Hs1、コア表面硬度Hsとした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定したショアD硬度をセンターまたはコア中心硬度Hoとした。
(6)圧縮変形量(mm)
ゴルフボールまたはコアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にゴルフボールまたはコアが縮む量)を測定した。
(7)耐久性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト11°)を取り付け、各ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で打撃して、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し打撃回数を測定した。なお、外見上は壊れていなくとも、中間層に割れが生じている場合もあるが、このような場合には、ゴルフボールの変形や打球音の違いから、壊れているかどうかを判断した。各ゴルフボールの耐久性は、ゴルフボールNo.3の打撃回数を100として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(8)ドライバーでのショット
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト11°)を取り付け、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを打撃し、打撃直後のボール速度、打出角およびスピン速度、ならびに飛距離(発射始点から静止地点までの距離)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。なお、打撃直後のゴルフボールの速度およびスピン速度は、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによってスピン速度およびボール初速度を測定した。
(9)アプローチウェッジでのショット
ゴルフラボラトリー社製スイングロボットM/Cに、サンドウェッジを取り付け、ヘッドスピード21m/sでゴルフボールを打撃した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行い、その平均値をスピン速度とした。なお、打撃直後のゴルフボールのスピン速度は、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによって測定した。スピン速度の幅は、12個中のスピン量の最大値と最小値のスピン速度差であり、スピン速度の幅が狭いほどスピン安定性が高い。
スピン速度の幅の評価基準
A:幅が100rpm未満である。
B:幅が100rpm以上200rpm未満である。
C:幅が200rpm以上である。
[ゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表1に示す配合のゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で、170℃で30分間加熱プレスすることによりセンターを得た。
Figure 0005247425
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR−730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
PBDS:ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド
ジクミルパーオキサイド:日本油脂社製、「パークミル(登録商標)D」
なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
(2)カバー用組成物および中間層用組成物の調製
表2、表3に示した配合材料を用いて、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物および中間層用組成物をそれぞれ調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0005247425
エラストランXNY85A:BASF社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
エラストランXNY90A:BASF社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得たセンター上に射出成形することにより、前記センターを被覆する中間層を形成して、球状コアを作製した。続いて、前記球状コア上にカバー用組成物を射出成型することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.8mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。
得られたゴルフボールの耐久性、圧縮変形量ならびに飛距離などについて評価した結果を表3に示した。
Figure 0005247425
ハイミラン1605:三井・デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(曲げ弾性率:301MPa)
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(曲げ弾性率:254MPa)
ハイミランAM7329:三井・デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂(曲げ弾性率:240MPa)
ノバミッドST120:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ポリアミド6と水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂との混合樹脂(曲げ弾性率:2000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)30g/10min)
ノバミッドST220:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ポリアミド6と水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂との混合樹脂(曲げ弾性率:2000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)3g/10min)
ノバミッド1010C2:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ポリアミド6(曲げ弾性率:2900MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)50g/10min)
ゴルフボールNo.1〜6は、中間層が、樹脂成分として前記(A)成分および(B)成分を含有する高流動性中間層用組成物から形成されている場合である。これらはいずれも、中間層が樹脂成分としてアイオノマー樹脂のみを含有する中間層用組成物から形成されているゴルフボールNo.8よりも飛距離が優れている。なお、ゴルフボールNo.6は、高流動性中間層用組成物中の(a)成分と(b)成分との配合比率(合計100質量%としたとき)が、10質量%/90質量%の場合であるが、(A)成分の含有比率が少ないため、ドライバーでのショットに対するスピン量が増加する傾向にあった。
ゴルフボールNo.7は、ポリアミド樹脂と水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂との混合樹脂のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/min未満の場合であるが、中間層用組成物の流動性が悪く、中間層を成形することができなかった。ゴルフボールNo.9は、中間層が、樹脂成分としてアイオノマー樹脂とポリアミド樹脂とを含有する中間層用組成物から形成されている場合であるが、ゴルフボールNo.8に対して飛距離が向上しておらず、また、実用レベルの耐久性が得られなかった。
本発明は、ゴルフボールに関するものであり、詳細には飛距離に優れたゴルフボールに有用である。

Claims (5)

  1. センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、
    前記中間層の少なくとも一層は、樹脂成分として、
    (A)ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5Tおよびポリアミド612よりなる群から選択される少なくとも1種の(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有し、曲げ弾性率が500MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、
    (B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有し、
    メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が、1.0g/10min〜30.0g/10minである高流動性中間層用組成物から形成されており、
    前記中間層の厚みが、0.7mm〜2.0mmであることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記コアの表面硬度(Hs)が、ショアD硬度で66以上であり、
    前記コアの表面硬度(Hs)と中心硬度(Ho)との硬度差(Hs−Ho)が、ショアD硬度で24以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記高流動性中間層用組成物の曲げ弾性率が350MPa〜1000MPa、スラブ硬度が、ショアD硬度で65〜75である請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記高流動性中間層用組成物中の前記(A)成分と(B)成分との配合比率(合計100質量%としたとき)が、20質量%/80質量%〜90質量%/10質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記(B)成分が、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、
    Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されている請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
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