JP2014108530A - 液体吐出ヘッド用の流路部材、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド用の流路部材、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温調用流路を設けた液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法を提供する。
【解決手段】吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが積層されている液体吐出ヘッド用の流路部材であって、流路部材は、一方方向に長く、複数のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートには、温度調節用の液体が流れる温調用流路35となる、温調用孔および温調用溝のうちの少なくとも一方が、複数の孔に沿うように設けられており、温調用流路35は、流路部材の両端部でそれぞれ外部に開口しているとともに、一方方向における吐出孔開口範囲Nにおいて、一方方向に交差する方向に並んでいる複数の経路を有し、吐出孔開口範囲Nにおける流路抵抗の低い経路には、流路抵抗を高くする流路抵抗調整部が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッド用の流路部材、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法に関する。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
そこで一方方向の長い液体吐出ヘッドを、共通流路であるマニホールドおよびマニホールドから複数の加圧室をそれぞれ介して繋がる吐出孔を有した流路部材と、前記加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有するアクチュエータユニットとを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドでは、複数の吐出孔にそれぞれ繋がった加圧室がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられたアクチュエータユニットの変位素子を変位させることで、各吐出孔からインクを吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。
また、プレートを接着積層してこのような流路部材を作成する際に、接着剤の逃がし溝を設けることが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2003−305852号公報 特開2004−50818号公報
しかしながら、特許文献1あるいは2に記載の液体吐出ヘッドを温度調整するのに、温度調整用の液体を液体吐出ヘッドの内部に通そうとすると、新たに温調用流路を設けなければならなかった。
したがって、本発明の目的は、温調用流路を設けた液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッド用の流路部材は、吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している液体吐出ヘッド用の流路部材であって、前記流路部材は、一方方向に長く、前記複数のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートには、温度調節用の液体が流れる温調用流路となる、温調用孔および温調用溝のうちの少なくとも一方が、前記複数の孔に沿うように設けられており、前記温調用流路は、前記流路部材の前記一方方向の両端部でそれぞれ外部に開口しているとともに、前記一方方向における前記吐出孔が開口している範囲である吐出孔開口範囲において、前記一方方向に交差する方向に並んでいる複数の経路を有し、前記複数の経路には、前記吐出孔開口範囲における流路抵抗が異なるものが含まれており、前記吐出孔開口範囲における流路抵抗の低い経路には、前記吐出孔開口範囲の外側に流路抵抗を高くする流路抵抗調整部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッド用の流路部材は、吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している液体吐出ヘッド用の流路部材であって、前記流路部材は、一方方向に長く、前記複数のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートには、温度調節用の液体が流れる温調用流路となる、温調用孔および温調用溝のうちの少なくとも一方が、前記複数の孔に沿うように設けられており、前記温調用流路は、前記流路部材の前記一方方向の両端部でそれぞれ外部に開口しているとともに、前記一方方向における前記吐出孔が開口している範囲である吐出孔開口範囲において、前記一方方向に交差する方向に並んでいる複数の経路を有し、前記複数の経路には、前記吐出孔開口範囲における流路長の異なるものが含まれており、前記吐出孔開口範囲における流路長が短い経路の断面積が、流路長が長い経路の断面積より小さくなっていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、前記流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを含むことを特徴とする。
本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、前記温調用流路に温調用液体を流すポンプとを備えていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドの使用方法は、吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが接着積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを含む液体吐出ヘッドの使用方法であって、前記複数のプレートのうち少なくとも1枚のプレートに、前記複数の孔に沿うように接着剤の逃がし溝および逃がし孔の少なくとも一方が設けられており、前記逃がし溝あるいは逃がし孔は、複数の開口部で流路部材の外部に開口しており、前記複数の開口部の一部から前記複数の開口部の他の一部へ、温度調節用の液体を流すことを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッド用の流路部材によれば、液体吐出ヘッドにした際に、液体吐出ヘッドの長手方向に交差する方向に並んでいる複数の温調用流路の間の流路抵抗の差を小さくすることができるので、温調用液体の流量の差による液体吐出ヘッド内の温度分布が生じ難い。
また、本発明の液体吐出ヘッドの使用方法によれば、作製時に逃がし溝として用いられた空間を温調量流路として用いているので、温調量流路にするために使用する液体吐出ヘッド内の空間を少なくできるので、温調量流路のある液体吐出ヘッドとしては小さくできる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成するヘッド本体の平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 (a)は、プレート4bの模式的な平面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線部の拡大図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成しているヘッド本体および信号伝達部の、図3のV−V線に沿った断面に相当する部分の縦断面図である。
図1は、本発明の一実施形態による液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aの下面は、液体を吐出する多数の吐出孔が設けられている、第1の主面である吐出孔面4−1となっている。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、吐出孔面4−1に開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、例えば、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体13の下面である吐出孔面4−1と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体2aから印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素
子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に、本発明の液体吐出ヘッド2について説明する。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した平面図である。図4は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため図3とは異なる一部の流路を省略した図である。なお、図3および図4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき、しぼり6、吐出孔8、加圧室10などを実線で描いている。また、図4の吐出孔8は、位置を分かりやすくするため、実際の径よりも大きく描いてある。図5(a)は、液体吐出ヘッド2の一部である流路部材4を構成するプレート4a〜lのうちのプレート4bの模式的な平面図である。温調用流路35の形状は、かなり模式的に示してある。図5(b)は、図5(a)の一点鎖線部分の平面図である。こちらの温調用流路35は、実際の形状を示しており、分かりやすいように斜線を入れている。図6はヘッド本体2aおよび信号伝達92の縦断面図であり、図3におけるV−V線に沿った断面に相当する部位の縦断面図である。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aとリザーバ40と金属製の筐体90とを含んでいる。ヘッド本体2aおよびリザーバ40は、いずれも一方方向に長く、互いに沿うように接合されている。また。ヘッド本体2aは、流路部材4と、変位素子(加圧部)30が作り込まれている圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。さらに、リザーバ40は、リザーバ本体41と分岐流路部材51とを含んでいる。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、マニホールド5と、マニホールド5と繋がっている複数の加圧室10と、複数の加圧室10とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔8とを備え、加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面にはマニホールド5と繋がる開口5aを有し、この開口5aより液体が供給されるようになっている。
また、流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30が加圧室10上に位置するように設けられている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部92が接続されている。図2(a)には、2つの信号伝達部92が圧電アクチュエータ基板21に繋がる状態が分かるように、信号伝達部92の圧電アクチュエータ21に接続される付近の外形を点線で示した。信号伝達部92の圧電アクチュエータ基板21に対向している領域には、多数の配線92bが、ヘッド本体2aの短手方向に沿って配置されており、図2(a)の左右の図示されていない部分にまで繋がっている。制御部100から送られた信号は、必要に応じて他の回路基板などを経た後、信号伝達部92を伝わって、変位素子30に供給される。配線92bの圧電アクチュエータ基板21側は、圧電アクチュエータ21に電気的に接続されている電極になっており、この電極は、信号伝達部92の端部に、矩形状に配置されている。この電極は導電性樹脂のバンプである接続電極26を介して、変位素子30の個別電極25に電気的に接続されている。2つの信号伝達部92は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部にそれぞれの端がくるように接続されている。2つの信号伝達部92は、中央部から圧電アクチュエータ基板21の長辺に向かって伸びている。
また、信号伝達部92にはドライバICが実装されている。ドライバICは金属製の筐体に押し付けられるように実装されており、ドライバICの熱は、金属製の筐体に伝わり、外部に放散される。圧電アクチュエータ基板21上の変位素子30を駆動する駆動信号
は、ドライバIC内で生成される。駆動信号の生成を制御する信号は、制御部100で生成され、信号伝達部92の圧電アクチュエータ基板21と接続された側と反対側の端から入力される。制御部100と信号伝達部92との間には、必要に応じて、液体吐出ヘッド2内に回路基板などが設けられる。
ヘッド本体2aは、平板状の流路部材4と、流路部材4上に接合された変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21を1つ有している。流路部材4は、多数の孔あるいは溝が形成されているプレート4a〜lを接着積層して構成されている。孔あるいは溝には、連通して、吐出される液体が通る流路となるもの(以下で、吐出される液体の流路となるとの意味で、流路となると記すことがある)、連通して、ヘッド本体2aの温度を調整する液体が流れる温調用流路35となるもの(つまり、温調用孔および温調用溝)、流路となる孔あるいは溝の周りに、その孔あるいは溝に流れ込む接着剤の量が多くならないようにする接着剤を逃がす孔あるいは溝(以下で、合わせて接着剤の逃がし部ということがある)ものがある。2番目のものと3番目のものの一部は兼用されていて、液体吐出ヘッド2作製時には、接着剤の逃がし部として働くが、接着剤の量を調整することで接着剤で完全には埋まらない状態にし、完成した液体吐出ヘッド2においては、外部から温調用流体を供給されて、温調用流路35として働く。このように兼用する構造にすることで、別々に設ける場合より液体吐出ヘッド2の大きさ(例えば短手方向の長さ)を小さくできる。
圧電アクチュエータ基板21の平面形状は長方形状であり、その長方形の長辺が流路部材4の長手方向に沿うように流路部材4の上面である加圧室面4−2に配置されている。
流路部材4の内部には2つのマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向の一端部側から、他端部側に延びる細長い形状を有しており、その両端部において、流路部材4の上面に開口しているマニホールドの開口5aが形成されている。マニホールド5の両端部から流路部材4へ液体を供給することにより、液体の供給不足が起り難くできる。また、マニホールド5の一端から供給する場合と比較して、マニホールド5を液体が流れる際に生じる圧力損失の差を約半分にできるため、液体吐出特性のばらつきを少なくできる。
また、マニホールド5は、少なくとも加圧室10に繋がっている領域である長手方向の中央部分が、短手方向に間隔を開けて設けられた隔壁15で仕切られている。隔壁15は、加圧室10に繋がっている領域である長手方向の中央部分では、マニホールド5と同じ高さを有し、マニホールド5を複数の副マニホールド5bに完全に仕切っている。このようにすることで、平面視したときに、隔壁15と重なるように、吐出孔8および吐出孔8から加圧室10に繋がっているディセンダを設けることができる。
図2では、マニホールド5の両端部を除く全体が隔壁15で仕切られている。このようにする以外に、両端部のうちのどちらか一端部以外が隔壁15で仕切られているようにしてもよい。また、流路部材4の上面に開口している開口5a付近のみが仕切られておらず、開口5aから流路部材4の深さ方向に向かう間に隔壁が設けられるようにしてもよい。さらに、マニホールド5は一本の管状にしてもよい。
複数に分けられた部分のマニホールド5を副マニホールド5bと呼ぶことがある。本実施形態においては、マニホールド5は独立して2本設けられており、それぞれの両端部に開口5aが設けられている。また、1つのマニホールド5には、7つの隔壁15が設けられており、8つの副マニホールド5bに分けられている。副マニホールド5bの幅は、隔壁15の幅より大きくなっており、これにより副マニホールド5bに多くの液体を流すことができる。また、7つの隔壁15は、短手方向の中央に近いほど、長さが長くなっており、マニホールド5の両端において、短手方向の中央に近い隔壁15ほど、隔壁15の端
がマニホールド5の端に近くなっている。これにより、マニホールド5の外側の壁により生じる流路抵抗と、隔壁15により生じる流路抵抗との間のバランスがとれ、各副マニホールド5bのうち、加圧室10に繋がる部分である個別供給流路14が形成されている領域の端における液体の圧力差を少なくできる。この個別供給流路14での圧力差は、加圧室10内の液体に加わる圧力差につながるため、個別供給流路14での圧力差を少なくすれば、吐出ばらつきを低減できる。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されている、2つの鋭角部と2つの鋭角部を有するほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。
加圧室10は1つの副マニホールド5bと個別供給流路14を介して繋がっている。1つの副マニホールド5bに沿うようにして、この副マニホールド5bに繋がっている加圧室10の列である加圧室行11が、副マニホールド5bの両側に1列ずつ、合計2列設けられている。したがって、1つのマニホールド5に対して、16列の加圧室11が設けられており、ヘッド本体2a全体では32列の加圧室行11が設けられている。各加圧室行11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、例えば、37.5dpiの間隔となっている。
各加圧室行11の端にはダミー加圧室16が設けられている。このダミー加圧室16は、マニホールド5とは繋がっているが、吐出孔8とは繋がっていない。また、32列の加圧室行11の外側には、ダミー加圧室16が直線状に並んだダミー加圧室行が設けられている。このダミー加圧室16は、マニホールド5および吐出孔8のいずれとも繋がっていない。これらのダミー加圧室16により、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなることで、液体吐出特性の差を少なくできる。なお、周囲の構造の差の影響は、距離の近い、長手方向に隣接する加圧室10の影響が大きいため、長手方向の両端にもダミー加圧室16を設けてある。短手方向については、影響が比較的小さいため、ヘッド本体21aの端に近い方のみに設けている。これにより、ヘッド本体21aの幅を小さくできる。
1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、液体吐出ヘッド2の長手方向である行方向と短手方向である列方向とに沿って、行上および列上で、それぞれ略等間隔で配置されている。行方向は、菱形形状の加圧室10の鈍角部同士を結ぶ対角線に沿った方向であり、鈍角部を対向させて並んでいる加圧室10の面積重心を結んでできる方向でもある。加圧室10の菱形形状は、辺の長さが10%程度異なっていてもよい。また、鈍角部同士を結ぶ対角線の方向と行方向とは、加圧室10が平面内で回転した状態で配置されていたり、辺の長さが異なることにより、10度以下程度の角度がついていていてもよい。列方向は、菱形形状の加圧室10の鋭角部同士を結ぶ対角線に沿った方向であり、鋭角部を対向させて並んでいる加圧室10の面積重心を結んでできる方向でもある。鋭角部同士を結ぶ対角線の方向と列方向とは、加圧室10が平面内で回転した状態で配置されていたり、辺の長さが異なることにより、10度以下程度の角度がついていていてもよい。つまり、加圧室10の菱形形状の対角線が行方向および列方向となす角度が小さい状態になっている。加圧室10を格子状に配置し、そのような角度の菱形形状の加圧室10を配置することにより、クロストークを小さくできる。これは1つの加圧室10に対して、行方向、列方向のいずれの方向においても、角部同士が対向する状態になっているため、辺同士で対向して場合よりも、流路部材4を通じて、振動が伝わり難いためである。なお、ここで、鈍角部同士を長手方向に対向させることにより、長手方向における加圧室10の密度を高くして配置でき、これにより、長手方向の吐出孔8の密度を高くでき、高解像度の液体吐出ヘッド2とすることができる。行上および列上での加圧室10の間隔は、等間隔にすれば、間隔が他より狭いところがなくなりクロストークを小さくできるが、間隔は±2
0%程度異なるようにしてもよい。
加圧室10を格子状の配置にして、圧電アクチュエータ21を、行および列に沿った外辺を有する矩形状にすると、圧電アクチュエータ基板21の外辺から、加圧室10の上に形成されている個別電極25が等距離に配置されることになるので、個別電極25を形成する際に、圧電アクチュエータ基板21に変形が生じ難くできる。圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接合する際に、この変形が大きいと外辺に近い変位素子30に応力が加わり、変位特性にばらつきが生じるおそれがあるが、変形を少なくすることで、そのばらつきを低減できる。また、最も外辺に近い加圧室行11の外側にダミー加圧室16のダミー加圧室行が設けられているために、変形の影響をより受け難くできる。加圧室行11に属する加圧室10は等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25も等間隔で配置されている。加圧室行11は短手方向に等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25の列も短手方向に等間隔で配置されている。これにより、特にクロストークの影響が大きくなる部位をなくすことができる。
流路部材4を平面視したとき、1つの加圧室行11に属する加圧室10が、隣接する加圧室行11に属する加圧室10と、液体吐出ヘッド2の長手方向において、重ならないように配置することにより、クロストークを抑制できる。一方、加圧室行11の間の距離を離すと、液体吐出ヘッド2の幅が大きくなるので、プリンタ1に対する液体吐出ヘッド2の設置角度の精度や、複数の液体吐出ヘッド2を使用する際の、液体吐出ヘッド2の相対位置の精度が印刷結果に与える影響が大きくなる。そこで、隔壁15の幅を副マニホールド5bよりも小さくすることで、それらの精度が印刷結果に与える影響を少なくできる。
1つの副マニホールド5bに繋がっている加圧室10は、2行の加圧室行11を構成しており、1つの加圧室行11に属する加圧室10から繋がっている吐出孔8は、1つの吐出孔行9を構成している。2行の加圧室行11に属する加圧室10に繋がっている吐出孔8はそれぞれ、副マニホールド5bの異なる側に開口している。図4では隔壁15には、2列の吐出孔行9が設けられているが、それぞれの吐出孔行9に属する吐出孔8は、吐出孔8に近い側の副マニホールド5bに加圧室10を介して繋がっている。隣接する副マニホールド5bに加圧室行11を介して繋がっている吐出孔8と液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路間のクロストークが抑制できるので、さらにクロストークを小さくすることができる。加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路全体が、液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、さらにクロストークを小さくすることができる。
また、平面視において、加圧室10と副マニホールド5bとが重なるように配置することにより、液体吐出ヘッド2の幅を小さくできる。加圧室10の面積に対する、重なっている面積の割合が80%以上、さらに90%以上にすることで、液体吐出ヘッド2の幅をより小さくできる。また、加圧室10と副マニホールド5bとが重なっている部分の加圧室10の底面は、副マニホールド5bと重なっていない場合と比較して剛性が低くなっており、その差により吐出特性がばらつくおそれがある。加圧室10全体の面積に対する、副マニホールド5bと重なっている加圧室10の面積の割合を、各加圧室10で略同じにすることで、加圧室10を構成する底面の剛性が変わることによる吐出特性のばらつきを少なくすることができる。ここで略同じとは、面積の割合の差が、10%以下、特に5%以下であることを言う。
1つのマニホールド5に繋がっている複数の加圧室10により加圧室群が構成されており、マニホールド5が2つあるため、加圧室群は2つある。各加圧室群内における吐出に関わる加圧室10の配置は同じで、短手方向に平行移動させた配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に
、加圧室群間などの少し間隔が広くなった部分があるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。つまり、これらの加圧室10によって形成された加圧室群は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出孔面4−1に開口している吐出孔8に繋がるディセンダが伸びている。ディセンダは、平面視において、加圧室10から離れる方向に伸びている。より具体的には、加圧室10の長い対角線に沿う方向に離れつつ、その方向に対して左右にずれながら伸びている。これにより、加圧室10は各加圧室行11内での間隔が37.5dpiになっている格子状の配置にしつつ、吐出孔8は、全体で1200dpiの間隔で配置することができる。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図4に示した仮想直線のRの範囲に、各マニホールド5に繋がっている16個の吐出孔8、全部で32個の吐出孔8が、1200dpiの等間隔となっているということである。これにより、全てのマニホールド5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に1200dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つのマニホールド5に繋がっている1個の吐出孔8は、仮想直線のRの範囲で600dpiの等間隔になっている。これにより、各マニホールド5に異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で2色の画像が形成可能となる。この場合、2つの液体吐出ヘッド2を用いれば、600dpiの解像度で4色の画像が形成可能となり、600dpiで印刷可能な液体吐出ヘッドを用いるよりも、印刷精度が高くなり、印刷のセッティングも簡単にできる。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように、個別電極列および個別電極群を構成している。引出電極25bは、一端部が個別電極本体25aに接続されており、他端部が加圧室10の鋭角部を通り、加圧室10の外側で、加圧室10の2つの鋭角部10aを結ぶ対角線を延長した列と重ならない領域に引き出されている。これによりクロストークが低減できる。
また、圧電アクチュエータ基板21の上面(第2の主面21a−1にあたる)には、共通電極24とビアホールを介して電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。
圧電アクチュエータ基板21は、後述のようにビアホールを形成した圧電セラミック層21a、共通電極24、圧電セラミック層21bを積層し、焼成した後、個別電極25および共通電極用表面電極28を同一工程で形成するのが好ましい。個別電極25と加圧室10との位置ばらつきは吐出特性に大きく影響を与えこと、個別電極25を形成した後、焼成すると圧電アクチュエータ基板21に反りが生じるおそれがあり、反りが生じた圧電アクチュエータ基板21を流路部材4に接合すると、圧電アクチュエータ基板21に応力が加わった状態になり、その影響で変位がばらつくおそれがあることから、個別電極25は、焼成後に形成される。共通電極用表面電極28も同様に反りを生じされるおそれがあ
ることと、個別電極25と同時に形成した方が、位置精度が高くなり、工程も簡略化できるので、個別電極25と共通電極用表面電極28は同一工程で形成される。
このような圧電アクチュエータ基板21を焼成する際に生じるおそれのある、焼成収縮によるビアホールの位置ばらつきは、主に圧電アクチュエータ基板21の長手方向に生じるので、共通電極用表面電極28が偶数個あるマニホールド5の中央、別の言い方をすれば、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央に設けられており、共通電極用表面電極28が圧電アクチュエータ基板21の長手方向に長い形状をしていることにより、ビアホールと共通電極用表面電極28とが位置ずれにより電気的に接続されなくなることを抑制できる。
圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部92が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。その際、圧電アクチュエータ基板21aの引出電極25bおよび共通電極用表面電極28の上に、それぞれ、接続電極26および共通電極用接続電極を形成して接続することで、接続が容易になる。また、その際、共通電極用表面電極28および共通電極用接続電極の面積を接続電極26の面積よりも大きくすれば、信号伝達部92の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)にける接続が、共通電極用表面電極28上の接続により強くできるので、信号伝達部92が端からはがれ難くできる。
また、吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜j、カバープレート4kおよびノズルプレート4lである。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5を構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体2aは、加圧室10は流路部材4の上面に、マニホールド5は内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路12を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介してマニホールド5と吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔あるいは溝について説明する。これらの孔あるいは溝には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端からマニホールド5へと繋がる個別供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート4c(詳細にはマニホールド5の出口)までの各プレートに形成されている。なお、この個別供給流路14には、アパーチャプレート4cに形成されている、流路の断面積が小さくなっている部位であるしぼり6が含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート4l(詳細には吐
出孔8)までの各プレートに形成されている。ノズルプレート4lの孔は、吐出孔8として、流路部材4の外部に開口している径が、例えば10〜40μmのもので、内部に向かって径が大きくなっていくものが開けられている。第4に、マニホールド5を構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート4e〜jに形成されている。マニホールドプレート4e〜jには、副マニホールド5bを構成するように隔壁15が残るように孔が形成されている。各マニホールドプレート4e〜jにおける隔壁15は、マニホールド5となる部分全体を孔にすると、保持できない状態になるので、隔壁15は、ハーフエッチングしたタブで各マニホールドプレート4e〜jの外周と繋がった状態にされる。
第1〜4の連通孔は、吐出される液体が流れえる孔であり、相互に繋がり、マニホールド5からの液体の流入口(マニホールド5の出口)から吐出孔8に至る個別流路12を構成している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14に入り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8へと進む。
第5に、接着剤の逃がし部である、孔あるいは溝である。接着剤の逃がし部は、接着する際に過剰となった接着剤が、吐出される液体が流れる流路に入り込んで、塞いだり、断面積が変わることで吐出特性に影響が出たりすることを抑制する。また、孔あるいは溝がない領域がある程度広くなると、接着剤が逃げるところがないので、接着剤層の厚さが厚くなるので、そのような場所に設けられる。また、それら接着剤の逃がし部の一部は繋がって温調用流路35となり、それらはヘッド本体2aの長手方向の両端で開口35aとして、外部に開口している。開口35aには一方から温調用液体がポンプなどで入れられ、他方から排出された、ヘッド本体2aの温度を調整する。
ヘッド本体2aの吐出孔8が形成されている領域は、その短手方向の寸法が短い方が、液体吐出ヘッド2が傾いて設置され際の印刷精度の低下が小さくなるので好ましい。そのため、吐出される液体が流れる流路は、できるだけ密に配置される。接着剤の逃がし部は、基本的に、吐出される液体が流れる流路となる孔または溝から所定の距離離れた位置に形成される。そうすることで、流路となる孔または溝に流れ込む接着剤が、まわりの接着剤の逃がし部が形成されている領域までに供給されたものなるため、内部に流れ込む、接着剤量を少なくすることができる。
しかし、流路を密に配置しようとすると、それらが近接するので、そういった場所では、特に接着剤の逃がし部を設ける余地がなくなるし、設ける意味も小さくなってくる。流路となる孔または溝は、解像度を高くするため、ヘッド本体2aの長手方向に近接して配置されるので、接着剤の逃がし部は、ヘッド本体2aの長手方向に並んで配置されるようになる。これらを繋げるようにさらに孔あるいは溝を設け、さらにヘッド本体2aの両端で開口させることで、温調用流路35が構成できる。
温調用流路35に温度が調整された温調用液体を流すことで、ヘッド本体2aの温度調節をすることができるが、ヘッド本体2a内の温度を差を少なくするために次のようにすればよい。
温調用流路35は、基本的には接着剤の逃がし部を繋げたものであるので、流路となる孔あるいは溝にから所定の距離をあけて、それらに沿うような形状にされている。そのためそれらをただ単につなげると、流路抵抗の異なる部位が生じる。すなわち、接着剤の逃がし部の断面積(より詳細には、流れ込んだ接着剤の部分を除いた断面積)がほぼ同じで
あれば、流路のとなる孔あるいは溝に沿わせるために細かく屈曲させると経路長が長くなり、流路抵抗が大きくなる。そのような部分があると、温調用流路35が全部繋がっていたとしても、温調用液体は、主に流路抵抗の低い経路を流れることになる。例えば外部気温より高い60度にするように温調用液体を流しているとすると、流路抵抗の高い経路には温調用液体が流れ難いので、他より温度が低くなってしまう。
そのため、ヘッド本体2aの長手方向における吐出孔8の形成されている範囲である吐出孔形成範囲Nにおいて、温調用流路35を、ヘッド本体2aの長手方向に交差する方向に複数の経路が並ぶように配置する。具体的な状態を図5(a)、(b)を用いて説明する。
プレート4bには、吐出される液体が流れる孔A、Bが形成されている。孔Aは加圧室10から吐出孔8に向かう流路の一部であり、孔Bは、しぼり6と加圧室10とを繋ぐ流路である。プレート2aには、温調用流路35が形成されている。温調用流路35は、基本的には溝で形成されている。これによりプレート4aの剛性を高められる。温調用流路35は、ヘッド本体2aの長手方向の両端では孔となっており、この項は他のプレートの同じ位置に設けられた同様の孔と繋がり、外部への開口35aに至るようになっている。この孔は厳密には開口35aではないが、図には(35a)と付した(マニホールドの開口5aに繋がる孔に付した(5a)も同様の意味である)。
温調用流路35は、吐出孔形成範囲Nにおいて3つのパターンの温調用流路L1〜3が並んだ複数の経路に分けられている。図中の「・・・」は同様のパターンが並んでいることを示している。温調用流路L1〜3は、ヘッド本体2aの短手方向から順にL1、L2、L3と並んだあとL2とL3を交互に繰り返した後、短手方向の中央でL3、L2、L1と並び、残りの半分もそれらと同じ並びにされる。なお、L2は図5(a)において2本の経路に見えるが、吐出孔形成領域Nの端で繋がっている。そのようにできるは、図示した通り、図5(a)において2本に見えるL2の経路がほぼ同じ形状だからである。
L1〜3が上述のようなパターンになるのは、L1が1行の孔Aに対する逃がし溝であり、L2が2行の孔Bに対しする逃がし溝であり、L3が2行の孔Aに対する逃がし溝であり、それぞれパターンが違うためである。なお、L2は孔Bに単純に沿っていないのは、プレート4bに積層される他のプレートに形成されている孔あるいは溝に対する逃がし溝として働くように、それらにも沿うようにパターンニングされているためである。
温調量流路35の開口35aは、平面視した場合、マニホールドの開口5aより外側に位置している。これにより、マニホールド5aの端部近くまでが温調用流路35に近接して配置できるので温調の効果を高くできる。また、マニホールド5より下から上がってくる温調用流路35がマニホールド5と交差しないように配置し易い。温調用流路35は、平面視した場合、2つのマニホールドの開口5aの間を通り、温調量流路35の開口35aに至るようになっている。2つのマニホールド5の開口5aの間隔が、2つのマニホールド5の間隔よりも広くなっていることで、多数の温調用流路35が配置できるようになっている。
L1、L2、L3のパターンはそれぞれ違っているので同一の供給源から温調用液体を流すと、流量に差が生じヘッド本体2a内の温度ばらつきの要因となる。そのため流路抵抗の低いパターンに対しては、吐出孔形成範囲Nの外側に、流路抵抗を高くする流路抵抗調整部を繋げれば、全体の流路抵抗を高くする。流路抵抗調整部は、単に余分な経路を通るようにして経路長を長くしたり、そうするために螺旋状の経路や蛇行状の経路を設ければよい。そのようにすれは複数の経路の流路抵抗の差が小さくなり、流量の差を小さくできる。これ以外に、吐出孔形成範囲Nにおける経路長の短い経路の断面を他の経路より小
さくすることでも流路抵抗の差を小さくできる。なお、吐出孔形成範囲Nにおいて、流路となる孔もしくは溝と沿うのとは別に余分な屈曲部を設けて、流路抵抗を差を小さくしてもよい(ただし、そのようなパターンが設けられる余地はあまりない)。
なお、この説明では、温調用流路35は、ヘッド本体2aに長手方向に交差する方向のうちプレート4bの平面方向に分けて並んでいるが、プレートの積層方向に分けた形成してもよい。つまり、プレート間で温調用流路35の吐出孔形成領域Nにおける流路抵抗に差がある場合に、同様にして流路抵抗調整部などをつけることで、プレート間での流量の差を小さくし、温度分布の差を小さくできる。
また、1つのプレートに複数の経路がある場合、それらは、吐出孔形成範囲Nの外側で、図5(a)に示したように流路抵抗の異なるものが隣同士に並ぶことになる。もし仮に、流路抵抗の差の小さいものが並んでいた場合、L2の場合の用の吐出孔形成範囲Nの端部で繋げれば、流路を形成する空間の節約になるし、流量の差も大きくはならない。流路抵抗の異なるものが隣同士に並ぶと、それぞれに流路抵抗調整部を設けるのは、空間の使用効率が悪い。そこで、流路抵抗の近い経路は、他のプレートのまでの流路を設けて、まとめるようにすれば、設ける流路の面積を小さくできる。つまり、吐出孔形成範囲Nにおいて、流路抵抗の差の小さい経路は、吐出孔形成範囲Nの外側で、他のプレート間に導くことでそれぞれまとめ、流路抵抗の小さい経路に流路抵抗調整部を設ければよい。
圧電アクチュエータ基板21は、圧電体である2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、例えば、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびとAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。個別電極25は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体25aと、そこから引き出された引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極が形成されている。接続電極は、例えば銀粒子を含ませて、導電性とした樹脂からなり、厚さが5〜100μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極は、信号伝達部92に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極25には、制御部100から信号伝達部92を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内の全ての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24の厚さは2μm程度である。共通電極24は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極に、圧電セラミック層21bに形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極は、多数の個別電極25と同様に、信号伝達部92上の別の電極と接続されている。
なお、後述のように、個別電極25に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極25に対応する加圧室10の体積が変わり、加圧室10内の液体に圧力が
加えられる。これによって、個別流路12を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子30に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする圧電アクチュエータである変位素子30が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極24、圧電セラミック層21b、個別電極25により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には加圧部である変位素子30が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は1.5〜4.5pl(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極25は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部92および配線を介して、個別に制御部100に電気的に接続されている。個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部100により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極25を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極25に供給することになる。このパルス幅は、圧力波がしぼり6から吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、加圧
室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行なわれる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり、好ましい。
以上のような液体吐出ヘッド2は、例えば、以下のようにして作製する。ロールコータ法、スリットコーター法などの一般的なテープ成形法により、圧電性セラミック粉末と有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21a、21bとな
る複数のグリーンシートを作製する。グリーンシートの一部には、その表面に共通電極24となる電極ペーストを印刷法等により形成する。また、必要に応じてグリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を充填する。
ついで、各グリーンシートを積層して積層体を作製し、加圧密着した後、長方形状に切断し、さらに、高濃度酸素雰囲気下で焼成する。焼成の圧電アクチュエータ素体の表面に有機金ペーストをスクリーン印刷で印刷し、焼成して個別電極25を形成した。スクリーン印刷は、枠に対して45度の角度でメッシュを貼りつけてあるスクリーンを用いて、長方形状の圧電アクチュエータ素体をスクリーンの枠と平行になるように置き、スキージを圧電アクチュエータ素体の長手方向に平行に移動させて印刷した。その後、Agペーストを用いて接続電極26を印刷し、焼成することにより、圧電アクチュエータ基板21を作製する。
次に、流路部材4を、圧延法等により得られプレート4a〜lを、接着層を介して積層して作製する。プレート4a〜lに、マニホールド5、個別供給流路14、加圧室10およびディセンダ、接着剤の逃がし部などとなる孔あるいは溝を、エッチングにより所定の形状に加工する。ノズルプレート4lは、型を用いてニッケルを主体とする組成で電鋳法で作製した。
これらプレート4a〜lは、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
上述の工程の接着は、例えば接着層を介してする加熱接着積層で行なう。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ基板21や流路部材4への影響をおよぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを加熱接合することができる。
このように作製した液体吐出ヘッドでは、吐出される液体が両端のマニホールド5の開口5から供給され、変位素子30に加えられた電圧により吐出される。また、温調用流路35の開口35aのうちの片方から温調量液体が供給され、他方から排出されることで、温度が所定範囲に保たれる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜l・・・プレート
4−1・・・吐出孔面
4−2・・・加圧室面
5・・・マニホールド(共通流路)
5a・・・(マニホールドの)開口
5b・・・副マニホールド
6・・・しぼり
8・・・吐出孔
9・・・吐出孔行
10・・・加圧室
11・・・加圧室行
12・・・個別流路
14・・・個別供給流路
15・・・隔壁
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a・・・個別電極本体
25b・・・引出電極
30・・・変位素子(加圧部)
35、L1、L2、L3・・・温調用流路
35a・・・温調用流路の開口
92・・・信号伝達部

Claims (7)

  1. 吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している液体吐出ヘッド用の流路部材であって、
    前記流路部材は、一方方向に長く、
    前記複数のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートには、温度調節用の液体が流れる温調用流路となる、温調用孔および温調用溝のうちの少なくとも一方が、前記複数の孔に沿うように設けられており、
    前記温調用流路は、前記流路部材の前記一方方向の両端部でそれぞれ外部に開口しているとともに、前記一方方向における前記吐出孔が開口している範囲である吐出孔開口範囲において、前記一方方向に交差する方向に並んでいる複数の経路を有し、
    前記複数の経路には、前記吐出孔開口範囲における流路抵抗が異なるものが含まれており、前記吐出孔開口範囲における流路抵抗の低い経路には、前記吐出孔開口範囲の外側に流路抵抗を高くする流路抵抗調整部が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド用の流路部材。
  2. 吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している液体吐出ヘッド用の流路部材であって、
    前記流路部材は、一方方向に長く、
    前記複数のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートには、温度調節用の液体が流れる温調用流路となる、温調用孔および温調用溝のうちの少なくとも一方が、前記複数の孔に沿うように設けられており、
    前記温調用流路は、前記流路部材の前記一方方向の両端部でそれぞれ外部に開口しているとともに、前記一方方向における前記吐出孔が開口している範囲である吐出孔開口範囲において、前記一方方向に交差する方向に並んでいる複数の経路を有し、
    前記複数の経路には、前記吐出孔開口範囲における流路長の異なるものが含まれており、前記吐出孔開口範囲における流路長が短い経路の断面積が、流路長が長い経路の断面積より小さくなっていることを特徴とする液体吐出ヘッド用の流路部材。
  3. 前記流路部材は、複数の前記吐出孔と、前記複数の吐出孔と繋がっている共通流路とを備えており、
    該共通流路は、前記流路部材の一方の主面の、前記流路部材の前記一方方向の両端部でそれぞれ外部に開口しており、
    前記温調用孔および前記温調用溝のうちの少なくとも一方が設けられている前記プレートが、前記吐出孔開口範囲において前記共通流路となる前記孔が開口している前記プレートよりも前記一方の主面に近い側および前記一方の主面から遠い側の両方に積層されており、
    前記温調用流路の両端部の開口は、それぞれ前記共通流路の両端部の開口よりも前記一方方向の外側で開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  4. 前記共通流路が複数あり、かつ平面視したときの、前記一方の主面に開口している複数の前記共通流路の両端部の開口部の間の間隔が、前記吐出孔開口範囲における複数の前記共通流路の間の間隔より広く、
    前記吐出孔開口範囲において前記共通流路となる前記孔が開口している前記プレートよりも前記一方の主面に近い側に設けられている前記温調用流路が、平面視したときに、前記共通流路の開口部の間を通っていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  5. 請求項1〜4に記載の流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項5に記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、前記温調用流路に温調用液体を流すポンプとを備えていることを特徴とする記録装置。
  7. 吐出される液体の流路となる複数の孔が開口している複数のプレートが接着積層されており、前記複数の孔の一部が吐出孔となって外部に開口している流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを含む液体吐出ヘッドの使用方法であって、
    前記複数のプレートのうち少なくとも1枚のプレートに、前記複数の孔に沿うように接着剤の逃がし溝および逃がし孔の少なくとも一方が設けられており、前記逃がし溝あるいは逃がし孔は、複数の開口部で流路部材の外部に開口しており、前記複数の開口部の一部から前記複数の開口部の他の一部へ、温度調節用の液体を流すことを特徴とする液体吐出ヘッドの使用方法。
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