JP2770414B2 - 織編物用ポリエステル複合糸条 - Google Patents

織編物用ポリエステル複合糸条

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はソフトで柔軟、且つドライタッチと適度なは
り、腰、ドレープ性を有する圧痕が発生しない絹様織編
物用ポリエステル複合糸条に関する。
(従来の技術) これまでポリエステルフィラメントはそのすぐれた特
性を生かし、衣料用途をはじめ工業資材用としても各種
の用途に使用されている。衣料用途としては絹様風合は
その一つのターゲットとして各社で検討が進められ一部
の分野では絹を凌駕する特性風合が得られている。例え
ば熱収縮特性を異にする複数本のマルチフィラメントか
らなる複合糸条はふくらみ、嵩高、ウォーム感などすぐ
れた特性、風合を示し広く使用されている。しかし糸条
を構成するマルチフィラメントが全て熱により収縮する
場合には、絹織物の組織の拘束力のため、糸のもってい
る収縮率差が充分確保出来ないとともに糸の収縮のため
絹織物が硬くなる傾向にあり、このため目付を小さくし
て収縮代をもたせたり、風合を確保するためにアルカリ
減量率を大きくするなどの対策を実施して来た。しかし
熱収縮率の大きなフィラメントは一般に熱処理すると硬
化し風合面で充分に満足出来るものは得られていない。
これに対して熱処理により伸長するポリエステルフィラ
メントと収縮するフィラメントの混合糸も知られてお
り、例えば特開昭55−62240号公報、特開昭56−112537
号公報、特開昭60−28515号公報などがある。これらの
ものは前記の収縮糸同士のものに比べるとはるかにソフ
トで柔軟な風合が得られたものの、伸長し突出したフィ
ラメントからなるループによりヌメリ感が出たり、熱処
理により大きな糸長差が発現するので糸が分離し、後工
程での取扱性に問題があった。
この解決策として、特願昭62−288703号、特願昭62−
288704号で、新規な織編物用潜在嵩高性ポリエステル複
合糸条及びその製造法として、自発伸長性マルチフィラ
メント糸と熱収縮性マルチフィラメント糸との複合糸条
を提案したが、自発伸長性マルチフィラメント糸と熱収
縮性マルチフィラメント糸との2成分の複合糸のため織
物、編物での熱処理により、鞘部に配される後の自発伸
長サイドのフィラメント糸と芯部に配される熱収縮サイ
ドフィラメント糸との空隙が大きくなる傾向にあり部分
的な圧力を受けると、その部分だけが、アタリ(たとえ
ばアイロンテカリ)と言われる跡が残ることがあること
がわかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はポリエステルフィラメントにおける、前記従
来の欠点を解消したものであって、ソフト、柔軟さ、上
品なドライタッチと適度なはり、腰、ドレープ性を有す
るとともに後工程通過性に問題なく、かつ圧痕のでな
い、新規なポリエステル複合糸条を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本発明はかかる問題点を解決するために次のような構
成を有する。すなわち、糸物性が下記の範囲を満足する
マルチフィラメント糸A、マルチフィラメントBおよび
マルチフィラメント糸Cから構成された複合糸条であっ
て該複合糸条は交絡度20〜100コ/mで絡合されているこ
とを特徴とする織編物用ポリエステル複合糸条である。
マルチフィラメントA:単糸3デニール以下のマルチフ
ィラメント糸(複合糸中の含有率10〜60%〔デニール比
率〕)…(A) マルチフィラメントB:単糸3デニール以下のマルチフ
ィラメント糸(複合糸中の含有率10〜60%〔デニール比
率〕)…(B) マルチフィラメントC:破断強力120g以上のマルチフィ
ラメント糸(複合糸中の含有率:30〜80%〔デニール比
率〕)…(C) SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHW(C)≧0% SHD(C)≧0% SHD(C)−SHD(B)≧3% SHD(B)−SHD(A)≧3% SHW:100℃沸水収縮率 SHD:160℃乾熱収縮率 以下本発明を更に詳細に説明する。
第1図は、本発明のポリエステル複合糸条を熱処理し
て糸長差を発現せしめた後のモデル図である。
第1図においてAは主として鞘部最外周を構成するマ
ルチフィラメントであって、高温熱処理により実質的に
伸長している(自発伸長後のマルチフィラメント)。B
は主として鞘部、芯部の中間部を構成するマルチフィラ
メントであり、Cは芯部を構成するマルチフィラメント
であって熱処理により収縮したマルチフィラメントであ
る(熱収縮後のマルチフィラメント)。
まず本発明で最も重要な要件である構成マルチフィラ
メントの熱収縮特性についてのべる。本発明のポリエス
テル複合糸条を構成するマルチフィラメントAは通常の
サイジングなどの工程では、マルチフィラメントB、C
との収縮差は小さい。このため布帛で糸長差を発現させ
るときにも糸段階ではサイジングしても糸長差(ふくら
み、ループ等)は余り発現せず通常の全て熱収縮する異
収縮混織糸に比べても製織時にははるかに取扱性、製織
性が良好となるのである。すなわち糸の状態で糸長差
(ループ)が発現すると当然のことながらビーミング、
製織の際ループがこすれ合ってガイド、コームなどにひ
っかかったり、開口が悪くなり工程通過性が著しく低下
する。更に通常の熱収縮マルチフィラメントはサイジン
グなどで熱処理をうけると、それでほぼ熱セットが固定
されファイナルセットなどで160〜180℃程度の高温熱処
理をうけても糸長差は最初の熱セット時以上あまり発現
しないが、本発明の複合糸条の如く、熱水では収縮する
がファイナルセットに相当する高温熱処理で伸長するマ
ルチフィラメントを含むことにより、全体として収縮し
た布表面より高温での仕上加工によりマルチフィラメン
トAがループ状に突出し、あたかもピーチーの表面のよ
うにソフトで柔軟なタッチが得られるのである。このた
めにSHD(A)≦0%が必須で、同時に好ましくはSHW
(A)≧0%である。
この時マルチフィラメント糸Bが無ければ第2図の様
に熱処理後マルチフィラメント糸A、Cの間隙がありす
ぎこのため、圧力を受けることによりアタリが発生す
る。従ってマルチフィラメント糸Bを中間部に配するこ
とが、上記問題解決には重要な構成となる。
マルチフィラメント糸Bは、中間部を形成すれば、熱
収縮性マルチフィラメント糸であってもよく、自発伸長
性マルチフィラメント糸であってもよいが、中間部を形
成させるためには、SHD(C)−SHD(B)≧3%、SHD
(B9−SHD(A)≧3%を同時に満足させることが不可
欠である。
この関係より明らかな様に当然SHD(C)−SHD(A)
≧6%であり、布帛でのふくらみ、嵩高性をもたせるた
め、この関係も不可欠である。SHD(C)−SHD(B)お
よび、SHD(B)−SHD(A)が3%未満では、ふくら
み、嵩高性が劣るので本発明からは除外される。
ただSHD(C)−SHD(A)があまり大きいと、布帛が
ふかつくため、50%以下が好ましい。又同様の理由でSH
W(A)は5%以下、SHD(A)は−15%以上が好まし
い。
次にマルチフィラメントAの破断伸度が50%以上であ
ることが、ソフトで柔軟な風合を得るために好ましい。
一般にポリエステルではソフトな風合を得るためには
フィラメントSHWは小さく、破断伸度が大きい方が得ら
れ易い。これまでに詳述した如く布帛の表面をループを
形成して覆うのは自発伸長マルチフィラメントであり、
このマルチフィラメントのタッチが布帛のタッチを決め
るからである。しかしあまり破断伸度が大きすぎると取
扱性が悪くなるので100%以下、更に好ましくは80%以
下が良い。
次にマルチフィラメント糸Aは、単糸デニールは3デ
ニール以下のものから構成される必要がある。3デニー
ルを越えると破断伸度が大きく、ヤング率が低くても風
合が粗硬になるので本発明からは除外される。しかしあ
まり細くなると後述する異形断面のフィラメントにして
もはり、腰がなくなるため0.2デニール以上が好まし
い。但し、3デニール以上のものが混じっていてもよく
(デニールミックス)、平均で3デニール以下ならばよ
い。
次にマルチフィラメント糸Bは、熱処理後、マルチフ
ィラメント糸Aと芯部を形成するマルチフィラメント糸
Cとの中間部に位置すれば、前述したように自発伸長性
マルチフィラメント糸であっても、熱収縮性マルチフィ
ラメント糸であってもよい。概略中間部を形成させるた
め望ましくは、SHD(B)は{SHD(C)−SHD(A)}/
2±2%のものが、SHW(B)は0%以上のものがそれぞ
れ好ましい。
マルチフィラメント糸Bの単糸デニールは、マルチフ
ィラメント糸Aの単糸デニールの規定と同様に3デニー
ル以下が不可欠で、3デニールを超える場合ソフトで柔
軟な風合いとなりにくい。あまり細くしすぎると、ハ
リ、腰がなくなるため、0.2デニール以上が好ましい。
次にマルチフィラメントCの破断伸度は40%以下が好
ましく、捲返し、製編織などの後工程で複合糸条が伸長
されることによる糸斑が発生しないためである。更に布
帛にしたあと製品でのひざ抜けなどの問題を防止するた
めである。又複合糸条の破断強力も熱収縮マルチフィラ
メントにほぼ依存するのでマルチフィラメント糸Cの破
断強力は、少なくとも120gで且つ複合糸条のデニール比
率で30%以上でなければならない。もちろん破断強力が
高ければマルチフィラメントBの比率は若干低くてもよ
いが30%未満ではマルチフィラメントCの収縮力が小さ
くなり糸長差によるふくらみが発現されにくいので本発
明からは除外される。尚、マルチフィラメントCの熱水
収縮率および160℃乾熱収縮率は、それぞれ5〜60%、
7〜80%が好ましい。
マルチフィラメント糸A、B、Cの複合糸条中の構成
比率は、それぞれ10〜60%、10〜60%、30〜80%が不可
欠である。マルチフィラメント糸Cについては前述した
が、マルチフィラメント糸Aは、鞘部外周部を形成し、
ソフトで柔軟な風合を発現させるためには10%以上の構
成比率が必要で、60%を超える場合ふかつきが発生する
ため本発明より除外される。マルチフィラメントA、C
の2種のみで構成された複合糸条であればマルチフィラ
メント糸Aの構成比率は80%までふかつきとはならない
が、マルチフィラメント糸A、B、Cの3種で構成され
た場合マルチフィラメント糸Bの存在により、熱処理後
のループが強調されふかつきとなりやすい様に考える。
マルチフィラメント糸Bは、マルチフィラメントA、
Cの中間部を形成させることが目的であるため構成比率
10%以上でなければ硬化が見られない。逆に60%を超え
る場合は、中間部のマルチフィラメント糸Bの影響が強
くなりすぎソフトで柔軟な風合いとなりにくい。
又交絡度20〜100で絡合されていることも必須であ
る。交絡度が20未満ではマルチフィラメント同士、糸長
差で糸が分離し易く、工程通過性を著しく阻害する。
逆に交絡度が100を越えると布帛でインターレース斑
が目立つとともに、マルチフィラメントAのモノフィラ
メントが切断し、毛羽になることもあり好ましくないの
である。
フィラメント断面はマルチフィラメント糸A、B、C
とも丸断面、星形断面いずれでもよく、布帛をソフトで
ドライタッチにする場合が三角断面等の多角断面、三葉
断面等の多葉断面が好ましく、布帛での曲げ弾発性を増
大させるためには少くともマルチフィラメントCを中空
率5〜30%の中空断面、曲げ弾発性を減少させるために
は、少くともマルチフィラメントCを偏平断面にするこ
とが好ましい。
更に本発明のポリエステル複合糸で言うポリエステル
とは、実質的にエチレンテレフタレートのみを繰り返し
単位とするポリエチレンテレフタレート、エチレンテレ
フタレートとエチレンイソフタレートとの共重合物等で
あり、必要により5−金属スルホイソフタル酸、酸化チ
タン等の艶消剤、その他微粉不活性物質を含んだポリエ
チレンテレフタレートをさす。
本発明のポリエステル複合糸を得るには、紡速2000〜
4000m/minで紡糸したポリエステル未延伸を延伸温度Tg
〜Tg+20℃かつ延伸後のDE25〜45%、Δn0.10〜0.14の
範囲で延伸し、その後、非接触ヒーターでリラックス熱
処理をした自発伸長性ポリエステルマルチフィラメント
糸条Aと熱収縮性ポリエステルマルチフィラメント糸
C、およびマルチフィラメント糸A、Cの中間の熱収縮
もしくは熱伸長特性を有するポリエステルマルチフィラ
メント糸Bを交絡度20〜100コ/mで混繊することにより
得られる。
自発伸長性マルチフィラメント糸Aの製造方法につい
て、以下詳細に説明する。
紡糸速度2000m/min未満では延伸後物性が不安定であ
り、かつ太さ斑が大きくなるので本発明の範囲から除外
する。また4000m/minを越えると延伸後の熱収縮率が低
く自発伸長性が低くなり、織編物としての風合が所定の
ものにならない。好ましくは2000〜4000m/minである。
延伸温度は延伸安定性のためTg以上の温度が必要で、Tg
+20℃以上の温度では結晶化が進み、自発伸長性が低下
する。また延伸温度は自発伸長性発現にとって重要であ
るが、延伸時の糸切れ等操業性の面では破断伸度30%以
上にする必要がある。破断伸度45%以上では糸斑の発生
が見られ好ましくない。合わせてΔnを0.10〜0.14の範
囲にすることが必要であり、この範囲外ではリラックス
熱処理による自発伸長性の安定性に欠ける。次に自発伸
長性を与える非接触式ヒーターによるリラックス熱処理
は下記(1)式、(2)式を同時に満足するヒーター温
度T(℃)かつオーバーフィード率20〜60%で行うこと
が必要である。
D:リラックス後デニール V:リラックス引取ローラー速度(m/min) HL:リラックス非接触式ヒーター長(m) Tm:融点(℃) Tg:2次転移点温度(℃) ヒーター温度は自発伸長性に対して、デニールとリラ
ックス処理速度および非接触式ヒーター長に対して本発
明者らは(1)式の関係を見つけ出した。(1)式範囲
より高ければ結晶化の進行により、自発伸長性が低下
し、また低ければ自発伸長性の発現は弱くなる。また
(1)式と(2)式を同時に満足することが必要である
が、ヒーター温度を(Tm−10)℃以上にするとドッフィ
ング停台時にヒーターの熱により、ヒーター内停止中に
マルチフィラメントが溶断し、再起動性が低下し、工業
的には使用できない。
尚、リラックス引取ローラー速度Vyは10〜1500m/mi
n、リラックス非接触式ヒーター長HLは0.1〜2mが好まし
い。
オーバーフィード率は自発伸長性の発現およびリラッ
クス熱処理の操業性安定化のため20〜60%が良い。なお
ヒーターは接触式ヒーターではマルチフィラメント走行
抵抗によりヒーター入口の糸張力が不足して、ローラー
捲付、糸切れが発生するので非接触式ヒーターにする必
要がある。
次に本発明の複合糸条は無撚状態、加撚状態いずれで
使用してもよく、無撚状態ではソフトなスパンタッチと
なり、加撚状態では 以下の撚数では、糸足差の発現が良好でソフト、柔軟性
にすぐれたものになる。
を超える場合は糸足差の発現がおさえられるが、本発明
の効果を阻害するものではない。
以下の実施例により本発明の構成および作用効果を説
明するが、本発明はもとより下記実施例により制約を受
けるものではない。
(実施例) なお、本発明で実施した測定方法は以下の通りであ
る。
(1)破断伸度 JIS−L−1013(1981)に準じ、東洋ボールドウィン
社製テンシロンを用いて試料長(ゲージ長)200mm、引
張速度200mm/分でS−S曲線を測定し、破断伸度を算定
した。
(2)熱収縮率(SHW)、乾燥収縮率(SHD) JIS−L−1073に準じ、次によった。即ち適当な枠周
のラップリールで初荷重1/10g/デニールで8回捲のカセ
をとり、カセに1/30g/デニールの荷重をかけその長さl0
(mm)を測定する。ついでその荷重をとり除き、1/1000
g/デニールの荷重をかけた状態でカセを沸騰水中に30分
間浸漬する。その後カセを沸騰水から取り出し、冷却後
再び1/30g/デニールの荷重をかけてその時の長さl1(m
m)を測定する。ついで60℃で30分乾燥した後1/1000g/
デニールの荷重をかけた状態で乾熱160℃のオーブン中
で熱処理する。ついで冷却後再び1/30g/デニールの荷重
をかけてそのときの長さl2(mm)を測定する。熱水収縮
率(SHW)、乾熱収縮率(SHD)は次式により算出され
る。
(3)交絡度 適当な長さの糸をとり出し、下端に1/10g/デニールの
荷重をかけて垂直につり下げる。ついで適当な針を糸中
につき出し、ゆっくり持ち上げ荷重が持ち上がるまでに
移動する距離l(cm)を100回測定し、これより平均値
l(cm)を求め次式により算出する。
実施例−1 熱伸長マルチフィラメントとして通常のポリエチレン
テレフタレートを常法により紡速3000m/minで紡糸捲取
り丸断面の32デニール18フィラメントの未延伸糸を得
た。この未延伸糸を第3図に示す装置により延伸、リラ
ックス熱処理を行い、引きつづきSHW(B)=6%、SHD
(B)=9%の30デニール18フィラメントの熱収縮糸
と、SHW(C)=15%、SHD(C)=17%、破断強力が25
0gの50デニール24フィラメントの三角断面の熱収縮糸と
の混繊を行い、複合糸条を捲き取った。
この時熱伸長マルチフィラメントとして延伸条件は延
伸倍率1.6延伸温度82℃とし、リラックス条件としてリ
ラックス率45%で、リラックス温度190℃(非接触ヒー
ター長50cm)でデリベリー速度500m/minにて作成し、29
デニール18フィラメントでSHW(A)=0.5%、SHD
(A)=−4.0%、DE=88%であった。
又、混繊はエアーノズル7としてファイバーガイド社
製、エアージェットFG−1を使用し、フィードローラー
6とデリベリーローラー8の間のフィード比とエアーノ
ズルのエアー圧を調整し交絡度を60コ/mとした。
以上により得られた109デニール60フィラメントの複
合糸条をS撚、300T/mの追撚を施し、経糸として無糊で
整経した。
緯糸は通常の150デニール96フィラメントのセミダル
ポリエステルマルチフィラメント糸をS、Z1800T/mの強
撚セット糸を準備し織上り経糸密度162本/inch、緯糸密
度72本/inchのファィユをウォータージェットルーム
(日産社製LW−41、回転数400rpm)で50inch幅の織物を
製織し通常の染色、減量、セットの後加工を施した。
該織物は表面タッチが非常にソフトで、ドレープ性、
バルキー性にすぐれ、かつハリ腰のある、又、アイロン
テカリのないシルキー織物を得ることができた。
実施例−2〜−3、比較例−1〜−4 実施例−1の熱伸長マルチフィラメント(A)と第1
表に示すポリエステルフィラメント(B)及び(C)と
を混繊し、以下実施例1と同法にて複合糸条を得、次い
で追撚、無糊製織、後加工を施した。結果を第1表に示
す。尚、比較例−4はマルチフィラメント(B)を混繊
しない例である。
(発明の効果) この様に本発明のポリエステル複合糸条は従来のシル
キー織物と比べて表面タッチが非常にソフトでドライで
ドレープ性、バルキー性にとみ、ハリ腰があり、かつア
イロンテカリのない織物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリエステル複合糸条を熱処理して、
糸長差を発現させたモデル図。第2図は従来の自発伸長
性ポリエステルマルチフィラメント糸と熱収縮性ポリエ
ステルマルチフィラメント糸との2者を混繊した複合糸
条を熱処理して糸長差を発現させたモデル図。第3図は
本発明の製造装置の一例を示す略側面図である。 A:熱伸長マルチフィラメント糸 B:中間部を形成する熱伸長もしくは熱収縮マルチフィラ
メント糸 C:熱収縮マルチフィラメント糸 D:本発明のポリエステル複合糸条 3:ホットローラー 5:非接触ヒーター 7:エアージェットノズル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸物性が下記範囲を満足するマルチフィラ
    メント糸A、マルチフィラメント糸Bおよびマルチフィ
    ラメントCから構成された複合糸条であって、該複合糸
    条は交絡度20〜100コ/mで絡合されていることを特徴と
    する織編物用ポリエステル系複合糸条。 マルチフィラメントA:単糸3デニール以下のマルチフィ
    ラメント糸(複合糸中の含有率10〜60%〔デニール比
    率〕)…(A) マルチフィラメントB:単糸3デニール以下のマルチフィ
    ラメント糸(複合糸中の含有率10〜60%〔デニール比
    率〕)…(B) マルチフィラメントC:破断強力120g以上のマルチフィラ
    メント糸(複合糸中の含有率:30〜80%〔デニール比
    率〕)…(C) SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHW(C)≧0% SHD(C)≧0% SHD(C)−SHD(B)≧3% SHD(B)−SHD(A)≧3% SHW:100℃沸水収縮率(%) SHD:160℃乾熱収縮率(%)
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