以下に、本発明の硬貨処理装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態を示す側面概略図、図2は、本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態を示す平面概略図である。
この図1及び図2において、硬貨処理装置1は、投入された硬貨5を一枚ずつ分離して硬貨鑑別部3に繰出す硬貨分離部2と、硬貨5の真贋と金種を鑑別する硬貨鑑別部3と、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に設けられ、異物6を排除する異物除去機構4とから大略構成されている。なお、図中の矢印はローラの回転方向を示す。また、硬貨5を一枚ずつ鑑別するために硬貨鑑別部3の搬送速度を硬貨分離部2の搬送速度より速くして硬貨5同士の間隔を開けるようにしている。
硬貨分離部2は、硬貨5を投入する上方視略矩形の硬貨投入口7と、投入された硬貨5と硬貨5中に紛れ込んだ、例えば、レシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物6を載せて搬送するためのローラ10,11と、ローラ10,11に掛け回された搬送ベルト12と、硬貨5を一枚ずつ分離するための分離ローラ13と、硬貨投入口7に残留した異物6を搬送ベルト12の逆回転により排出する排出口8とで構成されている。
なお、分離ローラ13は、硬貨5を一枚ずつ分離するために搬送ベルト12とのギャップ9を硬貨5の一枚分の厚さ以上であって硬貨5の二枚分の厚さ以下にするとともに重なった硬貨5を弾き飛ばすように搬送方向に対して逆回転させている。
硬貨鑑別部3は、硬貨5を載せて搬送するためのローラ20,22,23と、ローラ20,22,23に掛け回された搬送ベルト24と、硬貨5の形状、表面の絵柄を検出する画像検出器28と、硬貨5の材質を検出する材質検出器29と、硬貨5を繰出すためのローラ25,26に掛け回された繰出しベルト27とで構成されている。また、ローラ25は回転力が与えられる駆動ローラであって、ローラ26はローラ25の回転軸に回動自由に設けられた部材に取付けられ、ばねで搬送ベルト24に押付けられている。
異物除去機構4は、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に設けられた排除板としての異物排除板17と、落下空間としての排出口18と、繰出しローラとしてのローラ14,15,繰出しベルト16と、受取りローラとしてのローラ21と、ブラシローラ35とを備えている。
排出口18は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に形成された落下空間である。この分断された距離であるローラ15とローラ21の中心間距離は、硬貨5の直径程度である。例えば、日本国では1円硬貨の直径に近いおおよそ20mm程度である。
硬貨5を硬貨分離部2から繰出すローラ15は、回転力が与えられる駆動ローラであるローラ14と繰出しベルト16で掛け回されていて、排出口18の上流側である硬貨分離部2の搬送ベルト12上に設けられている。また、ローラ15はローラ14の回転軸に回動自由に設けられた部材に取付けられ、ばねで搬送ベルト12に押付けられている。
硬貨5を受け取るローラ21は、排出口18の下流側である硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上にローラ20に対向して設けられている。また、ローラ21は回転力が与えられる駆動ローラであって、硬貨5の一枚の厚さの大略半分程度のギャップ30を設けて、ばねで搬送ベルト24の方向に押付けられている。
異物排除板17は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、図示しないばねにより所定の隙間を設けて搬送ベルト12の方向に押付けられている。
ブラシローラ35は、突起部としてのブラシ毛材の先端部が繰出しベルト16を押付けるように硬貨5の搬送路を横切る状態で設けられている。したがって、硬貨5が異物排除板17を持ち上げて通過している状態でブラシローラ35のブラシ毛材が硬貨5に接触するようになっている。また、ブラシローラ35は回転力が与えられる駆動ローラであって、搬送方向に対して逆回転させている。これにより、異物6を繰出しベルト16との間に挟んで上方に搬送することができる。
なお、異物排除板17の硬貨5、異物6が当たる部分を回動自由にしたローラにしても良い。また、上記ブラシローラ35は、ローラの表面に突起を設けたものでもよい。また、ブラシローラ35の代わりにベルトの表面にブラシ毛材を設けたベルトにしてブラシ毛材を搬送方向と直交する方向に移動させることにより異物6を搬送路から排除することもできる。さらに、異物排除板17、ブラシローラ35は、単独で設ける構成にしてもよい。
また、繰出しベルト16を設けずに、ローラ15を回転駆動させてばねで搬送ベルト12に押し付ける構成にしてもよい。
次に、上述した本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態における動作を図1及び図2を用いて説明する。
まず、硬貨5の搬送動作を説明する。搬送ベルト12に載った硬貨5は、分離ローラ13で一枚ずつに分離される。そして、硬貨5は繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されて搬送され搬送路の延長線上に繰出される。そして、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24とローラ21の間に押込まれる。この時、硬貨5は、搬送ベルト24とローラ21の間に押込まれるまで、繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されている。なお、硬貨5は硬い金属であり、また硬貨5を挟持する繰出しベルト16と搬送ベルト12の挟持力は大きいので、硬貨5は搬送ベルト12と繰出しベルト16とによる搬送時に、異物排除板17を押上げ、さらに、ブラシローラ35のブラシ毛材を変形させて排出口18の上部を通過して、硬貨鑑別部3側に搬送される。
次に、異物除去動作を説明する。異物6の搬送形態は、主に異物6が単独で搬送される形態と、異物6が硬貨5の上に載置される形態と、異物6が硬貨5の下に挟まれる形態と、異物6が硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている形態の4種類がある。
まず、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3とは搬送路が分断されているので、搬送されてきた異物6は、繰出しベルト16と搬送ベルト12の挟持力から開放されたときに排出口18に落下する。単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の下に挟まれた異物6は、この排出口18で除去される。また、異物排除板17が押圧力により異物6の搬送方向を下方向に向けるので、異物6は強制的に排出口18に落下させられる。単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の上に載置された異物6は、この異物排除板17で除去される。また、紙類や糸くず等の柔軟な異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6もここで除去される。さらに、ブラシローラ35が搬送方向に対して逆方向に回転しているので、ブラシの毛先を衝突させて異物6を排出口18に落下させる。また、異物6が落下しない場合であっても、この異物6をブラシローラ35と繰出しベルト16とで挟持することにより、上方に排除する。つまり、異物6をブラシローラ35で引き剥がして繰出しベルト16との間に挟み込んで上方に排出する。単独で搬送されてきた異物6、硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている異物6は、ここで除去される。また、紙類、糸くず、綿埃、輪ゴム等の柔軟な異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6もここで除去される。
上述した本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態によれば、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3間の搬送路を分断して、その間に異物除去機構4を設けたので、硬貨5と一緒に混入されたレシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物6を確実に除去することができる。この結果、これらの異物混入が原因で発生する硬貨処理装置1の機能不具合が防止でき、硬貨処理装置1の信頼性の向上を図ることができる。また、異物除去機構4は、異物排除板17と、落下空間としての排出口18と、繰出しローラとしてのローラ14,15,繰出しベルト16と、受取りローラとしてのローラ21と、ブラシローラ35とで構成し得るので、その構成が簡単である。
また、本発明の硬貨処理装置の一実施の形態によれば、異物除去機構4に異物排除板17を設けたので、異物6の搬送方向が下方向に向けられ、強制的に排出口18に落下させられる。この結果、単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の上に載置された異物6、紙類や糸くず等の柔軟な異物6、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
さらに、本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態によれば、異物除去機構4にブラシローラ35を設けたので、異物6をブラシローラ35で引き剥がして繰出しベルト16との間に挟み込んで上方に排出することができる。この結果、単独で搬送されてきた異物6、硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている異物6、紙類、糸くず、綿埃、輪ゴム等の柔軟な異物6、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
なお、ブラシローラ35の直径は例えば10mm程度が好ましい。また、ブラシローラ35のブラシ毛材はナイロン等の樹脂、獣毛、金属等が使用できる。ブラシ毛材の長さは例えば3〜4mm程度が好ましい。
図3は、本発明の硬貨処理装置の第2の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図3において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、硬貨5が繰出しローラ15と搬送ローラ11との間を通過する際に、繰出しローラ15の上方への動きに連動して、異物排除板17を積極的に下方に移動できるように構成したものである。
具体的には、異物排除板17は、搬送路延長線と交差する向きに配置され、第1の腕部71の先端に固定されている。第1の腕部71の後端は搬送路に直交する方向に設けられた回転軸70に固定されている。また、異物排除板17は、図示しないばねにより上方向(搬送ベルト12と離間する方向)に押圧されている。回転軸70には、第1の腕部71の取付部に対して角度をもった部位に第2の腕部72が設けられている。さらに、リンク32は、その一端が、ローラ15の回転軸の取付部材に連結され、その他端が、ローラ15の上方への移動に応動して第2の腕部72を持ち上げ可能となるように、第2の腕部72に対向して配置構成されている。
このような構成により、例えば、硬貨5が搬送ベルト12と繰出しベルト16に挟持され、ローラ15が上方に移動する場合には、リンク32の一端が上方に移動し、リンク32の他端が第2の腕部72を持ち上げ、図3において回転軸70を中心に第1の腕部71を時計方向(下方向)に回動する。この結果、異物排除板17が下側に移動することになる。また、リンク32の他端と第2の腕部72との間に調整可能な隙間を設ける構成にすることができる。この隙間を調整することで、例えば、厚さの薄い異物6が通過する場合には、異物排除板17を移動させずに、硬貨5が通過する場合のみ異物排除板17を下側に移動させることができる。
本発明の硬貨処理装置の第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、ローラ15を硬貨5が通過している間は硬貨5の搬送路を横切る位置にあった異物排除板17を硬貨5の底面に接触する程度に下側に移動することができる。また、ローラ15を異物6が通過している間は異物排除板17に異物6を衝突させることができる。この結果、硬貨5の下に挟まれた異物6や、単独で搬送されてきた異物6を排出口18に落下させることができる。また、ブラシローラ35で排除された異物6が繰出しベルト16に沿ってブラシローラ35と繰出しベルト16に噛み込まれるので剛性の高い異物も少ない搬送力で排除できる効果がある。
なお、異物排除板17の硬貨5、異物6が当たる部分を回動自由にしたローラにしても良い。また、異物排除板17、ブラシローラ35は、単独で設ける構成にしてもよい。
図4は、本発明の硬貨処理装置の第3の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図4において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、異物6の除去を更に良好にするために、異物除去機構4における搬送ローラ11と繰出しローラ15と互に対応する搬送ベルト12と繰出しベルト16との間に、ギャップ34を設けるように構成したものである。ギャップ34は硬貨一枚の厚さのおおよそ半分程度が好ましい。例えば、日本国の硬貨を処理する場合、ギャップ34は0.7〜1mm程度が好ましい。また、異物排除板17、ブラシローラ35は、単独で設ける構成にしてもよい。
本発明の硬貨処理装置の第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ34より薄い異物6に対しては繰出しベルト16と搬送ベルト12とで挟持されないので、異物6の先端が排出口18に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため排出口18に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、異物排除板17は、繰出しベルト16と搬送ベルト12との挟持力を失った単独で搬送されてきた異物6を押圧力により強制的に排出口18に落下させることができる。特に、紙類、糸くず等の柔軟な異物6、金属等の硬い異物6、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
さらに、ブラシローラ35は繰出しベルト16と搬送ベルト12との挟持力を失った単独で搬送されてきた異物6をブラシですくい上げて繰出しベルト16との間に挟み込んで上方に排出することができる。特に、紙類、糸くず、綿埃、輪ゴム等の柔軟な異物6、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
図5は、本発明の硬貨処理装置の第4の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図5において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、異物6の除去を更に良好にするために、異物除去機構4のブラシローラ35を、上下方向に移動可能に構成したものである。
具体的には、ブラシローラ35の回転軸を上下方向に移動可能に支持し、この回転軸にばね36を設けて、ブラシローラ35の下方向に押圧力を与えるようにしている。また、異物排除板17の動きに連動してブラシローラ35を可動とすることもできる。なお、ブラシローラ35は、ブラシ毛材のないローラを使用することもできる。また、異物排除板17、ブラシローラ35は、単独で設ける構成にしてもよい。
本発明の硬貨処理装置の第4の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、硬貨5がブラシローラ35を通過する時、ブラシローラ35を上方に移動することができ、ブラシローラ35のブラシ毛材の先端と硬貨5とが当たらなくなるようにできる。この結果、ブラシローラ35のブラシ毛材の変形と摩擦力を低減できるのでブラシ毛材の寿命を長くすることができる。
図6は、本発明の硬貨処理装置の第5の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図6において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、異物6の除去を更に良好にするために、異物除去機構4の異物排除板38とブラシローラ35とを部材37に設け、部材37をローラ15の回転軸に固定したものである。この結果、ローラ15の動きに連動して、ブラシローラ35及び異物排除板38が上下動する移動機構を構成している。
本発明の硬貨処理装置の第5の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、繰出しベルト16が硬貨5の厚さに応じて上下するので、これに連動して異物排除板38とブラシローラ35も上下することができる。つまり、繰出しベルト16を硬貨5が通過する時には、ブラシローラ35を上方に移動させることができる。この結果、ブラシローラ35のブラシ毛材の変形と摩擦力を低減できるのでブラシ毛材の寿命を長くすることができる。
上述の実施の形態においては部材37をローラ15の回転軸に固定したが、異物排除板38とブラシローラ35とを、それぞれローラ15の回転軸に回動自在に取り付けることも可能である。
図7は、本発明の硬貨処理装置の第6の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図7において、図1乃至図6に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、異物6の除去を更に良好にするために、上述した第5の実施の形態における異物除去機構4の異物排除板38を、部材37から分離して独立して可動できる異物排除板17として構成したものである。
また、異物排除板17の動きに連動してブラシローラ35を可動することもできる。さらに、異物排除板17、ブラシローラ35は、単独で設ける構成にしてもよい。
本発明の硬貨処理装置の第6の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、硬貨5が通過する時、ブラシローラ35を上方に移動することができる。よって、ブラシローラ35のブラシ毛材の変形と摩擦力を低減できるのでブラシ毛材の寿命を長くすることができる。
図8乃至図10は、本発明の硬貨処理装置の第7の実施の形態を示すもので、図8は、本発明の硬貨処理装置の第7の実施の形態を示す側面概略図、図9は、図8のIX-IX矢視から搬送路を見た縦正面図、図10は、図8のX-X矢視から搬送路をみた縦正面図である。なお、図8乃至図10において、図1乃至図7に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、硬貨5から分離した異物6を回収するためのものであり、異物除去機構4に、繰出しベルト16から異物6を剥ぎ取るための掃除板40aと、ブラシローラ35から異物6を剥ぎ取るための掃除板40bと、これらの掃除板40a,40bで排除した異物6を回収するための異物回収箱40を設けたものである。
異物回収箱40は、図8に示すように、略矩形の箱型容器であって、ブラシローラ35と繰出しベルト16の上方に配置されている。異物回収箱40の底部には、異物回収口が設けられていて、この異物回収口の搬送路に直交する方向の略中心点は、ブラシローラ35のブラシ先端と繰出しベルト16の表面が接触する面上に配置することが好ましい。また、異物6の逆戻りを防止するために、異物回収口から異物回収箱40内側にかけて徐々に開口面積が小さくなるガイドを設けてもよい。
掃除板40aは、略長矩形の板部材であって、図8に示すように、その一端側を異物回収箱40の異物回収口近傍に直立状態で接合されている。掃除板40aの他端は、図9に示すように、溝46が表面に形成された繰出しベルト16と、微小な隙間を有して当接しない形に形成されている。
掃除板40bは、略長矩形の板部材であって、図8に示すように、その一端側を異物回収箱40の異物回収口近傍に直立状態で接合されている。掃除板40bの他端は、図9に示すように、摩擦を小さくするために凹凸部48が形成され、ブラシローラ35のブラシ毛材49に差し込まれている。
本発明の硬貨処理装置の第7の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、ブラシローラ35と繰出しベルト16で挟持され搬送される異物6をブラシローラ35と繰出しベルト16から剥ぎ取り異物回収箱40に保管するようにしたため、一度排除された異物6が再び搬送路へ戻ることを防止できる。
また、繰出しベルト16に溝46を設けたので、溝46に異物6が入った場合、異物6を排出口18に落下させることができる。また、異物6との接触面積が小さくなり異物6を挟持する力が弱くなるため、異物6を繰出しベルト16とブラシローラ35で挟んで容易に引抜くことができる。
さらに、異物6をブラシローラ35から剥ぎ取ることができるので、一度排除された異物6が再び搬送路へ戻ることを防止できると共に、異物6がブラシ毛材の中で目詰まりすることを防止できる。
図11及び図12は、本発明の硬貨処理装置の第8の実施の形態を示すもので、図11は、本発明の硬貨処理装置の第8の実施の形態を示す側面概略図、図12は、図11のXII-XII矢視から搬送路を見た縦正面概略図である。なお、図11及び図12において、図1乃至図10に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態は、硬貨5から分離した異物6の回収を良好にするために、上述した第7の実施の形態における異物除去機構4に、排除した異物6を異物回収箱40に搬送するためのローラ41、42を設けたものである。
ローラ41は、図11に示すように、異物回収箱40の下方、ブラシローラ35の上方に配置されている。図12に示すように、ローラ41はブラシローラ41であってもよく、ブラシローラ35とオーバーラップ52を形成し、異物6をブラシローラ35から剥ぎ取ることができる。また、ブラシローラ41から異物6を剥ぎ取るためと、ブラシ毛材の中で異物6が目詰まりしないようにブラシ毛材51に差し込まれた掃除板40bを設けた。また、掃除板40bの先端側には、摩擦を小さくするために凹凸48を設けている。
ローラ42は、図11に示すように、異物回収箱40の下方であって、繰出しベルト16の上方に設けられ、ローラ41と当接するように配置されている。
本発明の硬貨処理装置の第8の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、ブラシローラ35と繰り出しベルト16で挟持され搬送されてきた異物6をブラシローラ35と繰出しベルト16から剥ぎ取りローラ41、42で挟持して異物回収箱40に搬送するようにしたため、一度排除された異物6が再び搬送路へ戻ることを防止できる。
また、異物6をブラシローラ35から剥ぎ取ることができるので、一度排除された異物6が再び搬送路へ戻ることを防止できるとともに、異物6がブラシ毛材の中で目詰まりすることを防止できる。
図13は、本発明の硬貨処理装置の異物除去機構を構成するブラシローラの他の実施の形態を示す正面図である。なお、図13において、図1乃至図12に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、ブラシローラ35のブラシ毛材54は軸方向に螺旋状に形成されている。
本実施の形態によれば、ブラシローラ35のブラシ毛材54が軸方向に螺旋状に形成されているので、異物6を搬送方向と直交する方向に移動させることができる。この結果、異物6を搬送路から排除することができる。
図14は、本発明の硬貨処理装置の異物除去機構を構成する異物排除板とブラシローラの他の実施の形態を示す正面図である。なお、図14において、図1乃至図13に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、異物排除板17は、板材にブラシローラ35のブラシ毛材50と強く当たらないように先端部に凹凸43と、異物排除板17を揺動させるための回転軸44とを設けたものである。また、ブラシローラ35は、突起部として一定幅のブラシ毛材50を隙間を設けて軸方向に形成したものである。この結果、図14に示すように、異物排除板17の先端部と、ブラシローラ35の突起部は、搬送方向から見て、櫛歯状に形成されている。
本実施の形態によれば、異物排除板17とブラシローラ35とが強く当たらないので、互いに摩耗量を減少させることができる。また、異物排除板17とブラシローラ35とが自由に回転できるので異物6の排除効率を向上させることができる。
図15及び図16は、本発明の硬貨処理装置の第9の実施の形態を示すもので、図15は、本発明の硬貨処理装置の第9の実施の形態を示す側面概略図、図16は、本発明の硬貨処理装置の第9の実施の形態を示す平面概略図である。なお、図15及び図16において、図1乃至図14に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態における異物除去機構4は、異物排除板17とブラシローラ55とを別々に設けるために、上述した第1の実施の形態における異物除去機構4の構成要素に加えて、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に中間ローラ56,57と、第2の落下空間としての第2の排出口58と、異物落下板59とを備えている。
中間ローラ56,57は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に設けられていて、下方向に押圧されている中間ローラ57が、ギャップ60を開けて対向している中間ローラ56の上部に設けられている。なお、ギャップ60は、硬貨5一枚の厚さの大略半分程度であって、例えば日本国の場合には、0.7〜1mm程度が好ましい。
第1の排出口18は、搬送ベルト12の下流端と中間ローラ56,57との間に形成された落下空間である。この分断された距離であるローラ15と中間ローラ57の中心間距離は、硬貨5の直径程度である。例えば、日本国では1円硬貨の直径に近いおおよそ20mm程度が好ましい。
異物排除板17は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨分離部2と中間ローラ56,57の間であって、硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、図示しないばねにより所定の隙間を設けて搬送ベルト12の方向に押付けられている。
ブラシローラ55は、中間ローラ56,57と硬貨鑑別部3との間であって、ブラシ毛材の先端部が硬貨5の搬送路を横切る状態で設けられている。なお、ブラシローラ55の直径は例えば10mm程度が好ましい。また、ブラシローラ55のブラシ毛材はナイロン等の樹脂、獣毛、金属等が使用できる。ブラシ毛材の長さは例えば3〜4mm程度が好ましい。
第2の排出口58は、中間ローラ56,57と搬送ベルト24の間に形成された落下空間である。この分断された距離である中間ローラ57とローラ21との中心間距離は、硬貨5の直径程度である。例えば、日本国では1円硬貨の直径に近いおおよそ20mm程度が好ましい。
異物落下板59は、例えば薄い樹脂板で形成された略長矩形の板状部材からなり、第1の排出口18の上部であって、中間ローラ57の上流側に、硬貨5の搬送路の上部を横切る状態で設けられている。
本発明の硬貨処理装置の第9の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ60より薄い異物6に対しては中間ローラ56と、中間ローラ57とで挟持されないので、異物6の先端が第2の排出口58に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため第2の排出口58に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、ブラシローラ55は、中間ローラ56,57の挟持力を失った異物をブラシですくい上げて中間ローラ57との間に挟みこんで上方に排出することができる。したがって、剛性の高い異物6も少ない搬送力で確実に除去することができる。
また、中間ローラ56,57には、ギャップ60が設けられているので、搬送方向に長大な異物6が拘束されず、このような異物6も、第2の排出口58やブラシローラ55で確実に除去することができる。
さらに、中間ローラ57の上流側に異物落下板59を設けたので、硬貨5の上に載置された異物6を、異物落下板59に衝突させ、排出口18に落下させることができる。
また、硬貨分離部2の搬送速度V1と中間ローラ56,57の搬送速度V2と硬貨鑑別部3の搬送速度V3において、V3を最速にして、V1とV2を等速に設定したり、V3、V2、V1の順序で速度を速く設定することができる。これにより、第1と第2の排出口18,58のところでは、下流側に比べて上流側の搬送速度が遅いので、異物6が飛翔しにくく、第1と第2の排出口18,58に落下し易くなる。さらに、硬貨鑑別部3においては、搬送速度を速くすることにより、硬貨5同士の間隔を開けることができる。
図17は、本発明の硬貨処理装置の第10の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図17において、図1乃至図16に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態における異物除去機構4は、異物排除板17とブラシローラ55とを別々に設けるために、上述した第4の実施の形態における異物除去機構4の構成要素に加えて、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に中間ローラ56,57と、第2の落下空間としての第2の排出口58と、異物落下板59とを備えている。
中間ローラ56,57は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に設けられていて、下方向に押圧されている中間ローラ57が、ギャップ60を開けて対向している中間ローラ56の上部に設けられている。
第1の排出口18は、搬送ベルト12の下流端と中間ローラ56,57との間に形成された落下空間である。この分断された距離であるローラ15と中間ローラ57の中心間距離は、硬貨5の直径程度である。
異物排除板17は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨分離部2と中間ローラ56,57の間であって、硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、図示しないばねにより所定の隙間を設けて搬送ベルト12の方向に押付けられている。
上下に移動できるブラシローラ55は、中間ローラ56,57と硬貨鑑別部3との間に設けられ、ばね66により下方向へ押圧される回転軸により軸支されている。また、ブラシ毛材の先端部が硬貨5の搬送路を横切る状態で設けられている。
第2の排出口58は、中間ローラ56,57と搬送ベルト24の間に形成された落下空間である。
異物落下板59は、例えば薄い樹脂板で形成された略長矩形の板状部材からなり、第1の排出口18の上部であって、中間ローラ57の上流側に、硬貨5の搬送路の上部を横切る状態で設けられている。
本発明の硬貨処理装置の第10の実施の形態によれば、上述した第4の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ60より薄い異物6に対しては中間ローラ56と、中間ローラ57とで挟持されないので、異物6の先端が第2の排出口58に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため第2の排出口58に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、ブラシローラ55は、中間ローラ56,57の挟持力を失った異物をブラシですくい上げて中間ローラ57との間に挟みこんで上方に排出することができる。したがって、剛性の高い異物6も少ない搬送力で確実に除去することができる。
また、中間ローラ56,57には、ギャップ60が設けられているので、搬送方向に長大な異物6が拘束されず、このような異物6も、第2の排出口58やブラシローラ55で確実に除去することができる。
さらに、中間ローラ57の上流側に異物落下板59を設けたので、硬貨5の上に載置された異物6を、異物落下板59に衝突させ、排出口18に落下させることができる。
図18は、本発明の硬貨処理装置の第11の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図18において、図1乃至図17に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態における異物除去機構4は、異物排除板17とブラシローラ55とを別々に設けるために、上述した第5の実施の形態における異物除去機構4の構成要素に加えて、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に中間ローラ56,57と、第2の落下空間としての第2の排出口58と、異物落下板59とを備えている。
本発明の硬貨処理装置の第11の実施の形態によれば、上述した第5の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ60より薄い異物6に対しては中間ローラ56と、中間ローラ57とで挟持されないので、異物6の先端が第2の排出口58に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため第2の排出口58に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、ブラシローラ55は、中間ローラ56,57の挟持力を失った異物をブラシですくい上げて中間ローラ57との間に挟みこんで上方に排出することができる。したがって、剛性の高い異物6も少ない搬送力で確実に除去することができる。
また、中間ローラ56,57には、ギャップ60が設けられているので、搬送方向に長大な異物6が拘束されず、このような異物6も、第2の排出口58やブラシローラ55で確実に除去することができる。
さらに、中間ローラ57の上流側に異物落下板59を設けたので、硬貨5の上に載置された異物6を、異物落下板59に衝突させ、排出口18に落下させることができる。
図19は、本発明の硬貨処理装置の第12の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図19において、図1乃至図18に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態における異物除去機構4は、上述した第9の実施の形態における異物除去機構4において、ブラシローラ55を設けないで、中間ローラ56,57の硬貨鑑別部
3側に第2の異物排除板97と、第2の異物落下板99とを備えている。
中間ローラ56,57は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に設けられていて、下方向に押圧されている中間ローラ57が、ギャップ60を開けて対向している中間ローラ56の上部に設けられている。なお、ギャップ60は、硬貨5一枚の厚さの大略半分程度であって、例えば日本国の場合には、0.7〜1mm程度が好ましい。
第1の排出口18は、搬送ベルト12の下流端と中間ローラ56,57との間に形成された落下空間である。この分断された距離であるローラ15と中間ローラ57の中心間距離は、硬貨5の直径程度である。
第1の異物排除板17は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨分離部2と中間ローラ56,57の間であって、硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、図示しないばねにより所定の隙間を設けて搬送ベルト12の方向に押付けられている。
第2の異物排除板97は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が中間ローラ56,57と硬貨鑑別部3との間であって、硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向に回動自在に軸支され、図示しないばねにより下方向に押付けられている。
第2の排出口58は、中間ローラ56,57と搬送ベルト24の間に形成された落下空間である。
第1の異物落下板59は、第1の排出口18の上部であって、中間ローラ57の上流側に、第2の異物落下板99は、第2の排出口58の上部であって、中間ローラ57の下流側に、それぞれ、硬貨5の搬送路の上部を横切る状態で設けられている。
なお、本実施の形態においては、中間ローラ56,57の上流側及び/または下流側に、本発明の第1〜8の実施の形態で説明した異物排除板17とブラシローラ35とを組合わせて配置することも可能である。
本発明の硬貨処理装置の第12の実施の形態によれば、上述した第1〜8の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ60より薄い異物6に対しては中間ローラ56と、中間ローラ57とで挟持されないので、異物6の先端が第2の排出口58に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため第2の排出口58に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、異物除去機構4に第2の異物排除板97を設けたので、第1の異物排除板17と同様に、異物6の搬送方向が下方向に向けられ、強制的に第2の排出口58に落下させられる。この結果、単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の上に載置された異物6、紙類や糸くず等の柔軟な異物6、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
さらに、中間ローラ56,57の上流側に第1の異物落下板59を、硬貨鑑別部3のローラ21の上流側に第2の異物落下板99をそれぞれ設けたので、硬貨5の上に載置された異物6を、第1及び第2の異物落下板59,99にそれぞれ衝突させ、第1及び第2の排出口18,58に落下させることができる。
図20は、本発明の硬貨処理装置の第13の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図20において、図1乃至図19に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態における異物除去機構4は、上述した第9の実施の形態における異物除去機構4において、異物排除板17と異物落下板59とを設けないで、中間ローラ56,57の硬貨分離部2側に第1のブラシローラ35を、硬貨鑑別部3側に第2のブラシローラをそれぞれ備えている。
中間ローラ56,57は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に設けられていて、下方向に押圧されている中間ローラ57が、ギャップ60を開けて対向している中間ローラ56の上部に設けられている。なお、ギャップ60は、硬貨5一枚の厚さの大略半分程度であって、例えば日本国の場合には、0.7〜1mm程度が好ましい。
第1のブラシローラ35は中間ローラ56,57の硬貨分離部2側に、第2のブラシローラ55は、中間ローラ56,57の硬貨鑑別部3側に、それぞれブラシ毛材の先端部が硬貨5の搬送路を横切る状態で繰出しベルト16、中間ローラ57を押付けるように設けられている。なお、ブラシローラ55の直径は例えば10mm程度が好ましい。また、ブラシローラ55のブラシ毛材はナイロン等の樹脂、獣毛、金属等が使用できる。ブラシ毛材の長さは例えば3〜4mm程度が好ましい。
なお、本実施の形態においては、中間ローラ56,57の上流側及び/または下流側に、本発明の第1〜8の実施の形態で説明した異物排除板17とブラシローラ35とを組合わせて配置することも可能である。
本発明の硬貨処理装置の第13の実施の形態によれば、上述した第1〜8の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、厚さがギャップ60より薄い異物6に対しては中間ローラ56と、中間ローラ57とで挟持されないので、異物6の先端が第2の排出口58に繰出されるにつれて姿勢が下方向に傾くため第2の排出口58に落下し易くなるという効果がある。この結果、単独で搬送されてきた異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、異物除去機構4に第2のブラシローラ55を設けたので、第1のブラシローラ35と同様に、中間ローラ56,57の挟持力を失った異物6をブラシですくい上げて中間ローラ57との間に挟みこんで上方に排出することができる。したがって、剛性の高い異物6も少ない搬送力で確実に除去することができる。
さらに、中間ローラ56,57には、ギャップ60が設けられているので、搬送方向に長大な異物6が拘束されず、このような異物6も、第2の排出口58やブラシローラ55で確実に除去することができる。
図21は、本発明の硬貨処理装置の異物除去機構を構成する中間ローラ56,57の他の実施の形態を示す正面図である。なお、図21において、図1乃至図20に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、溝65を設けた中間ローラ57が、ギャップ60を開けて対向している溝64を設けた中間ローラ56の上部に設けられている。
本実施の形態によれば、中間ローラ56,57に溝64,65をそれぞれ設けたので、溝64,65に異物6が入った場合、異物6を排出口58に落下させることができる。また、異物6との接触面積が小さくなり異物6を挟持する力が弱くなるため、異物6を中間ローラ57とブラシローラ55とで挟んで容易に引抜くことができる。
図22は、本発明の硬貨処理装置の異物除去機構を構成する異物落下板59,99の他の実施の形態を示す正面図である。なお、図22において、図1乃至図21に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、例えば、薄い樹脂板で形成された略長矩形の異物落下板59,99の長手方向の一辺の下部に、硬貨5を通過させるための複数のスリット69が、短手方向に設けられている。
本実施の形態によれば、異物落下板59,99の長手方向の一辺の下部に複数のスリット69を設けたので、複数のスリット69に区画された異物落下板59,99の下辺がそれぞれブラシのように動作し、硬貨5の上に載置された異物6を第1及び第2の排出口18,58に落下させることができる。
図23は、本発明の硬貨処理装置の第14の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図23において、図1乃至図22に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、図23に示すように、硬貨鑑別部3の搬送路が、硬貨分離部2の搬送路の延長線より下側になるように、硬貨鑑別部3及び硬貨分離部2が配置されている。この結果、硬貨処理装置1の搬送路は、段差を有していて、この段差部に異物除去機構4を構成する受け止め板85と、ホッパ84と、ローラ21とを備えている。つまり、本実施の形態における異物除去機構4は、繰出しローラとしてのローラ14,15,16と、排除板としての異物排除板17と、落下空間としての排出口18と、分離ローラとしてのローラ21と、ホッパ84と、受止め板85とを備えている。
硬貨5を硬貨分離部2から繰出すローラ15は、回転力が与えられる駆動ローラであるローラ14と繰出しベルト16で掛け回されていて、搬送ベルト12上に設けられている。また、ローラ15はローラ14の回転軸に回動自由に設けられた部材に取付けられ、ばねで搬送ベルト12に押付けられている。
異物排除板17は、略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、図示しないばねにより所定の隙間を設けて搬送ベルト12の方向に押付けられている。
受止め板85は、硬貨5の外径より小さい複数の落下孔が形成された略長矩形の板状部材からなり、その長辺が硬貨5の搬送路を横切る状態、つまり、搬送路延長線と交差する向きで、上下方向回動自在に軸支され、その短辺が硬貨5の硬貨分離部2と硬貨鑑別部3を結ぶ搬送路を形成している。つまり、受止め板85の長辺の一端は、硬貨分離部2の搬送ベルト12及びローラ11に近接し、受止め板85の長辺の他端は、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24およびローラ20に近接するように配置構成されている。
硬貨分離部2から繰出されて落下する硬貨5及び異物6を受止める収容空間であるホッパ84は、ローラ20の上部の搬送ベルト24上部と、受止め板85と、分離ローラ21と、図示しない側板とで形成されている。
硬貨5を一枚ずつ分離する分離ローラ21は、ローラ20に対向しない位置に設けられ、搬送ベルト24とのギャップ30を硬貨5の一枚分の厚さより広くするとともに、硬貨5の上に重なった硬貨5や異物6を弾き飛ばすように搬送方向に対して逆回転させている。
排出口18は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に形成された落下空間である。
次に、上述した本発明の硬貨処理装置の第14の実施の形態における動作を説明する。まず、硬貨5の搬送動作を説明する。搬送ベルト12に載った硬貨5は、分離ローラ13で一枚ずつに分離される。そして、硬貨5は繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されて搬送され搬送路の延長線上に繰出される。つまり、繰出された硬貨5は、搬送ベルト12から受止め板85へ落下し、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上部のホッパ84に収容される。そして、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24とローラ21の間に押込まれる。このときローラ21は搬送方向に対して逆回転しているので、硬貨5の上に重なった硬貨5や異物6は弾き飛ばされ、硬貨5は、一枚ずつ分離して搬送される。
次に、異物除去動作を説明する。まず、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3とは受止め板85によって搬送路が接続されていて、この受止め板85に硬貨5の外径より小さい複数の落下孔(図示せず)が設けられている。したがって、搬送されてきた異物6は、繰出しベルト16と搬送ベルト12の挟持力から開放されたときに受止め板85に落下する。この結果、硬貨5の外径より小さい異物6は、複数の落下孔を通過して排出口18に落下する。なお、ホッパ84に残留した異物6は、受止め板85の搬送ベルト24およびローラ20に近接する長辺の一端を上方向に回動し、搬送ベルト24を逆回転させることにより、排出口18に落下させることができる。
本発明の硬貨処理装置の第14の実施の形態によれば、硬貨分離部2から硬貨鑑別部3への硬貨5の搬送を硬貨5の落下動作で行っているため、単独で搬送されてきた異物6は、受止め板85の落下孔を通過して排出口18に落下させられる。
また、硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5の下に挟まれた異物6、及び硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っていた異物6は、硬貨5が受止め板85に落下した際に反発振動することで、硬貨5から振り落とされる。この結果、これらの異物6は受止め板85の落下孔を通過して排出口18に落下させられる。
図24は、本発明の硬貨処理装置の第15の実施の形態を示す側面概略図である。なお、図24において、図1乃至図23に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるので、その説明を省略する。
本実施の形態においては、図24に示すように、硬貨鑑別部3の搬送路が、硬貨分離部2の搬送路の表面の延長線より下側であって、硬貨分離部2の搬送方向に対して角度をもって斜めに配置して構成している。つまり、硬貨鑑別部3の構成および配置が上述した他の実施の形態と異なるものである。
硬貨鑑別部3は、硬貨5を載せて搬送するためのローラ87,88と、ローラ87,88に掛け回されて搬送面に突起90を設けた搬送ベルト89と、硬貨5の周面を載せるガイド91と画像検出器28等で大略構成されている。
ガイド91は、長矩形の板状部材であって、図24に示すように、断面逆L字状に折り曲げて形成し、このL字状の長辺の表面を搬送ベルト89の搬送方向の下側であって、搬送ベルト89の上表面に直交するように並設している。一方、このL字状の短辺は、搬送ベルト89の搬送方向に交差するように配置され、その末端部の上部表面が、硬貨分離部2の搬送路の下流端であるローラ11の搬送方向の端面と同一またはさらに上流側になるように設けられている。なお、この板状部材の幅、つまりガイド91の搬送ベルト89の表面に直交する方向の長さは、大略硬貨5の厚さ以上が好ましい。
次に、上述した本発明の硬貨処理装置の第15の実施の形態における動作を説明する。搬送ベルト12に載った硬貨5は、分離ローラ13で一枚ずつに分離される。そして、硬貨5は繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されて搬送され搬送路の延長線上に繰出される。つまり、繰出された硬貨5は、搬送ベルト12からガイド91の短辺側にその側面を接触させて落下し、硬貨鑑別部3の搬送ベルト89に硬貨5の一面を接触させるとともに、硬貨5の側面をガイド91の長辺に載せた状態で受け渡される。そして、さらに、硬貨鑑別部3の搬送ベルト89の突起90に硬貨5の側面が引っ掛かることにより、硬貨5は硬貨鑑別部3の下流側に搬送される。
本発明の硬貨処理装置の第15の実施の形態によれば、硬貨鑑別部3において硬貨5を斜めにして搬送するため、単独で搬送されてきた異物6、硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5の下に挟まれた異物6、及び硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っていた異物6は、ガイド91と搬送ベルト89とで、振り落とされて排除することができる。
なお、上述した本発明の各実施の形態においては、それぞれ単独で実施する場合のみならず、各々任意の実施の形態を組合わせて実施することも当然に可能である。