JP2007021887A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出口(ノズル)配列の高密度化、リフィル性の向上を達成し、高粘度液の吐出にも対応可能な液体吐出ヘッド及びその製造方法を提供し、併せて、かかる液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】圧力室(22)の一部の面を形成する振動板(34)の圧力室側とは反対側に第1の電極(50)が形成され、当該振動板(34)の第1の電極側に複数の圧力室(22)に対して液体を供給する共通液室(40)が形成される。圧電部材(34)は、共通液室(40)の一部の壁を形成するとともに該壁面から圧力室(22)に対応する位置の振動板(34)に向かって延出する凸部(36A)を有し、当該圧電部材(36)の凸部(36A)とは反対側の面に凸部(36A)の位置に対応して第2の電極(56)が形成される。また、この凸部(36A)を柱として圧電部材(36)と振動板(34)との間に形成される共通液室(40)の接液部には絶縁膜(54)が被着される。
【選択図】 図4(a)
【解決手段】圧力室(22)の一部の面を形成する振動板(34)の圧力室側とは反対側に第1の電極(50)が形成され、当該振動板(34)の第1の電極側に複数の圧力室(22)に対して液体を供給する共通液室(40)が形成される。圧電部材(34)は、共通液室(40)の一部の壁を形成するとともに該壁面から圧力室(22)に対応する位置の振動板(34)に向かって延出する凸部(36A)を有し、当該圧電部材(36)の凸部(36A)とは反対側の面に凸部(36A)の位置に対応して第2の電極(56)が形成される。また、この凸部(36A)を柱として圧電部材(36)と振動板(34)との間に形成される共通液室(40)の接液部には絶縁膜(54)が被着される。
【選択図】 図4(a)
Description
本発明は液体吐出ヘッド及びその製造方法、並びに画像形成装置に係り、特にインクジェットプリンタ等の記録ヘッド(印字ヘッド)として好適な液体吐出ヘッドの構造及びその製造方法、並びに液体吐出ヘッドを備える画像形成装置に関する。
近年、インクジェットプリンタの分野では、印字画像の高品質化や印字速度の高速化が望まれており、ドットの微細化並びにドットの高密度化を達成する技術が求められている。かかる観点から、記録ヘッドのノズル(吐出口)配列を高密度化し、吐出効率を向上させるための様々な提案がなされている(特許文献1〜3等)。
特許文献1には、1列に配列されたアクチュエータユニットに対して複数列の液室ユニットを備えたインクジェットヘッドが開示されている。
特許文献2には、d31と比べて圧電定数の大きなd33モードで振動する圧電素子をダミー振動子とともに固定基板に固定する構造によって、吐出効率の向上並びに製造の歩留まり向上を達成する技術が開示されている。
特許文献3には、2列のノズル列を有するインクジェットヘッドにおいて、振動板に厚肉部と薄肉部とを形成し、圧電素子が接合される厚肉部によって薄肉部の領域を分離するともに、該薄肉部を2つのノズル列に対応する各加圧液室(圧力室)で共有する構造が開示されている。
特開平7−156383号公報
特開平10−181014号公報
特開2004−106356号公報
特許文献1〜3で提案されているインクジェットヘッドについて、各圧力室へのインク供給流路(共通流路)の構成に注目すると、特許文献1では、複数の圧力室が形成されている平面と同一平面に圧力室へのインク供給流路が形成されている。また、特許文献2,3では、複数の圧力室が形成されている平面から圧電素子を避けるように、圧電素子側にインク供給流路が形成されている。
このような構成でノズル列を更に多列化し(3列以上)、ノズルをマトリクス状に配置した場合、共通流路を避けるように圧電素子や圧力室を配置する必要があり、高密度化が困難である。
特に、高粘度インクを用いた場合、共通流路での圧力損失を低減するために共通流路の断面積を大きくする必要があり、更に高密度化が困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、吐出口(ノズル)配列の更なる高密度化、リフィル性の向上を達成し、高粘度液の吐出にも対応可能な液体吐出ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とし、併せて、かかる液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、前記圧力室の一部の面を形成する振動板と、前記振動板の前記圧力室側とは反対側に形成される第1の電極と、前記振動板の前記第1の電極側に設けられ、前記複数の圧力室と連通するとともにこれら複数の圧力室に対して液体を供給する共通液室と、前記共通液室の一部の壁を形成するとともに該壁面から前記圧力室に対応する位置の前記振動板に向かって延出する凸部を有する圧電部材と、前記圧電部材の前記凸部とは反対側の面に前記凸部の位置に対応して形成された第2の電極と、前記圧電部材の凸部を柱として前記圧電部材と前記振動板との間に形成される前記共通液室の接液部に被着させた絶縁膜と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、振動板を挟んで圧力室側とは反対側に共通液室が形成され、この共通液室を貫くように、圧電アクチュエータ部が柱状に形成される。すなわち、本発明では、振動板上の第1の電極と、圧電部材上の第2の電極と、これら両電極間に挟まれる圧電部材の圧電材料とによって、各圧力室を加圧するための圧電アクチュエータ(圧電素子)部が構成される。また、この圧電アクチュエータ部は、共通液室の壁部材と一体の圧電部材であるため、当該圧電アクチュエータ部が共通液室の空間を確保する柱構造として機能する。
かかる構造によって、共通液室の剛性を確保できると同時に、高密度のノズル配置が可能となる。また、共通液室から各圧力室への液体供給路の流路抵抗を下げることができ、高粘度液であっても、十分な液体供給量を確保することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記第1の電極と前記第2の電極の間に挟まれて介在する前記圧電部材の圧電材料のd33モードによる変形を利用して前記圧力室を加圧する構成であることを特徴とする。
第1及び第2の電極間に駆動電圧が印加されると、電極間に介在する圧電材料がd33モードで変形し、振動板を介して圧力室の体積変形を生じさせる。これにより、圧力室内の液体が加圧され、吐出口より液が吐出される。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記圧電部材の前記第2の電極側の端面を拘束する拘束部材を備えていることを特徴とする。
d33モードによる変位を利用して圧力室を加圧する構成の場合、圧電アクチュエータの振動板と反対側の端部を拘束(固定)することにより、一層大きな排除体積を得ることができ、吐出効率が向上する。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記複数の吐出口は、吐出面内において2次元配列され、該2次元配列は、第1の方向に沿って吐出口が直線状に並ぶ吐出口列が3列以上形成されるマトリクス状の配列であることを特徴とする。
本発明は、非常に高密度のノズル配置を実現できるため、特に、3列以上のノズル列を有するマトリクスヘッドを実現するための有効な手段となる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記第1の電極は、各圧力室に対応する複数の前記凸部に対して共通のグランド電極となる共通電極であり、前記第2の電極は、各凸部の位置に対応して個別に分離された個別電極であることを特徴とする。
かかる電極構成は、配線の取り出しが容易であり、製造工程の簡易化を実現できる。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記振動板は樹脂材料によって形成されることを特徴とする。
低ヤング率の柔軟な樹脂材料を用いて振動板を作成することにより、圧電アクチュエータの変位を効率よく圧力室の変形に活用することができ、吐出効率の向上及び吐出の安定化を図ることができる。
請求項7に記載の発明は、前記目的を達成する画像形成装置を提供する。すなわち、請求項7に係る画像形成装置は、請求項1乃至6の何れか1項記載の液体吐出ヘッドを有し、前記吐出口から吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
請求項7記載の画像形成装置の一態様としてのインクジェット記録装置は、ドットを形成するためのインク液滴を吐出するための吐出口(ノズル)及び吐出圧を発生させる圧力発生手段(圧電アクユエータ)を含む液滴吐出素子(インク液室ユニット)を高密度に多数配置した液体吐出ヘッド(記録ヘッド)が用いられる。また、入力画像から生成されたインク吐出用データ(ドット画像データ)に基づいて前記液体吐出ヘッドからの液滴の吐出を制御する吐出制御手段とを備え、前記ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成する。
かかる印字用の液体吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルを配列させたフルライン型のヘッドを用いることができる。フルライン型のヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って延在するように配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。
インクジェット方式の液体吐出ヘッド(印字ヘッド)を用いてカラー画像を形成する場合は、複数色のインクの色別にヘッドを配置してもよいし、1つのヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
「記録媒体」は、液体吐出ヘッドのノズルから吐出される液の付着を受ける媒体であり、画像形成装置においては、記録紙等の媒体がこれに相当する。すなわち、「記録媒体」は、印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るものであり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と液体吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対してヘッドを移動させる態様、或いは、ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
請求項8に係る発明は、前記目的を達成する製造方法発明を提供する。すなわち、請求項8に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、前記圧力室の一部の面を形成する振動板と、前記振動板の前記圧力室側とは反対側に形成される第1の電極と、を備える流路構造体を作成する工程と、前記複数の圧力室に対して液体を供給する共通液室の一部の壁を形成するとともに該壁面から前記圧力室に対応する位置の前記振動板に向かって延出する凸部を有する圧電部材と、前記圧電部材の前記凸部とは反対側の面に前記凸部の位置に対応して形成された第2の電極と、を備える圧電構造体を作成する工程と、前記流路構造体の前記第1の電極側に前記圧電構造体の前記凸部側を接合する工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、高密度化及び高粘度液対応が可能な液体吐出ヘッドを製造することができる。その際、共通液室を構成する柱及び壁と、圧力室を加圧する圧電素子を同時に形成することができる。これにより、製造の効率化を実現できる。
また、請求項9に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、単結晶の圧電体基板の上下両面に電極を形成する電極形成工程と、前記電極を利用して圧電体の分極処理を行う分極工程と、前記圧電体基板の上面側に形成された前記電極の一部を除去し、個別電極のパターンを形成する個別電極パターニング工程と、前記圧電体基板の下面側に形成された前記電極の一部とともに該圧電体基板の一部を除去し、当該圧電基板の下面側に複数の柱状の凸部と共通液室の壁の一部を形成する加工工程と、前記加工工程を経て作成された圧電構造体における前記共通液室の接液部を絶縁膜で被覆する絶縁コーティング工程と、上面に共通電極を有し、且つ前記共通液室からの液体供給口となる貫通孔が形成された振動板を作成する振動板作成工程と、前記圧電構造体の前記凸部側を前記振動板の前記共通電極側に接合する接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、高密度化及び高粘度液対応が可能な液体吐出ヘッドを製造することができる。その際、共通液室を構成する柱及び壁と、圧力室を加圧する圧電素子を同時に形成することができる。これにより、製造の効率化を実現できる。更に、凸部電極を形成することで、圧電素子凸部端全体が均一な電位(等電位面)となる。これによって、圧電素子の確実な動作が可能となる。
また、請求項9の態様によれば、圧電体分極を圧電体単体で行うことができるとともに、駆動時より高電圧をかけることができ、分極を確実に行うことができる。
本発明によれば、d33モードの高出力という特徴を活かしつつ、高密度化及び高粘度液への対応を可能とする液体吐出ヘッドを提供することができる。また、この液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置を提供することができ、高速且つ高画質の画像形成を実現できる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔液体吐出ヘッドの構造〕
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構造を模式的に示した平面透視図であり、図2はその要部拡大図である。
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構造を模式的に示した平面透視図であり、図2はその要部拡大図である。
図示の液体吐出ヘッド10は、インクジェット記録装置に用いられる印字ヘッドである(記録ヘッド、或いはプリントヘッドとも呼ばれる)。図1に示すように、この液体吐出ヘッド10は、インク吐出口であるノズル21と、各ノズル21に対応する圧力室22を含んで構成される複数のインク室ユニット(1ノズルに対応した記録素子単位となる液滴吐出素子)23をマトリクス状に2次元配列させた構造を有している。
図示のマトリクス配列について、説明の便宜上、図1の横方向を行方向(後述するフルライン型インクジェット記録装置における主走査方向)、図1の縦方向(副走査方向)を列方向とする。
各ノズル21に対応して設けられている圧力室22は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル21への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(図1中不図示、図4(a)中符号44で示す個別供給路の連通口に相当)が設けられている。圧力室22の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図2に示すように、本例の液体吐出ヘッド10は、複数のインク室ユニット23を、行方向と、該行方向に対して直交しない斜めの列方向(図2の略縦方向)とに沿って一定の配列パターンでマトリクス状に(斜めの格子状に)配置させた構造によって、高密度ノズル配列ヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向方向(行方向)に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット23を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル21が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
図示の2次元配列を別の観点で表現すると、主走査方向(行方向)に並ぶノズル21のノズル列内のノズル間隔NLmは一定であるとし(各行の主走査方向ノズル間隔は全て同じNLmとし)、各行のノズル21-ij は主走査方向に沿って互いのノズル位置を行間で異ならせながら千鳥状に配置される。すなわち、ノズル面(吐出面)内における2次元ノズル配列の主走査方向ノズル列のノズル行数(副走査方向のノズル数)をn(図2の場合、n=6)、記録媒体上で主走査方向に沿って並ぶドットを打滴するノズルの実質的な主走査方向ノズル間ピッチをPとすると、NLm=n×P の関係を満たす。また、副走査方向(ノズル配列の列方向)について各行の行間隔(副走査方向のノズル間距離)Ls は一定である。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図2に示すようなマトリクス状に配置されたノズル21を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル21-11 、21-12 、21-13 、21-14 、21-15 、21-16 を1つのブロックとし(他にはノズル21-21 、…、21-26 を1つのブロック、ノズル21-31 、…、21-36 を1つのブロック、…として)、記録媒体の搬送速度に応じてノズル21-11 、21-12 、…、21-16 を順次駆動することで記録媒体の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録媒体の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本例では、行方向に沿ってノズル21が並ぶノズル列を列方向に6列並べた構成を示すが、本発明の実施に際して、ノズル列の数(行数)nは特に限定されない。ただし、高密度化を達成すべく、nは3以上の整数(3列以上)であることを前提とする。
なお、フルライン型のヘッドを構成する形態は、図1のように1ヘッドで記録媒体の送り方向と略直交する方向に記録媒体の全幅に対応する長さにわたりるノズル列を構成する形態に限定されない。例えば、図1の構成に代えて、図3に示すように、複数のノズル121が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール10’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
図4(a)は液体吐出ヘッド10内の1チャンネル分に相当するインク室ユニット23の立体的構造を示す断面図である。
図4(a)に示すように、本例の液体吐出ヘッド10は、複数のプレート部材が積層されて形成されている。図中符号31はノズルプレート、32-1〜32-3 は流路プレート、34は振動板、36は圧電体(「圧電部材」に相当)、38は拘束部材であり、振動板34と圧電体36とで挟まれる空間に各圧力室22へのインク供給を行う共通液室40が形成される。
ノズルプレート31にはノズル21の穴が穿設されている。流路プレート32-1〜32-3は、それぞれ所望の形状のインク流路を形成する部材であり、これら流路プレート32-1〜32-3 の積層体によって、圧力室22の空間と、該圧力室22からノズル21へと繋がる連通路(ノズル流路)42と、共通液室40から圧力室22にインクを導く個別供給路44と、が形成される。
流路プレート32-3 の上には、圧力室22の一部の面(図4(a)において天面)を形成する振動板(加圧板)34が積層される。振動板34は、ポリイミドなどの樹脂で形成されることが好ましい。金属と比較して低ヤング率の材料を用いて振動板34を形成することにより、吐出動作に対する振動板の剛性の影響が小さくなり、吐出が安定する。
振動板34には、インク供給口45に相当する貫通孔(開口部)が形成されており、該インク供給口45及び個別供給路44を通して、共通液室40と圧力室22とが連通する。
振動板34の上面(圧力室22と反対側の面)には、圧電駆動用の共通電極50が形成される。
圧電体36は、圧力室22を加圧する圧電アクチュエータとして機能する凸部(柱状部)36Aと、共通液室40の壁部材(図4(a)において共通液室40の天面を封止する壁部材)として機能する基底部36Bと、を有し、凸部36Aの先端が導電性接着剤52を介して共通電極50上に接合されている。すなわち、凸部36の先端面には電極64が形成されており(図5にて詳述)、この電極64が図4(a)に示すように、導電性接着剤52によって共通電極50と電気的に接続される。
なお、導電性接着剤52を共通電極50面上に形成するに際し、インク供給口45の孔を塞がないように、共通電極50の全面に導電性接着剤52を均一に形成する方法としては、ステンレス鋼(SUS)の流路プレートを接着するときと同様な公知の手法(例えば、転写方式)を用いることができる。
また、インクと接する共通液室40の内周面(圧電体36の凸部36A側面、基底部36Bの下面を含む接液面)には、耐液性の観点から絶縁膜54がコーティングされている。
図4(b)は、図4(a)の凸部36Aと振動板34の接合部を拡大した部分拡大図である。図示のように、共通電極50の上面に形成される導電性接着剤52は、絶縁性のあるバインダー(接着剤)52A中に導電粒子(導電フィラー)52Bを分散させた構成から成る異方性導電接着剤であり、凸部36Aの電極64を押し当てた部分が導通し、凸部36Aの電極64を押し当てていない部分(符号55で示した領域)はバインダー52Aにより絶縁されている。
したがって、符号55で示した領域について、更なる絶縁コーティングは不要である。このように、共通電極50の全面に形成された導電性接着剤52が共通電極50の保護層の役割も果たしている。なお、本実施形態では、共通電極50はグランドなので、絶縁性の要求は低いと考えられる。
上記の共通電極50側の接合部となる凸部36Aの背面側、すなわち、図4(a)において圧電体36の凸部36Aと反対側の面(図4(a)において上面)には、当該凸部36Aに対応する領域に個別電極56が形成されている。この個別電極56と、これに対向する共通電極50と、これら電極間に挟まれるように介在する圧電体36(凸部36Aとその基端部を含む部分)とで圧電アクチュエータ(圧電素子)が構成される。以後、この圧電アクチュエータ部に相当する圧電活性部を符号58として表し、「圧電素子」と呼ぶことにする。
各圧電素子58の個別電極56は、不図示の配線部材(例えばフレキシブルケーブル等)を介して駆動回路と接続される。
圧電体36の上面(個別電極56が形成された面側)に接合された拘束部材38は、圧電素子58の一端(振動板34側と反対側の端)を拘束(固定)する高剛性体である。拘束部材38によって圧電素子58の一端が固定され、他方の端が低剛性の振動板34に接合されることで、d33モードによる縦方向変位を振動板34側の変位として効率よく利用することができ、大きな排除体積を得ることができる。なお、剛性の高い配線基板などを拘束部材として利用することも可能である。
個別電極56と共通電極50間に駆動電圧を印加することによって圧電素子58がd33モードで変形して圧力室22の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル21からインクが吐出される。圧電体36には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電材料が好適に用いられる。インク吐出後、圧電素子58の変位が元に戻る際に、共通流路40からインク供給口45を通って新しいインクが圧力室22に充填される。
上述のように、本実施形態に係る液体吐出ヘッド10は、圧力室22にインクを供給する共通液室40の一部が圧電素子58と一体の単一の圧電体36で形成されている。d33モードで変形する圧電素子58が共通液室40の上下方向の高さ(液室空間の厚み)を維持するための柱部材となっている。
共通液室40を振動板34の上側に配置し、インク供給口を通じて下方の各圧力室22へ直接的にインクを供給する構造のため、供給側の流路抵抗を小さくでき、インクのリフィル性を向上させることができる。
ここに示した共通液室40は、図1に示した全ての圧力室22に対してインクを供給するように、圧力室22が形成された全領域にわたって形成される1つの大きな空間となっているが、共通液室40は、このように1つの空間として形成されるものには限定されず、いくつかの領域に分かれて複数に形成されていてもよい。
また、各圧力室22を変形させる圧電素子58を振動板34上の共通電極50から略垂直に立ち上げて共通液室40中を貫通させ、共通液室40の上部壁部材と一体の圧電体36の上端面に個別電極56を形成するようにしたので、高密度化を実現できるとともに、配線の取り出しも容易である。更に、柱状の圧電素子58(凸部36A)が共通液室40の剛性を確保するという構造上の利点がある。
また、d33モードの変位を利用する本実施形態の構成では、圧電素子58の共振周波数を圧力室22の共振周波数と近いところに設計し、圧電素子58の共振も利用して吐出を行うことが望ましい。圧電素子58の長さ(電極間に挟まれて介在する圧電材料の厚さ、本例の場合、圧電体36の凸部36Aの長さ)が短いと、これを駆動するための駆動電圧の周波数を非常に高く設定して、共振を得る必要がある。したがって、なるべく駆動電圧の周波数をさげるために(駆動電圧の立ち上がりが実行可能なレベルにまでさげるために)、本実施形態の構造によって柱状の圧電素子58の長さを確保し、その寸法を適切に設定する。
上述した本実施形態に係る液体吐出ヘッド10によれば、高密度化を達成できるとともに、リフィル性の向上を達成でき、比較的高粘度のインク(例えば、20cp〜50cp程度)であっても、十分なインク供給量を確保することができる。
〔液体吐出ヘッドの製造方法〕
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッド10の製造方法の例について説明する。本実施形態に係る液体吐出ヘッド10は以下の手順で製造される。
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッド10の製造方法の例について説明する。本実施形態に係る液体吐出ヘッド10は以下の手順で製造される。
図5(a)に示すように、単結晶圧電体(バルク)36を用意し、これを所望の厚み寸法tにするために上面及び下面の両面を研磨する(図5(b))。
次に、図5(c)に示すように、上下両面に電極62,64を形成し、この電極62,64を利用して圧電体36の分極処理を行う。その後、図5(d)に示すように、上面の電極の一部を除去して個別電極56のパターニングを行う。この個別電極56のパターニング処理は、例えば、フォトリソグラフィの手法を用いて行われる。
次に、図5(e)に示すように、下面の電極64側(共通電極側)に保護膜66をコーディングしてから、圧力室22の配置形態に応じた所定の形状となるように、当該保護膜66の形成面側からダイシング等で加工し、図5(f)のように、所定の形状の凸部36Aを形成する。
柱状の凸部36Aを含む圧電体36の下面側は、インクと接する部分になるため、図5(g)に示すように、圧電体36の下面全体(露出面の全面)を絶縁膜54でコーティングして、耐液性を確保する。
次に、圧電体36の下面を研磨する。このとき、図5(h)のように、凸部36Aの先端部(共通電極側)の絶縁膜54が除去され、保護膜66が露出するまで研磨を行う。
その後、更に、保護膜66を除去することで、図5(i)に示すような圧電体36の構造体が得られる。この構造体を「上部圧電構造体」と呼ぶことにする。
その一方で、図6に示す手順によって、圧力室22を含む下部側の流路構造体を形成する。すなわち、図6(a)に示すように、振動板34としては、例えば、ポリイミドシートを用い、このポリイミドシートの片面(図の上面)にめっき等で電極(共通電極50)を形成する。当該電極付きのポリイミドシート(振動板34)に、エッチングやレーザ加工などの適宜の手段でインク供給口45を形成する(図6(b))。
また、SUSのエッチング等で形成された流路プレート32-1〜32-3 を積層し、これらを振動板34とともに接合(公知の接着剤を用いて接着)することで、図6(c)に示すように、圧力室22、ノズル流路42及び個別供給路44、インク供給口45を含んだ流路構造体が構成される。この構造体を「下部流路構造体」と呼ぶことにする。
上述の手順で得られた下部流路構造体と、上部圧電構造体とを図7に示すように、導電性接着剤52を用いて接合し、更に、ノズルプレート31及び拘束部材38を接合することで、図4(a)で説明した液体吐出ヘッド10が完成する。
〔インクジェット記録装置への適用例〕
図8は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドという。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
図8は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドという。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yとして、図1〜4で説明した構成の液体吐出ヘッド10が用いられる。
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図8では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図8のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図8に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方に不図示のモータの動力が伝達されることにより、ベルト133は図8上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図8の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図8に示した印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からドット相互の依存関係やドット変位量を測定する手段として機能するとともに、ノズルの目詰まりや着弾位置ずれなどの吐出不良をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部124の後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図8には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
上記の実施形態では、フルライン型のヘッドを用いたインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、シャトルスキャン方式のように、記録媒体(記録紙116その他の印字媒体)の幅寸法に満たない長さのヘッドを用いて、複数回走査して画像形成する場合にも本発明は適用可能である。
また、上述の説明では、インクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、印画紙に非接触で現像液等を塗布する液体吐出ヘッドを備えた写真画像形成装置についても本発明の液体吐出ヘッドを適用できる。更に、本発明の適用範囲は画像形成装置に限定されず、液体吐出ヘッドを用いて処理液その他各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する各種の装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
10…液体吐出ヘッド、21…ノズル、22…圧力室、23…インク室ユニット、31…ノズルプレート、32-1,32-2,32-3 …流路プレート、34…振動板、36…圧電体、36A…凸部、38…拘束部材、40…共通液室、45…インク供給口、50…共通電極、52…導電性接着剤、54…絶縁膜、56…個別電極、58…圧電素子、110…インクジェット記録装置、112K,112C,112M,112Y…ヘッド、116…記録紙(記録媒体)、122…ベルト搬送部
Claims (9)
- 液体を吐出する複数の吐出口と、
前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、
前記圧力室の一部の面を形成する振動板と、
前記振動板の前記圧力室側とは反対側に形成される第1の電極と、
前記振動板の前記第1の電極側に設けられ、前記複数の圧力室と連通するとともにこれら複数の圧力室に対して液体を供給する共通液室と、
前記共通液室の一部の壁を形成するとともに該壁面から前記圧力室に対応する位置の前記振動板に向かって延出する凸部を有する圧電部材と、
前記圧電部材の前記凸部とは反対側の面に前記凸部の位置に対応して形成された第2の電極と、
前記圧電部材の凸部を柱として前記圧電部材と前記振動板との間に形成される前記共通液室の接液部に被着させた絶縁膜と、
を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第1の電極と前記第2の電極の間に挟まれて介在する前記圧電部材の圧電材料のd33モードによる変形を利用して前記圧力室を加圧する構成であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
- 前記圧電部材の前記第2の電極側の端面を拘束する拘束部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数の吐出口は、吐出面内において2次元配列され、該2次元配列は、第1の方向に沿って吐出口が直線状に並ぶ吐出口列が3列以上形成されるマトリクス状の配列であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1の電極は、各圧力室に対応する複数の前記凸部に対して共通のグランド電極となる共通電極であり、
前記第2の電極は、各凸部の位置に対応して個別に分離された個別電極であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の液体吐出ヘッド。 - 前記振動板は樹脂材料によって形成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1乃至6の何れか1項記載の液体吐出ヘッドを有し、前記吐出口から吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、前記圧力室の一部の面を形成する振動板と、前記振動板の前記圧力室側とは反対側に形成される第1の電極と、を備える流路構造体を作成する工程と、
前記複数の圧力室に対して液体を供給する共通液室の一部の壁を形成するとともに該壁面から前記圧力室に対応する位置の前記振動板に向かって延出する凸部を有する圧電部材と、前記圧電部材の前記凸部とは反対側の面に前記凸部の位置に対応して形成された第2の電極と、を備える圧電構造体を作成する工程と、
前記流路構造体の前記第1の電極側に前記圧電構造体の前記凸部側を接合する工程と、
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 単結晶の圧電体基板の上下両面に電極を形成する電極形成工程と、
前記電極を利用して圧電体の分極処理を行う分極工程と、
前記圧電体基板の上面側に形成された前記電極の一部を除去し、個別電極のパターンを形成する個別電極パターニング工程と、
前記圧電体基板の下面側に形成された前記電極の一部とともに該圧電体基板の一部を除去し、当該圧電基板の下面側に複数の柱状の凸部と共通液室の壁の一部を形成する加工工程と、
前記加工工程を経て作成された圧電構造体における前記共通液室の接液部を絶縁膜で被覆する絶縁コーティング工程と、
上面に共通電極を有し、且つ前記共通液室からの液体供給口となる貫通孔が形成された振動板を作成する振動板作成工程と、
前記圧電構造体の前記凸部側を前記振動板の前記共通電極側に接合する接合工程と、
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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JP2005207213A JP2007021887A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | 液体吐出ヘッド及びその製造方法、並びに画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012071466A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Kyocera Corp | 圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置 |
-
2005
- 2005-07-15 JP JP2005207213A patent/JP2007021887A/ja active Pending
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