JP4248273B2 - 紙葉類取扱端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類取引端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現金とチケットを同じ装置で扱うものとして、例えば特開平8−263726号公報に示された「現金自動取引装置およびチケット取引システム」がある。ここには、支払取引機能あるいは料金払込機能と、預金取引機能と、単票発行機と、チケット発券機能とを備えた現金自動取引装置が示されている。
【0003】
また他の例としては、特開2002−42181号公報に示された「チケット発券装置、チケット発券方法および記録媒体」がある。ここでも、現金自動預入払出機(ATM)にチケットや地図、時刻表を発行する機能を付加した装置が示されている。
【0004】
また、特開平5−342452号公報に示された「自動出金機」、あるいは特開平10−105797号公報に示された「小切手発行機能付き現金自動取引装置」には、小切手に日付を印刷して発行する装置が示されている。
【特許文献1】
特開平8−263726号公報
【特許文献2】
特開2002−42181号公報
【特許文献3】
特開平5−342452号公報
【特許文献4】
特開平10−105797号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の例のように、現金を取り扱う装置に、チケット発券等の機能を付加した装置が増えている。端末装置への機能集約要求に従い、複合端末装置の機能数は今後の増加が予想される。
【0006】
それに伴って、機能ごとに紙葉類の出入口が設けられるため、利用者にとって操作が煩雑になるという問題がある。
【0007】
また、設置場所により端末装置に要求される機能が異なるため、設置場所に合わせて専用の端末装置を製作する必要があり、コストが増大するという問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、ひとつの出入り口で紙幣やチケット、プリペイドカード、普通紙などの薄く柔軟な紙葉類を取り扱うことが可能な紙葉類取扱端末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、異なる機能を有する機能ユニットを複数個収納した筐体と、この筐体の表面に設けられ利用者からの情報の入力と表示を行なう表示入力部と、この表示入力部からの情報に応じて前記機能ユニットの運転を制御する制御部と、前記機能ユニットとから出力される紙葉類を搬送する搬送路とを備えた紙葉類取扱装置において、前記機能ユニットと前記搬送路との間に接続された出入口と、前記機能ユニットと前記制御部との間に接続される情報コネクタとを備え、この情報コネクタと前記出入口は前記機能ユニットそれぞれの所定の位置に取付けられていることにより達成される。
【0010】
また、上記目的は、前記機能ユニットは機能に対応した機能IDが付与され、前記制御部は前記紙葉類取扱部に備えられた前記機能ユニットの機能IDを受信して、前記表示入力部における処理選択画面の選択肢を変更する機能を有することにより達成される。
【0011】
また、上記目的は、前記機能ユニットは機能に対応した機能IDが付与され、前記制御部は前記紙葉類取扱部に備えられた前記機能ユニットの機能IDを受信して、前記表示入力部における処理選択画面の選択肢を変更する機能を備え、前記制御部は前記プログラムメモリから前記機能IDに対応した制御プログラムを引き出すことにより達成される。
【0012】
また、上記目的は、紙葉類を取り扱う紙葉類取扱部と、異なる機能を有する機能ユニットを複数個収納した筐体と、この筐体の表面に設けられ利用者からの情報の入力と表示を行なう表示入力部と、この表示入力部からの情報に応じて前記機能ユニットの運転を制御する制御部と、利用者を特定する情報を送受信と、前記機能ユニットとから出力される紙葉類を搬送する搬送路とを備えた紙葉類取扱装置において、前記機能ユニットは紙幣を出し入れする第1の機能ユニットと印刷機能を備えた第2の機能ユニットとであり、紙葉類の情報を読み取る読取部と、前記紙葉類出入口と前記複数の機能ユニットと前記読取部とを同一の搬送路に接続したものであって、前記通信部により受信した情報を前記印刷機能を備えた機能ユニットで印刷して発行することにより達成される。
【0013】
また、上記目的は、前記紙葉類取扱部は、紙葉類を出し入れする紙葉類出入口と、紙幣を出し入れする機能を備えた機能ユニットと、紙幣以外の紙葉類を収納する機能を備えた機能ユニットと、紙葉類の情報を読み取る読取部とを備え、前記紙葉類出入口と複数の前記機能ユニットを同一の搬送路に接続した紙葉類取扱部であることにより達成される。
【0014】
また、上記目的は、前記搬送路は、前記紙幣と前記紙幣以外の紙葉類を搬送する速度を変更する搬送路であることにより達成される。
【0015】
また、上記目的は、前記表示入力部に前記紙幣以外の紙葉類から読み取った情報を表示することにより達成される。
【0016】
また、上記目的は、前記紙葉類出入口は、前記紙幣と前記紙幣以外の紙葉類を取り込むときに、取り込み口の寸法を制御する紙葉類出入口であることにより達成される。
【0017】
また、上記目的は、前記機能ユニットは、紙幣を出し入れする機能を備える機能ユニット、あるいは紙葉類に情報を印刷して発行する機能を備える機能ユニット、あるいは紙幣以外の紙葉類を収納する機能を備える機能ユニット、あるいは有価証券類を保管し発行する機能を備える機能ユニットのうち、複数種類の機能ユニットを有する前記紙葉類取扱部であることにより達成される。
【0018】
また、上記目的は、複数種類の紙葉類を一括して出し入れする前記紙葉類取扱部であることにより達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
現金自動預入払出機(ATM)は勿論のこと、端末装置には各種乗車券の販売機や、近年では、コンサートチケットの自動販売機などがあり、今後もこれらの端末装置の種類は益々増えるものと予想される。
これら端末装置の設置場所としては、例えば、コンサートチケットの販売機はコンビニエンスストアーやチケット販売専門店などに設置されており、少なくとも銀行内に設置されることはない。
このように、これら端末装置は機能ユニットの種類によって設置場所が限定される。
【0020】
ところで、これらの端末装置は機能ユニットの種類ごとにそれぞれ製造されており、機能ユニット間の互換性がなく、非常に無駄が多い。
従って、一台の端末に複数種類の機能ユニットを備えていれば、例えば不特定多数の人が集まる駅等で複数種類の機能ユニットから希望のチケットを入手することが可能となりメリットが大きい。
【0021】
ところが、仮に複数種類の機能ユニットを有する端末を合体させて1台に集約させた場合、機能ユニットごとにチケット等の出し入れ口が異なってしまうという問題があり、使用者にとっては操作が複雑になるという問題がある。
【0022】
そこで、本発明の発明者らはチケット等の出入口を1箇所にすることを種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
【0023】
以下に、本発明の一実施例を示す。
図1は、本発明の一実施例を備えた紙葉類取扱端末の概略を説明する斜視図である。
図2は、この紙葉類取扱端末の構成を説明するブロック図である。
図1、図2において、1は紙葉類取扱端末を示す。2は紙葉類取扱部であり、例えば紙幣やチケット、プリペイドカードなどの屈曲可能な紙葉類を取扱い、紙葉類の出し入れや保管、蓄積を行う。そのため、内部には図2に示した複数の機能ユニット17を備えている。3は表示入力部であり、利用者への情報伝達や、利用者からの情報入力を行う。例えばタッチパネルなどの表示装置と入力装置が一体となったものである。4は認証部であり、利用者を特定するものである。例えば、磁気や無線のカード読み取り装置などである。5は通信部であり、通信回線を介して紙葉類取扱端末1と外部との情報伝達を行う。例えば、有線回線で接続するモデムや、無線回線で接続する電波の送受信機、あるいは赤外線通信の送受信機などである。
【0024】
これらの構成要素は、図2に示すように、制御部6によって、その動作が制御される。プログラムメモリ7は、例えば書き換え可能な読み取りメモリ(PROM: Programmable Read Only Memory)からなり、紙葉類取扱端末1の制御プログラムを記録する。制御部6は、プログラムメモリ7から処理に関わる制御を記述したプログラムを読み込み実行する。紙葉類取扱部2に備えた機能ユニット17は、それぞれ機能を示す機能IDが付与されており、機能IDにより制御部6は制御内容を決定して、プログラムメモリ7から選択する。
【0025】
図3は、本発明の一実施例を備えた紙葉類取扱部を説明するための概略構成図である。
図3において、2は紙葉類取扱部を示す。シャッタ11は、紙葉類出入口12の一面に設けられ、紙葉類出入口12を開閉して、利用者が紙葉類の出し入れを可能にする。この紙葉類出入口12は、束状に重なった紙葉類を1枚ずつに分離して、搬送路13へ送り出す。また、搬送路13から1枚ずつ送られる紙葉類を束状に重ねて集積するものである。搬送路13は、紙葉類を各構成要素間で搬送するものであり、例えばベルトやローラによって紙葉類を挟んで搬送する。読取部14は、紙葉類の情報を読み取るものである。
例えば、CCDセンサなどを用いて、画像などの光学的情報を読み取ることや、磁気センサを用いて磁気情報を読み取ること、距離センサを用いて厚さ情報を読み取る。ゲート15は、搬送路13の接続状態を切り替えて、紙葉類の搬送方向を変換する。一時保管庫16は、1回の取引が行われる範囲で、紙葉類を一時的に保管するものである。機能ユニット17は、紙葉類取扱部2に複数設けられており、ここでは一例として17a〜17fの6個を搭載した構造を示している。
【0026】
入金庫17aは利用者が投入した紙幣を収納する金庫であり、出金庫17bは利用者へ払い出す紙幣を収納する金庫である。なお、入金庫と出金庫の機能は同じ金庫が合わせ持つことができ、入金した紙幣を出金に使用する構成もある。伝票保管庫17cは、振込伝票のような取引情報が書かれた紙葉類を保管するものである。第1の印刷部17dと、第2の印刷部17eは、紙葉類を収納する部分と紙葉類に印刷する部分とを備え、印刷した紙葉類を送り出すものである。
一例として、第1の印刷部17dは、厚紙のチケット原紙を収納し、それにチケット情報を印刷して送り出す。第2の印刷部17eは、普通紙を収納し、それに地図や領収情報を印刷して送り出すものである。有価証券保管庫17fは、例えばプリペイドカードなどの金銭的価値を有する紙葉類を保管し、要求に従い送り出すものである。
【0027】
以上の機能ユニット17に示した機能は一例であり、設置場所により他の機能が要求されることもあり、これらに限定されるものではない。スロット18は機能ユニット17を挿入する筐体であり、その一端は搬送路15に接続して紙葉類を出し入れできるようになっている。また、スロットコネクタ19を備え、機能ユニット17と情報を伝達する。扉20は操作側あるいは背面に設けられ、紙葉類取扱部2のスロット18に近接した筐体を開閉できるようになっている。それにより、スロット18に納めた機能ユニット17を出し入れする。
【0028】
図4、図5、図6で、本発明の一実施例を備えたそれぞれの機能ユニットの構造を示す。
図4は、入金庫17aの構成を示す図である。
図5は、伝票保管庫17dの構成を示す図である。
図6は、印刷部17dの構成を示す図である。
図4において、入金庫17aは、ボックス51と、搬送ローラ52と、コンベア53と、押板54とからなる。紙幣Bは、ボックス51に設けられた出入口55から取り込まれ、搬送ローラ52と押板54、あるいは既に収納された紙幣Bとの間に収納される。コンベア53と押板54は図示しないモータにより駆動されており、図示しない通過センサにより収納された紙幣Bの枚数を計数して、収納に適当な位置に制御される。
入金庫17aはユニットコネクタ56(情報コネクタとも言う)を備え、入金機能を示す機能IDの送信や、通過センサやモータなどの検知、制御情報を紙葉類取扱部2あるいは制御部6との間で送受信する。
また、出入口55とユニットコネクタ56は、予め決められた位置hとsとに設けられる。それによって、スロット18に挿入したときに、搬送路13からの紙幣の受け渡しや、スロットコネクタ19との情報の授受を正確に行う。
【0029】
図5において、伝票保管庫17cは、ボックス61と、取込搬送路62と、トレー63とからなり、伝票類Pを出入口64から取り込む。伝票類Pは、取込搬送路62からトレー63へ送り込まれて保管される。
伝票保管庫17cにおいても、入金庫17aと同様に、出入口64とユニットコネクタ65は、予め決められた位置hとsとに設けられる。それによって、スロット18に挿入したときに、搬送路13からの伝票類の受け渡しや、スロットコネクタ19との情報の授受を正確に行う。
【0030】
図6において、第1の印刷部17dは、ボックス71と、搬送ローラ72と、原紙ホルダ73と、印刷器74からなり、原紙ホルダ73から引き出されたチケット類の原紙に、印刷器74によりチケット情報を印刷して送り出す。
第1の印刷部17dおいても、入金庫17aと同様に、出入口75とユニットコネクタ76は、予め決められた位置hとsとに設けられる。それによって、スロット18に挿入したときに、搬送路13へのチケット類の受け渡しや、スロットコネクタ19との情報の授受を正確に行う。
【0031】
このような構成の紙葉類取扱端末1での取引手順の一例と、処理選択画面の一例を図7及び図8で説明する。
図7は、処理の大枠を説明するフロー図である。
図8は、処理選択画面の一例を示す図である。
図2に示した制御部6は以下の制御下のもとで進行する。
図7において、ステップ101では図1に示した紙葉類取引端末1の表示入力部3に処理選択画面を表示する。この処理選択画面は、図8に示すように紙葉類取扱端末1が備える機能を一覧で表示する。
図2に示した機能ユニット17は機能を示す機能IDを送出するので、制御部6は機能IDに対応する図8の選択肢25を表示入力部3に表示する。なお、利用者が近づくまで、広告などの待機画面を表示しても良い。
【0032】
利用者により処理が選択されたあと、ステップ102でそれぞれの処理に分岐する。ここでは一例として、ステップ103の入金処理、ステップ104の出金処理、ステップ105の振込処理、ステップ106の発券処理を示す。また、上記以外の機能が追加された場合は、ステップ107の追加処理として、分岐後の処理に加える。
【0033】
図9は、ステップ103の入金処理が選択されたときの処理の流れと、紙葉類取引端末1の構成要素との関わりを示すフロー図である。
【0034】
図9において、利用者を特定するため、ステップ111で個人認証が行われる。ここでは、図2で示した認証部4でカードの情報を読み取り、通信部5を介して上位の管理システムと照合して、利用者を特定する。
次に、ステップ112で利用者が入金する紙幣を紙葉類取引端末1へ投入する。そのため、図3に示したシャッタ11を開き、紙葉類出入口12に紙幣を投入できるようにする。利用者は紙幣を投入したあと、所定時間経過後に自動的にシャッタ11を閉める、あるいは表示入力部3からの投入完了指示によりシャッタ11を閉める。
【0035】
ステップ113で図3に示した紙葉類出入口12の紙幣を1枚ずつに分けて取り込む。紙幣は搬送路13により、読取部14へ搬送される。読取部14では紙幣情報を読み取って、取扱の可否および金種を判断する。この判断によりゲート15を切り替えて、取扱可の紙幣は一時保管庫15へ収納し、取扱否の紙幣は紙葉類出入口12へ返却する。
【0036】
紙幣の取り込みが終了したら、一時保管庫16に収納された紙幣の金種と枚数を表示入力部3に表示して、ステップ114で利用者の確認を求める。入金額が正しいことが確認されたら、ステップ115で紙幣の収納と、上位の管理システムに保管される利用者の口座への入金登録を行う。紙幣は図3に示す一時保管庫16から搬送路13を通して入金庫17aへ搬送される。
【0037】
入金処理の結果は、ステップ116の第2の印刷部17e(図3参照)で取引票に印刷され、搬送路13へ送り出される。ステップ117で取引票は紙葉類出入口12に収納されて、シャッタ11を開くことにより、利用者へ引き渡される。
【0038】
以上が図7に示したステップ103である入金処理の手順の一例である。
このように、図3に示した搬送路13に入金庫17aと第2の印刷部17eとが接続されることにより、紙葉類出入口12に紙幣の挿入と取引票の発行を集約することができる。それにより、利用者は紙葉類出入口12のみにアクセスすればよく、操作が簡便になる。
【0039】
次に、図10のフローチャートを用いて、図7のステップ104である出金処理が選択されたときの処理の流れと、紙葉類取引端末1の構成要素との関わりを示す。
図10は、出金処理を説明するフロー図である。
図10において、まず、利用者を特定するため、ステップ121の個人認証が行われる。ここでは、認証部4(図2参照)でカードの情報を読み取り、さらに暗証番号などを表示入力部3から入力し、通信部5を介して上位の管理システムと照合して、利用者を特定する。
利用者は、表示入力部3からステップ122で出金額を指定する。上位の管理システムで出金の可否を判断した後、可能であれば出金庫18(図3参照)から指定の金額にあたる紙幣をステップ123で送り出す。紙幣は搬送路13で紙葉類出入口12まで搬送されて、紙葉類出入口12に集積される。
【0040】
ここで、ステップ124では出金処理の結果を第2の印刷部17eで取引票として印刷する。搬送路13を通して、取引票を紙葉類出入口12まで搬送し、すでに集積されている紙幣と重ねて集積する。
そして、ステップ125でシャッタ11を開き、紙幣と取引票とを重ねて利用者へ引き渡す。
【0041】
以上が図7に示したステップ104である出金処理の手順の一例である。
尚、紙幣と取引票とは別個に引き渡しても良いが、上記のように重ねて引き渡すことにより、利用者は一度に受け取り、手数を省くことができ、また時間も短縮される。
【0042】
次に、図11のフローチャートで図7のステップ105である振込処理が選択されたときの処理の流れと、紙葉類取引端末1の構成要素との関わりを示す。
【0043】
図11は、振込処理を説明するフロー図である。
図11において(図3を引用しながら説明する)、振込処理の選択がされたら、振込先やその口座番号、振込額など振込情報の入力を行う。ここで、ステップ131である振込情報の入力方法を選択する。従来と同様に、ステップ135にて表示入力部3(図8参照)からタッチパネルのキー押下により入力することもできる。また、ステップ132のように振込用紙等の振込情報が記載された紙葉類を読み取って入力することもできる。
読み取りによる入力が選択されたら、シャッタ11を開いて、紙葉類出入口12へ振込用紙等を投入できるようにする。利用者は振込用紙等を投入したあと、所定時間経過後に自動的にシャッタ11を閉める、あるいは表示入力部3からの投入完了指示によりシャッタ11を閉める。
【0044】
ステップ133で紙葉類出入口12から振込用紙等を搬送路13へ送り出し、ステップ134の読取部14で振込用紙等の画像情報を読み取る。このとき、振込用紙等の文字情報を正確に読み取るため、紙幣を搬送するときの速度より低くするなど、搬送路13の速度を変えても良い。読み取った振込用紙等は一時保管庫16へ収納する。
【0045】
このように振込用紙等の読み取りあるいはキー入力による振込情報を表示入力部3に示して、ステップ136で利用者が確認する。
【0046】
次に、ステップ137で振込代金の支払い方法を選択する。現金が選択された場合は、再度シャッタ11を開けて、紙葉類出入口12へ紙幣を投入できるようにする。利用者が紙葉類出入口12へ投入した紙幣を搬送路13へ送り出し、読取部14で金種を判別して、ステップ138で一時保管庫16へ収納する。投入金額を表示入力部3に表示して、ステップ139で利用者が確認する。
【0047】
一方、利用者の口座からの振替が選択された場合は、認証部4でカード等の情報を読み取り、さらにステップ140は表示入力部3から暗証番号を入力することで利用者を認証する。そして、ステップ141で上位の管理システムに振込情報を転送し、振込処理の登録を行う。また、ステップ142は第2の印刷部17eで振込処理の取引票を印刷し、搬送路13を通して紙葉類出入口12へ収納する。
振込が現金で行われ、残金が発生している場合は、ステップ143で出金庫18から紙幣を取り出して、紙葉類出入口12へ収納する。さらに、振込用紙等で振込情報の入力を行った場合は、一時保管庫16から振込用紙等を送り出して、紙葉類出入口12へ収納する。利用者へ引き渡す紙葉類を紙葉類出入口12へすべて収納した後、シャッタ11を開けて利用者が紙葉類を取り出せるようにする。
【0048】
このように、取引票や振込用紙等や残金を一括して利用者へ引き渡すことにより、利用者は紙葉類出入口12のみにアクセスすればよく、操作が簡便になる。また、紙幣と振込用紙等を同じ紙葉類出入口12や搬送路13で取り扱うことにより、読取部14を共用することができる。
【0049】
なお、上記のステップ142では、振込用紙等は利用者へ返却するとしたが、ゲート15を切り替えて、搬送路13から伝票保管庫19へ収納しても良い。
【0050】
さらに、上記の手順では、振込用紙等の取り込みと紙幣の取り込みを分けて実施したが、両者を重ねて投入し、読取部14において判別する手順であっても良い。
【0051】
次に、図12を用いて、図7のチケット等の発券処理が選択されたときの処理の流れと、紙葉類取引端末1の構成要素との関わりを示す。
図12は、チケット等の発券処理を説明するフロー図である。
図12において(図3を用いて説明する)、ステップ151では表示入力部3(図8参照)に購入可能なチケットや有価証券などを表示し、利用者が選択入力する。それに従い、ステップ152では代金および支払方法選択の表示を行う。現金が選択された場合は、シャッタ11を開けて、紙葉類出入口12へ紙幣を投入できるようにする。ステップ153では利用者が紙葉類出入口12へ投入した紙幣を搬送路13へ送り出し、読取部14で金種を判別して、一時保管庫16へ収納する。ステップ154で投入金額を表示入力部3に表示して利用者が確認する。
【0052】
一方、ステップ155では利用者の口座からの振替が選択された場合は、認証部4で利用者を認証する。そして、ステップ156では上位の管理システムに利用者の口座からの引き落とし処理の登録を行う。
【0053】
代金の処理が済んだあと、ステップ157で第1の印刷部17dでチケットの印刷を行い、搬送路13へ送り出す。あるいは有価証券保管庫17fから、所定の有価証券を引き出して、搬送路13へ送り出す。チケットや有価証券などは、搬送路13を通して紙葉類出入口12へ収納される。また、振込が現金で行われ、残金が発生している場合は、ステップ158で出金庫18から紙幣を取り出して、紙葉類出入口12へ収納する。
さらに、領収書などを必要とする場合は、第2の印刷部17eで印刷して、搬送路13を通して紙葉類出入口12へ収納する。ステップ158で利用者へ引き渡す紙葉類を紙葉類出入口12へすべて収納した後、シャッタ11を開けて利用者が紙葉類を取り出せるようにする。
【0054】
このように、チケットや有価証券、残金を一括して利用者へ引き渡すことにより、利用者は紙葉類出入口12のみにアクセスすればよく、操作が簡便になる。
【0055】
さらに、多様な紙葉類を取り扱うとき、技術的に困難な点として、紙葉類を1枚ずつに分けて取り込む点が挙げられる。特に、紙葉類出入口12は多様な紙葉類を必ず取り扱うことになる。前述の例では、紙幣と振込用紙等を同じ紙葉類出入口12から取り込んでいた。
【0056】
多様な紙葉類を1枚ずつに分けて取り込むために、ここでは紙葉類出入口12を図13と図14とに示すような構成とした。
図13は、紙葉類出入口の構成図である。
図14は、紙葉類出入口の構成図である。
図13と図14において、紙葉類Pは利用者によってボックス31に投入される。押板32は紙葉類Pを矢印アの方向へ移動して、ピックアップローラ33へ押し込む。ピックアップローラ33はリンク34に保持され、一端をベース36に固定されたバネ35によって、紙葉類Pの側へ付勢される。紙葉類Pはピックアップローラ33の搬送力により、フィードローラ37とリバースローラ38の方へ導かれる。フィードローラ37は紙葉類Pを矢印イの方向へ引き出すが、リバースローラ38は回転しないないしは逆転することによって、2枚以上重なって引き出されることを防止している。
【0057】
図13と図14は、フィードローラ37とリバースローラ38の異なる構成を示した図である。
図13において、フィードローラ37はシャフト39及び、このシャフト39取付けられた円盤状の複数のローラ片40とからなっている。
リバースローラ38はシャフト41と複数のローラ片40とからなっている。上記フィードローラ37とは、重なり量Vにより、互いに入り組んだ構成となっている。
図14におい、フィードローラ37とリバースローラ38に設けられたそれぞれのローラ片40が所定の距離Sだけ離れた構成になっている。
両者の隙間Sは、紙葉類Pの厚さより大きく、紙葉類Pが2枚重ねた厚さより小さく設定される。それにより、同様にフィードローラ37とリバースローラ38への摩擦力の差により、1枚ずつに分けるものである。
【0058】
このような取り込み方法においては、重なり量Vと隙間Sは性能を決定する重要なパラメータである。そして、最適な値は紙葉類Pの厚さや剛性によって変化する。そのため、フィードローラ37のシャフト39、あるいはリバースローラ38のシャフト41を、図示しないステップモータなどのアクチュエータにより移動して、重なり量Vと隙間Sを変更する。また、紙葉類Pの種類によっては、摩擦係数の違いなどにより、ピックアップローラ33の搬送力を変更する必要がある。そこで、ベース36の位置Tを図示しないステップモータなどのアクチュエータにより移動して、ピックアップローラ33の紙葉類Pに対する押圧力を変更する。
【0059】
このような構成により、図7のステップ102において処理が選択されたとき、利用者が投入する紙葉類の種類がわかるので、その紙葉類に適当な重なり量Vあるいは隙間S、位置Tに制御して、紙葉類を確実に取り込むようにできる。
【0060】
上記のように、紙葉類取扱端末1は、紙幣やチケット、有価証券などの紙葉類を同じ紙葉類出入口12で取り扱うことにより、利用者は紙葉類出入口12のみにアクセスすれば良く、操作性が向上する。また、設置場所に合わせた機能の組み合わせを構成することができ、設置空間を有効に利用することができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、ひとつの出入り口で紙幣やチケット、プリペイドカード、普通紙などの薄く柔軟な紙葉類を取り扱うことが可能な紙葉類取扱端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、紙葉類取扱端末の概略構成図である。
【図2】図2は、紙葉類取扱端末の構成ブロック図である。
【図3】図3は、紙葉類取扱部の一例を示す構成図である。
【図4】図4は、機能ユニットの一構成例である。
【図5】図5は、機能ユニットの一構成例である。
【図6】図6は、機能ユニットの一構成例である。
【図7】図7は、大枠の処理の流れを示すフロー図である。
【図8】図8は、表示入力部での選択入力画面の一例を示す模式図である。
【図9】図9は、入金処理の流れを示すフロー図である。
【図10】図10は、出金処理の流れを示すフロー図である。
【図11】図11は、振込処理の流れを示すフロー図である。
【図12】図12は、発券処理の流れを示すフロー図である。
【図13】図13は、紙葉類出入口の構成図である。
【図14】図14は、紙葉類出入口の構成図である。
【符号の説明】
1…紙葉類取扱端末、2…紙葉類取扱部、3…表示入力部、4…認証部、5…通信部、11…シャッタ、12…紙葉類出入口、13…搬送路、14…読取部、15…ゲート、16…一時保管庫、17…機能ユニット、18…扉、19…スロットコネクタ、20…扉、25…選択肢、31、51、61、71…ボックス、32、54…押板、33…ピックアップローラ、34…リンク、35…バネ、36…ベース、37…フィードローラ、38…リバースローラ、39…シャフト、40…ローラ片、41…シャフト、52、72…搬送ローラ、53…コンベア、55、64…出入口、56、65、76…ユニットコネクタ、62…受入搬送路、63…トレー、73…原紙ホルダ、74…印刷器。
Claims (10)
- 異なる機能を有する機能ユニットを複数個収納した筐体と、この筐体の表面に設けられ利用者からの情報の入力と表示を行なう表示入力部と、この表示入力部からの情報に応じて前記機能ユニットの運転を制御する制御部と、前記機能ユニットとから出力される紙葉類を搬送する搬送路とを備えた紙葉類取扱端末において、
前記機能ユニットと前記搬送路との間に接続された出入口と、前記機能ユニットと前記制御部との間に接続される情報コネクタとを備え、この情報コネクタと前記出入口は前記機能ユニットそれぞれの所定の位置に取付けられていることを特徴とする紙葉類取扱端末。 - 前記機能ユニットは機能に対応した機能IDが付与され、前記制御部は前記紙葉類取扱部に備えられた前記機能ユニットの機能IDを受信して、前記表示入力部における処理選択画面の選択肢を変更する機能を有することを特徴とする請求項1記載の紙葉類取扱端末。
- 前記機能ユニットは機能に対応した機能IDが付与され、前記制御部は前記紙葉類取扱部に備えられた前記機能ユニットの機能IDを受信して、前記表示入力部における処理選択画面の選択肢を変更する機能を備え、前記制御部は前記プログラムメモリから前記機能IDに対応した制御プログラムを引き出すことを特徴とする請求項1記載の紙葉類取扱端末。
- 紙葉類を取り扱う紙葉類取扱部と、異なる機能を有する機能ユニットを複数個収納した筐体と、この筐体の表面に設けられ利用者からの情報の入力と表示を行なう表示入力部と、この表示入力部からの情報に応じて前記機能ユニットの運転を制御する制御部と、利用者を特定する情報を送受信と、前記機能ユニットとから出力される紙葉類を搬送する搬送路とを備えた紙葉類取扱装置において、
前記機能ユニットは紙幣を出し入れする第1の機能ユニットと印刷機能を備えた第2の機能ユニットとであり、紙葉類の情報を読み取る読取部と、前記紙葉類出入口と前記複数の機能ユニットと前記読取部とを同一の搬送路に接続したものであって、前記通信部により受信した情報を前記印刷機能を備えた機能ユニットで印刷して発行することを特徴とする紙葉類取扱端末。 - 前記紙葉類取扱部は、紙葉類を出し入れする紙葉類出入口と、紙幣を出し入れする機能を備えた機能ユニットと、紙幣以外の紙葉類を収納する機能を備えた機能ユニットと、紙葉類の情報を読み取る読取部とを備え、前記紙葉類出入口と複数の前記機能ユニットが同一の搬送路に接続されていることを特徴とする請求項4記載の紙葉類取扱端末。
- 前記搬送路は、前記紙幣と前記紙幣以外の紙葉類を搬送する速度を変更するものであることを特徴とする請求項4記載の紙葉類取扱端末。
- 前記表示入力部に前記紙幣以外の紙葉類から読み取った情報を表示することを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の紙葉類取扱端末。
- 前記紙葉類出入口は、前記紙幣と前記紙幣以外の紙葉類を取り込むときに、取り込み口の寸法を制御することを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の紙葉類取扱端末。
- 前記機能ユニットは、紙幣を出し入れする機能を備える機能ユニット、あるいは紙葉類に情報を印刷して発行する機能を備える機能ユニット、あるいは紙幣以外の紙葉類を収納する機能を備える機能ユニット、あるいは有価証券類を保管し発行する機能を備える機能ユニットのうちの複数種類の機能ユニットを有する前記紙葉類取扱部であることを特徴とする請求項4乃至8の何れか1項に記載の紙葉類取扱端末。
- 前記紙葉類取扱部は、複数種類の紙葉類を一括して出し入れするものであることを特徴とする請求項9記載の紙葉類取扱端末。
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