JP5934420B2 - 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置 Download PDF

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本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する液体吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこで液体吐出ヘッドを、マニホールドおよびマニホールドから複数の液体加圧室をそれぞれ介して繋がる液体吐出孔を有した金属の流路部材と、前記液体加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有する圧電アクチュエータユニットとを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドでは、複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がった液体加圧室がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられた圧電アクチュエータユニットの変位素子を圧電体の変形により変位させることで、各液体吐出孔からインクを吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。また、変位素子は、流路部材側から、振動板、共通電極、圧電セラミック層、液体加圧室に対向した位置にある個別電極が積層された構造をしている。
特開2003−305852号公報
特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドでは、吐出量を多くしたり、吐出速度を上げようとする場合、液体加圧室を大きくし、変位素子の面積を大きくして、変位素子の変位量を大きくしようとすることが考えられる。また、印刷速度を速くするため、変
位素子を駆動する駆動周期を高くしようとする場合、駆動周期は1つの液滴を吐出する吐出信号よりも長くなり、1つの液滴を吐出する吐出信号は、圧力波が液体吐出孔からしぼりまで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)に比例した長さとされることが
多いため、ALを短くすることが考えられる。液体加圧室を大きくすることは、基本的にALを大きくすることになるため、これらは両立させることは難しいという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ALを短くしつつ、変位素子の変位量を大きくできる液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドの一態様は、流路部材と、該流路部材上に圧電アクチュエータユニットと、を備えた液体吐出ヘッドであって、前記流路部材は、共通流路と、しぼり、液体加圧室、および、液体吐出孔を含んでおり、前記共通流路に接続された個別流路と、を有しており、前記しぼりは、一端部が前記共通流路に接続され、他端部が前記液体加圧室に接続され、前記液体加圧室は、前記しぼりと実質的に平行に構成されており、前記液体加圧室は、液体加圧室本体と、該液体加圧室本体上に設けられ、前記液体加圧室の上端部に位置する液体加圧室上端部と、を含み、前記液体加圧室上端部は、前記しぼりの前記一端部から前記他端部に向かう方向に、前記液体加圧室本体よりも外側に位置する部分を有しており、前記しぼりの前記他端部から前記一端部に向かう方向に、前記液体加圧室本体よりも外側に位置する部分を有する。
発明の記録装置の一態様は、上記の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して相対的に搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備え
本発明の液体吐出ヘッドによれば、液体加圧室上端部が平面形状が大きいことにより、変位素子の変位を大きくできるとともに、体加圧室本体の形状により、ほぼ定まる液体加圧室の流路特性は、ALを小さい値にできる。
本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する第1の流路部材および圧電アクチュエータユニットの平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 (a)は、図3のV−V線に沿った縦断面図であり、(b)は、(a)と直交する方向の縦断面の要部であり、(c)は(a)の平面図である。 本発明の他の実施例の液体加圧室付近の平面図である。
図1は、本発明の一実施形態による液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬
送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端に液体吐出ヘッド本体13を有している。液体吐出ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の液体吐出孔8が設けられている(図4、5および6参照)。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、液体吐出孔面に開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙P搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成する液体吐出ヘッド本体13から印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に本発明の液体吐出ヘッドを構成する液体吐出ヘッド本体13について説明する。図2は、図1に示された液体吐出ヘッド本体13を示す上面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大上面図であり、液体吐出ヘッド本体13の一部である。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図で、液体吐出孔8の位置が分かり易いように、一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき液体加圧室10(液体加圧室群9)、しぼり12および液体吐出孔8を実線で描いている。図5(a)は図3のV−V線に沿った縦断面図であり、図5(b)は図5(a)と直交する方向の部分縦断面図であり、主要部分を拡大した図である。
液体吐出ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に、圧電アクチュエータユニット21とを有している。圧電アクチュエータユニット21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータユニット21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータユニット21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータユニット21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータユニット21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータユニット21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータユニット21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータユニット21に対向する領域に互いに隣接して液体吐出ヘッド本体13の長手方向に延在している。
流路部材4は、複数の液体加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの液体加圧室群9を有している。液体加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。液体加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの液体加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータユニット21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの液体加圧室10によって形成された各液体加圧室群9は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、圧電アクチュエータユニット21は複数の液体加圧室10を覆うように積層されるので、各液体加圧室10の開口は、圧電アクチュエータユニット21で閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各液体加圧室列に含まれる液体加圧室10の数は、アクチュエータである変位素子50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるよう
に配置されている。液体吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように液体吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの液体吐出孔8、つまり全部で16個の液体吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の液体吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。
圧電アクチュエータユニット21の上面における各液体加圧室10に対向する位置には後述する個別電極35がそれぞれ形成されている。すなわち、個別電極35は、圧電アクチュエータユニット21の上面に、第1の方向および第1の方向とは異なる方向にわたって形成されている。個別電極35は、個別電極本体35aと個別電極35aから引き出された引出電極35bとを含む。個別電極本体35aは、液体加圧室10より一回り小さく、液体加圧室10とほぼ相似な形状を有しており、圧電アクチュエータユニット21の上面における液体加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
流路部材4の下面には多数の液体吐出孔8が形成されている。これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータユニット21と対向する領域内に配置されている。これらの液体吐出孔群7は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータユニット21の変位素子50を変位させることにより液体吐出孔8から液滴が吐出できる。液体吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の液体吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
液体吐出ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。液体吐出ヘッド本体13は、図5に示されているように、液体加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、液体吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、液体加圧室10を介して副マニホールド5aと液体吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された液体加圧室10である。液体加圧室10はその下方に位置し、深さに依らず断面形状がほぼ一定の液体加圧室本体10aと液体加圧室本体10aよりも断面形状が大きく、液体加圧室10の上端部に位置している液体加圧室上端部10bとから構成されている。液体加圧室10の形状については後で詳述する。第2に、液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には液体加圧室本体10aの平面視
した際の菱形形状の長い方の対角線の一端側の頂点付近(ここで付近とは、頂点から、液体加圧室10の面積中心から液体加圧室10の端までの長さの1/5程度の位置を意味する。))からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。
第3に、液体加圧室10の他端(詳細には液体加圧室本体10aの平面視した際の菱形形状の長い方の対角線の液体吐出孔8に繋がっているのとは逆側の頂点付近)から液体吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には液体吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から液体吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で液体吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、液体加圧室10の一端部に至る。さらに、液体加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、液体加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した液体吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータユニット21は、図5に示されるように、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータユニット21の圧電セラミック層21a、21bの積層体の厚さは40μm程度であり、100μm以下であることにより、変位量を大きくすることができる。圧電アクチュエータユニット21は、流路部材4の液体加圧室10の開口している平面状の面に積層されており、圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の液体加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータユニット21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34、Au系などの金属材料からなる個別電極35、個別電極35の上に形成されているAu系などの金属材料からなる接続電極を有している。個別電極35は上述のように圧電アクチュエータユニット21の上面における液体加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体35aと、個別電極本体35aから液体加圧室10のない位置まで引き出されている引出電極35bとを含んでいる。引出電極35bの液体加圧室10のない位置には、接続電極36が形成されている。個別電極35の厚さは、0.3〜1μmである。接続電極36は例えばガラスフリットを含む金からなり、厚さが5〜15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極36は、図示されていないFPC(Flexible Printed
Circuit)に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100からFPCを通じて駆動信号(駆動電圧)が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極34は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極34は、圧電アクチュエータユニット21に対向する領域内の全ての液体加圧室10を覆うように延在している。
共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34は図示しない領域において接地され、グランド電位に保持されている。本実施形態では、圧電セラミック層21b上において、個別電極35からなる電極群を避ける位置に個別電極35とは異なる表面電極(不図示)が形成されている。表面電極は、圧電セラミック層21bの内部に形成されたスルーホールを介して共通電極34と電気的に接続されているとともに、多数の個別電極35と同様に、FPCの別の電極と接続されている。
なお、以上は、圧電アクチュエータユニット21が2層の圧電セラミック層の場合の構造であるが、3相層以上の圧電セラミック層を積層して、個別電極35と共通電極34が交互になるように配置してもよい。
図5に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには厚み方向に分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータユニット21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータユニット21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する液体加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータユニット21における各液体加圧室10に対向する部分は、各液体加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が液体加圧室10毎に、液体加圧室10の直上に位置するセラミック振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータユニット21には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。
本実施形態における圧電アクチュエータユニット21の液体吐出時の駆動方法の一例を、個別電極35に供給される駆動電圧(駆動信号)に関して説明する。個別電極35を共通電極34と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この時圧電セラミック層21bは、その厚み方向すなわち積層方向に伸長または収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮または伸長しようとする。一方、残りの圧電セラミック層21aは、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域を持たない非活性層であるので、自発的に変形しない。こ性部が面方向に収縮または伸長するのに対して、圧電セラミック層21aは長さが変わらないので、変位素子50は撓み変形する。つまり、圧電アクチュエータユニット21は、上側(つまり、液体加圧室10とは離れた側)の圧電セラミック層21bを、活性部を含む層とし、かつ下側(つまり、液体加圧室10に近い側)の圧電セラミック層21aを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
この構成において、電界と分極とが同方向となるように、アクチュエータ制御部により個別電極35を共通電極34に対して正または負の所定電位とすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの
間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは液体加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、液体加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、液体加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から液体加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが液体加圧室10側へ凸となるように変形し、液体加圧室10の容積減少により液体加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、圧力波がしぼり12から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的であ
る。これによると、液体加圧室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
具体的な吐出方法が上述の引き打ちと異なる場合であっても、駆動信号はALを考慮したものにする必要があるため、ALに比例した長さになる。したがって、駆動信号を短くし、駆動周波数を高くするためにはALを短くする必要がある。
図5(a)〜(c)に示した液体吐出ヘッドでは、液体加圧室10はプレート22に設けられた貫通孔と該貫通孔の下に位置するプレート23とで構成されるとともに、液体加圧室10は、プレートに平行な断面形状が略一定の液体加圧室本体10aと、平面視した場合に液体加圧室本体10aよりも大きい液体加圧室上端部10bとを含む。ここで略一定とは、平面視した場合に、深さによる面積の変化が±5%程度以下のことを表す。液体加圧室10の深さは10〜100μm程度で、液体加圧室本体10a大きさは、略ひし形の対角線の長い方が200〜2000μm程度、短い方が100〜1000μm程度である。液体加圧室上端部10bの液体加圧室10の開口からの深さは、液体加圧室本体10の液体加圧室10の開口からの深さの1/5以下、特に1/10以下にされる。液体加圧室上端部10bの深さの比率が低くなるほど液体加圧室10の流路特性は、液体加圧室本体10aもしくは液体加圧室本体および液体加圧室上端部10bの10aの直上の部分とほぼ同じなり、液体加圧室上端部10bの液体加圧室10aの外側に広がっている部分は流路特性に大きな影響を与えなくできる。なお、そのようになるのは液体吐出8およびしぼり12が液体加圧室10に繋がっている部分が液体加圧室本体10aに繋がっており、液体加圧室上端部10bの液体加圧室10aの外側に広がっている部分の液体は吐出する際に流動しない状態になっており、しぼり12から液体吐出孔8へ向かう液体の流れにあまり関与しないからである。
なお、液体加圧室は10を構成する貫通孔を形成するプレートは、1枚ではなく複数枚にしてもよいが、積層によるずれが生じるおそれがあるため1枚のプレートにするのが良い。また、液体加圧室本体10aと液体加圧室上端部10bを別々のプレートに形成すると、液体加圧室10加工、およびその薄いプレートの取り扱いが難しくなるため、その点でも1枚のプレートにするのが良い。
液体加圧室上端部10bの断面積は、液体加圧室本体10aの断面積よりも大きくされる。これにより、変位素子50の変位が大きくできる。液体加圧室本体10aの面積に対する比率は1.1倍以上にすることで、変位を大きくでき、1.7倍以下にすることで、隣接する変位素子50とのクロストークを低減できる。変位素子50は、撓み変形するものであり、このような大きさの場合、変位量はあまり大きくなく、10nm〜500nm程度である。液体加圧室上端部10bの深さは、この変位量の2倍程度以上にすれば、変位した変位素子50が液体加圧室本体10aに当たることはない。また、撓み変形を利用し駆動方法は、加える電圧を低くできるので、消費電力が少ないので、このような液体吐出ヘッドに適している。なお、ここでいう変位量は最も変位の大きい部分の量であり、それは、ほぼ液体加圧室上端部10bの面積中心付近に生じると考えれるため、液体加
圧室上端部10bの深さは、変位量と同程度にまでは浅くしてもよい。したがって、液体加圧室上端部10bの深さは1μm程度にすれば十分であり、このよう浅ければ、ALに対する、液体加圧室上端部10bの液体加圧室10aの外側に広がっている部分の寄与は非常に小さくできる。
以上のように、液体加圧室上端部10bの面積を、液体加圧室本体10aの面積より大きくすることで、変位素子50の変位量を大きくしつつ、ALを短くできる。言い換えれば、同程度の変位量である吐出素子と比較してALを短くでき、同程度のALである吐出素子と比較して変位量を大きくできるということである。
また、変位素子50の変位が液体の吐出に有効に使われるようにするために個別電極35、より詳しくは、個別電極35のうち平面視した際に液体加圧室10と重なっている部分で、個別電極35から引き出されている引出電極35bを除いた個別電極本体35aの大きさを液体加圧室本体10aより小さいくする。これにより主に液体加圧室10の体積を変えるように変形する部分である、個別電極本体35aの直下の変位素子50の部分が、液体加圧室上端部10bの液体加圧室10aの外側に広がっている部分と重ならなくなり、その変位により生じる圧力波が、液体の吐出に有効に利用される。
さらに、例えば、圧電セラミック層10bが平面方向に伸びて、変位素子50が液体加圧室10側に撓み変形する場合、変位素子50の周縁部の圧電セラミック層10bは逆に縮まなければならなくなる。してがって、そのような部位の圧電セラミック層10bが伸びると、逆に変位を阻害するようになる。そこで、個別電極本体35aの形状は、液体加圧室上端10bと略相似形状であり、個別電極35aの面積の液体加圧室上端部10bの面積に対する割合が、40%〜70%であることにより、変位量を大きくできる。なお、ここで略相似とは、相似形から角部の曲率などを少し変えたもので、相似形からの外形のずれが大きさの10%以内程度であることを表す。
また、液体加圧室上端部10bの形状は、液体加圧室本体10と略相似としてもよいが、液体加圧室上端部10bの形状を円形に近づけることにより、変位素子50の変位量を大きくできる。
図6は、本発明の他の実施形態の液体吐出ヘッドの液体加圧室本体210aおよび液体加圧室上端部210bの付近の構造を示した平面図であり、この液体吐出ヘッドの基本構造は図1〜5で示したものと同じであるが、主に液体加圧室上端部210bおよび個別電極本体235aの形状が異なっている。具体的には、液体加圧室本体210aは菱形形状であるとともに、液体加圧室上端部210bは、液体加圧室本体210aよりも正方形に近い菱形形状である。ここで正方形に近いとは菱形の対角線の長さの比が1に近いことを意味する。
液体加圧室本体210aおよび液体加圧室上端部210bが菱形形状であることにより、例えば、それぞれ円形である場合として比較してクロストークを低減できる。さらに、液体加圧室上端部210bが正方形に近いことにより変位量を大きくできる。より具体的は、液体加圧室本体210aの長い方の対角線に沿った方向における液体加圧室上端部210bの大きさは、液体加圧室本体210aと同程度にして、液体加圧室本体210aの
短い方の対角線に沿った方向における液体加圧室上端部210bの大きさは、液体加圧室本体210aよりも大きくすれば、隣接する変位素子50との間隔をあまり狭めずに変位量を大きくできる。これは、変位量に影響を与えるのは、液体加圧室10の面積重心を通る線分のうち最も短いものの長さであるので、液体加圧室本体10aの短い方の対角線の方向に液体加圧室本体10bを大きくすることで、長い方の対角線の長さを変えなくても、変位量を大きくできるからである。
以上のような液体吐出ヘッドは、例えば次のように作製することができる。まず、圧電セラミック層に用いる圧電材料をチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)とし、PZT粉末とバインダと溶剤とを混合してスラリーを作成し、このスラリーから、成形方法としてロールコーター法を採用して、グリーンシートを作製する。
焼成後にセラミック振動板21aとなるグリーンシートに共通電極34となる導体ペートとして塗布し、乾燥したものと、焼成後に圧電セラミック層21bとなるグリーンシートにビアホールとなる貫通孔を金型により打ち抜きなどで形成する。続いて、それらのグリーンシートを加熱加圧などにより積層し、例えば1020℃の温度で焼成する。さらに、スクリーン印刷により、個別電極35となるAuを主成分とする導体ペーストを塗布し、800℃の熱処理によって焼き付ける。
流路部材4を、圧延法等により得られたプレート22〜31を積層して作製する。プレート22〜31に、マニホールド5、個別供給流路6、液体加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工する。プレート22の液体加圧室上端部10bとなる部分は、ハーフエッチングにより形成される。
これらプレート22〜31は、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
圧電アクチュエータユニット21と流路部材4とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電焼結体や流路部材4への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。また、液体加圧室上端部10bは薄い構造であるため、樹脂が侵入すると、その部分は変形しがたくなり変位量がへり、変位素子間での変位ばらつきになるので、樹脂が侵入は少ない方がよく、液体加圧室上端部10bの液体加圧室本体10aよりも広くなっている部分に侵入する樹脂は、その面積の10%以下、特に5%以下にするのが好ましい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータユニット21と流路部材4とを加熱接合することができる。このようにして、液体吐出ヘッド2を作製することができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・マニホールドの開口
6・・・個別供給流路
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
10a・・・液体加圧室本体
10b・・・液体加圧室上端部
11a、b、c、d・・・液体加圧室列
12・・・しぼり
13・・・液体吐出ヘッド本体
15a、b、c、d・・・液体吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータユニット
21a、・・・圧電セラミック層(セラミック振動板)
21b・・・圧電セラミック層
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極
35、235・・・個別電極
35a、235a・・・個別電極本体
35b、235b・・・引出電極
36、236・・・接続電極
50、550・・・変位素子

Claims (7)

  1. 流路部材と、該流路部材上に圧電アクチュエータユニットと、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記流路部材は、
    共通流路と、
    しぼり、液体加圧室、および、液体吐出孔を含んでおり、前記共通流路に接続された個別流路と、を有しており、
    前記しぼりは、一端部が前記共通流路に接続され、他端部が前記液体加圧室に接続され、
    前記液体加圧室は、前記しぼりと実質的に平行に構成されており、
    前記液体加圧室は、
    液体加圧室本体と、
    該液体加圧室本体上に設けられ、前記液体加圧室の上端部に位置する液体加圧室上端部と、を含み、
    前記液体加圧室上端部は、前記しぼりの前記一端部から前記他端部に向かう方向に、前記液体加圧室本体よりも外側に位置する部分を有しており、前記しぼりの前記他端部から前記一端部に向かう方向に、前記液体加圧室本体よりも外側に位置する部分を有する、液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体吐出孔および前記しぼりは、前記液体加圧室本体に接続されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記液体加圧室上端部は、開口を有しており、
    前記開口は、前記圧電アクチュエータユニットにより閉塞されている、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記圧電アクチュエータユニットは、共通電極、圧電セラミック層、および、個別電極を有しており、
    前記個別電極は、前記液体加圧室と対向して配置されており、
    平面視した場合に、前記個別電極は、前記液体加圧室本体より小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記圧電アクチュエータユニットは、共通電極、圧電セラミック層、個別電極、引出電極、および、接続電極を有しており、
    前記個別電極は、前記液体加圧室と対向して配置されており、
    前記引出電極は、前記個別電極から引き出されており、
    前記接続電極は、前記加圧室上端部よりも外側に位置する前記引出電極上に設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
    記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して相対的に搬送する搬送部と、
    前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、を備える、記録装置。
  7. 前記記録媒体の位置を検出する紙面センサをさらに備える、請求項6に記載の記録装置。
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