JP5176256B2 - 券硬貨分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同じ投入口で一括回収した券類と硬貨とを搬送過程で分離する券硬貨分離装置に関する。
従来から、路線バスやワンマン鉄道等の車両には、運賃の投入先として運賃箱が設置されている。この種の運賃箱においては、運賃のみならず、どの停留所から乗車したのかの証明として整理券も合わせて投入されるものが多く、整理券の投入口には、運賃硬貨の投入口を兼用する場合が多い。即ち、今日において広く使用されている運賃箱では、同じ投入口に硬貨と整理券とが投入される。このため、この種の運賃箱には、同じ投入口に入れられた硬貨と整理券とを、運賃箱内の収納箇所まで送る時のその搬送経路上で、これら2者を分離する券硬貨分離装置が組み込まれている。
券硬貨分離装置の種類には、例えば図12に示すように、分離ローラ式の券硬貨分離装置81がある。この分離ローラ式の券硬貨分離装置81においては、同分離装置81の装置本体(図示略)に対して位置が固定された固定ローラ82と、この固定ローラ82に対して直線方向に位置変化が可能な可動ローラ83とが設けられている。可動ローラ83は、モータ等(図示略)を駆動源として固定ローラ82に近接離間可能であって、固定ローラ82に紙1枚分の隙間のみを空けて近接する近接位置(図12の実線の状態)と、固定ローラ82に対して広く間隔を持って離間する離間位置(図12の二点鎖線の状態)との2位置をとる。
これらローラ82,83は、可動ローラ83が近接位置をとるときが通常状態であって、一緒に流れてきた硬貨及び整理券のうち硬貨はローラ82,83の間の斜面(溝)を転がり落ち、整理券はローラ82,83の隙間を通り抜けることにより、硬貨及び整理券を分離する。ところで、ローラ82,83の硬貨搬送経路上には、この搬送経路上における硬貨詰まりの有無を監視する硬貨詰まりセンサ84が配設されている。この硬貨詰まりセンサ84が硬貨詰まりを検出した際、可動ローラ83がモータを駆動源として動いて離間位置をとり、固定ローラ82と可動ローラ83との間が大きく開くことにより、硬貨搬送経路上に詰まった硬貨を強制的に下方に落として、搬送経路上における硬貨詰まりを解消する。
ローラ82,83の下方位置には、ローラ82,83で分離した後の硬貨を識別する硬貨識別部材85が設けられている。硬貨識別部材85には、硬貨の転がり方向(図12の矢印E1a方向)に沿って硬貨通し孔(スリット)86が切られた硬貨通し孔86が形成されている。硬貨識別部材85は、ローラ82,83で整理券から分離されて落下してきた硬貨を、この硬貨通し孔86に通し、その通し過程において硬貨サイズを計測することにより、分離後の硬貨の種別を識別し、投入硬貨の種別毎の枚数や総金額を割り出す。
ところで、硬貨の落下向きや硬貨の落下速度によっては、図13に示すように、硬貨が硬貨識別部材85の硬貨通し孔86に刺さったり、或いは硬貨が硬貨識別部材85の上面に載ってしまったりして、硬貨が硬貨識別部材85の硬貨通し孔86を正常に通らない場合も想定される。これら状態は硬貨詰まりの原因になるので、これら状態を解消する動作を硬貨識別部材85にとらせる必要がある。そこで、この種の技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の技術においては、図14及び図15に示すように、可動ローラ83を軸支する可動フレーム87に、硬貨識別部材85が側縁を回動軸88として回動可能に取り付けられている。また、固定ローラ82を軸支する固定フレーム89には、硬貨識別部材85を起き上がらせるべく働く係合ピン90が突設されている。
硬貨搬送経路上において硬貨が詰まっていない場合、可動ローラ83は固定ローラ82に近接した近接位置をとるが、このときは係合ピン90が硬貨識別部材85の回動根元を上から押さえ付けることにより、硬貨識別部材85を起き上がり状態にする。これにより、ローラ82,83の間を流れ落ちてきた硬貨は、硬貨通し孔86に導かれて硬貨識別部材85で計数される。一方、例えば硬貨通し孔86に硬貨が刺さり、これが原因で硬貨詰まりが発生した場合、可動ローラ83は固定ローラ82から離間した離間位置をとるが、このときは係合ピン90による上からの押し付けが外れて、硬貨識別部材85が回動軸88を支点に自重により先端が倒れて傾き状態をとる。これにより、硬貨通し孔86に刺さった硬貨や、硬貨識別部材85の上面に乗った硬貨が下方に強制的に落とされ、硬貨詰まりが解消される。
特許第3820286号
ところで、特許文献1の技術は、硬貨識別部材85の回動軸88が硬貨の転がり方向に沿う向き(平行方向)となっているので、硬貨詰まりの際に硬貨識別部材85を傾かせた際のその傾斜方向(図14の矢印Z1a方向)が、硬貨が硬貨通し孔86に引っ掛かった際のその引っ掛かり方向(図13の矢印X1方向)に沿う向きをとってしまう。このため、硬貨識別部材85を所定角度で傾斜させても、刺さり硬貨は硬貨通し孔86に引っ掛かりを維持するように力が作用するので、硬貨通し孔86に刺さった硬貨が落ち切らない問題があった。特に、硬貨が硬貨通し孔86に深く刺さってしまった場合には、硬貨識別部材85の傾斜角度が足らないと、硬貨が硬貨通し孔86から落ちず、刺さり硬貨をより確実に硬貨通し孔86から落としたい要望があった。
本発明の目的は、硬貨識別部材の硬貨通し孔に刺さった硬貨をより確実に硬貨通し孔から離脱させることができる券硬貨分離装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、一対のローラが互いに近接した近接状態をとる際、硬貨を前記一対のローラの間を転がしつつ券類を前記ローラの間の隙間に通すことにより、前記硬貨及び前記券類を分離し、分離後の前記硬貨を硬貨識別部材の硬貨通し孔に通して当該硬貨識別部材で硬貨種別を識別し、前記硬貨の搬送経路で硬貨詰まりを検出した際には、前記一対のローラをこれら2者間の間隔を広く空けた離間状態とし、前記搬送経路上の詰まり硬貨を強制的に下流に流して硬貨詰まりを解消しつつ、しかも前記ローラが前記離間状態となる時の離間動作に連動して前記硬貨識別部材を傾斜させることにより、前記硬貨識別部材の詰まり硬貨も強制的に下流に流す券硬貨分離装置において、前記硬貨識別部材の傾斜軸の軸方向を、前記ローラから流れ落ちてくる前記硬貨の転がり方向に対して直交する向きとしたことを要旨とする。
この構成によれば、硬貨と券類とを分離する一対のローラは、券硬貨分離装置が例えば通常状態をとる際、例えば紙1枚のみを通す隙間を有した状態で近接する近接状態をとる。このとき、上流から硬貨及び券類が一緒に流れてくると、硬貨は一対のローラの間を転がって下流に流れ、券類は一対のローラの間の隙間に通されて、硬貨及び券類が分離される。そして、分離後の硬貨は硬貨識別部材の硬貨通し孔に通され、この硬貨識別部材により硬貨種別が識別される。このようにして分離された硬貨と券類とは、別々の収納箇所に収納される。
券硬貨分離装置が硬貨及び券類の分離を行っている際、硬貨の搬送経路において硬貨詰まりが検出されると、一対のローラはそれまでの近接状態から、ローラ同士の間に大きな間隔ができるように離間した離間状態をとる。これにより、例えば一対のローラ間に詰まっていた搬送経路上の詰まり硬貨が強制的に下流に流され、搬送経路上における硬貨詰まりが解消される。また、一対のローラが離間状態をとる際、この時の離間動作に連動して、硬貨識別部材が傾斜軸を軸心として回動して傾斜状態をとる。このため、硬貨識別部材の硬貨通し孔に詰まった硬貨(刺さり硬貨)や、硬貨識別部材の上面に乗った硬貨等が強制的に下流に流されるので、この種の硬貨詰まりも解消される。
ところで、本構成においては、硬貨識別部材の傾斜軸の軸方向を、前記ローラから流れ落ちてくる硬貨の転がり方向に対して直交する向きとしたので、硬貨識別部材を傾斜させた際のその傾斜方向が、硬貨通し孔の孔切り込み方向に沿う向きとなる。このため、例えば硬貨識別部材の硬貨通し孔に硬貨が刺さっていた場合、硬貨識別部材を傾斜状態とした際には、刺さり硬貨の転がり方向を硬貨識別部材の傾斜方向に沿わせられるので、この時の刺さり硬貨は硬貨識別部材から転がり落ちようとする動作をとる。よって、硬貨識別部材を傾かせた際に、硬貨通し孔の刺さり硬貨をより確実に硬貨通し孔から離脱させることが可能となる。
本発明では、前記一対のローラが近接状態をとる際には、前記硬貨識別部材において前記硬貨が流れ落ちる位置に延出する受け部が閉じ状態をとって、前記一対のローラから流れ落ちてきた前記硬貨が硬貨識別部材から硬貨識別されずに下方に落下してしまうことを規制し、前記一対のローラが前記離間状態になる際、この時の離間動作に連動して前記受け部が開き状態をとって、詰まり硬貨の落下の邪魔にならないように前記受け部を閉じ状態の位置から待避させる硬貨受け機構を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、硬貨受け機構が受け部を閉じ状態としている際、ローラから流れ落ちてきた硬貨は、閉じ状態をとっている受け部によって下支えされる。よって、ローラから流れ落ちてきた硬貨を硬貨識別部材で硬貨識別する際に、硬貨が硬貨識別部材で識別されずに硬貨識別部材から零れ落ちてしまう状況が生じ難くなる。また、一対のローラが離間状態をとる際には、この時の離間動作に連動して受け部が開き状態をとるので、硬貨識別部材はその硬貨の流れ方向の下流側が開放される。このため、硬貨識別部材を傾斜させて硬貨識別部材に詰まった硬貨を強制的に下流に流す際に、受け部が邪魔にならずに済む。
本発明では、前記硬貨識別部材は、前記硬貨の転がり方向において予め傾斜する取り付け状態をとり、当該傾斜の位置の高い側が前記傾斜軸となっていることを要旨とする。
この構成によれば、硬貨識別部材が予め所定角度だけ傾斜した取り付け状態をとっているので、硬貨識別部材を水平面(地上面)に対して所定角度で傾斜させようとした場合には、硬貨識別部材の実際の傾斜量が少なく済ませられる。ところで、硬貨識別部材の硬貨詰まりを解消するには、水平面に対してどの程度傾斜させるかということが利いてくるが、本構成のように硬貨識別部材を予め傾斜する状態に取り付けておけば、硬貨識別部材の傾斜量が少なく抑えられるので、その分だけ硬貨識別部材を傾斜させる際に硬貨識別部材に付与される衝撃が少なく抑えられる。よって、硬貨識別部材の充分な傾斜角度の確保を図ることが可能となる上に、硬貨識別部材に破損等を生じ難くするこが可能となる。
本発明では、前記一対のローラにおいて可動側が固定側に対して離間する際に、前記硬貨識別部材の前記傾斜を案内しつつ、前記一対のローラにおいて前記可動側が前記固定側に近接する際に、前記硬貨識別部材が傾斜前の元の状態に戻ることを案内する案内部を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、硬貨識別部材が傾斜状態をとる際には、この傾斜が案内部によって案内されるので、硬貨識別部材が急激な角度変化を伴わず、ゆっくりと傾く動きをとる。また、傾斜状態の硬貨識別部材が傾斜前の元の状態に戻るときも同様である。よって、硬貨識別部材が傾斜及びその復帰の動作をとる際に、硬貨識別部材に加わる衝撃を一層低く抑えることが可能となるので、硬貨識別部材の破損を一層生じ難くすることが可能となる。
本発明によれば、硬貨識別部材の硬貨通し孔に刺さった硬貨をより確実に硬貨通し孔から離脱させることができる。
以下、本発明を具体化した券硬貨分離装置の一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1に示すように、路線バスやワンマン運行式鉄道等の車内には、運賃を収受する集金機器として運賃箱1が設置されている。運賃箱1の上面には、運賃としての硬貨2を投入する投入先として運賃投入口3が設けられている。運賃箱1は、運賃投入口3に投入された硬貨2を識別、計数、保管等するとともに、乗車場所を証明する整理券4が硬貨2と一緒に運賃投入口3に投入された場合、この整理券4を硬貨2から分離し、分離後の整理券4を箱内の硬貨2とは別の箇所に保管する。なお、整理券4が券類に相当する。
運賃箱1には、図2及び図3に示すように、運賃投入口3に投入された硬貨2と整理券4とを分離する券硬貨分離装置5が内蔵されている。券硬貨分離装置5には、運賃箱1の装置本体6に取り付け固定された固定側ローラ群7と、この固定側ローラ群7に対して相対移動可能な状態で装置本体6に取り付けられた可動側ローラ群8とが設けられている。可動側ローラ群8は、可動側ローラ群8の近接離間用の駆動モータ(図示略)を駆動源として、固定側ローラ群7に対して装置本体6の幅方向(図2の矢印A1方向)にスライド移動(直線移動)が可能であり、固定側ローラ群7に極力近接した近接した近接位置(図2の状態)と、固定側ローラ群7に対して大きな間隔を空けて離れた離間位置(図3の状態)との2位置の間を往復移動可能である。一対のローラ群7,8は、可動側ローラ群8が近接位置をとるときの状態として近接状態をとり、可動側ローラ群8が離間位置をとるときの状態として離間状態をとる。
これらローラ群7,8には、券硬貨を分離すべく働く分離ローラ9,10が各々設けられている。これら一対の分離ローラ9,10は、固定側ローラ群7の枠体をなす固定フレーム11に軸支された固定側分離ローラ9と、可動側ローラ群8の枠体をなす可動フレーム12に軸支された可動側分離ローラ10とからなる。これら分離ローラ9,10は、自身の回動軸心L1,L2が装置本体6の長さ方向(図2の矢印B1方向)に沿って平行に並ぶとともに、反硬貨投入側(図2及び図3では下側)が下を向くように、装置本体6の水平面(地上面)に対して傾斜する状態で配置されている。なお、分離ローラ9,10がローラを構成する。
固定側ローラ群7には、各種ローラ群の回転駆動源となる回転モータ13がモータブラケット14を介して取り付けられている。回転モータ13のモータ軸の先端には、第1連結歯車群15を介して固定側分離ローラ9及び可動側分離ローラ10が連結されている。分離ローラ9,10は、第1連結歯車群15を介して得た回転モータ13の回転力により、ともに内向き(図2の矢印C1,C2方向)に回転し、分離ローラ9,10上に落ちてきた整理券4を、分離ローラ9,10の間に巻き込み可能となっている。一対の分離ローラ9,10は、ローラ群7,8が近接状態をとる際、固定側分離ローラ9と可動側分離ローラ10との間に、整理券4のみ通過可能な隙間が生じた近接状態をとる。このため、運賃投入口3に整理券4及び硬貨2が投入された際には、整理券4が分離ローラ9,10の僅かな隙間に巻き込まれつつ下方に落下し、固定側分離ローラ9及び可動側分離ローラ10の外周面間に生じる溝部分を通路部16(図2参照)として硬貨2が分離ローラ9,10に沿って転がり落ちることにより、整理券4と硬貨2とが分離される。
図4〜図6に示すように、各々のローラ群7,8において分離ローラ9,10の斜め下方位置には、分離された硬貨2の搬送経路上において落下硬貨の受けとして働く掻き上げローラ17,18が各々設けられている。これら一対の掻き上げローラ17,18は、偏心回転するローラであって、固定フレーム11に軸支された固定側掻き上げローラ17と、可動フレーム12に軸支された可動側掻き上げローラ18とからなる。これら掻き上げローラ17,18は、自身の偏心軸心L3,L4(図5及び図6参照)が装置本体6の長さ方向に沿って平行に並ぶとともに、分離ローラ9,10側が下を向くように傾斜する状態で配置されている。また、掻き上げローラ17,18は、一対のローラ群7,8が近接状態をとる際、狭めの間隔がローラ17,18間に発生した近接状態をとりつつ、一対のローラ群7,8が離間状態をとる際、互いの間に大きな間隔が開いた離間状態をとる。
また、各々のローラ群7,8において掻き上げローラ17,18の下方位置には、分離後の硬貨2を一枚ずつ下方に搬送する送りローラ19,20が各々設けられている。これら一対の送りローラ19,20は、固定フレーム11に軸支された固定側送りローラ19と、可動フレーム12に軸支された可動側送りローラ20とからなる。これら送りローラ19,20は、自身の回動軸心L5,L6が掻き上げローラ17,18の軸心L3,L4と平行状態をとるとともに、分離ローラ9,10側が下を向くように傾斜する状態で配置されている。また、送りローラ19,20は、一対のローラ群7,8が近接状態をとる際、硬貨2が1枚のみ通り抜け可能な隙間のみがローラ19,20間に発生した近接状態をとりつつ、一対のローラ群7,8が離間状態をとる際、互いの間に大きな間隔が開いた離間状態をとる。
図2及び図3に示すように、固定フレーム11には、可動側分離ローラ10の回動軸心L1に沿って延びるシャフト軸21が軸支されている。シャフト軸21は、軸途中にユニバーサルジョイント21aを有する回動軸であって、一端が第2連結歯車群22を介して回転モータ13の回転軸に連結され、他端が第3連結歯車群23を介して掻き上げローラ17,18及び送りローラ19,20に連結されている。
券硬貨分離装置5が作動して回転モータ13が回転した際、回転モータ13の回転力は第2連結歯車群22、シャフト軸21及び第3連結歯車群23を介して掻き上げローラ17,18及び送りローラ19,20に伝達される。このとき、回転モータ13の回転力で掻き上げローラ17,18が各々外向き方向(図5及び図6の矢印C3,C4方向)に偏心回転するとともに、送りローラ19,20は一方(固定側送りローラ19)が内向き方向(図5及び図6の矢印C5方向)に、他方(可動側送りローラ20)が外向き方向(図5及び図6の矢印C6方向)に回転する動作状態をとる。これにより、分離ローラ9,10で分離された硬貨2が掻き上げローラ17,18に至ると、掻き上げローラ17,18でその落下が一旦受け止められつつ自重とローラ回転とで硬貨2が送りローラ19,20に搬出され、その硬貨2が送りローラ19,20で一枚ずつ下方に搬送される。
図4及び図5に示すように、券硬貨分離装置5には、硬貨2(整理券4も含む)の搬送経路上において硬貨詰まりの有無を検出する詰まり検出センサ24が設けられている。詰まり検出センサ24は、例えばインタラプタ等の光学センサからなり、搬送経路上に複数設けられている。本例においては、分離ローラ9,10に沿う位置に複数配置されるとともに、送りローラ19,20の上方に1つに配置されている。ところで、図6の一点鎖線円内に示すように、硬貨2が送りローラ19,20に挟まって詰まる場合があり、このように硬貨2が搬送経路上で詰まると、この箇所から硬貨2を下流に送り出すことができず、その箇所から硬貨2が積み上がる状態をとる。詰まり検出センサ24は、こうした硬貨詰まりを検出し、その硬貨詰まり有無に応じた検出信号を出力可能となっている。
詰まり検出センサ24が硬貨2の詰まりを検出した際、可動側ローラ群8をスライド移動させる駆動モータが回動し、近接位置に位置する可動側ローラ群8が固定側ローラ群7から離れる向きにスライド移動を始め、可動側ローラ群8が離間位置に位置する。このとき、図3及び図6に示すように、分離ローラ9,10、掻き上げローラ17,18、送りローラ19,20は、それぞれが組ローラ同士が大きな間隔を持って離れた離間状態をとる。これにより、硬貨2の搬送経路上で詰まった硬貨2や整理券4が強制的に下方に落とされて、硬貨2の搬送経路上における硬貨等の詰まりが解消される。
図4〜図9に示すように、固定フレーム11において送りローラ19,20の下方位置には、運賃投入口3に投入された硬貨2の硬貨種別を識別する硬貨識別部材25が回動可能に軸支されている。硬貨識別部材25は、細長い硬貨通し孔26が形成され、この硬貨通し孔26に硬貨2を通して硬貨種別を識別する。また、硬貨通し孔26の孔切り込み方向(図4の矢印D1方向)は、分離ローラ9,10の長手方向、即ち硬貨2が分離ローラ9,10上を滑落する転がり方向(図4の矢印E1方向)に沿う向きとなっている。更に、硬貨識別部材25は、装置本体6の水平面(地上面)に対して予め傾斜する状態で取り付けられ、分離ローラ9,10側が下を向く状態をとっている。なお、硬貨識別部材25を予め傾斜させた際のその傾斜角度θは、ローラ群7,8から転がり落ちてくる硬貨2の落下向きと、硬貨識別部材25の上面とが直交する向きをとる角度に設定されている。
また、図7〜図9に示すように、券硬貨分離装置5には、硬貨通し孔26に刺さった硬貨や或いは硬貨識別部材25の上面に乗った硬貨を、可動側ローラ群8が離間位置に位置する時の離間動作に連動して傾斜させることで、これら硬貨2を強制的に下方に落とす硬貨排除機構27が設けられている。この硬貨排除機構27においては、可動フレーム12の内面に、装置本体6の幅方向に沿って延びるシャフト部28が形成されている。硬貨識別部材25は、自身の底部に設けられた金属製の支持フレーム29をシャフト部28に軸支することにより、シャフト部28の軸回り(図9の矢印F1方向)に沿って回動可能となっている。これにより、硬貨識別部材25は、シャフト部28の軸心を傾斜軸30(図7参照)としてその軸回りに下側に回動することにより、通常状態(図7の状態)に対してある程度の傾きを持った傾斜状態(図8の状態)をとる。また、本例の硬貨識別部材25の傾斜軸30の軸方向G1(図5〜図7参照)は、ローラ群7,8から流れ落ちてくる硬貨2の転がり方向E1に対して直交する向きをとっている。この支持フレーム29の上面には、硬貨2を実際に識別するセンサ部品としてセンサ部31が例えばネジ等により取り付けられている。
図7及び図8に示すように、可動フレーム12には、硬貨識別部材25の回動動作(傾斜動作、復帰動作)を案内する案内部32が取り付けられている。ここで言う回動動作とは、硬貨識別部材25が通常状態から傾斜状態に傾く際にとる傾斜動作と、この傾斜状態から元の通常状態に戻る復帰動作のことを言う。この案内部32の根元には、装置本体6の水平方向に真っ直ぐ延びる水平部33(図8参照)が形成されている。水平部33は、分離ローラ9,10が通常状態をとる際に、硬貨識別部材25を下側から押し上げることにより硬貨識別部材25を通常状態に保持する。また、案内部32の先端側には、下向きに傾斜して延びつつテーパ面状をとる傾斜部34が形成されている。傾斜部34は、分離ローラ9,10が通常状態から傾斜状態をとる際に、硬貨識別部材25が自重により下側に回動して傾斜状態をとることを許容し、一方で分離ローラ9,10が傾斜状態から通常状態をとる際に、硬貨識別部材25を元の通常状態に戻すべく硬貨識別部材25を下から押し上げる。
また、券硬貨分離装置5には、送りローラ19,20の間に硬貨2が余分に挟まれた際に、分離ローラ9,10は近接状態を維持したままで可動側送りローラ20のみが挟まった硬貨2の厚み分だけ固定側送りローラ19に対して僅かに移動することにより、この詰まり硬貨を下方に落とす排除機構(図示略)が備え付けられている。よって、水平部33は、可動側送りローラ20がこのずれの動きをとっても、硬貨識別部材25が通常状態(傾斜しない状態)を維持するように、このずれ移動を許容できる長さに設定されている。なお、この排除機構の詳細は、本願出願人が特開平10−91835号公報で開示しているので、ここでは詳細は省略する。
図7〜図9に示すように、シャフト部28には、硬貨識別部材25の傾斜動作を補助する傾斜用付勢部材35が設けられている。本例の傾斜用付勢部材35は、ねじりコイルばねからなり、硬貨識別部材25を傾斜方向(図9の矢印F1a方向)に常に付勢する。また、本例の傾斜用付勢部材35は、硬貨識別部材25の傾斜動作を補助する働きを持つだけでなく、硬貨識別部材25を固定フレーム11側に押し付けるように硬貨識別部材25を付勢することにより、硬貨識別部材25をシャフト部28の軸方向において位置決めする働きも合わせて持っている。
図4及び図7〜図11に示すように、券硬貨分離装置5には、一対のローラ群7,8が近接状態をとる際に、分離ローラ9,10から流れ落ちてきた硬貨2が硬貨識別部材25の脇から零れ落ちることを規制する働きを持つ硬貨受け機構36が設けられている。この硬貨受け機構36においては、可動フレーム12に、同機構36の本体部分として受け部37が軸支されている。図9〜図11に示すように、可動フレーム12の内面には、装置本体6の高さ方向延びる連結シャフト38が設けられている。受け部37は、自身の基端に形成された一対の係止片39,39を連結シャフト38に回動可能に軸支することにより、装置本体6の幅方向平面を回動平面として連結シャフト38の軸回り(図9の矢印H1方向)に回動可能となっている。
また、図4及び図7〜図11に示すように、受け部37の先端には、硬貨2を受ける支えとして壁部40が立設されている。この壁部40は、ローラ群7,8が近接状態をとる際、ローラ17,18間の隙間とローラ19,20間の隙間とを下から受ける状態をとることにより硬貨識別部材25の脇を下支えして、分離ローラ9,10から流れ落ちてきた硬貨2を硬貨通し孔26に導くように働く。可動フレーム12と受け部37との間には、受け部37を閉じる側に常時付勢する硬貨受け用付勢部材41(図9〜図11参照)が設けられている。この硬貨受け用付勢部材41は、例えばねじりコイルばねからなり、連結シャフト38に巻き付いた取り付け状態をとっている。また、装置本体6おいて受け部37の基端と向き合う位置には、その受け部37側に向かって突出した押込部42が形成されている。
一対のローラ群7,8が近接状態をとる際、受け部37は硬貨受け用付勢部材41の付勢力により、ローラ17,18間の隙間とローラ19,20間の隙間とを壁部40が下から受ける閉じ状態をとって、分離ローラ9,10から落ちてきた硬貨2が硬貨識別部材25を通らずに下方に落ちてしまうことを防止する。一方、ローラ群7,8が離間状態をとる際、その離間動作の動作過程で受け部37の基端が押込部42によって押し込まれ、受け部37が硬貨受け用付勢部材41の付勢力に抗して開き側に回動することにより、ローラ17,18及びローラ19,20の間の下側を開放した開き状態をとる。このため、受け部37の壁部40が硬貨識別部材25の下方位置から待避する。
次に、本例の券硬貨分離装置5の動作を説明する。
まず、券硬貨分離装置5の運賃投入口3に硬貨2及び整理券4が同時に投入された際、券硬貨分離装置5に硬貨詰まりが発生していない場合を想定する。この場合、一対のローラ群7,8が近接状態(図2、図5、図7、図10の状態)をとって、分離ローラ9,10、掻き上げローラ17,18及び送りローラ19,20が各々近接状態をとる。ローラ群7,8が近接状態をとる場合、運賃投入口3から流れてきた硬貨2及び整理券4は、整理券4が分離ローラ9,10に巻き込まれ、硬貨2が分離ローラ9,10の上面を転がり落ちることにより、運賃投入口3に同時投入された券硬貨が分離される。
そして、分離後の硬貨2は、掻き上げローラ17,18に至ると、ここで落下が一旦止められて落下速度が緩和され、この速度緩和の後に送りローラ19,20に至る。送りローラ19,20に至った硬貨2は、この送りローラ19,20により1枚ずつ硬貨識別部材25に搬送される。送りローラ19,20から落ちてきた硬貨2は、硬貨識別部材25の硬貨通し孔26を1枚ずつ通過し、この通過過程で硬貨識別部材25により硬貨種別が識別される。そして、硬貨識別部材25で硬貨種別が識別された硬貨2は、運賃箱1内に備え付けられた保管場所(例えば運賃箱金庫)に搬送され、そこで一括収納される。
続いて、図6に示すように、例えば送りローラ19,20から搬送されてきた硬貨2が硬貨識別部材25の硬貨通し孔26を通る際に、この硬貨通し孔26に刺さる状態をとって、硬貨搬送経路上に硬貨詰まりが発生した場合を想定する。このように、硬貨識別部材25に刺さり硬貨が発生すると、この刺さり硬貨の上に硬貨2が順次積み上がっていく。このとき、この硬貨詰まりが硬貨詰まり検出センサ24で検出されると、それまで近接位置をとっていた可動側ローラ群8が離間動作を開始して、離間位置に向かってスライド移動を開始する。
このとき、硬貨識別部材25は、可動側ローラ群8の離間動作の過程において水平部33による下支えが外れて傾斜部34に乗る状態をとると、自身の自重と傾斜用付勢部材35の付勢力とにより、傾斜部34に案内される状態で傾斜動作を開始する。そして、硬貨識別部材25は、可動側ローラ群8が離間位置側にスライド移動するに連れて傾斜角度θ(図4参照)が徐々に大きくなっていき、傾斜部34による下支えが外れて傾斜部34と離れると、通常状態に対して最大限傾いた傾斜状態(図3、図6、図8の状態)をとる。これにより、硬貨識別部材25の硬貨通し孔26に詰まった刺さり硬貨や、硬貨識別部材25の上面に乗った硬貨は、下方に転がり落ちる動作をとるので、硬貨識別部材25に発生した硬貨詰まりが解消される。
また、可動側ローラ群8が離間動作をとる際には、図8及び図11に示すように、その動作過程の途中において受け部37の基端に押込部42が接触する。そして、この状態から可動側ローラ群8が更に離間動作を継続すると、受け部37の基端が押込部42によって押し込まれ、受け部37が開き側に回動を初めて回動動作を開始する。そして、可動側ローラ群8が離間位置に到達した際には、受け部37が閉じ状態に対して最大限開いた開き状態をとる。これにより、硬貨識別部材25を傾斜状態にして詰まり硬貨を強制的に下方に落下させる際に、受け部37の壁部40が邪魔にならずに済む。
さて、本例においては、可動側ローラ群8が離間動作をとる際、この離間動作に連動して硬貨識別部材25を傾斜させることにより、硬貨識別部材25の硬貨通し孔26に刺さった刺さり硬貨や、硬貨識別部材25の上面に乗った硬貨を強制的に下方に落とすようにしているが、硬貨識別部材25の傾斜軸30の軸方向G1を、ローラ群7,8から流れ落ちてくる硬貨2の転がり方向E1に対して直交する向きとした。このため、図4に示すように、硬貨識別部材25を傾斜させる際のその傾斜方向Z1が、硬貨識別部材25の硬貨通し孔26の孔切り込み方向D1に沿う向きとなる。
このため、例えば硬貨通し孔26に刺さり硬貨が刺さって硬貨詰まりが発生していたとしても、硬貨識別部材25を傾斜させた際には、刺さり硬貨の転がり方向を、硬貨識別部材25の傾斜方向Z1に沿わせられるので、この時の刺さり硬貨に対して積極的な転がり動作をとらせられる。よって、硬貨識別部材25を傾斜させた際に、硬貨通し孔26に刺さった刺さり硬貨をより確実に硬貨通し孔26から離脱させることが可能となる。このため、硬貨識別部材25を可動側ローラ群8の離間動作に連動させて傾斜させたにも拘わらず硬貨詰まりが解消できない状況が生じ難くなり、券硬貨分離装置5の装置としての信頼性を高いものとすることが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)可動側ローラ群8の離間動作に連動して硬貨識別部材25を傾斜させ、硬貨識別部材25の刺さり硬貨や上面に乗った硬貨を強制的に下方に落とすに際して、硬貨識別部材25の傾斜軸30の軸方向G1を、ローラ群7,8から流れ落ちてくる硬貨2の転がり方向E1に対して直交する向きとした。このため、刺さり硬貨の転がり方向を硬貨識別部材25の傾斜方向Z1に沿わせられるので、刺さり硬貨をより確実に硬貨通し孔26から離脱させることができる。
(2)券硬貨分離装置5に、分離ローラ9,10で分離されて流れ落ちてきた硬貨2を下から受ける受け部37を設けた。このため、ローラ群7,8により分離された硬貨2が受け部37の壁部40により下支えされて硬貨識別部材25の硬貨通し孔26に導かれるので、硬貨識別部材25が硬貨通し孔26に通されないまま、即ち硬貨種別が硬貨識別部材25で行われないまま下方に落下する状況を生じ難くすることができる。
(3)可動側ローラ群8が離間動作をとる際、この離間動作に連動して受け部37を回動可能とすることにより、受け部37をそれまでの閉じ状態から、硬貨識別部材25の下方を大きく空けた開き状態をとるようにした。このため、可動側ローラ群8を傾斜状態として硬貨識別部材25に刺さった刺さり硬貨や、硬貨識別部材25の上面に乗った硬貨を下方に強制落下させる際に、受け部37(壁部40)が邪魔にならずに済む。
(4)受け部37は、硬貨受け用付勢部材41により閉じ側に常時付勢されている。ところで、例えば受け部37が付勢部材により開き側に常時付勢されていて、可動側ローラ群8が近接位置に位置する際には、可動側ローラ群8に設けた突起等によりこの付勢部材の付勢力に抗して受け部37を閉じ側に回動させて、この閉じ状態を維持する構造のものも想定される。しかし、受け部37がこの構造をとる場合、例えば突起が破損するなどして故障が発生すると、その時点で受け部37が開き状態をとってしまうので、受け部37による硬貨2の下支えがなくなる、こうなると、ローラ群7,8から流れ落ちてきた硬貨2は硬貨識別部材25の脇から零れ落ちて硬貨識別部材25で硬貨種別を識別できない状況に陥るので、これ以降は運賃箱1の動作を強制停止する必要が生じる。しかし、本例の場合は、このような突起等による支えの故障を考慮に入れずに済むので、この観点から効果が高い。
(5)硬貨識別部材25を傾斜状態にすることで、硬貨識別部材25の硬貨通し孔26に刺さった刺さり硬貨や、硬貨識別部材25の上面に乗った硬貨を下方に強制落下させる場合、これら詰まり硬貨をより確実に下方に落下させるには、装置本体6の水平面に対して硬貨識別部材25をどの程度の傾斜角度θ(例えば60度)まで傾斜させるかということが利いてくる。よって、本例のように、硬貨識別部材25を予め所定角度だけ傾斜させて固定フレーム11に取り付ければ、詰まり硬貨をより確実に下方に落とし得る傾斜角度θだけ硬貨識別部材25を傾斜させる際に、その時に実際に傾斜させる角度が少なく済むので、傾斜時に硬貨識別部材25に付与される衝撃が少なく抑えられる。このため、硬貨識別部材25の充分な傾斜角度θの確保を図ることができる上に、硬貨識別部材25に破損を生じ難くすることもできる。
(6)可動フレーム12に、硬貨識別部材25の傾斜動作を案内する案内部32(傾斜部34)を形成したので、硬貨識別部材25が通常状態から傾斜状態をとる際には、硬貨識別部材25が急激な角度変化を伴って傾斜状態をとるような動作はとらず、ゆっくりと傾く動きをとる。なお、硬貨識別部材25が傾斜状態から通常状態に復帰するときも同様である。よって、硬貨識別部材25が傾斜動作又は復帰動作をとる際に、硬貨識別部材25に加わる衝撃を一層低く抑えることが可能となるので、硬貨識別部材25の破損を一層生じ難くすることができる。
(7)水平部33は、可動側送りローラ20が排除機構に準じたずれの動きをとっても、この時に硬貨識別部材25が通常位置をとる状態を維持できるように、このずれ移動を許容できる長さに設定されている。よって、券硬貨分離装置5にこの種の排除機構が搭載されていても、硬貨識別部材25の傾斜動作が排除機構に影響を受けずに済む。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 券硬貨分離装置5は、必ずしも掻き上げローラ17,18及び送りローラ19,20を持つことに限定されず、これらのうち少なくとも一方を省略してもよい。
・ 硬貨識別部材25の硬貨通し孔26の孔切り込み方向D1は、必ずしも傾斜軸30に対して直交する向きに限定されず、例えば傾斜軸30と平行としてもよい。
・ 一対のローラ群7,8が離間状態をとる際のローラ群7,8の間の間隔は、種々の大きさを採用可能である。
・ 硬貨受け機構36は、必ずしも受け部37が硬貨受け用付勢部材41により閉じ側に常時付勢されることに限定されない。例えば、これとは逆に受け部37が硬貨受け用付勢部材41により開き側に常時付勢され、近接状態をとる可動フレーム12の一部により受け部37が押さえ付けられることにより、ローラ群7,8が近接状態をとる際、受け部37が閉じ状態をとる構成でもよい。
・ 硬貨受け機構36は、可動側ローラ群8の離間動作により開き閉じする開閉式に限らず、閉じ状態を常時とる固定式でもよい。
・ 案内部32は、水平部33と傾斜部34とからなる形状をとることに限定されず、例えば傾斜部34のみを有する形状でもよい。また、傾斜部34の形状は、直線状であることに限定されず、例えば曲面状でもよい。
・ 付勢部材35,41は、必ずしもねじりコイルばねに限定されず、種々のバネ材や、或いはゴム材を使用してもよい。
・ 硬貨識別部材25は、通常状態の際に予め角度が付けられた取り付け状態をとることに限定されず、例えば装置本体6の水平面に対して真っ直ぐとなった向きをとっていてもよい。
・ 硬貨識別部材25は、可動側ローラ群8の離間動作に連動して傾斜する際、これを自重(硬貨受け用付勢部材41の付勢力も含む)により傾く構成に限定されない。例えば、硬貨受け機構36の要領で、可動側ローラ群8が連動動作することに伴い、可動フレーム12の一部が硬貨識別部材25を上から押し付けることにより、硬貨識別部材25を所定角度まで傾斜させる構造をとってもよい。
・ 券類は、必ずしも整理券4に限定されず、種々のものが採用可能である。
・ 硬貨2の搬送経路は、運賃投入口3から投入された硬貨2が硬貨識別部材25に至るまでに通る経路や、同じく運賃投入口3から投入された整理券4が分離ローラ9,10を通り抜けるまでの間に通る経路のこと言う。
・ 券硬貨分離装置5は、必ずしも運賃箱1に採用されることに限らず、券類と硬貨類を分離する必要のある機器や装置であれば、その採用対象は特に限定されない。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、前記硬貨受け機構は、自身の付勢部材の付勢力によって前記受け部が常に閉じ状態となるように動作し、前記一対のローラが前記離間状態になる際、当該離間の動作の連動により、前記付勢部材の付勢力に抗して前記受け部を開き側に動作させて、当該受け部を開き状態に切り換える。この構成によれば、ローラの離間動作に受け部の開状態を連動させる連動部品がもし仮に故障したとしても、この時は受け部の閉じ状態が維持される。このため、仮に連動部品が故障しても、受け部による硬貨の零れが防止されるので、連動部品が故障状態に陥っても、硬貨識別部材による硬貨識別を継続して実行することが可能となる。
一実施形態における運賃箱を示す斜視図。 通常状態をとる際の券硬貨分離装置を示す模式平断面図。 離間状態をとる際の券硬貨分離装置を示す模式平断面図。 券硬貨分離装置の概略構成を示す模式縦断面図。 券硬貨分離装置が近接状態をとる際の搬送系ローラ部分の模式背面図。 券硬貨分離装置が離間状態をとる際の搬送系ローラ部分の模式背面図。 通常状態をとる際の券硬貨分離装置を示す斜視図。 離間状態をとる際の券硬貨分離装置を示す斜視図。 硬貨識別部材及びその周辺部品の部品構造を示す分解斜視図。 通常状態をとる際の券硬貨分離装置を示す底面図。 離間状態をとる際の券硬貨分離装置を示す底面図。 従来における券硬貨分離装置の概略構成を示す模式図。 券硬貨分離装置に硬貨詰まりが発生した状況を示す模式図。 傾斜式の硬貨識別部材の動作推移を示す縦断面図。 券硬貨分離装置の硬貨識別部材周辺を示す平断面図。
符号の説明
2…硬貨、4…券類としての整理券、5…券硬貨分離装置、9…ローラを構成する固定側分離ローラ、10…ローラを構成する可動側分離ローラ、25…硬貨識別部材、26…硬貨通し孔、30…傾斜軸、32…案内部、36…硬貨受け機構、37…受け部、G1…軸方向、E1…硬貨の転がり方向。

Claims (4)

  1. 一対のローラが互いに近接した近接状態をとる際、硬貨を前記一対のローラの間を転がしつつ券類を前記ローラの間の隙間に通すことにより、前記硬貨及び前記券類を分離し、分離後の前記硬貨を硬貨識別部材の硬貨通し孔に通して当該硬貨識別部材で硬貨種別を識別し、前記硬貨の搬送経路で硬貨詰まりを検出した際には、前記一対のローラをこれら2者間の間隔を広く空けた離間状態とし、前記搬送経路上の詰まり硬貨を強制的に下流に流して硬貨詰まりを解消しつつ、しかも前記ローラが前記離間状態となる時の離間動作に連動して前記硬貨識別部材を傾斜させることにより、前記硬貨識別部材の詰まり硬貨も強制的に下流に流す券硬貨分離装置において、
    前記硬貨識別部材の傾斜軸の軸方向を、前記ローラから流れ落ちてくる前記硬貨の転がり方向に対して直交する向きとしたことを特徴とする券硬貨分離装置。
  2. 前記一対のローラが近接状態をとる際には、前記硬貨識別部材において前記硬貨が流れ落ちる位置に延出する受け部が閉じ状態をとって、前記一対のローラから流れ落ちてきた前記硬貨が硬貨識別部材から硬貨識別されずに下方に落下してしまうことを規制し、前記一対のローラが前記離間状態になる際、この時の離間動作に連動して前記受け部が開き状態をとって、詰まり硬貨の落下の邪魔にならないように前記受け部を閉じ状態の位置から待避させる硬貨受け機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の券硬貨分離装置。
  3. 前記硬貨識別部材は、前記硬貨の転がり方向において予め傾斜する取り付け状態をとり、当該傾斜の位置の高い側が前記傾斜軸となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の券硬貨分離装置。
  4. 前記一対のローラにおいて可動側が固定側に対して離間する際に、前記硬貨識別部材の前記傾斜を案内しつつ、前記一対のローラにおいて前記可動側が前記固定側に近接する際に、前記硬貨識別部材が傾斜前の元の状態に戻ることを案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の券硬貨分離装置。
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