JP2010262023A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分離爪による回転体の摩耗や傷に伴う画質低下等、回転体の性能低下を生じさせることのない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】用紙を密着させて搬送する、円筒状回転体、又は無端ベルト状回転体のいずれかの回転体と、用紙を分離する分離爪と、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、前記回転体の表面の損傷状態を検出する光センサと、前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるシフト手段と、前記光センサが前記回転体の表面における損傷状態に異常を検出したとき、前記シフト手段を動作させて前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図4
【解決手段】用紙を密着させて搬送する、円筒状回転体、又は無端ベルト状回転体のいずれかの回転体と、用紙を分離する分離爪と、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、前記回転体の表面の損傷状態を検出する光センサと、前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるシフト手段と、前記光センサが前記回転体の表面における損傷状態に異常を検出したとき、前記シフト手段を動作させて前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図4
Description
本発明は、感光体ドラム、中間転写体、定着装置等に用いられる円筒状回転体、又は円筒状回転体に巻回される無端ベルト状回転体と、その回転体に密着して搬送される用紙を分離するための分離爪を有する画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びそれらの機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置においては、一般に感光体ドラム、中間転写体、定着装置等に、円筒状回転体、又はそれに巻回される無端ベルト状回転体が用いられている。これらの円筒状回転体、又はそれに巻回される無端ベルト状回転体のいずれかの回転体に対し、画像形成又は定着を目的として用紙を密着させて処理する場合がある。また、密着した用紙を剥がすため、回転体に接触して配設される分離爪を用いる場合がある。
分離爪は、前記いずれかの回転体(以下、単に回転体ともいう)に接触して用いられるため、長く用いた場合、回転体の表面に摩耗や傷を生じさせる。回転体の表面の摩耗や傷は、画像形成や定着等の性能を低下させる。摩耗や傷が一箇所に集中して発生することを防止するため、分離爪を回転体の回転軸方向に往復移動させる技術が一般に用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、回転体の回転軸方向に複数配設される分離爪が、回転軸方向に往復移動し、用紙サイズに対応する位置の分離爪が回転体に接触し、それ以外の分離爪は離間しているという構成を有するものである。
然るに、分離爪が回転軸方向に往復移動することにより摩耗や傷が集中することは避けられるが、長時間経過後には、分離爪の往復移動範囲での回転体の摩耗や傷が大きくなり、回転体の画像形成や定着の性能を低下させる。
この問題の対策として、分離爪の位置を徐々にずらしていくという技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の技術は、分離爪を回転体に対し、用紙搬送のタイミングに合わせて接離させ、その接離の動作を利用して分離爪の位置を回転体の回転軸方向に徐々にずらしていくという構成を有するものである。
しかしながら、使用される用紙には種々のサイズがあるため一般に複数の分離爪が用いられており、全てのサイズの用紙に対して分離爪の位置を一様にずらしていくという構成では、用紙幅との関係で、ずらす範囲が制限される。また、用紙のサイズ毎に使用頻度が異なるという問題もあり、使用頻度の少ないサイズの用紙に対しては移動が不要という問題もある。更に、使用頻度の高い用紙を対象に移動しても、分離爪を移動する速度と回転体の性能との対応が難しいという問題がある。即ち、分離爪の移動速度が遅いと回転体の傷や摩耗が大きくなって性能が悪くなり、移動速度を速くすると移動量が大きくなり過ぎ、用紙分離のための分離爪の用紙に対する位置を適切に保つことが難しくなるという問題である。
また一方では、分離爪の位置で分離される用紙が、正規の用紙搬送路を通らずに用紙先端が分離爪の先端に衝突したり、分離爪付近でジャムを生じたりする衝撃で、分離爪を回転体に突き当てて傷を生じさせることがある。この用紙の給送不良に起因する回転体の傷は、精細な画像やハーフトーン画像に影響を及ぼすもので、対策が必要である。
本発明者らは、上記したような回転体の傷や摩耗を検出し、傷や摩耗の程度が画像に影響を及ぼすレベルになる前に対処しうる構成を有する画像形成装置を提供することを課題とした。回転体の傷や摩耗を検出する構成として、最初に光センサを用いる構成に着目して実験を進めた。然るに、光センサによる検出手段は、分離爪が回転体表面を揺動しながら擦過する傷や摩耗に対しては適切に検出できるが、前述した給送不良に起因する回転体の傷は形状が鋭利で周方向の長さが短いため検出が困難であることが判明した。そこで、本発明者らは、回転体表面の傷や摩耗を検出する手段として、光センサにより回転体の表面を直接監視する方法と、表面状態を直接監視せずに分離爪に起因する給送性から推測するという方法を考案した。ここでの給送性とは、本来、分離爪の位置で分離される用紙Pが、正規の用紙搬送路を通らずに用紙先端が分離爪の先端に衝突したり、分離爪付近でジャムを生じたりするという給送不良に関するものである。前述したように、用紙Pが分離爪に突き当たると、その衝撃で分離爪が回転体5に傷を生じさせることがあり、この傷は細かなものが多く、精細な画像等に影響を及ぼすものである。
本発明者らは、この光センサで検出できない細かな傷は上記の給送不良により発生することが多いことに着目した。そこで、実験を通じて、この給送不良が発生する回数の頻度をカウントし、その頻度と回転体への画質に影響する傷のレベルとに相関関係があることを把握した。即ち、予め画像に影響を与える給送不良の頻度の基準値を実験に基づいて設定し、発生する給送不良の回数のカウント数がこの基準値に達したときに対策を施せば、画像に影響する傷の発生を抑制できることを確認した。
本発明の目的は、上記したような問題を解決し、分離爪による回転体の摩耗や傷の発生を起因とする画質低下等、回転体の性能低下を生じさせることのない画像形成装置を提供することにある。
前記目的は下記の発明により達成される。
1.用紙を密着させて搬送する、円筒状回転体、又は円筒状回転体に巻回される無端ベルト状回転体、のいずれかの回転体と、
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して該用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
前記回転体の表面に対向する位置に配設され、前記回転体の表面の損傷状態を検出する光センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるシフト手段と、
前記光センサが前記回転体の表面における損傷状態に異常を検出したとき、前記シフト手段を動作させて前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して該用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
前記回転体の表面に対向する位置に配設され、前記回転体の表面の損傷状態を検出する光センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるシフト手段と、
前記光センサが前記回転体の表面における損傷状態に異常を検出したとき、前記シフト手段を動作させて前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
2.前記光センサは、前記回転体の長さと略同一の長さを有するラインセンサであることを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
3.前記光センサは、前記回転体の回転軸方向に移動可能に配設されるセンサ移動手段に保持され、前記回転体の回転軸方向における一部の部位に対して表面の損傷状態の異常を検出するポイント検出タイプのセンサからなり、
前記センサ移動手段の回転軸方向への移動に伴い、前記回転体の長さと略同一の長さを移動しながら前記回転体の表面の損傷状態の異常を検出することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
前記センサ移動手段の回転軸方向への移動に伴い、前記回転体の長さと略同一の長さを移動しながら前記回転体の表面の損傷状態の異常を検出することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
4.前記分離爪往復移動手段は、前記分離爪を前記回転体に対して接離しうる分離爪接離手段を有し、
前記制御手段は、メモリを内蔵しており、
前記制御手段は、前記光センサが、前記回転体の回転軸方向における表面の損傷状態に異常を検出するとき、異常を検出した位置を前記メモリに記憶させておき、
前記分離爪が前記回転体に接触しながら前記往復移動領域を往復移動する場合であって、
前記分離爪が前記回転体の表面の回転軸方向における損傷状態の異常を検出した領域に達するとき、
前記制御手段は、前記分離爪接離手段に指令を発し、前記分離爪が異常を検出した領域に進入してから通過するまでの間、前記分離爪を前記回転体の表面から離間させるように制御することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御手段は、メモリを内蔵しており、
前記制御手段は、前記光センサが、前記回転体の回転軸方向における表面の損傷状態に異常を検出するとき、異常を検出した位置を前記メモリに記憶させておき、
前記分離爪が前記回転体に接触しながら前記往復移動領域を往復移動する場合であって、
前記分離爪が前記回転体の表面の回転軸方向における損傷状態の異常を検出した領域に達するとき、
前記制御手段は、前記分離爪接離手段に指令を発し、前記分離爪が異常を検出した領域に進入してから通過するまでの間、前記分離爪を前記回転体の表面から離間させるように制御することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
5.用紙を密着して搬送する、円筒状回転体、又は円筒状回転体に巻回される無端ベルト状回転体、の回転体と、
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して前記用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
用紙搬送方向における前記分離爪の上流側及び下流側に配設される、用紙搬送異常を検知するための少なくとも2つの用紙検知センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせることが可能なシフト手段と、
前記2つの用紙検知センサ間に検出される用紙搬送異常が発生する回数をカウントするカウンタと、
前記カウンタによる前記用紙搬送異常の発生回数の頻度が予め設定した基準値を超えるとき、前記シフト手段により前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して前記用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
用紙搬送方向における前記分離爪の上流側及び下流側に配設される、用紙搬送異常を検知するための少なくとも2つの用紙検知センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせることが可能なシフト手段と、
前記2つの用紙検知センサ間に検出される用紙搬送異常が発生する回数をカウントするカウンタと、
前記カウンタによる前記用紙搬送異常の発生回数の頻度が予め設定した基準値を超えるとき、前記シフト手段により前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
6.前記往復移動領域は、シフトされる前後のそれぞれの前記往復移動領域の位置が互いに重ならないように設定されていることを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
7.画像形成装置は、前記往復移動領域のシフトへの移行を指示する爪位置移動表示部と、前記往復移動領域のシフト動作を開始させる爪位置移動ボタンと、を有し、
前記爪位置移動表示部は前記制御手段により制御され、
前記制御手段は、前記爪位置移動表示部に前記往復移動領域のシフトへの移行を指示する表示を出させ、
前記爪位置移動ボタンのオン動作により前記往復移動領域のシフトが開始されることを特徴とする前記1から6に記載の画像形成装置。
前記爪位置移動表示部は前記制御手段により制御され、
前記制御手段は、前記爪位置移動表示部に前記往復移動領域のシフトへの移行を指示する表示を出させ、
前記爪位置移動ボタンのオン動作により前記往復移動領域のシフトが開始されることを特徴とする前記1から6に記載の画像形成装置。
8.前記往復移動領域のシフトへの移行が、前記制御手段により自動的に行われることを特徴とする前記1から6に記載の画像形成装置。
本発明の構成により、分離爪を備えた感光体ドラム、中間転写体、定着ローラ等を長時間使用しても、分離爪に起因する傷や摩耗による画像への影響を防止することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図1を基にして説明するが、本発明の適用はこの実施形態に限定されるものではない。
〔感光体ドラムを用いた画像形成装置〕
図1は本発明に係る回転体として、感光体ドラムを用いた画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
図1は本発明に係る回転体として、感光体ドラムを用いた画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
図1において、20は画像形成装置、30は画像形成装置20に装着された自動原稿送り装置(ADF)である。
画像形成装置20は、筐体1の右側面部に、比較的少量の用紙Pを供給するための手差し皿2が設けられ、左側面部には排紙皿3が設けられている。排紙皿3には、後述する給紙カセット12や手差し皿2から供給され、画像が形成された用紙Pが排紙され積載するようになっている。筐体1の底面部には画像形成装置20を移動できるようにするための複数のローラ(キャスターともいう。)4が設けられている。
筐体1の前面の上部には、画像形成装置20を作動させるための表示手段及び操作入力手段としてのコントロールパネルCPが設けられている。コントロールパネルCPには、タッチパネル式の液晶表示装置により構成された表示手段DP、キーボードKB、及び、スタートボタン(プリントボタンともいう。)SK等からなる操作入力手段としての入力装置が設けられている。キーボードKBは、プリントをカラー又は白黒のいずれにするか、用紙種別或いはプリント枚数や部数等の種々の画像形成条件や、出力された用紙の後処理等の制御関連情報や数値等を入力する一方の入力手段である。もう一方の入力手段としてのスタートボタンは、プリント等の一連の画像形成動作を実行させるボタンである。
筐体1の内部には、制御手段EC、画像形成手段11、画像読取手段13、及び給排紙手段14等が設けられている。
制御手段ECは、制御回路とも呼ばれ、画像形成装置20の全ての作動を制御するための手段であり、CPU等からなる電気回路で構成されている。そして、CPUのメモリMEには予め記憶された制御プログラムや制御データ等が格納されており、このプログラムやデータに基づいて、画像形成装置20を構成する全ての手段を駆動制御するようになっている。また、画像形成装置20には付属装置のADF30等が接続されており、これらの付属装置と協働して、画像形成装置20のシステムとして全体が円滑に作動するように駆動制御される。更に、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等で、パーソナルコンピュータ或いは他の情報機器等との接続も可能で、制御手段ECは、これらの機器と協働して作動に必要な情報の記憶や授受により駆動制御を行う。
画像形成手段11は、原稿の画像情報に基づく画像を形成するための手段である。画像形成手段11は、感光体ドラム(感光体ともいう)5、帯電手段6、図示しない露光手段から発せられる露光光E、現像手段7、転写分離手段8、クリーニング手段9、及び、定着装置10等により構成される。感光体ドラム5は、帯電手段6により一様に帯電され、露光光Eにより、原稿の画像情報(画像データともいう)に基づいて信号化された情報を静電潜像として形成される。静電潜像は現像手段7によりトナー像として顕像化され、このトナー像は転写分離手段8により用紙Pに転写される。トナー像が用紙P等に転写された後、感光体ドラム5に残留するトナーや紙粉等はクリーニング手段9により掻き落とされる。トナー像を転写された用紙Pは、トナー像を溶融固着するための定着装置10に搬送されて定着される。
トナー像を転写された後の用紙Pは、用紙によっては、巻き癖(カールともいう)が付き易く、感光体ドラムから分離する際に、このカールの状態によっては感光体ドラム5に巻き付いて分離し難くなるという問題がある。この巻き付きは、給送不良等の事故に繋がることがあり、これを防止するため一般に、転写分離手段8の作動を支援する分離爪15が用いられている。分離爪15は、先端が感光体ドラム5に接触するように配設され、待避可能な構成(後述)を有している。
画像読取手段13は、光源LT、ミラー群MR、結像レンズLZ等からなる読取光学系と、CCD(固体撮像素子)等を含む電気回路からなる読取装置ESとで、構成されている。読取装置ESは、自動原稿送り装置30の底部側に位置し、筐体1の上部に設けられたプラテンガラス(図示せず)上に載置した原稿や、自動原稿送り装置30により、読取位置に搬送された原稿の画像情報を読み取り、デジタルの画像データに変換している。変換された画像データは制御手段ECのメモリMEに記憶される。ADF30で搬送される原稿の画像読取手段13での読み取りは、原稿を読取位置で光源LTが照射し、ミラー群MRからの反射光を結像レンズLZにより読取装置ESのCCD面に結像させ、メモリMEに記憶させている。
給排紙手段14は、給紙カセット12と、駆動源としてのモータや複数のローラ等からなる給排紙搬送装置として構成されている。給紙カセット12は、例えば、特殊な用紙Pを収納するカセット12aと、通常の用紙Pを収納するカセット12bとで構成されている。給排紙手段である給排紙搬送装置14は、制御手段ECの指示により、原稿に基づき特殊な用紙又は通常の用紙Pを選択した後に、駆動源であるモータを回転させて用紙Pを給紙カセット12から送り出す。給排紙搬送装置14は複数のローラ群を回転させて、用紙Pを感光体ドラム5に給紙搬送し、画像が形成され、定着された用紙Pは排紙皿3に排出される。
また、両面プリントを行う場合は、給排紙搬送装置14が動作され、画像形成された用紙Pが排紙皿3方向(矢印X方向)へ搬送され、用紙Pの先端部が反転ローラ17を通過したときに反転ローラ17の回転が停止される。次に用紙Pを画像形成手段11へ戻す方向に搬送するように反転ローラ17の回転方向を切り替える。同時に、反転部材16を時計方向に回転させて、画像形成手段11の方向に搬送されていた用紙Pの進行方向を矢印X2に示す経路に変更させる。そして、一時的に用紙Pを待機させた後、適切なタイミングで用紙Pを矢印X2方向からX1方向へと搬送し、再度画像形成手段11による画像形成を行わせ、両面プリントされた用紙Pを排紙皿3へと排紙させる。
なお、一般に、用紙Pの搬送経路には、用紙Pを適切に搬送するためのガイド部材が設けられているが、本発明の実施の形態においては、説明を簡単にするために、ガイド部材に関する図示および説明を省略した。
用紙検知センサSE1、SE2は、例えば、フォトカプラや機械的なスイッチにより構成され、分離爪15の用紙搬送方向の前後に設置されており、用紙Pの先端又は後端を検出した際に通過情報を制御手段ECに出力する。
ADF30は、搬送装置全体がADF筐体31で覆われ、ADF筐体31の外部に原稿載置台32と排紙部33が設けられている。原稿載置台32には原稿WPが載置され、載置された原稿WPは、複数のローラ等により構成される原稿搬送装置により読取位置に搬送され、読取装置ESで読み取られ、排紙部33に排紙される。原稿搬送装置は、図示せぬ駆動制御回路により、画像形成装置20の制御手段ECと連動して作動する。
本発明に係る分離爪15は、転写分離手段8の用紙搬送方向下流側において、先端が感光体ドラム5の表面に当接する姿勢で配設され、後述の分離爪往復移動手段により感光体ドラム5の長手方向に沿って前後に往復移動される。分離爪15の用紙搬送方向の上流側及び下流側には、用紙検知センサSE1、SE2が配設されている。
〔中間転写体を用いた画像形成装置〕
図2は本発明に係る回転体として、中間転写体を用いたカラー画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
図2は本発明に係る回転体として、中間転写体を用いたカラー画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
このカラー画像形成装置はベルト状の中間転写体70を有し、中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体で形成されている。ここでいうカラー画像形成装置とは、少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び中間転写体等、を有する、複写機、レーザビームプリンタ、或いは複合機のことである。
100は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。感光体100は回転過程で、帯電手段200により所定の極性・電位に一様に帯電される。次いで不図示の像露光手段300により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビーム等の走査露光光による画像露光を受け、目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)40Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。このとき、第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)40M、40C、40Bkの各現像器は作動オフで感光体100には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器による影響は受けない。
本発明に係る無端ベルト状回転体としての中間転写体70は、ローラ79a、79b、79c、79d、79eに張架されて時計方向に感光体100と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体100上に担持される第1色目のイエロートナー画像は、感光体100と中間転写体70とのニップ部において、1次転写ローラ50aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスが形成する電界により中間転写体70に中間転写(1次転写)される。中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体100の表面は、クリーニング装置60aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせられて転写され、重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ50bは、本発明に係る円筒状回転体としての2次転写対向ローラ79bに対応して平行に軸受され、中間転写体70の下面部に離間可能な状態で配設されている。
感光体100から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体100から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ50b及び中間転写体クリーニング手段60bは中間転写体70から離間することも可能である。
次に、ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像は、用紙Pに転写(2次転写)される。重ね合わせカラートナー画像に対応して、2次転写ローラ50bが中間転写体70のベルトに当接されるとともに、用紙Pが給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを経て、中間転写体70と2次転写ローラ50bとの当接ニップに所定のタイミングで給送される。同時に、2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ50bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である用紙Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写される。トナー画像の転写を受けた用紙Pは定着装置10へ導入され加熱定着される。
図2に示すカラー画像形成装置における各部の動作の制御は、図示してはいないが、図1の画像形成装置20と同様に、メモリMEを内蔵する制御手段ECにより行われる。また、操作入力手段及び表示手段については、図1の画像形成装置20に記載の構成と同じであるため、説明は省略する。
本発明に係る分離爪15は、先端が中間転写体70の表面に当接するように、2次転写ローラ50bの用紙搬送方向下流側の位置に配設される。また、この分離爪15は後述する分離爪往復移動手段により、2次転写対向ローラ79bの長手方向に沿って前後方向に往復移動される。分離爪15の用紙搬送方向の上流側及び下流側には、用紙検知センサSE1、SE2が配設されている。
〔定着ローラを用いた画像形成装置〕
図3は本発明に係る回転体として、定着ローラを用いた画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
図3は本発明に係る回転体として、定着ローラを用いた画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
定着装置10は本発明に係る円筒状回転体としての定着ローラ101と加圧ローラ102により形成されたニップ領域に用紙Pを通過させトナー像を用紙Pに定着させている。
定着ローラ101は用紙P上のトナー像を溶融する加熱ローラである。定着ローラ101は、例えば中空のアルミ芯金の外周にシリコンゴムを被膜し、その上にPFA(パーフルオロアルコキシ)をコーティングしたローラであり、内部にハロゲンヒータを有している。
加圧ローラ102は、例えば中空のアルミ芯金の外周にシリコンゴムを被覆し、その上にPFA(パーフルオロアルコキシ)をコーティングしたローラである。また、PFAの代わりにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をコーティングしたものを用いてもよい。加圧ローラ102はバネ等の付勢部材(図示せず)によって定着ローラ101に圧接され、弾性変形によってニップ領域を形成している。
定着ローラ101は時計方向に回転し、加圧ローラ102は定着ローラ101に圧接して従動回転する。
清掃手段110は定着ローラ101の表面上に付着したトナーや紙粉を回収して定着ローラ101の表面を清掃する。定着ローラ101の表面にウェブ112が接触し、巻き上げローラ111がウェブ112を巻き上げることにより定着ローラ101の表面からトナーや紙粉を回収している。
本発明に係る分離爪15は、定着ローラ101と加圧ローラ102とのニップ領域より用紙搬送方向の下流側に配設され、分離爪15の先端が定着ローラ101に当接して定着ローラ101への用紙Pの巻き付きを防止している。また、分離爪15は同じ位置で定着ローラ101に接触していると定着ローラ101の表面にスジ状の傷や摩耗を発生させてしまうため、後述する分離爪往復移動手段により定着ローラ101の長手方向に沿って往復移動される。分離爪15の用紙搬送方向の上流側及び下流側には、給送不良を監視する用紙検知センサSE1、SE2が配設されている。
〔分離爪往復移動手段、及びシフト手段〕
図4は、本発明に係る分離爪往復移動手段としての分離爪往復移動機構部80、及びシフト手段としてのシフト機構部90の実施形態について、その構成と動作を説明するための概略構成図である。
図4は、本発明に係る分離爪往復移動手段としての分離爪往復移動機構部80、及びシフト手段としてのシフト機構部90の実施形態について、その構成と動作を説明するための概略構成図である。
分離爪往復移動機構部80は、往復移動軸81、斜面カム82、カム回転軸82a、往復動戻しばね83、駆動モータKM1、モータ軸KMa、駆動歯車G1、カム回転歯車G2、及び分離爪15からなる。分離爪往復移動機構部80は後述のシフト動作板91上に配設され、往復移動軸81はシフト動作板91に形成される保持部91b、91cの図示しない穴に摺動自在に嵌合保持される。カム回転軸82aはシフト動作板91に形成される保持部91dの図示しない穴に回転自在に軸支される。分離爪15は往復移動軸81に回転自在に軸支され、軸方向の動きは図示しないE形止め輪等により規制されている。
駆動モータKM1はシフト動作板91上に配設され、モータ軸KMa、駆動歯車G1を介してカム回転歯車G2を回転させ、カム回転歯車G2に固設されるカム回転軸82a及び斜面カム82を回転させる。斜面カム82は、往復移動軸81の一端に当接する面がカム回転軸82aに対して傾斜する面に形成されている。従って、カム回転軸82aが回転すると、傾斜する面における往復移動軸81の当接する位置が左右に移動され、往復移動軸81は回転軸方向Sに摺動される。また、斜面カム82の傾斜する面の傾斜角は、往復移動軸81の移動量である往復移動領域dの値に対応して設定される。
往復動戻しばね83は、シフト動作板91の保持部91cと隣接する分離爪15との間における往復移動軸81の外周に巻回され、往復移動軸81を斜面カム82の傾斜する面に押しつけている。上記の構成により、駆動モータKM1が回転すると斜面カム82も回転し、斜面カム82の傾斜する面に当接する往復移動軸81は回転軸方向Sに左右に往復移動する。従って、分離爪15は、駆動モータKM1の回転に伴い、回転体である、感光体ドラム5、中間転写体70、又は定着ローラ101(以下、総称して回転体5ともいう)に対して、回転軸方向Sに往復移動領域dを往復移動する。
シフト機構部90は、シフト動作板91、ピニオンPN、駆動歯車G3、及び駆動モータKM2等からなり、回転体5に対し、分離爪往復移動機構部80を搭載するシフト動作板91を移動させる構成を有している。シフト動作板91はラック部91a、保持部91b、91c、91dを備え、ラック部91aでピニオンPNと噛み合い、図示しないガイド機構にガイドされ、画像形成装置に対して回転体5の回転軸方向Sに移動可能に保持される。ピニオンPNは駆動歯車G3に連結され、駆動歯車G3は図示しない駆動モータKM2に連結されており、駆動モータKM2の回転により、駆動歯車G3を介してピニオンPNが回転される。ピニオンPNの回転により、ラック部91aを介してシフト動作板91が回転体5の回転軸方向Sに移動する。
従って、シフト動作板91の回転軸方向Sへの移動により、分離爪往復移動機構部80の全体が回転体5に対して回転軸方向Sへ移動し、分離爪15の往復移動領域dが移動することになる。
従来タイプの分離爪の往復移動領域dの値は7〜8mm程度(30〜50プリント毎に移動)であったが、本実施の形態では、2〜3mm(30〜50プリント毎に移動)に設定することで、良い結果を得ている。即ち、本実施の形態では往復移動領域dをシフトするため往復移動領域dの値を小さくすることができる。
本発明に係る分離爪往復移動機構部80、及びシフト機構部90の構成を用いることにより、回転体5の長寿命化と、分離爪15の位置を用紙Pのサイズに応じた適切な範囲内に設定することが可能となる。
図5は、本発明に係る光センサとしてのラインセンサの構成について説明するための概略図である。
本発明に係るラインセンサLSは、回転体5に対して対向する位置に平行に配設される、連続的に並べられたCCDセンサであり、回転体5の長さと略同一の長さを有する。
ラインセンサLSによる回転体5の傷や摩耗の検出は、始めに、回転体5の略全長に渡って画像形成されるテストパターン画像の反射濃度の検出値と予め設定した基準値とを比較する。比較した結果の差の値が一定の値より大きいときには、分離爪15による回転体5の損傷が大きいと判断する。このとき、制御手段ECは、シフト機構部90を動作させて分離爪15の往復移動領域dの位置をシフトさせる。
本実施の形態のラインセンサLSを用いることにより、回転体5の傷や摩耗を短時間で検出できるとともに、傷や摩耗の位置を正確に把握することができる。
図6は、本発明に係る光センサとしてのポイント検出タイプのセンサの構成について説明するための概略図である。
本発明に係るポイント検出センサPSは摺動部材SBに保持される。摺動部材SBは、図示しない嵌合穴を有し、嵌合穴が回転体5の回転軸方向Sに対して平行に配設される摺動軸SJに嵌合することにより、摺動軸SJに摺動自在に保持される。ポイント検出センサPSは、反射型のフォトセンサを用いたもので、回転体5の表面の反射濃度を部分的に検出し、回転する回転体5を回転軸方向Sに走査することにより回転体表面の全体の反射濃度を検出する。摺動部材SBにはワイヤWRの端部が固設され、ワイヤWRは、図示しないモータに連結されており、摺動部材SBはモータの正逆転により回転体5の略全長の領域を回転軸方向Sに摺動する。
ポイント検出センサPSによる回転体5の傷や摩耗の検出は、ラインセンサLSと同様に、回転体5の略全長に渡っての検出値と基準値との反射濃度値の比較により行う。比較した結果の差の値が一定の値より大きいときには、制御手段ECは、シフト機構部90を動作させて分離爪15の往復移動領域dの位置をシフトさせる。
本実施の形態のポイント検出センサPSを用いることにより、センサのコストを削減できるとともに、傷や摩耗の位置を正確に把握することができる。
図7は、本発明に係る分離爪接離手段の実施形態についての構成及び動作を説明するための概略構成図である。図7(a)は分離爪接離手段80Aの上面図であり、図7(b)はその正面図である。
図7において、分離爪15は中央付近に摺動部15aを備えており、摺動部15aの図示しない嵌合穴が往復移動軸81に摺動自在に嵌合することにより回転体5の回転軸方向Sに往復移動が可能に構成されている。また、分離爪15の嵌合穴は往復移動軸81を回転中心として、回転自在な構成でもある。分離爪15は、一方の端部の先端が回転体5の表面に当接し、もう一方の端部近傍には爪接離部材84の一方の端部近傍の当接面に(参照符号なし)当接するU字型の当接部が形成され、この当接部と爪接離部材84の当接面とが当接している。更に、分離爪15は、嵌合穴と当接部との間にばね部材86が取り付けられ、反時計方向に付勢されており、一方の端部の先端を回転体5の表面に当接させるとともに、爪接離部材84を時計方向に回転する方向に付勢している。
爪接離部材84は、一方の端部近傍に当接面を有するとともに、当接面と逆側の部位には、ソレノイドSLが取り付けられている。ソレノイドSLがオンされると爪接離部材84は分離爪15に取り付けられたばね部材86に抗して、反時計方向に回転される。爪接離部材84が反時計方向に回転されると、分離爪15は時計方向に回転され、一方の端部の先端が回転体5の表面から離間する。なお、保持部材85及びソレノイドSLは、前述したシフト動作板91に固設される。
図7に示す分離爪接離手段80Aは、ラインセンサLS又はポイント検出センサPS(以下、光センサLS、PSともいう)が回転体5の表面の損傷状態に異常を検出するとき、異常の領域をスキップさせる構成を有している。即ち、光センサLS、PSが異常を検出し、その領域に分離爪15が達するとき、ソレノイドSLを動作させて、分離爪15が異常の領域を通過するまでの間、分離爪15先端を回転体5の表面から離間させるという構成である。
本実施の形態に係る分離爪接離手段80Aを用いることにより、用紙Pの搬送タイミングに合わせて分離爪15を回転体5に当接させることができ、分離爪15が回転体5に当接する時間を少なくすることができる。また、光センサLS、PSとの組み合わせにより、分離爪15を往復移動させる際に、回転体5の傷発生の位置をスキップさせることが可能となる。
図8は、本発明に係るシフト手段を動作させるための検出手段の他の実施形態として、用紙検知センサを用いた検出機構を示す概略構成図である。
図8において、符号のR1は分離爪15の用紙搬送方向の上流側に配設される搬送ローラであり、符号のR2は分離爪15の用紙搬送方向の下流側に配設される搬送ローラである。また、符号のSE1は搬送ローラR1の近傍に配設される用紙検知センサであり、符号のSE2は搬送ローラR2の近傍に配設される用紙検知センサである。分離爪15に起因する給送不良の1つとして、用紙Pの先端が搬送ローラR1を通過した後、後端が搬送ローラR1を通過せずに用紙が搬送ローラR1に挟持されたままの状態にあるものがある。また、もう1つの給送不良としては、用紙P後端が搬送ローラR1を通過後、用紙Pが搬送ローラR2に達しないか、用紙Pの先端は搬送ローラR2を通過するが、後端が通過せずに搬送ローラR2に挟持されたままとなるものがある。これらの給送不良には分離爪15に影響を及ぼすものが多く、これらの給送不良が発生すると、用紙Pが分離爪15に当接し、分離爪15の先端を回転体5に衝突させて傷を付けてしまうという現象が多く発生する。
前述したように、これらの給送不良による回転体5の傷は、光センサでは検出が困難なものが多く、本発明者らは、これらの給送不良の発生回数をカウントすることで回転体5の傷の程度を推定することを可能にした。
図9は、本発明の実施形態に係るシフト手段により分離爪の往復移動領域をシフトさせる動作の動作範囲について説明するための概略図である。
図9(a)は、回転体5の表面における光センサLS、PSが検出した傷発生領域を避けて分離爪15の往復移動領域をシフトさせるシフト手段としてのシフト機構部90のシフト動作の一例を示す概略図である。図9(a)において、第1往復移動領域が傷発生領域となったとき、制御手段ECは、シフト機構部90を介して分離爪15の往復移動領域を図9の右方にシフトさせ、シフトされた往復移動領域を第2往復移動領域とする。また、第2往復移動領域が傷発生領域となったときには、シフト機構部90は分離爪15の往復移動領域を第1往復移動領域の左方にシフトさせて第3往復移動領域とするというように、未使用の領域にずらしていく方式である。
本実施の形態では、第1往復移動領域の左右に第2往復移動領域及び第3往復移動領域を設定する方式としたが、一定の方向にずらしていく方式でも良い。
図9(b)は、回転体5の傷発生領域を避けて分離爪15の往復移動領域をスキップさせるという、シフト機構部90のシフト動作の他の例を示す概略図である。図9(b)において、第1往復移動領域が傷発生領域となったとき、シフト機構部90は分離爪15の往復移動領域を第1往復移動領域より広く設定し、第2往復移動領域とし、傷発生領域をスキップさせる方式である。
図9(c)は、第1往復移動領域d1の両端部が傷発生領域となったとき、往復移動領域を縮小して第2往復移動領域d2とするというシフト機構部90のシフト動作の他の例を示す概略図である。この方式は分離爪15の往復移動領域の両端部に傷が多く発生することに着目した方式であり、傷発生領域を避けて往復移動領域を縮小する方式である。
本実施の形態に記載のシフト動作を行うシフト機構部90を用いることにより、往復移動領域dを、傷発生領域を避けた領域に設定することができ、回転体5に対する画像品質等の性能低下を防止することができる。
図10は、本発明に係る画像形成装置の各部の動作を制御する制御手段の制御系を説明するためのブロック図である。
制御手段ECは、光センサLS、PS、用紙検知センサSE1、SE2、カウンタCT、及びシフト動作ボタンSDから情報を受ける。また、これらの情報に基づいて、シフト動作表示部SH、分離爪往復移動手段BI、シフト手段としてのシフト機構部90、分離爪接離手段80A、及び分離爪往復移動機構部80の動作を制御する。カウンタCTは制御手段ECに内蔵されており、シフト動作ボタンSD及びシフト動作表示部SHは、画像形成装置の操作入力手段及び表示手段に配設されている。また、制御手段ECに内蔵されているメモリMEは、画像形成装置の制御プログラムや制御データを記憶するとともに、光センサLS、PSにより検出され、読み取られた回転体5表面の傷の発生位置を記憶する。
図11は、本発明に係る光センサを用いるとともに、シフト動作の開始を手動で行う画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。
始めに、制御手段ECは光センサLS、PSに回転体5の表面状態を監視させる(ステップS11)。次いで制御手段ECは、光センサLS、PSが検出した回転体5の表面状態の検出値とメモリMEに格納されている基準値とを比較する(ステップS12)。表面状態に差がある(検出値の濃度値の方が大きい)場合(ステップS12肯定)にはステップS13に進む。それ以外(同等、又は検出値の濃度値の方が小さい)の場合(ステップS12否定)にはステップS11に戻り、ステップS11、S12の動作を繰り返す。
ステップS13に進んだ場合、制御手段ECは、シフト動作表示部SHに指令を発してシフト動作ボタンSDのオンを勧告する表示を出させる(ステップS13)。オペレータによりシフト動作ボタンSDがオンされると、制御手段ECは、シフト機構部90に指令を発してシフト動作を行わせる(ステップS14)。
本実施形態の動作を行う画像形成装置を用いれば、回転体5の表面状態が適切に表示され、分離爪15の往復移動領域dをシフトさせるかどうかの判断をユーザが選択することができる。
図12は、本発明に係る光センサを用いるとともに、シフト動作の開始を自動で行う画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。
始めに、制御手段ECは光センサLS、PSに回転体5の表面状態を監視させる(ステップS21)。次いで制御手段ECは、光センサLS、PSが検出した回転体5の表面状態の検出値とメモリMEに格納されている基準値とを比較する(ステップS22)。表面状態に差がある(検出値の濃度値の方が大きい)場合(ステップS22肯定)にはステップS23に進む。それ以外(同等、又は検出値の濃度値の方が小さい)の場合(ステップS22否定)にはステップS21に戻り、ステップS21、S22の動作を繰り返す。
ステップS23に進んだ場合、制御手段ECは、シフト機構部90に指令を発してシフト動作を行わせ、分離爪15の往復移動領域をシフトさせる(ステップS23)。
本実施形態の動作を行う画像形成装置を用いれば、回転体5の表面状態に応じて、分離爪15の往復移動領域dのシフト動作を行うかどうかの判断と実施を自動的に行うことができる。
図13は、本発明に係る用紙検知センサを用いるとともに、シフト動作の開始を手動で行う画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。
始めに、制御手段ECは、用紙検知センサSE1、SE2により検出される分離爪15に起因する給送不良の発生回数をカウンタCTにカウントさせ、その頻度をメモリMEに監視させる(ステップS31)。次いで制御手段ECは、カウンタCTとメモリMEにより検出された給送不良の発生頻度の検出値とメモリMEに格納されている基準値とを比較する(ステップS32)。給送不良発生頻度の検出値が基準値を上回っているとき(ステップS32肯定)はステップS33に進み、検出値が基準値を下回っているとき(ステップS32否定)はステップS31に戻ってステップS31、S32を繰り返す。
ステップS33においては、制御手段ECは、シフト動作表示部SHに指令を発してシフト動作ボタンSDのオンを勧告する表示を出させる(ステップS33)。オペレータによりシフト動作ボタンSDがオンされると、制御手段ECは、シフト機構部90に指令を発してシフト動作を行わせる(ステップS34)。
本実施形態の動作を行う画像形成装置を用いれば、給送性に起因する回転体5の傷の発生状態を適切に推測することができ、分離爪15の往復移動領域dをシフトさせるかどうかの判断をユーザが選択することができる。
図14は、本発明に係る用紙検知センサを用いるとともに、シフト動作の開始を自動で行う画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。
始めに、制御手段ECは、用紙検知センサSE1、SE2により検出される分離爪15に起因する給送不良の発生回数をカウンタCTにカウントさせ、その頻度をメモリMEに監視させる(ステップS41)。次いで制御手段ECは、カウンタCTとメモリMEにより検出された給送不良の発生頻度の検出値とメモリMEに格納されている基準値とを比較する(ステップS42)。給送不良発生頻度の検出値が基準値を上回っているとき(ステップS42肯定)はステップS43に進み、検出値が基準値を下回っているとき(ステップS42否定)はステップS41に戻ってステップS41、S42を繰り返す。
ステップS43においては、制御手段ECは、シフト動作表示部SHに指令を発してシフト動作ボタンSDのオンを勧告する表示を出させる(ステップS43)。ステップS43に進んだ場合、制御手段ECは、シフト機構部90に指令を発してシフト動作を行わせ、分離爪15の往復移動領域をシフトさせる(ステップS43)。
本実施形態の動作を行う画像形成装置を用いれば、給送性に起因する回転体5の傷の発生状態を適切に推測することができ、分離爪15の往復移動領域dのシフト動作を行うかどうかの判断と実施を自動的に行うことができる。
5 ドラム(円筒状回転体又は回転体)
8 転写分離手段
10 定着装置
11 画像形成手段
15 分離爪
15a 摺動部
20 画像形成装置
50b 2次転写ローラ
70 中間転写体(無端ベルト状回転体又は回転体)
79b 2次転写対向ローラ(円筒状回転体)
80 分離爪往復移動機構部
80A 分離爪接離手段
81 往復移動軸
82 斜面カム
82a カム回転軸
84 爪接離部材
90 シフト機構部(シフト手段)
91 シフト動作板
101 定着ローラ(円筒状回転体又は回転体)
BI 分離爪往復移動手段
CT カウンタ
EC 制御手段
LS ラインセンサ(光センサ)
ME メモリ
PS ポイント検出センサ(光センサ)
R1 搬送ローラ
R2 搬送ローラ
SB 摺動部材
SD シフト動作ボタン
SE1 用紙検知センサ
SE2 用紙検知センサ
SH シフト動作表示部
SJ 摺動軸
SL ソレノイド
WR ワイヤ
d 往復移動領域
P 用紙
S 回転軸方向
8 転写分離手段
10 定着装置
11 画像形成手段
15 分離爪
15a 摺動部
20 画像形成装置
50b 2次転写ローラ
70 中間転写体(無端ベルト状回転体又は回転体)
79b 2次転写対向ローラ(円筒状回転体)
80 分離爪往復移動機構部
80A 分離爪接離手段
81 往復移動軸
82 斜面カム
82a カム回転軸
84 爪接離部材
90 シフト機構部(シフト手段)
91 シフト動作板
101 定着ローラ(円筒状回転体又は回転体)
BI 分離爪往復移動手段
CT カウンタ
EC 制御手段
LS ラインセンサ(光センサ)
ME メモリ
PS ポイント検出センサ(光センサ)
R1 搬送ローラ
R2 搬送ローラ
SB 摺動部材
SD シフト動作ボタン
SE1 用紙検知センサ
SE2 用紙検知センサ
SH シフト動作表示部
SJ 摺動軸
SL ソレノイド
WR ワイヤ
d 往復移動領域
P 用紙
S 回転軸方向
Claims (8)
- 用紙を密着させて搬送する、円筒状回転体、又は円筒状回転体に巻回される無端ベルト状回転体、のいずれかの回転体と、
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して該用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
前記回転体の表面に対向する位置に配設され、前記回転体の表面の損傷状態を検出する光センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるシフト手段と、
前記光センサが前記回転体の表面における損傷状態に異常を検出したとき、前記シフト手段を動作させて前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記光センサは、前記回転体の長さと略同一の長さを有するラインセンサであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記光センサは、前記回転体の回転軸方向に移動可能に配設されるセンサ移動手段に保持され、前記回転体の回転軸方向における一部の部位に対して表面の損傷状態の異常を検出するポイント検出タイプのセンサからなり、
前記センサ移動手段の回転軸方向への移動に伴い、前記回転体の長さと略同一の長さを移動しながら前記回転体の表面の損傷状態の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記分離爪往復移動手段は、前記分離爪を前記回転体に対して接離しうる分離爪接離手段を有し、
前記制御手段は、メモリを内蔵しており、
前記制御手段は、前記光センサが、前記回転体の回転軸方向における表面の損傷状態に異常を検出するとき、異常を検出した位置を前記メモリに記憶させておき、
前記分離爪が前記回転体に接触しながら前記往復移動領域を往復移動する場合であって、
前記分離爪が前記回転体の表面の回転軸方向における損傷状態の異常を検出した領域に達するとき、
前記制御手段は、前記分離爪接離手段に指令を発し、前記分離爪が異常を検出した領域に進入してから通過するまでの間、前記分離爪を前記回転体の表面から離間させるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 用紙を密着して搬送する、円筒状回転体、又は円筒状回転体に巻回される無端ベルト状回転体、の回転体と、
前記回転体に密着して搬送される用紙に対し、前記回転体に接触して前記用紙を分離する分離爪と、
前記回転体の回転軸方向における一定の長さを往復移動領域として、前記分離爪を往復移動させる分離爪往復移動手段と、
用紙搬送方向における前記分離爪の上流側及び下流側に配設される、用紙搬送異常を検知するための少なくとも2つの用紙検知センサと、
前記分離爪の往復移動領域をシフトさせることが可能なシフト手段と、
前記2つの用紙検知センサ間に検出される用紙搬送異常が発生する回数をカウントするカウンタと、
前記カウンタによる前記用紙搬送異常の発生回数の頻度が予め設定した基準値を超えるとき、前記シフト手段により前記分離爪の往復移動領域をシフトさせるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記往復移動領域は、シフトされる前後のそれぞれの前記往復移動領域の位置が互いに重ならないように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置は、前記往復移動領域のシフトへの移行を指示する爪位置移動表示部と、前記往復移動領域のシフト動作を開始させる爪位置移動ボタンと、を有し、
前記爪位置移動表示部は前記制御手段により制御され、
前記制御手段は、前記爪位置移動表示部に前記往復移動領域のシフトへの移行を指示する表示を出させ、
前記爪位置移動ボタンのオン動作により前記往復移動領域のシフトが開始されることを特徴とする請求項1から6に記載の画像形成装置。 - 前記往復移動領域のシフトへの移行が、前記制御手段により自動的に行われることを特徴とする請求項1から6に記載の画像形成装置。
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