JP5426999B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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本発明は、現金自動取引装置(ATM)等の硬貨を受取り払い出す硬貨処理装置に係り、特に硬貨と一緒に混入された異物を除去することができる硬貨処理装置に関する。
異物除去機構を備えた硬貨処理装置としては、搬送路をまたいで搬送路の上側と下側にローラに植毛したブラシローラをそれぞれ配置し、これらのブラシローラ間に硬貨を通過させることにより、硬貨の上面と下面に付着した金属粉の汚れを落すものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平9−185747号公報
上記硬貨処理装置において、硬貨の搬送路は下側に平板を配置し、その上側に硬貨の厚みより少し小さい隙間で略平行にベルトを設ける構成としている。つまり、平板に載置された硬貨の上側にベルトからの搬送力を与えて、硬貨を搬送する片側搬送方式を採用している。また、異物除去機構は、平板の一部に切断部を設けると共に、この切断部上を移動する硬貨の上下面にそれぞれのブラシ先端が接触できる位置に上下各ブラシローラを配置している。
このため、上記硬貨処理装置によれば、汚れが付着していない清浄な硬貨を常に利用者に支払うことができる。しかしながら、例えば、一般の商店における一日の売上高などのような大量の硬貨が、様々な異物を充分に分別しないままで、この硬貨処理装置に一括して投入されることがあり、硬貨と一緒にレシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物が、この硬貨処理装置に混入された場合には、以下の問題を生じる虞がある。
(1)厚さが硬貨より薄い異物は搬送されず硬貨処理装置内のどこかに堆積されてしまう虞がある。
(2)硬貨の上に載置された異物は、ベルトで拘束されているため、ブラシローラで引き剥されない場合が生じる。
(3)硬貨の下で平板との間に挟まれた異物は、下側ブラシローラとの隙間がないため、搬送路の下に落下させることができない場合が生じる。
(4)ブラシローラで引き剥がした異物を搬送路の外に移動する機構と回収箱がないため、これらの異物が再び搬送路に戻ってしまう虞がある。
上述のように、異物が硬貨処理装置に混入すると、硬貨処理装置を備える現金自動取引装置(ATM)が故障し、復旧するまで所要の時間を要し、その間、取引が中断されてしまうという問題が生じる。
本発明の目的は、上述の事項に基づいてなされたもので、その目的は硬貨と一緒に混入された異物を確実に除去することができる異物除去機構を備えた硬貨処理装置を提供することにある。
上記目的は、硬貨を搬送する搬送路の上流側に設けた硬貨分離部と、前記搬送路の下流側に設けた硬貨鑑別部とを備えた硬貨処理装置において、前記硬貨分離部の下流端と前記硬貨鑑別部の上流端との間に設けられた異物落下用空間と、この異物落下用空間の上流側に設けられて前記硬貨を繰出すための繰出し駆動ローラと前記硬貨の厚みによって上方に移動する繰出し揺動ローラとに掛け回された繰出しベルトと、前記異物落下用空間の下流側に設けられて前記硬貨を受取る受取りローラと、前記繰出しベルトと前記受取りローラとの間に設けられて回転するブラシで異物を跳ね上げるとともに前記繰出しベルトとブラシで異物を挟持し搬送するブラシローラと、前記繰出しベルトと前記ブラシローラで異物を搬送する方向に設けられた異物回収箱とを備え、この異物回収箱と前記ブラシローラとの間に固定側ローラと移動側ローラからなる排出ローラが対となって設けられていることにより達成される。
また上記目的は、前記排出ローラ対のいずれか一方のローラ又は両方のローラは回転力が与えられる駆動ローラであることにより達成される。
また上記目的は、前記繰出しベルトが前記繰出し駆動ローラと前記繰出し揺動ローラと前記移動側の排出ローラに掛け回され、前記繰出し揺動ローラが異物の厚さに応じて移動することによって前記排出ローラ対の間が広がる方向へ移動するようにしたことにより達成される。
また上記目的は、前記排出ローラ対の移動側ローラは前記繰出し揺動ローラの移動方向に対して斜め方向に移動して異物を前記異物回収箱に案内することにより達成される。
また上記目的は、前記排出ローラ対の移動側ローラは回転軸が前記繰出し揺動ローラの回転軸と連結され、前記繰出し揺動ローラが異物の厚さに応じて移動することによって前記排出ローラ対の間が広がる方向へ移動するようにしたことにより達成される。
また上記目的は、前記排出ローラ対の移動側ローラは前記繰出し揺動ローラの移動方向に対して斜め方向に移動して異物を前記異物回収箱に案内することにより達成される。
また上記目的は、前記硬貨分離部の下流端と前記硬貨鑑別部の上流端との間に設けられた異物落下用空間と、この異物落下空間の上流側に設けられて前記硬貨を繰出すための繰出し駆動ローラと前記硬貨の厚みによって上方に移動する繰出し揺動ローラとに掛け回された繰出しベルトと、前記落下空間の下流側に設けられて前記硬貨を受取る受取りローラと、前記繰出しベルトと前記受取りローラとの間に設けられて回転するブラシで異物を跳ね上げるとともに前記繰出しベルトとブラシで異物を挟持し搬送するベルトにブラシを設けたブラシベルトと、前記繰出しベルトと前記ブラシベルトで異物を搬送する方向に設けられた異物回収箱とを備え、この異物回収箱と前記ブラシローラとの間に固定側ローラと移動側ローラからなる排出ローラが対となって設けられ、前記ブラシベルトが前記固定側ローラと異物跳ね上げ側に設けたローラとに掛け回されていることにより達成される。
また上記目的は、前記ブラシローラの位置にローラを配置し、ベルトにブラシを設けたブラシベルトが前記ローラと前記固定側の排出ローラとに掛け回されていることにより達成される。
また上記目的は、前記ブラシローラの位置にローラを配置し、ベルトにブラシを設けたブラシベルトが前記ローラと前記固定側の排出ローラとに掛け回されていることにより達成される。
また上記目的は、前記ブラシローラの位置にローラを配置し、ベルトにブラシを設けたブラシベルトが前記ローラと前記固定側の排出ローラとに掛け回されていることにより達成される。
また上記目的は、前記ブラシローラの位置にローラを配置し、ベルトにブラシを設けたブラシベルトが前記ローラと前記固定側の排出ローラとに掛け回されていることにより達成される。
本発明によれば、硬貨分離部と鑑別部間の搬送路を分断して、その間に異物除去機構を設けたので、硬貨と一緒に混入されたレシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物を簡単な構成で確実に除去することができる。この結果、これらの異物混入が原因で発生する硬貨処理装置の機能不具合が防止できるので信頼性の高い硬貨処理装置を提供できる。
本発明の硬貨処理装置の第1の実施形態を示す側面概略図である。 本発明の硬貨処理装置の第1の実施形態を示す平面概略図である。 本発明の硬貨処理装置の第1の実施形態を詳細に示す側面概略図である。 本発明の硬貨処理装置の第2の実施形態を示す側面概略図である。 本発明の硬貨処理装置の第3の実施の形態を示す側面概略図である。 本発明の硬貨処理装置の第4の実施の形態を示す側面概略図である。
さて、ブラシローラで跳ね上げられた異物は回収箱でキャッチすることで良好な異物回収が可能となる。ところが異物には上述したように各種あり、糸くず類や綿埃類は非常に効率よく跳ね上がるので回収箱でキャッチできるものの、重いクリップや輪ゴム類は跳ね上げても回収箱に届かないまま戻ってしまう可能性も考えられる。戻ってしまった場合にはクリップや輪ゴムが硬貨とともに搬送されてしまい、ATM故障の原因となる。
そこで本願発明の発明者らは重いクリップや輪ゴム類であっても回収箱に確実にキャッチできる排出ローラを種々検討するとともに、異物の大きさに応じて異物の挟持間隔を可変可能にすることを種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
以下に、本発明の硬貨処理装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態を示す側面概略図である。
図2は、本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態を示す平面概略図である。
図3は、図1に示す異物除去機構をより詳細に説明する側面概略図である。
図1及び図2において、硬貨処理装置1は、投入された硬貨5を一枚ずつ分離して硬貨鑑別部3に繰出す硬貨分離部2と、硬貨5の真贋と金種を鑑別する硬貨鑑別部3との間に設けられている。この硬貨処理装置1は異物6を除去するブラシローラ35、排出ローラ41、42および異物回収箱40からなる異物除去機構によって大略構成されている。
なお、図中の矢印はローラの回転方向と異物の排出方向を示す。また、硬貨5を一枚ずつ鑑別するために硬貨鑑別部3の搬送速度を硬貨分離部2の搬送速度より速くして硬貨5同士の間隔を開けるようにしている。
硬貨分離部2は、硬貨5を投入する上方視略矩形の硬貨投入口7と、投入された硬貨5と硬貨5中に紛れ込んだ、例えばレシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物6を載せて搬送するためのローラ10、11と、このローラ10、11に掛け回された搬送ベルト12とを備えている。硬貨投入口7から投入された硬貨5は一枚ずつ分離するための分離ローラ13と、硬貨5を硬貨鑑別部3に繰出すためのローラ14、15と、このローラ14、15に掛け回された繰出しベルト16とを備え、硬貨投入口7に残留した異物6を搬送ベルト12の逆回転により排出する排出口8とで構成されている。なお、ローラ10、11、13、14は図2に示した側板50、51に軸受けを介して取付けられている。
分離ローラ13は、硬貨5を一枚ずつ分離するために搬送ベルト12とのギャップ9を硬貨5の一枚分の厚さ以上であって硬貨5の二枚分の厚さ以下にするとともに、重なった硬貨5を弾き飛ばすように搬送方向に対して逆回転させている。
硬貨5を硬貨分離部2から繰出すローラ15は、回転力が与えられる駆動ローラであるローラ14と繰出しベルト16で掛け回されていて、落下空間(排出口)18の上流側である硬貨分離部2の搬送ベルト12上に設けられている。また、ローラ15はローラ14の回転軸に回動自由に設けられた側板52、53(図2に示す)に取付けられ、ばねで搬送ベルト12に押付けられている。したがって、ローラ15と繰出しベルト16は繰出される硬貨5の厚さに応じて上方向に移動する。
硬貨鑑別部3は、硬貨5を受取るローラ21と、硬貨5を載せて搬送するためのローラ20、22、23と、このローラ20、22、23に掛け回された搬送ベルト24とを備えている。硬貨5の形状や表面の絵柄を検出する画像検出器28と、硬貨5の材質を検出する材質検出器29と、硬貨5を繰出すためのローラ25、26に掛け回された繰出しベルト27とで構成されている。また、ローラ25は回転力が与えられる駆動ローラであって、ローラ26はローラ25の回転軸に回動自由に設けられた側板65、66(図2に示す)に取付けられ、ばねで搬送ベルト24に押付けられている。なお、ローラ20、22、23、25は側板59、60(図2に示す)に軸受けを介して取付けられている。
硬貨5を受取るローラ21は、落下空間(排出口)18の下流側である硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上にローラ20に対向して設けられている。また、ローラ21は側板59、60(図2に示す)に設けられた軸63、64(図2に示す)に回動自由に設けられた側板61、62(図2に示す)に取付けられている。このローラ21はローラ21と同軸に設けた歯車58によりローラ20の歯車から回転力が与えられる駆動ローラであって、硬貨5の一枚の厚さの大略半分程度のギャップ30を設けて、ばねで搬送ベルト24の方向に押付けられている。
図1に示すように、異物除去機構は硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間に設けられた異物の落下空間としての落下空間(排出口)18と、異物を上方へ掻き上げるブラシローラ35と、ブラシローラ35から搬送されてくる異物を異物回収箱40に搬送する排出ローラ41、42と、異物を保存して置く異物回収箱40を備えている。また、ローラ35、41、42は側板50、51(図2に示す)に軸受けを介して取付けられている。また、排出ローラ41はブラシローラ35のブラシ毛材の先端部に接触して配置される。また、排出ローラ42は側板50、51に取付けられた軸受けの位置が移動できるように構成されている。また、排出ローラ41、42は回転力が与えられる駆動ローラであって、排出ローラ41、42に設けた歯車57、56は排出ローラ41から42に回転力を伝達するためのものである。なお、排出ローラ42は従動ローラとすることもできる。
図3に示すようにブラシローラ35は、突起部としてのブラシ毛材の先端部が繰出しベルト16を押付けるように設けられている。また、ブラシローラ35は、硬貨5の搬送路を横切る状態で設けられている。したがって、硬貨5が通過している状態でブラシローラ35のブラシ毛材が硬貨5に接触するようになっている。また、ブラシローラ35は回転力が与えられる駆動ローラであって、硬貨5の搬送方向に対して逆回転させている。
これにより、ブラシローラ35のブラシ毛材と繰出しベルト16との間に異物6挟んで異物回収箱40方向に搬送することができる。また、側板50、51に傾斜した案内溝46を設け、この案内溝46に排出ローラ42の回転軸に設けた軸受け43の外輪を挿入して排出ローラ42を矢印69の方向に移動可能にする。さらに、連結リンク32の一方の楕円穴39に軸受け43の外輪を移動可能に取付け、他方の穴にローラ15の回転軸に設けた軸受け31の外輪を取付けることにより排出ローラ42とローラ15とが結合される。
また、ねじりばね33で軸受け43の外輪に排出ローラ41方向へ押付力を与える。これにより、異物6の厚さに応じてローラ15が矢印68の方向に移動すると連結リンク32を介して排出ローラ42がローラ15の移動方向68に対して傾斜した矢印69の方向に移動する。
したがって、ブラシローラ35から搬送されてくる異物6の厚さに応じて排出ローラ対41、42間の隙間47を変化することができるので厚さの異なる異物6を確実に噛み込むことができ異物回収箱40へ搬送することができる。
つまり、異物の大きさに応じて隙間47が対応しないと、大きい異物の場合は挟持させることができなかったり、逆に小さい異物の場合は挟持力が足らずに落下させてしまったりする可能性がある。なお、ねじりばね33は回転軸39と停止ピン55に係止されている。
異物回収箱40に設けたガイド48、45は排出ローラ41、42に接触し、異物6を排出ローラ41、42から剥離し異物回収箱40に案内することを目的としている。またこのガイド48、45は異物6を排出ローラ41、42に巻き込まないようにするためのカバーでもある。さらにガイド45は回転部44により排出ローラ42の移動に連動して移動できる。
またガイド48、45は排出ローラ41、42のいずれか一方又は両方を軟らかい弾性体のローラにして異物6を噛み込んだ時にローラを変形させ噛み込み易くすることもできる。
直径が10mm程度の小径ローラである排出ローラ41、42間の隙間はレシート等の紙類でおおよそ0〜0.1mm、輪ゴムでおおよそ0.5〜1mm程度が好適である。
直径が10mm程度の小径ローラである排出ローラ41、42間に隙間がない場合は、厚さが1mm程度の輪ゴムなどの異物を噛み込むことができない問題がある。また、あらかじめ排出ローラ41、42間に隙間を開けておいた場合は、輪ゴムは噛み込めるが薄い紙類などは挟持力がないため搬送できない問題がある。
排出ローラ42を固定し排出ローラ41、42のいずれか一方又は両方を軟らかい弾性体のローラにして異物6を噛み込んだ時にローラを変形させるようにしておくことにより、異物6を確実に噛み込むことができるので異物回収箱40へ搬送することもできる。
排出口18は、硬貨処理装置1としての搬送路である硬貨分離部2の搬送ベルト12の下流端と、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24の上流端との間に形成された落下空間である。この分断された距離であるローラ15とローラ21の中心間距離は、硬貨5の直径程度であり、例えば日本国では1円硬貨の直径に近い約20mm程度である。
ブラシローラ35、排出ローラ41、42の外径は、取扱う硬貨の直径に依存する。例えば、日本国では1円硬貨の直径の半分のおおよそ10mm程度である。一方、ブラシローラ35のブラシ毛材はナイロン等の樹脂、獣毛、金属等が好適であり、ブラシ毛材の長さは例えば3〜4mm程度が好ましい。
このブラシローラ35は、ローラの表面に突起を設けたものでもよく、繰出しベルト16を設けずに、ローラ15を回転駆動させてばねで搬送ベルト12に押付ける構成にしてもよい。
次に、上述した本発明の硬貨処理装置の第1の実施の形態における動作を図1、図2及び図3を用いて説明する。
まず、硬貨5の搬送動作を説明すると、搬送ベルト12に載った硬貨5は、分離ローラ13で一枚ずつに分離され、その後硬貨5は繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されて搬送され搬送路の延長線上に繰出される。そして、硬貨鑑別部3の搬送ベルト24とローラ21の間に押込まれる。この時、硬貨5は、搬送ベルト24とローラ21の間に押込まれるまで繰出しベルト16と搬送ベルト12に挟持されている。
なお、硬貨5は硬い金属であり、また硬貨5を挟持する繰出しベルト16と搬送ベルト12の挟持力は大きいので、ブラシローラ35のブラシ毛材を変形させて排出口18の上部を通過して硬貨鑑別部3側に搬送される。
次に、異物の除去動作を説明すると、異物6の搬送形態は4種類ある。主に異物6が単独で搬送される形態、異物6が硬貨5の上に載置される形態、異物6が硬貨5の下に挟まれる形態、異物6が硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている形態の4種類がある。
まず、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3とは搬送路が分断されているので、搬送されてきた異物6は、繰出しベルト16と搬送ベルト12の挟持力から開放されたときに排出口18に落下する。単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の下に挟まれた異物6は、この排出口18で除去される。
よって、紙類や糸くず等の柔軟な異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6はここで除去される。さらに、ブラシローラ35が搬送方向に対して逆方向に回転しているので、ブラシの毛先を衝突させて異物6を排出口18に落下させる。また、異物6が落下しない場合であっても、この異物6をブラシローラ35と繰出しベルト16とで挟持することにより上方に排除される。
つまり、異物6をブラシローラ35で引き剥がし、ブラシローラ35のブラシ先端と繰出しベルト16との間に挟み込んで上方に跳ね上げる。単独で搬送されてきた異物6、硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている異物6は、ここで除去される。また、紙類、糸くず、綿埃、輪ゴム等の柔軟な異物6や、硬貨5より外径の大きい異物6もここで除去される。
上述したよに、第1の実施形態によれば、硬貨分離部2と硬貨鑑別部3との間の搬送路を分断して、その間に異物除去機構を設けたので、硬貨5と一緒に混入されたレシート等の紙類、糸くず類、綿埃類、クリップや輪ゴム等の異物6を確実に除去することができる。この結果、これらの異物混入が原因で発生する硬貨処理装置1の機能不具合が防止でき、硬貨処理装置1の信頼性の向上を図ることができる。
また、第1の実施形態によれば、異物除去機構にブラシローラ35を設けたので、異物6をブラシローラ35で引き剥がして繰出しベルト16との間に挟み込んで上方に跳ね上げることができる。その結果、単独で搬送されてきた異物6や硬貨5の上に載置された異物6、硬貨5を包み込むように上下に折り返して載っている異物6、紙類、糸くず、綿埃、輪ゴム等の柔軟な異物6或いは硬貨5より外径の大きい異物6等も確実に除去することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、異物除去機構に回転力を与えた駆動ローラである排出ローラ対を設け、さらに異物の厚さに応じて搬出ローラ対の隙間を変化するようにしたので、直径が10mm程度の小径ローラであっても厚さの異なる異物6を確実に噛み込むことができ異物回収箱40へ搬送することができる。
図4は、第2の実施を示す異物除去機構の側面概略図である。
なお、図4において図3に示す符号と同符号は同一部品または相当する部品であるのでその説明を省略する。
本実施の形態は、略L字状の連結リンク32を設けたものである。この連結リンク32に回転軸34を設け排出ローラ42とローラ15とを結合し、連結リンク32の回転軸34と軸受け31との距離および回転軸34と軸受け43との距離の比率を変えられるようにしたものである。連結リンク32に設けた穴39は軸受け43が移動できるように軸受け43の外径より大きい穴にしている。
本実施例によれば、異物6がブラシローラ35とローラ15との間を通過しようとすると、連結リンク32が異物6の厚さに応じてローラ15が矢印68の方向に移動する。この移動量に対して、排出ローラ42を矢印69の方向に移動するので移動量を調整することができる。
これは異物6の厚さに応じてローラ15が矢印68の方向に押し上げる動きをすると同時に排出ローラ42が矢印69の方向に移動する動きに変えるからである。
図5は、第3の実施の形態を示す異物除去機構の側面概略図である。
なお、図5において図3に示す符号と同符号のものは同一部品または相当する部品であるのでその説明を省略する。
本実施の形態は、機構を簡単にするために、繰出しベルト16をローラ14、15、排出ローラ42に掛け回したものである。これらのローラのうち排出ローラ42はねじりばね33で上方向に押圧して繰出しベルト16が弛まないような構成としている。これにより、ローラ15が矢印68方向に移動すると排出ローラ42は矢印68の方向に移動すことができるとともに回転力が与えられる。
このような構成により、異物6の厚さに応じてローラ15が矢印68の方向に移動すると排出ローラ42がローラ15の移動方向68に対して傾斜した矢印69の方向に移動する。したがって、ブラシローラ35から搬送されてくる異物6の厚さに応じて排出ローラ対41、42間の隙間47を変化させることができるので、厚さの異なる異物6を確実に噛み込むことができ異物回収箱40へ搬送することができる。また、排出ローラ41を軟らかい弾性体のローラにして異物6を噛み込んだ時にローラを変形させ噛み込み易くすることもできる。
このように、本発明の第3の実施形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、回転力を与えた駆動ローラである排出ローラ対を設け異物の厚さに応じて搬出ローラ対の隙間を変化させることができる。
この隙間変化は直径が10mm程度の小径ローラであっても厚さの異なる異物6を確実に噛み込むことができ異物回収箱40へ搬送することができる。また、繰出しベルト16によりブラシローラから搬送されてくる異物6が排出ローラ42とローラ15の隙間に入り込むことを防止できる効果がある。また、小型低コスト化に効果がある。
図6は、第4の実施形態を示す異物除去機構の側面概略図である。
なお、図6において図5に示す符号と同符号のものは、同一部品または相当する部品であるのでその説明を省略する。
本実施の形態は機構をさらに簡単するために、ローラ37を設けブラシ毛材を植毛したブラシベルト36をローラ37と排出ローラ41に掛け回した構成にしたものである。
これにより、突起部となるブラシ毛材の先端部が繰出しベルト16を押付けることになる。また、ブラシベルト36は、硬貨5の搬送路を横切る状態で設けられている。したがって、硬貨5が通過している状態でブラシベルト36のブラシ毛材が硬貨5に接触するようになっている。また、ブラシベルト36は回転力が与えられて、搬送方向に対して逆回転させている。これにより、異物6を繰出しベルト16との間に挟んで上方に搬送することができる。また、ローラ37と排出ローラ41のどちらか一方を駆動すればよいので機構を簡単にできる。また、本構成を図1、図3、図4に示すところの第1、第2の実施の形態に適用することもできる。
このように、第4の実施形態によれば、上述した第1、第2、第3の実施形態と同様な効果を得ることができるとともに、ブラシベルト36により異物6がローラ37と排出ローラ41との隙間に入り込むことを防止できる効果がある。また、小型低コスト化に効果がある。
1・・・硬貨処理装置、2・・・硬貨分離部、3・・・硬貨鑑別部、4・・・異物除去機構、5・・・硬貨、6・・・異物、7・・・硬貨投入口、8・・・異物排出口、9・・・ギャップ、10、11・・・ローラ、12・・・搬送ベルト、13・・・分離ローラ、14、15・・・ローラ、16・・・繰出しベルト、18・・・落下空間(排出口)、20、21・・・ローラ、22、23・・・ローラ、24・・・搬送ベルト、25、26・・・ローラ、28・・・画像検出器、30・・・ギャップ、32・・・結合リンク、35・・・ブラシローラ、40・・・異物収納箱、41、42・・・排出ローラ。

Claims (7)

  1. 硬貨を搬送する搬送路の上流側に設けた硬貨分離部と、前記搬送路の下流側に設けた硬貨鑑別部とを備えた硬貨処理装置において、
    前記硬貨分離部の下流端と前記硬貨鑑別部の上流端との間に設けられた異物落下用空間と、この異物落下用空間の上流側に設けられて前記硬貨を繰出すための繰出し駆動ローラと前記硬貨の厚みによって上方に移動する繰出し揺動ローラとに掛け回された繰出しベルトと、前記異物落下用空間の下流側に設けられて前記硬貨を受取る受取りローラと、前記繰出しベルトと前記受取りローラとの間に設けられて回転するブラシで異物を跳ね上げるとともに前記繰出しベルトとブラシで異物を挟持し搬送するブラシローラと、前記繰出しベルトと前記ブラシローラで異物を搬送する方向に設けられた異物回収箱とを備え、
    この異物回収箱と前記ブラシローラとの間に固定側ローラと移動側ローラからなる排出ローラが対となって設けられていることを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 請求項1記載の硬貨処理装置において、
    前記排出ローラ対のいずれか一方のローラ又は両方のローラは回転力が与えられる駆動ローラであることを特徴とする硬貨処理装置。
  3. 請求項1記載の硬貨処理装置において、
    前記繰出しベルトが前記繰出し駆動ローラと前記繰出し揺動ローラと前記移動側の排出ローラに掛け回され、前記繰出し揺動ローラが異物の厚さに応じて移動することによって前記排出ローラ対の間が広がる方向へ移動するようにしたことを特徴とする硬貨処理装置。
  4. 請求項3記載の硬貨処理装置において、
    前記排出ローラ対の移動側ローラは前記繰出し揺動ローラの移動方向に対して斜め方向に移動して異物を前記異物回収箱に案内することを特徴とする硬貨処理装置。
  5. 請求項1記載の硬貨処理装置において、
    前記排出ローラ対の移動側ローラは回転軸が前記繰出し揺動ローラの回転軸と連結され、前記繰出し揺動ローラが異物の厚さに応じて移動することによって前記排出ローラ対の間が広がる方向へ移動するようにしたことを特徴とする硬貨処理装置。
  6. 請求項5記載の硬貨処理装置において、
    前記排出ローラ対の移動側ローラは前記繰出し揺動ローラの移動方向に対して斜め方向に移動して異物を前記異物回収箱に案内することを特徴とする硬貨処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬貨処理装置において、
    前記ブラシローラの位置にローラを配置し、ベルトにブラシを設けたブラシベルトが前記ローラと前記固定側の排出ローラとに掛け回されていることを特徴とする硬貨処理装置。
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