JP2010284822A - 記録ヘッド及びそれの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエータの動きが阻害されること、及び、アクチュエータに接続される平型柔軟基板の配線が短絡したり損傷したりすることを抑制する。
【解決手段】基材51上に、複数のランド58を形成する。ランド58が形成されたランド領域60に係るランド58及びその周囲を除く領域に、第1絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷すると共に完全硬化させて第1カバーコート65を形成する。第1カバーコート65の各孔65a内に、第2絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷すると共に半硬化させて第2カバーコート66を形成する。そして、個別バンプ136が半硬化状態の第2カバーコート66を貫通して対向するランド58に当接するように、アクチュエータユニット21とCOF50とを配置する。加熱加圧処理を施すことによって、第2カバーコート66を完全硬化させる。
【選択図】図11
【解決手段】基材51上に、複数のランド58を形成する。ランド58が形成されたランド領域60に係るランド58及びその周囲を除く領域に、第1絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷すると共に完全硬化させて第1カバーコート65を形成する。第1カバーコート65の各孔65a内に、第2絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷すると共に半硬化させて第2カバーコート66を形成する。そして、個別バンプ136が半硬化状態の第2カバーコート66を貫通して対向するランド58に当接するように、アクチュエータユニット21とCOF50とを配置する。加熱加圧処理を施すことによって、第2カバーコート66を完全硬化させる。
【選択図】図11
Description
本発明は、ノズルから液体を吐出する記録ヘッド及びそれの製造方法に関する。
印刷用紙等の記録媒体にインク滴を吐出するインクジェットヘッドとしては、ノズルに連通した圧力室を含む多数の個別インク流路が形成された流路ユニットと、各圧力室の容積を変化させることにより圧力室にインク滴の吐出エネルギーを付加するアクチュエータとを有するものがある。このアクチュエータには、当該アクチュエータを駆動する駆動信号を供給するフラットケーブルが接続されている。フラットケーブルの表面には、アクチュエータのバンプと電気的に接合される複数のランドが配置されている。そして、ドライバICから出力された駆動信号が、フラットケーブルの配線パターン及びランドを介してアクチュエータの各バンプに供給される。このフラットケーブルをアクチュエータに接合するとき、ランド及び配線パターンを保護するため、フラットケーブルの表面に、未硬化の熱硬化性樹脂を塗布及び加熱することによって、複数のランドを被覆する半硬化状態の樹脂層を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、バンプが樹脂層を貫通してランドと接合するように、フラットケーブルをアクチュエータに押圧することによって、フラットケーブルをアクチュエータに接合する。
上述した技術によると、フラットケーブルをアクチュエータに接合するとき、フラットケーブルとフラットケーブルを押圧する部材との間に異物が入り込むことによって、フラットケーブルの一部がアクチュエータに向かって凸となるように湾曲し、この凸となった部分の半硬化状態の樹脂層がアクチュエータの表面に接触し、当該樹脂層の一部がアクチュエータの表面に付着することがある。この場合、付着した樹脂層の一部がアクチュエータの動きを阻害するため、インクの吐出特性が低下する。また、半硬化状態の樹脂層に付着した導電性の異物が樹脂層を貫通することによって、ランドから引き出された配線間に当該異物が接触して短絡したり、配線が損傷したりすることがある。
本発明の目的は、アクチュエータの動きが阻害されること、及び、アクチュエータに接続される平型柔軟基板の配線が短絡したり損傷したりすることを抑制することができる記録ヘッド及びそれの製造方法を提供することにある。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、液体を吐出する複数のノズルが形成された流路ユニットと、前記ノズルから液体を吐出させるアクチュエータであって、平面上に配置された複数の個別バンプを有するアクチュエータと、前記アクチュエータの前記個別バンプに駆動信号を供給する平型柔軟基板とを有している記録ヘッドの製造方法であって、前記平型柔軟基板となる基材の表面に、前記複数の個別バンプに対応する複数のランドを形成するランド形成工程と、前記表面における前記複数のランドが配置されたランド配置領域のうち前記ランド及び前記ランドの周囲を除く領域が被覆されるように第1絶縁材料を塗布する第1絶縁材料塗布工程と、前記第1絶縁材料を硬化させることによって、第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、前記第1被覆層が形成された前記ランド配置領域のうち、前記ランド及び前記ランドの周囲が被覆されるように第2絶縁材料を塗布する第2絶縁材料塗布工程と、塗布された前記第2絶縁材料を前記個別バンプが貫通して前記ランドに当接するように、前記平型柔軟基板を前記アクチュエータに配置する配置工程と、前記配置工程の後に、塗布された前記第2絶縁材料を硬化させることによって、第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程とを備えている。
本発明によると、平型柔軟基板におけるランド配置領域のうちランド及びランドの周囲を除く領域が、硬化した第1被覆層で被覆されているため、配置工程において、平型柔軟基板が湾曲して第1被覆層がアクチュエータの表面に接触しても、第1被覆層の一部がアクチュエータの表面に付着するのを防止することができる。これにより、アクチュエータの動きが阻害されるのを抑制することができる。また、導電性の異物が第1被覆層を貫通するのを防止することができる。これにより、ランド配置領域におけるランドから引き出された配線間に導電性の異物が接触して短絡したり、当該配線が損傷したりするのを抑制することができる。
また、本発明においては、前記配置工程に先立って、塗布された前記第2絶縁材料を半硬化させる半硬化工程をさらに備えており、前記第2被覆層形成工程において、半硬化状態にある前記第2絶縁材料を硬化させることで前記第2被覆層を形成することが好ましい。これによると、配置工程において、第2絶縁材料が半硬化状態となっているため、第2絶縁材料がランド及びランド周囲に留まりやすくなり、他の場所に移動したり落下したりするのが抑制される。これにより、所望の形態の第2被覆層を容易に形成することができる。
このとき、前記第1絶縁材料及び前記第2絶縁材料が熱硬化性を有しており、前記第1被覆層形成工程において、前記第1絶縁材料を加熱することによって、前記第1被覆層を形成し、前記半硬化工程において、前記第2絶縁材料を加熱することによって、前記第2絶縁材料を半硬化させ、前記第2被覆層形成工程において、半硬化状態にある前記第2絶縁材料をさらに加熱することによって、前記第2被覆層を形成することがより好ましい。これによると、第1被覆層形成工程及び第2被覆層形成工程において共に加熱処理を行えばよいため、製造コストを低減することができる。
本発明においては、前記第1絶縁材料と前記第2絶縁材料とが互いに異なる材料であってもよい。
また、本発明においては、前記表面と直交する方向に関して、前記表面上において、前記第1被覆層は、前記ランドよりも高いことが好ましい。これによると、配置工程において、基材をアクチュエータの平面に対して均一の圧力で押圧することができる。これにより、個別バンプとランドとを確実に当接させることができる。
さらに、本発明においては、前記表面に前記ランドと電気的に接続された複数の配線を形成するパターン形成工程と、前記配置工程に先だって、前記ランド配置領域に隣接し、前記表面における前記複数の配線が配置された配線領域が被覆されるように第3絶縁材料を塗布する第3絶縁材料塗布工程と、前記配置工程に先だって、前記第3絶縁材料を硬化させることによって、第3被覆層を形成する第3被覆層形成工程とをさらに備えていることがより好ましい。これによると、配線間に導電性の異物が付着して短絡したり、配線が損傷したりするのを抑制することができる。
このとき、前記第2絶縁材料と前記第3絶縁材料とが同じ材料であることがより一層好ましい。これによると、記録ヘッドの低コスト化を図ることができる。
本発明の記録ヘッドは、液体を吐出する複数のノズルが形成された流路ユニットと、前記ノズルから液体を吐出させるアクチュエータであって、平面上に配置された複数の個別バンプを有するアクチュエータと、前記アクチュエータに固定されていると共に前記個別バンプに駆動信号を供給する平型柔軟基板とを備えている。前記平型柔軟基板は、前記平面に面した表面を有する基材、前記基材の表面に配置され且つ前記複数の個別バンプに電気的に接合された複数のランドと、前記複数のランドが配置されたランド配置領域のうち前記ランド及び前記ランドの周囲を除く領域を被覆する絶縁性の第1被覆層と、前記個別バンプが貫通していると共に前記ランド配置領域のうち前記ランドの周囲を被覆する絶縁性の第2被覆層とを有しており、前記第2被覆層は前記第1被覆層に比べて高い硬度を有している。これによると、第2被覆層がランドの周囲を被覆しているため、ランド間に導電性の異物が付着して短絡したり、ランドが損傷したりするのを抑制することができる。また、第2被覆層が第1被覆層より高い硬度を有するため、個別バンプとランドとの電気的な接合状態を安定させることができると共に、平型柔軟基板の柔軟性を損なうのを抑制することができる。
本発明によると、平型柔軟基板におけるランド配置領域うちランド及びランドの周囲を除く領域が、硬化した第1被覆層で被覆されているため、配置工程において、平型柔軟基板が湾曲して第1被覆層がアクチュエータの表面に接触しても、第1被覆層の一部がアクチュエータの表面に付着するのを防止することができる。これにより、アクチュエータの動きが阻害されるのを抑制することができる。また、導電性の異物が第1被覆層を貫通するのを防止することができる。これにより、ランド配置領域におけるランドから引き出された配線間に導電性の異物が接触して短絡したり、当該配線が損傷したりするのを抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
インクジェットプリンタ101は、図1に示すように、直方体形状の筐体1aを有している。また、筐体1aの上部には、排紙部31が設けられている。さらに、筐体1a内は、上から順に3つの空間A、B、Cに区分されている。空間Aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1、及び、搬送ユニット20が配置されている。空間B、Cにはそれぞれ、筐体1aに対して着脱可能な給紙ユニット1b及びインクタンクユニット1cが配置される。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送ユニット20で用紙Pを搬送するときの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙ユニット1bから排紙部31に向けて、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている(図1中太矢印)。給紙ユニット1bは、複数枚の用紙Pを収納することが可能な給紙トレイ23と、給紙トレイ23に取り付けられた給紙ローラ25とを有している。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に積層して収納された複数の用紙Pのうち、最も上方にある用紙Pを送り出す。給紙ローラ25によって送り出された用紙Pは、ガイド27a、27bによりガイドされ且つ送りローラ対26によって挟持されつつ搬送ユニット20へと送られる。
搬送ユニット20は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、テンションローラ10とを有している。テンションローラ10は、搬送ベルト8の下側ループにおいて、その内周面に接触しつつ下方に付勢されることで搬送ベルト8にテンションを付加している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、搬送モータMから2つのギアを介して駆動力が与えられることで、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転により搬送ベルト8が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。
搬送ベルト8の外周面8aにはシリコーン処理が施されており、粘着性を有している。用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙ユニット1bから送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付ける。外周面8aに押さえ付けられた用紙Pは、その粘着力によって外周面8a上に保持されつつ、図1右方へと搬送される。
また、用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート5が設けられている。剥離プレート5は、用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離された用紙Pは、ガイド29a,29bによりガイドされ且つ二組の送りローラ対28によって挟持されつつ搬送され、筐体1a上部の開口30から排紙部31へと排出される。
4つのインクジェットヘッド1は、フレーム3を介して筐体1aに支持されている。また、4つのインクジェットヘッド1は、それぞれ主走査方向に沿って延在し、副走査方向には互いに平行に配置されている。すなわち、インクジェットプリンタ101は、主走査方向に延びる吐出領域が形成されたライン式のカラーインクジェットプリンタである。各インクジェットヘッド1の下面は、インク滴が吐出される吐出面2aである。
搬送ベルト8のループ内には、4つのインクジェットヘッド1と対向して、プラテン19が配置されている。プラテン19の上面は、搬送ベルト8の上側ループの内周面と接触しており、搬送ベルト8の内周側からこれを支持している。これにより、搬送ベルト8の上側ループの外周面8aとインクジェットヘッド1の下面、即ち吐出面2aとが対向しつつ平行になり、且つ、画像形成に適した所定間隔の隙間が形成されている。当該隙間は、用紙搬送経路の一部を構成する。搬送ベルト8によって搬送されてきた用紙Pが4つのヘッド1のすぐ下方を通過する際に、各ヘッド1から用紙Pの上面に向けて各色のインクが順に吐出され、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
インクジェットヘッド1はそれぞれ、空間Cのインクタンクユニット1cに装着されたインクタンク49と接続されている。すなわち、4つのインクタンク49にはそれぞれ対応するインクジェットヘッド1の吐出するインクが貯留されている。そして、各インクタンク49からチューブ(図示せず)等を介してインクジェットヘッド1にインクが供給される。
次に、図2、図3を参照しつつインクジェットヘッド1について詳細に説明する。なお、図3においては、下筐体87が省略されている。
図2に示すように、インクジェットヘッド1は、リザーバユニット71と、流路ユニット9及びアクチュエータユニット21を含むヘッド本体2と、一端がアクチュエータユニット21に接続されていると共に、ドライバIC52が実装されたCOF(Chip On Film:平型柔軟基板)50と、COF50の他端が接続された制御基板54とを有している。さらに、インクジェットヘッド1は、リザーバユニット71及び流路ユニット9を包囲する箱体を形成する上筐体86及び下筐体87と、上筐体86の上方において制御基板54を包囲するヘッドカバー55とを有している。
リザーバユニット71は、ヘッド本体2の上面に固定されていると共にヘッド本体2にインクを供給する流路形成部材である。また、リザーバユニット71は、プレート91〜94の4枚のプレートが互いに位置合わせされて積層された積層体であり、その内部に、図示しないインク流入流路、インクリザーバ72、及び、10個のインク流出流路73が互いに連通するように形成されている。なお、図2においては、1つのインク流出流路73のみが表れている。インク流入流路は、インクタンク49からのインクが流入する流路である。インクリザーバ72は、インク流入流路から流入したインクを一時的に貯溜するインク溜である。インク流出流路73は、インクリザーバ72からのインクが流出する流路であって、流路ユニット9の上面に形成されたインク供給口105bに連通している。インクタンク49からのインクは、インク流入流路を介してインクリザーバ72に流入し、インク流出流路73を通過して、インク供給口105bから流路ユニット9に供給される。
また、プレート94の下面には、凹部94aが形成されている。凹部94aは、流路ユニット9の上面との間で空隙90を形成している。空隙90には、流路ユニット9上の4つのアクチュエータユニット21が、流路ユニット9の長手方向に沿って等間隔で配列されている。また、積層体の側面には、リザーバユニット71の長手方向に沿って、空隙90の4つの開口90aが千鳥状に等間隔で形成されている。
また、プレート94の下面は、凸部(凹部94a以外の部分)が流路ユニット9と接着されている。凸部内には、インク流出流路73が形成されており、インク供給口105bと連通している。
COF50は、その一方端部近傍がアクチュエータユニット21の上面に接続されている。さらに、COF50は、アクチュエータユニット21の上面から水平方向に延在して開口90aを通過した後、上方に向かって略直角に湾曲して折り曲げられ、上筐体86及び下筐体87の内壁面に形成された切欠き53を通過してリザーバユニット71の上方に引き出されている。また、COF50は、リザーバユニット71の上方において、図2中左方に延在した後に、上筐体86に形成されたスリット86aから上筐体86の上方に引き出されている。そして、上筐体86の上方において、COF50の他方端部に配置されたターミナル50a(図6参照)が制御基板54のコネクタ54aに接続されている。COF50の途中部には、ドライバIC52が実装されている。ドライバIC52は、リザーバユニット71の上面に貼り付けられており、リザーバユニット71と熱的に結合されている。これにより、ドライバIC52から発生した熱が、リザーバユニット71に伝達してドライバIC52を冷却する一方で、リザーバユニット71内のインクを温めることによってインクの粘度が高くなるのを抑制している。
制御基板54は、上筐体86の上方に配置されており、COF50のドライバIC52を介してアクチュエータユニット21の駆動を制御する。ドライバIC52は、アクチュエータユニット21を駆動する駆動信号を生成する。
さらに、図3及び図4を参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。なお、図4では説明の都合上、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室110、アパーチャ112及び吐出口(ノズルの開口)108を実線で描いている。
ヘッド本体2は、図3に示すように、流路ユニット9の上面9aに4つのアクチュエータユニット21が固定された積層体である。図3及び図4に示すように、流路ユニット9は、圧力室110等を含むインク流路が内部に形成されている。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応した複数のアクチュエータを含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット71のインク流出流路73(図2参照)に対応して、計10個のインク供給口105bが開口している。流路ユニット9の内部には、図3に示すように、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105、マニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105a、さらに副マニホールド流路105aから分岐した多数の個別インク流路が形成されている。流路ユニット9の下面には、図4に示すように、吐出面2aが形成されており、多数の吐出口108がマトリクス状に配置されている。流路ユニット9の上面9a(アクチュエータユニット21の固定面)にも、角の丸い菱形の平面形状を有する圧力室110がマトリクス状に多数配置されている。なお、吐出口108は、主走査方向に関して主走査方向解像度である600dpiの間隔で配列されている。
本実施形態では、流路ユニット9の長手方向に等間隔に並ぶ圧力室110が作る列が、幅方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、後述のアクチュエータユニット21の外形形状(台形形状)に対応して、その長辺側(下底側)から短辺側(上底側)に向かって次第に少なくなるように配置されている。吐出口108も、これに対応した配置がされている。
流路ユニット9は、ステンレス鋼からなる複数の金属製のプレートを互いに位置合わせした積層体である。流路ユニット9内には、マニホールド流路105から副マニホールド流路105a、そして副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経て吐出口108に至る多数の個別インク流路132が形成される。
流路ユニット9におけるインクの流れについて説明する。図3〜図4に示すように、リザーバユニット71からインク供給口105bを介して流路ユニット9内に供給されたインクは、マニホールド流路105から副マニホールド流路105aに分配される。副マニホールド流路105a内のインクは、各個別インク流路に流れ込み、圧力室110を介して吐出口108に至る。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。図5(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる3枚の圧電シート141〜143から構成されている。また、最上層の圧電シート141の上面には、圧力室110に対向して、個別電極135が形成されている。最上層の圧電シート141とその下側の圧電シート142との間にはシート全面に形成された共通電極134が介在している。個別電極135は、図5(b)に示すように、圧力室110と相似な略菱形の平面形状を有する。平面視で、個別電極135の大部分は、圧力室110の領域内にある。略菱形の個別電極135における鋭角部の一方は圧力室110の外に延出され、その先端には個別電極135と電気的に接続された個別バンプ136が設けられている。
共通電極134は、すべての圧力室110に対応する領域において等しくグランド電位が付与されている。一方、個別電極135は、COF50を介してドライバIC52の各出力端子と電気的に接続されており、ドライバIC52からの駆動信号が選択的に供給されるようになっている。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。圧電シート141はその厚み方向に分極されている。個別電極135を共通電極134と異なる電位にして圧電シート141に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シート141における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。この活性部を含み、個別電極135と圧力室110とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働き、アクチュエータユニット21には、圧力室110の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。例えば、分極方向と電界の印加方向とが同じであれば、活性部は分極方向に直交する方向(平面方向)に縮む。つまり、アクチュエータユニット21は、圧力室110から離れた上側1枚の圧電シート141を活性部が含まれる層とし、且つ圧力室110に近い下側2枚の圧電シート142、143を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプのアクチュエータである。図5(a)に示すように、圧電シート141〜143は圧力室110を区画するプレート122の上面に固定されているため、圧電シート141における電界印加部分とその下方の圧電シート142、143との間で平面方向への歪みに差が生じると、圧電シート141〜143全体が圧力室110側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室110内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、吐出口108からインク滴が吐出される。
なお、本実施形態においては、予め個別電極135に所定の電位を付与しておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極135をグランド電位にした後、所定のタイミングで再び個別電極135に電位を付与するような駆動信号をドライバIC52から出力させる。この場合、個別電極135がグランド電位となるタイミングで圧電シート141〜143が元の状態に戻り、圧力室110の容積は初期状態(予め電圧が印加された状態)と比較して増加し、副マニホールド流路105aから個別インク流路132へとインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極135に所定の電位が付与されたタイミングで圧電シート141〜143において活性領域と対向する部分が圧力室110側に凸となるように変形し、圧力室110の容積低下によりインクの圧力が上昇し、吐出口108からインクが吐出される。
次に、図6及び図7を参照しつつ、COF50について詳細に説明する。なお、図6においては、COF50が接合されているアクチュエータユニット21の外形を破線で示している。また、COF50の図中上下方向に関する長さを短く描いている。また、破線で示すべき配線パターン59を実線で示している。図6に示すように、COF50は、フィルム状の基材51を有している。基材51の表面には、アクチュエータユニット21と実質的に同じ台形の平面外形を有するランド領域60と、ランド領域60の長辺に隣接しつつランド領域60から図中下方に向かって延在している配線領域61とが形成されている。ランド領域60は、複数のランド58が形成された領域で、それぞれアクチュエータユニット21の個別バンプ136に対応して形成されている。配線領域61は、その途中部にドライバIC52が実装され、ランド58に対応する複数の配線59aやドライバIC52に対応する配線59bが形成された領域である。配線領域61の端部には、制御基板54のコネクタ54aに接続されるターミナル50aが接続されている。
図6及び図7に示すように、ランド領域60では、ランド58が個別バンプ136に接合され、ランド58から引き出された配線59aの一部が配設されている。また、ランド領域60上に、第1絶縁性エポキシ樹脂(例えば、太陽インキ製造株式会社 現像型リジッド基板用ソルダーレジスト PSR−4000 FLXシリーズ)からなる絶縁性の第1カバーコート(第1被覆層)65が形成されている。第1カバーコート65には、ランド58及びランド58の周囲を除く領域を露出させる複数の孔65aが形成されている。このように、第1カバーコート65は、ランド領域60のうちランド58及びランド58の周囲を除く領域、つまり、及びランド58から引き出された配線59aの一部を被覆している。第1カバーコート65に係る基材51の表面からの高さは、ランド58よりも高い。本実施形態では、微細な孔65aの形成精度という観点から現像型レジストを用いているが、精度の自由度が大きければ、熱硬化性レジストを用いてもよい。
第1カバーコート65の各孔65a内には、第2絶縁性エポキシ樹脂(例えば、株式会社アサヒ化学研究所 熱硬化性ソルダーレジスト CCR−232GF No6)からなる絶縁性の第2カバーコート66が形成されている。第2カバーコート66は、第1カバーコート65より高い硬度を有している。アクチュエータユニット21の個別バンプ136は、アクチュエータユニット21の表面から突出するように形成されており、その先端が第2カバーコート66を貫通してランド58に接合されている。個別バンプ136の突出高さは、孔65aの深さより大きいが、図7に示すように、第2カバーコート66の一部は、個別バンプ136の基端部からアクチュエータユニット21の表面にまで達している。なお、アクチュエータユニット21と第1カバーコート65との間には、僅かな隙間が形成されており、COF50によってアクチュエータユニット21のユニモルフ変形が阻害されない。このように、各個別バンプ136が第2カバーコート66に囲まれているため、隣接する個別バンプ136間に導電性の異物が入り込んで短絡するのを防止することができる。また、第2カバーコート66は、硬度が高いので、ランド58と個別バンプ136との安定な電気的接続が維持できる。
基材51の表面には、ランド領域60に隣接して配線領域61が形成されている。配線領域61には、複数の配線59a、59bに加え、ドライバIC52が実装される実装ランドが配線パターン59として配設されている。配線59aは、対応するランド58と実装ランドとを接続し、配線59bは、実装ランドとターミナル50aとを接続している。配線領域61上に、第3絶縁性エポキシ樹脂(例えば、日本ポリテック株式会社 COF用熱硬化型ソルダーマスク NPR−3300)からなる絶縁性のソルダレジスト(第3被覆層)67が形成されている。ソルダレジスト67の中央には、ドライバIC52が配置される孔67aが形成されている。孔67aには、配線59a及び配線59bの端部が露出して、それぞれランド58側の実装ランド及びターミナル50a側の実装ランドを構成している。
次に、インクジェットヘッド1の製造工程について、図8〜図11を参照しつつ説明する。図8に示すように、まず、ヘッド本体2を製作する(ヘッド本体製作工程)。アクチュエータユニット21の表面には、個別バンプ136が各個別電極135の引き出し端部に突出して形成されている。
次に、COF50を製作する。図8及び図9(a)に示すように、シート材上に形成された基材51上(シート材の他の領域は不図示)に、複数のランド58及び配線パターン59を形成する(ランド及び配線パターン形成工程)。例えば、銅薄膜が形成された基材51を用意し、エッチングによって銅薄膜を所定の形態(複数のランド58及び配線パターン59)に加工する。
次に、図8及び図9(b)に示すように、配線パターン59を含む配線領域61上に熱硬化性の第3絶縁性エポキシ樹脂を印刷する(第3熱硬化性エポキシ樹脂塗布工程)。このとき、孔67aを残して印刷される。そして、印刷された第3絶縁性エポキシ樹脂を加熱処理(120℃)して完全に硬化させ、ソルダレジスト67を形成する(ソルダレジスト形成工程)。ソルダレジスト67は、配線パターン59のうち、配線59aの一部(第1カバーコート65によって被覆されていない部分)と配線59bとを被覆する。孔67a内には、実装ランドが露出している。その後、図8及び図9(c)に示すように、配線領域61における実装ランドにドライバIC52を実装する(ドライバIC実装工程)。
次に、図8及び図10(a)に示すように、ランド領域60上に、熱硬化性の第1絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷する(第1熱硬化性エポキシ樹脂印刷工程)。そして、印刷された第1絶縁性エポキシ樹脂を加熱処理して完全に硬化させ、第1カバーコート65を形成する(第1カバーコート形成工程)。第1カバーコート65は、ランド領域60のうちランド58及びランド58の周囲を除く領域を被覆する。このとき、ランド58及びその周囲は、第1カバーコート65に形成された孔65a内に露出している。
次に、図8及び図10(b)に示すように、第1カバーコート65の各孔65a内に、熱硬化性の第2絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷する(第2熱硬化性樹脂印刷工程)。そして、第2カバーコート66を上述の加熱処理より低温で加熱処理(50℃)して、半硬化状態とする(半硬化工程)。これにより、半硬化状態の第2カバーコート66が、ランド58及びランド58の周囲を被覆する。第2カバーコート66を半硬化状態とすることで、エポキシ樹脂の自由な広がりが無くなり、その取り扱い性が向上する。
その後、シート材から基材51を打ち抜く(基材打ち抜き工程)。そして、基材51の端部にターミナル50aを接続し、COF50が完成する。
そして、図8及び図11(a)に示すように、アクチュエータユニット21と、COF50のランド領域60とを対面させる。このとき、個別バンプ136とランド58とが対向して配置される。さらに、図11(b)に示すように、両者を接近させつつ加圧して、個別バンプ136を、半硬化状態の第2カバーコート66を貫通させつつランド58に当接させる。
この状態で、加熱加圧処理(150℃)を施すことによって、第2カバーコート66が完全硬化して、互いに当接している個別バンプ136とランド58とが電気的に接合される。このとき、第2カバーコート66が、個別バンプ136とランド58との接合部全周を包囲する。また、第2カバーコート66が完全硬化することによって、個別バンプ136とランド58とが強固に固定される(加熱加圧接合工程(配置工程)及び第2カバーコート形成工程)。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド1の製造方法によると、基材51におけるランド領域60うちランド58及びランド58の周囲を除く領域が、硬化した第1カバーコート65で被覆されているため、加熱加圧接合工程において、COF50が湾曲して第1カバーコート65がアクチュエータユニット21の表面に接触しても、第1カバーコート65の一部がアクチュエータユニット21の表面に付着することがない。これにより、アクチュエータユニット21の動きが阻害されるのを抑制することができる。また、導電性の異物が第1カバーコート65を貫通することがないため、ランド領域60におけるランド58から引き出された配線59a間に導電性の異物が接触して短絡したり、配線59aが損傷したりするのを抑制することができる。
また、加熱加圧接合工程を行うときに、第2カバーコート66が半硬化状態となっているため、第2カバーコート66である第2絶縁性エポキシ樹脂が、ランド58及びランド58周囲に留まりやすくなり、他の場所に移動したり落下したりするのが抑制される。これにより、所望の形態の第2カバーコート66を容易に形成することができる。
さらに、第1カバーコート形成工程、半硬化工程及び第2カバーコート形成工程において共に加熱処理が行われるため、製造コストを低減することができる。
また、第1カバーコート65に係る基材51の表面からの高さが、ランド58よりも高くなっているため、加熱加圧接合工程を行うときに、基材51をアクチュエータユニット21の平面に対して均一の圧力で押圧することができる。これにより、個別バンプ136とランド58とを確実に当接させることができる。
加えて、ソルダレジスト形成工程を行うことによって、ソルダレジスト67が配線パターン59を被覆するため、配線パターン59に係る配線間に導電性の異物が付着して短絡したり、配線が損傷したりするのを抑制することができる。
また、第2カバーコート66が第1カバーコート65より高い硬度を有するため、個別バンプ136とランド58との電気的な接合状態を安定させることができると共に、COF50の柔軟性を損なうのを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。上述の実施形態では、第1カバーコート65の材料である第1絶縁性エポキシ樹脂、第2カバーコート66の材料である第2絶縁性エポキシ樹脂及びソルダレジスト67の材料である第3絶縁性エポキシ樹脂が互いに異なる材料であるが、これらの少なくとも2つが同じ材料であってもよい。これによると、製造コストを低減することができる。例えば、第2絶縁性エポキシ樹脂と第3絶縁性エポキシ樹脂とは、同じ材料としてもよい。上述のように、この2つの樹脂は共に半硬化工程の前に完全硬化されている。そのため、これら2つの樹脂を同じ材料にすることで、各領域への印刷及び完全硬化するための熱処理をそれぞれ一度に行うことができ、工程数を削減できる。
また、上述の実施形態においては、第1〜第3絶縁性エポキシ樹脂を用いて第1カバーコート65、第2カバーコート66及びソルダレジスト67を形成する構成であるが、他の絶縁性を有する材料を用いてこれらを形成してもよい。
さらに、上述の実施形態においては、加熱加圧接合工程を行うときに、第2カバーコート66が半硬化状態となっている構成であるが、先だって半硬化工程を行うことなく、単に加熱加圧接合工程を行う構成であってもよい。このとき、加熱加圧接合工程によって、第2カバーコート66が形成される。これによると、製造コストを低減することができる。なお、不要な樹脂の広がりをなくし取り扱い性を高くするという観点から、少なくとも第1絶縁性エポキシ樹脂よりも粘度の高い第2絶縁性エポキシ樹脂を印刷するとしてもよい。
加えて、上述の実施形態においては、ソルダレジスト形成工程、第1カバーコート形成工程、半硬化工程及び第2カバーコート形成工程において共に加熱処理を行うことによって、ソルダレジスト67、第1カバーコート65及び第2カバーコート66(半硬化状態も含む)が形成される構成であるが、ソルダレジスト、第1カバーコート及び第2カバーコートの少なくともいずれかが加熱処理以外で形成される構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、個別バンプ136の高さを孔65aの深さより大きいとしたが、ほぼ同じ大きさでもよい。第1カバーコート65は完全硬化しているので、配置工程でアクチュエータユニット21の表面に付着することがなく、アクチュエータユニット21の動きを阻害することもない。
さらに、上述の実施形態においては、配線パターン59を被覆するソルダレジスト67を形成する構成であるが、ソルダレジスト67を形成しない構成であってもよい。
加えて、上述の実施形態においては、完全硬化した第2カバーコート66が第1カバーコート65より高い硬度を有する構成であるが、第2カバーコートが第1カバーコート以下の硬度を有する構成であってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、ユニモフル式のアクチュエータユニット21を用いる構成であるが、バイモルフ式のアクチュエータユニットを用いる構成であってもよいし、平面上で複数の個別ランドが3×3以上で分布する構成であれば、他の形式のアクチュエータユニットを用いる構成であってもよい。
加えて、上述の実施形態においては、第2絶縁性エポキシ樹脂印刷工程において、基材51上に第2絶縁性エポキシ樹脂をスクリーン印刷する構成であるが、第2絶縁性エポキシ樹脂が第1カバーコート65の各孔65a内に充填されるように、スキージを用いて、第2絶縁性エポキシ樹脂を第1カバーコート65上に塗り広げる構成であってもよい。
本発明は、インク以外の液体を吐出する記録装置にも適用可能である。さらに、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機などにも適用可能である。
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド本体
9 流路ユニット
21 アクチュエータユニット
50a ターミナル
51 基材
54 制御基板
58 ランド
59 配線パターン
60 ランド領域
61 配線領域
65 第1カバーコート
65a 孔
66 第2カバーコート
67 ソルダレジスト
101 インクジェットプリンタ
105a 副マニホールド流路
108 吐出口
110 圧力室
132 個別インク流路
134 共通電極
135 個別電極
136 個別バンプ
141〜143 圧電シート
52 ドライバIC
2 ヘッド本体
9 流路ユニット
21 アクチュエータユニット
50a ターミナル
51 基材
54 制御基板
58 ランド
59 配線パターン
60 ランド領域
61 配線領域
65 第1カバーコート
65a 孔
66 第2カバーコート
67 ソルダレジスト
101 インクジェットプリンタ
105a 副マニホールド流路
108 吐出口
110 圧力室
132 個別インク流路
134 共通電極
135 個別電極
136 個別バンプ
141〜143 圧電シート
52 ドライバIC
Claims (8)
- 液体を吐出する複数のノズルが形成された流路ユニットと、前記ノズルから液体を吐出させるアクチュエータであって、平面上に配置された複数の個別バンプを有するアクチュエータと、前記アクチュエータの前記個別バンプに駆動信号を供給する平型柔軟基板とを有している記録ヘッドの製造方法であって、
前記平型柔軟基板となる基材の表面に、前記複数の個別バンプに対応する複数のランドを形成するランド形成工程と、
前記表面における前記複数のランドが配置されたランド配置領域のうち前記ランド及び前記ランドの周囲を除く領域が被覆されるように第1絶縁材料を塗布する第1絶縁材料塗布工程と、
前記第1絶縁材料を硬化させることによって、第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
前記第1被覆層が形成された前記ランド配置領域のうち、前記ランド及び前記ランドの周囲が被覆されるように第2絶縁材料を塗布する第2絶縁材料塗布工程と、
塗布された前記第2絶縁材料を前記個別バンプが貫通して前記ランドに当接するように、前記平型柔軟基板を前記アクチュエータに配置する配置工程と、
前記配置工程の後に、塗布された前記第2絶縁材料を硬化させることによって、第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程とを備えていることを特徴とする記録ヘッドの製造方法。 - 前記配置工程に先立って、塗布された前記第2絶縁材料を半硬化させる半硬化工程をさらに備えており、
前記第2被覆層形成工程において、半硬化状態にある前記第2絶縁材料を硬化させることで前記第2被覆層を形成することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの製造方法。 - 前記第1絶縁材料及び前記第2絶縁材料が熱硬化性を有しており、
前記第1被覆層形成工程において、前記第1絶縁材料を加熱することによって、前記第1被覆層を形成し、
前記半硬化工程において、前記第2絶縁材料を加熱することによって、前記第2絶縁材料を半硬化させ、
前記第2被覆層形成工程において、半硬化状態にある前記第2絶縁材料をさらに加熱することによって、前記第2被覆層を形成することを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッドの製造方法。 - 前記第1絶縁材料と前記第2絶縁材料とが互いに異なる材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記表面と直交する方向に関して、前記表面上において、前記第1被覆層は、前記ランドよりも高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記表面に前記ランドと電気的に接続された複数の配線を形成するパターン形成工程と、
前記配置工程に先だって、前記ランド配置領域に隣接し、前記表面における前記複数の配線が配置された配線領域が被覆されるように第3絶縁材料を塗布する第3絶縁材料塗布工程と、
前記配置工程に先だって、前記第3絶縁材料を硬化させることによって、第3被覆層を形成する第3被覆層形成工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。 - 前記第2絶縁材料と前記第3絶縁材料とが同じ材料であることを特徴とする請求項6に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 液体を吐出する複数のノズルが形成された流路ユニットと、
前記ノズルから液体を吐出させるアクチュエータであって、平面上に配置された複数の個別バンプを有するアクチュエータと、
前記アクチュエータに固定されていると共に前記個別バンプに駆動信号を供給する平型柔軟基板とを備えており、
前記平型柔軟基板は、
前記平面に面した表面を有する基材、前記基材の表面に配置され且つ前記複数の個別バンプに電気的に接合された複数のランドと、前記複数のランドが配置されたランド配置領域のうち前記ランド及び前記ランドの周囲を除く領域を被覆する絶縁性の第1被覆層と、前記個別バンプが貫通していると共に前記ランド配置領域のうち前記ランドの周囲を被覆する絶縁性の第2被覆層とを有しており、
前記第2被覆層は前記第1被覆層に比べて高い硬度を有していることを特徴とする記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009138462A JP2010284822A (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 記録ヘッド及びそれの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009138462A JP2010284822A (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 記録ヘッド及びそれの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010284822A true JP2010284822A (ja) | 2010-12-24 |
Family
ID=43540917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009138462A Pending JP2010284822A (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 記録ヘッド及びそれの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010284822A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107911503A (zh) * | 2016-08-08 | 2018-04-13 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 壳体、制备方法及移动终端 |
US10382601B2 (en) | 2016-08-08 | 2019-08-13 | Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp., Ltd. | Housing, method for manufacturing housing, and mobile terminal having housing |
US10568221B2 (en) | 2016-08-08 | 2020-02-18 | Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp., Ltd. | Housing, method for manufacturing antenna, and mobile terminal having housing |
-
2009
- 2009-06-09 JP JP2009138462A patent/JP2010284822A/ja active Pending
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