JP6759661B2 - 海島複合繊維 - Google Patents
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Description
利用する方法がよく知られており、このような方法で得られた極細繊維を用い、織物、編物をはじめとする衣料用途を始め、靴、鞄、基布材等の用途でも適用が拡大されてきている。
また、糸条、布帛にストレッチを付与する方法も種々提案されてきている。
しかしながら、該公報に開示されている複合繊維は単糸繊度が0.3〜5dtexと太く、超極細繊維のもつ良好な風合いには及ばず、払拭性にも劣るものであった。
より詳しくは、アルカリ減量処理前はフラット糸として捲縮コイルを有さずに優れた高次/ 製編織通過性を発揮し、アルカリ減量処理後に捲縮コイルを発現して優れたストレッチ性、嵩高性を発揮する、衣料、靴、鞄、基布材等の用途に好適な潜在捲縮性複合繊維を提供することにある。
(1)繊維断面において高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBとがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合されて島部を形成し、ポリマーA、Bよりもアルカリ溶出速度が5倍以上速いポリマーCが海部を形成する海島型複合構造を有し、かつ下記(A)〜(E)の要件を具備することを特徴とする海島複合繊維。
(A)高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBの極限粘度差が0.15以上
(B)高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBの複合比が3:7〜7:3
(C)島部繊度が0.01〜0.4dtex
(D)島成分が、0.2以上の異型度差を示す2種類以上の異なる断面形状を有する群からなる
(E)島成分の異型度が2.0以下である
(2)海島比率が5:95〜50:50である、上記(1)記載の海島複合繊維。
(3)脱海後の捲縮率が20%以上である、上記(1)または(2)記載の海島複合繊維。
(4)島成分における各断面形状の島数が同一である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の海島複合繊維。
まず、本発明の潜在捲縮性複合繊維の複合形態について説明する。本潜在捲縮性複合繊維は、3種のポリマーから成る海島構造を有しており、島部は高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBとがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型(以下、総称してバイメタル糸と略す)に複合された形状を有し、海部はポリマーA、Bのいずれよりもアルカリ減量速度が5倍以上速いポリマーCで形成される。断面形状の一例としては、図1に示すような形状が挙げられる。なお、サイドバイサイド型断面は2成分のポリマーが貼り合わされた構造であり、図2に一例を示す。また、偏心芯鞘型断面は芯成分が鞘成分に包含されており、繊維断面の中心と芯成分の中心が同一でない構造であり、図3に一例を示す。芯鞘型断面のうち、芯成分の内接円および鞘成分の内接円において鞘成分の内接円の半径Rと2つの内接円の中心間距離rの比率r/Rが0.03以上であれば偏心芯鞘型断面である。
なお、高粘度ポリマーA、低粘度ポリマーBの配置は図1に例示したように任意の位置で構わない。
本発明の海島複合繊維は、島成分が0.2以上1.0以下の異型度差からなる2種類以上の異なる断面形状を有する群からなることが必要である。
ここで、本発明で定義する異形度とは、各島成分の断面の外接円の直径を内接円の直径で除した値であり、値の大きいほど異型が大きいことを示している。
また、海部と島部の複合比は、任意に設定可能であるが、脱海性と脱海に伴う製品量損失分を考慮すると、海:島複合重量比は5:95〜50:50の範囲であることが好ましく、より好ましくは10:90〜40:60の範囲である。海成分の複合比は5%以上とすることにより、島部同士の融着を回避できるほか、海成分ポリマーの溶融後の配管通過時間を短縮できるために、熱劣化による強度低下を抑制でき製糸性の向上が可能となる。また、海成分の複合比を50%以下にすることで、減量による製品量損失を軽減できるため、生産効率を高く維持でき好ましい。
ここで、本発明に用いるポリマーの組み合わせは、上記の極限粘度差、アルカリ溶出速度差の規定を満たしていれば、公知のいずれのポリマーを組み合わせても良い。
本発明の脱海後の嵩高性複合繊維において、捲縮率は布帛拘束下での捲縮発現能力に起因しており、
布帛内での拘束力に相当する荷重を繊維カセに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現能力を繊維カセの捲縮率で表せる。
この捲縮率が大きいほど捲縮発現能力が高いことを示しており、適度なストレッチを与えるためには20%以上が好ましい。本発明の脱海後の嵩高性複合繊維は単糸繊度がナノレベルの超極細繊維なので、捲縮率の上限は特に設けないが、100%程度がほぼ上限値と考えられる。
捲縮率が20%以上あると、布帛に適度なストレッチ率が付与され好ましい。捲縮率は高いほど布帛にしたときのストレッチ性能が向上するが、100%以上では捲縮が強くなりすぎて表面品位の悪化を来すので100%未満で抑える必要がある。
嵩高度を高くすることによって適度なふくらみを与えるとともに、ソフトで反発感のある布帛とすることができる。さらには捲縮位相のずれがコイル捲縮によるトルクの分散効果を高め、高品位な布帛とすることができる。
嵩高度を大きくするためには、異形度の異なる2群以上の単糸群から構成された複合繊維を用いればよい。この点が公知の技術とは異なる点であり、優れた伸縮伸長率と嵩高度を両立させることが可能となるのである。
本発明の海島複合繊維の製造方法は、異なる2種類以上のポリマーを、複合紡糸機にて、所定の複合パックを用い、マルチフィラメントが2群以上の異形度の異なる単糸群から構成されるような口金を用いて、サイドバイサイド型に貼り合わせて複合紡糸し、一旦未延伸糸を巻き取った後、通常の延伸機で所定の破断伸度となるように延伸する2工程法、または一旦巻き取ることなく引き続き延伸を行う1工程法のいずれかによっても製造することができる。
但し、繊維長手方向での品質安定性、生産安定性を考慮すると、直接紡糸延伸法(以下、DSD法と称する)による生産が最も優れている。
この際の紡糸温度は、240〜295℃が適当である。この範囲であれば、易溶出ポリマーの熱劣化を抑えて糸切れの少ない複合繊維が製造できる。
[η]=Lim(ηr−1)/c
c→0
定義式のηrは、純度98%以上のO−クロロフェノールで溶解した3GTの希釈溶液の25℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
採取した海島複合繊維は、温度25℃湿度55%RHの雰囲気下で単位長さ当たりの重量を測定し、その値から10,000mに相当する重量を算出する。これを10回繰り返して測定し、その単純平均値の小数点以下を四捨五入した値を繊度とした。
複合極細繊維の単糸繊度を評価する場合には、海島複合繊維から糸束のまま海成分を99%以上除去し、採取した複合極細繊維束を海島複合繊維と同じ雰囲気下で単位長さ当たりの重量を測定し、10,000mに相当する重量を算出する。該複合極細繊維束の重量を繊維束に存在するフィラメント数(島数に相当)で割り、単糸繊度を算出した。同じ操作を10回繰り返して、その単純平均値の小数点第4位以下を四捨五入した値を複合極細繊維の単糸繊度とした。
JIS L1013(1999)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT−100にて測定した。
ツエルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4CXを用い、下記の測定条件にて繊度変動チャート(Diagram Mass)を得、チャート上でhalf inertの変動幅(=最大値−最小値)を直読した。
給糸速度 :200m/分
測定糸長 :400m
ツイスター :S撚 12000ターン/分
ディスクテンション強さ:10%
スケール :−10〜+10% 。
海島複合比および島部複合比(ポリマーA−ポリマーB複合比)は、繊維断面における各成分の断面積比を指す。
アルカリ減量速度は、濃度1wt%、95℃の水酸化ナトリウム水溶液で10分処理した時の減量速度を指す。
島成分の異型度は以下の方法で求める。
異型度=L1/L2
L1:島成分横断面の外接円の直径
L2:島成分横断面の内接円の直径 。
捲縮率は、次の定義式に基づいて求められる値である。
捲縮率(%)={(A0−A1)/A0}×100
ここでA1は、繊維に90.91×10−3cN/dtexの張力を掛けながら、周長1.0mの検尺機で10回枷取りした枷に、島部繊度換算で1.67×10−4cN/dtexの荷重をかけて70℃、3wt%の水酸化ナトリウム水溶液中で海成分を完全脱海後、水浴で5分間希釈中和処理してから大気中で30分間乾燥させたときの枷長であり、A0はA1を測定後、島部繊度換算で4.4×10−2cN/dtexの荷重をかけて2分後の枷長である。なお、島部繊度とは総繊度×島部複合比(%)で求められる、減量処理後の島部の理論繊度を指す。
試料台の上面に2本の切り込みを設け、その外側縁部間の間隔を6cmとし、この切り込みに巾2.5cm、厚さ5μmのPET フィルムを掛け渡し、その下に指針付き金具及び荷重を結合する。金具の指針は、試料を装着しない場合に目盛のゼロ位を示すようにセットする。試料は周長1mの検尺機を用いて表示繊度50000dtex、糸長50cmとなるようにカセを巻き取る。次いで得られたカセをPETフィルムと試料台との間に差し入れ、縮んでいる試料を引っ張り、カセ長25cmになるようにカセを固定する。荷重は指針付き金具と合計して50gになるようにし、ゆっくりと荷重をかけた後、指針の示すL(cm)を読みとる。測定は3回行い、平均のL値から次式によって嵩高度Bを算出した。
B(m3/kg)=フィルム中の体積V/フィルム中の糸重量W
V(m3)=L2/π×2.5×10−6
W(kg)=50000×(0.5/0.25)×(0.025/10000)×10−3
=0.25×10−3
以下の4段階にて評価した。合格レベルは△以上である。
◎ :0.01m3/kg以上
○ :0.005m3/kg以上0.01m3/kg未満
△ :0.003m3/kg以上0.005m3/kg未満
× :0.003m3/kg未満 。
バック糸に評価する原糸、フロント糸に56dtex−36フィラメントのレギュラーPET糸(セミダル)を用いて、カールマイヤー社製KS−2型編機にてハーフトリコット布帛を編成した。編成条件は編速度を1000rpmとし、編地の機上密度が28ゲージ、70コース/2.54cm(インチ)、フロントの編込長が155cm/ラック、バックの編込長が85cm/ラック、総糸本数は4992本とし、453cm幅の編地をリラックスさせ、240cm幅で、50m編成して、このときの編成糸切れを以下の基準で評価した。合格レベルは△以上である。
◎ :0回
○ :1回
△ :2回
× :3回以上 。
前記の(8)項記載の方法で得た布帛を95℃にて精錬後、3wt%、70℃の水酸化ナトリウム水溶液にて海成分を完全にアルカリ減量除去した。更に130℃にて一旦乾燥させたのち、160℃、210cm幅にて仕上げ熱セットした。こうして得られたトリコット生地を、タテ方向のストレッチ性(伸び率)について以下の4段階で評価した。合格レベルは△以上である。
◎:25%以上
○ :20%〜25%未満
△ :15%〜20%
× :15%未満 。
上記の(7)にて得られたリコット生地の全巾×3メートルにカットした布帛サンプルについて、一般人から無作為に選出した10人のパネラーに布帛均一性(表面質感、光沢斑、スジ感)について官能評価してもらい、不均一感があると指摘した人数を次の3段階で評価した。合格レベルは△以上である。
◎ :0人
○ :0人超2人未満
△ :2〜4人未満
× :4人以上 。
ポリマーAにη=1.1のホモ3GTを、ポリマーBにη=0.50のホモPETを、ポリマーCに5−ナトリウムスルホイソフタル酸とポリエチレングリコールを含有する共重合PETの易溶出ポリエステルを海成分に用い、それぞれエクストルーダーを用いて210℃、250℃、280℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、270℃にて図1に示すような海島型複合形態を形成すべく口金に流入させた。なお、口金は特開2005−163233号公報に記載されたものを使用した。複合重量比はポリマーC(海成分)が20%に対して、ポリマーA(3GT)が40%、ポリマーB(PET)が40%の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、海成分が25分、3GT、PETは10分であった。口金から吐出された糸条は、図4に示す装置にて冷却、油剤付与後、2700m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットロール8に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4300m/分の速度で150℃に加熱された第2ホットロール9に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4200m/分にて回転する2個のTCR10、11に引き回した後、コンタクトロール入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトロール速度4080m、パッケージ巻き取り速度4072m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の56dtex―8フィラメント、8島の潜在捲縮性複合糸を得た。本複合糸の収縮応力は0.23cN/dtexであった。
なお、この海島複合繊維は、図1に示すような島成分のポリマーAとBが貼り合わされたバイメタル型の複合断面を形成していた。このバイメタル型の島成分は3角、4角、楕円形が混在していた。
得られた海島複合繊維を編物とした布帛を90°Cに加熱した1wt%の水酸化ナトリウム水溶液にて、海成分を99wt%以上脱海した。脱海処理は良好で、部分的に劣化した島成分が存在することなく、極細単糸となった島成分同士の融着も認められなかった。この布帛を顕微鏡にて側面および断面を観察したところ、3次元的にスパイラル構造を発現した極細繊維を観察でき、優れた嵩高性を有していることが確認できた。
この実施例1で得られた海島複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、狙い通り、優れた高次通過性が得られ、布帛評価結果も良好であった。
島部のバイメタル複合比をA:B=7:3とした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性、高次通過性、および布帛品位に優れたものであった。結果を表1に示した。
島部のバイメタル複合比をA:B=3:7とした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性、高次通過性、および布帛品位ともに優れ合格レベルであった。
実施例4
海島複合比を5:95とした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性は合格レベルであった。結果を表1に示した。
海島複合比を50:50とした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性ともに良好であった。結果を表1に示した。
島部単糸繊度を0.01dtexとした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性、高次通過性、および布帛品位は合格レベルであった。結果を表1に示した。
島部単糸繊度を0.4dtexとした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性、高次通過性、布帛品位ともに優れていた。結果を表1に示した。
口金を変更し、島成分異型度差を0.2とした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性、および布帛品位は合格レベルであった。結果を表1に示した
実施例9
口金を変更し、島成分異型度を2.0とした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性、および布帛品位は合格レベルであった。結果を表1に示した。
バイメタル用口金から偏心芯鞘用口金に変更し、偏心芯鞘の複合繊維を得た。極細繊維の捲縮率、ストレッチ率とも合格レベルであった。結果を表2に示した。なお、繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、鞘成分の内接円の半径Rと2つの内接円の中心間距離rの比率r/Rは0.6であった。
島部の極限粘度差が0.15になるようにポリマーA.Bの極限粘度を調整し、その他は実施例1に準じて紡糸を行い、海島複合繊維を得た。粘度差が小さいがストレッチ性は合格レベルに達していた。結果を表2に示した。
島部ポリマーとのアルカリ減量速度(N減)差が5倍のポリマーをCポリマーに適用し、実施例1に準じて紡糸を行い、海島複合繊維を得た。島成分がダメージはなく脱海も良好であった。高次通過性、布帛ストレッチ性、および布帛品位は合格レベルであった。結果を表2に示した。
島成分2をポリブチレンテレフタレート(PBT、溶融粘度:160Pa・s)に変更した以外は全て実施例1に従い海島複合繊維を得た。各特性ともほぼ実施例1並みで全てが良好であった。結果を表2に示した。
島成分2をイソフタル酸7.0mol%および2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンを4mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、その他は実施例1に準じた。
実施例1の島成分1を3GTからPETに、島成分2をPETから3GTにそれぞれポリマー入れ替えて、その他は実施例1に準じた。結果は表2に示すように良好であった。
実施例1のポリマーCをPLAに、また紡糸温度を280℃に変更した以外は実施例1に準じて海島複合繊維を得た。製糸性、布帛特性ともに優れたものが得られた。
島成分1を高分子量ナイロン6(PA1、溶融粘度:170Pa・s)とし、島成分2を低分子量ナイロン6(PA2、溶融粘度:120Pa・s)とした以外は、実施例1に従い海島複合繊維を得た。
海島複合比を4:65とした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合繊維を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性ともに合格レベルであった。結果を表3に示した。
海島複合比を55:45とした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合繊維を得た。高次通過性、布帛ストレッチ性、および布帛品位は合格レベルであった。結果を表2に示した。
参考例20
口金を変更し、島成分異型度を2.1、2.4、2.7とした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。結果を表2に示した。
島部のポリマーA.Bのバイメタル複合比を20:80に変更した以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合繊維を得た。いずれも布帛ストレッチ性に劣り、布帛にはスジ感が認められた。結果を表3に示した。
島部のポリマーA.Bのバイメタル複合比を比較例1とは逆に80:20に変更した以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合繊維を得た。いずれも布帛ストレッチ性に劣り、布帛にはスジ感が認められた。結果を表3に示した。
島部の極限粘度差が0.13レベルになるようにポリマーA.Bの極限粘度を調整し、その他は実施例1に準じて紡糸を行い、潜在捲縮性複合繊維を得た。粘度差が小さい影響で捲縮特性が低下し、ストレッチ性も低かった。結果を表3に示した。
海成分のCポリマーとして、島部ポリマーとのアルカリ減量速度(N減)差が4倍のポリマーを用い、実施例1に準じて紡糸を行い、海島複合繊維を得た。N減に長時間を要し、また島成分が一部ダメージを受けていた。結果を表3に示した。
単糸島数580となる口金を用い、島部単糸繊度を0.008dtexとした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性、高次通過性、とも不良であった。結果を表3に示した。
単糸島数8となる口金を用い、島部単糸繊度を0.45dtexとした以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮性複合糸を得た。布帛ストレッチ性が不足し、単糸が太いため、風合いが粗硬で、品位に劣るものであった。結果を表3に示した。
口金を変更し、島成分異型度差を0.18とした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。捲縮周期差が小さいため、布帛嵩高性が不足していた。結果を表3に示した。
比較例8
口金を変更し、島成分を芯鞘型断面に変更しした以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。脱海後に極細芯鞘糸となり、捲縮が発生せず、ストレッチ性も認められなかった。結果を表3に示した。
2 ポリマーBを主成分とするポリマーからなる領域
3 ポリマーCのアルカリ易溶出性ポリマーからなる領域
4 口金
5 糸条冷却送風装置
6 油剤付与装置
7 交絡装置
8 第1ホットロール
9 第2ホットロール
10 交絡装置
11 テンションコントロールロール(TCR)
12 テンションコントロールロール(TCR)
13 コンタクトロール
14 パッケージ
Claims (4)
- 繊維断面において高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBとがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合されて島部を形成し、ポリマーA、Bよりもアルカリ溶出速度が5倍以上速いポリマーCが海部を形成する海島型複合構造を有し、かつ下記(1)〜(5)の要件を具備することを特徴とする海島複合繊維。
(1)高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBの極限粘度差が0.15以上
(2)高粘度ポリマーAと低粘度ポリマーBの複合比が3:7〜7:3
(3)島部繊度が0.01〜0.4dtex
(4)島成分が、0.2以上の異型度差を示す2種類以上の異なる断面形状を有する群からなること
(5)島成分の異型度がいずれも2.0以下であること - 海島比率が5:95〜50:50である、請求項1記載の海島複合繊維。
- 脱海後の捲縮率が20%以上である、請求項1または2記載の海島複合繊維。
- 島成分における各同一断面形状の島数が同一である、請求項1〜3のいずれかに記載の海島複合繊維。
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