JP2006082343A - 液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 共通液室の中を貫通するように配線部材を配設する場合、配線部材と圧電素子の接合部において、確実な電気的導通を確保すると共に、液体に対する絶縁性を確保する。
【解決手段】 液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれを変形する圧電素子と、前記圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室と、前記圧電素子が配置される面に対して略垂直方向に、その少なくとも一部が前記共通液室内を立ち上がるように形成され、前記圧電素子を駆動するための配線部材と、を備え、前記配線部材は、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で、前記圧電素子と導通されていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供することにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に係り、特に、液体を吐出する吐出口の配置を高密度化するとともに高粘度液体の吐出を可能とした液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット方式の画像形成装置は、多数のノズル(吐出口)をマトリクス状に配列させた印字ヘッド(液体吐出ヘッド)を有し、各ノズルから記録媒体に対してインク滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する。
従来の印字ヘッドの内部構成として、圧力室の一つの壁面を形成する振動板を境にして、ノズルに連通する圧力室、インクを貯留する共通液室、共通液室から圧力室にインクを供給するインク供給口及びノズルを同一側に配置し、これらとは反対側に圧電素子を配置した構成が知られている。そして、共通液室から圧力室にインクが供給され、画像データに応じた電気信号が圧電素子に送られると、その圧電素子は駆動し、圧力室の一部を構成する振動板を変形させる。これにより圧力室の容積は減少し、圧力室内のインクはノズルからインク滴として吐出される。記録媒体に着弾したインク滴は、記録媒体上でドットを形成する。このようなドットを組み合わせることにより、記録媒体上に1つの画像が形成される。
ところで近年、インクジェット方式の画像形成装置の高画質化が望まれている。高画質化を実現するためには、ノズル径を小さくしてノズルから吐出されるインク滴を微小化すると共に、印字ヘッドに備えられるノズルを高密度に配列して1画像あたりの画素数を多くすることが必要である。そこで従来より、ノズルを高密度化するための様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献5等参照)
特許文献1には、振動板にインク供給用の穴を形成し、振動板のノズルとは反対側にリザーバ(共通液室)を配置した構造の印字ヘッドが開示されている。
特許文献2には、振動板の圧電素子側にインク供給部(共通液室)を設け、振動板の圧力発生室(圧力室)の外側領域にインク供給口を形成した構造を有する印字ヘッドが開示されている。
特許文献3には、圧電素子が形成された面にリザーバ部(共通液室)を有する印字ヘッドが開示されている。
特許文献4には、圧力室に対して、ノズル側に圧電素子を配置すると共に、ノズル側とは反対側に基板(配線層)を配置した印字ヘッドが開示されている。
特許文献5には、ノズルの形成されるノズル層と、インク空洞(圧力室)を形成する空洞層との間に、圧力室にインクを供給する多孔質部材から形成されるインク供給層を配置した印字ヘッドが開示されている。同文献によれば、インク空洞の天板を構成する変位板(振動板)上に圧電要素(圧電素子)が配置され、圧電素子からノズル面に対して略垂直方向に配線部材が設けられ、その先に基板(配線層)が配置されている。
特開平9−226114号公報 特開2001−179973号公報 特開2000−127379号公報 特開2000−289201号公報 特表2003−512211号公報
しかしながら、従来の印字ヘッドの構成でノズルの高密度化を進めた場合、圧電素子の配線等の電気配線の増加により、従来通りに電気配線を同一面上にパターニングできないという課題がある。
例えば、特許文献1及び特許文献2に開示された印字ヘッドの電気配線は振動板上に形成されるため、ノズルを高密度化した場合の電気配線のスペースの確保は困難である。
また特許文献3に開示された印字ヘッドの配線は、ワイヤボンディング若しくは成膜により形成されるが、そもそもマトリクス状のノズル配置は想定されておらず、このような配線を高密度に配置することは困難である。
このような課題に対して、特許文献4に開示された印字ヘッドでは、圧力室に対して圧電素子側とは反対側に配線層を設け、電気配線のスペースを確保している。しかしながら、この印字ヘッドを構成する積層板の中に圧電素子と配線層を接続する電極(Alプラグ)を形成しているため、ノズルの高密度化を進めていくと、このような電極のスペースを多く確保しなければならなず、印字ヘッドに備えられる共通液室の設計に制約が伴ってしまう。例えば、共通液室が小さくなってしまうと、多ノズルを高周波で駆動した場合には、共通液室から各圧力室に対するインク供給が追いつかず、ノズルからインク滴を吐出できなくなる。
また特許文献5に開示された印字ヘッドでは、インク供給層に供給されるインクを貯留する共通液室(インクマニホールド)は、配線層に対して配線部材側とは反対側に設けられている。そのため、共通液室からインク供給層を通って圧力室にインクを供給するための流路は長くなるので、ノズルを高密度化していくと、インク供給が間に合わなくなる恐れがある。特に、インク供給層は多孔質部材により構成されているため、高粘度インクの吐出には適さない。さらに、上述したように共通液室は配置されているので、配線部材の液体に対する絶縁性については考慮されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、共通液室の中を貫通するように配線部材を配設する場合、配線部材と圧電素子の接合部において、確実な電気的導通を確保すると共に、液体に対する絶縁性を確保した液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれを変形する圧電素子と、前記圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室と、前記圧電素子が配置される面に対して略垂直方向に、その少なくとも一部が前記共通液室内を立ち上がるように形成され、前記圧電素子を駆動するための配線部材と、を備え、前記配線部材は、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で、前記圧電素子と導通されていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、配線部材の少なくとも一部が共通液室の中を立ち上がるように配設される場合、配線部材と圧電素子の接合部が液体に濡れる状態にあっても、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で接合することにより、この接合部における電気的導通を確実なものとしつつ、液体に対する絶縁性を確保することができる。
配線部材は、内側に導電体を有し、外側に液体と絶縁するための絶縁体から構成される。なお、絶縁体はコート膜でもよい。
「配線部材の少なくとも一部」とは、配線部材が共通液室の中に孤立して立ち上がっている態様を含むことはもちろんのこと、配線部材の一部が共通液室の側壁に埋め込まれ、その一部が共通液室内の液体と接している態様も含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドであって、前記導電性粒子は、弾性を有することを特徴とする。
請求項2の態様によれば、弾性を有する導電性粒子を含む接着剤を用いることにより、配線部材、圧電素子、配線層等の製造ばらつきを液体吐出ヘッドの組み立て時に吸収することができる。これにより、製造ばらつきを要因とする圧電素子へのダメージを低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液体吐出ヘッドであって、前記導電性粒子のヤング率は、前記配線部材のヤング率より小さいことを特徴とする。
請求項3の態様によれば、導電性粒子を含んだ接着剤による接合時に、導電性粒子が主として変形するので、配線部材の変形や断線等を防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の液体吐出ヘッドであって、前記導電性粒子は、弾性体の表面を金属薄膜でコートした構造を有することを特徴とする。
請求項4の態様によれば、導電性粒子のヤング率は、その内部を構成する弾性体により決定され、導電性粒子の導電率は、その表面を構成する金属薄膜により決定される。すなわち導電性粒子のヤング率と導電率は独立して決めることが可能となり、接着剤に含める導電性粒子の設計自由度が大きくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記導電性粒子の直径は、前記吐出口の直径及び前記共通液室から前記圧力室への供給口の直径より小さく、かつ前記配線部材の表面粗さより大きいことを特徴とする。
請求項5の態様によれば、万一、導電性粒子が共通液室等に貯留される液体中に浮遊したとしても、供給口又は吐出口での目詰まりを防止できると共に、配線部材の接合部において接着性や導通性を確保できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記配線部材の電極部の少なくとも1つの端部は、拡がった構造を有することを特徴とする。
請求項6の態様によれば、配線部材の電極部の端部は、多くの導電性粒子と接触することができるので、接合部における導通性が向上する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記配線部材は、前記圧電素子又は前記圧電素子の近傍から立ち上がるように形成されていることを特徴とする。
請求項7の態様によれば、吐出口の高密度化が可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記複数の吐出口は、2次元的に配列され、前記複数の配線部材は、前記圧電素子が配置される面に対して2次元的に配列されていることを特徴とする。
請求項8の態様によれば、さらなる吐出口の高密度化が可能となると共に、配線部材の配置を確保することと共通液室内の流体抵抗を低減することが可能となる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供する。
請求項9の態様によれば、液体吐出ヘッドの配線部材の接合部において、電気的な導通を確保し、かつ液体に対する絶縁性を確保することができる。これにより液体吐出ヘッドの高密化や高粘度吐出若しくは高周波駆動をより確実に実現でき、高画質な画像形成を行うことが可能となる。
請求項10に記載の発明は、液体を吐出する複数の吐出口を設け、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室を設け、前記複数の圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に、前記複数の圧力室のそれぞれを変形する圧電素子を設け、前記圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室を設け、前記圧電素子又は前記圧電素子の近傍から前記圧電素子が配置される面に対して略垂直方向に、その少なくとも一部が前記共通液室内を立ち上がるように配線部材を形成し、前記配線部材を、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で、前記圧電素子と接合する場合、前記接着剤の硬化前に、前記配線部材の電極部と前記圧電素子の電気的な導通がとれていることの確認を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
本発明によれば、接着剤の硬化前に電気的導通の確認を行うので、液体吐出ヘッドの歩留まりが向上する。
本発明によれば、配線部材の少なくとも一部が共通液室の中を立ち上がるように配設される場合、配線部材と圧電素子の接合部が液体に濡れる状態にあっても、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で接合することにより、この接合部における電気的導通を確実なものとしつつ、液体に対する絶縁性を確保することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。 ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
すなわち、印字部12を構成する各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔制御系の説明〕
図2はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド12K、12C、12M、12Yのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図2において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの圧電素子を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(不図示)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対する各種補正を行うようになっている。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとし、図3に印字ヘッド50の平面透視図を示す。
図3に示すように、印字ヘッド50は、インク滴を吐出するノズル51、インクを吐出する際インクに圧力を付与する圧力室52、圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
このような印字ヘッド50上のノズル配置のサイズは特に限定されるものではないが、一例として、ノズル51を横48行(21mm)、縦600列(305mm)に配列することにより2400npiを達成する。
図3に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は略正方形状をしているが、圧力室52の平面形状はこのような正方形に限定されるものではない。圧力室52には、図3に示すように、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。
図4は、印字ヘッド50の内部の概略構成の一部を表す斜視透視図である。同図には、ノズル51、圧力室52及びインク供給口53から成る圧力室ユニット54が4つ含まれている。
図4に示すように、印字ヘッド50には、ノズル51の形成されるノズル面50Aから図4中上方に向かって、ノズル51、ノズル51に連通する略直方体状の圧力室52、圧力室の天板を構成する振動板56、振動板56の上面に配置される圧電素子58、柱状の圧電素子配線90、多層フレキシブルケーブル92が設けられている。振動板56と多層フレキシブルケーブル92の間に形成される空間は、各圧力室52に供給するインクを貯留する共通液室55である。また共通液室55と各圧力室52の間に、それぞれインク供給口53が形成されている。
圧電素子配線90は、共通液室55の中を貫通するように設けられている。圧電素子配線90の内部には、上下を貫通するようにして電極部(図4中不図示、図6中符号100として記載)が形成されている。圧電素子配線90は、その形状からエレキ柱とも呼ばれている。また圧電素子配線(エレキ柱)90は、図4に示すように、振動板56から多層フレキシブルケーブル92に向かって広がるようなテーパ状に形成されている。このような圧電素子配線90の製造方法については後述する。
圧電素子58の上面は、個別電極57で構成されている。個別電極57の隅部外側には、電極パッド59が形成されている。電極パッド59は、個別電極57と一体的に形成されている。なお電極パッド59を個別に形成し、個別電極57と電気的に接続する構成でもよい。
電極パッド59の上面には、圧電素子配線90が接合される。圧電素子配線90と電極パッド59の接合部は、共通液室55に貯留されるインクに濡れる部分である。このような接合部において、電気的導通を確保し、かつインクに対する絶縁性を確保できる接合方法については後述する。
図5は、図4に示した印字ヘッド50の平面透視図である。図5に示すように、圧電素子58上面に設けられる個別電極57の平面形状は、圧力室52と略同一の略正方形状である。個別電極57のノズル51側の隅部から外方に引き出すようにして、略円状の電極パッド59が、個別電極57と一体的に形成されている。
図6は、図5中6−6断面図である。図6に示すように、印字ヘッド50は、複数の薄層状のプレートを積層した構造を有する。すなわち、ノズル面50Aから図6上方向に向かって、ノズル51が形成されるノズルプレート94、圧力室52及びノズル51と圧力室52を結ぶノズル流路51aが形成される流路プレート96、圧力室52の天板を構成する振動板56、圧電素子58上部に配置される圧電素子保護プレート97、圧電素子配線90の上方に設けられる多層フレキシブルケーブル92が積層されている。なお図6中、各プレートはそれぞれ1枚のプレートで表現されているが、実際は複数のプレートにより構成されている。
圧力室52の天板を構成する振動板56には、共通液室55と圧力室52を連通するインク供給口53を構成する貫通孔53aが各圧力室52に対応して形成されている。また振動板56上の圧電素子58の上部に設けられる圧電素子保護プレート97にも、振動板56と同様に、インク供給口53の一部を構成する貫通孔53bが各圧力室52に対応して形成されている。
かかる構成により、共通液室55と各圧力室52は、各インク供給口53を介して真っ直ぐに連通する。すなわち、共通液室55と各圧力室52は流体的に繋がれた状態となっている。
振動板56を挟んで、振動板56上の各圧力室52に対向する位置に配置される圧電素子58は、圧電体58aと、圧電体58aの上面に形成される個別電極57とから構成される。本実施形態では、振動板56はSUS材等の導電性を有する薄膜状のプレートで形成されており、この振動板56が各圧電素子58を駆動するための共通電極となっている。
圧電素子58の上方には、SUS材から成る圧電素子保護プレート97が形成されている。圧電素子保護プレート97は、その上部に配置される共通液室55に貯留されるインクから圧電素子58を保護するための絶縁・保護膜として機能する。
また圧電素子保護プレート97は、圧電素子58と圧電素子保護プレート97との間に空隙99が存在するように構成されている。空隙99を設けることにより、圧電素子58が駆動する際の抵抗は減少し、圧電素子58が動作し易くなり、圧電素子58の駆動効率が向上する。
個別電極57の端部を外方に引き出した電極パッド59の上面には、圧電素子配線90が接合される。圧電素子配線90の内部には、上下に貫通するようにした電極部100が形成されており、この電極部100の一端が電極パッド59と接続するように構成されている。前述したように、電極パッド59は個別電極57と一体的に形成されているので、圧電素子58の個別電極57と、圧電素子配線90の電極部100との電気的導通が取られている。
また多層フレキシケーブル92は、ヘッドドライバ84(図2参照)に接続する駆動電極部101を有する。駆動電極部101の一端は、圧電素子配線90に内設される電極部100と接続されており、圧電素子配線90の電極部100と多層フレキシブルケーブル92の駆動電極部101との電気的導通が取れられている。従って、ヘッドドライバ84から多層フレキシブルケーブル92の駆動電極部101及び圧電素子配線90の電極部100を介して個別電極57までの間は、電気的導通が取られている。
共通液室55は、振動板56と多層フレキシブルケーブル92との間に形成される空間である。共通液室55を構成する振動板56、圧電素子58、圧電素子保護プレート97、圧電素子配線90及び多層フレキシブルケーブル92のインクと接する部分には、絶縁・保護膜98が形成されている。なお上述のように、圧電素子保護プレート97が絶縁・保護膜として機能する場合は、圧電素子保護プレート97の表面には絶縁・保護膜98を形成しなくてもよい。
かかる構成により、ヘッドドライバ84(図2参照)から圧電素子58を駆動するための駆動信号が送られると、その駆動信号は、多層フレキシブルケーブル92の駆動電極101から圧電素子配線90の電極部100を通って、個別電極57に供給される。
駆動信号が個別電極57に供給されると、圧電体58aは変形し、圧力室52の天板を構成する振動板56が変形する。これにより、圧力室52の体積が減少し、圧力室52内に充填されているインクが、ノズル流路51aを通って、ノズル51からインク滴として吐出される。
本実施形態における印字ヘッド50は、共通液室55の中を貫通するようにして圧電素子配線90を設け、駆動信号を各圧電素子58に供給するための配線を圧電素子配線90の上方(圧力室52と反対方向)に配置される多層フレキシブルケーブル92中に設けたので、この配線を高密度化することが可能となった。
また本実施形態における印字ヘッド50では、共通液室55を、従来のように振動板56に対して圧力室52と同じ側に配置せず、振動板56を挟むようにして圧力室52と反対側に配置したため、従来のような共通液室55から圧力室52にインクを導くための複雑な流路が不要となる。また、共通液室のサイズを従来より大きくすることができる。さらに、圧力室52上方に配置される共通液室55と圧力室52とは、インク供給口53を介して真っ直ぐに連通すると共に、圧力室52からノズル51までのノズル流路51aの長さが従来よりも短くなる。
この結果、印字ヘッド50は、高粘度インク(例えば、20cp〜50cp程度)の吐出が可能になり、また吐出後の迅速なリフィル動作ができるようになり高周波駆動が可能となる
なお本発明の実施に際しては、共通液室55は、図4及び図6に示したように、印字ヘッド50の全ての圧力室52の形成される全領域に渡って1つの大きな空間として形成され、各圧力室52にインクを供給できるような構成に限定されず、いくつかの領域に分かれた複数の空間でもよい。
また本実施形態では、1つの電極パッド(すなわち、1つの個別電極57)に対して1つの圧電素子配線90が対応する構成を示したが、このような構成に限定されず、複数の圧電素子58に対して1つの圧電素子配線90が対応する構成でもよい。この場合、印字ヘッド50に形成される圧電素子配線(エレキ柱)90の数を削減することができる。
なお上述したような印字ヘッド50の各サイズは、特に限定されるものではないが、一例を示すと、圧力室52は平面形状が300μm×300μmの正方形で、高さが150μm、振動板56及び圧電素子58はそれぞれ厚さが10μm、圧電素子配線90(エレキ柱)は電極パッド59との接合部の直径が100μm、高さは500μm等のように形成される。
〔印字ヘッド50の製造方法〕
次に、印字ヘッド50の製造方法について説明する。
図7(a)〜(d)は、印字ヘッド50の製造工程を示した説明図である。
図7(a)に示すように、まずSUS材からなる複数のプレートに対するエッチング加工や、Siエッチング加工等により、圧力室52を構成する流路プレート96を形成する。またノズル51となる微細孔が穿設されたノズルプレート94をポリイミド等で形成する。そして、ノズルプレート94と流路プレート96を接着剤等により接合する。
次に図7(b)に示すように、流路プレート96上に振動板56を接合する。なお振動板56には、各圧力室52へのインク供給口53に対応する位置にそれぞれ貫通孔53aを形成しておく。
続いて、振動板56上の圧力室52に対応する位置に、AD法(エアロゾル法)あるいはスパッタ法等によって薄膜状の圧電体58aを形成する。なお薄膜状の圧電体58aをバルクの圧電体を研磨して形成してもよい。振動板56は導電性部材からなり、複数の圧電体58aの共通電極としての機能を持たせる。
次に図7(c)に示すように、圧電体58a上に個別電極57を形成する。個別電極57の形成の際には、その一端部から外方に引き出すようにした電極パッド59を一体的に形成しておく。この場合、電極パッド59と振動板56との間には、不図示の絶縁層を形成しておく。なお圧電体58aと個別電極57を共に引き出して形成した場合には、絶縁層は不要である。
個別電極57の上面には、SUS材で形成される圧電素子保護プレート97を形成する。なお圧電素子保護プレート97には、各圧力室52へのインク供給口53に対応する位置にそれぞれ貫通孔53bを形成しておく。
続いて、配線プレート91上に、略垂直に立設する圧電素子配線90を作製する。このような圧電素子配線90の作製方法については後述する。
配線プレート91上に圧電素子配線90を形成した後、圧電素子配線90の先端部と電極パッド59を接続する。圧電素子配線90の先端部と電極パッド59との接合部は、共通液室55に貯留されるインクによって濡れる部分である。このような接合部において、電気的導通を確保し、かつインクに対する絶縁性を確保できる接合方法については後述する。
圧電素子配線90の先端部と電極パッド59の接合により、振動板56と配線プレート91との間の空間に共通液室55が形成される。共通液室55を構成する振動板56、圧電素子58、圧電素子保護プレート97、圧電素子配線90及び多層フレキシブルケーブル92のインクに接する部分の表面には、不図示の絶縁・保護膜を形成しておく。なお前述したように、圧電素子保護プレート97が絶縁・保護膜として機能する場合は、圧電素子保護プレート97の表面には絶縁・保護膜98を形成しなくてもよい。
次に、図7(d)に示すように、配線プレート91の上側に多層のフレキシブルケーブル92を貼り付ける。多層フレキシブルケーブル92は、少なくとも4層以上によって形成される。圧電素子配線90と多層フレキシブルケーブル92に内設される配線との接続は、配線プレート91の圧電素子配線90の対応する位置に設けられた半田103によって行われる。
以上より、共通液室55の中を貫通するように構成される圧電素子配線90を備えた印字ヘッド50が形成される。
次に、圧電素子配線(エレキ柱)90の製造方法について説明する。
図8(a)〜(e)は、圧電素子配線90の製造工程を示した説明図である。
まず、図8(a)に示すように、絶縁基板によって構成される配線プレート91の上面に、厚さ約500μmの銅層93を形成する。
次に、図8(b)に示すように、銅層93をエッチング等によって削り、柱状の圧電素子配線90を形成する。各圧電素子配線90のサイズは、例えば、その先端部の直径d1は約100μm、高さd2は銅の層93の厚さに等しく約500μmとなるように形成する。
次に、図8(c)に示すように、柱状の圧電素子配線90の側面に絶縁・保護膜98をコートする。前述したように、共通液室55の中を貫通するように構成される圧電素子配線90は常にインクと接触するため、圧電素子配線90を保護するために絶縁・保護膜98が形成される。
次に、図8(d)に示すように、圧電素子配線90に対応する配線プレート91下面から、配線プレート91を上下に貫通する孔部91aを加工する。この孔部91aを、図8(a)で示した配線プレート91上に銅層93を形成する工程の前に予め加工しておいてもよい。
最後に、図8(e)に示すように、配線プレート91に形成された孔部91aに対して半田103を流し込む。このようにして、配線プレート91上に圧電素子配線(エレキ柱)90が形成される。
そして、図8(e)に示した状態の配線プレート91を上下逆にして、図7(c)に示すように、圧電素子配線90の先端部と振動板56上の電極パッド59を接合する。そして、さらに図7(d)に示したようにに、配線プレート91の上側に多層のフレキシブルケーブル92を貼り付けることにより、印字ヘッド50が形成される。
なお図7(a)〜(d)に示したように、配線プレート91上に複数の圧電素子配線90を形成してから、圧電素子配線90の先端部と電極パッド59を接合するのでなく、圧電素子配線90を一つずつ電極パッド59に接合した後に、配線プレート91や多層フレキシブルケーブル92を接合してもよい。圧電素子配線90を一つずつ取り付ける場合には接合に時間を要するが、配線プレート91上に圧電素子配線90を形成する際の位置精度を問題にする必要がない。
〔圧電素子配線の接合方法〕
圧電素子配線90と電極パッド59との接合部は、共通液室55に貯留されるインクに濡れる部分である。以下では、このような接合部において、電気的導通を確保しつつ、かつインクに対する絶縁性を確保できる接合方法について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態における圧電素子配線90と電極パッド59との接合部周辺の概略図である。
圧電素子配線90と電極パッド59との接続に用いられる接着剤106は、導電性粒子102を含む非導電性樹脂104から構成される。このような接着剤106には、例えば、異方導電性接着剤として市販されているエポキシ接着剤がある。エポキシ接着剤は耐薬品性も高く、本実施形態のように、インクに濡れる圧電素子配線90の接合に適する。
本実施形態では、図9に示すように、圧電素子配線90の先端部90aと、電極パッド59を接着剤106により接着する。
このとき圧電素子配線90の内部に形成される電極部100の先端部100aは、接着剤106に含まれる導電性粒子102を介して電極パッド59と接続される。前述したように電極パッド59と個別電極57は一体的に形成されているため、圧電素子配線90の電極部100と個別電極57の電気的導通が取られる。
また圧電素子配線90の先端部90aと電極パッド59との接合部周辺は、非導電性樹脂104によって覆われるので、インクに対する絶縁性が確保される。
ところで本実施形態において、導電性粒子102のヤング率は、圧電素子配線90又は圧電素子配線90に内設される電極部100のヤング率より小さい。導電性粒子102のヤング率が大きいと、接着際の加圧時に圧電素子配線90又は電極部100が変形してしまい、断線等の問題が生じる恐れがある。そのため圧電素子配線90又は電極部100に比べて、導電性粒子102が柔らかい方が好ましい。
また導電性粒子102の直径をd、ノズル51の直径をD1、電極部100の先端部100aにおける表面粗さをRとすると、次式(1)が成立する。
D1>d>R ・・・(1)
接着剤106により圧電素子配線90と電極パッド59を接着した印字ヘッド50では、導電性粒子102が、共通液室55に貯留されるインクの中を浮遊した場合、ノズル51で詰まり、吐出不良となる可能性がある。このような吐出不良を防止するため、導電性粒子102の直径dは、ノズル51の直径D1より小さくなるように構成する。
また導電性粒子102の直径dが、電極部100の先端部100aの表面粗さRより小さいと、接着の際の加圧等により、導電性粒子102が電極部100の隙間に入り込んでしまい、十分に押し付けることができず、電極部100と電極パッド59の電気的導通が十分に取れない。そのため導電性粒子102の直径dは、電極部100の先端部100aの表面粗さRより大きくなるように構成する。
本実施形態の一例として、ノズル51の直径Dが20μm、電極部100の先端部100aの表面粗さRが0.1μmである場合、式(1)より、導電性粒子102の直径dは、次式(2)に示すような範囲に構成される。
20μm>d>0.1μm ・・・(2)
ノズル51からの導電性粒子102の排出性、電極部100の先端部100aと導電性粒子102との密着性、電極部100と個別電極57との十分な電気的導通の確保等を考慮すると、導電性粒子102の直径dは、次式(3)を満足する範囲であることがより好ましい。
10μm≧d≧1μm ・・・(3)
本実施形態における導電性粒子102の直径dは、インク供給口53の直径をD2とした場合、次式(4)を満たすことがより好ましい。
D1>d>R かつ D2>d>R・・・(4)
共通液室55に貯留されるインクの中を浮遊した導電性粒子102が、ノズル51で詰まるのを防止すると共に、インク供給口53で詰まるのを防止することができる。
また接着剤106を用いて圧電素子配線90と電極パッド59の接着を行う場合には、接着剤を硬化させる前に、電極部100と個別電極57の電気的導通を確認してから行うことが好ましい。
圧電素子配線90の接合にあたっては、個別電極57と確実な電気的導通を取れることが重要である。接着剤106の硬化前の電気的導通の確認で、万一、電気的導通が取れていないことを確認した場合は、圧電素子配線90と電極パッド59を取り外して洗浄等を行い、再度接着をやり直し、電気的導通の確認をもう一度行う。このようにすることにより、印字ヘッド50の構成部品等の無駄な消費を抑え、歩留まりを向上させることができる。
熱硬化性の接着剤106を用いる場合は、電気的導通の確認後に、接着剤106を加熱して硬化させればよい。一方、常温硬化性の接着剤106を用いる場合は、電気的導通の確認作業に問題がない程度の硬化時間のものを選べばよい。
なお熱硬化性の接着剤106を用いた場合、接着剤106を硬化させるための加熱によって、熱膨張係数の違いにより印字ヘッド50が反ってしまうような状況が発生する可能性がある。このような場合は、常温硬化性の接着剤106を用いることが好ましい。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
図10は、第2の実施形態における導電性粒子102の断面図である。図10に示すように、本実施形態における導電性粒子102は、略球状の弾性体110と、弾性体110の外周面を導電性の金属で成膜した金属薄膜112と、から構成される。このような導電性粒子102としては、例えば、ポリスチレン球の周りにNi−Au無電界メッキをしたものが知られている。
図11は、図10に示した導電性粒子102を含む接着剤106を用いた場合の圧電素子配線90と電極パッド59の接合部周辺を示した概略図である。
図11に示すように、図10に示した導電性粒子102を含む接着剤106によって圧電素子配線90と電極パッド59を接着した場合、圧電素子配線90の先端部90aと電極パッド59との間に存在する導電性粒子102Bは、接着の際に図11中矢印方向に加圧されるため、略楕円状に変形する。
このような導電性粒子102Bの変形により、複数の圧電素子配線90間の高さ(図8(b)の高さd2)の製造ばらつきを吸収することができる。これにより、製造ばらつきを要因とする圧電素子58へのダメージを低減することができる。そして、複数の圧電素子配線90とそれぞれに対応する電極パッド59との接合を確実に行うことができる。
特に、図4に示したような圧電素子58の外側に配置される電極パッド59上方でなく、圧電素子58の上方に圧電素子配線90が配置される構成の場合、圧電素子配線90に荷重がかけられても、導電性粒子102は図11に示したように変形するため、圧電素子58の破壊を防止することができる。
本実施形態における導電性粒子102は、前述したように、弾性体110と、弾性体110の表面を覆う金属薄膜112により構成されるため、導電性粒子102のヤング率は弾性体110により決定され、導電性粒子102の導電率は金属薄膜112により決定される。従って、導電性粒子102のヤング率と導電率は独立して決めることが可能であり、接着剤106に含める導電性粒子102の設計自由度が大きくなる。
また導電性粒子102の金属薄膜112は、化学的に安定なAuでコートされていることが好ましい。図11に示すように、圧電素子配線90と電極パッド59との接合部周辺に塗布された接着剤106の非導電性樹脂104表面から導電性粒子102Aが突出してインクに触れる可能性があるためである。
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る圧電素子配線90と電極パッド59の接合部周辺を示した概略図である。図12に示すように、本実施形態における圧電素子配線90の電極部100は、第1の実施形態のような形状(図9参照)とは異なり、その先端部100aで拡がる断面略逆T字状の形状を有する。
図13は、圧電素子配線90の他の構成例を示す部分断面図である。図13に示す圧電素子配線90の電極部100は、図12に示した電極部100の先端部100aを、さらに圧電素子配線90の側面まで拡げた構成例である。
このように先端部100aで拡がった形状を有する電極部100を備えた圧電素子配線90と電極パッド59の接合を、第1の実施形態と同様に、導電性粒子102と非導電性樹脂104から成る接着剤106を用いて行う。なお第2の実施形態と同様の弾性体110及び金属薄膜112からなる接着剤106(図10及び図11参照)を用いてもよい。
本実施形態における圧電素子配線90は、図12や図13に示したように電極部100の先端部100aが拡がった構造を有しているので、この先端部100aが導電性粒子102と接触する面積が大きくなり、より多くの導電性粒子102と接触することができる。また第1の実施形態と比べて、電極部100の先端部100aと導電性粒子102との接触面積が拡くなるので、電気的な接触抵抗が小さくなる。このため、圧電素子配線90の電極部100と個別電極57の電気的導通をより確実に取ることができる。
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態に係る圧電素子配線90と電極パッド59の接合部周辺を示した概略図である。本実施形態では、圧電素子配線90の構成は第1及び第2の実施形態と略共通するが、接着剤106に含まれる導電性粒子102の外周面が親液処理されている点が異なる。
導電性粒子102の外周面を親液処理し、接着剤106の非導電性樹脂104に対する濡れ性を良くする。そして、このように親液処理した導電性粒子102を含む接着剤106を用いて、圧電素子配線90と電極パッド59の接合を行う。
図14に示すように、導電性粒子102Aが非導電性樹脂104表面から外側に突出した場合、導電性粒子102Aの外周面に対する親液処理の作用により、導電性粒子102Aの外周面は非導電性樹脂104によって覆われた状態となる。
そして、この状態で接着剤106は硬化するので、導電性粒子102が共通液室55に貯留されるインクに直接触れたり、導電性粒子102が接着剤106から離脱して、共通液室55等(図9参照)のインク中を浮遊することがない。
以上、圧電素子配線90と電極パッド59の接合部において、電気的導通を確実にすると共に、インクに対する絶縁性を確保することできる接合方法について説明したが、本発明の適用部分は、圧電素子配線90と電極パッド59の接合部に限定されず、電気的導通及びインクに対する絶縁性を確保することを目的とした接合部であれば適用可能である。例えば、圧電素子配線90と多層フレキシブルケーブル92の接合部が、共通液室55に貯留されるインクに濡れるような構成の場合、本発明を好適に適用することができる。
以上、本発明の液体吐出ヘッド、画像形成装置及び液体吐出ヘッドの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図である。 印字ヘッドの内部の概略構成の一部を表す斜視透視図である。 図4に示した印字ヘッドの平面透視図である。 図5中6−6断面図である。 (a)〜(d)は印字ヘッドの製造工程を示す説明図である。 (a)〜(e)は圧電素子配線(エレキ柱)の製造工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における圧電素子配線と電極パッドとの接合部周辺の拡大図である。 本発明の第2実施形態における導電性粒子の断面図である。 本発明の第2の実施形態における圧電素子配線と電極パッドとの接合部周辺の拡大図である。 本発明の第3の実施形態における圧電素子配線と電極パッドとの接合部周辺の拡大図である。 本発明の第3の実施形態における圧電素子配線と電極パッドとの接合部周辺の拡大図である。 本発明の第4の実施形態における圧電素子配線と電極パッドとの接合部周辺の拡大図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、51a…ノズル流路、52…圧力室、53…インク供給口、55…共通液室、56…振動板(共通電極)、57…個別電極、58a…圧電体、58…圧電素子、59…電極パッド、90…圧電素子配線(エレキ柱)、91…配線プレート、92…多層フレキシブルケーブル、94…ノズルプレート、96…流路プレート、98…絶縁・保護膜、100…電極部、101…駆動電極部、102…導電性粒子、104…非導電性樹脂、106…接着剤、110…弾性体、112…金属薄膜

Claims (10)

  1. 液体を吐出する複数の吐出口と、
    前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれを変形する圧電素子と、
    前記圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に設けられ、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室と、
    前記圧電素子が配置される面に対して略垂直方向に、その少なくとも一部が前記共通液室内を立ち上がるように形成され、前記圧電素子を駆動するための配線部材と、を備え、
    前記配線部材は、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で、前記圧電素子と導通されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記導電性粒子は、弾性を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記導電性粒子のヤング率は、前記配線部材のヤング率より小さいことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記導電性粒子は、弾性体の表面を金属薄膜でコートした構造を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記導電性粒子の直径は、前記吐出口の直径及び前記共通液室から前記圧力室への供給口の直径より小さく、かつ前記配線部材の表面粗さより大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記配線部材の電極部の少なくとも1つの端部は、拡がった構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記配線部材は、前記圧電素子又は前記圧電素子の近傍から立ち上がるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記複数の吐出口は、2次元的に配列され、
    前記複数の配線部材は、前記圧電素子が配置される面に対して2次元的に配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 液体を吐出する複数の吐出口を設け、
    前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室を設け、
    前記複数の圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に、前記複数の圧力室のそれぞれを変形する圧電素子を設け、
    前記圧力室の前記吐出口が形成される側とは反対側に、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室を設け、
    前記圧電素子又は前記圧電素子の近傍から前記圧電素子が配置される面に対して略垂直方向に、その少なくとも一部が前記共通液室内を立ち上がるように配線部材を形成し、
    前記配線部材を、導電性粒子と非導電性樹脂から成る接着剤で、前記圧電素子と接合する場合、前記接着剤の硬化前に、前記配線部材の電極部と前記圧電素子の電気的な導通がとれていることの確認を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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