JP5233937B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッドに関する。
特許文献1には、上面に開口した複数の圧力室が形成された流路ユニットと、これら圧力室の開口を覆うように流路ユニットの上面に熱硬化性接着剤によって固定されたアクチュエータユニットとを有するインクジェットヘッドについて記載されている。このインクジェットヘッドのアクチュエータユニットは、3枚の積層された圧電層と、最も外側の圧電層上に圧力室と対向して配置された複数の個別電極と、最も外側の圧電層とその下側の圧電層との間に配置された共通電極とを有している。これら個別電極及び共通電極は、ドライバICが実装されたフレキシブルプリント配線基板(FPC:Flexible Printed Circuit)と電気的に接続されている。そして、ドライバICから、個別電極には印字すべき画像パターンに応じてグランド電位と正電位とを交互に取る駆動信号が供給され、共通電極にはグランド電位に保持された信号が供給される。これにより、圧電体の圧力室と対向する部分が変位し圧力室内のインクに圧力が付与され、ノズルからインクが吐出されて所望画像が形成される。
特開2008−230052号公報
上記特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極上には突出状に形成された個別ランドが形成されており、この個別ランドを介して個別電極とFPCとが電気的に接続されている。なお、特許文献1には特に記載されていないが、共通電極もFPCと電気的に接続されていることから、個別電極と同様に、最も外側の圧電層上には共通電極に接続された表面電極が形成され、この表面電極上の共通バンプを介して共通電極とFPCとが電気的に接続されていると考えられる。また、表面電極及び共通バンプは、マトリクス状に配列された複数の個別電極を避けて配置する必要があるため、圧電層の上面の端部近傍に配置される。そして、このようなインクジェットヘッドを製造する場合は、予め作製された流路ユニットの上面に熱硬化性接着剤を塗布し、この熱硬化性接着剤上にアクチュエータユニットを載置し、平板状の治具を用いてアクチュエータユニットを流路ユニットに対して加圧しながら加熱する。こうして、両者間の熱硬化性接着剤を硬化させて流路ユニットとアクチュエータユニットとを固定する。
しかしながら、表面電極及び個別電極は、所定パターンにスクリーン印刷された導電性ペーストを焼成することで形成されるが、これら電極の厚みにバラツキが生じることがある。特に、圧電層の上面において中央部より端部近傍のパターンの方が、より分厚くなる傾向がある。このため、これら電極上の個別ランド及び共通バンプの厚みが同じであっても、上面の高さレベルが同じにならずばらつく。この状態で、治具を用いて個別ランド及び共通バンプを介してアクチュエータユニットを流路ユニットに加圧すると、個別ランド及び共通バンプの高低差によって治具からの加圧力が場所によって均等に伝わらない。そのため、硬化した熱硬化性接着剤の厚みにバラツキが生じる。このように熱硬化性接着剤の厚みにバラツキが生じると、アクチュエータユニットによって圧力室内のインクに付与される圧力にもバラツキが生じ、得られる画像の品質が低下する。
そこで、本発明の目的は、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤への加圧力のバラツキを抑制する液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、複数の圧力室が一表面に開口した流路ユニットと、前記圧力室を覆う圧電層を含み前記流路ユニットの前記一表面に接着されて前記圧力室内の液体に圧力を付与するアクチュエータユニットとを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、前記圧電層の表面上に第1電極及び前記第1電極よりも厚い第2電極が配設されていると共に前記第1電極上に導電層が積層された前記アクチュエータユニットを形成するアクチュエータユニット形成工程と、前記一表面を有する前記流路ユニットのキャビティプレート上に熱硬化性接着剤を介して前記アクチュエータユニットを載置する載置工程と、前記載置工程後に、治具を用いた加熱及び加圧を行って前記アクチュエータユニットを前記キャビティプレートに固定する固定工程とを含んでいる。そして、前記アクチュエータユニット形成工程において、前記導電層は、前記第1及び第2電極に比べて前記固定工程の加圧力によって変形しやすい材料で構成され、前記第1電極との合計厚みが前記第2電極の厚みよりも大きくなるように前記第1電極上に積層されており、前記固定工程においては、前記治具によって前記アクチュエータユニットが前記キャビティプレートに対して加圧されることで、前記導電層の厚みが変形により減少し前記治具からの加圧力が前記第1及び第2電極に加えられる。
これによると、固定工程において、治具を用いてアクチュエータユニットを流路ユニットに対して加圧したときに、導電層が変形して第1及び第2電極の厚みのバラツキを吸収するとともに、治具からの加圧力が第1及び第2電極に均一に加えられる。このため、第1及び第2電極の厚みのバラツキによって生じるアクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤への加圧力のバラツキが抑制され、固定工程において硬化する熱硬化性接着剤の厚みのバラツキを抑制することができる。
本発明において、前記固定工程においては、前記導電層が、前記治具に加圧されることによって前記第2電極の厚みと前記合計厚みとが同じになるように塑性変形することが好ましい。これにより、治具から第1及び第2電極に加えられる加圧力がより均一になる。そのため、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤の厚みのバラツキをより一層抑制することができる。
また、本発明において、前記載置工程前には、熱硬化性接着剤を介して前記キャビティプレートを含む複数のプレートを積層し、前記流路ユニットの前躯体を形成する流路ユニット前躯体形成工程を有しており、当該熱硬化性接着剤は、前記固定工程における加熱に伴って硬化することが好ましい。これにより、固定工程における加熱に伴って、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤、及び、流路ユニットの前躯体のプレート間の熱硬化性接着剤の両方を硬化させることが可能となる。このため、流路ユニットの前躯体のプレート間の熱硬化性接着剤を硬化させるためだけの、加熱工程を省略することが可能となって、工程を短縮することができる。
また、本発明において、前記圧電層が前記複数の圧力室を跨って配置されており、前記アクチュエータユニットが、前記複数の圧力室に跨るサイズを有し、前記第1及び第2電極とともに前記圧電層を挟む共通電極をさらに含んでいる。そして、前記第1電極は、前記圧電層の前記表面に個別に形成された電極であって、平面視で、前記圧力室と対向する主電極部及び前記圧力室の外側領域と対向する外側電極部を有しており、前記第2電極は、前記圧電層の前記表面に形成された電極であって、前記共通電極と電気的に接続されており、前記載置工程において、前記主電極部と前記圧力室とが対向するように、前記アクチュエータユニットが前記キャビティプレートに対して位置決めされることが好ましい。これにより、第1電極の主電極部と圧力室とが対向するように位置決めされるので、圧力室内の液体に効果的に圧力を付与することが可能となる。
また、本発明において、前記アクチュエータユニット形成工程において、前記導電層を前記外側電極部上に形成することが好ましい。これにより、固定工程における加圧力が、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤へより均一に加えられる。このため、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤の厚みのバラツキをより一層抑制することができる。
また、本発明において、前記アクチュエータユニット形成工程には、加熱することによって硬化する導電性の熱硬化性接着剤からなる前記導電層を前記外側電極部上に形成した後、前記導電層の硬化が未完の半硬化状態になるまで加熱する半硬化工程が含まれており、
前記半硬化工程によって硬化した前記導電層は、前記第1及び第2電極に比べて前記治具からの加圧力によって変形しやすい。これにより、アクチュエータユニット形成工程に半硬化工程が含まれることで、固定工程における導電層の変形を確実に起こすことができる。また、導電層が少なくとも半硬化状態であるため、工程間の待ち時間や取扱時に導電層の形状が維持される。
また、本発明において、前記アクチュエータユニット形成工程には、前記導電層及び前記第2電極上に導電性ペーストを形成する導電性ペースト形成工程が含まれており、前記導電性ペーストは、前記固定工程における加熱に伴い硬化して前記導電層よりも硬い第1バンプ及び第2バンプとなることが好ましい。これにより、硬さが比較的に硬い、第1バンプを導電層上に、第2バンプを第2電極上に形成された液体吐出ヘッドを製造することが可能となる。加えて、第1及び第2電極の厚みのバラツキに伴う第1バンプと第2バンプの高さのバラツキも、導電層が吸収するので、これらバンプの高さのバラツキが抑制される。
また、本発明において、前記第1及び第2バンプと電気的に接続された配線部材をさらに備えている。そして、前記配線部材は、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された複数の配線と、前記第1及び第2バンプに対応して突出状に形成され且つ前記複数の配線と電気的に接続された複数の端子と、加圧及び加熱によって塑性流動を発現する樹脂材料からなる層であって、前記複数の端子とこれらの周囲領域を覆うように形成された接合層とを有しており、前記固定工程後には、前記複数の端子を前記第1及び第2バンプと対向させた状態で前記接合層に塑性流動を発現させて、前記第1及び第2バンプと前記複数の端子とを直接接触させ、前記接合層により前記第1及び第2バンプと前記端子との接触部分を被覆するとともに前記配線部材と前記アクチュエータユニットとを接合する接合工程を有していることが好ましい。これにより、端子が接合層に覆われた配線部材がアクチュエータユニットに接合された液体吐出ヘッドを製造することができる。加えて、配線部材をアクチュエータユニットに加圧しても、導電層によって第1及び第2バンプの高さのバラツキが抑制されているので、アクチュエータユニットに加えられる加圧力が分散する。このため、アクチュエータユニットが破損しにくくなる。
本発明の液体吐出ヘッドは、複数の圧力室が一表面に開口した流路ユニットと、前記複数の圧力室に跨る圧電層を含み前記流路ユニットの前記一表面に熱硬化性接着剤を介して接着されて前記圧力室内の液体に圧力を付与するアクチュエータユニットとを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記アクチュエータユニットが、前記圧電層と、前記圧電層の前記流路ユニットとは反対側の表面に形成され前記圧力室と対向する複数の第1電極と、前記複数の圧力室に跨るサイズを有し前記第1電極とで前記圧電層を挟む共通電極と、前記圧電層の前記表面に形成され前記共通電極と電気的に接続された前記第1電極よりも厚い第2電極と、前記第1電極上に配置された複数の第1バンプと、前記第2電極上に配置された第2バンプとを有しており、前記第1電極と前記第1バンプとの間には、前記第1バンプ及び前記第2バンプの上面が同じ高さレベルに位置するように前記第1バンプを保持するとともに、前記第1及び第2電極に比べて外力により変形しやすい導電層が配置されている。
これによると、第2電極が第1電極よりも厚みが大きくても、第1電極と第1バンプとの間には導電層が配置されているので、液体吐出ヘッドを取り扱う上で、破損しやすいアクチュエータユニットに外力が加わっても、導電層の変形によって外力による衝撃が緩和される。また、製造時に、第1及び第2電極の厚みのバラツキに伴って生じる第1及び第2バンプの高さのバラツキを、導電層が吸収するとともに、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤への加圧力のバラツキが抑制される。このため、熱硬化性接着剤の厚みのバラツキと、第1及び第2バンプの高さのバラツキとが抑制された液体吐出ヘッドとなる。
また、本発明において、前記第1及び第2バンプと電気的に接続された配線部材をさらに備えている。そして、前記配線部材は、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された複数の配線と、前記第1及び第2バンプに対応して突出状に形成され且つ前記複数の配線と電気的に接続された複数の端子と、加圧及び加熱によって塑性流動を発現する樹脂材料からなる層であって、前記複数の端子とこれらの周囲領域を覆うように形成された接合層とを有し、前記複数の端子が前記アクチュエータユニットに加圧されることによって、前記接合層の前記端子を覆っている部分が塑性流動を発現して、前記第1及び第2バンプと前記端子が直接接触するとともに、当該部分が前記第1及び第2バンプと前記端子との接触部分を被覆し且つ前記配線部材と前記アクチュエータユニットとを接合していることが好ましい。これにより、端子が接合層に覆われた配線部材がアクチュエータユニットに接合された液体吐出ヘッドとなる。また、配線部材が組み付けられた液体吐出ヘッドを取り扱う上でも、配線部材とアクチュエータユニット間の導電層の介在によって、外力が配線部材に加わっても、相変わらず導電層の変形によって外力による衝撃が緩和される。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法によると、固定工程において、治具を用いてアクチュエータユニットを流路ユニットに対して加圧したときに、導電層が変形して第1及び第2電極の厚みのバラツキを吸収するとともに、治具からの加圧力が第1及び第2電極に均一に加えられる。このため、第1及び第2電極の厚みのバラツキによって生じるアクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤への加圧力のバラツキが抑制され、固定工程において硬化する熱硬化性接着剤の厚みのバラツキを抑制することができる。
本発明の液体吐出ヘッドによると、第2電極が第1電極よりも厚みが大きくても、第1電極と第1バンプとの間には導電層が配置されているので、液体吐出ヘッドを取り扱う上で、破損しやすいアクチュエータユニットに外力が加わっても、導電層の変形によって外力による衝撃が緩和される。また、製造時に、第1及び第2電極の厚みのバラツキに伴って生じる第1及び第2バンプの高さのバラツキを、導電層が吸収するとともに、アクチュエータユニットと流路ユニットとの間の熱硬化性接着剤への加圧力のバラツキが抑制される。このため、熱硬化性接着剤の厚みのバラツキと、第1及び第2バンプの高さのバラツキとが抑制された液体吐出ヘッドとなる。
本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの縦断面図である。 図1に示すヘッド本体の平面図である。 図2に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図3に示すIV‐IV線断面図である。 (a)は、図4に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、(b)は、個別電極を示す平面図である。 図3に示す一点鎖線で囲まれた領域VIにおけるアクチュエータユニットの平面図である。 図6に示すVII−VII線断面図である。 アクチュエータユニットに接合される前のCOFの部分断面図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの製造工程を示す図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドが採用されたインクジェット式プリンタの内部構造を示す概略側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図11を参照し、本発明に係るインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)1が適用されたインクジェット式プリンタ500の構成について説明する。インクジェットヘッド1は、一方向(図11の紙面に対して垂直な方向)に沿って長尺なラインヘッドであり、その長手方向を主走査方向としてプリンタ500に組み込まれる。プリンタ500は、ライン式のカラーインクジェットプリンタである。
プリンタ500は、略直方体形状の筐体501aを有する。筐体501aの天板上部には、排紙部531が設けられている。筐体501aの内部空間は、上から順に空間A、B、Cに区分されている。空間A内には、4つのインクジェットヘッド1が、副走査方向に沿って所定間隔で並設されるとともに、フレーム503を介して筐体501aに支持されている。4つのインクジェットヘッド1は、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクを吐出する。空間Aには、さらに、各インクジェットヘッド1に順に用紙Pを対向させつつ搬送する搬送ユニット521、及び、プリンタ500の各部の動作をコントロールするコントローラ501が配置されている。
空間B、Cはそれぞれ、筐体501aに対して主走査方向に着脱可能な給紙ユニット501b及びインクユニット501cが配置される空間である。プリンタ500の内部には、図11に示す太矢印に沿って、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。ここで、副走査方向を、搬送ユニット521による用紙Pの搬送方向と平行な方向とし、主走査方向は副走査方向と直交する方向であって、水平面に沿った方向とする。
給紙ユニット501bは、複数枚の用紙Pを収納する給紙トレイ523、及び、給紙トレイ523に取り付けられた給紙ローラ525を有する。給紙ローラ525は、給紙モータ(不図示)の駆動により回転し、給紙トレイ523の最も上方にある用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pは、ガイド527a、527bによりガイドされ且つ送りローラ526によって挟持されつつ搬送ユニット521へと送られる。
搬送ユニット521は、2つのベルトローラ506,507、及び、両ローラ506,507間に架け渡されたエンドレスの搬送ベルト508を有する。ベルトローラ507は駆動ローラであって、コントローラ501による制御の下、駆動モータ(不図示)の駆動により、図中時計回りに回転する。ベルトローラ506は従動ローラであって、搬送ベルト508の走行に伴って、同様に時計回りに回転する。
搬送ベルト508のループ内には、4つのインクジェットヘッド1と対向するほぼ直方体形状のプラテン519が配置されている。搬送ベルト508の上側ループは、内周面側からプラテン519により支持されて、外周面508aが4つのインクジェットヘッド1のインク吐出領域と画像形成に適した距離を平行に隔てている。
搬送ベルト508の外周面508aには、弱粘着性のシリコン層が形成されている。給紙ユニット501bから送られてきた用紙Pは、押さえローラ504によって搬送ベルト508の外周面508aに押さえ付けられた後、粘着力によって外周面508aに保持されつつ、太矢印に沿って副走査方向に搬送されていく。
用紙Pが4つのインクジェットヘッド1の直ぐ下方を通過する際に、コントローラ501による制御の下、各ヘッド1のインク吐出領域から用紙Pの上面に向けて各色のインク滴が順に吐出されて、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。用紙Pは、さらに搬送されて、剥離プレート505によって外周面508aから剥離される。この後、用紙Pは、ガイド529a,529b及び二組の送りローラ対528によって上方に搬送され、筐体501a上部の開口530から排紙部531へと排出される。各送りローラ対528の一方のローラは、コントローラ501による制御の下、送りモータ(不図示)の駆動により回転する。
インクユニット501cは、カートリッジトレイ535、及び、4つのヘッド1のそれぞれに対応するインクカートリッジ540を有する。インクユニット501cは、カートリッジトレイ535上に4つのインクカートリッジ540が副走査方向に並設された状態で、空間Cに対して着脱可能となっている。
インクジェットヘッド1は、図1に示すように、インクを吐出するヘッド本体2と、ヘッド本体2にインクを供給するリザーバユニット71と、ヘッド本体2に電気的に接続された4つのCOF(Chip On Film:配線部材)50とを含んでいる。
ヘッド本体2は、主走査方向(図1の紙面に直交する方向)に沿って細長な直方体形状の流路ユニット9、及び、流路ユニット9上に接着された平面視台形形状の4つのアクチュエータユニット21(図2参照)を有する。
図3に示すように、流路ユニット9の上面(表面)9aにおける各アクチュエータユニット21の配置領域には、多数の圧力室110がマトリクス状に開口している。一方、流路ユニット9の下面におけるアクチュエータユニット21と対向した領域には、多数のノズル108がマトリクス状に形成されたインク吐出領域が形成されている。各アクチュエータユニット21は、配置領域の各圧力室110の開口を塞ぐように固定されている。なお、アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応したアクチュエータを含み、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する。
各アクチュエータユニット21の上面には、図1に示すように、COF50の一端近傍が固定されている。COF50はドライバIC57が実装された平型柔軟基板であって、その各端子53a,53bはアクチュエータユニット21の個別ランド136及び共通ランド146(図7参照)と電気的に接続されている。COF50は、アクチュエータユニット21の下底側から延在した後に上方に引き出されている。COF50の他端は、リザーバユニット71の上方に配置された制御基板64とコネクタ64aを介して接続されている。制御基板64は、ドライバIC57を介してアクチュエータユニット21の駆動を制御する。具体的には、ドライバIC57は、画像データに基づいて、グランド電位に対して正又は負の所定電位を交互に取る駆動信号を生成して個別電極135に供給し、グランド電位に保持された信号を生成して共通電極134(図7参照)に供給する。
アクチュエータユニット21、リザーバユニット71、COF50、及び制御基板64は、サイドカバー63及びヘッドカバー65によって覆われている。金属板であるサイドカバー63は、流路ユニット9の長手方向に沿って延在し、流路ユニット9の副走査方向両端近傍に固定されている。ヘッドカバー65は、2つのサイドカバー63の上端にこれらを跨ぐように固定されている。また、サイドカバー63にはドライバIC57が密着されており、サイドカバー63がヒートシンクとして機能する。ドライバIC57は、リザーバユニット71の側面に貼り付けられたスポンジ58によってサイドカバー63に向かって押圧されている。
リザーバユニット71は、4枚のプレート91〜94が積層されたものであり、その内部に、図示しないインク流入流路、インクリザーバ72、及び、10個のインク流出流路73が互いに連通するように形成されている。なお、図1においては、1つのインク流出流路73のみが表れている。インクカートリッジ540からのインクは、インク流入流路、インクリザーバ72及びインク流出流路73を通過し、インク供給口105b(図2参照)から流路ユニット9に供給される。プレート94の下面は、プレート94とCOF50との間に間隙が形成されるように、凹凸面となっている。インク流出流路73は、このプレート94の凸部に形成されている。
次に、ヘッド本体2についてより詳細に説明する。図3では、それぞれ流路ユニット9の内部及び下面に形成されていて破線で描くべきアパーチャ112及びノズル108を実線で描いている。
流路ユニット9は、リザーバユニット71のプレート94と略同じ平面形状の直方体形状を有する。図2に示すように、流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット71のインク流出流路73(図1参照)に対応して、計10個のインク供給口105bが設けられている。流路ユニット9の内部には、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105及びマニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105aが形成されている。
上面9aの各圧力室110は、角部にアールが施された菱形の平面形状を有している。圧力室110の一端(一方の鋭角部)はノズル108に連通しており、圧力室110の他端(他方の鋭角部)はアパーチャ112を介して副マニホールド流路105aに連通している。
図4に示すように、流路ユニット9は、最上層のキャビティプレート122を含む9枚のステンレス鋼等の金属プレート122〜130が積層した積層体である。これらプレート122〜130は、それぞれ主走査方向に長尺な矩形平面形状を有し、流路ユニット9内に圧力室110毎の個別インク流路132が形成されるよう、互いに位置合わせしつつ積層されている。キャビティプレート122には、圧力室110となる孔が複数形成されており、当該孔の上部開口がアクチュエータユニット21に覆われ、孔の下部開口が金属プレート123によって部分的に覆われている。流路ユニット9の内部には、マニホールド流路105及び副マニホールド流路105aに加えて、副マニホールド流路105aの出口からアパーチャ112、さらに圧力室110を経てノズル108に至る個別インク流路132が形成されている。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。図2に示すように、4つのアクチュエータユニット21は、インク供給口105bを避けるよう主走査方向に千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット21の平行対向辺は主走査方向に延在している。隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は、副走査方向に関してオーバーラップしている。
図5(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、3枚の圧電セラミック層41〜43、最上層の圧電セラミック層41の上面(表面)41aに配置された複数の個別電極(第1電極)135、及び、表面電極145、さらに2層の圧電セラミック層41,42間に全面に亘って形成された共通電極134を含む。各個別電極135は、圧力室110と対向してマトリクス状に配置され、表面電極145は、内部の共通電極134と接続されている。圧電セラミック層41〜43は、共に強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなり、15μm程度の厚みで、アクチュエータユニット21の外形を画定する台形形状を有する。
個別電極135は、図5(b)に示すように、圧力室110と略相似でこれよりも一回り小さい略菱形形状の主電極部135a、主電極部135aの一鋭角部から主電極部135aの長手方向(副走査方向)に延出した延出部135b、及び、圧力室110の外側領域と対向する延出部135bの先端部(外側電極部135c)を含む。
個別ランド136は、外側電極部135cの表面に積層された導電層136aと、導電層136aの上面に積層された個別バンプ(第1バンプ)136bとを有している(図5(a)参照)。導電層136aは、エポキシ系接着剤に銀を混合した導電性の熱硬化性接着剤(ニホンハンダ社製のNH−070A(T))からなり、厚みが略8μm、径が略160μmの円形の平面形状を有している。導電層136aは、JISのK7215タイプDに基づく硬さ試験で73の硬さを有しており、個別電極135の硬さよりも柔らかくなっている。一方、個別バンプ136bは、同じ硬さ試験において85の硬さを有している。なお、後述の表面電極145と個別電極135とは同じ材質からなるので、同様の硬さを有している。つまり、導電層136aは個別電極135及び表面電極145よりも塑性変形しやすくなっている。
アクチュエータユニット21は、さらに、図6及び図7に示すように、圧電セラミック層41の上面41aに細長い表面電極145、及び、表面電極145上に形成された共通バンプ(第2バンプ)146を含む。表面電極(第2電極)145は、上面41aの四隅近傍に主走査方向に沿って延在しており、その一端近傍(図6中右端近傍)に共通バンプ146が形成されている。表面電極145の他端近傍は、圧電セラミック層41を貫通する貫通孔140と対向し、貫通孔140内に設けられた導電体141を介して共通電極134と電気的に接続されている。
個別電極135、共通電極134、及び表面電極145は共に、例えばAg−Pd系の金属材料からなり、これらのうち個別電極135は略1μmの厚みを有し、表面電極145は略9μmの厚みを有している。つまり、表面電極145は個別電極135よりも厚くなっている。また、内部の共通電極134は、略2μmの厚みを有している。共通バンプ146は、個別バンプ136bと同様な材質から形成されており、平面サイズ及び厚みも個別バンプ136bと同じになっている。本実施形態では、各バンプ136b,146の厚みは25μmとした。
図7に示すように、共通バンプ146及び表面電極145を足し合わせた厚み(高さH1)と、個別バンプ136b、導電層136a及び個別電極135を足し合わせた厚み(高さH2)とが同じになっている。これは、導電層136aが、後述するインクジェットヘッド製造時の加圧によって、高さH1が高さH2に等しく、例えば、34μmとなるように塑性変形するためである。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について説明する。アクチュエータユニット21は、圧電セラミック層41を電界の印加で変位する活性層とするユニモルフ型の圧電変位素子である。その駆動に際して、予め個別電極135を共通電極134と異なる電位にしておき、吐出要求がある毎に個別電極135を共通電極134と一旦同じ電位とする。その後、所定のタイミングにて再び個別電極135を共通電極134と異なる電位に戻す。この場合、初期状態において、圧電セラミック層41〜43の個別電極135に対向する領域が圧力室110に向かって凸となるように変形している。そして吐出要求の際、個別電極135が共通電極134と同じ電位になるタイミングで、圧電セラミック層41〜43が平坦な形状になり、マニホールド流路105から圧力室110内にインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極135を共通電極134と異なる電位にしたタイミングで、圧電セラミック層41〜43の個別電極135に対向する領域が圧力室110に向かって凸となるように変形し、圧力室110の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。
次に、COF50とアクチュエータユニット21との接続構造について、図7及び図8を参照しつつ説明する。COF50は、図8に示すように、ドライバIC57が実装された可撓性基板56と、可撓性基板56の下面全体に形成された接合層55とを有するシート状の積層体である。可撓性基板56は、基材51と、基材51の下面に形成された複数の配線52a,52bと、配線52a,52bの先端に形成された複数の端子53a,53bと、配線52a,52bを覆う被覆層54とを有している。
基材51は、絶縁性及び可撓性を兼ね備えたシート状の部材であり、例えば、ポリイミド等の合成樹脂製のシートからなる。複数の配線52a,52bは、例えば、銅箔からなるものであり、それぞれ独立して端子53a,53bとドライバIC57とを接続している。端子53aは個別ランド136と対応して複数設けられており、端子53bは共通バンプ146に対応して設けられている。
被覆層54は、絶縁性の樹脂材料からなり、複数の端子53a,53bを除く、基材51の下面全域に形成されている。つまり、複数の端子53a,53bは、被覆層54からそれぞれ突出している。この被覆層54は、複数の配線52a,52bを周囲から電気的に絶縁するとともに、外力による断線から保護する役割も果たす。この被覆層54は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、あるいは、ポリイミド系樹脂等の、熱硬化性樹脂からなる。
接合層55は、図8に示すように、COF50をアクチュエータユニット21に接合する前においては端子52a,52bを覆っている。しかしながら、接合層55は、図7に示すように、COF50をアクチュエータユニット21に接合したときには端子52a,52bを個別ランド136及び共通バンプ146に接触(電気的に接続)させた状態で、これらの接触部分を覆いつつ可撓性基板56とアクチュエータユニット21とを物理的に接合する。
接合層55は、その内部に作用するせん断応力が小さい状態では弾性を示すが、一定以上のせん断応力が作用したときには塑性流動を発現して流動性を示す樹脂材料からなる。このような性質を有する樹脂材料として、例えば、エポキシ樹脂をベースとした接着剤に25−90重量部の有機物粒子を加えた樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、フェノールノボラックタイプ、クレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂、または、脂肪族エポキシ樹脂である。また、添加される有機粒子は、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリル系樹脂、メラミン樹脂、メラミン−イソシアヌレート付加物、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリアリレート、液晶ポリマー、オレフィン系樹脂、エチレン−アクリル共重合体などの粒子が使用され、そのサイズは、10μm以下、好ましくは5μm以下とされる。また、好ましくは、エポキシ樹脂と有機粒子との相溶性を高めるために、官能反応基が混入される。
続いて、図9及び図10を参照しつつ、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。図9に示すように、流路ユニット前躯体形成工程(S1)では、先ず、9枚のステンレス鋼等の金属プレートにエッチング加工を施して孔を形成し、プレート122〜130を作製する。その後、プレート122〜130を、孔によって個別インク流路132が形成されるように互いに位置合わせしつつエポキシ系の熱硬化性接着剤を介して積層する。こうして、流路ユニット9の前躯体が作製される。
アクチュエータユニット形成工程(S2)では、先ず、予め焼成による収縮量を見込んで形成された、台形の圧電セラミック層41〜43となるグリーンシートを3枚用意する。そして、圧電セラミック層41となるグリーンシートに、貫通孔140を形成する(S3)。その後、圧電セラミック層41となるグリーンシート上に個別電極135のパターン及び表面電極145のパターンで、圧電セラミック層42となるグリーンシート上に共通電極134のパターンで、それぞれAg−Pd系の導電性ペーストをスクリーン印刷する(S4)。このとき、表面電極145となる導電性ペーストには、貫通孔140の一部を構成する孔が形成される。
その後、治具を用いて位置合わせしつつ、印刷がされていない圧電セラミック層43となるグリーンシート上に、共通電極134が印刷された面を上にして圧電セラミック層42となるグリーンシートを重ね、さらにその上に、個別電極135及び表面電極145が印刷された面を上にして圧電セラミック層41となるグリーンシートを重ねる(S5)。次に、このグリーンシートの積層体を、公知のセラミックと同様に脱脂し、所定の温度で焼成する(S6)。これにより、3枚のグリーンシートが圧電セラミック層41〜43となり、導電性ペーストが個別電極135、表面電極145、及び共通電極134となる。これらステップ3(S3)〜ステップ6(S6)の工程により、アクチュエータユニット21の前躯体が完成する。
次に、パターニングされたマスクを用いて、各個別電極135の外側電極部135c上に導電性の熱硬化性接着剤190を印刷する(S7)。このとき、図10(a)に示すように、熱硬化性接着剤190と外側電極部135cとを足し合わせた合計厚みJ2が、表面電極145の厚みJ1よりも大きくなるように、外側電極部135c上に熱硬化性接着剤190を形成する。ここでは、熱硬化性接着剤190の層厚を25μmとした。
次に、熱硬化性接着剤190が形成されたアクチュエータユニットの前躯体を例えば、120℃、30分間加熱する。本実施形態では、加熱装置の構成上、熱硬化性接着剤190は硬化が未完の状態にある(S8:半硬化工程)。この熱硬化性接着剤190が、導電層136aとなり、外力に対して個別電極135及び表面電極145よりも変形しやすい硬さを持つ。この状態の導電層136aの硬さは、JISのK7215タイプDに基づく硬さ試験で60であった。しかし、この硬さは、後述の固定工程における導電層136aの変形を確実に起こすことができる。また、導電層136aが少なくとも半硬化状態であるため、製造工程間の待ち時間やアクチュエータユニット21の取扱時に、当該導電層136aの形状が崩れず維持される。さらには、導電層136aが比較的硬くなっているので、後工程において、導電層136a上に個別バンプ136bとなる導電性ペーストを形成することが可能となる。
次に、パターニングされたマスクを用いて、図10(b)に示すように、導電層136a上、表面電極145上の所定位置、及び貫通孔140のそれぞれに、個別バンプ136b、共通バンプ146及び導電体141となるフィラー材としてAgを含むアクリル系の導電性ペーストを印刷して形成する(S9:導電性ペースト形成工程)。このとき、個別バンプ136b及び共通バンプ146となる導電性ペーストは同じ厚みに形成される。導電性ペーストとしては、自然乾燥型のアクリル系接着剤(藤倉化成社製のドータイトD−362)を用い、略25μmの厚さに形成している。そして、導電性ペーストは、25℃、3時間の乾燥によって、硬さが略65と半硬化状態の導電層136a(硬さ:略60)よりも硬くなる。こうして、個別ランド136、共通バンプ146及び導電体141が形成され、アクチュエータユニット21が完成する。
なお、熱硬化性接着剤190が個別電極135となる導電性ペーストよりも柔らかく、当該導電性ペースト上に熱硬化性接着剤190を形成することが可能な場合は、ステップ5(S5)の次にステップ7(S7)及びステップ8(S8)を順に行う。このときのステップ8においてはステップ6における工程を含ませる。こうすれば、ステップ5とステップ7との間のステップ6の加熱工程を省略することができ、工程が短縮される。
次に、上述のようにして作製された4つのアクチュエータユニット21を、図10(b)に示すように、流路ユニット9の前躯体の上面(キャビティプレート122の上面9a)に載置する(S10:載置工程)。ここでは、流路ユニット9の前躯体の上面9aにエポキシ系の熱硬化性接着剤7(ニホンハンダ社製のドーデントNH−070(A))を塗布し、4つのアクチュエータユニット21を図2に示す千鳥状配置となるよう位置決めして配置する。このとき、個別電極135の主電極部135aが圧力室110と対向して配置される。
次に、流路ユニット9の前躯体と4つのアクチュエータユニット21との積層体195を加熱加圧装置の平坦な台上に載せる。そして、図10(c)に示すように、平板状の治具196でアクチュエータユニット21を流路ユニット9の前躯体に対して加圧しながら、加熱する。例えば、120℃、10分間の加熱で、各アクチュエータユニット21が上面9aに固定される(S11:固定工程)。このとき、半硬化状態の導電層136aは塑性変形しつつも所定の硬さ(略73)に硬化する。
この工程では、治具196が最初に個別バンプ136bに接触する。そして、治具196がアクチュエータユニット21に近づくにつれて、硬さ略60の導電層136aが塑性変形してその厚みを減らす。合計厚みH1(表面電極145及び共通バンプ146の厚みの和)が合計厚みH2(個別電極135、導電層136a及び個別バンプ136bの厚みの和)と同じになると、治具196が共通バンプ146に接触するようになり、治具196からの加圧力を両バンプ136b,146で支えることになる。固定工程の後半では、導電層136aは完全に硬化しており、個別バンプ136bに伝わる単位の圧力は、共通バンプ146に伝わる単位の圧力とほぼ同じとなる。これによって、熱硬化性接着剤7の層の硬化後の厚みが均一になる。
さらにこのとき、導電性ペースト形成工程で、個別バンプ136b同士及び個別バンプ136bと共通バンプ146との間で厚みにバラツキが生じていても、上述と同様に導電層136aがこれらの厚みのバラツキをすべて吸収するように塑性変形する。このため、共通バンプ146及び複数の個別バンプ136bの上面が、圧電セラミック層41の上面41aに対し、同じ高さレベルになる。
このように、均一な厚みの熱硬化性接着剤7の層を介して、流路ユニット9の前躯体とアクチュエータユニット21とを固定することができる。また、流路ユニット9の各プレート間の熱硬化性接着剤にも均等な圧力が加わるため、これら熱硬化性接着剤も厚みのバラツキが抑制された状態で硬化し、流路ユニット9が形成される。こうして、積層方向に関して寸法誤差の少ないヘッド本体2が完成する。
本実施形態においては、ステップ1において流路ユニット9の前躯体を加熱せず、ステップ11においてヘッド本体2を作製するときに当該前躯体も併せて加熱して、流路ユニット9を作製している。このため、ステップ1において、流路ユニット9を作製するための加熱工程を省略することができ、製造工程を短縮することができる。
なお、ステップ1において、流路ユニット9の前躯体を加圧及び加熱して流路ユニット9を作製してもよい。そして、ステップ11において、作製された流路ユニット9の上面9aにアクチュエータユニット21を固定してもよい。
次に、図10(d)に示すように、COF50の端子53a,53bが対応する個別バンプ136b及び共通バンプ146と対向するように位置決めした状態で、治具196による加熱及び加圧を行ってCOF50を各アクチュエータユニット21に接合する(S12:接合工程)。
このとき、接合層55の端子53a,53bを覆う部分が、端子53a,53bと個別バンプ136b及び共通バンプ146との間で加圧されて塑性流動を発現する。これにより、図7に示すように、接合層55の端子53aを覆う部分が広がって、端子53aと個別ランド136とが接触した部分を覆うと共に外側電極部135cの周囲近傍にまで達する。一方、接合層55の端子53bを覆う部分が、端子53bと共通バンプ146とが接触した部分を覆うと共に表面電極145にまで達する。このようにして、圧電セラミック層41の表面と可撓性基板56の表面とが接合層55によって直接的に接合される。
さらにこのとき、接合層55の端子53a,53bを覆う部分は、端子53a,53bと個別バンプ136b及び共通バンプ146との間から外側にすべて流動するので、COF50とアクチュエータユニット21とが電気的に接続された状態で両者が接合される。
この後、各アクチュエータユニット21にCOF50が接合されたヘッド本体2に、リザーバユニット71、制御基板64、サイドカバー63及びヘッドカバー65が取り付けられることで、インクジェットヘッド1の製造が完了する。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド1によると、表面電極145が個別電極135よりも厚くても、個別電極135と個別バンプ136bとの間には導電層136aが配置されているので、インクジェットヘッド1を取り扱う上で、破損しやすいアクチュエータユニット21の個別ランド136に何らかの外力が加わっても、導電層136aの変形によって外力による圧電セラミック層41〜43への衝撃が緩和される。また、製造時に、個別電極135及び表面電極145の厚みのバラツキに伴って生じる個別バンプ136b及び共通バンプ146の高さのバラツキを、導電層136aが吸収するとともに、アクチュエータユニット21と流路ユニット9との間の熱硬化性接着剤7への加圧力のバラツキが抑制される。このため、熱硬化性接着剤7の厚みのバラツキと、個別バンプ136b及び共通バンプ146の高さのバラツキとが抑制される。したがって、アクチュエータユニット21の下面と流路ユニット9の上面9aとの間の離隔距離が全体的に一定となり、複数の圧力室110の容積のバラツキがほとんどなくなる。この結果、圧力室110内のインクに付与された圧力のバラツキもなくなって、ノズル108からのインク吐出特性が揃う。
また、COF50に形成された接合層55は、端子53a,53bと個別バンプ136b及び共通バンプ146との間で加圧されることで塑性流動が発現してCOF50とアクチュエータユニット21とを接合する。これにより、当該COF50を有するインクジェットヘッド1となる。加えて、COF50が接合されたインクジェットヘッド1を取り扱う上でも、COF50とアクチュエータユニット21との間の導電層136aの介在によって、外力がCOF50に加わっても、導電層136aの変形によって外力による圧電セラミック層41〜43への衝撃が緩和される。
また、インクジェットヘッド1の製造方法によると、固定工程(S11)において、治具196を用いてアクチュエータユニット21を流路ユニット9に対して加圧したときに、導電層136aが塑性変形し個別電極135及び表面電極145の厚みのバラツキを吸収するとともに、治具196からの加圧力が個別電極135及び表面電極145に均等に加えられる。このため、個別電極135及び表面電極145の厚みのバラツキによって生じるアクチュエータユニット21と流路ユニット9との間の熱硬化性接着剤7への加圧力のバラツキが抑制され、固定工程において硬化する熱硬化性接着剤7の厚みのバラツキを抑制することができる。したがって、上述と同様に、インク吐出特性が揃ったインクジェットヘッドを製造することが可能となる。
また、導電層136aが、治具196に加圧されることによって個別電極135及び導電層136aを足し合わせた厚みと表面電極145の厚みとが同じになるように、塑性変形することが可能になっているので、治具196から個別電極135及び表面電極145に加えられる加圧力がより均一になる。そのため、アクチュエータユニット21と流路ユニット9との間の熱硬化性接着剤7の厚みのバラツキをより一層抑制することができる。
また、載置工程(S10)において、個別電極135の主電極部135aと圧力室110とが対向するように位置決めされているので、圧力室内のインクに効果的に圧力を付与することが可能となる。
導電層136aが外側電極部135c上に形成されているので、固定工程(S11)における加圧力が、アクチュエータユニット21と流路ユニット9との間の熱硬化性接着剤7へより均一に加えられる。つまり、圧力室110と対向する位置に導電層136aが形成されていると、加圧時に圧電セラミック層41〜43の圧力室110と対向する領域が撓んで、その加圧力が逃げる可能性がある。さらに、圧電セラミック層41〜43の破損を招く心配もある。しかしながら、本発明においては、導電層136aが圧力室110と対向しない外側電極部135c上に形成されているので、加圧力を効果的に伝えることができる。このため、アクチュエータユニット21と流路ユニット9との間の熱硬化性接着剤7の厚みのバラツキをより一層抑制することができる。
さらに、導電性ペースト形成工程(S9)で形成される両バンプ136b,146の高さがばらついても、固定工程において導電層136aがバラツキを吸収するので、これらバンプ136b,146の高さのバラツキが抑制される。
また、接合工程(S12)において、COF50がアクチュエータユニット21と接合されるので、COF50が接合されたヘッド本体2を製造することができる。加えて、接合工程において、COF50をアクチュエータユニット21に加圧しても、固定工程において両バンプ136b,146の高さのバラツキが吸収され抑制されているので、アクチュエータユニット21に加えられる加圧力が各バンプ136b,146に分散する。このため、アクチュエータユニット21に集中荷重が生じず、破損しにくくなる。
上述の実施形態においては、アクチュエータユニット21の圧電セラミック層41〜43が複数の圧力室110に跨るサイズを有していたが、活性部を含む圧電セラミック層41が圧力室110を個別に覆う複数の分割圧電セラミック層から構成されていてもよい。この場合、活性部を含む最上層の圧電セラミック層41をステップ5の後であってステップ6の前に、圧電セラミック層41となるグリーンシートをカットして、圧力室110を個別に覆う分割圧電セラミック層として形成すればよい。こうすることで、インク吐出時における圧電セラミック層(活性部)の変位が隣接する圧電セラミック層に伝播しにくくなり、構造的クロストークを抑制することが可能となる。なお、この場合の圧電セラミック層42,43及び共通電極134は、1つの振動板として機能する。したがって、これら圧電セラミック層42,43及び共通電極134に変えて導電性を有する振動板を流路ユニット9の上面9aに熱硬化性接着剤7を介して接着していてもよい。これらにおいても、導電層136aが個別電極135上に形成されているので、上述と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。上述の実施形態においては、固定工程における加圧力によって、導電層136aが塑性変形しているが、弾性変形してもよい。つまり、導電層136aは個別電極135及び表面電極145よりも加圧力によって変形しやすければよい。この場合においても、上述と同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、ステップ9の導電ペースト形成工程で自然乾燥型のペーストを用いることを前提に、ステップ8の半硬化工程で導電層136aを硬さ略60に硬化させている。しかし、両バンプ136b,146の完成時点で、両バンプ136b,146の方が導電層より硬ければよく、自然乾燥型導電性接着剤の代わりに60℃程度の熱処理を必要とする低温加熱型の接着剤を用いてもよい。或いは、所定の熱処理を必要とする導電性接着剤を用いてもよい。例えば、藤倉化成社製のドータイトXA−5617を用いた場合、導電ペースト形成工程において、120℃、35分程度の熱処理を必要とし、JISのK7215タイプDに基づく硬さ試験で85程度のバンプが得られる。この工程中には、導電層136aが硬化を完了してしまうが、得られる硬さは73程度であり、固定工程における高さの調整層として有効に機能できる。
また、上述の実施形態においては、個別バンプ136b及び共通バンプ146が設けられているが、これら両バンプ136b,146を設けなくてもよい。この場合、ステップ9が省略され、固定工程においては、まず、治具196と導電層136aが接触し、治具196がアクチュエータユニット21に近づくに連れて導電層136aの厚みが塑性変形により減少し、表面電極145の厚みと個別電極135及び導電層136aを足し合わせた合計厚みとが同じになったときに、表面電極145と治具196とが接触する。この場合においても、上述と同様に、治具196の加圧力が表面電極145及び個別電極135に均等に加えられるので、流路ユニット9とアクチュエータユニット21との間の熱硬化性接着剤7の厚みのバラツキが抑制される。
また、本実施形態においては、表面電極145が個別電極135よりも厚みが大きくなっているが、個別電極が表面電極よりも厚みが大きくてもよい。この場合、第1電極としての表面電極上に導電層を設け、第2電極としての個別電極には導電層を設けない。これにおいても、上述と同様な効果を得ることができる。また、COF50の接合層55は、アクチュエータユニット21に接合される前において、各端子53a,53b及びこれらの周囲領域を覆っておれば、可撓性基板56の下面全体に形成されていなくてもよい。また、COF50以外の配線部材と表面電極145及び個別電極135が電気的に接続されていてもよい。さらに、インクジェットヘッド1がCOF50を有していなくてもよい。
また、上述の実施形態においては、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを吐出して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に吐出して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に吐出して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、液体吐出ヘッドに適用することができる。
1 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
7 熱硬化性接着剤
9 流路ユニット
9a 上面(表面)
21 アクチュエータユニット
50 COF(配線部材)
51 基材
52a,52b 配線
53a,53b 端子
55 接合層
41〜43 圧電セラミック層(圧電層)
41a 上面(表面)
110 圧力室
122 キャビティプレート
132 個別インク流路
134 共通電極
135 個別電極
136a 導電層
135a 主電極部
135c 外側電極部
136b 個別バンプ(第1バンプ)
145 表面電極
146 共通バンプ(第2バンプ)
196 治具


Claims (10)

  1. 複数の圧力室が一表面に開口した流路ユニットと、前記圧力室を覆う圧電層を含み前記流路ユニットの前記一表面に接着されて前記圧力室内の液体に圧力を付与するアクチュエータユニットとを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
    前記圧電層の表面上に第1電極及び前記第1電極よりも厚い第2電極が配設されていると共に前記第1電極上に導電層が積層された前記アクチュエータユニットを形成するアクチュエータユニット形成工程と、
    前記一表面を有する前記流路ユニットのキャビティプレート上に熱硬化性接着剤を介して前記アクチュエータユニットを載置する載置工程と、
    前記載置工程後に、治具を用いた加熱及び加圧を行って前記アクチュエータユニットを前記キャビティプレートに固定する固定工程とを含んでおり、
    前記アクチュエータユニット形成工程において、前記導電層は、前記第1及び第2電極に比べて前記固定工程の加圧力によって変形しやすい材料で構成され、前記第1電極との合計厚みが前記第2電極の厚みよりも大きくなるように前記第1電極上に積層されており、
    前記固定工程においては、前記治具によって前記アクチュエータユニットが前記キャビティプレートに対して加圧されることで、前記導電層の厚みが変形により減少し前記治具からの加圧力が前記第1及び第2電極に加えられることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記固定工程においては、前記導電層が、前記治具に加圧されることによって前記第2電極の厚みと前記合計厚みとが同じになるように塑性変形することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記載置工程前には、熱硬化性接着剤を介して前記キャビティプレートを含む複数のプレートを積層し、前記流路ユニットの前躯体を形成する流路ユニット前躯体形成工程を有しており、
    当該熱硬化性接着剤は、前記固定工程における加熱に伴って硬化することを特徴とする請求項1又2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記圧電層が前記複数の圧力室を跨って配置されており、
    前記アクチュエータユニットが、前記複数の圧力室に跨るサイズを有し、前記第1及び第2電極とともに前記圧電層を挟む共通電極をさらに含んでおり、
    前記第1電極は、前記圧電層の前記表面に個別に形成された電極であって、平面視で、前記圧力室と対向する主電極部及び前記圧力室の外側領域と対向する外側電極部を有しており、
    前記第2電極は、前記圧電層の前記表面に形成された電極であって、前記共通電極と電気的に接続されており、
    前記載置工程において、前記主電極部と前記圧力室とが対向するように、前記アクチュエータユニットが前記キャビティプレートに対して位置決めされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記アクチュエータユニット形成工程において、前記導電層を前記外側電極部上に形成することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記アクチュエータユニット形成工程には、加熱することによって硬化する導電性の熱硬化性接着剤からなる前記導電層を前記外側電極部上に形成した後、前記導電層の硬化が未完の半硬化状態になるまで加熱する半硬化工程が含まれており、
    前記半硬化工程によって硬化した前記導電層は、前記第1及び第2電極に比べて前記治具からの加圧力によって変形しやすいことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記アクチュエータユニット形成工程には、前記導電層及び前記第2電極上に導電性ペーストを形成する導電性ペースト形成工程が含まれており、
    前記導電性ペーストは、前記固定工程における加熱に伴い硬化して前記導電層よりも硬い第1バンプ及び第2バンプとなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記第1及び第2バンプと電気的に接続された配線部材をさらに備えており、
    前記配線部材は、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された複数の配線と、前記第1及び第2バンプに対応して突出状に形成され且つ前記複数の配線と電気的に接続された複数の端子と、加圧及び加熱によって塑性流動を発現する樹脂材料からなる層であって、前記複数の端子とこれらの周囲領域を覆うように形成された接合層とを有しており、
    前記固定工程後には、前記複数の端子を前記第1及び第2バンプと対向させた状態で前記接合層に塑性流動を発現させて、前記第1及び第2バンプと前記複数の端子とを直接接触させ、前記接合層により前記第1及び第2バンプと前記端子との接触部分を被覆するとともに前記配線部材と前記アクチュエータユニットとを接合する接合工程を有していることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 複数の圧力室が一表面に開口した流路ユニットと、前記複数の圧力室に跨る圧電層を含み前記流路ユニットの前記一表面に熱硬化性接着剤を介して接着されて前記圧力室内の液体に圧力を付与するアクチュエータユニットとを有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記アクチュエータユニットが、前記圧電層と、前記圧電層の前記流路ユニットとは反対側の表面に形成され前記圧力室と対向する複数の第1電極と、前記複数の圧力室に跨るサイズを有し前記第1電極とで前記圧電層を挟む共通電極と、前記圧電層の前記表面に形成され前記共通電極と電気的に接続された前記第1電極よりも厚い第2電極と、前記第1電極上に配置された複数の第1バンプと、前記第2電極上に配置された第2バンプとを有しており、
    前記第1電極と前記第1バンプとの間には、前記第1バンプ及び前記第2バンプの上面が同じ高さレベルに位置するように前記第1バンプを保持するとともに、前記第1及び第2電極に比べて外力により変形しやすい導電層が配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 前記第1及び第2バンプと電気的に接続された配線部材をさらに備えており、
    前記配線部材は、基材と、この基材の少なくとも一方の面に形成された複数の配線と、前記第1及び第2バンプに対応して突出状に形成され且つ前記複数の配線と電気的に接続された複数の端子と、加圧及び加熱によって塑性流動を発現する樹脂材料からなる層であって、前記複数の端子とこれらの周囲領域を覆うように形成された接合層とを有し、
    前記複数の端子が前記アクチュエータユニットに加圧されることによって、前記接合層の前記端子を覆っている部分が塑性流動を発現して、前記第1及び第2バンプと前記端子が直接接触するとともに、当該部分が前記第1及び第2バンプと前記端子との接触部分を被覆し且つ前記配線部材と前記アクチュエータユニットとを接合していることを特徴する請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
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