JP5217068B2 - ループヤーンおよびその製造方法ならびに織編物 - Google Patents

ループヤーンおよびその製造方法ならびに織編物 Download PDF

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Description

本発明はループヤーンおよびその製造方法ならびに織物または編物(本発明においては、これらを総称して「織編物」と略記することがある)に関するものである。
糸条に流体攪乱処理を施すことにより得られるループヤーンは、糸条表面に多数のループを有し、表面の風合が柔らかでボリューム感が得られるので、多用途に利用されている。しかしながら、従来のループヤーンはストレッチ性がほとんどなく、スポーツ衣料等のストレッチ性が要求される用途には全く用いられていないのが現状である。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は、ソフトな風合いおよびボリューム感を併せもち、さらにはストレッチ性や寸法安定性に優れたループヤーンおよびその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、サイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうちの一方の成分がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方の成分がポリエチレンテレフタレートを含んでなる複合繊維から芯糸と、ポリエステルからなる鞘糸とからなり、表層部に形成されたループ毛羽のうち、毛羽長が0. 35mm以上のループの個数が250ケ/m以上であり、かつ、20%伸長し、除重後に、下記式を満足するループヤーンである。
Y値(交絡均斉度)≧20
DLmax≦20mm
Y値:1m当たりの交絡数/DLmax
DLmax:1m当たりの非交絡部の最大長(mm)。
また本発明は、サイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうちの一方の成分がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方の成分がポリエチレンテレフタレートを含んでなる複合マルチフィラメントを、張力が0.3cN/dtex〜2.5cN/dtexとなる緊張領域に通過せしめ、通過後、ポリエステルからなるマルチフィラメントと合流せしめ、流体攪乱処理を施すループヤーンの製造方法である。
また本発明は、上記のループヤーンを用いた織編物である。
また本発明は、上記のループヤーンの製造方法により製造されたループヤーンを用いた織編物である。
本発明のループヤーンの芯糸には、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTとも略称する)を含んでなるマルチフィラメントを用いる。ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とは、テレフタル酸を主たる酸性分とし、1・3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。
PTTからなる糸は曲げ剛性が低く、本発明のループヤーンを布帛としたとき、ソフトな風合いを得ることができる。また、PTTからなる糸を芯糸に用いることにより、優れたストレッチ性を得ることができる。さらに、PTTからなる糸は弾性回復性に優れるため、流体乱流処理工程において鞘糸を引っ張り込みながらループヤーンを形成することができ、したがって、ループヤーンの芯鞘の複合状態は強固に絡み合ったものとなり、タルミや粗大ループの発生を抑え、解舒性も向上させることができる。
このとき、芯糸が、サイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうち一方の成分がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方の成分がポリエチレンテレフタレートを含んでなる複合繊維フィラメントを用いると、それらの弾性回復率や収縮特性の差によって、コイル捲縮を発現するので好ましい。コイル捲縮が顕在化した芯糸はノズル内で開繊しやすく、生じるループヤーンをより交絡させることができる。
またコイル捲縮が発現した芯糸を緊張領域に通過せしめることによって、捲縮が顕在化することにより、芯糸がノズル直前でストレッチバックし、鞘糸Bを巻き込みながら流体攪乱処理されるので、芯糸Aのまわりを鞘糸Bが撚回、反転を繰り返し、実質的により強固に絡み合ったものになる。
さらにコイル捲縮が顕在化した付加されたフィラメントを流体攪乱処理することで高いストレッチ性を示すループヤーンを得ることができる。
PTTは、本発明の効果を失わない範囲において、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で、他のエステル結合の形成可能な共重合成分を含んでも良い。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコ−ル成分として、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、艶消剤として2酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダ−ドフェノ−ル誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
PTTの極限粘度は0.5以上1.2以下とすることが好ましい。0.5以上とすることで、安定した紡糸が可能となり、糸切れが発生しない。また、繊度むらが抑えられ、引張強度や耐屈曲摩耗性などにも優れた糸が得られる。また極限粘度を1.2以上とすることで、安定して紡糸することを可能とし、繊維の風合いもソフトにすることができる。より好ましくは0.8以上1.0以下である。
また、芯糸の、サイドバイサイド型に貼り合わされた、もう一方の成分である、ポリエチレンテレフタレートとしては、80%以上のエチレンテレフタレート単位を含有するエチレンテレフタレート系重合体が好ましい。このエチレンテレフタレートには、共重合成分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香酸等のオキシ酸類およびジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の1種または2種以上を共重合することができる。
一方、本発明のループヤーンの鞘糸にはポリエステルからなる糸を用いる。ポリエステルからなる糸とは、その主成分がポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、PTT、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートのいずれかからなるフィラメント糸をさす。耐アイロン性の点からは、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
また、鞘糸にもPTTを用いた場合、その織物の表面タッチはナイロン調のサラサラ感のあるソフトな風合いを有するので、これも好ましい。
本発明の芯糸および鞘糸の繊維の単糸断面形状は特に限定されるものではなく、円形、三角形、扁平、六角形など、繊度は30デシテックス(dtex)から1000デシテックス(dtex)の範囲で用途目的にあわせて適宜選択すればよい。また、ソフトタツチを得るためには、鞘糸の単繊維繊度は0.33〜3.3デシテックス(0.3〜3デニール)が好ましい。
本発明のループヤーンは、表層部に形成されたループ毛羽のうち、毛羽長が0.35mm以上のループ毛羽の個数が250ケ/m以上であることを特徴とする。表層部に形成されたループ毛羽のうち、毛羽長が0.35mm以上のループ毛羽の個数が250ケ/m以上であることにより、編織物を形成したときの表面の肌触りがソフトとなる。一方、450ケ/mを超えるループ毛羽を形成することは極めて困難であり、450ケ/m以下であることが好ましい。
また、本発明のループヤーンは、20%伸長し、除重後に、下記式を満足する。
Y値(交絡均斉度)≧12
DLmax≦20mm
Y値:1m当たりの交絡数/DLmax
DLmax:1m当たりの非交絡部の最大長(mm)
上記の各値の測定方法については後の実施例で詳述するが、交絡部と非交絡部との区別認識は、一定条件下での糸条に刺したピンの移動により行う。
また、交絡均斉度が大きいということは、交絡部の数が多く、しかも芯糸と鞘糸の絡んでない部分が小さいことを意味する。逆に、交絡均斉度が小さいということは、交絡部が少ないか、または交絡部が多いが非交絡部が大きいことを意味する。
つまり20%伸長し、一旦除重後、上記の式を満足するということは、本発明のループヤーンにストレッチを加えたときに、ループが外れることなく、ストレッチに追従する優れたループの保持性を有していることを意味する。
本発明のループヤーンは、20%伸長し、除重後の伸長回復率が70%以上であることが好ましい。70%以上であれば編織物を形成したとき、良好な形態安定性およびストレッチ性を得ることができ、ストレッチ素材として好適であり、特にスポーツ衣料などで、編織物がストレッチに十分に追従し、肘、膝部分のワライの発生を抑えることができる。
本発明のループヤーンのヤング率は8.0cN/dtex以上12.0cN/dtex以下であることが好ましく、12.0cN/dtex以下とすることで風合いがソフトになり、8.0cN/dtex以上とすることで、ハリ腰、反撥性を保つことができる。
本発明のループヤーンを用いた織編物は柔らかい表面タッチ、ハリ腰、ふくらみ、軽量感、清涼感、ストレッチ性、形態安定性に優れ、衣料用として、特に、ジャンパー、ジャケット、ボトムなどのアウターやジャージ、アスレチックウェア、スキーウェアなどのスポーツ衣料などストレッチ素材として用いることができる。
次に、前述の芯糸および鞘糸を用いたループヤーンの加工方法について説明する。本発明のループヤーンの製造方法では、芯糸となるPTTからなるマルチフィラメントと鞘糸となるポリエステルからなるマルチフィラメントとを合流せしめて流体攪乱処理を施す。また、合流せしめる前に、PTTからなるマルチフィラメントを張力が0.3cN/dtex〜2.5cN/dtexとなる緊張領域に通過せしめることが重要である。
図1〜3は本発明のループヤーンの製造方法の一例を示す模式図である。PTTからなるマルチフィラメントAを芯糸として、一方ポリエステルからなるマルチフィラメントを鞘糸として、好ましくは鞘糸を芯糸よりも過供給しつつ合流させ、ノズル5にて流体攪乱処理を施す。ここで、芯糸となるPPTマルチフィラメントを、鞘糸となるマルチフィラメントに合流せしめる前に、張力が0.3cN/dtex〜2.5cN/dtexとなる緊張領域に通過せしめることが重要である。前述のようにPTTからなるマルチフィラメントは弾性回復性に優れるため、一旦緊張状態としてこれを解放させながら鞘糸と合流させると、ストレッチバックにより鞘糸を引き込み、ループヤーンの芯鞘の複合状態を強固に絡み合ったものとすることが可能となるからである。緊張領域を通過せしめる手段としては、例えば以下のような方法がある。
(1)図1のごとくローラの直前にマグネットテンサーを挿入し、張力を掛ける。
(2)図2のごとくローラ間で引伸する。
(3)またさらに、図3のごとくローラ間に熱ピン11を配し、PTTからなる高配向未延伸糸、もしくは未延伸糸を、ガラス転移温度以上で延伸することも好ましい態様である。
本発明での流体攪乱処理を施すノズルとしては、いわゆる、タスラン型ノズルを用いることが好ましい。また、流体攪乱圧力は、2.5〜8.0MPaが好ましい。
流体攪乱処理を施した後に熱セットを施すことが好ましい。熱セット温度は、チューブヒータ7の温度で130℃以上210℃以下の範囲とするのが好ましい。熱セット温度を130℃以上とすることでが十分に熱セットされ、流体攪乱処理により形成されたループは収縮し、編織物を形成したときにソフトな表面感となる微細なループを形成する。また、熱セット温度を210℃以下とすることで、繊維の熱劣化による単糸切れによる糸強力の低下を抑えることができる。特に、鞘糸にもポリトリメチレンテレフタレート糸条を用いる場合は、融点が低いので、熱セット温度は180℃以下がさらに好ましい。
熱セットされたループヤーンはフィードローラ8を経て、テイクアップローラに巻き取られる。
(測定方法)
(1)伸長回復率
自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、1デシテックス当たり0.08826cNの初荷重をかけた状態で20cmのつかみの間隔に取付、引張速度を20cm/minとして、20%の伸度まで引き伸ばし、直ちに、同じ速度で除重した。完全に除重した後、直ちに、初荷重まで引き伸ばし、この時の回復伸びを伸長回復率とした。
(2)ループのストレッチ追従性
ループのストレッチ追従性は次のようにして測定した。まず、自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、1デシテックス当たり0.08826cNの初荷重をかけた状態で100cmのつかみの間隔に取付、引張速度を100cm/minとして、20%の伸度まで引き伸ばし、直ちに、同じ速度で除重した。完全に除重した後、次のようにして各値を測定した。
(A)交絡数
除重後、再度0.0826cN/dtexの張力下まで引き伸ばし、そのときの1m当たりの交絡部の数を交絡数とした。
(B)DLmax
次いで、0.1652cN/dtexの張力下まで引き伸ばし、非交絡部にピンを刺し、糸条1mにわたり0.0826cN/dtexの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、移動した距離を非交絡部の長さとし、そのうちの最大長をDLmaxとした。一方、ピンが止まる部分が交絡部である。
この測定を、同一糸条の異なる箇所について5回測定し、その最小値と最大値を除いて平均して求めた。
(C)Y値(交絡均斉度)
Y値=(1m当たりの交絡数)/DLmax
として求めた。
(2)ヤング率
JIS−L−1013、8.10に記載される初期引張抵抗度測定に準じ定速伸長形引張試験機を用い測定した。
(3)ループ数
流体攪乱処理をした流体噴射加工糸の糸表面から0.35mm以上突出したループ毛羽の個数を光電型毛羽測定機(TORAY FRAY COUNTER)を用い、糸速度60m/分、走行糸張力0.1g/dの条件で測定した。
参考例1)
(1)芯糸側供給糸ジメチルテレフタル酸、1,3−プロパンジオールにテトラブチルチタネートを触媒として用い、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換を行った。更に、250℃温度一定の条件下で重合を行い、ポリトリメチレンテレフタレートを得た。
上記のようにして得られた極限限度〔η〕が0.89のポリトリメチレンテレフタレートを通常の紡糸機により紡糸温度260℃で、形状が丸形で24孔の口金を用いて吐出し、紡糸速度1800m/minで紡糸し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、1stホットロール温度70℃、延伸倍率1.4倍、2ndホットロール温度130℃、延伸速度600m/minで延伸した後、スピンドル巻き取り装置を用いて巻き取り、83dtex、24フィラメント、ヤング率が23.3cN/dtex、伸度40.9%、20%伸長時の伸長回復率が66.9%の延伸糸を得て、これを芯糸側供給糸とした。
(2)鞘糸側供給糸
83dtex、72フィラメント、伸度が26.2%のポリエチレンテレフタレート延伸糸を用いた。
(3)エアー加工
図1に示すようなエアー加工工程を使用して、以下の条件でエアー加工を実施した。流体攪乱処理直前の芯糸に張力を付与するためマグネットテンサーを用いた。
糸速 :200m/min(デリベリローラ6)
流体攪乱処理直前の芯糸の張力:65cN
ノズル :Hema jet TE−312K
フィード率 :芯糸 +10%
鞘糸 +50%
流体攪乱圧力:0.5Mpa
水付与 :有り(150cc/分)
熱セット温度:190℃
得られたループヤーンは、毛羽長が0.35mm以上のループ毛羽の個数が329個/m、ループのストレッチ追従性について、Y値が89、DLmaxが4mm、ヤング率が9.63cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率は80.6%であった。
(4)布帛評価
上記のループヤーンを緯糸として用い、経糸として56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、レピア織機により製織し、織物を形成した。解舒性に問題はなく、工程通過性は良好であった。引き続き97℃の熱水でリラックス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で130℃で染色、160℃で仕上熱固定した。本発明糸を使用した織物は染色性、反発性に富み、ソフトな肌触りを併せ持ち、寸法安定性、ストレッチ性が良好であった。
参考例2)
(1)芯糸側供給糸実施例1と同様に、極限限度〔η〕が0.89のポリトリメチレンテレフタレートを通常の紡糸機により紡糸温度260℃で、形状が丸形で36孔の口金を用いて吐出し、紡糸速度3000m/minで引き取りつつ110℃に加熱された2ゴデーロールで乾熱処理を行い、106dtex、36フィラメント、伸度が109.8%の高配向未延伸糸を得、これを芯糸側供給糸とした。
(2)鞘糸側供給糸参考例1と同様のものを用いた。
(3)エアー加工
参考例1と同様に図1に示すようなエアー加工工程を使用して、以下の条件でエアー加工を実施した。ただし、流体攪乱処理直前の芯糸に張力を付与するためマグネットテンサーではなく、図3のように熱ピンに1回転巻き付け延伸した。
熱ピンの温度:75℃
熱ピンの直径:25mm
糸速 :200m/min(デリベリローラ6)
流体攪乱処理直前の芯糸の張力:95cN
ノズル :Hema jet TE−312K
フィード率:芯糸 +10%
鞘糸 +50%
流体攪乱圧力:0.5Mpa
水付与 :有り(150cc/分)
熱セット温度:190℃
得られたループヤーンは、毛羽長が0. 35mm以上のループ毛羽の個数が356個/m、ループのストレッチ追従性について、Y値が85、DLmaxが5mm、ヤング率が9.39cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率は82.2%であった。
(4)布帛評価
実施例1と同様に上記のループヤーンを緯糸としてもちい、経糸として56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、レピア織機により製織し、織物を形成した。解舒性に問題はなく、工程通過性は良好であった。引き続き97℃の熱水でリラックス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で染色、160℃で仕上熱固定した。該織物は実施例1と同様染色性、寸法安定性、ストレッチ性が良好であった。
(実施例3)
(1)芯糸側供給糸106dtex、36フィラメント、ヤング率259.5cN/dtex、伸度34.9%、20%伸長時の伸長回復率が71.9%のサイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうち一方がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方がポリエチレンテレフタレートからなる延伸糸を得て、これを芯糸側供給糸とした。
(2)鞘糸側供給糸
参考例1と同様のものを用いた。
(3)エアー加工
実施例2と同様に図1に示すようなエアー加工工程を使用して、以下の条件でエアー加工を実施した。
熱ピンの温度:75℃
熱ピンの直径:25mm
糸速 :200m/min(デリベリローラ6)
流体攪乱処理直前の芯糸の張力:95cN
ノズル :Hema jet TE−312K
フィード率 :芯糸 +10%
鞘糸 +50%
流体攪乱圧力:0.5Mpa
水付与 :有り(150cc/分)
熱セット温度:190℃
得られたループヤーンは、毛羽長が0.35mm以上のループ毛羽の個数が395個/m、ヤング率が9.12cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率は85.5%であった。
(4)布帛評価
参考例1と同様に上記のループヤーンを緯糸として用い、経糸として56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、レピア織機により製織し、織物を形成した。解舒性に問題はなく、工程通過性は良好であった。引き続き97℃の熱水でリラックス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で染色、160℃で仕上熱固定した。該織物は実施例1と同様染色性、寸法安定性、ストレッチ性が良好であった。
(比較例1)
(1)芯糸側供給糸
実施例1と同様のものを用いた。
(2)鞘糸側供給糸参考例1と同様のものを用いた。
(3)エアー加工
図1に示すようなエアー加工工程を使用して、以下の条件でエアー加工を実施した。ただし、流体攪乱処理直前の芯糸に張力を付与するためのマグネットテンサーを取り除いた。
糸速 :200m/min(デリベリローラ6)
流体攪乱処理直前の芯糸の張力:1.5cN
ノズル :Hema jet TE−312K
フィード率 :芯糸 +10%
鞘糸 +50%
流体攪乱圧力:0.5MPa
水付与 :有り(150cc/分)
熱セット温度:190℃
得られたループヤーンは、毛羽長が0.35mm以上のループ毛羽の個数が237個/m、ループの追従性についてY値が26、DLmaxが11mm、ヤング率が9.87cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率は79.2%であった。ループは、粗大なものが多く、タルミも発生した。
(4)布帛評価
参考例1と同様に上記のループヤーンを緯糸として用い、経糸として56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、レピア織機により製織し、織物を形成した。粗大毛羽が多いことから解舒不良が発生し、製織時の停台の原因となった。引き続き97℃の熱水でリラックス精錬、テラシルネイビーブルー色の分散染料で染色、160℃で仕上熱固定した。該織物は実施例1と同様染色性、寸法安定性、ストレッチ性が良好であったが粗大毛羽が多いことから、織物表面が荒れ、目標とするソフトな風合いが得られなかった。
(比較例2)
(1)芯糸側供給糸
繊度83dtex、フィラメント本数24本、ヤング率が81.2cN/dtex、伸度が32.2%、20%伸長時の伸長回復率が36.1%のポリエチレンテレフタレート延伸糸を用いた。
(2)鞘糸側供給糸
実施例1と同様のものを用いた。
(3)エアー加工
参考例1と同様に図1に示すようなエアー加工工程を使用して、以下の条件でエアー加工を実施した。流体攪乱処理直前の芯糸に張力を付与するためマグネットテンサーを用いた。
糸速 :200m/min(デリベリローラ5)
流体攪乱処理直前の芯糸の張力:95cN
ノズル :Hema jet TE−312K
フィード率:芯糸 +10%
鞘糸 +50%
流体攪乱圧力:0.5Mpa
水付与 :有り(150cc/分)
熱セット温度:190℃
得られたループヤーンは、毛羽長が0. 35mm以上のループ毛羽の個数が226個/m、ループの追従性について、Y値が13、DLmaxが13mm、ヤング率が13.31cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率は87.2%であった。ループは、粗大なものが多く、タルミも発生した。
(4)布帛評価
参考例1と同様に上記のループヤーンを緯糸として用い、経糸として56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、レピア織機により製織し、織物を形成した。粗大毛羽が多いことから解舒不良が発生し、製織時の停台の原因となった。引き続き97℃の熱水でリラックス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で染色、160℃で仕上熱固定した。該織物は寸法安定性、ストレッチ性が不十分であり、粗大毛羽が多いことから、織物表面が荒れソフトな風合いが得られなかった。
発明の効果
本発明により、嵩高性や反発性とソフトな風合いを併せもち、さらにはストレッチ性や寸法安定性、工程通過性にも優れたループヤーンおよびその製造方法を提供することができる。
本発明のループヤーンを得るための加工工程の一例を示す模式図である。 芯糸を緊張領域に通過せしめる方法の一例を示す模式図である。 芯糸を緊張領域に通過せしめる方法の一例を示す模式図である。
A:ポリトリメチレンテレフタレート延伸糸
B:ポリエステル系半延伸糸
1:マグネットテンサ
2:フィードローラ
3:フィードローラ
4:水付与ガイド
5:流体乱流ノズル
6:デリベリローラ
7:チューブヒータ
8:フィードローラ
9:テイクアップローラ
10:フィードローラ
11:熱ピン

Claims (7)

  1. サイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうちの一方の成分がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方の成分がポリエチレンテレフタレートを含んでなる複合繊維からなる芯糸と、ポリエステルからなる鞘糸とからなり、表層部に形成されたループ毛羽のうち、毛羽長が0. 35mm以上のループ毛羽の個数が250ケ/m以上であり、かつ、20%伸長し、除重後に、下記式を満足し、さらにすることを特徴とするループヤーン。
    Y値(交絡均斉度)≧20
    DLmax≦20mm
    Y値:1m当たりの交絡数/DLmax
    DLmax:1m当たりの非交絡部の最大長(mm)
  2. 20%伸長し、除重後の伸長回復率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載のループヤーン。
  3. ヤング率が8.0cN/dtex以上12.0cN/dtex以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のループヤーン。
  4. サイドバイサイド型に貼り合わされ、そのうちの一方の成分がポリトリメチレンテレフタレート、もう一方の成分がポリエチレンテレフタレートを含んでなる複合マルチフィラメントを、張力が0.3cN/dtex〜2.5cN/dtexとなる緊張領域に通過せしめ、通過後、ポリエステルからなるマルチフィラメントと合流せしめ、流体攪乱処理を施すことを特徴とするループヤーンの製造方法。
  5. 緊張領域に熱ピンを配置し、ポリトリメチレンテレフタレートを含むマルチフィラメントを熱ピンにより延伸しつつ通過せしめることを特徴とする請求項4に記載のループヤーンの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のループヤーンを用いたことを特徴とする織編物。
  7. 請求項4または5に記載のループヤーンの製造方法により製造されたループヤーンを用いたことを特徴とする織編物。
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