JP5511610B2 - 圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置 Download PDF

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本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッドなどに用いられる圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置に関するものである。

近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。

このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。

また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。

シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する液体吐出孔の密度を高くする必要がある。

そこで液体吐出ヘッドを、マニホールドおよびマニホールドから複数の液体加圧室をそれぞれ介して繋がる液体吐出孔を有した流路部材と、前記液体加圧室をそれぞれ覆うように設けられた、複数の個別電極と複数の個別電極に対向している共通電極とそれらに挟まれている圧電セラミック層とを含む複数の変位素子を有する圧電アクチュエータユニットとを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドでは、複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がった液体加圧室がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられたアクチュエータユニットの変位素子を圧電体の変形により変位させることで、各液体吐出孔からインクを吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。

特開2003−305852号公報

特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドなどに用いられる圧電アクチュエー
ユニットには、複数の個別電極と共通電極との間に駆動電圧を供給できるように、それらと電気的に接続される配線部材を実装することになる。そのような場合、個別電極上および共通電極上にバンプを設けて、それらのバンプと配線部材中の配線とを接続することが考えられる。また、共通電極は、圧電アクチュエータユニットの内部に形成さているため、個別電極が形成されている主面から共通電極までの圧電セラミック層を貫通するビアホールを設け、そのビアホールの底面に露出している共通電極上にバンプを形成することが考えられる。

しかしながら、上述のような、個別電極上の個別電極バンプおよび共通電極上の共通電極バンプが形成された圧電アクチュエータユニットを作製すると、共通電極バンプ作製時に供給された材料の一部がビアホールを埋めるように使われるため、共通電極バンプの高さと個別電極バンプの高さとの差が大きくなり、配線部材との接合性が悪くなるという問題があった。

したがって、本発明の目的は、配線部材との接合性の良好な圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置を提供することにある。

本発明の圧電アクチュエータユニットは、複数の圧電セラミック層が積層されている積層体と、該積層体の一方の主面に形成されている複数の個別電極と、該複数の個別電極上に形成されている個別電極バンプと、前記複数の個別電極に対向して前記積層体の内部に積層されている共通電極と、該共通電極の前記複数の個別電極に対向してない部位から前記積層体の一方の主面まで繋がっているビアホールと、該ビアホール内の前記共通電極上に形成されている共通電極バンプとを有する圧電アクチュエータユニットであって、前記ビアホールの底面の下側に位置する前記圧電セラミック層が、前記ビアホール側に突出していることを特徴とする。

前記ビアホールにおける前記共通電極の前記積層体の一方の主面側の表面の凹凸の高さが、他の前記共通電極の前記積層体の一方の主面側の表面の凹凸の高さ以下であることが好ましい。

前記一方の主面からの前記複数の個別電極バンプの高さと、前記一方の主面からの前記共通電極バンプの高さとが略同じであることが好ましい。

また、本発明の圧電アクチュエータユニット装置は、前記圧電アクチュエータユニットと、前記複数の個別電極バンプおよび前記共通電極バンプがそれぞれ電気的に接続されている配線を有する配線部材とを含むことを特徴とする。

さらに、本発明の液体吐出ヘッドは、平面に開口する複数の液体加圧室および該複数の液体加圧室にそれぞれ繋がっている複数の液体吐出孔を備える流路部材の前記平面に、前記複数の液体加圧室を覆うように請求項4に記載の圧電アクチュエータユニット装置が積層されていることを特徴とする。

またさらに、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、制御部とを備えており、該制御部は前記配線部材を介して前記圧電アクチュエータユニットを制御するとともに、前記搬送部を制御することを特徴とする記録装置。

本発明の圧電アクチュエータユニットによれば、個別電極バンプと共通電極バンプとの
高さの差を少なくできるので、個別電極バンプおよび共通電極バンプを、これらが電気的に接続される配線を有する配線部材に接合する際に、配線と個別電極バンプおよび共通電極との接続が良好になる。

また、本発明の圧電アクチュエータユニット装置によれば、配線と個別電極バンプおよび共通電極との接続が良好であるため、使用中に接合部が取れにくく、信頼性を高めることができる。

さらに、本発明の液体吐出ヘッドによれば、配線と個別電極バンプおよび共通電極との接続が良好であるため、使用中に接合部が取れにくく、信頼性を高めることができる。

さらにまた、本発明の記録装置によれば、配線と個別電極バンプおよび共通電極との接続が良好であるため、使用中に接合部が取れにくく、信頼性を高めることができる。

本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータユニットの平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータユニットの平面図である。 本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータユニットの縦断面図である。 本発明の範囲外の圧電アクチュエータユニットの縦断面図である。

図1は、本発明の一実施形態による圧電アクチュエータユニットを含む液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。

プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。

給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。

給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。

搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106お
よび107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。

ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。

ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。

給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。

4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端に液体吐出ヘッド本体13を有している。液体吐出ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の液体吐出孔8が設けられている液体吐出孔面4aとなっている(図4、5および6参照)。

1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、液体吐出孔面4aに開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙P搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。

搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成する液体吐出ヘッド本体13から印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。

搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラ
ー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。

なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。

次に本発明の液体吐出ヘッドを構成する液体吐出ヘッド本体13について説明する。図2は、図1に示された液体吐出ヘッド本体13を示す上面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大上面図であり、液体吐出ヘッド本体13の一部である。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図で、液体吐出孔8の位置が分かりやすいように、一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータユニット40の下方にあって破線で描くべき液体加圧室10(液体加圧室群9)、しぼり12および液体吐出孔8を実線で描いている。図5は図3のV−V線に沿った縦断面図である。図6は圧電アクチュエータユニット40の平面図である。図7は圧電アクチュエータユニット40の縦断面図である。図8はビアホール221cの底面の下側の圧電セラミック層221aにビアホール221c側への突出のない本発明の範囲外の圧電アクチュエータユニット240の縦断面の参考図である。

液体吐出ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に積層されている圧電アクチュエータユニット40とを有している。圧電アクチュエータユニット40は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータユニット40が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータユニット40の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータユニット40により吐出された液滴が混在して着弾することになる。

流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータユニット40が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。

流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータユニット40の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータユニット40に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータユニット40に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副
マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータユニット40に対向する領域に互いに隣接して液体吐出ヘッド本体13の長手方向に延在している。

流路部材4は、複数の液体加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの液体加圧室群9を有している。液体加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。液体加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの液体加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータユニット40に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの液体加圧室10によって形成された各液体加圧室群9は圧電アクチュエータユニット40とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各液体加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータユニット40が接着されることで閉塞されている。

本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。

全体では、マニホールド5から繋がる液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各液体加圧室列に含まれる液体加圧室10の数は、アクチュエータである変位素子50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。液体吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。

つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように液体吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの液体吐出孔8、つまり全部で16個の液体吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の液体吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。

圧電アクチュエータユニット40の上面における各液体加圧室10および後述のダミー液体加圧室に対向する位置には後述する個別電極35がそれぞれ形成されている。すなわち、個別電極35は、圧電アクチュエータユニット40の一方の主面21d上に、第1の方向および第1の方向とは異なる方向に渡って形成されている。個別電極35のうち液体加圧室10と重なっている個別電極本体は、液体加圧室10より一回り小さく、液体加圧室10とほぼ相似な形状を有している。また、個別電極35には、圧電アクチュエータユニット40の上面における液体加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている個別電極本体から前記領域外に引き出されている引出電極が含まれる。

流路部材4の下面の液体吐出面には多数の液体吐出孔8が形成されている。これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータユニット40と対向する領域内に配置されている。これらの液体吐
出孔群7は圧電アクチュエータユニット40とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータユニット40の変位素子50を変位させることにより液体吐出孔8から液滴が吐出できる。液体吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の液体吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。

以上の流路は、液滴の吐出に直接関係する流路であるが、流路部材4には、図では省略してあるダミー液体加圧室が設けられている。ダミー液体加圧室は、液体加圧室10が設けられている台形状の領域の周囲に一列形成されている。ダミー液体加圧室により、液体加圧室10のうちの最も外側にある液体加圧室10の周囲の流路部材4の剛性などが、他の液体加圧室10の状態と近くなるので、液体吐出特性のばらつきを少なくできる。ダミー液体加圧室の形状は液体加圧室と同じであるが、他の流路に繋がってはいない。ダミー液体加圧室の配置は、液体加圧室10のマトリクス状の配置を延長するように配置される。

液体吐出ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。液体吐出ヘッド本体13は、図5に示されているように、液体加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、液体吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、液体加圧室10を介して副マニホールド5aと液体吐出孔8とが繋がる構成を有している。

各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された液体加圧室10である。第2に、液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。

第3に、液体加圧室10の他端から液体吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には液体吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。

このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から液体吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で液体吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、液体加圧室10の一端部に至る。さらに、液体加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、液体加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した液体吐出孔8へと進む。

圧電アクチュエータユニット40は、図5〜7に示されるように、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層体に、共通電極34、個別電極35、個別接続電極36、共通接続電極37を形成してなる圧電アクチュエータユニット本体21に、個別電極バンプ46および共通電極バンプ47が形成されている。なお、圧電セラミック層の積層数は3層以上でもよい。また、個別接続電極36および共通接続電極37は、必ずしも必要ではないが、後述の個別電極バンプ46および共通電極バンプ47との接続性をよりよくするため、個別接続電極36および共通接続電極37がある方が好ましい。

圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電セラミック層21a、21bの積層体の厚さは40μm程度である。圧電アクチュエータユニット40は、流路部材4の液体加圧室10の開口している平面状の面に積層されており、圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の液体加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。

圧電アクチュエータユニット本体21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34、Au系などの金属材料からなる個別電極35、個別電極35の上に形成されているAg系などの金属材料からなる個別接続電極36、圧電アクチュエータユニット本体21の周縁領域の共通電極34上の圧電セラミック層21bに形成されているビアホール21c、およびビアホール21c内の共通電極34の上に形成されているAg系などの金属材料からなる共通接続電極37を有している。個別電極35は、圧電アクチュエータユニット40の上面における液体加圧室10およびダミー液体加圧室と対向する位置に配置されている個別電極本体と、個別電極本体から液体加圧室10と重ならない位置まで引き出されている引出電極とを含んでおり、個別接続電極36は、変位素子50の変位を小さくしないように、引出電極上に形成されている。共通電極34および個別電極35の厚さは、0.3〜1μmである。個別接続電極36は、例えばガラスフリットを含むAg−Pdからなり、厚さは5〜15μmである。共通接続電極37は、例えばガラスフリットを含むAg−Pdからなり、厚さは5〜15μmである。引出電極のうち後述の個別接続バンプ形成領域80内に位置するものには個別電極バンプ46が形成されている。

ビアホール21cの底面の下側に位置する圧電セラミック層21aにはビアホール21c側に突出している突出部21abが形成されている。ビアホールの底面の直径は、例えば50〜150μmである。また、突出部21abの突出高さは10〜20μmであり、これは言い換えると圧電セラミック層21bの厚さの1/2〜1倍である。突出部21abは、例えば後述の圧電セラミック層21a、21bの積層工程において、圧電セラミック層21aを変形させることで形成できる。突出高さが10μm以上であることにより、共通電極バンプ47と個別電極バンプ46とを形成する際に、ビアホール21c内に入り込む共通電極バンプ47となる材料の量が少なくなるので、ざ個別電極バンプ46と共通電極バンプ47の高さの差を小さくでき、接続部材60であるFPC(Flexible Printed
Circuit)と個別電極バンプ46および共通電極バンプ47との接続性を良くできる。また、突出高さが20μm以下であることにより、製造時の圧電セラミック層21aに加わる応力を少なくできるので、使用中に圧電セラミック層21aにクラックなどが生じ難く、突出高さは15μm以下であることが好ましい。ビアホール21cの側面は圧電セラミック層21bに形成されている斜面であり、圧電アクチュエータユニット40の個別電極35の形成されている一方の主面21dに対して20〜40°の角度になっている。角度が20°以上であることにより、ビアホール21cの形成されている面積を小さくすることができ、角度が40°以下であることにより、共通接続電極37や共通電極バンプ47となるペースト等がビアホールに流れ込みやすくなるとともに、突出部21abの基底部とビアホール21cの側面の斜面とが交わる部分を基点とした接続の破壊が生じ難く、接
続強度を強くできる。突出部21abの基底部とビアホール21cの側面の斜面とが交わる部分は、突出部21abが突出しているので狭くなっているため、突出部21abがない場合と比べてペースト等が流れ込み難く、空隙が残ることがあり、この空隙が破壊の起点となることがあるが、前記角度を小さくすることで、この空隙の大きさを小さくしたり、発生頻度を低くすることができ、接続強度が強くなる。

また、ビアホール21c部の底面の下側に位置する圧電セラミック層21aの対向する下面は、突出部21abの形成されている分凹んではおらず、凹部は0〜2μm程度であり、突出高さの1/5以下となっている。これは、後述の製造工程の積層において、ビアホール21cの側面となっている圧電セラミック層21bが圧電セラミック層21a側に押し込まれて、ビアホール21c周囲の下側に位置する圧電セラミック層21aがビアホール21cの下の部分に移動するように変形することにより、ビアホール21cの下の圧電セラミック層21aの厚さが他の部分より厚くなっていることによる。凹部が浅いことにより、流路部材4への接合時に空隙やクラックが生じ難く、接合性が良くなる。

ビアホール21cの底面に露出している共通電極34の積層体の一方の主面21d側の表面34a、言い換えれば、共通電極34と共通接続電極37との界面の凹凸の高さは0.3〜1μmである。凹凸の高さが0.3〜1μmと小さいため、共通接続電極37との電気的接続が良好になる。他の部分の共通電極34の積層体の一方の主面21d側の表面34b、言い換えれば、共通電極34と圧電セラミック層21bとの界面3の凹凸の高さも0.3〜1μmとなっており、ビアホール21cの共通電極34の積層体の一方の主面21d側の表面34aの凹凸の高さは、これ以下になっている。共通電極34は、導体ペーストの印刷および圧電セラミック層21a、21bとの同時焼成で形成されてり、印刷したままの状態で焼成すると、その表面の凹凸の高さは2〜5μmとなり、凹となっている部分に共通接続電極37が十分入り込ます電気的接続が不安定になるおそれがある。ビアホール21cの底面に露出している共通電極34の表面34aは、後述の積層工程で、圧力が加わり平坦になるので、圧電セラミック層21bにより圧力が同じように加わり平坦になっている部分の共通電極34と同程度以下になっている。ここで同程度以下とは、圧電セラミック層21bと共通電極34との界面34bの凹凸の高さの±1μmもしくはそれ以下であるということである。

個別電極バンプ46および共通電極バンプ47は、それぞれ個別接続電極36および共通接続電極46の上に形成されている。これらバンプは樹脂とAg粉末を混ぜたAgペーストを印刷して、加熱・乾燥して形成される。また、これらバンプは配線部材60のカバーフィルム60cを突き破って配線60bと接触することで電気的に接続され、カバーフィルム60cで挟まれていることにより、保持される。個別電極バンプ46の高さは50〜100μmである。ビアホール21cの底面の下側に突出部21abがないと、ビアホール21cに入り込むAgペーストの分、共通電極バンプ47の高さが低くなり、配線部材60との電気接合不良が生じる可能性が高くなる。また、単に低くなるだけでなく、ビアホール21cの直上の共通電極バンプ47の上面に凹部ができてしましい、この凹部により接続が、より阻害される。

圧電アクチュエータユニット40の一方の主面21dから個別電極バンプ46の上までの高さh1は、圧電アクチュエータユニット40の一方の主面21dから共通電極バンプ47の上までの高さh2の差は10μm以下であることが好ましく、特に5μm以下であることが好ましい。なお、図8に示した圧電アクチュエータユニット240ではh3はh1より10μm低くなり、その差は15μm程度となる。共通電極バンプ47の上部には凹部が実質的にないことが好ましい。ここで実質的にないとは、凹部の深さが5μm以下であることを言う。なお、図8に示した圧電アクチュエータユニット240では5μmよりの深い凹部が生じる。

以上のように、配線部材60に電気的に接続された、個別電極35および共通電極34の間には、制御部100から駆動信号(駆動電圧)が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。

なお、以上は、圧電アクチュエータユニット40が2層の圧電セラミック層の場合の構造であるが、3層以上の圧電セラミック層を積層して、個別電極35と共通電極34が交互になるように配置してもよい。ビアホール21cの深さも、圧電セラミック層1層分でなく、もっと深いものであってもよい。

個別電極35は、圧電アクチュエータユニット40の一方の主面の略全面に渡ってマトリクス状に形成されている。すなわち、第1の方向および第1の方向とは異なる方向に渡って形成されている。個別電極バンプ46が形成されているのは、圧電アクチュエータユニット40と略相似の台形状の個別接続バンプ形成領域80内である。圧電アクチュエータユニット40の一方の主面の個別電極バンプ46が形成されていない領域である、個別接続バンプ形成領域80の以外の領域は周縁領域であり、圧電アクチュエータユニット40の一方の主面の周縁の領域である。ビアホール21cは、周縁領域に形成される。

個別電極35のうち列A、B、Cの個別電極35は、その直下がダミー液体加圧室となるダミー個別電極である。ダミー個別電極を設けることにより周縁領域の圧電アクチュエータユニット40の凹凸の高さがが内部と同程度にできる。このダミー個別電極から引き出される引出電極には、ダミー個別接続電極(第1のダミー個別接続電極68)が形成されているものと、いないものがある。引出された引出電極が、個別接続バンプ形成領域80内に位置するものは、第1のダミー個別接続バンプ68が形成されている第1のダミー個別電極65であり、引出された引出電極が、周縁領域に位置するものは、ダミー個別電極バンプが形成されていない第2のダミー個別電極66である。このようにすることで、ダミー個別電極バンプではない個別電極バンプ46のうちのもっとも外側の個別電極バンプ46の接続状態が、他の内部の個別電極バンプ46の接続状態と近くなり、接続が良好になる。

共通電極34は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極34は、圧電アクチュエータユニット40に対向する領域内の全ての液体加圧室10を覆うように延在している。共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34はビアホール21c部で共通接続電極37に接続され、共通接続電極37は配線部材60を通じて接地され、グランド電位に保持されている。共通接続電極37は周縁領域に形成されており、マトリクス状に形成されているダミー個別電極と共通接続電極37とが重なる位置になるとき、ダミー個別電極が個別接続バンプ形成領域80に入っている場合、ダミー個別電極と共通接続電極37とが電気的に接続されないようにダミー個別電極を共通接続電極37を避ける形状にし、ダミー個別電極が個別接続バンプ形成領域80に入らない場合、ダミー個別電極は他のダミー個別電極あるいは個別電極35と同じ形状にする。このようにすることで、ダミー個別電極の形状のできるだけ一定にすることにより、周縁領域における凹凸の差を少なくできるとともに、絶縁性を高くできる。

図6の圧電アクチュエータユニット40では、さらに平面形状が円形のダミー個別接続電極とその直上の第2のダミー個別電極バンプ69とが設けられている。ダミー個別接続電極と第2のダミー個別電極バンプ69は、それぞれ個別接続電極36と個別電極バンプ47と同様の組成であり、それぞれと同時に形成されたものである。これらは、個別電極35の設けられていない部分に形成され、ダミー個別接続電極と個別接続電極36とで、個別接続電極36単独の場合よりも配置の間隔が狭いマトリクス条の配置となっている。
このようにすることにより、流路部材4の平面状の面に接合する際に、より多くの場所で押すことにより、より圧力が均等になって、接続状態が良好になる。

図5に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには厚み方向に分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータユニット40においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータユニット40はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。

なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する液体加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータユニット40における各液体加圧室10に対向する部分は、各液体加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50(アクチュエータ)に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が液体加圧室10毎に、液体加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータユニット40には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。

本実施形態における圧電アクチュエータユニット40の液体吐出時の駆動方法の一例を、個別電極35に供給される駆動電圧(駆動信号)に関して説明する。個別電極35を共通電極34と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この時圧電セラミック層21bは、その厚み方向すなわち積層方向に伸長または収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮または伸長しようとする。一方、残りの圧電セラミック層21aは、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域を持たない非活性層であるので、自発的に変形しない。つまり、圧電アクチュエータユニット40は、上側(つまり、液体加圧室10とは離れた側)の圧電セラミック層21bを、活性部を含む層とし、かつ下側(つまり、液体加圧室10に近い側)の圧電セラミック層21aを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。

この構成において、電界と分極とが同方向となるように、アクチュエータ制御部により個別電極35を共通電極34に対して正または負の所定電位とすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは液体加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。

本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、液体加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、液体加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から液体加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタ
イミングで、圧電セラミック層21a、bが液体加圧室10側へ凸となるように変形し、液体加圧室10の容積減少により液体加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、液体加圧室10内において圧力波がマニホールド5から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、液体加圧室10内部が負圧状態から正
圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。

以上のような液体吐出ヘッド2は、例えば、以下のようにして作製する。まず、圧電セラミック層に用いる圧電材料をチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)とし、PZT粉末とバインダと溶剤とを混合してスラリーを作成し、このスラリーから、成形方法としてロールコーター法を採用して、グリーンシートを作製する。

次いで、1枚のグリーンシートにビアホール21cとなる貫通孔を金型により打ち抜きなどで形成する。貫通孔の側面は、グリーンシートの物性や、金型の形状になどにもよるが、グリーシートの主面に対して直交しており、直交からのずれは±10°程度である。他の1枚のグリーンシートに共通電極34となる導体ペーストを塗布し、乾燥する。これら2枚のグリーシートを静水圧プレスを用いて積層して、内部に共通電極34およびビアホール21cを備えた積層成形体を作製する。

静水圧プレスは次のように行なう。まず、2枚のグリーンシートを仮積層したあと、樹脂の袋に入れ袋の中に空気を排出して、真空ラミネートする。真空ラミネートされた2枚のグリーンシートを60〜90℃の水中に入れて25〜75MPaの水圧を1〜2分加える。この際、変形可能な樹脂の袋を通じて加圧されたグリーンシートの積層体は、ビアホール21cの周囲の圧電セラミック層21bとなるグリーンシートが変形し、ビアホール21cの側面が斜めの形状に押しつぶされるとともに、圧電セラミック層21aとなるグリーンシートが変形し材料がビアホール21cの下び部分に移動して、その部分の厚みが厚くなり、ビアホール21cの底面が突出する。突出高さは圧力が大きくなると高くなるので、圧力により突出高さを調整することができる。この際、突出した部分の反対側のグリーンシートには凹みはほとんど生じない。積層の際に斜めになるビアホール21cの側面の角度は、積層の圧力および樹脂の袋の変形のし易さを変えることにより、調整できる。積層の圧力を高くしたり、樹脂の袋を変形のし易いものにすることで、側面はよりつぶされて、角度が小さくなる。樹脂の袋を変形のし易くするたには、材質を柔らかくしたり、厚さを薄くすればよい。また、この際にビアホール21cの底面にある焼成前の生状態の共通電極34が樹脂の袋により加圧されるため、平坦になる。なお、これらの形状は、焼成においても大きな変化はなく、そのまま保たれる。

その後、この積層成形体を1020℃の温度で焼成して圧電焼結体を作製する。この圧電焼結体の表面に、スクリーン印刷により、Auを主成分とする導体ペーストで、マトリックス状に個別電極35を形成し、さらに、ガラスフリットを含むAgペーストで個別接続電極36および共通接続電極37を形成し、しかる後に、750〜850℃の熱処理によって個別電極を形成する。このようにして圧電アクチュエータユニット本体21を作製できる。

次にAg粉末と樹脂とを含むAgペーストを塗布し、100〜150℃で乾燥させて、個別電極バンプ46および共通電極バンプ47を形成して、圧電アクチュエータユニット40を作製する。この際、ビアホール21cの底面の下側に位置する圧電セラミック層21aがビアホール21cに突出しているので、その分ビアホール21cの体積が減っており、ビアホール21cに入り込むAgペーストの量が少なくなり、共通電極バンプ47と
個別電極バンプ46の高さの差が少なくなり、共通電極バンプ47の上面の凹の浅くなるか、形成されなくなる。

次に、流路部材4を、圧延法等により得られプレート22〜31を積層して作製する。プレート22〜31に、マニホールド5、個別供給流路6、液体加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工する。

これらプレート22〜31は、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。

圧電アクチュエータうユニット本体21と流路部材4とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ21や流路部材4への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ21と流路部材4とを加熱接合することができる。

続いて、ベースフィルム60a上に複数の配線60bが形成されているものを準備し、配線の形成されている側に、エポキシ樹脂を印刷し、100℃で表面を乾燥させてカバーフィルム60cを形成して、FPCである配線部材60を作製する。配線部材60に圧電アクチュエータユニット21の個別電極バンプ46および共通電極バンプ47を押し当ててカバーフィルム60cを貫通させ、個別電極バンプ46および共通電極バンプ47と配線60bを接続させる。続いて150〜250℃で1〜5分間加熱圧着し樹脂を硬化させることで、個別電極バンプ46および共通電極バンプ47を保持できる。

1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・マニホールドの開口
6・・・個別供給流路
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
11a、b、c、d・・・液体加圧室列
12・・・しぼり
13・・・液体吐出ヘッド本体
15a、b、c、d・・・液体吐出孔列
21、221・・・圧電アクチュエータユニット本体
21a、221a・・・圧電セラミック層(振動板)
21ab・・・圧電セラミック層の突出部
21b、221b・・・圧電セラミック層
21c、221c・・・ビアホール
21d、221d・・・一方の主面
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34、234・・・共通電極
35、235・・・個別電極
36、236・・・個別接続電極
37、237・・・共通接続電極
40、240・・・圧電アクチュエータユニット
46、246・・・個別電極バンプ
47、247・・・共通電極バンプ
50・・・加圧部(変位素子)
60・・・配線部材
60a・・・ベースフィルム
60b・・・配線
60c・・・カバーフィルム
65・・・第1のダミー個別電極
66・・・第2のダミー個別電極
68・・・第1のダミー個別電極バンプ
69・・・第2のダミー個別電極バンプ
80・・・個別接続バンプ形成領域

Claims (6)

  1. 複数の圧電セラミック層が積層されている積層体と、該積層体の一方の主面に形成されている複数の個別電極と、該複数の個別電極上に形成されている個別電極バンプと、前記複数の個別電極に対向して前記積層体の内部に積層されている共通電極と、該共通電極の前記複数の個別電極に対向してない部位から前記積層体の一方の主面まで繋がっているビアホールと、該ビアホール内の前記共通電極上に形成されている共通電極バンプとを有する圧電アクチュエータユニットであって、前記ビアホールの底面の下側に位置する前記圧電セラミック層が、前記ビアホール側に突出していることを特徴とする圧電アクチュエータユニット。
  2. 前記ビアホールにおける前記共通電極の前記積層体の一方の主面側の表面の凹凸の高さが、他の前記共通電極の前記積層体の一方の主面側の表面の凹凸の高さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータユニット。
  3. 前記積層体の一方の主面からの前記複数の個別電極バンプの高さと、前記積層体の一方の主面からの前記共通電極バンプの高さとが略同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電アクチュエータユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の圧電アクチュエータユニットと、前記複数の個別電極バンプおよび前記共通電極バンプがそれぞれ電気的に接続されている配線を有する配線部材とを含むことを特徴とする圧電アクチュエータユニット装置。
  5. 平面に開口する複数の液体加圧室および該複数の液体加圧室にそれぞれ繋がっている複数の液体吐出孔を備える流路部材の前記平面に、前記複数の液体加圧室を覆うように請求項4に記載の圧電アクチュエータユニット装置が積層されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項5に記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、制御部とを備えており、該制御部は前記配線部材を介して前記圧電アクチュエータユニットを制御するとともに、前記搬送部を制御することを特徴とする記録装置。
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