JP2006240296A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層接合時の接続信頼性を向上させることができる液体吐出ヘッドの構造及び製造方法を提供するとともに、その液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明による液体吐出ヘッドは、第1基板(26)と、第1基板(26)から略垂直に柱状に立ち上がるように噴射堆積法で形成された第1導電部材(31)と、第1導電部材(31)の端部に噴射堆積法で形成され第1導電部材(31)よりも硬度が低い第2導電部材(32)と、第2導電部材(32)の端部に接合される第2基板(34)と、第1基板(31)又は第2基板(26)の何れか一方の基板に配設されるとともに、第1導電部材(31)及び第2導電部材(32)から成る柱状の電気配線(30)と導通し、電気配線(30)を介して印加される駆動信号によって駆動されることで圧力室(22)内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生素子(28)と、を備える。
【選択図】 図9
【解決手段】本発明による液体吐出ヘッドは、第1基板(26)と、第1基板(26)から略垂直に柱状に立ち上がるように噴射堆積法で形成された第1導電部材(31)と、第1導電部材(31)の端部に噴射堆積法で形成され第1導電部材(31)よりも硬度が低い第2導電部材(32)と、第2導電部材(32)の端部に接合される第2基板(34)と、第1基板(31)又は第2基板(26)の何れか一方の基板に配設されるとともに、第1導電部材(31)及び第2導電部材(32)から成る柱状の電気配線(30)と導通し、電気配線(30)を介して印加される駆動信号によって駆動されることで圧力室(22)内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生素子(28)と、を備える。
【選択図】 図9
Description
本発明は液体吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置に係り、特に多数の吐出口(ノズル)を高密度に配置して成る液体吐出ヘッドの構造及び製造方法並びにその液体吐出ヘッドを用いて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置などの画像形成装置に関する。
インクジェット記録装置は、インク吐出用のノズルを備えた印字ヘッド(記録ヘッド)と記録紙等の記録媒体とを相対的に移動させながら、印字信号(画像信号)に応じて印字ヘッドからインクを吐出させることにより記録媒体上にインク滴を着弾させ、そのインクドットによって画像を形成する。
一般的な印字ヘッドは、ノズルに連通する圧力室にインクを供給し、該圧力室の駆動素子(圧電素子や加熱素子で構成される圧力発生素子)を駆動することで圧力室内の液体に圧力変動を与えてノズルから液滴を吐出させる構造を有している。印字ヘッドの具体的形態は様々であるが、多くの場合、流路形成用のプレート部材や駆動素子層、並びに配線基板など複数の薄板状(或いは薄膜状)部材を積層接合して製作される。
近年、インクジェットプリントの分野において写真プリント並みの高画質な画像形成が求められ、吐出液滴の小量化及びノズル配列の高密度化によって高解像度の画像出力を実現する試みがなされているが、ノズルの高密度化を実現するためには、駆動素子の電気配線やインク流路の構成を工夫することが不可欠である。電子回路の実装技術に関する分野においては、素子の小型化と高密度実装化に伴い、接合部のバンプやコネクタをガスデポジション法によって形成する方法が提案されている(特許文献1,2)。
特開平5−47771号公報
特開平6−310243号公報
印字ヘッドの製造工程において、ある構造体パーツを別のプレート状パーツに重ねて接合する際には積層方向に外力(接合圧力)が加わるため、比較的剛性の高い構造体パーツを剛性の低い部材(圧電体膜など)に接合する場合などには、接合時の圧力によって被接合側の薄膜等の部材にダメージを与えてしまうという問題がある。
例えば、圧電素子の上面電極に柱状の電気配線部材を接合する場合を想定すると、圧電体層がセラミックで作られている関係上、加圧に弱く、特に薄膜で構成される場合は、接合圧力によって圧電体層にクラックが入ったり、最悪のケースでは圧電素子が破損したりする可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、接合時の接続信頼性を向上させることができる液体吐出ヘッドの構造及びその製造方法を提供することを目的とし、併せて、当該液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、吐出口に連通する圧力室内に充填された液体を加圧することにより前記吐出口から液滴を吐出させる液体吐出ヘッドであって、第1基板と、前記第1基板の面に対して略垂直に当該第1基板から柱状に立ち上がるように噴射堆積法で形成された第1導電部材と、前記第1導電部材の前記第1基板側と反対側の端部に噴射堆積法で形成され前記第1導電部材よりも硬度が低い第2導電部材と、前記第2導電部材の前記第1導電部材側と反対側の端部に接合される第2基板と、前記第1基板又は前記第2基板の何れか一方の基板に形成されるとともに、前記第1導電部材及び前記第2導電部材から成る柱状の電気配線と導通し、前記電気配線を介して印加される駆動信号によって駆動されることで前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、噴射堆積法によって第1基板に柱状の第1導電部材を形成したので、第1基板と第1導電部材との電気的な接続に関して、接合による加圧接続が不要となり、外力が加わる接続点が削減される。また、第1導電部材の上に噴射堆積法によって相対的に低硬度の第2導電部材を形成することによって柱状の電気配線を構成し、当該電気配線の第2導電部材側を第2基板に接合(実装)する構成にしたので、接合部(実装部)の第2導電部材が接合時の加圧力を低減する作用を有し、外力(接合圧力)による第1及び第2基板の変形を防止できる。これにより、接続信頼性を向上させることができる。
なお、噴射堆積法は、材料の粉体を高速で基板に吹き付けて堆積させることにより膜を形成する技術であり、エアロゾルデポジション法又はガスデポジション法とも呼ばれる(以下「AD法」と記載する場合がある)。AD法は、スパッタリングなどの他の堆積法に比べて厚膜化が容易であり、また、原料の粉体の結晶構造を維持することができる利点がある。AD法を用いると、製膜条件を変えることで、異なる硬度の導電膜を容易に形成可能であり、また、硬度や組成が連続的に変化する傾斜構造を容易に形成することができる。
本発明において吐出圧力を発生させる圧力発生手段としては、圧電素子(圧電アクチュエータ)や発熱素子(ヒータ)などが用いられる。また、液体吐出ヘッドにおける吐出口の数やその配列形態については、特に限定されず、複数の吐出口が一次元に配列されたノズル列、或いは、複数の吐出口が2次元的に配列されたノズル列を有する形態があり得る。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記第2導電部材は、銅、アルミニウム、銀、金のうち何れか1つの材料を含んで構成されることを特徴とする。
軟質金属に分類される金属材料を用いて第2導電部材を形成する態様が実装適正の観点で好ましい。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記第1基板と前記第2基板の間には、前記圧力室に供給する液体を貯留するための共通液室が形成され、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の周囲に絶縁膜がコーティングされていることを特徴とする。
かかる態様によれば、圧力室を高密度に2次元配置できるため、吐出口の高密度化を実現できるとともに、第1導電部材及び第2導電部材から成る柱状の電気配線の構造体によってヘッドの強度を確保できる。また、電気配線の接液表面を絶縁膜で覆うことにより、耐液性を確保することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記圧力発生素子は、噴射堆積法で形成された圧電体を含む圧電素子であることを特徴とする。
圧力発生素子として機能する圧電素子も噴射堆積法で形成することにより、同一の製膜チャンバを利用した一体プロセスが可能であり、製造工程の簡略化及び低コスト化を実現できる。
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するための製造方法発明を提供する。すなわち、請求項5に係る発明は、吐出口に連通する圧力室内に充填された液体を加圧することにより前記吐出口から液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを製造する方法であって、第1基板又は第2基板の何れか一方の基板に、前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせるための圧力発生素子を形成する圧力発生素子形成工程と、前記第1基板の面に対して略垂直に当該第1基板から立ち上がる柱状の第1導電部材を噴射堆積法で形成する第1導電部材形成工程と、前記第1導電部材の前記第1基板側と反対側の端部に前記第1導電部材よりも硬度が低い第2導電部材を噴射堆積法で形成する第2導電部材形成工程と、前記第2基板を前記第2導電部材の前記第1導電部材側と反対側の端部に接合し、前記第1導電部材及び前記第2導電部材から成る柱状の電気配線を介して印加される駆動信号によって前記圧力発生素子を駆動可能とする接合工程と、を含むことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するための画像形成装置を提供する。すなわち、請求項6に係る画像形成装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載の液体吐出ヘッドを有し、前記吐出口から吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
例えば、当該画像形成装置に適用される液体吐出ヘッドは、画像データに基づいて圧力発生素子(圧電素子や発熱素子)を制御することで液滴吐出口(ノズル)から液滴が吐出され、所望のドット配置が実現される。
液体吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを用いることができる。
この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する比較的短尺の吐出ヘッドモジュールを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を構成する態様がある。
フルライン型のインクジェットヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってインクジェットヘッドを配置する態様もあり得る。
カラー画像を形成する場合は、複数色のインクの色別にフルライン型の印字ヘッドを配置してもよいし、1つの印字ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
「記録媒体」は、液体吐出ヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(被吐出媒体、印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と液体吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対して液体吐出ヘ
ッドを移動させる態様、或いは、液体吐出ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
ッドを移動させる態様、或いは、液体吐出ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
本発明によれば、柱状の電気配線を構成する第1導電部材によって構造体における必要な剛性を確保できると同時に、接合部では、低硬度の第2導電部材によって加圧力低減が可能である。また、噴射堆積法を利用したことで接続点が削減されるため、接合部における第2導電部材の作用と相まって、接続信頼性を確保できる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態を示すインクジェット方式の印字ヘッド(以下、「印字ヘッド」という。)10の平面透視図であり、図2は印字ヘッド10の一部を模式的に描いた斜視透視図である。
〔印字ヘッドの構造〕
図1に示したように、この印字ヘッド10は、インクを液滴として吐出するノズル21と、各ノズル21に対応する圧力室22と、図1では図示を省略した共通液室(図2中符号25)から個々の圧力室22にインクを供給するための個別供給口23とを含んで構成される圧力室ユニット(液滴吐出素子)24を複数個マトリクス状に(2次元的に)配列させた構造を有している。
図1に示したように、この印字ヘッド10は、インクを液滴として吐出するノズル21と、各ノズル21に対応する圧力室22と、図1では図示を省略した共通液室(図2中符号25)から個々の圧力室22にインクを供給するための個別供給口23とを含んで構成される圧力室ユニット(液滴吐出素子)24を複数個マトリクス状に(2次元的に)配列させた構造を有している。
各ノズル21に対応して設けられている圧力室22は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル21への流出口が設けられ、他方に個別供給口23が設けられている。なお、圧力室22の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
上記構成から成る複数の圧力室ユニット24をヘッド長手方向(図中の矢印M方向)に沿う行方向及び該行方向に対して直交しない一定の角度αを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構成により、ヘッド長手方向(矢印M方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の狭い、高密度のノズル列が実現されている。
図2に示したように、本例の印字ヘッド10においては、ノズル21と個別供給口23とを有する圧力室22の上側に、当該圧力室22の一部(図2において天面)を形成する振動板26が配置される。振動板26上の各圧力室22に対応する部分には、駆動素子(圧力発生手段)としての圧電素子28が配設される。振動板26は圧電素子28の共通電極(下部電極)として兼用される。
圧電素子28の上面には個別電極(上部電極)27が設けられており、この個別電極27の側端部から圧力室22の外側へ電極接続部としての電極パッド29が引き出されて形成されている。電極パッド29上に電気配線30が略垂直に立ち上がって形成されている。この柱状に立設された電気配線30の上端部には多層の配線基板34が配置され、図示を省略したヘッドドライバからの駆動信号が電気配線30を介して圧電素子28の個別電極27に供給されるようになっている。これにより、各圧電素子28がそれぞれ独立に駆動されるようになっている。なお、配線基板34は、不図示のICなどが実装された電装基板であり、リジット基板、フレキシブル基板、或いはこれらの組み合わせの何れの態様でもよい。
振動板26と配線基板34との間の空間(柱状の電気配線30が立ち並んで形成された空間)は、各圧力室22に供給するインクをプールする共通液室25となる。言い換えると、電気配線30は、電極パッド29から振動板26の面に対して略垂直に立ち上がり共通液室25を貫通するように形成されている。振動板26には各圧力室22に通じる個別供給口23が形成されており、共通液室25から個別供給口23を介してそれぞれの圧力室22にインクが供給される。
ここに示した共通液室25は、図1に示した全ての圧力室22にインクを供給するように、圧力室22が形成された全領域に渡って形成される1つの大きな空間となっているが、共通液室25は、このように1つの空間として形成されるものには限定されず、複数の領域に分割(区画)されて複数形成されていてもよい。
また、本例の電気配線30は、各圧電素子28に対して1つずつ形成され、一対一に対応しているが、この柱状の電気配線30の数を削減するために、いくつかの圧電素子28に対する電気配線30をまとめて1つの柱として形成するように複数の圧電素子28に対して1つの柱が対応するようにしてもよい。更に、個別電極27への配線に限らず、共通電極(振動板26)に対する配線や、不図示のセンサ部(例えば、圧力室22に設けられる不図示の圧力センサなど)からの信号配線なども、上記の電気配線30と同様の柱状構造の配線とすることが可能である。
図3は印字ヘッド10の一部を拡大した断面図である。図3において、符号40はノズル21の孔(吐出口)が穿設されたノズルプレート、符号42は圧力室22、ノズル流路21a及び供給流路23a等が形成された流路プレートである。同図では、流路プレート42を1枚のプレートのように描いているが、流路プレート42は複数のプレートが積層されて形成されていてもよい。
流路プレート42の上には、振動板26が積層される。既に説明したとおり、振動板26には個別供給口23に相当する開口部が設けられ、該開口部(個別供給口23)を介して共通液室25と圧力室22とが直接連通する。また、共通液室25はインクで満たされるため、振動板26、個別電極27、電気配線30及び配線基板34のインクと接触する面(接液面)は、それぞれ耐液性を有する絶縁性の保護膜(絶縁膜に相当)44で覆われている。
振動板26の上側(圧力室22と反対側)の面には、圧力室22の平面形状に対応する部分に圧電体28aが設けられ、圧電体28aの上面は個別電極27が形成される。下部電極に相当する共通電極(本例では振動板26で兼用)と、上部電極に相当する個別電極27と、これらで挟まれた圧電体28aとから成る圧電素子28は、圧力室22を加圧するアクチュエータとして機能する。
すなわち、共通電極と個別電極27間に駆動電圧が印加されると圧電体28aが変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル21からインクが吐出される。なお、圧電体28aには、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電材料が好適に用いられる。インク吐出後、圧電体28aの変位が元に戻る際に、共通液室25から個別供給口23を通って新しいインクが圧力室22に供給される。
共通液室25を振動板26の上側(圧力室22とは反対側)に配置する構造を採用したことによって、共通液室25の大きさに関する設計上の制約が少なく、比較的大きいサイズの共通液室25を設けることができる。また、振動板26に個別供給口23を設け、該個別供給口23を介して共通液室25と圧力室22とを直接的に繋ぐようにしたため、共
通液室25から圧力室22にインクを導くためのインク供給流路が短くなり、液の流れ方向も重力方向(図の下方向)に沿うため、インクの供給性能(リフィル性能)を向上させることができる。
通液室25から圧力室22にインクを導くためのインク供給流路が短くなり、液の流れ方向も重力方向(図の下方向)に沿うため、インクの供給性能(リフィル性能)を向上させることができる。
また、共通液室25を振動板26の上側に配置したことにより、圧力室22からノズル21の孔までのノズル流路21aの長さを比較的短くすることが可能である。これにより、圧力室22を高密度に配置した構成であっても、高粘度インク(例えば、20cp〜50cp程度)の吐出が可能であり、また吐出後の迅速なリフィルが可能な流路構造を実現でき、高周波での駆動が可能となる。
更には、圧電素子28の電極パッド29から略垂直に電気配線30を柱状に立ち上げ、その電気配線30の柱状の構造体によって共通液室25の空間を作るようにしたため、圧電素子の個別配線を圧電素子層と平行な平面内にパターニングして形成する構成と比較して、配線のパターニング面積が削減できるため、圧力室ユニット24を高密度に配置することが可能であるとともに、電気配線30の柱状の構造体によって共通液室25の強度(印字ヘッド10の剛性)を確保することが可能となる。
印字ヘッド10の各部のサイズは、特に限定されるものではないが、一例を示すと、圧力室22は平面形状が300μm×300μmの正方形で、高さが150μm、圧電体28aの厚さが10μm、個別電極27の電極膜厚が1〜2μm、電気配線30の高さは500μm、そのうち軟質金属部32の厚みは50〜100μm程度となるように形成される。
本実施形態に係る印字ヘッド10の電気配線30は、硬度が異なる金属部を組み合わせた2層構造から成り、相対的に硬度の高い第1の金属部(以下「硬質金属部」という)31と、これよりも硬度の低い第2の金属部(以下「軟質金属部」という)32とを有している。硬質金属部31は、柱部としての構造体における所要の強度を得るために必要な硬度を備える。例えば、硬質金属部31は、白金(Pt )など硬い材料で構成され、好ましくは、エアロゾルデポジション(AD法)に代表される噴射堆積法の技術を用いて電極パッド29上に直接的に金属を付着させることで形成される。
一方、軟質金属部32は、当該電気配線30と配線基板34とを接合(実装)する際の圧力緩和を図るために、軟質金属に分類される材料をAD法によって製膜することにより形成される。図3において、符号35は配線基板34に形成された電極パッドであり、符号36は電極パッド35と軟質金属部32とを接続するための導電性フィラー入りの接着剤である。
すなわち、図3の構造の場合、圧電素子28を備えた振動板26が「第1基板」に相当し、電極パッド35を有する配線基板34が「第2基板」に相当する。また、硬質金属部31は「第1導電部材」に相当し、軟質金属部32は「第2導電部材」に相当する。
配線基板34の電極パッド35は、配線基板34に形成されたスルーホール34Aに半田などの導電材料を充填して形成してもよいし、スルーホール34Aをめっきすることによって形成してもよい。
また、導電性の接着剤36としては、例えばエポキシに導電性粒子を混ぜたものがあり、導電性粒子としてはポリスチレン球の周りにNi−Au無電界メッキをしたものが知られている。またこの他、異方性導電膜(ACF)を用いて行ってもよい。これらは何れも、加圧した方向にのみ電気的に接続し、それ以外の方向には絶縁性を有するように接合するものである。なお、導通を得て接合する手段としては、上記の導電性接着剤や異方性導
電膜に代えて、半田を用いる態様も可能である。
電膜に代えて、半田を用いる態様も可能である。
軟質金属部32に用いられる材料としては、例えば、金(Au )、銀(Ag )、アルミニウム(Al )、チタン(Ti )、マグネシウム(Mg )、銅(Cu )などがある。
同じ金属材料であっても形成方法や処理条件(製膜条件など)の違いによって、硬度は異なる。参考のために、図4の表に代表的な例を示す。なお、同図の表は、東京都鍍金工業組合のホームページ(http://www.tmk.or.jp/ )において『めっき金属と通常金属の硬度(II)』として紹介されているデータである。この表に示されているように、一般に、めっきで製膜した金属は、他の方法(焼き鈍し、圧延、鋳造)で形成した通常金属と比べて硬度(ブリネル硬度)が高い。AD法によって製膜した金属の硬度は、製膜条件(原料粉の粒子径や粒子速度など)に依存する。同じ原料粉の場合、粒子速度が高いほど硬度が高くなる。
〔印字ヘッドの製造方法〕
次に、印字ヘッド10の製造方法について説明する。図1乃至図3で説明した構造の印字ヘッド10における柱状の電気配線30は、AD法によって形成されるため、まず、AD法による製膜方法について概説する。AD法は、原料の粉体からエアロゾルを生成し、そのエアロゾルを基板に噴射し、その際の衝突エネルギーにより粉体を堆積させて膜を形成する製膜技術である。図5はAD法による製膜装置を示す模式図である。この製膜装置50は、原料の粉体51を収容するエアロゾル生成容器52を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊している固体や液体の微粒子のことをいう。
次に、印字ヘッド10の製造方法について説明する。図1乃至図3で説明した構造の印字ヘッド10における柱状の電気配線30は、AD法によって形成されるため、まず、AD法による製膜方法について概説する。AD法は、原料の粉体からエアロゾルを生成し、そのエアロゾルを基板に噴射し、その際の衝突エネルギーにより粉体を堆積させて膜を形成する製膜技術である。図5はAD法による製膜装置を示す模式図である。この製膜装置50は、原料の粉体51を収容するエアロゾル生成容器52を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊している固体や液体の微粒子のことをいう。
エアロゾル生成容器52には、キャリアガス導入部53、エアロゾル導出部54、振動部55が設けられている。キャリアガス導入部53から窒素ガス(N2 )等の気体を導入することによってエアロゾル生成容器52内に収容された原料の粉体が噴き上げられ、エアロゾルが生成される。その際に、振動部55によってエアロゾル生成容器52に振動を与えることにより、原料の粉体が攪拌され、効率よくエアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、エアロゾル導出部54を通って製膜チャンバ56に導かれる。
製膜チャンバ56には、排気管57、スプレーノズル58、可動ステージ59が設けられている。排気管57は、図示せぬ真空ポンプに接続されており、製膜チャンバ56内を排気する。エアロゾル生成容器52において生成され、エアロゾル導出部54を通って製膜チャンバ56に導かれたエアロゾルは、スプレーノズル58から基板60に向けて噴射される。これにより、原料の粉体が基板60上に衝突して堆積する。基板60は、3次元に移動可能な可動ステージ59に載置されており、可動ステージ59を制御することにより、基板60とスプレーノズル58との相対的位置が調節される。
図6は、上述のAD法を用いて電気配線30を形成する例を示した模式断面図である。図示のように、電気配線30を形成すべき圧電素子28の上側(圧力室22と反対側)の面において、電気配線30を形成すべき領域(圧電素子28の電極パッド29部分)を除いて、他の部分をレジスト48で覆う。この状態でまず、硬質金属部31の材料を用いてAD法による製膜(AD法製膜)を行い、電極パッド29上に硬質金属部31を形成する。AD製膜の進行に伴い、図6の高さ方向に金属材料が堆積していく。所定の高さh1 まで硬質金属部31が形成されたら、AD法の製膜条件を変更して軟質金属部32を形成する。
製膜に使用する原料粉の材料を変更してもよいし、硬質金属部31と同じ材料を用いて粒子速度を変更することによって軟質金属部32を形成してもよい。所定の高さh2 (ただし、h2 <h1 とする。)まで軟質金属部32が形成されたら、製膜を停止させる。
図7(a)は、同一材料を用いるAD製膜において粒子速度を制御することにより硬質金属部31と軟質金属部32とを形成する場合の粒子速度の制御例を示したグラフである。横軸は時間、縦軸は粒子速度を示す。同図に示すように、製膜開始時刻t=0から時刻t1 まで粒子速度V1 で製膜を行い、硬質金属部31を形成する。その後、粒子速度を低下させて粒子速度V2 (V2 <V1 )とする。この粒子速度V2 で時刻t2 でまで製膜を行い、軟質金属部32を形成する。
なお、図7(a)の制御例に代えて、図7(b)に示す制御例も可能である。図7(b)では、製膜開始時刻t=0から時刻t1 まで粒子速度V1 で製膜を行い、硬質金属部31を形成する。その後、時刻t2 まで徐々に速度を低下させて粒子速度V2 とする。この粒子速度V2 で時刻t3 まで製膜を行い、軟質金属部32を形成する。
時刻t1 からt2 までの期間の製膜によって硬質金属部31と軟質金属部32との中間間部に硬度が連続的に変化する第3の金属部(以下、中間金属部)が形成され、厳密に言えば3層構造になる。ただし、当該中間金属部は硬質金属部31の一部と解釈することもできるし、軟質金属部32の一部と解釈することもでき、何れの解釈を採用しても、本発明において技術的な矛盾はない。或いはまた、中間金属部において軟質部、硬質部を分ける硬度の基準値を設定しておき、基準値よりも高い硬度の領域を硬質金属部31、基準値よりも低い硬度の領域を軟質金属部32として取り扱うことも可能である。
このようにして、図6の如く硬質金属部31及び軟質金属部32を有した電気配線30を形成した後、レジスト48を除去し、図8のように、インクと接する表面(接液面)を絶縁性の保護膜44でコーティングする。コーティング材料としては、ポリイミド(PI)、パリレン、ウレタンなどを用いることが好ましい。
その後、図9に示したように、配線基板34側の電極パッド35と電気配線30の上端部(軟質金属部32の上端部)との位置合わせを行い、導電性の接着剤36を用いて配線基板34の電極パッド35と電気配線30とを接合する。接合時には圧力が加えられるが、配線基板34と接続される電気配線30の実装部は軟質金属部32で構成されているため、実装圧力が吸収され、圧電体28a膜へ過剰な圧力がかからない。また、圧電素子28側の電極パッド29と電気配線30との接続については、接合接続が省略される。これにより、組立時に圧電体28aへ加わる外力が低減され、接続部における接続信頼性を高めることができる。こうして、配線基板34の電極パッド35と、電気配線30と、圧電素子28とが電気的に接続され、電気配線30を介して圧電素子28に駆動信号を印加することにより、圧電素子28が駆動可能となる。
なお、図9に示した接合工程の後に、配線基板34の接液面(共通液室25側の面)が絶縁性の保護膜44でコーティングされる。
圧電素子28を形成する方法は、特に限定されないが、圧電体28a及び電極層(個別電極27及び電極パッド29)をAD法で形成することにより、電気配線30と同一の製膜チャンバを利用した一体プロセスが可能であり、製造工程の簡略化及び低コスト化を実現できる。
また、本例では、振動板26を共通電極として兼用しているが、本発明の実施に際しては、振動板をセラミックや樹脂などの材料で形成し、当該振動板の上に電極層(導電膜)を形成する構成も可能である。
〔印字ヘッドの製造方法(変形例1)〕
上述の説明では、圧電素子28の電極パッド29からAD法によって電気配線30を形成し、配線基板34の電極パッド35との実装部に相当する部分(図8において電気配線30の上部)に軟質金属部32を形成したが、本発明の実施に際しては、上記の例に限定
されない。例えば、配線基板34側の電極パッド35の面からAD法によって電気配線を形成し、圧電素子28側の電極パッド29との実装部に相当する部分に軟質金属部を形成する態様も可能である。
上述の説明では、圧電素子28の電極パッド29からAD法によって電気配線30を形成し、配線基板34の電極パッド35との実装部に相当する部分(図8において電気配線30の上部)に軟質金属部32を形成したが、本発明の実施に際しては、上記の例に限定
されない。例えば、配線基板34側の電極パッド35の面からAD法によって電気配線を形成し、圧電素子28側の電極パッド29との実装部に相当する部分に軟質金属部を形成する態様も可能である。
この場合、例えば、図10に示したように、配線基板34の共通液室25側の面(図10において上面)のうち、電気配線30を形成すべき領域(電極パッド35に対応する部分)を除いて、他の部分をレジスト49で覆う。この状態でまず、硬質金属部31の材料を用いてAD法による製膜(AD製膜)を行い、電極パッド35上に硬質金属部31を形成する。AD製膜の進行に伴い、図10の高さ方向に金属材料が堆積していく。所定の高さh1 まで硬質金属部31が形成されたら、AD法の製膜条件を変更して軟質金属部32を形成する。
製膜に使用する原料粉の材料を変更してもよいし、硬質金属部31と同じ材料を用いて粒子速度を変更することによって軟質金属部32を形成してもよい。所定の高さh2 (ただし、h2 <h1 とする。)まで軟質金属部32が形成されたら、製膜を停止させる。
このようにして、硬質金属部31及び軟質金属部32を有した電気配線30を形成した後、レジスト49を除去する。レジスト49除去後は、図示を省略するが、インクと接する表面(接液面)を絶縁性の保護膜44でコーティングし、軟質金属部32の端面と圧電素子側の電極パッド29とを位置合わせして、重ね方向に圧力(外力)を加えて両者を接合する。
かかる態様においては、配線基板34が「第1基板」に相当し、圧電素子を備えた振動板が「第2基板」に相当する。
なお、図10の更なる変形例として、配線基板34側の電極パッド35の部分もAD製膜によって硬質金属部31と一体的に形成することも可能である。この場合、例えば、スルーホール34Aを形成した配線基板34の下面にAD製膜の製膜面となるダミー基板(不図示)を配置し、当該ダミー基板上にAD法でスルーホール34Aを通して柱状の電気配線を形成した後に、ダミー基板を配線基板34から剥離(分離)する。
〔印字ヘッドの製造方法(変形例2)〕
図6では、レジスト48を利用したAD製膜によって電気配線30を形成したが、レジスト48を用いない方法も可能である。図5で説明した製膜装置50のスプレーノズル58を走査させることによって、基板60上の所望の位置に選択的に粒子を堆積させることが可能である。かかる走査型のスプレーノズル58を利用することによって、図11のように、圧電素子28の電極パッド29上に直接硬質金属部31を製膜することができる。なお、図11中図6で説明した構成と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6では、レジスト48を利用したAD製膜によって電気配線30を形成したが、レジスト48を用いない方法も可能である。図5で説明した製膜装置50のスプレーノズル58を走査させることによって、基板60上の所望の位置に選択的に粒子を堆積させることが可能である。かかる走査型のスプレーノズル58を利用することによって、図11のように、圧電素子28の電極パッド29上に直接硬質金属部31を製膜することができる。なお、図11中図6で説明した構成と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図11において、柱状の電気配線30を形成した後は、図12に示すように、蒸着によって絶縁性の保護膜44をコーティングする。以後の製造工程は図示しないが、図8〜図9で説明した例と同様に、配線基板34側の電極パッド35と電気配線30の上端部(軟質金属部32の上端部)との位置合わせを行い、重ね方向に圧力(外力)を加えて両者を接合する。
〔印字ヘッドの製造方法(変形例3)〕
図10で説明した例では、レジスト49を利用したAD製膜によって配線基板34側に柱状の電気配線30を形成したが、図11の例と同様に、製膜装置50のスプレーノズル58を走査させることにより、レジスト49を用いずに、図13のように、配線基板34
の電極パッド35上に直接電気配線30を形成することができる。なお、電気配線30の周囲(インクに接する表面)には蒸着によって絶縁性の保護膜44がコーティングされる。
図10で説明した例では、レジスト49を利用したAD製膜によって配線基板34側に柱状の電気配線30を形成したが、図11の例と同様に、製膜装置50のスプレーノズル58を走査させることにより、レジスト49を用いずに、図13のように、配線基板34
の電極パッド35上に直接電気配線30を形成することができる。なお、電気配線30の周囲(インクに接する表面)には蒸着によって絶縁性の保護膜44がコーティングされる。
図13で得られた電気配線30付きの配線基板34(図14中でヘッド上部構造パーツ64として記載)を図14のように、電気配線30側を圧電素子28の面に向けてヘッド下部構造パーツ66と対向させ、電気配線30の下端部(軟質金属部32の端面)と圧電素子28の電極パッド29との位置合わせを行い、図15に示すように、導電性の接着剤36を介して電気配線30と電極パッド29とを接合する。こうして、配線基板34の電極パッド35と、電気配線30と、圧電素子28とが電気的に接続され、電気配線30を介して圧電素子28に駆動信号を印加することにより、圧電素子28が駆動可能となる。
なお、図14及び図15中、図8及び図9と同一又は類似する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、図14及び図15中、図8及び図9と同一又は類似する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13乃至図15に示した態様においては、配線基板34が「第1基板」に相当し、圧電素子28を備えた振動板26が「第2基板」に相当する。
〔印字ヘッドの製造方法(変形例4)〕
上述した製造方法では、柱状の電気配線30を形成後に、その表面(接液面)を絶縁コートする例を説明したが、本発明の実施に際しては、かかる形態に限定されない。例えば、先に樹脂等の絶縁材料によって保護膜44に相当する筒形状の絶縁物(中空絶縁物)を形成し、その中にAD法で柱部に相当する電気配線30を堆積させてもよい。
上述した製造方法では、柱状の電気配線30を形成後に、その表面(接液面)を絶縁コートする例を説明したが、本発明の実施に際しては、かかる形態に限定されない。例えば、先に樹脂等の絶縁材料によって保護膜44に相当する筒形状の絶縁物(中空絶縁物)を形成し、その中にAD法で柱部に相当する電気配線30を堆積させてもよい。
〔印字ヘッドの他の構造例〕
図3で説明した例においては、圧電素子28の個別電極27と同一平面上の電極パッド29(圧電体28a層の上面に形成されている電極パッド29)から柱状の電気配線30を立ち上げているが、本発明の実施に際しては、必ずしも圧電素子28の上に電気配線30が形成される形態に限定されない。
図3で説明した例においては、圧電素子28の個別電極27と同一平面上の電極パッド29(圧電体28a層の上面に形成されている電極パッド29)から柱状の電気配線30を立ち上げているが、本発明の実施に際しては、必ずしも圧電素子28の上に電気配線30が形成される形態に限定されない。
例えば、図16に示したように、圧電体28aの上面に形成された個別電極27の端部から電極を引き出し、圧電体28aの厚さ方向に段差状に折り曲げて個別電極27の電極面よりも低い面に電極パッド29’を形成し、この電極パッド29’の面から柱状の電気配線30を立ち上げる構成も可能である。この場合、共通電極と兼用される振動板26と電極パッド29’の間には絶縁材料からなる絶縁膜(絶縁体層)68が設けられる。かかる構成においても、接合時の外力による振動板26へのダメージを低減することができる。なお、図16中、図3と同一又は類似する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
次に、上述した印字ヘッド10を利用したインクジェット記録装置の例を説明する。
次に、上述した印字ヘッド10を利用したインクジェット記録装置の例を説明する。
図17は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドという。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図17では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図17のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図17に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図20中符号188)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図17上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図17の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図18参照)。
各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造については、図1乃至図16で説明した印字ヘッド10の構造と同様であるので、説明は省略する。
図17に示したように、ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図17に示した印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりや着弾位置ずれなどの吐出不良をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部124の後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図17には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
なお、記録紙116の送り方向と略直交する方向に記録紙116の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は、図1で説明した構成例に限定されない。例えば、1本の長尺ヘッド構造に代えて、図19に示すように、複数のノズル21が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール10’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙116の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
また、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、圧電素子158の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図20は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。なお、同図では、図示を簡略化するために、各色の印字ヘッドを1つのブロック(符号150)で表記している。
図20は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。なお、同図では、図示を簡略化するために、各色の印字ヘッドを1つのブロック(符号150)で表記している。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174及びROM175の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従って搬送系のモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従って後乾燥部142等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データ(元画像のデータ) から印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ184に供給する制御部である。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図20において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ174に記憶される。
インクジェット記録装置110では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ174に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180においてディザ法や誤差拡散法などを利用したハーフトーン化処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。本発明を適用して作成された閾値マトリクス
はプリント制御部180に組み込まれ、上述の元画像からドットデータへの変換処理に使用される。こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。
はプリント制御部180に組み込まれ、上述の元画像からドットデータへの変換処理に使用される。こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。
ヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられる印字データ(すなわち、画像バッファメモリ182に記憶されたドットデータ)に基づき、印字ヘッド150の各ノズル21に対応する圧電素子28を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ184から出力された駆動信号が印字ヘッド150に加えられることによって、該当するノズル21からインクが吐出される。記録紙116の搬送速度に同期して印字ヘッド150からのインク吐出を制御することにより、記録紙116上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部180における所要の信号処理を経て生成されたドットデータに基づき、ヘッドドライバ184を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
印字検出部124は、図17で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録紙116に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部180に提供する。なお、この印字検出部124に代えて、又はこれと組み合わせて他の吐出検出手段(吐出異常検出手段に相当)を設けてもよい。
他の吐出検出手段としては、例えば、印字ヘッド150の各圧力室22内又はその近傍に圧力センサを設け、インク吐出時或いは圧力測定用の圧電素子駆動時などに、この圧力センサから得られる検出信号から吐出異常を検出する態様(内部検出方法)、或いは、レーザ発光素子などの光源と受光素子から成る光学検出系を用い、ノズルから吐出された液滴にレーザ光等の光を照射し、その透過光量(受光量)によって飛翔液滴を検出する態様(外部検出方法)などがあり得る。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部124或いは図示しない他の吐出検出手段から得られる情報に基づいて印字ヘッド150に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
本実施形態に係るインクジェット記録装置110によれば、高密度のノズル配列を有する印字ヘッド150を用いて、高画質の画像を高速に形成することができる。
上記実施形態では、メディア(記録媒体)の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら(複数回のヘッド走査により)画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
また、上述の説明では、液体画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、印画紙に非接触で現像液を塗布する写真画像形成装置等についても本発明の液体吐出ヘッドを適用できる。また、本発
明に係る液体吐出ヘッドの適用範囲は画像形成装置に限定されず、液体吐出ヘッドを用いて処理液その他各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する各種の装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
明に係る液体吐出ヘッドの適用範囲は画像形成装置に限定されず、液体吐出ヘッドを用いて処理液その他各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する各種の装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
10…印字ヘッド、21…ノズル、22…圧力室、23…個別供給口、24…圧力室ユニット、25…共通液室、26…振動板、27…個別電極、28…圧電素子、28a…圧電体、29…電極パッド、30…電気配線、31…硬質金属部、32…軟質金属部、34…配線基板、35…電極パッド、44…保護膜、110…インクジェット記録装置、112…印字部、112K,112C,112M,112Y…印字ヘッド、116…記録紙、150…印字ヘッド
Claims (6)
- 吐出口に連通する圧力室内に充填された液体を加圧することにより前記吐出口から液滴を吐出させる液体吐出ヘッドであって、
第1基板と、
前記第1基板の面に対して略垂直に当該第1基板から柱状に立ち上がるように噴射堆積法で形成された第1導電部材と、
前記第1導電部材の前記第1基板側と反対側の端部に噴射堆積法で形成され前記第1導電部材よりも硬度が低い第2導電部材と、
前記第2導電部材の前記第1導電部材側と反対側の端部に接合される第2基板と、
前記第1基板又は前記第2基板の何れか一方の基板に形成されるとともに、前記第1導電部材及び前記第2導電部材から成る柱状の電気配線と導通し、前記電気配線を介して印加される駆動信号によって駆動されることで前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、
を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第2導電部材は、銅、アルミニウム、銀、金のうち何れか1つの材料を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1基板と前記第2基板の間には、前記圧力室に供給する液体を貯留するための共通液室が形成され、
前記第1導電部材及び前記第2導電部材の周囲に絶縁膜がコーティングされていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出ヘッド。 - 前記圧力発生素子は、噴射堆積法で形成された圧電体を含む圧電素子であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液体吐出ヘッド。
- 吐出口に連通する圧力室内に充填された液体を加圧することにより前記吐出口から液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを製造する方法であって、
第1基板又は第2基板の何れか一方の基板に、前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせるための圧力発生素子を形成する圧力発生素子形成工程と、
前記第1基板の面に対して略垂直に当該第1基板から立ち上がる柱状の第1導電部材を噴射堆積法で形成する第1導電部材形成工程と、
前記第1導電部材の前記第1基板側と反対側の端部に前記第1導電部材よりも硬度が低い第2導電部材を噴射堆積法で形成する第2導電部材形成工程と、
前記第2基板を前記第2導電部材の前記第1導電部材側と反対側の端部に接合し、前記第1導電部材及び前記第2導電部材から成る柱状の電気配線を介して印加される駆動信号によって前記圧力発生素子を駆動可能とする接合工程と、
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1乃至4の何れか1項記載の液体吐出ヘッドを有し、前記吐出口から吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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JP2008248279A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Honda Motor Co Ltd | 準結晶粒子分散合金積層材の製造方法、準結晶粒子分散合金バルク材の製造方法、準結晶粒子分散合金積層材および準結晶粒子分散合金バルク材 |
WO2012176874A1 (ja) * | 2011-06-22 | 2012-12-27 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェット描画装置 |
JP2015107577A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-06-11 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 |
-
2006
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