JP2007112062A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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学 勝村
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拓也 高田
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Abstract

【課題】駆動回路及び配線の高密度化を実現するとともに、高い信頼性が確保される液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ヘッドを構成する各ヘッドユニット12は、ノズル形成面と略直交する面に配設された圧電素子32と圧電素子32に駆動信号を与える駆動回路34とを有する振動板50と、振動板50の圧電素子32と反対側に接合され、ノズルと連通するように形成される圧力室を有する流路基板52と、圧電素子32の変位空間を確保するとともに、駆動回路34が収容される隔壁プレート54を積層して構成される。各ヘッドユニット12の駆動回路34からヘッドの外部に引き出される配線は、各ヘッドユニット貫通するように形成されるビアを介してヘッドの最表面に引き出され、該最表面でフレキシブル基板と接合される。
【選択図】 図3(a)

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法に係り、特に、多数のノズルが高密度に配置された液体吐出ヘッドの構造及び製造技術に関する。
記録媒体に所望の画像を記録する装置としてインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、ヘッドと記録媒体を相対的に移動させながらヘッドに形成される多数のノズルからインク滴を吐出して、記録媒体上にドットを形成して画像を記録する。ヘッドのインク吐出方式には、ノズル近傍にヒータなどの発熱素子を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせて、ノズルからインク滴を吐出するサーマル方式や、圧電素子(ピエゾ素子)などを用いて、インクに機械的圧力を付与して、ノズルからインク滴を吐出する圧電方式(ピエゾ方式)がある。インクジェット記録装置に搭載されるヘッドでは、効率のよいインク吐出とノズルの高密度配置を実現するために、様々な工夫がなされている。
特許文献1、2に記載された発明は、スリット状の流路穴が所定間隔で穿設された複数の流路基板と、表裏両面に流路穴と対応する電極を有する圧電素子からなる複数の振動板と、を交互に積層固着し、流路基板に穿設され流路穴と連通するノズルを備えた構造を有し、振動板の両面に形成された電極に逆向きの電界を加えて振動板を変形させてインクを吐出させるマルチノズルインクジェットヘッドが開示されている。
特開平7−323541号公報 特開平7−323544号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された発明では、圧電素子に印加される駆動信号を生成する駆動回路や該駆動信号を伝送する配線を高密度化することが困難である。また、圧電素子に印加される駆動信号を生成する駆動回路をヘッドの外部に備える場合、フレキシブル基板(FPC)などを用いて圧電素子から駆動回路へ配線が引き出されるのでその配線長が長くなってしまう。高密度化によって配線が微細化され、更に、配線長が長くなると配線のインピーダンスが高くなり、該配線によって伝搬される駆動信号のS/N比の劣化や、該駆動信号へのノイズの影響が懸念される。また、配線の接続箇所が多くなってしまうので、該接続箇所における接続の信頼性低下が懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、駆動回路及び配線の高密度化を実現するとともに、高い信頼性が確保される液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出させる複数のノズルが形成される面と略直交する面に前記複数のノズルと連通する複数の圧力室が所定の方向に並べられた流路基板と、前記流路基板の前記圧力室が形成される面に接合され前記圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側の面の前記圧力室に対応する位置に設けられ、前記圧力室に収容される液体を加圧する圧電素子と、前記振動板の前記圧電素子が設けられる圧電素子配設面及び該圧電素子配設面と反対側の面のうち少なくとも何れか一方に設けられ、前記圧電素子に駆動信号を与える駆動回路と、を備えたヘッドユニットを有することを特徴とする。
本発明によれば、圧電素子が配設される振動板に該圧電素子を駆動する駆動回路を設けることで、圧電素子と駆動回路とを接続する配線の長さが短縮され、信号伝搬性能やS/N比が向上し、該配線によって伝送される信号のノイズによる影響を低減する。また、液体吐出ヘッドから外部に引き出される配線の数を大幅に削減することができ、高信頼性、低コスト化に寄与する。
液体を吐出させる複数のノズルが形成されたノズル基板(ノズルプレート)を備えてもよい。
流路基板は、各圧力室に液体を供給する共通液室や、圧力室と共通液室とを連通する供給口などの構造を有していてもよい。
また、駆動回路は複数の回路ブロックから構成されていてもよい。例えば、駆動信号を生成する駆動信号生成回路ブロック、駆動信号を与える圧電素子を選択的に切り換える切換回路ブロック、メモリ(記憶回路ブロック)などを含む態様がある。
液体吐出ヘッドには、記録媒体の幅に対応する長さを有するフルライン型ヘッドや、記録媒体の幅よりも短い短尺ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させるシリアル型ヘッドがある。
圧電素子は、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面のそれぞれに第1の電極及び第2の電極を有している。第1の電極或いは第2の電極の何れか一方を複数の圧電素子に共通の基準電位とし、他方を各圧電素子に個別の個別電極とする態様(振動板側の第1面に形成される第1の電極を共通電極とし、振動板と反対側の第2の面に形成される第2の電極を個別電極とする)がある。なお、圧電素子は、振動板の全面にわたって圧電体層を形成し、圧力室に対応する部分に個別電極を備えてもよいし、各圧力室に対応して個別に圧電体層、個別電極を備えてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記圧電素子の変位空間を確保するとともに前記駆動回路が収納される凹部を有する保護基板を前記圧電素子配設面に備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、振動板の圧電素子配設面に保護基板を備えることで、圧電素子を駆動する際に圧電素子(振動板)の変位を拘束せずに振動板の変位量を確保するとともに、圧電素子及び駆動回路が保護される。
請求項1に記載のヘッドユニットは、圧力室が形成される流路基板と、圧電素子及び駆動回路が配設される振動板と、圧電素子及び駆動回路が収容される凹部を有する保護基板と、から構成する態様がある。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記駆動回路から引き出される引出配線と導通し、前記液体吐出ヘッドの外部に配線を引き出す配線部材を備えたことを特徴とする。
駆動回路を振動板に搭載することで液体吐出ヘッドから外部に引き出される配線数が削減されているので、該配線部材には配線パターンが低密度に形成された配線部材を適用可能である。
配線部材には、ポリイミドやエポキシなどの樹脂材料に金、プラチナ、銅などの金属材料で配線パターンが形成されたフレキシブル基板(フレキシブルケーブル)が好適に用いられる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記ヘッドユニットを複数備え、前記複数のヘッドユニットは前記ノズルが形成される面と略平行方向に沿って積層されることを特徴とする。
各ヘッドユニットが有するノズルを千鳥状に配置してもよいし、各ヘッドユニットのノズルを2次元状にマトリクス配置してもよい。ノズルが2次元状にマトリクス配置されたヘッドによれば、実質的なノズル密度を上げることが可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記ヘッドユニットは、該ヘッドユニットの積層方向に貫通する垂直配線を有し、前記駆動回路から引き出される引出配線は他のヘッドユニットに形成される前記垂直配線部材と導通し、更に、前記垂直配線を介して他のヘッドユニットに接合される配線部材と導通する配線構造を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、液体吐出ヘッド(ヘッドユニットの積層体)全体として外部に配線を引き出す配線部材の数を減らすことができるとともに、液体吐出ヘッド(ヘッドユニット)と配線部材との接続箇所を減らすことでき、接合の信頼性向上及び歩留まりの向上が見込まれる。
複数のヘッドユニットを積層した積層体の最外面の一方に配線部材を1つ備える態様や、該積層体の最外面の両面にそれぞれ配線部材を備える態様がある。
垂直配線は、各ヘッドユニットを貫通するように形成されたビアを含む態様がある。各ヘッドユニットに形成されたビア同士が接合されるように、各ヘッドユニットの位置合わせを行い、各ヘッドユニットを接合して垂直配線を形成してもよい。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記振動板及び前記駆動回路のうち少なくとも何れか一方に放熱部材を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、駆動回路及びその近傍の温度上昇を抑制し、駆動回路の信頼性が向上するとともに駆動回路が発生する熱の駆動回路近傍の部品への影響を抑えることができる。
放熱部材を駆動回路近傍に備える態様や、放熱部材を駆動回路と接触するように備える態様がある。放熱部材を駆動回路と同一面に備えてもよいし、駆動回路の反対側の面に備えてもよい。また、駆動回路と同一面、反対側の面の両面に備えてもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記駆動回路は、ベアチップ化されるとともに前記振動板にフリップチップ実装されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、振動板の駆動回路を搭載するスペースを省スペース化することが可能であり、更に、駆動回路の高密度化が可能である。
駆動回路をベアチップ化する態様には、シリコン基板上に半導体プロセスにより駆動回路を構成する素子及びこれらの素子を接合する配線パターンを形成する態様がある。ベアチップ化された駆動回路を振動板にフリップチップ実装するには、振動板の駆動回路が実装される部分にはパッドやパッドから引き出される配線(水平配線)が形成される。
また、上記目的を達成するために請求項8に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項7のうち少なくとも何れか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
画像形成装置には、記録媒体上にインクなどの画像形成体(記録体)を吐出させて所望の画像を形成するインクジェット記録装置などがある。なお、ここでいう画像には、写真画や絵以外にも文字、記号などのテキストや、プリント基板の配線パターンやマスクのマスクパターンが含まれる。
また、上記目的を達成するために方法発明を提供する。即ち、請求項9に記載の発明に係る液体吐出装置の製造方法は、液体を吐出させる複数のノズルが形成される面と略直交する面に、前記複数のノズルと連通する複数の圧力室が所定の方向に並べられた流路基板を形成する流路基板形成工程と、基板の一方の面に圧電素子を形成するとともに、前記基板の前記圧電素子が設けられる圧電素子配設面及び該圧電素子配設面と反対側の面のうち少なくとも何れか一方の面に前記圧電素子を駆動する駆動回路を形成する振動板形成工程と、前記圧力室と前記圧電素子との位置を合わせて前記流路基板と前記振動板を接合する接合工程と、を含むことを特徴とする。
流路基板形成工程では、圧力室となる開口や凹部、圧力室とノズルとを連通する流路となる溝(切欠き溝)を形成する工程が含まれる。
振動板形成工程は、振動板となる基板の駆動回路が接合される位置にバンプや該バンプから引き出される配線パターンを形成する配線形成工程、薄膜基板上に形成された駆動回路(素子)を研磨する研磨工程、所定のバンプや配線パターンが形成された振動板に駆動回路(素子)を接合する接合工程を含む態様がある。
複数のノズルが形成されたノズル基板を備える態様では、流路基板と振動板が接合された構造体に該ノズル基板を接合するノズル基板接合工程が含まれる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法の一態様に係り、前記流路基板及び前記振動板を含むヘッドユニットを複数積層し、前記複数のヘッドユニットを含む積層体を形成する積層工程を含むことを特徴とする。
積層工程には、積層される各ヘッドユニットの位置合わせをする位置合わせ工程、位置合わせされたヘッドユニットを所定の接合方法で接合する接合工程を含む態様がある。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法の一態様に係り、前記振動板形成工程は、ベアチップ化された前記駆動回路を前記振動板にフリップチップ実装する実装工程を含むことを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、ベアチップ化された薄膜の駆動回路を振動板にフリップチップ実装することで、振動板の駆動回路が実装される面と垂直方向の厚みを薄くすることができる。
本発明によれば、圧電素子が配設される振動板に該圧電素子を駆動する駆動回路を設けることで、圧電素子と駆動回路とを接続する配線の長さが短縮され、性能やS/N比を向上し、該配線によって伝送される信号のノイズによる影響を低減する。また、液体吐出ヘッドから外部に引き出される配線の数を大幅に削減することができ、高信頼性、低コスト化に寄与する。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔ヘッドの全体構成〕
図1は、本発明に係る液体吐出ヘッド(以下、ヘッドと記載)の概略構成図である。同図に示すように、ヘッド10は、薄板状のヘッドユニット12をその厚み方向に複数積層した構造を有し、ヘッド10の最表面にはヘッドユニット12の積層体を支持する支持プレート14,16が設けられている。また、ヘッド10の液体吐出面(記録媒体18と対向する面)には、多数のノズル20が形成されたノズルプレート22が接合され、更に、ヘッド10には、各ヘッドユニット12に液体を供給する供給タンク24と、各ノズル20に対応して設けられる圧力室(図1中不図示、図2に符号30で図示)と、該圧力室に対応して設けられる圧電素子(図1中不図示、図2に符号32で図示)と、該圧電素子に駆動信号を伝送する配線をヘッド10の外部に引き出すフレキシブル基板(FPC)26が設けられている。なお、図1には、6つのヘッドユニット12を積層したヘッド10を例示したが、ヘッドユニット12の積層数はヘッド10に設けられるノズル20の数(ノズル20の配置密度)に応じて決められる。
本例に示すヘッド10に備えられるノズル20は、ヘッド10の長手方向である行方向と、該長手方向と直交しない斜めの列方向と、に沿って2次元状にマトリクス配置される。このようにマトリクス配置されたノズル20をヘッド10の長手方向に並ぶように投影した投影ノズル群のノズル間ピッチは実際のノズルプレート22上のノズル間ピッチよりも小さくなり、実質的な高密度化が達成されている。例えば、該投影ノズル群のノズル間ピッチPは、列方向のノズル間ピッチd、行方向と列方向との成す角度θを用いて、P=d×cosθとなる。
上述したノズル配置により並べられたノズル20有するヘッド10によれば、ヘッド10と記録媒体18とを相対的にヘッド10の短手方向と略平行方向に沿って1回だけ走査させることで、記録媒体18の全面にわたって液体を吐出させることが可能になる。
本例に示すヘッド10は、記録媒体18の記録面(ノズル20が形成されるノズル形成面)と略直交する面に圧電素子を配置することにより(図2参照)、ノズル20や圧力室(図1中不図示、図2に符号30で図示)を高密度に配置することが実現されている。
図2は、ヘッドユニット12の概略構造及び、複数のヘッドユニット12を積層した積層体の概略構成図(透視平面図)である。図2に示すように、ヘッドユニット12は、各ノズル20に対応して形成される圧力室30と、各圧力室30に対応して形成される圧電素子32と、該圧電素子32を駆動させる駆動回路34と、駆動回路34から圧電素子32に与えられる駆動信号が伝送される配線(水平配線)36と、を有して構成されている。また、駆動回路34から引き出される配線(引出配線)38は、複数のヘッドユニット12を積層した積層体の最も外側のヘッドユニット12に接合されるフレキシブル基板26とパッド(ビア)40を介して電気的に接合される。
図3(a)は、ヘッドユニット12の更に詳細な構造を示す分解斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示すヘッドユニット12の他の構造例、図4〜図6は、ヘッドユニットを構成する各プレートの平面図である。図3(a)に示すように、ヘッドユニット12は、図3(a)の上側から振動板50と、流路基板(流路プレート)52と、隔壁基板(隔壁プレート)54とを順に積層した構造を有している。また、図3(b)に示すように、図3(b)の上から隔壁プレート54、振動板50、流路基板52の順に積層してもよい。
図3(a),(b)及び図4に示すように、振動板50には、圧電素子32と、駆動回路34と、水平配線36と、引出配線38と、パッド40が形成される。振動板50には、SUS(ステンレス)やセラミックなど薄板(薄膜)状部材が用いられる。
圧電素子32には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などのセラミック系圧電素子や、PVDF(ポリフッ化モリブデン)などのフッ化樹脂系圧電素子が好適に用いられる。圧電素子32にはその両面(第1の面(振動版側の面)及び第1の面の反対側の第2の面)に第1の電極(共通電極)及び第2の電極(個別電極)が形成され、該第1の電極及び第2の電極間に所定の駆動信号(電圧)が印加されると、圧電素子32の圧電活性部(個別電極である第2の電極が形成されている領域)には電圧(電界)の印加方向と略直交方向にたわみを生じ、振動板50がその厚み方向(液体の吐出方向と略直交する方向)に変形する。なお、振動板50に金属材料を用いる態様では、振動板50側に形成される電極(共通電極)は振動板50と兼用可能である。
駆動回路34は、印字データに基づいて圧電素子32を駆動する駆動信号が生成される回路ブロックである。この駆動回路34に用いられる素子は、後述する隔壁基板54に形成される凹部68に収納可能な厚みを有している。
なお、ヘッドユニット12が図3(a)に示す積層構造を有する場合には、各ヘッドユニットを構成する隔壁基板54には、その隔壁基板54の凹部形成面に接合される他のヘッドユニット12の圧電素子32及び駆動回路34が収容される。したがって、図1に示す支持プレート14,16のうち、最も外側のヘッドユニット12(振動板50)の圧電素子32及び駆動回路34が形成される面と接合される支持プレートには、隔壁基板54と同様の凹部が形成される。
このように、振動板50に圧電素子32に与える駆動信号を生成する駆動回路34を搭載することで、該駆動回路34をヘッド10の外部に設ける場合に比べてヘッド10から外部に引き出される配線数を大幅に減少させるとこができる。なお、駆動回路34の詳細は後述する。
図3(a),(b)及び図4には、駆動回路34及び水平配線36を圧電素子32と同一平面上に配設する態様を示したが、駆動回路34及び水平配線36を圧電素子32が配設される面の反対側の面に配設してもよい。駆動回路34を圧電素子32が配設される圧電素子配設面50Aと反対側の面50Bに形成する態様では、流路基板52に該駆動回路34を収容する凹部が形成される。
また、図3(a),(b)及び図5に示す流路基板52は、図1に示す供給タンク24からヘッド10内にインクを供給するインク供給口60となる切欠き溝と、ヘッド10内の液体プール(共通液室)62となる開口部と、圧力室30となる開口と、共通液室62と圧力室30と連通させる供給絞り64となる切欠き溝と、ノズルプレート22に形成されるノズル20と圧力室30とを連通させる吐出側流路66となる切り欠き溝が形成される。
更に、図5に示すように、流路基板52の吐出側流路66と反対側の端部近傍には、各ヘッドユニット12からフレキシブル基板26への配線となる垂直配線(図9のビア200)が形成される貫通穴(ビアホール)67が設けられている。なお、各開口部及び切欠き溝は流路基板52を貫通する必要はなく、開口部は凹部でもよく切欠き溝は単なる溝でもよい。
流路基板52には、金属材料、セラミック材料、樹脂材料などの材料を用いることができる。例えば、流路基板52に金属材料を用いると、流路基板52に形成される開口部や溝部はエッチング(ハーフエッチング)によって形成することができる。図3(b)に示す態様では、流路基板52に形成される圧力室32等はハーフエッチングで形成される。もちろん、流路基板52を2層構造とし、エッチングによって形成された開口部(圧力室32等)を有する基板に平板状の基板を積層して、該開口部を片側面から封止するような構造も可能である。
なお、流路基板52に駆動回路34を収容する凹部を形成する態様では、共通液室62と該凹部を兼用してもよい。この場合、駆動回路34及び面50Bに設けられる水平配線には、共通液室62内の液体との絶縁を確保するための保護処理(絶縁処理、例えば、絶縁材料によるモールド)が施される。このように、駆動回路34を収容する凹部と共通液室62とを兼用する態様では、共通液室62内のインクによる駆動回路34の冷却効果の向上が見込まれる。
図3(a)及び図6に示すように、隔壁基板54は、流路基板52の反対側の面に凹部68が設けられ、流路基板52のビアホール67に対応する位置には貫通穴(ビアホール)69が形成されている。
図3(a)に示す構造では、図6の凹部68には、隔壁基板54の凹部68が形成される面に接合される他のヘッドユニット12の圧電素子32及び駆動回路34が収納される。
言い換えると、隔壁基板54に形成される凹部68の高さ(深さ)は、該隔壁基板54の凹部68は形成される面に接合される他のヘッドユニット12の圧電素子32及び駆動回路34の厚みに対応している。隔壁基板54に凹部68を形成することで、圧電素子32の変形を拘束せず、圧電素子32及び駆動回路34の厚みによってヘッド10全体の厚みが増加しない構造が実現される。
図3(b)に示す構造では、最外面となる隔壁基板54のビアホール69は絶縁材料(例えば、エポキシなどの樹脂)で封止することが好ましい。
なお、ヘッドユニット12を構成する各プレートは、1枚のプレートから構成されていてもよいし、複数のプレートから構成されてもよい。例えば、隔壁基板54はビアホール69が形成された第1の隔壁基板54Aの長手方向の両端部に梁基板(梁プレート)54B、54Cを接合して構成する態様がある。
〔駆動回路の説明〕
次に、本例に示す印字ヘッド10に搭載される駆動回路34の詳細について説明する。図7は、圧電素子32を駆動する駆動回路34を含む回路ブロック100の構成を示すブロック図である。図示のとおり、回路ブロック100は、ドライバIC112、ヘッドコントローラ116、スイッチIC120を含んで構成されている。図7に示す回路ブロック100のうち、ドライバIC112とスイッチIC120がヘッド10の内部(振動板50)に設けられ、ヘッドコントローラ116はヘッド10の外部に設けられる。ヘッド10の外部に設けられるヘッドコントローラ116とヘッド10に設けられる回路ブロックとは、図1等に示したフレキシブル基板26によって接合されている。
ヘッドコントローラ116は、画像データに基づいて印字制御信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理部である。なお、ヘッドコントローラ116に付随するメモリを備える態様が好ましい。
ドライバIC112は、主として吐出用駆動波形発生回路130、微振動用駆動波形発生回路132、選択回路134を含んで構成されている。また、スイッチIC120は、図示のように、シフトレジスタ140、ラッチ回路142、レベル変換回路144及びスイッチ素子アレイ146を含む。図7においてOUT0 ,OUT1 ,OUT2 …,OUTnの符号とともに容量性負荷として示したのは、ヘッド10の各圧電素子32である。各圧電素子32の一方の電極(図7に示した容量性負荷において左側の電極)は、それぞれ対応するスイッチ素子146-i (i=0,1,2 …n )の端子に接続されており、圧電素子32の他方の電極(共通電極)はグランド(GND)に接続されている。
吐出用駆動波形発生回路130は、ヘッドコントローラ116から出力されるデジタル波形データをアナログ信号に変換する変換するD/Aコンバータ(DAC)を含む波形生成回路152と、波形生成回路152の出力レベルに応じて駆動波形を増幅するアンプ回路154及びプッシュプル回路(不図示)を含んで構成される。すなわち、ヘッドコントローラ116から出力された吐出用駆動波形のデジタル波形データは波形生成回路152に入力され、波形生成回路152において入力波形データに応じたアナログ波形信号に変換される。このアナログ波形信号は、アンプ回路154で所定のレベルに増幅され、プッシュプル回路を用いて電力増幅された後に、吐出用の駆動波形信号として出される。こうして生成された吐出用駆動波形(吐出用共通駆動波形)は、選択回路134の「COM1」ポートに入力される。
同様に、微振動用駆動波形発生回路132は、波形生成回路156とアンプ回路158及びプッシュプル回路(不図示)を含んで構成される。ヘッドコントローラ116から出力された微振動用駆動波形のデジタル波形データは波形生成回路156に入力され、波形生成回路156において入力波形データに応じたアナログ波形信号に変換される。このアナログ波形信号は、アンプ回路158で所定のレベルに増幅され、プッシュプル回路を用いて電力増幅された後、微振動用の駆動波形信号として出される。こうして生成された微振動用駆動波形(微振動用共通駆動波形)は、選択回路134の「COM2」ポートに入力される。なお、微振動用駆動波形発生回路132が省略される態様もある。
選択回路134は、ヘッドコントローラ116から与えられる制御信号に基づいて、「COM1」ポート及び「COM2」ポートの2入力から1つの出力信号を選択する回路(マルチプレクサ)である。なお、微振動用駆動波形発生回路132が省略される態様では、選択回路134も省略される。
図8に選択回路134の構成とその真理値表を示す。同図(a)に示したように、選択回路134は「COM1」ポート及び「COM2」ポートの他、制御信号の入力ポートとしての「Enabel」、「Select A」、「Select B」を有し、出力ポートとして「COMOUT」を有している。「Enabel」、「Select A」、「Select B」の各ポートには、図8で説明したヘッドコントローラ116からの制御信号が入力される。
図8(b)に示したとおり、「ENA(Enable) 」がL(Low ) のとき、「COMOUT」はハイインピーダンス状態になる。「ENA(Enable) 」がH(High) かつ「Select A」及び「Select B」が共にL(Low ) のとき、「COMOUT」からCOM1が出力される。「ENA(Enable) 」がH(High) かつ「Select A」がL(Low ) , 「Select B」がH(High) のとき、「COMOUT」からCOM2が出力される。
なお、図7では、1つの選択回路134のみを示したが、実際は各圧電素子(OUT0 ,OUT1 ,OUT2 …,OUTn)に対応したスイッチ素子146-i( i=0,1,2 …,n)毎に選択回路134-i (i=0,1,2 …,n)が設けられている。各選択回路134-i (i=0,1,2 …,n)の出力端子は、それぞれスイッチ素子146-i( i=0,1,2 …,n)の入力側端に接続されており、スイッチ素子146-i (i=0,1,2 …,n)のON/ OFFに応じて各圧電素子(OUT0 ,OUT1 ,OUT2 …,OUTn)に駆動信号が選択的に印加されるようになっている。
また、図7に示したヘッドコントローラ116は、ホストコンピュータ(不図示)から与えられた画像情報に基づいて、ドットパターンに展開された印字データを生成するとともに、シリアル伝送のクロック信号(CLK)及びラッチタイミングを制御するラッチ信号(LAT)を生成する。図7のヘッドコントローラ116で生成された印字データは、クロック信号CLKに同期してクロック信号CLKとともに印字シリアルデータSDとしてシフトレジスタ140に伝送(シリアル伝送)される。シフトレジスタ140に記憶された印字データは、ヘッドコントローラ116から出力されるラッチ信号LATに基づいてラッチ回路142によってラッチされる。
ラッチ回路142でラッチされた信号はレベル変換回路144においてスイッチ素子146-i( i=0,1,2…,n)を駆動可能な所定の電圧値に変換される。このレベル変換回路144の出力信号によって、スイッチ素子146-i( i=0,1,2 …,n)のON/OFFが制御される。
既述のとおり、スイッチ素子146-i( i=0,1,2…,n)の入力側には、選択回路13 6-i( i=0,1,2 …,n)を介して吐出用共通駆動波形(COM1)又は微振動用共通駆動波形(COM2)が選択的に印加されるため、スイッチ素子146-iの開閉を制御することによって各圧電素子(OUT0 ,OUT1 ,OUT2…,OUTn )に対して駆動波形が選択的に印加される。
例えば、1つのヘッドユニット12が600個のノズル(圧電素子)を有する場合、図7に示すドライバIC112及びスイッチIC120を含む駆動回路34をヘッド10の外部に設けると、ヘッドユニット12の外部に引き出される配線は600+α本になる。
一方、本発明に係るヘッド10では、駆動回路34をヘッドユニット12内に内蔵することで、各ヘッドユニット12から外部に引き出される配線数は数本から数十本程度とすることができる。また、圧電素子32と駆動回路34との間の配線長を短くすることができ、耐ノイズ性能やS/N比の向上が見込まれる。更に、ヘッド外部に配線を引き出すフレキシブル基板26との接続箇所を低減させることができ、接続の信頼性向上が見込まれる。なお、図7に示すドライバIC112をヘッドユニット12の外部に設け、振動板50に設けられる駆動回路34がスイッチIC120を含む構成としてもよい。
〔駆動回路の具体例〕
本例に示す駆動回路34に適用されるデバイスは、隔壁基板54に形成される凹部68に収納されるサイズを有しており、その厚みは100μm以下である。その一例を挙げると、厚みが50μm程度の薄膜ベアチップを、フリップチップ実装やACF(異方性導電性フィルム)実装などの実装方法により振動板50に実装する態様がある。
この薄膜ベアチップには、単結晶シリコン(C-Si)を用いたCMOSデバイスが適用される。単結晶シリコンを用いたCMOSデバイスは、キャリア移動度が500(cm/Vs)程度であり、周波数が1G(Hz)程度であり、一般的な駆動素子として広く用いられている。なお、キャリア移動度は実効効果移動度であり、周波数は素子サイズ、構造により変わるため、ここでは一般的な指標を示した。
また、薄膜ベアチップにポリシリコン(poly-Si)を用いたTFT(Thin Film Transistor)デバイスを適用してもよい。ポリシリコンを用いたTFTデバイスは、キャリア移動度が50〜200(cm/Vs)程度であり、周波数が100M(Hz)程度である。
薄膜ベアチップを振動板50上に搭載する方法は、振動板50を基板としてデバイスを直接形成してもよいし、フィルム上の薄膜ベアチップデバイスを振動板50に貼り合わせてもよい。
上述したデバイス以外にも、有機半導体(有機トランジスタ)などのデバイスを適用してもよい。有機半導体は、キャリア移動度が1(cm/Vs)程度であり、周波数は、横型で1M(Hz)程度、たて型FETで200M(Hz)程度が予想される。この有機半導体は、インクジェット方式によって素子を形成可能であり、他のデバイスに比べて小型化及び高集積化が可能になる。
〔垂直配線の説明〕
次に、ヘッド10の垂直配線について説明する。図9は、本例に示すヘッド10の垂直配線構造を説明する図(図2中IX−IX線に沿う断面図)である。同図に示すように、ヘッド10は6つのヘッドユニット12(12-1〜12-6)を積層した積層構造を有し、6つのヘッドユニット12から構成される積層体の最表面(ヘッドユニット12-1のヘッドユニット12-2と反対側の面)にはフレキシブル基板26が設けられている。
各ヘッドユニット12-1〜12-6の駆動回路34から引き出された配線は、各ヘッドユニット12を貫通するように形成されたビア(垂直配線)200を介して、ヘッドユニット12の積層体の最表面の一方に引き出され、該最表面に形成されたパッド202を介してフレキシブル基板26に形成される配線パターンと接合される。
例えば、ヘッドユニット12-6の駆動回路34から引き出された配線は、ヘッドユニット12-5を貫通するように形成されるビア200-5と、ヘッドユニット12-4を貫通するように形成されるビア200-4と、ヘッドユニット12-3を貫通するように形成されるビア200-3と、ヘッドユニット12-2を貫通するように形成されるビア200-2と、ヘッドユニット12-1を貫通するように形成されるビア200-1と、ヘッドユニット12-1に形成されたパッド202と、を介してフレキシブル基板26に形成される所定の配線パターンと導通するように構成されている。
各ヘッドユニット12に形成されるビア200は、圧電素子32から駆動回路34に引き出される水平配線36(図2参照)よりも少ない数であり、水平配線のサイズ(配線パターンの幅)よりもサイズ(ビアの直径)を大きくすることができ、更に、ビア200の配置ピッチも水平配線36の配線間ピッチよりも大きくすることが可能である。したがって、ビア200は水平配線36に比べて形成が容易であり、また、ビア200を接続する際に各ヘッドユニット12の高精度な位置合わせを必要としない。したがって、ビア間の接続の信頼性を高めることができる。
このように、各ヘッドユニット12の駆動回路34から引き出された配線がヘッドユニット12の積層体の最表面に引き出される構造によれば、ヘッド外部へ配線を引き出すフレキシブル基板26を共通化することができ、ヘッド10全体としてフレキシブル基板26の数が削減される。なお、本例では、ヘッドユニット12の積層体の最表面の一方にフレキシブル基板26を備える態様を示したが、最表面の両方にフレキシブル基板26を備えてもよい。また、該最表面以外にフレキシブル基板26を備える態様も可能である。
〔応用例〕
次に、上述したヘッド10の応用例について説明する。図10は、本応用例に係るヘッド10の立体構造を示す断面図(図2中、X−X線に沿う断面図)である。同図に示すように、振動板50の駆動回路34が配設される面と反対側の面に、放熱部材220が設けられている。この放熱部材220は金属材料やセラミックなど比較的熱導電性の高い材料が用いられ、駆動回路34が配設される領域に対応して設けられる。本例では、断面形状が略長方形(四角形)の放熱部材220を示したが、放熱部材220の形状には略長方形以外の様々な形状を適用可能である。
また、図示は省略するが、放熱部材220はその表面積を大きくするために溝加工などが施されるフィン形状を有することがより好ましい。
更に、放熱部材220に振動板50と同一材料(SUS)を用いる場合には、振動板50と放熱部材220とを一体に形成してもよい。また、放熱部材220を液体流路内に設けることで、液体によって駆動回路34を冷却するとともに駆動回路34が発生する熱によって液体を加熱して液体の増粘防止を図ることができる。
更に、隔壁基板54に金属やセラミックを用いて駆動回路34の放熱板とすることもできる。隔壁プレート54を放熱板として用いる態様では、熱導電性ペーストを駆動回路34と他のヘッドユニット12の隔壁基板54(54A)との間に充填し、駆動回路34と隔壁基板54との密着性を上げることが好ましい。なお、図10に示すように、振動板50と他のヘッドユニット12の隔壁基板54との間隔は30μm〜100μmであるので、この間隔が大きくならないように熱導電性ペーストが充填される。
〔製造方法〕
次に、上述したヘッド10(ヘッドユニット12)の製造方法について説明する。本例のヘッドユニット12は、振動板50に圧電素子32および駆動回路34等を形成し、振動板50の圧電素子32が配設される面と反対側の面に所定の流路構造が形成された流路基板52を接合し、更に、流路基板52の振動板50と反対側に隔壁基板54を接合して作成される(図3(a)参照)。なお、図3(b)に示す態様では、振動板50の流路基板52と反対側には隔壁基板54が接合される。
このようにして作成されたヘッドユニット12を用いて、ノズル数に応じた所定の枚数のヘッドユニット12が積層された積層体が作成される。ヘッドユニット12の積層体の最表面にフレキシブル基板26が接合され、更に、支持プレート14,16がヘッドユニット12の積層体の最表面の両面に接合され、ノズルプレート20が接合される。
次に、図4に示す振動板50を作成する振動板作成工程について説明する。SUSプレートによって形成された振動板50の所定の位置にPZT膜を生成する。PZT膜は振動板の全面に形成されてもよいし、流路基板52に形成される圧力室30に対応する領域のみに形成されてもよい。
なお、振動板50と共通電極を兼用しない態様では、振動板50のPZT膜が形成される領域に所定の絶縁処理が施され、金、プラチナ、銅、アルミニウムなどの金属薄膜の共通電極が形成される。共通電極が形成された領域にPZT膜が成膜される(PZT膜成膜工程)。
PZT膜の振動板50と反対側の面の圧力室30に対応する領域には個別電極が形成される(個別電極形成工程)。この個別電極が形成された領域が圧電素子32として機能する。個別電極は、金、プラチナ、銅、アルミニウムなど金属薄膜が用いられる。
また、駆動回路34が形成される領域には駆動回路34を構成するデバイスの電極に対応したパッドと、個別電極から引き出されパッドに接合される水平配線36が形成される(配線形成工程)。個別電極、パッド、水平配線を形成するプロセスには、金、プラチナ、銅、アルミニウムなどのスパッタ薄膜を形成した後に、フォトリソグラフ工程、エッチング工程によって微細電極、微細配線を形成する標準的な半導体・微細加工プロセスが適用される。
駆動回路34を構成するドライバIC112及びスイッチIC146(図7参照)となる薄膜ベアチップは、裏面研磨技術により予め基板を数十μm(20μm程度)から100μm程度に薄膜化しておく(研磨工程)。また、該薄膜ベアチップには、振動板50上にフリップチップ実装するためのバンプを形成する(バンプ形成工程)。このバンプとは、薄膜ベアチップのパターン上に形成された突起状電極のことである。(参考文献、コンパクト版・半導体用語辞典、半導体用語辞典編集委員会編、日刊工業新聞社発行)
研磨工程、バンプ形成工程を経て作成された薄膜ベアチップは、振動板50の所定の位置にフリップチップ実装される(実装工程)。フリップチップ実装とは、ワイヤレスボンディングの一種であり、半導体チップ(本例では、薄膜ベアチップ)表面の電極上にバンプと呼ばれる突起電極を形成し、チップの表裏を逆にして配線基板(本例では、振動板50)に形成された電極とバンプとを位置合わせしてフェイスダウンボンディングで接続する実装方法である。(参考文献、コンパクト版・半導体用語辞典、半導体用語辞典編集
委員会編、日刊工業新聞社発行)
薄膜ベアチップと振動板50との接合にはACFが好適に用いられる。具体的には、ACFを振動板50上のパッドのある領域に貼り付けた後、薄膜ベアチップと振動板50上のパッドとの位置合わせをして、加熱及び加圧を施し、実装が完了する。なお、ACFに代わりNCP(非導電性ペースト)やACP(異方性導電性ペースト)を用いることも可能である。これらの接合部材はペーストかフィルムかといった違いはあるが、何れも振動板50と薄膜ベアチップとの間に挟み込んだ状態で加熱及び加圧することにより基板たる振動板50と薄膜ベアチップとを接合する。
このようにして、圧電素子32及び駆動回路34が実装された振動板50が作成されると、該振動板50に流路プレートを位置合わせして接合し、更に、
振動板50及び流路基板52の接合体に隔壁基板54が位置合わせして接合される。振動板50、流路基板52、隔壁基板54の接合方法は、接着剤などの接合部材を用いる方法、流路基板52、隔壁基板54にフォトレジストやポリイミドなどの基板を適用し、該基板にフォトプロセスによって流路等の形状を形成した後に、加熱及び加圧によって接合する方法がある。
なお、流路基板52、隔壁基板54の製造方法は、上記の方法に限定されず、他の成膜方法を適宜用いることができる。
上記の如く構成された液体吐出ヘッド10は、該ヘッド10を構成するヘッドユニット12に圧電素子32を駆動する駆動回路34が搭載されるので、駆動回路34をヘッド10の外部に備える場合に比べてヘッド10(ヘッドユニット12)から引き出される配線数を大幅に削減することができる。引出配線数を削減することで、フレキシブル基板26との接点を削減することもでき、接合信頼性及び歩留まりの向上が見込まれる。
また、複数のヘッドユニット12を備える態様では、各ヘッドユニット12から引き出される配線数が削減された結果、各ヘッドユニット12から引き出される配線をビア(垂直配線)200を介してヘッドユニット12の積層体の最表面に引き出すことが可能になり、各ヘッドユニット12から引き出された配線はこの最表面でフレキシブル基板26と接合されるので、各ヘッドユニット12にフレキシブル基板26を備える必要がなく、フレキシブル基板26の数を削減することができる。
圧電素子32が配設される振動板50に該圧電素子32を駆動する駆動回路34を配設することで、圧電素子32と駆動回路34との配線長が短くなり、配線インピーダンス(配線容量、配線抵抗)が小さくなるので、耐ノイズ性能、S/N比の向上及び信号遅延を小さくすること(信号伝達特性の向上)が見込まれる。
駆動回路34を振動板50に配設することで、駆動回路34と液流路内部の液体とを振動板50を介して近接させることができるので、駆動回路34の駆動時の発熱を低減させることができる。更に、応用例に示した放熱部材220を備えることで、駆動回路34の冷却効果をより高めることができる。
〔装置例〕
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載した装置例について説明する。図11は、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置310の概略構成図である。
このインクジェット記録装置310は、インクの色毎に設けられた複数のヘッド312K、312C、312M、312Yを有する印字部312と、各ヘッド312K、312C、312M、312Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部314と、記録紙316を供給する給紙部318と、記録紙316のカールを除去するデカール処理部320と、前記印字部312のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙316の平面性を保持しながら記録紙316を搬送する吸着ベルト搬送部322と、印字部312による印字結果を読み取る印字検出部324と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部326と、を備えている。
図11では、給紙部318の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図11のように、裁断用のカッター328が設けられており、該カッター328によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター328は、記録紙316の搬送路幅以上の長さを有する固定刃328Aと、該固定刃328Aに沿って移動する丸刃328Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃328Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃328Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター328は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部318から送り出される記録紙316はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部320においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム330で記録紙316に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙316は、吸着ベルト搬送部322へと送られる。吸着ベルト搬送部322は、ローラー331、332間に無端状のベルト333が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部312のノズル面及び印字検出部324のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト333は、記録紙316の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図11に示したとおり、ローラー331、332間に掛け渡されたベルト333の内側において印字部312のノズル面及び印字検出部324のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー334が設けられており、この吸着チャンバー334をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト333上の記録紙316が吸着保持される。
ベルト333が巻かれているローラー331、332の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト333は図11において、時計回り方向に駆動され、ベルト333上に保持された記録紙316は、図11の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト333上にもインクが付着するので、ベルト333の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部336が設けられている。ベルト清掃部336の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部322に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部322により形成される用紙搬送路上において印字部312の上流側には、加熱ファン340が設けられている。加熱ファン340は、印字前の記録紙316に加熱空気を吹きつけ、記録紙316を加熱する。印字直前に記録紙316を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部312は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部312を構成する各ヘッド312K、312C、312M、312Yは、本インクジェット記録装置310が対象とする最大サイズの記録紙316の少なくとも一辺を超える長さにわたってインクの吐出口(ノズル)が1列に配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙316の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図11の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド312K、312C、312M、312Yが配置されている。記録紙316を搬送しつつ各ヘッド312K、312C、312M、312Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙316上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部312によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙316と印字部312を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙316の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図11に示したように、インク貯蔵/装填部314は、各ヘッド312K、312C、312M、312Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド312K、312C、312M、312Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部314は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部324は、印字部312の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部324は、少なくとも各ヘッド312K、312C、312M、312Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部324は、各色のヘッド312K、312C、312M、312Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部324の後段には、後乾燥部342が設けられている。後乾燥部342は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部342の後段には、加熱・加圧部344が設けられている。加熱・加圧部344は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー345で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部326から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置310では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部326A、326Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)348によってテスト印字の部分を切り離す。カッター348は、排紙部326の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター348の構造は前述した第1のカッター328と同様であり、固定刃348Aと丸刃348Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部326Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
なお、本実施形態では、記録紙16(記録媒体)の幅にと対応する長さのノズル列を有するフルライン型ヘッドを例示したが、本発明の適用範囲はフルライン型ヘッドに限定されない。例えば、記録紙16の幅よりも短い長さのノズル列を有する短尺ヘッドを記録紙16の幅方向に走査させるシリアル型ヘッドにも本発明を適用可能である。また、フルラインヘッドには、短尺ヘッドを組み合わせて記録紙16の幅に対応する長さとする態様も可能である。
以上、本発明の液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視図 図1に示すヘッドユニットの積層体の透視斜視図 図1に示すヘッドユニットの分解斜視図 図3(a)に示すヘッドユニットの他の態様の分解斜視図 図1に示すヘッドユニットを構成する振動板の平面図 図1に示すヘッドユニットを構成する流路プレートの平面図 図1に示すヘッドユニットを構成する隔壁基板の平面図 図4に示す振動板に搭載される駆動回路の構成を示すブロック図 図7に示す選択回路の動作を説明する図 図2中IX−IX線に沿う 図2中X−X線に沿う 本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の全体概略図
符号の説明
10,312K,312C,312M,312Y…ヘッド、12…ヘッドユニット、20…ノズル、26…フレキシブル基板、32…圧電素子、34…駆動回路、36…水平配線、38…引出配線、50…振動板、52…流路プレート、54…隔壁基板、68…凹部、112…ドライバIC、120…スイッチIC、200…ビア(垂直配線)、202…パッド、220…放熱部材

Claims (11)

  1. 液体を吐出させる複数のノズルが形成される面と略直交する面に前記複数のノズルと連通する複数の圧力室が所定の方向に並べられた流路基板と、
    前記流路基板の前記圧力室が形成される面に接合され前記圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の前記圧力室と反対側の面の前記圧力室に対応する位置に設けられ、前記圧力室に収容される液体を加圧する圧電素子と、
    前記振動板の前記圧電素子が設けられる圧電素子配設面及び該圧電素子配設面と反対側の面のうち少なくとも何れか一方に設けられ、前記圧電素子に駆動信号を与える駆動回路と、
    を備えたヘッドユニットを有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記圧電素子の変位空間を確保するとともに前記駆動回路が収納される凹部を有する保護基板を前記圧電素子配設面に備えたことを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記駆動回路から引き出される引出配線と導通し、前記液体吐出ヘッドの外部に配線を引き出す配線部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ヘッドユニットを複数備え、前記複数のヘッドユニットは前記ノズルが形成される面と略平行方向に沿って積層されることを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記ヘッドユニットは、該ヘッドユニットの積層方向に貫通する垂直配線を有し、
    前記駆動回路から引き出される引出配線は他のヘッドユニットに形成される前記垂直配線部材と導通し、更に、前記垂直配線を介して他のヘッドユニットに接合される配線部材と導通する配線構造を有することを特徴とする請求項4記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記振動板及び前記駆動回路のうち少なくとも何れか一方に放熱部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記駆動回路は、ベアチップ化されるとともに前記振動板にフリップチップ実装されることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1乃至請求項7のうち少なくとも何れか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 液体を吐出させる複数のノズルが形成される面と略直交する面に、前記複数のノズルと連通する複数の圧力室が所定の方向に並べられた流路基板を形成する流路基板形成工程と、
    基板の一方の面に圧電素子を形成するとともに、前記基板の前記圧電素子が設けられる圧電素子配設面及び該圧電素子配設面と反対側の面のうち少なくとも何れか一方の面に前記圧電素子を駆動する駆動回路を形成する振動板形成工程と、
    前記圧力室と前記圧電素子との位置を合わせて前記流路基板と前記振動板を接合する接合工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記流路基板及び前記振動板を含むヘッドユニットを複数積層し、前記ヘッドユニットの積層体を形成する積層工程を含むことを特徴とする請求項9記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記振動板形成工程は、ベアチップ化された前記駆動回路を前記振動板にフリップチップ実装する実装工程を含むことを特徴とする請求項9又は10記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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