以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[画像形成装置の全体構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
図1に示す画像形成装置100は、本実施の形態では、画像形成処理速度が1分間にモノクロ印刷で100枚、カラー印刷で70枚を超えるような高速機に対応した画像形成装置とされている。
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等の記録シート(以下、用紙Pという。)に対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110とを備えており、装置本体110には、画像形成部102と用紙搬送系103と定着ユニット7とが設けられている。
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2,…、複数の感光体ドラム3,…、複数のクリーニング部4,…、複数の帯電器5,…、中間転写ベルトユニット6及び複数のトナーカートリッジユニット21,…を備えている。
また、用紙搬送系103は、シート供給部として作用する給紙部(ここでは複数段の給紙トレイ81,…及び手差し給紙トレイ82を含む複数の給紙部80,…)、主搬送路76(シート搬送路の一例)、反転搬送路77及び排出トレイ91を備えている。
装置本体110の上部には、原稿(シート)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が用紙Pに記録される。
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2,…、感光体ドラム3,…、クリーニング部4,…、帯電器5,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書き込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21,…から現像ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
現像ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーニング部4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収する。
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、用紙Pと中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって用紙P上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で画像形成部位(具体的には転写ニップ部N1)が形成された状態で、トナーを用紙Pに転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップ部N1が形成される。転写ニップ部N1を定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から用紙P上へのトナー像の転写にあたり、用紙P上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
複数段の給紙トレイ81,…及び手差し給紙トレイ82を含む複数の給紙部80,…は、用紙Pの搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側に設けられており、主搬送路76へ用紙Pを搬送する(給紙する)ようになっている。
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される用紙Pを予め収容しておくトレイであり、装置本端110の前面側から着脱自在に装着されるようになっている。給紙トレイ81は、装置本体110における露光ユニット1の下方において上下方向に複数段(ここでは4段)載置されている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成される用紙Pが載置される。なお、複数の給紙部80,…は、主搬送路76へ用紙Pを搬送する構成部材であればよく、給紙トレイ81や手差し給紙トレイ82の他、例えば、自動両面給紙装置や給紙カセットや大容量給紙ユニット(LCC:Large Capacity Cabinet)を挙げることができる。
排出トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成済みの用紙Pをフェイスダウンで集積する。
また、装置本体110には、給紙トレイ81又は手差し給紙トレイ82から送られてきた用紙Pを転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排出トレイ91に送るための主搬送路76が設けられている。主搬送路76の近傍には、給紙ローラ11a,11a、搬送ローラR31,R32、レジスト前ローラR41,R42、レジストローラR51,R52、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72、搬送ローラR61,R62並びに排出ローラ31,32が配設されている。反転搬送路77の近傍には、搬送ローラR71,R72及び搬送ローラR81,R82が配置されている。
各搬送ローラ(R31,R32),(R61,R62),(R71,R72),(R81,R82)は、用紙Pの搬送を促進、補助するための小型のローラである。また、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられた給紙ローラ11aは、給紙トレイ81から用紙Pを1枚ずつピックアップして主搬送路76に供給する。同様に、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられた給紙ローラ11aは、手差し給紙トレイ82から用紙Pを1枚ずつピックアップして主搬送路76に供給する。
また、レジスト前ローラR41,R42は、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側に設けられており、用紙PをレジストローラR51,R52に搬送するようになっている。
レジストローラR51,R52は、中間転写ベルト61及び転写ローラ10の回転に同期して回転し、用紙Pを中間転写ベルト61と転写ローラ10との間の転写ニップ部N1に搬送する。詳しくは、レジストローラR51,R52は、主搬送路76において搬送されている用紙Pを一旦保持して用紙搬送状態(シート搬送状態)を矯正するものであり、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と用紙Pの先端P1(搬送方向Y1の下流側端)を合わせるタイミングで用紙Pを転写ニップ部N1に搬送する。
定着ユニット7は、未定着トナー像を用紙Pに定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に用紙Pを挟持しつつ用紙Pを搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に用紙Pに転写された多色トナー像を用紙Pに熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して用紙Pに対して熱定着させる。
反転搬送路77は、搬送方向Y1とは逆方向の反転方向Y2に搬送される用紙Pを搬送する搬送路であって、排出ローラ31,32から定着ユニット7と排出ローラ31,32との間の分岐部Saまでの主搬送路76の一部を経て、画像形成部102と給紙部80,…との間の主搬送路76との接続部Sbに接続された搬送路とされている。従って、主搬送路76及び反転搬送路77において、用紙搬送装置300と分岐部Saとの間は共通の搬送路とされている。
分岐部Saには、分岐ゲート(具体的には分岐爪84)が配設されている。分岐爪84は、定着ユニット7からの用紙Pを排出ローラ31,32の方に導く第1姿勢(図1の実線で示す姿勢)と、排出ローラ31,32の逆回転により搬送方向Y1とは逆方向の反転方向Y2に搬送される用紙Pを反転搬送路77側に導く第2姿勢(図1の鎖線で示す姿勢)をとるように構成されている。
かかる構成を備えた画像形成装置100では、給紙トレイ81又は手差し給紙トレイ82から供給された用紙Pは、主搬送路76に沿って搬送ローラR31,R32にてレジスト前ローラR41,R42に向けて搬送され、後端P2(搬送方向Y1の上流側端)側がレジスト前ローラR41,R42で挟持され、先端P1がレジストローラR51,R52のニップ部N5(後述する図2参照)に当接された状態で停止する。この部分の構成は、図27に示す構成と実質的に同じである。また、レジストローラR51,R52とレジスト前ローラR41,R42の動作タイミングも図28に示した動作タイミングと実質的に同じであり、レジストローラR51,R52により、用紙Pを中間転写ベルト61と転写ローラ10との間の転写ニップ部N1に搬送する主搬送路76上での用紙Pの搬送及び搬送停止が行われる。
レジストローラR51,R52まで搬送された用紙Pは、用紙Pの先端P1と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングでレジストローラR51,R52により搬送され、転写ニップ部N1で転写ローラ10によるコロナ放電を受け、中間転写ベルト61の表面に担持されたトナー像が用紙P上に転写される。その後、用紙Pは定着ユニット7を通過することによって用紙P上の未定着トナーが熱で溶融、固着される。
そして、分岐爪84が第1姿勢にされ、用紙Pの片面画像の画像形成が行われる場合は、定着ユニット7からの用紙Pが搬送ローラR61,R62を経て正回転された排出ローラ31,32に搬送されて排出トレイ91に排出される。
また、用紙Pの両面に画像形成が行われる場合は、定着ユニット7を通過した用紙Pの先端P1側が一旦外部に移送されて用紙Pの後端P2が分岐部Saを通過した後、分岐爪84が第2姿勢にされ、排出ローラ31,32が逆回転されることによって用紙Pが反転方向Y2に搬送(スイッチバック)され、反転搬送路77に沿って表裏が反転されつつ搬送ローラ(R71,R72),(R81,R82)にてレジストローラR51,R52よりも上流側の接続部Sbに搬送される。そして、レジストローラR51,R52を経て転写ニップ部N1に搬送されてきた用紙Pは、裏面に画像形成された後、正回転された排出ローラ31,32に搬送されて排出トレイ91に排出される。
[画像書き込み位置の補正]
次に、主搬送路76上における用紙Pの用紙搬送位置(シート搬送位置)に対する感光体ドラム3への画像書き込み位置の補正について以下に説明する。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180を備えている。なお、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180は、後述する図2に示しており、図1では図示していない。
図2は、主搬送路76上における用紙Pの検出構成を説明するための説明図である。図2(a)は、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180の一構成例を概略的に示す側面図であり、図2(b)は、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180の一構成例を概略的に示す平面図である。
図2(a)及び図2(b)に示すように、レジストローラR51,R52は、搬送方向Y1において転写ニップ部N1の上流側に設けられている。シート搬送位置検出部170は、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側に設けられて主搬送路76上における用紙Pの用紙搬送位置を検出するものである。
本実施の形態では、シート搬送位置検出部170は、搬送方向Y1におけるレジストローラR51,R52の上流側の近傍に設けられて用紙搬送位置を検出する第1シート搬送位置検出部171と、搬送方向Y1における第1シート搬送位置検出部171の上流側に設けられて用紙搬送位置を検出する第2シート搬送位置検出部172とを備えている。
詳しくは、第2シート搬送位置検出部172は、搬送方向Y1におけるレジスト前ローラR41,R42の上流側の近傍に配設されている。レジストローラR51,R52は、搬送方向Y1において転写ニップ部N1の上流側に設けられている。レジスト前ローラR41,R42は、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側に設けられている。これらレジストローラR51,R52及びレジスト前ローラR41,R42は、図2(b)に示すように、それぞれ複数組(ここでは5組)のレジストローラR51,R52及びレジスト前ローラR41,R42が、搬送方向Y1に直交する用紙面に沿った幅方向X(図2(b)の左右方向)に所定の間隔で配置されている。
第1シート搬送位置検出部171は、用紙PをレジストローラR51,R52及びレジスト前ローラR41,R42に挟持して停止させた状態において、主搬送路76上における用紙Pの用紙搬送位置を検出するようになっている。第2シート搬送位置検出部172は、レジスト前ローラR41,R42に搬送される用紙Pの用紙搬送位置を検出するようになっている。第1及び第2シート搬送位置検出部171,172は、ここでは、搬送方向Y1と直交する用紙面に沿った幅方向Xへの予め設定した用紙搬送基準(センタ位置)Cからのずれ量(オフセンタ量)を検出する。
具体的には、第1及び第2シート搬送位置検出部171,172は、発光部170a,170aと受光部170b,170bとを備えている。第1及び第2シート搬送位置検出部171,172は、ここでは、ラインセンサを構成しており、一列のラインに並んだ各画素に対応する等倍レンズのアレイを使って結合させる方式を用いたラインセンサの発光部(具体的には発光側ラインセンサ)170a,170a及び受光部(具体的には受光側ラインセンサ)170b,170bからなるCIS(Contact Image Sensor)センサとされている。発光部170a,170a及び受光部170b,170bは、主搬送路76を間にして対峙しており(図2(a)参照)、それぞれ、レジストローラR51,R52及びレジスト前ローラR41,R42に沿うように、幅方向Xに沿って配設されている(図2(b)参照)。このように配設された第1及び第2シート搬送位置検出部171,172は、用紙Pの幅方向Xにおける一方の側端縁P3を検出できるように、搬送される用紙Pの最小幅(例えば、はがきサイズ)から最大幅(例えば、A3縦サイズ)までカバーできる長さに形成されている。なお、第1及び第2シート搬送位置検出部171,172は、CCDセンサとされていてもよい。
シート検出部180(具体的にはPINセンサ)は、用紙Pの有無(用紙Pが通過中か否か)を検出するようになっている。シート検出部180は、搬送方向Y1におけるレジスト前ローラR51,R52の下流側の近傍に配設されている。
次に、画像形成装置100における制御系の構成について図3を参照しながら以下に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100における制御系の概略構成に示すブロック図である。
画像形成装置100は、制御部101(具体的には中央処理装置)、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180を含む各種センサ部106をさらに備えている。制御部101は、前述した原稿読取装置108、光学ユニット90、画像形成部102及び用紙搬送系103の各駆動機構部(図示せず)をシーケンス制御により管理すると共に、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180を含む各種センサ部106の検出値に基づいて各部へ制御信号を出力するようになっている。
また、画像形成装置100は、操作部118、メモリ104及び画像データ通信ユニット105をさらに備えている。
操作部118、メモリ104及び画像データ通信ユニット105は、相互通信可能な状態で制御部101に接続されている。
操作部118は、ユーザやサービスマン等の操作者の入力操作による画像形成装置全体の各種設定情報や各機能を動作させるための情報、画像形成処理条件等の入力データを受け付けることにより、受け付けた入力データを制御部101に送信する。操作部118は、ここでは、画像形成装置100の外装カバーにおける正面上部に設けられた操作パネルとされている。操作部118には、ディスプレイ装置等の表示部119及び入力部116が設けられている(後述する図17も参照)。入力部116は、ここでは、複数の入力キー116aを有し、操作者によりキー入力操作可能なキー入力操作部とされている。また、表示部119は、入力部116からの入力内容や操作指示、メッセージ、或いは装置全体の動作状況を表示するようになっている。ここでは、表示部119の表示画面には、操作者による入力操作を受け付けるタッチパネルが設けられている。このタッチパネルは、入力部として作用する。
メモリ104には、画像形成装置100を制御するのに必要な各種制御情報が記憶される。具体的には、後述する画像書き込み位置の補正のための各種データがメモリ104に記憶される。
画像データ通信ユニット105は、画像情報及び画像制御信号などを、他のデジタル画像機器との情報通信を可能にするために設けられた通信ユニットである。
かかる構成を備えた画像形成装置100において、制御部101は、操作部118の操作によりユーザが設定入力した画像形成処理条件に従って画像形成処理制御を行うにあたり、用紙搬送系103を作動させることにより、用紙Pの先端P1をレジストローラR51,R52のニップ部N5に当接させ、シート検出部180の検出値に基づいて用紙Pの後端P2側を挟持したレジスト前ローラR41,R42を回転させて用紙Pを撓ませた状態で一旦停止させる。
(実施形態1)
制御部101は、用紙Pの用紙搬送位置に対する感光体ドラム3への画像書き込み位置を補正する補正モードとして、画像形成処理の速度向上を実現する高速補正モードと、画像書き込み位置の精度向上を実現するリニア補正モードとを備えている。
高速補正モードは、複数枚の用紙Pへの連続画像形成処理時に、複数枚の用紙Pのうち予め設定した枚数(1枚又は2枚以上)の用紙Pに対してシート搬送位置検出部170にて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出し、検出した用紙搬送位置に基づいて感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βaを決定し、決定した補正量βaに基づいて画像書き込み位置を補正し、補正後の画像書き込み位置に基づいて転写ニップ部N1に搬送した用紙Pへの画像形成処理を行い、予め設定した枚数の用紙Pの後に画像形成処理を行う他の用紙Pに対して補正後の画像書き込み位置に基づいて転写ニップ部N1に搬送した用紙Pへの画像形成処理を行う。
リニア補正モードは、複数枚の用紙Pへの連続画像形成処理時に、複数枚の用紙Pに対してシート搬送位置検出部170にて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出し、検出した用紙搬送位置に基づいて感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βbを決定し、決定した補正量βbに基づいて画像書き込み位置を補正し、補正後の画像書き込み位置に基づいて転写ニップ部N1に搬送した用紙Pへの画像形成処理を行う。
なお、制御部101では、画像書き込み位置の補正は、複数の給紙部80,…に対して夫々独立して行うようになっている。すなわち、制御部101は、複数段の給紙トレイ81や手差し給紙トレイ82などの給紙部単位で画像書き込み位置の補正を行い、各給紙部での画像書き込み位置の補正が他の給紙部での画像書き込み位置の補正に影響しないようになっている。また、メモリ104は、給紙部80,…ごとに設けられており、用紙Pが給紙される給紙部に対応するメモリ104に対して、後述する補正処理のデータ(具体的には、用紙搬送位置α0、補正量βaなど)が記憶される。
そして、制御部101は、予め設定した枚数の用紙Pへの検出による用紙搬送位置に基づいて決定した補正量βa(後述する図8(b)参照)に対する画像形成を行うときにシート搬送位置検出部170にて用紙搬送位置を検出した用紙P(給紙されて画像形成の態勢にある用紙P)への検出による用紙搬送位置に基づいて決定した補正量βb(後述する図9(b)参照)に応じて、高速補正モードとリニア補正モードとのうち何れか一方の補正モードに切り替える構成とされている。
なお、画像書き込み位置の補正量は、主搬送路76上における予め設定した枚数の用紙Pへの用紙搬送位置に対するシート搬送位置検出部170によって検出した用紙Pの用紙搬送位置のずれ量に基づいて決定される。また、画像書き込み位置の補正量は、ここでは、感光体ドラム3,…の同じ位置に同じ画像を書き込んだときに、これら用紙Pの表裏面に形成した画像のずれが所定値(例えば最大0.5mm)以下となるずれ量とされている。
本実施形態1では、制御部101は、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβが、予め設定した基準範囲F(例えば±0.5mm)にあるときは、高速補正モードに切り替える一方、基準範囲Fを超えている場合には、リニア補正モードに切り替える構成とされている。ここで、補正量βa,βbは、画像書き込み位置の補正処理に応じてメモリ104に記憶更新され、基準範囲Fは、メモリ104に予め記憶されている(図3参照)。なお、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaは、初期では製造時等で予め設定した初期値がメモリ104に記憶されている。
以上説明した画像形成装置100によれば、高速補正モードに切り替わる場合には、他の用紙Pの画像が形成されるべき画像形成位置に関して、予め設定した枚数の用紙Pに関するシート搬送位置検出部170の検出を利用するので、本実施の形態のような高速機においても複数枚の用紙Pに対して画像書き込み位置の補正を行いながら画像形成を行うことができる。これにより、本実施の形態のような高速機においても用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせを高速で精度良く行うことが可能となる。また、補正量βa,βbは、主搬送路76上における用紙Pに対する用紙搬送位置のずれ量に基づいて決定されるので、任意方向への画像書き込み位置の補正を行うことが可能となり、その結果、主搬送路76における用紙搬送位置の任意方向(例えば幅方向Xや搬送方向Y1への用紙搬送位置)へのずれ(ここでは幅方向Xへの用紙搬送位置のずれ)に対応することが可能となる。
しかも、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbに応じて、高速補正モードとリニア補正モードとのうち何れか一方の補正モードに切り替えるので、例えば、こすれ等の発熱による搬送ローラR31,R32、レジスト前ローラR41,R42及びレジストローラR51,R52等の膨張や、給紙トレイ81或いは手差し給紙トレイ82への用紙Pの継ぎ足し等により用紙搬送位置が大きくずれた場合に、リニア補正モードに切り替わることで、補正した画像書き込み位置が本来の(実際に検出した用紙搬送位置による)画像書き込み位置となり、これにより、用紙Pの用紙搬送位置が突発的に大きくずれても、用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせを精度良く行うことが可能となる。
ところで、用紙搬送位置の検出は、レジストローラR51,R52までの用紙Pの搬送による位置ずれの影響を考慮すると、レジストローラR51,R52の上流側でレジストローラR51,R52に近ければ近い程、精度良く検出することができる。しかし、従来の構成では、高速機において用紙搬送位置の検出がレジストローラの上流側で近すぎると、用紙搬送位置を検出する前に、感光体ドラムへの画像情報の書き込みを開始してしまうことになり、そうすると、感光体ドラムへの画像書き込み位置の補正を行うことができない。このため、用紙搬送位置をレジストローラの上流側の近傍で検出した後に、感光体ドラムへの画像情報の書き込みを開始させる必要があり、それだけ画像形成処理速度が低下する。
この点、本実施形態1では、シート搬送位置検出部170は、搬送方向Y1におけるレジストローラR51,R52の上流側の近傍において用紙搬送位置を検出する第1シート搬送位置検出部171と、搬送方向Y1における第1シート搬送位置検出部171の上流側において用紙搬送位置を検出する第2シート搬送位置検出部172とを備えているので、第1シート搬送位置検出部171は、高速補正モード及びリニア補正モードにおいて、搬送方向Y1におけるレジストローラR51,R52の上流側の近傍で用紙搬送位置を検出することができる。また、第2シート搬送位置検出部172は、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えの判断の前に、搬送方向Y1における第1シート搬送位置検出部171の上流側で用紙搬送位置を検出することができる。すなわち、第2シート搬送位置検出部172による用紙搬送位置の検出を搬送方向Y1における第1シート搬送位置検出部171の上流側で行うことで、感光体ドラム3,…への画像情報の書き込みを開始する前に、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbに応じた値を求めることができ、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えを感光体ドラム3,…への画像情報の書き込みを開始する前に行うことができる。そして、高速補正モードで用紙搬送位置を精度良く検出する観点から、本実施形態1のように、第1シート搬送位置検出部171による検出を搬送方向Y1におけるレジストローラR51,R52の上流側の近傍で行ったとしても、予め設定した枚数の用紙Pに関する第1シート搬送位置検出部171の検出を利用することで、第1シート搬送位置検出部171にて高速補正モードでの用紙搬送位置を検出する前に、感光体ドラム3,…への画像情報の書き込みを開始させることができ、それだけ高速補正モードでの画像形成処理速度の高速化を実現することが可能となる。
例えば、高速補正モードにおいて、1秒間にA4横の用紙Pを約2枚搬送するような高速搬送においても、レジストローラR51,R52で一旦停止した用紙Pに対して画像書き込み位置の補正量βaを容易にかつ確実に、余裕を持って決定することができる。
さらに、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えの判断に、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値を利用するので、差分値Δβを算出するといった簡単な演算構成で、差分値Δβの大きさ(程度)を、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えのトリガーとすることで、高速補正モードとリニア補正モードとのうち何れか一方に容易に切り替えることが可能となる。なお、基準範囲Fは、サービスシミュレーション等の設定モードにおいて設定変更できるようになっていてもよい。こうすることで、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えの程度(度合い)を、ユーザが要求する位置合わせ精度に合わせて設定することができる。
また、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側には、主搬送路76へ用紙Pを搬送する複数の給紙部80,…が設けられ、画像書き込み位置の補正は、複数の給紙部80,…ごとに独立して行われるので、複数の給紙部80,…がいずれの機能のものであっても、複数の給紙部80,…のそれぞれを区別して画像書き込み位置の補正を行うことが可能となり、その結果、いずれの給紙部80からの用紙Pに関係なく、それぞれの給紙部80に収納された用紙Pへの画像形成を適正に行うことが可能となる。
また、第1シート搬送位置検出部171は、レジストローラR51,R52により用紙Pを停止させた状態において用紙搬送位置の検出を行うので、主搬送路76上における用紙Pの搬送ぶれを無くした状態で用紙搬送位置の検出を行うことが可能となり、用紙Pの搬送ぶれによる用紙搬送位置のずれを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態1では、リニア補正モードにおいて、第1シート搬送位置検出部171の検出値を用いることが好ましいが、それに限定されるものではなく、高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えの判断に用いる第2シート搬送位置検出部172の検出値を利用してもよい。
(制御例1)
次に、本実施形態1に係る画像書き込み位置の補正処理(自動補正)の制御例1について図4から図11を参照しながら以下に説明する。なお、本制御例1では、用紙Pの用紙搬送位置のずれ量は、搬送方向Y1と直交する幅方向Xへの用紙Pの用紙搬送位置のオフセンタ量とされている。また、本制御例1では、リニア補正モードにおいて、第1シート搬送位置検出部171の検出値を用いる。
画像形成装置100の製造時に以下のようにして画像形成位置の初期設定を行う。まず、画像書き込み位置を初期基準位置(製造直後の、調整されていない状態での位置)にして用紙Pにテストパターンの画像情報190a(後述する図4参照)を画像形成(テスト印刷)する。
図4は、画像形成位置の初期設定を行うにあたり、画像書き込み位置を初期基準位置にして用紙Pに形成されたテストパターンの画像情報190aを示す概略平面図である。
図4に示すように、用紙Pのセンタ位置Cが、幅方向Xの一方側(図4では下方)にずれ、用紙Pが予め設定した用紙搬送位置(図4の実線参照)に対して、幅方向Xの一方側にずれて(図4の点線参照)用紙Pが搬送される場合、設定者は、第1シート搬送位置検出部171で用紙搬送位置α0を測定してメモリ104(図3参照)に記憶する。
図5は、画像形成位置の初期設定において決定する感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の基準調整量β0を説明するための説明図である。
用紙搬送位置α0をメモリ104に記憶した設定者は、テスト印刷を目視して、画像情報190aの画像書き込み位置と、用紙Pの画像が形成されべき画像形成位置とが合致するように(図5の点線に合わせて)、感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の基準調整量β0を決定して画像書き込み位置を調整し、画像形成位置の初期設定を終える。これにより、調整後の画像情報190bの画像書き込み位置(図5参照)が得られる。ここで、基準調整量は、初期基準位置からの変位量である。
なお、前記した画像形成位置の初期設定は、複数の給紙部80,…に対してそれぞれ個別に実施することができる。
複数の給紙部80,…は、既述したとおり、複数段の給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82を含む。これら複数の給紙部80,…に対して、前述の初期設定により用紙搬送位置α0と基準調整量β0がそれぞれ個別に設定される。そして、用紙Pに画像形成を行うときの画像書き込み位置の補正処理は、画像形成処理時に用紙Pを供給する給紙部に対応して設定された用紙搬送位置α0と基準調整量β0とを用いて実施する。なお、両面画像形成時の裏面への画像形成(再印刷)についても同様に実施することができる。
次に、本実施形態1に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例1について図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態1に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例を示すフローチャートである。また、図7は、図6に示すフローチャートにおけるステップS18の「補正量βa,βbの決定処理」のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、図6及び図7に示す制御例1において、給紙した用紙Pの枚数を示すnは1以上の整数である。
図6に示す制御例1のフローチャートでは、まず、画像形成装置100を起動して、操作部118の操作により、複数枚の用紙Pへの連続画像形成処理の画像形成(印刷)要求を受けると(ステップS1でYes)、制御部101は、装置の初期化工程(画像形成処理に関する初期化工程)を開始する(ステップS2)。例えば、感光体ドラム3,…では、帯電器5,…による帯電電位の調整や、クリーニング部4,…による感光体ドラム3,…表面のトナー汚れの除去といった初期化工程を開始する。
次に、制御部101は、1つの給紙トレイ81から1枚目の用紙Pを給紙し(ステップS3)、用紙枚数nを1とした後、主搬送路76に沿って搬送ローラR31,R32にて転写ローラ10と中間転写ベルト61との間の転写ニップ部N1に向けて搬送し、転写ニップ部N1に向かう用紙Pをシート検出部180によって検出した後、先端P1をレジストローラR51,R52に当接させ、後端P1側をレジスト前ローラR41,R42で挟持して一旦停止する。そして、シート検出部180によって用紙Pの検出を行ってから時間t3を経過するまで待機し(ステップS4:No)、時間t3を経過すると(ステップS4:Yes)、第1シート搬送位置検出部171によって1枚目(n=1)の用紙Pについて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出して初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=1)を測定し(ステップS5)、オフセンタ量αa(n)(n=1)をメモリ104に記憶する。オフセンタ量αa(n)は、初期設定時の用紙搬送位置α0と、測定した用紙搬送位置αdとの間の距離である(後述する図8(a)参照)。そして、装置の初期化工程が終了するまで待機し(ステップS6:No)、装置の初期化工程を終了すると(ステップS6:Yes)、ステップS7に移行する。
次に、制御部101は、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報(静電潜像)の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される1枚目の用紙Pの画像形成位置とが合致するように、ステップS5で測定した初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=1)に基づいて、1枚目(n=1)の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の第1シート搬送位置検出部171での補正量βaを決定する(ステップS7)。具体的には、補正量βaは[基準調整量β0]+[オフセンタ量αa(n)](n=1)の値である(図8(b)参照)。このとき、メモリ104の補正量βaを更新する。
ここで、ステップS5及びステップS7の処理に関して、図8を参照しながらさらに説明する。
図8は、制御例1において第1シート搬送位置検出部171により検出される画像情報190を示す概略平面図である。図8(a)は、制御例1において測定する測定用紙搬送位置のオフセンタ量αa(n)を説明するための図である。また、図8(b)は、制御例1において決定する感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βaを説明するための図である。
例えば、図8(a)に示すように、用紙Pのセンタ位置Cが、搬送方向Y1に対して幅方向Xの一方側(図8(a)では下方)にずれ、用紙Pが予め設定した用紙搬送位置(図8(a)の点線参照)に対して幅方向Xの一方側にずれて(図8(a)の一点鎖線参照)用紙Pが搬送されている場合、初期設定位置からのずれ量をオフセンタ量αa(n)(n=1)としてメモリ104に記憶する。そして、図8(b)に示すように、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報190の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される1枚目(n=1)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように(図8(b)の一点鎖線に合わせて)、感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βa(=β0+αa(n):n=1)を決定する。
そして、制御部101は、第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βaに基づいて画像形成(印刷)処理を開始する(ステップS8)。すなわち、ステップS7で決定した補正量βaに基づいて画像書き込み位置の補正を行い、レジストローラR51,R52及びレジスト前ローラR41,R42の駆動を再開して1枚目(n=1)の用紙Pの搬送を開始し、転写ニップ部N1において1枚目(n=1)の用紙Pへの画像形成を行う(印刷処理)。
次に、制御部101は、次の画像形成(印刷)があるか否かを確認し(ステップS9)、次の画像形成(印刷)がある場合には、用紙枚数nをインクリメントした後(n←n+1)、給紙部80から次の2枚目(n=2)の用紙Pを給紙し(ステップS10)、給紙した用紙Pを主搬送路76に沿って転写ニップ部N1に向けて搬送する。そして、第2シート搬送位置検出部172によって2枚目(n=2)の用紙Pについて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出して初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αb(n):n=2)を測定し(ステップS11)、オフセンタ量αb(n)(n=2)をメモリ104に記憶する。オフセンタ量αb(n)は、初期設定時の用紙搬送位置α0と、測定した用紙搬送位置αdとの間の距離である(図9(a)参照)。
ステップS11の後、制御部101は、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される2枚目(n=2)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように、ステップS11で測定した初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αb(n):n=2)に基づいて、2枚目(n=2)の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の第2シート搬送位置検出部172での補正量βbを決定する(ステップS12)。具体的には、補正量βbは[基準調整量β0]+[オフセンタ量αb(n)](n=2)の値である(図9(b)参照)。このとき、メモリ104の補正量βbを更新する。
ここで、ステップS11及びステップS12の処理に関して、図9を参照しながらさらに説明する。
図9は、制御例1において第2シート搬送位置検出部172により検出される画像情報190を示す概略平面図である。図9(a)は、制御例1において測定する測定用紙搬送位置のオフセンタ量αb(n)を説明するための図である。また、図9(b)は、制御例1において決定する感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βbを説明するための図である。
例えば、図9(a)に示すように、用紙Pのセンタ位置Cが、搬送方向Y1に対して幅方向Xの一方側(図9(a)では下方)にずれ、用紙Pが予め設定した用紙搬送位置(図9(a)の点線参照)に対して幅方向Xの一方側にずれて(図9(a)の一点鎖線参照)用紙Pが搬送されている場合、初期設定位置からのずれ量をオフセンタ量αb(n)としてメモリ104に記憶する。そして、図9(b)に示すように、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報190の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される2枚目(n=2)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように(図9(b)の一点鎖線に合わせて)、感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の補正量βbを決定する。
そして、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと、当該画像形成のときに第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβを算出し(ステップS13)、差分値Δβが基準範囲F内にあるか否かを判断する(ステップS14)。
差分値Δβが基準範囲Fを超えている場合には(ステップS14:No)、ステップS16に移行する一方、差分値Δβが基準範囲F内にある場合には(ステップS14:Yes)、ステップS7で決定した前回の1枚目(n−1:n=2)の用紙P(予め設定した枚数の用紙P)での第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βa(=β0+αa(n−1):n=2)に基づいて高速補正モードでの画像書き込み位置の補正を行い、高速補正モードでの補正後の画像書き込み位置に基づいて2枚目(n=2)の用紙に対して画像形成(印刷)処理を開始し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
次に、シート検出部180によって用紙Pの検出を行ってから時間t3を経過するまで待機し(ステップS16:No)、時間t3を経過すると(ステップS16:Yes)、第1シート搬送位置検出部171によって2枚目(n=2)の用紙Pについて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出して初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=2)を測定し(ステップS17)、オフセンタ量αa(n)(n=2)をメモリ104に記憶する。
ステップS17の処理の後、制御部101は、図7に示すステップS18のサブルーチンにおいて、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される2枚目(n=2)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように、ステップS17で測定した初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=2)に基づいて、2枚目(n=2)の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αa(n):n=2)を決定すると共に(ステップS181)、当該画像形成のときに検出した用紙Pでの第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βb(=β0+αa(n):n=2)を決定する(ステップS182)(図8(b)参照)。このとき、メモリ104の補正量βa,βbを更新する。そして、図6のステップS19に戻る。
次に、差分値Δβが基準範囲F内にあるか否かを判断し(ステップS19)、差分値Δβが基準範囲F内にある場合には(ステップS19:Yes)、ステップS9に移行する一方、差分値Δβが基準範囲Fを超えている場合には(ステップS19:No)、ステップS18で決定した現在の2枚目(n=2)の用紙P(当該画像形成のときに検出した用紙P)での第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βb(=β0+αa(n):n=2)に基づいてリニア補正モードでの画像書き込み位置の補正を行い、リニア補正モードでの補正後の画像書き込み位置に基づいて2枚目(n=2)の用紙Pに対して画像形成(印刷)処理を開始し(ステップS20)、ステップS9に移行する。
次に、制御部101は、次の画像形成(印刷)があるか否かを確認し(ステップS9)、次の画像形成(印刷)がある場合には、用紙枚数nをインクリメントした後(n←n+1)、給紙部80から次の3枚目(n=3)の用紙Pを給紙し(ステップS10)、給紙した用紙Pを主搬送路76に沿って転写ニップ部N1に向けて搬送する。そして、第2シート搬送位置検出部172によって3枚目(n=3)の用紙Pについて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出して初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αb(n):n=3)を測定し(ステップS11)、オフセンタ量αb(n)(n=3)をメモリ104に記憶する。
次に、制御部101は、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される3枚目(n=3)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように、ステップS11で測定した初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αb(n):n=3)に基づいて、3枚目(n=3)の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の第2シート搬送位置検出部172での補正量βb(=β0+αb(n):n=3)を決定する(ステップS12)。このとき、メモリ104の補正量βbを更新する。
そして、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと、当該画像形成のときに検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβを算出し(ステップS13)、差分値Δβが基準範囲F内にあるか否かを判断する(ステップS14)。
差分値Δβが基準範囲Fを超えている場合には(ステップS14:No)、ステップS16に移行する一方、差分値Δβが基準範囲F内にある場合には(ステップS14:Yes)、ステップS7で決定した前回の2枚目(n−1:n=3)の用紙P(予め設定した枚数の用紙P)での第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βa(=β0+αa(n−1):n=3)に基づいて高速補正モードでの画像書き込み位置の補正を行い、高速補正モードでの補正後の画像書き込み位置に基づいて3枚目(n=3)の用紙に対して画像形成(印刷)処理を開始し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
次に、シート検出部180によって用紙Pの検出を行ってから時間t3を経過するまで待機し(ステップS16:No)、時間t3を経過すると(ステップS16:Yes)、第1シート搬送位置検出部171によって3枚目(n=3)の用紙Pについて主搬送路76上における用紙搬送位置を検出して初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=3)を測定し(ステップS17)、オフセンタ量αa(n)(n=3)をメモリ104に記憶する。
ステップS17の処理の後、制御部101は、図7に示すステップS18のサブルーチンにおいて、感光体ドラム3,…上に顕像化される画像情報の画像書き込み位置と、画像形成を行うにあたって搬送される3枚目(n=3)の用紙Pの画像形成位置とが合致するように、ステップS17で測定した初期設定位置からのずれ量(オフセンタ量αa(n):n=3)に基づいて、3枚目(n=3)の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αa(n):n=3)を決定すると共に(ステップS181)、当該画像形成のときに検出した用紙Pでの第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βb(=β0+αa(n):n=3)を決定する(ステップS182)(図8(b)参照)。このとき、メモリ104の補正量βa,βbを更新する。そして、図6のステップS19に戻る。
次に、差分値Δβが基準範囲F内にあるか否かを判断し(ステップS19)、差分値Δβが基準範囲F内にある場合には(ステップS19:Yes)、ステップS9に移行する一方、差分値Δβが基準範囲Fを超えている場合には(ステップS19:No)、ステップS18で決定した現在の3枚目(n=3)の用紙P(当該画像形成のときに検出した用紙P)での第1シート搬送位置検出部171で検出した補正量βb(=β0+αa(n):n=3)に基づいてリニア補正モードでの画像書き込み位置の補正を行い、リニア補正モードでの補正後の画像書き込み位置に基づいて3枚目(n=3)の用紙Pに対して画像形成(印刷)処理を開始し(ステップS20)、ステップS9に移行する。
制御部101は、さらに4枚目以降の用紙Pについても同様に、ステップS9〜ステップS20の処理を繰り返し、用紙Pの用紙搬送位置に対する感光体ドラム3への画像書き込み位置の補正制御を行う。
なお、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS19,S20及び図7のステップS182の処理を削除し、ステップS14の処理の判断(No)とステップS16の処理との間に、ステップS12で決定した第2シート搬送位置検出部172での補正量βb(=β0+αb(n))に基づいてリニア補正モードでの画像書き込み位置の補正を行い、リニア補正モードでの補正後の画像書き込み位置に基づいて用紙Pに対して画像形成(印刷)処理を開始する処理を追加してもよい。
図10及び図11は、それぞれ、本制御例1における高速補正モード及びリニア補正モードにおいて、給紙ローラ11a,11aによる給紙ピックアップ検出に関するON/OFFと、シート検出部180による用紙検出に関するON/OFFと、感光体ドラム3,…へのレーザによる画像情報の書き込みタイミングのON/OFFと、レジストローラR51,R52の搬送駆動に関するON/OFFと、第1シート搬送位置検出部171の用紙搬送位置検出に関するON/OFFと、第2シート搬送位置検出部172の用紙搬送位置検出に関するON/OFFとの関係を示すタイミングチャートである。
図10及び図11に示す各時間t0〜t7は、次のとおりである。すなわち、時間t0は、第2シート搬送位置検出部172による用紙搬送位置検出からシート検出部180による用紙検出を行うまでの時間を示している。時間t1は、シート検出部180による用紙検出から画像書き込みを行うまでの時間を示している。時間t2は、画像書き込みからレジストローラR51,R52による用紙Pの搬送までの時間を示している。時間t3は、シート検出部180による用紙検出から第1シート搬送位置検出部171による用紙搬送位置検出までの時間を示している。時間t4は、2枚目以降のシート検出部180による用紙Pの後端P2の検出からレジストローラR51,R52による用紙搬送が停止するまでの時間を示している。時間t5は、レジストローラR51,R52による用紙搬送から給紙ローラ11a,11aによる給紙ピックアップを開始するまでの時間を示している。時間t6は、2枚目以降のシート検出部180による用紙検出から画像書き込みを行うまでの時間を示している。時間t7は、装置の初期化による時間t1に対する遅延時間を示している。時間t8は、1枚目の用紙Pに対するレジストローラR51,R52の停止期間を示している。時間t9は、2枚目以降の用紙Pに対するレジストローラR51,R52の停止期間を示している。
図10に示すように、本制御例1によれば、高速補正モードにおいて1枚目の用紙Pの検出値を利用するので、図11に示すリニア補正モードと異なり、2枚目以降の用紙Pに対して、感光体ドラム14へのレーザによる画像情報の書き込みを、第1シート搬送位置検出部171の用紙搬送位置の検出より早いタイミングで行っている。そのため、第1シート搬送位置検出部171の用紙搬送位置検出からレジストローラR51,R52の搬送駆動までのレジストローラR51,R52の停止期間t8,t9に関して、2枚目以降の用紙Pに対する停止期間t9を1枚目の用紙Pに対する停止期間t8をより短く設定することができる。また、1枚目の用紙Pに対する停止期間t8は装置自体の装置の初期化工程(起動時間)等と重複させることができ、1枚目の用紙Pに対する停止期間t8を有効利用することができる。また、2枚目以降の用紙Pに対して1枚目の用紙Pの検出値を利用するので、停止期間t9を長くとらなくてもよく、高速機に適している。
これに対して、図11に示すリニア補正モードでは、高速補正モードと異なり、第1シート搬送位置検出部171の用紙搬送位置の検出後に感光体ドラム3,…へのレーザによる画像情報の書き込みを行っているため、それだけ時間を要するものの、用紙Pの画像形成位置が本来の(実際に検出した用紙搬送位置による)画像書き込み位置となるため、用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせ精度をほぼ第1シート搬送位置検出部171の読み取り精度(例えば200dpiの読み取り精度で0.127mmの誤差)とすることができる。
そして、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbに応じた高速補正モードとリニア補正モードとの切り替えにより、用紙Pの用紙搬送位置が突発的に大きくずれても、用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせを精度良く行うことができる。
なお、本制御例1では、図10及び図11に示すように、全ての用紙Pに対して第1シート搬送位置検出部171による用紙搬送位置検出を行っているが、これに限定されるものではなく、必要とする任意の用紙Pに対して第1シート搬送位置検出部171による用紙搬送位置検出を行ってもよい。
(実施形態2)
ところで、レジストローラR51,R52で一旦停止したときの用紙Pの用紙搬送位置は、前後の用紙Pで必ずしも同じ位置にくるとは限らず、多少のずれが発生する可能性がある。本実施形態2は、この点を考慮し、順次搬送される用紙Pの用紙搬送位置の検出値を平均した平均値を求めることで、このような用紙Pごとの若干のずれを吸収し、より精度の高い画像書き込み位置の補正量を決定する。
本実施形態2では、制御部101は、実施形態1の構成において、高速補正モードで同一の給紙部80(例えば同一段の給紙トレイ81など)から搬送される予め設定した枚数の用紙Pに対する用紙搬送位置のずれ量を平均した平均値αavに基づき得られた算出値を画像書き込み位置の補正量βaとする構成とされているようになっている。
本実施形態2によると、高速補正モードで同一の給紙部80(例えば同一段の給紙トレイ81など)から搬送される予め設定した枚数の用紙Pのずれ量を平均した平均値αavに基づき得られた算出値を画像書き込み位置の補正量βaとすることで、簡単な演算構成で、用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせの精度を高めることが可能となる。
(制御例2)
次に、本実施形態2に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例2について図6及び図12を参照しながら以下に説明する。
本制御例2は、図6に示すフローチャートにおいて図7に示すサブルーチンに代えて、図12に示すサブルーチンを設けたものである。
図12は、本実施形態2に係る補正処理の制御例2の「補正量βa,βbの決定処理」のサブルーチンを示すフローチャートである。
なお、本制御例2において、図6に示すフローチャートとは異なる点を中心に説明する。
図12に示す「補正量βa,βbの決定処理」のサブルーチンでは、ステップS17の処理の後、制御部101は、オフセンタ量αa(n)を用いて、αav=(αa(1)+αa(2)+…+αa(n))/nを計算し(ステップS181a)、その計算結果である平均値αavに基づいて、n枚目の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αav)を決定すると共に(ステップS182a)、オフセンタ量αa(n)に基づいて、当該画像形成のときに検出した用紙Pでの補正量βb(=β0+αa(n))を決定する(ステップS183a)。このとき、メモリ104の補正量βa,βbを更新する。そして、図6のステップS19に戻る。
なお、対象となる枚数の用紙Pは、本制御例2に示すように連続して搬送される用紙Pに限定されるものではなく、例えば、奇数枚数や偶数枚数の1枚とびの用紙Pや、1枚から10〜30枚までの用紙P(後述する制御例3参照)や、2枚から8枚までの用紙Pや、任意設定された枚数の用紙Pなど任意に設定してもよい。
(実施形態3)
ところで、レジストローラR51,R52で一旦停止したときの用紙Pの用紙搬送位置は、時間とともに徐々にずれてくる可能性が高い。しかし、そのずれは前搬送の用紙Pと次搬送の用紙Pとで極端に異なることはない或いは殆どないが、例えば、1枚目と31枚目ではかなりずれている可能性がある。詳しくは、多数枚の連続画像形成(具体的には500枚を超えるような大量印刷)では、レジストローラR51,R52が用紙Pとの擦れによる発熱により熱膨張することが考えられ、この熱膨張等によって用紙搬送位置が徐々に変化する場合もあるから、最初の方の値を平均値の計算にいつまでも使っていると精度が悪くなる可能性がある。本実施形態3では、この点を考慮し、ある一定枚数ごとに、平均値の計算処理を初期化するようになっている。
本実施形態3では、制御部101は、実施形態2の構成において、平均値αavを予め設定した初期化枚数H(例えば30枚)の区分ごとに初期化する構成とされている。
本実施形態3によると、熱膨張等によって用紙搬送位置が徐々に変化することがあっても、平均値αavの精度の悪化を効果的に防止することができる。
(制御例3)
次に、本実施形態3に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例3について図6及び図13を参照しながら以下に説明する。
本制御例3は、図6に示すフローチャートにおいて図7に示すサブルーチンに代えて、図13に示すサブルーチンを設けたものである。
図13は、本実施形態3に係る補正処理の制御例3の「補正量βa,βbの決定処理」のサブルーチンを示すフローチャートである。
なお、本制御例3において、図6に示すフローチャートとは異なる点を中心に説明する。
本制御例3では、初期化枚数H(例えば30枚)はメモリ104に予め記憶されている(図3参照)。なお、初期化枚数Hは、サービスシミュレーション等の設定モードにおいて設定変更できるようになっていてもよい。
本制御例3では、初期化枚数Hは、30枚とされている。すなわち、本制御例3では、画像形成要求のあった画像形成枚数をH枚(=30枚)ごとに区分し、平均値αavの計算処理をH枚(=30枚)ごとに初期化するようになっている。
図13に示す「補正量βa,βbの決定処理」のサブルーチンでは、ステップS17の処理の後、制御部101は、用紙枚数nが一つの区分であるH枚(=30枚)を超えたか否かを判断し(ステップS181b)、超えていない場合(ステップS181b:No)には、オフセンタ量αa(n)を用いて、αav=(αa(1)+αa(2)+…+αa(n))/nを計算し(ステップS182b)、その計算結果である平均値αavに基づいて、n枚目の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αa(n))を決定すると共に(ステップS183b)、オフセンタ量αa(n)に基づいて、当該画像形成のときに検出した用紙Pでの補正量βb(=β0+αa(n))を決定する(ステップS184b)。このとき、メモリ104の補正量βa,βbを更新する。そして、図6のステップS19に戻る。
一方、ステップS181bで、用紙枚数nが一つの区分であるH枚(=30枚)を超えた(Hの倍数枚+1枚目の)場合には(ステップS181b:Yes)、用紙枚数nを1として直前(H枚目)の用紙Pの検出値であるαa(H)(H=30)をαa(n)(n=1)に代入する初期化処理の後(ステップS185b)、メモリ104に記憶している過去の履歴であるαa(1)〜αa(H)を消去し(0にし)、オフセンタ量αa(1)をメモリ104に記憶する。そして、オフセンタ量αa(1)(=αa(H))に基づいて、Hの倍数枚+1枚目の用紙Pに対して感光体ドラム3,…への画像書き込み位置の予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αa(1))を決定し(ステップS186b)、ステップS184bに移行する。このとき、メモリ104の補正量βaを更新する。そして、ステップS184bの処理の後、図6のステップS19に戻る。すなわち、ステップS186bの処理は、実質的にHの倍数枚目を新たな区分の1枚目と見なすものである。
なお、実施形態2及び実施形態3では、第1シート搬送位置検出部171により検出する全オフセンタ量αa(1),αa(2),・・・,αa(n)を用いてこれら全検出値の平均値αavを計算している。しかしながら、例えば、給紙トレイ81への給紙状態によりそのうち1枚だけが大きくずれて給紙された場合や、主搬送路76上の搬送中に用紙Pの搬送ずれが生じた場合、当該用紙Pへの第1シート搬送位置検出部171による検出値は、他の検出値と比較して大きく異なる値となる可能性が高い。そのため、この他の検出値と大きく異なる検出値とを、全検出値の平均値αavの対象とした場合、平均値αavが大きく異なる検出値のほうへシフトし、画像書き込み位置の補正量の精度が悪くなる。
そこで、実施形態2,3において、制御部101は、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと画像形成にあたって第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβが予め設定した基準範囲Fを超えている場合には、差分値Δβが基準範囲Fを超えている補正量βaにおける用紙搬送位置のずれ量は平均値のデータから除外する構成とされていることが好ましい。
図14は、制御例2,3の「平均値αavの計算処理」のサブルーチンにおいて、差分値Δβが予め設定した基準範囲Fを超えている場合には、基準範囲Fを超えている補正量βaにおける用紙搬送位置のずれ量は平均値のデータから除外するフローチャートである。
図14に示すように、「平均値αavの計算処理」のステップS181a,S182bでは、まず、合計の算出値である合計値αaにオフセンタ量αa(1)を代入し、変数i,jにそれぞれ「1」を代入する初期化処理を行う(ステップS186a)。
次に、変数iをインクリメントした後(i←i+1)(ステップS186b)、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βa(=β0+αa(i−1))と当該画像形成のときに第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βb(=β0+αa(i))との差分値Δβを算出し(ステップS186c)、差分値Δβが基準範囲F内にあるか否かを判断する(ステップS186d)。
差分値Δβが基準範囲Fを超えている場合には(ステップS186d:No)、ステップS186gに移行する一方、差分値Δβが基準範囲F内にある場合には(ステップS186d:Yes)、変数jをインクリメントした後(ステップS186e)、合計値αaにオフセンタ量αa(i)を加算する(ステップS186f)。
次に、変数iが用紙枚数nより小さいか否かを判断し(ステップS186g)、変数iが用紙枚数nより小さい場合には(ステップS186g:Yes)、ステップS186bに移行する。一方、変数iが用紙枚数nになると(ステップS186g:No)、平均値αav=(合計値αa)/jを算出する(ステップS186h)。
こうすることで、差分値Δβが基準範囲Fを超えている補正量βaにおける用紙搬送位置のずれ量を平均値のデータから除外して信頼性の低いデータを平均値のデータとして採用しないことで、平均値のデータの精度を高めることができ、それだけ、感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置の精度を高めることが可能となる。
(実施形態4)
ところで、本実施の形態のように複数の給紙部80,…が設けられている場合、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβが基準範囲Fを連続して超えている場合には、用紙Pを供給している給紙部80において用紙搬送位置に関する異常がある可能性が高い。
そこで、本実施形態4では、制御部101は、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaと画像形成にあたって第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbとの差分値Δβが、基準範囲Fを予め設定した規定枚数K(例えば3枚)において連続して超えている場合には、同一サイズ(用紙サイズの縦横の方向も含む。)の他の給紙部80(例えば、A4横通しの用紙Pを給紙する給紙部ではA4横通しの用紙Pを給紙する他の給紙部)から用紙Pを給紙し、差分値Δβが基準範囲Fを連続して超えた連続枚数Kのカウントをリセットする構成とされている。
本実施形態4によると、複数の給紙部80,…のうち、差分値Δβが基準範囲Fを規定枚数K(例えば3枚)において連続して超えている給紙部80からの給紙を、用紙サイズの方向が同方向で同一サイズの他の給紙部80から給紙に変更することで、複数の給紙部80,…の何れかにおいて用紙搬送位置に関する異常が発生することがあっても、用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせを精度よく行うことができる。しかも、差分値Δβが、基準範囲Fを規定枚数K(例えば3枚)において連続して超えている場合に連続枚数Kのカウントをリセットするので、高速補正モードによる画像形成(印刷)処理速度に戻すことが可能となる。
また、本実施形態4では、他の給紙部80から用紙Pを供給する場合において、他の給紙部80から用紙Pを供給する前に用紙Pを供給していた給紙部80を点検すべきことを報知する報知手段として、制御部101は、給紙部80を点検すべきことを、画像形成装置100に設けられた表示部119にメッセージで表示させる表示手段を備えている。こうすることで、ユーザは、差分値Δβが基準範囲Fを規定枚数K(例えば3枚)において連続して超えた給紙部80を点検すべきことを容易に認識することが可能となる。
(制御例4)
次に、本実施形態4に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例4について図15及び図16を参照しながら以下に説明する。
図15及び図16は、それぞれ、本実施形態4に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例4を示す前半部分及び後半部分のフローチャートである。
本制御例4のフローチャートは、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)においてステップS9の処理の判断(Yes)とステップS10の処理との間にステップS9a〜S9fの処理を設け、ステップS14の処理の判断(Yes)とステップS15の処理との間にステップS14aを、ステップS14の処理の判断(No)とステップS16の処理との間にステップS14bを設けたものである。
なお、図15及び図16に示す制御例4のフローチャートにおいて、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)と実質的に同じ処理には同一の参照符号を付し、異なる点を中心に説明する。
本制御例4では、規定枚数K(例えば3枚)はメモリ104に予め記憶されている(図3参照)。なお、規定枚数Kは、サービスシミュレーション等の設定モードにおいて設定変更できるようになっていてもよい。こうすることで、給紙部80の用紙搬送位置に関する点検すべき程度を変更することができる。
図15及び図16に示す制御例4において、ステップS2の初期化工程では、差分値Δβが基準範囲Fを連続して超えた連続枚数をカウントする変数kをリセット(変数kに「0」を代入)する。
そして、ステップS9aでは、変数kが規定枚数Kよりも小さいか否かを判断し、変数kが規定枚数Kよりも小さい場合には(ステップS9a:Yes)、ステップS10に移行する一方、変数kが規定枚数K以上の場合には(ステップS9a:No)、現在、給紙している給紙部80を点検すべきことを示すメッセージ(例えば“給紙部を点検して下さい”といったメッセージ)を操作部118(図17参照、メッセージは図示せず)における表示部119に表示し(ステップS9b)、複数の給紙部80,…のうち、現在、給紙している給紙部80と同一サイズ(用紙サイズの方向も含む)の他の給紙部80があるか否かを判断する(ステップS9c)。
同一サイズの他の給紙部がない場合には(ステップS9c:No)、ステップS10に移行する一方、同一サイズの他の給紙部がある場合には(ステップS9c:Yes)、変数kをリセット(変数kに「0」を代入)し(ステップS9d)、同一サイズの他の給紙部に切り替える(ステップS9e)。そして、他の給紙部に対応するメモリ104から補正量βaを読み出し(ステップS9f)、ステップS10に移行する。
また、ステップS14aでは、変数kをリセット(変数kに「0」を代入)し、(ステップS14bでは、変数kをインクリメントする(k←k+1)。
(実施形態5)
ところで、ユーザによっては、高速補正モードでの画像形成処理速度が達成できなくても感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置が本来の画像書き込み位置であるリニア補正モードを優先することが要求される場合がある。
よって、本実施形態5では、制御部101は、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbに応じて高速補正モードとリニア補正モードとのうち何れか一方のモードに切り替えるモード切り替え動作と、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって第2シート搬送位置検出部172にて用紙搬送位置を検出した用紙Pでの補正量βbに応じた値に関わらずリニア補正モードに切り替えるリニア補正モード優先動作とを選択可能とされている。
本実施形態5によると、感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置が本来の画像書き込み位置であるリニア補正モードを優先することが要求される場合には、ユーザがリニア補正モード優先動作を選択することで、感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置を、予め設定した枚数の用紙Pでの補正量βaに対する画像形成にあたって検出した用紙Pでの補正量βbに応じた値に関わらず、本来の画像書き込み位置とすることができる。従って、高速補正モードでの画像形成処理速度が達成できなくてもリニア補正モードの優先の要求に応えることが可能となる。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置100は、実施形態4と実施形態5とを組み合わせた構成としてもよい。
(制御例5)
次に、本実施形態5に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例5について図17から図19を参照しながら以下に説明する。
制御部101は、メモリ104(図3参照)に記憶された動作切り替え用メモリフラグFLの状態によってモード切り替え動作とリニア補正モード優先動作とのうち何れの選択かを認識するようになっている。
図17は、図1に示す画像形成装置100の操作部118における表示部119においてモード切り替え動作とリニア補正モード優先動作との選択を受け付ける動作選択画面を示す平面図である。
図17に示すように、モード切り替え動作とリニア補正モード優先動作との選択は、ここでは、サービスマンが所望の設定や選択を行うサービスシミュレーションモードにて行うようになっている。すなわち、表示部119に表示される動作選択画面において、動作切り替え用メモリフラグFLをモード切り替え動作に切り替える状態(例えば「0」)にする第1選択ボタンBT1、又は、動作切り替え用メモリフラグFLをリニア補正モード優先動作に切り替える状態(例えば「1」)にする第2選択ボタンBT2が画面へのユーザによるタッチ操作によって選択される。そして、実行キーEXEが操作されることで、第1選択ボタンBT1及び第2選択ボタンBT2のうち、反転表示状態のボタンの動作選択が確定される。なお、動作切り替え用メモリフラグFLは、初期ではモード切り替え動作に切り替える状態(例えば「0」)となっており、図17では、第1選択ボタンBT1が選択された状態を示している。
図18及び図19は、それぞれ、本実施形態5に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例5を示す前半部及び後半部分のフローチャートである。
本制御例5のフローチャートは、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)においてステップS10の処理とステップS11の処理との間にステップS10aの処理を設け、ステップS18の処理とステップS19の処理との間にステップS18aの処理を設けものである。
なお、図18及び図19に示す制御例5のフローチャートにおいて、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)と同じ処理には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図18及び図19に示す制御例5において、ステップS10aでは、リニア補正モード優先動作の選択か否かを判断し、リニア補正モード優先動作の選択でない場合、すなわちモード切り替え動作の選択である場合には(ステップS10a:No)、ステップS11に移行する一方、リニア補正モード優先動作の選択である場合には(ステップS10a:Yes)、ステップS16に移行する。
また、ステップS18aでは、リニア補正モード優先動作の選択か否かを判断し、リニア補正モード優先動作の選択でない場合、すなわちモード切り替え動作の選択である場合には(ステップS18a:No)、ステップS19に移行する一方、リニア補正モード優先動作の選択である場合には(ステップS18a:Yes)、ステップS20に移行する。
(実施形態6)
以上説明した第1から第5実施形態では、シート搬送検出部170を第1及び第2シート搬送検出部171,127の二つの検出部としたが、搬送方向Y1においてレジスト前ローラR41,R42の上流側にて用紙Pの用紙搬送位置を検出する一つの検出部としてもよい。
図20は、主搬送路76上における用紙Pの検出構成を説明するための説明図である。図20(a)は、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180の他の構成例を概略的に示す側面図であり、図20(b)は、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180の他の構成例を概略的に示す平面図である。
なお、図20において、図2に示す構成部材と同じ構成部材には同一の参照符号を付し、異なる点を中心に説明する。
図20(a)及び図20(b)に示すように、シート搬送位置検出部170は、搬送方向Y1におけるレジスト前ローラR41,R42の上流側の近傍に設けられてシート搬送位置を検出するようになっていている。
シート搬送位置検出部170は、レジスト前ローラR41,R42に搬送される用紙Pの用紙搬送位置を検出するようになっている。シート搬送位置検出部170は、搬送方向Y1におけるレジスト前ローラR41,R42の上流側の近傍に配設されている。シート搬送位置検出部170は、ここでは、搬送方向Y1と直交する用紙面に沿った幅方向Xへの予め設定した用紙搬送基準(センタ位置)Cからのずれ量(オフセンタ量)を検出する。
具体的には、シート搬送位置検出部170は、発光部170aと受光部170bとを備えている。シート搬送位置検出部170は、ここでは、ラインセンサを構成しており、一列のラインに並んだ各画素に対応する等倍レンズのアレイを使って結合させる方式を用いたラインセンサの発光部(具体的には発光側ラインセンサ)170a及び受光部(具体的には受光側ラインセンサ)170bからなるCIS(Contact Image Sensor)センサとされている。発光部170a及び受光部170bは、主搬送路76を間にして対峙しており(図20(a)参照)、かつ、レジスト前ローラR41,R42に沿うように、幅方向Xに沿って配設されている(図20(b)参照)。このように配設されたシート搬送位置検出部170は、用紙Pの幅方向Xにおける一方の側端縁P3を検出できるように、搬送される用紙Pの最小幅(例えば、はがきサイズ)から最大幅(例えば、A3縦サイズ)までカバーできる長さに形成されている。なお、シート搬送位置検出部170は、CCDセンサとされていてもよい。
図20に示す構成においても、高速補正モードに切り替わる場合には、他の用紙Pの画像が形成されるべき画像形成位置に関して、予め設定した枚数の用紙Pに関するシート搬送位置検出部170の検出を利用することで、高速機においても用紙P上の画像形成位置と感光体ドラム3,…上への画像書き込み位置との位置合わせを高速で精度良く行うことが可能となる。
[その他の実施形態]
(実施形態7)
実施形態1から実施形態6では、1つの画像形成(印刷)要求、すなわち1ジョブ内での処理であったが、本実施形態7では、連続する印刷要求、すなわち複数のジョブを連続して実行する。すなわち、通常、印刷要求が異なると、用紙Pのサイズや使用する給紙トレイが異なる可能性がある。そのため、このような場合を考慮し、実施形態1から実施形態6では1つの印刷要求ごとに処理を完結させている。
しかし、複数の印刷要求であっても、その複数の印刷要求を装置の動作を停止することなく連続して処理し、かつ、使用する給紙トレイも同じであった場合には、実施形態1から実施形態6の処理を、連続する印刷要求についてそのまま継続して実施しても何ら問題は生じない。
よって、本実施形態7では、この点を考慮し、制御部101は、複数の印刷要求を装置の動作を停止することなく連続して処理し、かつ、使用する給紙トレイも同じであった場合には、連続する印刷要求についてそのまま継続して実施する構成とされている。こうすることで、複数の印刷要求においても印刷処理速度の向上を実現できる。
(制御例7)
次に、本実施形態7に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例7について図21を参照しながら以下に説明する。
図21は、実施形態1から実施形態6に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例1から制御例6において制御例7を行うフローチャートである。
図21に示すフローチャートでは、複数の印刷要求がされている場合において、制御部101は、現在の印刷処理が同じ1つの印刷要求、すなわち同一ジョブの印刷処理であるか否かを常に監視する(ステップS41:Yes)。一方、一つのジョブの印刷処理を終了し、次のジョブの印刷処理を実行する場合には(ステップS41:No)、次のジョブの処理が前のジョブの処理終了から、装置を停止することなく連続して実施される連続印刷であるか否かを判断する(ステップS42)。連続印刷である場合には(ステップS42:Yes)、次に、給紙する給紙トレイが一つ前のジョブで使用していた給紙トレイと同じトレイであるか否かを判断する(ステップS43)。
そして、給紙トレイが同じである場合には(ステップS43:Yes)、制御部101は、一つ前のジョブで実施していた制御例1から制御例6のいずれかの処理を次のジョブについてもそのまま継続して実施する(ステップS44)。
一方、ステップS42で連続印刷でなく(ステップS42:No)、ステップS43で同じ給紙トレイでもない場合には(ステップS43:No)、次の印刷要求に対して、制御例1〜6のいずれかの処理を最初から実施する(ステップS45)。つまり、ステップS45では画像形成装置100の印刷処理の初期化が行われる。
(実施形態8)
実施形態1から実施形態7に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例1から制御例7は、特に限定していないが印刷モードが片面印刷の場合の制御例である。しかし、印刷モードには片面印刷の他に両面印刷のモードも存在する。同じ用紙Pでも、両面とも何も印刷されていない最初の用紙Pと、片面に印刷された状態の用紙Pとでは、レジストローラR51,R52に挟持されるときの接触状態が異なるため、レジストローラR51,R52に当接して停止するときの用紙搬送位置が異なる可能性がある。
そのため、本実施形態8では、この点を考慮し、制御部101は、印刷モードが両面印刷の場合には、用紙Pの印刷面(表面側と裏面側)ごとに、画像書き込み位置の補正を印刷面ごとに決定する。これにより、両面印刷の場合でも、用紙Pへの印刷状態(表面側印刷の場合と裏面側印刷の場合)に対応して、画像書き込み位置の補正を精度良く決定することが可能となる。
すなわち、制御部101は、表面側印刷の場合には、表面側を印刷したときにシート搬送位置検出部170にて検出し、メモリ104に記憶された表面側印刷時の検出値のみを用いて補正処理を行い、裏面側印刷の場合には、裏面側を印刷したときにシート搬送位置検出部170にて検出し、メモリ104に記憶された裏面側印刷時の検出値のみを用いて補正処理を行う。
(実施形態9)
ところで、実施形態1から実施形態8に係る画像書き込み位置の補正処理では、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理において、連続印刷処理を始めてから給紙部80から用紙PをレジストローラR51,R52に搬送しているが、これに限定されるものではなく、連続印刷処理前から用紙PをレジストローラR51,R52に搬送してもよい。
よって、本実施形態9では、制御部101は、複数の給紙部80,…のうち画像書き込みを行うための給紙部が選択され、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理において、連続印刷処理前に、選択された給紙部80から用紙PをレジストローラR51,R52に搬送する構成とされている。
本実施形態9によると、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くした状態で、所望されない用紙Pへの印刷を避けるとともに、用紙Pの無駄な排出を抑えることができる。
具体的には、制御部101は、連続印刷処理前、すなわち画像書き込み前に、選択された給紙部(例えば、図1に示す最上段の給紙トレイ81)から用紙Pを給紙ローラ11aによりピックアップし、主搬送路76を経由してレジストローラR51,R52に搬送し、レジストローラR51,R52のニップ部N5に当接させ、レジスト前ローラR41,R42に挟持した状態で停止させる(待機させる)。
なお、複数の給紙部80,…からの給紙部の選択は、画像書き込みを行うべく画像対象の原稿サイズおよびその倍率設定に基づいて行われている。もしくは、画像形成装置100がLANなどでPCなどの外部機器と接続され、この外部機器から遠隔入力された指示内容に基づいて行われている。もしくは、ユーザが外部入力を行う操作手段(図17に示す操作部118など)から入力された指示内容に基づいて行われている。給紙部80の選択には、給紙部80を更新した際に、更新を行った給紙部80を選択することも含まれる。ここで、給紙部80の更新とは、給紙部80に収納する用紙Pの変更や補充など給紙部80に収納する用紙Pの情報が変更になったときに給紙部80の設定変更(リセット)を行うことをいう。例えば、給紙部80に収納した用紙Pが無くなり、給紙部80に用紙Pを補充するために給紙部80を装脱することなどをいう。
(制御例9)
次に、本実施形態9に係る補正処理の制御例9について図22から図25を参照しながら以下に説明する。
図22及び図23は、それぞれ、実施形態9に係る画像書き込み位置の補正処理の制御例9を示す前半部分及び後半部分のフローチャートである。
本制御例9のフローチャートは、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)においてステップS1の処理の前にステップS101の処理を設け、ステップS7の処理とステップS8の処理との間にステップS7a〜S7dの処理を設けたものである。
なお、図22及び図23に示す制御例9のフローチャートにおいて、図6に示すフローチャート(制御例1〜3)と同じ処理には同一の参照符号を付し、異なる点を中心に説明する。
用紙Pの画像形成位置の初期設定は、複数の給紙部80,…に対してそれぞれ個別に実施する必要がある。そこで、複数の給紙部80,…に対して、前述した初期設定により用紙搬送位置α0と基準調整量β0がそれぞれ個別に設定される。そして、用紙Pの画像書込み位置の補正処理は、印刷処理時に用紙Pを供給する給紙部80に対応して設定された用紙搬送位置α0と基準調整量β0とを用いて実施する。
図22に示すフローチャートでは、画像書き込みを行うために画像形成装置100を起動すると、給紙部80の選択をユーザが行い(ステップS101)、制御部101が装置の初期化工程(印刷処理に関する)を開始する(ステップS2)。もしくは、ユーザが給紙部80の更新を行い(ステップS101)、制御部101が装置の初期化工程(印刷処理に関する)を開始する(ステップS2)。ここでは、ステップS101において、図1に示す最上段の給紙トレイ80を選択するとする。
ステップS7aでは、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理の印刷要求を待機した状態で、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理の印刷要求がない場合(ステップS7a:No)、継続して予め設定した時間(後述する図24に示す時間t10)印刷要求を待つ(ステップS7b)。そして、印刷要求がない状態で設定時間t10を過ぎると(ステップS7b:Yes)、レジストローラR51,R52で待機している用紙Pを排出トレイ91に搬送(排出)して(ステップS7d)、ステップS101に移行する。また、ステップS7bで設定時間t10を過ぎる前に(ステップS7b:No)印刷要求があり(後述する図25に示す時間t11)、さらに、選択された給紙部80が他の給紙部80に変更された場合(ステップS7c:Yes)、レジストローラR51,R52で待機している用紙Pを排紙トレイ33に搬送(排出)して(ステップS7d)、ステップS101に移行する。また、ステップS7cにおいて給紙部80の変更を行わない場合(ステップS7c:No)、ステップS8に移行する。
一方、ステップS7aにおいて複数枚の用紙Pへの連続印刷処理の印刷要求があると(ステップS7a:Yes)、そのままステップS8に移行する。
図24及び図25は、給紙ローラ11a,11aによる給紙ピックアップ検出に関するON/OFFと、シート検出部180による用紙検出に関するON/OFFと、感光体ドラム3,…へのレーザによる画像情報の書き込みタイミングのON/OFFと、レジストローラR51,R52の搬送駆動に関するON/OFFと、第1シート搬送位置検出部171の用紙搬送位置検出に関するON/OFFとの関係を示すタイミングチャートである。
具体的には、図24は、ステップS7bにおいて印刷要求がない状態で予め設定した時間t10を超えた場合のタイミングチャートである。図25は、ステップS7bにおいて印刷要求がない状態で予め設定した時間t10を超えない時間t11内で、ステップS7cにおいて給紙部80の変更が無い場合のタイミングチャートである。
また、図24に示す時間t10は、印刷要求を待つ最大時間(上限時間)を示している。図25に示す時間t11は、印刷要求を検出するまでの時間t1に対する遅延時間を示している。なお、各時間t1〜t9は、図10及び図11に示すタイミングチャートと同じである。
本制御例9では、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流に設けられてレジストローラR51,R52へ用紙Pを搬送する複数の給紙部80,…のうち、画像書き込みを行うために選択された給紙部80(本制御例9では最上段に選択された給紙トレイ81)からレジストローラR51,R52に搬送される複数枚の用紙Pへの連続印刷理前に、選択された給紙部80(本制御例9では最上段に選択された給紙トレイ81)からレジストローラR51,R52に用紙Pが搬送される。これにより、印刷要求後に1枚目の用紙Pを給紙する場合と比較して、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くすることができる。
また、本制御例9では、給紙部80を更新した場合、連続印刷処理前に更新を行った給紙部80から用紙PがレジストローラR51,R52に搬送されるので、更新を行った給紙部80に対する複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くすることができる。
また、本制御例9では、給紙部80を変更した際、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pは排出トレイ91に排出されるので、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くした状態で、所望されない用紙Pへの印刷を避けることができる。
また、本制御例9では、予め設定した時間t10経過後、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pは排出トレイ91に排出されるので、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くした状態で、所望されない用紙Pへ印刷を避けることができる。
また、本制御例9では、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pは、連続印刷処理前に搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の下流側に搬送されて排出トレイ33に排出されるので、複数枚の用紙Pへの連続印刷処理時の1枚目の給紙を早くした状態で、所望されない用紙Pへの印刷を避けることができる。
なお、本制御例9では、選択される給紙部80を変更する場合や、ステップS7bにおいて設定時間t10を過ぎた場合、レジストローラR51,R52に搬送された用紙Pを排出トレイ91に排出しているが、これに限定されるものではなく、用紙PをレジストローラR51,R52以外に搬送する形態であれば、以下に示す形態であってもよい。
すなわち、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pを、搬送方向Y1においてレジストローラR51,R52の上流側に排出して、用紙Pを搬送した給紙部80にもどしてもよい。また、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pを、給紙した給紙部以外の他の給紙部に搬送してもよい。また、連続印刷処理前にレジストローラR51,R52に搬送された用紙Pを、用紙Pの両面に画像を印刷するための再給紙部に搬送してもよい。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置100は、実施形態4から実施形態9のうち少なくとも二つを組み合わせた構成としてもよい。
(直接転写方式の画像形成装置について)
以上説明した実施形態1から実施形態9では、複数の感光体ドラムを用いて用紙Pに対して多色や単色の画像を形成するカラータンデム方式(中間転写方式)の画像形成装置100を用いているが、これに限定されるものではなく、直接転写方式の画像形成装置であってもよい。
図26は、本実施形態に係る直接転写方式の画像形成装置201の全体構成を示す側面図である。
図26に示す画像形成装置201は、例えば、コピー、プリンタ、スキャナ、ファックスの各モードを有するデジタル画像形成装置であり、前面側に操作パネル210が設けられている。
画像形成装置201の上面には硬質透明ガラス体の原稿台211が配置されており、原稿台211の上方に自動原稿送り装置212が、原稿台211の下方に光学ユニット213がそれぞれ配設されている。
光学ユニット213の下方には、用紙に画像を形成するための画像形成系が設けられ、この画像形成系では、表面が光導電性材料により構成された静電潜像担持体として作用する感光体ドラム214(像担持体の一例)が回転自在に支持されている。この感光体ドラム214の周囲には、帯電器215、現像器216、転写ユニット217及びクリーナ218が感光体ドラム214の周面に対向した状態で配置されている。
かかる構成の画像形成装置201において、操作パネル210の操作によって画像形成プロセスの開始が指示されると、光学ユニット213が原稿台211に載置された原稿の画像面を走査し、光学ユニット213内のコピーランプからの光の原稿画像面における反射光が感光体ドラム214の表面に照射される。
感光体ドラム214の表面は、原稿からの反射光の照射に先立って、帯電器215により単一極性の電荷が均一に帯電されており、原稿からの反射光の照射による光導電作用によって感光体ドラム214の表面に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム214の表面には、現像器216からトナーが供給され、静電潜像が現像剤画像に顕像化される。
感光体ドラム214の下流側には、加熱ローラ及び加圧ローラからなる定着ユニット220が配置されている。この定着ユニット220と感光体ドラム214との間には、転写ユニット217の転写ベルト250とペーパーガイド219とが配設されており、転写ベルト250とペーパーガイド219とによって、感光体ドラム214から定着ユニット220までの用紙定着搬送路が形成されている。
画像形成装置201の側面には、排紙トレイ233が設けられており、定着ユニット220と排紙トレイ233との間に排紙搬送路222が形成されている。排紙搬送路222の一部は、分岐ゲート225を介して感光体ドラム214の下方に配設された自動両面給紙装置223に連続する再搬送路224に分岐している。
画像形成装置201の下部には、画像形成装置201の前面側から着脱自在に装着される複数(ここでは4つ)の給紙カセット226,…(シート供給部の一例)が設けられている。各給紙カセット226,…はそれぞれ異なるサイズの用紙を収納しており、感光体ドラム214の回転に先立って、複数の給紙カセット226,…のいずれか1つの給紙カセット226からの用紙が給紙ローラ227を介して給紙される。給紙された用紙は、共通搬送路228を経由して搬送ローラR31,R32にて感光体ドラム214の方向に搬送され、後端側をレジスト前ローラR41,R42で挟持し、先端をレジストローラR51,R52に当接して停止する。この部分の構成は、図27に示す構成と同じである。また、レジストローラR51,R52とレジスト前ローラR41,R42の動作タイミングも図28に示した動作タイミングと同じであり、レジストローラR51,R52により、用紙を感光体ドラム14による後述する画像形成部位(転写ニップ部)に搬送する用紙搬送路上での用紙の搬送および搬送停止が行なわれる。
また、画像形成装置201は、大容量給紙ユニット(LCC)260(シート供給部の一例)を備えている。大容量給紙ユニット260の構造の詳細は省略するが、大容量給紙ユニット260から給紙された用紙は、搬送ローラR31,R32の手前で共通搬送路228に合流するユニット側搬送路261を経由し、搬送ローラR31,R32にて感光体ドラム214の方向に搬送され、後端側がレジスト前ローラR41,R42で挟持され、先端がレジストローラR51,R52に当接して停止する。
また、画像形成装置201における用紙搬送路は、排紙搬送路221、用紙定着搬送路222、再搬送路224、共通搬送路228、主搬送路229、及びユニット側搬送路261から構成されている。
レジストローラR51,R52は、感光体ドラム214の回転に同期して回転し、用紙を感光体ドラム214と転写ユニット217との間の転写ニップ部に導く。転写ニップ部に導かれた用紙は、転写ユニット217のコロナ放電を受け、感光体ドラム214の表面に担持されたトナー像が用紙の表面に転写される。
トナー像が転写された用紙は、転写ベルト250及びペーパーガイド219に沿って定着ユニット220に搬送され、定着ユニット220において加熱及び加圧を受け、用紙の表面に現像剤画像が溶融して定着する。
用紙の片面に画像を印刷する片面印刷モード時には、定着ユニット220を通過した用紙は排紙搬送路222を経由して排紙ローラ231により排紙口232から排紙トレイ233上に排出される。このとき、排紙ローラ231は、図示しない排紙ローラ駆動部によって用紙搬送方向に往復駆動される。
用紙の両面に画像を印刷する両面印刷モード時には、排紙搬送路222の一部に分岐ゲート225が露出し、定着ユニット220を通過した用紙は、搬送ローラ234を備えた再搬送路224を経由して自動両面給紙装置223に搬送される。自動両面給紙装置223に搬送された用紙は、再給紙ローラ235により前後を反転した状態で給紙され、再搬送ローラ236により共通搬送路228を経由して表裏面を反転した状態で再度感光体ドラム214の方向に搬送され、先端がレジストローラR51,R52に当接され、その後端がレジスト前ローラR41,R42で挟持されて停止する。
以上説明した直接転写方式の画像形成装置201においても、シート搬送位置検出部170及びシート検出部180を図2や図20に示すような構成とすることで、前記した実施形態1から実施形態9の構成を適用することができる。