JP2770423B2 - 織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条 - Google Patents

織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ソフトで柔軟、且つドライタッチ、ドレー
プ性と強いはり、腰を有する婦人物ドレス、ブラウス等
から紳士物衣料、スポーツ衣料等まで広い用途を有する
丈夫な絹様織編物用ポリエステル複合糸条に関する。
(従来の技術) これまでポリエステルマルチフィラメントはそのすぐ
れた特性を生かし衣料用途をはじめ工業資材用としても
各種の用途に使用されている。衣料用途としては絹様風
合はその一つのターゲットとして各社で検討が進められ
一部の分野では絹を凌駕する特性風合が得られている。
例えば熱収縮特性を異にする複数本のマルチフィラメン
トからなる複合糸条はふくらみ、嵩高、ウォーム感など
すぐれた特性、風合を示し広く使用されている。しかし
糸条を構成するマルチフィラメントが全て熱により収縮
する場合には、編織物の組織の拘束力のため、糸のもっ
ている収縮率差が充分確保出来ないとともに糸の収縮の
ため編織物が硬くなる傾向にあり、このため目付を小さ
くして収縮代をもたせたり、風合を確保するためにアル
カリ減量率を大きくするなどの対策を実施して来た。し
かし熱収縮率の大きなフィラメントは一般に熱処理する
と硬化し風合面で充分に満足出来るものは得られていな
い。これに対して熱処理により伸長するポリエステルフ
ィラメントと収縮フィラメントとの混合糸も知られてお
り、例えば特開昭55−62240号公報、特開昭56−112537
号公報、特開昭60−28515号公報などがある。これらの
ものは前記の収縮糸同士のものに比べるとはるかにソフ
トで柔軟な風合が得られたものの、伸長し突出したフィ
ラメントからなるループによりヌメリ感が出たり、熱処
理により大きな糸長差が発現するので糸が分離し、後工
程での取扱性に問題があった。さらには、これらの複合
糸条は、主に高収縮マルチフィラメントだけで外力に耐
えねばならず、その用途は、婦人物ドレス、ブラウス等
の様な布帛に、大きさ引裂力に耐える必要のない分野に
限られていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、ポリエステルフィラメント糸における前記
従来の欠点を解消したものであってソフト、柔軟さ、上
品なドライタッチとドレープ性、強いはり、腰を有する
と共に後工程通過性に問題のなく、婦人物ドレス、ブラ
ウス等からスポーツ衣料等まで広い用途を有する丈夫で
新規なポリエステル系複合糸条を提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段) 本発明はかかる問題点を解決するために次のような構
成を有する。すなわち糸物性が下記範囲を満足するマル
チフィラメントAおよびマルチフィラメントBから構成
された複合糸条であって、該複合糸条は交絡度20〜100
コ/mで絡合されていることを特徴とする織編物用潜在嵩
高性ポリエステル複合糸条。
マルチフィラメントA:単糸3デニール以下のマルチフ
ィラメント(複合糸条の含有率20〜80%〔デニール比
率〕) マルチフィラメントB:極限粘度が0.7以上、破断強度
が6g/デニール以上であるマルチフィラメント(複合糸
条中の含有率80〜20%〔デニール比率〕) SHW(A)≧0% SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHD(B)−SHD(A)≧5% SHW:熱水(100℃)収縮率(%) SHD:乾熱(160℃)収縮率(%) 以下、本発明を更に詳細に説明する。
第1図は本発明のポリエステル複合糸条を熱処理して
糸長差を発現せしめた後のモデル図である。第1図にお
いてAは主として鞘部を構成するマルチフィラメントで
あって、高温熱処理により実質的に伸長している(自発
伸長後のマルチフィラメント)。Bは芯部を構成するマ
ルチフィラメントであって、熱処理により収縮したマル
チフィラメントである(熱収縮後のマルチフィラメン
ト)。
まず本発明で最も重要な要件である構成マルチフィラ
メントの熱収縮特性について延べる。本発明のポリエス
テル複合糸条を構成するマルチフィラメントAは通常の
サイジングなどの工程では、マルチフィラメントBとの
収縮率差は小さく、しかも実質的に収縮挙動を示す。こ
のため布帛で同じ糸長差を発現させるときにも糸段階で
はサイジングしても糸長差(ふくらみ、ループ等)は余
り発現せず通常の全て熱収縮する異収縮混織糸に比べて
も製織時にははるかに取扱性、製織性が良好となるので
ある。すなわち糸の状態で糸長差(ループ)が発現する
と当然のことながらビーミング、製織の際ループがこす
れ合ってガイド、コームなどにひっかかったり、開口が
悪くなり工程通過性が著しく低下する。更に通常の熱収
縮マルチフィラメントはサイジングなどで熱処理をうけ
ると、それでほぼ熱セットが固定されファイナルセット
などで160〜180℃程度の高温熱処理をうけても糸長差は
最初の熱セット時以上あまり発現しないが、本発明の複
合糸条の如く、熱水では収縮するがファイナルセットに
相当する高温熱処理で伸長するマルチフィラメントを含
むことにより、全体として収縮した布表面より高温での
仕上加工によりマルチフィラメントAがループ状に突出
し、あたかもピーチの表面のようにソフトで柔軟なタッ
チが得られるのである。このためSHW(A)≧0%、SHD
(A)≦0%が必須である。更にふくらみ、嵩高性をも
たせるためにSHD(B)−SHD(A)≧5%が必要であ
り、5%未満ではふくらみ、嵩高性が劣るので本発明か
らは除外される。ただ余り大きいと表面からの突出ルー
プが大きくなりすぎアイロンなどの際“てかり”などの
問題が発生し易いので50%以下が好ましい。又同様の理
由でSHW(A)は5%以下、SHD(A)は−15%以上が好
ましい。
次にマルチフィラメントAの破断伸度が50%以上であ
るのはソフトで柔軟な風合を得るためである。一般にポ
リエステルではソフトな風合を得るためにはフィラメン
トのSHWは小さく、破断伸度が大きい方が得られ易い。
これまでに詳述した如く布帛の表面をループを形成して
覆うのは自発伸長マルチフィラメントであり、このマル
チフィラメントのタッチが布帛のタッチを決めるからで
ある。しかしあまり破断伸度が大きすぎると取扱性が悪
くなるので100%以下、更に好ましくは80%以下が良
い。
次にマルチフィラメントBの破断伸度は40%以下が好
ましく、捲返し、製編織などの後工程で複合糸条が伸長
されることによる糸斑が発生しないためである。更に布
帛にしたあと製品でのひざ抜けなどの問題を防止するた
めである。又、複合糸条の破断強力も熱収縮マルチフィ
ラメントにほぼ依存する。布帛が大きな外力を受ける必
要のない婦人物ドレス、ブラウス等の素材として用いら
れる場合には、熱収縮マルチフィラメントの破断強度は
4g/デニール適度で十分であるが、スポーツ衣料等のか
なり大きな外力を受ける素材として用いる布帛はその布
帛の引裂強さとして少なくとも600g程度は必要であり、
そのため熱収縮マルチフィラメントの破断強度は6g/デ
ニール以上、熱収縮マルチフィラメントの極限粘度は少
なくとも0.7でなければならない。さらに、布帛に十分
な引裂強さを得るためや収縮力から生じる糸長差による
ふくらみが発現させるためには、マルチフィラメントB
の比率は少なくとも20%が必要である。尚、マルチフィ
ラメントBの100℃熱水収縮率および160℃熱乾収縮率は
それぞれ5〜60%、7〜80%が好ましい。
また、マルチフィラメントBの繊維軸方向に太さムラ
を有する所謂シックアンドシン糸であってもよい。但
し、その場合、熱水収縮率は5〜30%であればよい。
一般にシックアンドシン糸を染色すると濃淡差を呈す
るが、その濃淡差が強過ぎるといった欠点があったが、
かかる発明の混織糸は熱処理することによりシックアン
ドシン糸が内層部に、マルチフィラメントAは外層部に
配され、シックアンドシン糸の強過ぎる濃淡差がほどよ
くマルチフィラメントA糸にかくされてナチュラルな色
調差となる。次にマルチフィラメントAは、単糸デニー
ルは3デニール以下のものから構成される必要がある。
3デニールを越えると破断伸度が大きく、ヤング率が低
くても風合が粗硬になるので本発明からは除外される。
しかしあまり細くなると後述する異形断面のフィラメン
トにしてもはり、腰がなくなるため0.2デニール以上が
好ましい。但し、3デニール以上のものが混じっていて
もよく(デニールミックス)、平均で3デニール以下な
らばよい。更にフィラメントは断面の外周面に少なくと
も1つの凹部を有する異形断面であることが好ましい。
特に本発明の複合糸条の如く破断伸度が大きいフィラメ
ントはソフトだかヌメリ感が出易いので断面形状を異形
にすることによりフィラメント間で点接触部が増加し、
かわいたドライタッチとなるのである。ここでいう異形
断面とは断面の外周面に少なくとも1つの凹部を有する
三角、六角、偏平、それらの中空等の断面形状をいうが
本発明で用いるフィラメントAの単糸の断面形状の代表
例を第3図に示す。又このような風合、効果をもたせる
ためにはこれらの単糸の10本以上のフィラメントからな
ることが好ましい。
次に本複合糸上は実質的に芯/鞘構造をとるのはマル
チフィラメントAが複合糸条の表層部に多く存在するこ
とにより、布帛表面よりループが突出し易いからであ
る。また、ここでいう実質的に芯/鞘構造をとるとは、
複合糸条の或る界面で芯部と鞘部に即ちマルチフィラメ
ントBとマルチフィラメントAとに二分されている構造
のみを意味しているのではなく、複合糸条全体に特に境
界面付近で両成分が混在しており、マルチフィラメント
Bが主として芯部に自発、マルチフィラメントAが主と
して鞘部に配する構造をも意味しており、該複合糸条の
中心から半径1/3内は重量比率でマルチフィラメントB
がマルチフィラメントAより大きく、複合糸条の表面か
ら半径1/3内はマルチフィラメントAがマルチフィラメ
ントBより大きいものは本発明の範囲内である。尚、芯
/鞘構造および前述したデニール比率の測定は該複合糸
条をエポキシ樹脂で固定し、ランダムに100回断面を切
断したものを光学顕微鏡で観測し、これより平均値およ
び状態を求める。又交絡度20〜100で絡合されているこ
とも必須である。交絡度が20未満ではマルチフィラメン
ト同士、糸長差で糸が分離し易く、工程通過性を著しく
阻害する。
逆に交絡度が100を越えると布帛でインターレース斑
が目立つとともに、マルチフィラメントAのモノフィラ
メントが切断し、毛羽になることもあり好ましくないの
である。
次に内層部を構造するマルチフィラメントBの断面は
特に限定はないが、嵩高性をもたせるためには中空糸
を、ドライハンドをさらに強調するためにはマルチフィ
ラメントAと同様に断面の外周面に少なくとも1つの凹
部を有する異形断面糸なども好ましい。更に本発明のポ
リエステル複合糸条にはマルチフィラメントA成分とマ
ルチフィラメントB成分の両方又は一方に必要に応じ5
−金属スルホイソフタル酸、イソフタル酸などの共重合
物や微粉不活性物質を含んだポリエステル繊維を含んで
もよい。
次に本複合糸条は加撚された状態であるのも好まし
い。しかしあまり強撚されると糸長差が発現し難いので 以下が好ましいが、ソフト、柔軟さを要求しない場合は
必ずしもこれに限定されない。
次に本発明のポリエステル複合糸条の製造方法につい
て説明する。
本発明のポリエステル複合糸条の製造装置の略側面を
第2図に例示する。自発伸長性に優れたポリエステルマ
ルチフィラメントAを製造するには、まず紡速1500〜40
00m/minで紡糸した未延伸糸を延伸温度Tg〜Tg+20℃か
つ延伸後の破断伸度30〜45%、Δn0.10〜0.14の範囲で
延伸することが必要である。紡糸速度2000m/min未満で
は延伸後物性が不安定であり、かつ太さ斑が大きくなる
ので好ましくない。また4000m/minを越えると延伸後の
熱収縮率が低く自発伸長性が低くなり、織編物としての
風合が所定のものにならない。好ましくは2000〜4000m/
minである。延伸温度は延伸安定性のためTg以上の温度
が必要で、Tg+20℃以上の温度では結晶化が進み、自発
伸長性が低下する。また延伸温度は自発伸長性発現にと
って重要であるが、延伸時の糸切れ等操業性の面では破
断伸度30%以上にすることが好ましい。破断伸度45%以
上では糸斑の発生が見られ好ましくない。合わせてΔn
を0.10〜0.14の範囲にすることが好ましく、この範囲外
ではリラックス熱処理による自発伸長性の安定性に欠け
る。次に自発伸長性を与える非接触式ヒーターによるリ
ラックス熱処理は下記(1)式、(2)式を同時に満足
するヒーター温度T(℃)かつオーバーフィード率20〜
60%で行うことが好ましい。
D:リラックス後デニール V:リラックス引取ローラー速度(m/min) HL:リラックス非接触式ヒーター長(m) Tm:融点(℃) Tg:2次転移点温度(℃) ヒーター温度は自発伸長性に対して、デニールとリラ
ックス処理速度および非接触式ヒーター長に対して本発
明者らは(1)式の関係を見つけ出した。(1)式範囲
より高ければ結晶化の進行により、自発伸長性が低下
し、また低ければ自発伸長性の発現は弱くなる。また
(1)式と(2)式を同時に満足することが必要である
が、ヒーター温度を(Tm−10)℃以上にするとドッフィ
ング停台時にヒーターの熱により、ヒーター内停止中に
マルチフィラメントが溶断し、再起動性が低下し、工業
的には使用できない。
尚、リラックス引取ローラー速度Vyは10〜1500m/mi
n、リラックス非接触式ヒーター長HLは0.1〜2mが好まし
い。
オーバーフィード率は自発伸長性の発現およびリラッ
クス熱処理の操業性安定化のため20〜60%が良い。なお
ヒーターは接触式ヒーターではマルチフィラメント走行
抵抗によりヒーター入口の糸張力が不足して、ローラー
捲付、糸切れが発生するので非接触式ヒーターにする必
要がある。
このポリエステルマルチフィラメントAを、該ポリエ
ステルマルチフィラメントAと異なるポリエステルマル
チフィラメントとデニール比で20〜80%/80〜20%とな
るように合わせて交絡度20〜100コ/mで交絡処理する。
ここで異なるポリエステルマルチフィラメントとは、例
えばSHW.SHD等の熱収縮特性が少なくとも1つでも異な
ったものを指す。
染色、セット処理を施し、糸長差により、ふくらみ、
バルキー性が良好な織編物とするためにはポリエステル
マルチフィラメントB成分として沸水収縮率5%以上、
160℃幹熱収縮率7%以上であればよい。特に、これよ
り低い場合は十分な糸長差が得られず、良好は風合の織
編物が得られない。尚、沸水収縮率は5〜60%、160℃
乾熱収縮率は7〜80%が好ましい。勿論、ポリエステル
マルチフィラメントが所謂シックアンドシン糸や自発伸
長糸であってもよいが、前者の場合は熱水収縮率が5〜
30%、後者の場合は160℃乾熱収縮率が0%以下で且つ
マルチフィラメントAとの伸長差が少なくとも5%あれ
ばよい。
さらに、張り、腰の強い丈夫な織編物とするために
は、ポリエステルマルチフィラメントB成分の極限粘度
が0.7以上で且つ、破断強度が68/デニール以上であるこ
とが必要である極限粘度、破断強度がこれより低い場合
は、紳士物あるいはスポーツ衣料用途には張り、腰が不
足し、織編物の引き裂き強さも不十分なため使用し難
く、婦人物衣料に用途が限定される。尚、極限粘度は0.
7〜0.95が好ましく、破断強度は6〜9g/デニールが好ま
しい。
またデニール比で20〜80%となるように混織すること
も重要であり、自発伸長性ポリエステルマルチフィラメ
ントが20%未満ではふくらみ、バルキー性が不足し、80
%を越えると、張り、腰がないものになる。交絡度は撚
糸、整経、製織での取り扱い性および織編物での均一な
外観を得るために20〜100コ/mとする必要がある。20コ/
m以下では、ポリエステルマルチフィラメントAとポリ
エステルマルチフィラメントBとが分離し易く、次工程
の取り扱い性が低下する。100コ/mを越えると織編物で
均一な外観が得られない。以下の構成により取り扱い
性、自発伸長性の発現性、生産性に優れたポリエステル
マルチフィラメントAとポリエステルマルチフィラメン
トBとの複合糸条を得ることができる。
以上の実施例により本発明の構成および作用効果を説
明するが、本発明はもとより下記実施例により制約を受
けるものではない。
(実施例) なお、本発明で実施した測定方法は以下の通りであ
る。
(1) 破断伸度 JIS−L−1013(1981)に準じ、東洋ボールドウィン
社製テンシロンを用いて試料長(ゲージ長)200mm、引
張速度200mm/分でS−S曲線を測定し、破断伸長を算定
した。
(2) 熱収縮率(SHW)、乾熱収縮率(SHD) JIS−L−1073に準じ、次によった。即ち適当な枠周
のラップリールで初荷重1/10g/デニールで8回捲のカセ
をとり、カセに1/30g/デニールの荷重をかけその長さl0
(mm)を測定する。ついでその荷重をとり除き、1/1000
g/デニールの荷重をかけた状態でカセットを沸騰水中に
30分間浸漬する。その後カセを沸騰水から取り出し、冷
却後再び1/30g/デニールの荷重をかけてその時の長さl1
(mm)を測定する。ついで60℃で30分乾燥した後1/1000
g/デニールの荷重をかけた状態で乾熱160℃のオーブン
中で熱処理する。ついで冷却後再び1/30g/デニールの荷
重をかけてそのときの長さl2(mm)を測定する。熱水収
縮率(SHW)、乾熱収縮率(SHD)は次式により算出され
る。
(3) 交絡度 適当な長さの糸をとり出し、下端に1/10g/デニールの
荷重をかけて垂直につり下げる。ついで適当な針を糸中
につき出し、ゆっくり持ち上げ荷重が持ち上がるまでに
移動する距離l(cm)を100回測定し、これより平均値
l(cm)を求め次式により算出する。
(4) 布帛の引裂強さ JIS−L−1096ペンジュラム法に準じ、6.5cm×10cmの
試験片を採取し、エレメンドルフ形引裂強さ試験機を用
い、試験片の両つかみ中央で長辺のほぼ中央で長辺のほ
ぼ中央に辺と直角に鋭利な刃によって2cmの切り目を入
れ、残り4.5cmが引裂かれたときに示す最大荷重(gf)
をはかり、たて、よこの引裂強さをそれぞれの平均で表
した。
(5) 極限粘度(IV) フェノール/テトラクロロエタン=3/2混合溶媒中30
℃で測定した。
実施例1 熱伸長ポリエステルマルチフィラメントとして通常の
ポリエステルを常法で紡糸捲取速度3000m/minで延伸−
リラックス後のデニール、DE、DT、SHW、SHDが第1表の
物性になる如く、紡糸吐出量、延伸倍率、リラックス
率、リラックス温度、セット時間を変更して得た。又、
熱収縮マルチフィラメントは常法により得られたポリエ
チレンテレフタレートのレジンをブレンダー中で固相重
合し、常法により紡糸−延伸して第1表の物性になる如
く、固相重合温度、時間、紡糸吐出量、延伸倍率を変更
して得た。これらの熱伸長マルチフィラメントおよび熱
収縮マルチフィラメントを第2図の延伸−リラックス機
で加工した。ここでエアーノズル7は、ファイバーガイ
ド社製エアージェットFG−1を使用し、目標の交絡度が
得られる如くエアー圧、フィードローラー6とデリベリ
ーローラー8の間フィード比を調節した。使用した原糸
物性と得られた複合糸条の糸質及び該糸条を用いて縦糸
密度175本/inch、緯糸密度82本/inchでタフタを製織
し、染色仕上した布帛の風合を判定した。又、布帛の引
裂強さを測定した。風合の面、引裂強さの面から見た総
合判定を各々第1表に記載した。
得られた染色布帛は、スポーツ衣料等用途に使用でき
る十分な引裂強さを有している。また、ソフトで柔軟、
且つドライタッチ、ドレープ性と強い張り、腰を有する
非常に好ましい風合いで、製織性等後工程通過性も良好
であった。
比較例1 熱収縮マルチフィラメントに通常のポリエチレンテレ
フタレートを固相重合することなく、紡糸−延伸して、
第1表の物性となるマルチフィラメントを用いた他は、
加工、製織、染色仕上、判定等は実施例と同様に行っ
た。熱収縮マルチフィラメントに、極限粘度が0.60でDT
が5.5g/デニールのマルチフィラメントを用いたため、
布帛の引裂強さがスポーツ衣料用途としては不足してい
た。また、風合の面では、ソフト感、ドレープ性におい
ては問題はないが、紳士物衣料用途には張り、腰が不足
しており、用途が婦人物衣料に限定される布帛であっ
た。
D:トータルデニール Fil:フィラメント数 断面形状:Δ第3図の三角断面 ○丸断面 布帛風合:10名による官能評価 ◎ ソフト感、はり、腰、ドレープ感ともすべて良好 △ はり、腰が不足 × ごわごわしている 総合判定:布帛引裂強力、布帛風合について判定 ◎ すべて良好 △ どちらか一方もしくは両方に欠点がある。
× どちらか一方もしくは両方が非常に悪い。
(発明の効果) このように、本発明のポリエステル複合糸条は、従来
の異収縮混織糸(熱伸長糸も含む)に比べて、ソフト、
柔軟性、且つドライタッチ、ドレープ性と強いはり、腰
を有し、しかも工程通過性が優れているという効果があ
り、婦人物衣料のみならず、紳士物衣料やスポーツ衣料
用途にも使用できる丈夫な布帛を提供できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリエステル複合糸条を熱処理して、
糸長差を発現させたモデル図。第2図は製造装置の一例
を示す略側面図である。 第3図は本発明のマルチフィラメントAの断面形状の代
表例を示す。 A:熱伸長マルチフィラメント B:熱伸長マルチフィラメント C:本発明のポリエステル複合糸条 3:ホットローラー 5:非接触ヒーター 7:エアージェットノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02J 1/00 - 13/00 D02G 1/00 - 3/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸物性が下記範囲を満足するマルチフィラ
    メント糸AおよびマルチフィラメントBから構成された
    複合糸条であって、該複合糸条は交絡度20〜100コ/mで
    絡合されていることを特徴とする織編物用潜在嵩高性ポ
    リエステル複合糸条。 マルチフィラメントA:単糸3デニール以下のポリエステ
    ルマルチフィラメント(複合糸条中の含有率20〜80%
    〔デニール比率〕) マルチフィラメントB:極限粘度が0.7以上、破断強度が6
    g/デニール以上であるポリエステルマルチフィラメント
    (複合糸条中の含有率80〜20%〔デニール比率〕) SHW(A)≧0% SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHD(B)−SHD(A)≧5% SHW:熱水(100℃)収縮率(%) SHD:乾熱(160℃)収縮率(%)
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JPH03828A (ja) 1991-01-07

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