JP5186920B2 - 重合体の回収方法及び重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体の回収方法及び重合体に関し、更に詳しくは、色調、耐湿熱変色性、透明性及び耐失透性に優れた重合体を得ることができる重合体の回収方法及びその回収方法により得られた重合体に関する。
遷移金属触媒又は有機アルカリ金属触媒により重合された重合体を水素化触媒で水添した水添重合体は、樹脂組成物やゴム組成物として広く利用されている。例えば、食品包装容器、各種トレーをはじめ、履物、自動車内外装材、建材などのように、家庭用品から各種工業用品に至るまで広い用途を有する。上記、重合体の色調は最終製品の色調まで大きく影響を与えるため、重要な品質管理項目の一つとなっている。
重合体組成物の色調が悪化する要因としては、重合体組成物を原料とする製品の保存状態や、製品の加工工程における加熱や、剪断応力による発熱などが挙げられる。このような重合体の色調を改良する方法として、特開平1−56712号公報及び特開平1−56713号公報では、反応停止剤に水、アルコール、無機酸、有機酸の少なくとも1種を用いてリチウム金属残留量の少ないクラムを取得する方法について提案している。しかしこの提案では重合体溶液と反応停止剤の接触効果が低く、活性触媒の残留によるラジカル発生に伴う老化防止剤効果の低減による黄変による色調の悪化、耐候性の低下を発生させる恐れがある。
特許第3226969号公報では、リン酸エステルとリン酸を添加することで色調などを改良する方法が記載されているが、腐食性の高いリン酸を用いるため必ずしも満足いくものではない。
特開平11−130814号公報では、重合体溶液から金属残留物を除去する方法が記載されている。かかる方法では、重合体溶液と、リン酸などの鉱酸を含有する強酸性の水性相とを混合する必要があること、また重合体溶液と水性相とを分離する複雑な別個のステップが工程に追加されるためより簡便な工程が求められる。
特開平10−168101号公報では、重合体溶液をストリッピングすることにより重合体を回収する方法が記載されている。かかる方法では、ホスホン酸等を使用して重合体を回収するため、回収される重合体は、透明性、耐失透性透に優れたものであるが、ポリオレフィン混合物の耐湿熱変色性で満足するレベルのものが得られず、更に優れたものが求められている。
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、その目的は、ゴム状重合体などの重合体溶液から溶媒をスチームストリッピングすることにより、クラム状の重合体を回収するに際し、特定の処理方法を組み合わせることにより、色調、耐湿熱変色性、透明性、耐失透性に優れた重合体を回収する方法を提供することにある。更に本発明の目的は、その重合体の回収方法により得られる重合体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によって以下の重合体の回収方法が提供される。
[1] 重合体溶液をスチームストリッピングすることにより重合体を回収する方法であって、前記重合体溶液に、ROH(R:水素、又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基)と、以下の一般式(1)で示されるリン酸エステル(a)とを添加する工程を含む重合体の回収方法。
Figure 0005186920
[式中Rは、炭素数1〜12までのアルキル基、炭素数6〜12までのアリール基又は炭素数6〜12までのシクロアルキル基である。nは1〜2の整数である。nが2のとき、複数あるRは同一でも異なっていても良い。]
[2] 前記(a)成分の添加量が、前記重合体100質量部に対し、0.01〜2質量部である[1]に記載の重合体の回収方法。
[3] (b)界面活性剤を添加する工程を更に含み、(b)成分の添加量は前記重合体100質量部に対し、0.05〜1質量部である[1]又は[2]に記載の重合体の回収方法。
[4] 前記ROHが、水である[1]〜[3]のいずれかに記載の重合体の回収方法。
[5] 前記重合体が、有機アルカリ金属化合物を開始剤として、共役ジエン化合物100〜30質量%及び芳香族ビニル化合物0〜70質量%の組成で重合した重合体の水添物である[1]〜[4]のいずれかに記載の重合体の回収方法。
[6] 前記重合体が、Ti化合物、Ni化合物、Zr化合物、V化合物及びCo化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含む化合物からなる重合触媒を開始剤として、オレフィン及び/又は共役ジエン化合物を主体として重合して得られるエラストマーである[1]〜[4]のいずれかに記載の重合体の回収方法。
[7] 前記有機アルカリ金属化合物が有機リチウム化合物であり、共役ジエン化合物がブタジエン及び/又はイソプレンであり、芳香族ビニル化合物がスチレンである[5]に記載の重合体の回収方法。
[8] 前記水添物が水素化触媒により水添されたものであり、前記水素化触媒がTi、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru及びRhの群から選ばれた少なくとも1種を含む化合物である[5]又は[7]に記載の重合体の回収方法。
[9] 前記水素化触媒がTi、Zr及びHfの群から選ばれた少なくとも1種を含むメタロセン化合物である[8]に記載の重合体の回収方法。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の重合体の回収方法で、重合体を回収する工程を含む重合体の製造方法
本発明の重合体の回収方法によれば、所定のリン酸エステルと水等(ROH)を添加して重合体溶液をスチームストリッピングするため、色調及び耐湿熱変色性が良好で且つ透明で耐失透性に優れる重合体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の重合体の回収方法で回収される重合体としては、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合した重合体を水素化触媒により水添して得られる水添物や、オレフィン及び/又は共役ジエン化合物を主体として重合して得られるエラストマーを挙げることができる。ここで、「主体として」とは、全単量体中に50質量%を超えて含有されることをいう。上記水添物は、炭化水素溶媒中、有機アルカリ金属化合物を開始剤として重合した後水添したものである。上記エラストマーは、遷移金属化合物からなる重合触媒を開始剤として重合されたものである。また、上記水素化触媒としては、ジシクロペンタジエニルチタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルトなどと周期律表第I〜III族の有機金属化合物とからなるものを挙げることができる。また、上記遷移金属化合物としては、バナジウム化合物、チタン化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物、ジルコニウム化合物などを挙げることができる。
(重合体)
上記重合体は、通常、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物と共役ジエン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を接触させ重合を行うことにより得られる。上記炭化水素溶媒の種類については特に限定はない。重合開始剤として上記有機アルカリ金属化合物を用いる場合には、上記有機アルカリ金属化合物と反応しない不活性有機溶媒を用いることが好ましい。上記不活性有機溶媒としては、特に限定はなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。上記不活性有機溶媒は、目的に応じて1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の重合体の回収方法で使用される重合体溶液は、このような炭化水素溶媒に重合体が溶解したもの、又はスラリー状に分散したものである。重合体としては、ゴム状重合体が好適に用いられる。
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が用いられる。具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、モノマー100質量部に対し0.02〜2.0質量部用いられる。
上記共役ジエン化合物としては特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。この中で、1,3−ブタジエン、イソプレンは重合反応性が高く、工業的に入手しやすいので好ましい。また、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記共役ジエン化合物単独で重合させてもよいが、共役ジエン化合物とその他の単量体を共に重合させることができる。例えば、上記共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合させることができる。上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、1−ビニルナフタリン、2−ビニルナフタリン、2−ビニルアントラセン、9−ビニルアントラセン、p−ビニルベンジルプロピルエーテル、p−ビニルベンジルブチルエーテル、p−ビニルベンジルヘキシルエーテル、p−ビニルベンジルペンチルエーテル、m−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、p−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、p−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、o−ビニルベンジルジメチルアミン、p−ビニルベンジルジメチルアミン、p−ビニルベンジルジエチルアミン、p−ビニルベンジルジ(n−プロピル)アミン、p−ビニルベンジルジ(n−ブチル)アミン、ビニルピリジン、2−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル等が挙げられる。この中で、スチレン及びtert−ブチルスチレンは重合反応性が高く、工業的に入手しやすく、しかも、得られる重合体の成形加工性が良好であることから好ましい。また、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、この場合、上記共役ジエンと上記芳香族ビニル化合物と、更に他の単量体とを重合させてもよい。
上記重合体の種類は、上記共役ジエン化合物を重合したもの又は上記共役ジエン化合物と上記芳香族ビニル化合物等の他の単量体を重合したものであればよいが、得られる組成物の物性及び成形加工性の点から、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体、及び以下の(A)〜(E)の重合体ブロックの中から選ばれた2以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体が好ましい。
(A)芳香族ビニル化合物が80質量%以上である芳香族ビニル化合物重合体ブロック
(B)共役ジエン化合物が80質量%以上である共役ジエン重合体ブロック
(C)1,2−ビニル及び3,4−ビニル結合含量の合計が25質量%未満の共役ジエン重合体ブロック
(D)1,2−ビニル及び3,4−ビニル結合含量の合計が25質量%以上90質量%以下の共役ジエン重合体ブロック
(E)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロック
上記(E)のランダム共重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物含量が連続的に一分子中で変化するいわゆるテーパータイプも含まれてもよい。また、上記「(A)〜(E)の重合体ブロックの中から選ばれた2以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体」の例としては、(A)−(B)、(A)−(C)、(A)−(D)、(A)−(E)、(C)−(D)、(C)−(E)、[(A)−(B)]x―Y、[(A)−(C)]x―Y、[(A)−(D)]x―Y、[(A)−(E)]x―Y、[(C)−(D)]x―Y、[(C)−(E)]x―Y、(A)−(B)−(C)、(A)−(B)−(E)、(A)−(B)−(A)、(A)−(C)−(A)、(A)−(D)−(A)、(A)−(D)−(C)、(A)−(E)−(A)、[(A)−(B)−(C)]x―Y、[(A)−(B)−(E)]x―Y、[(A)−(B)−(A)]x―Y、[(A)−(C)−(A)]x―Y、[(A)−(D)−(A)]x―Y、[(A)−(D)−(C)]x―Y、[(A)−(E)−(A)]x―Y、(A)−(B)−(A)−(B)、(B)−(A)−(B)−(A)、(A)−(C)−(A)−(C)、(C)−(A)−(C)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)]x―Y、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)−(A)]x―Y、[(B)−(A)]x―Y、[(C)−(A)]x―Y、[(D)−(A)]x―Y、[(E)−(A)]x―Y、(B)−(A)−(B)−(C)、(B)−(A)−(B)−(E)、(B)−(A)−(B)−(A)、(B)−(A)−(C)−(A)、(C)−(A)−(D)−(A)、(C)−(A)−(D)−(C)、(C)−(A)−(E)−(A)、[(C)−(A)−(B)−(C)]x―Y、[(D)−(A)−(B)−(E)]x―Y、[(D)−(A)−(B)−(A)]x―Y、[(D)−(A)−(C)−(A)]x―Y、[(D)−(A)−(D)−(A)]x―Y、[(D)−(A)−(D)−(C)]x―Y、[(D)−(A)−(E)−(A)]x―Y、(D)−(A)−(B)−(A)−(B)、(D)−(B)−(A)−(B)−(A)、(D)−(A)−(C)−(A)−(C)、(D)−(C)−(A)−(C)−(A)、[(D)−(A)−(B)−(A)−(B)]x―Y、(D)−(A)−(B)−(A)−(B)−(A)、[(D)−(A)−(B)−(A)−(B)−(A)]x―Y等が挙げられる(但し、x≧2であり、Yはカップリング剤の残基である。)。ペレット形状にする場合は、重合体の外側のブロック成分として少なくとも1つ以上の(A)及び/又は(C)重合体ブロックを含むことが好ましい。
上記カップリング剤としては、例えば、ハロゲン化合物、エポキシ化合物、カルボニル化合物、ポリビニル化合物等が挙げられる。上記カップリング剤として具体的には、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、エポキシ化大豆油、ジビニルベンゼン、テトラクロロ錫、メチルトリクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラメトキシ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、ポリイソシアネートクロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、四臭化炭素、ヨードホルム、テトラヨードメタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ヘキサクロロエタン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,2,3−トリブロモプロパン、1,2,4−トリクロロプロパン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,4−ビス(トリクロロメチル)ベンゼンなどのポリハロゲン化炭化水素、トリフルオロシラン、テトラブトキシシラン、テトラヨードシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、(ジクロロフェニル)トリクロロシラン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、ヘキサクロロジシラン、オクタクロロトリシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシクロロシラン、ジエトキシクロロメチルシラン、メチルトリアセトキシシランなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を共重合することにより上記共役ジエン系重合体を得る場合、上記共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物の組成比については特に限定はない。これらの合計を100質量%とした場合、通常、共役ジエン化合物100〜70質量%と芳香族ビニル化合物0〜70質量%の範囲とすることができる。
また、重合体のミクロ構造、即ち、1,2−ビニル又は3,4−ビニル結合の含量は、ルイス塩基を上記炭化水素溶媒と共に用いることにより制御することができる。かかるルイス塩基としては、例えば、エーテル及びアミン等が挙げられ、具体的には、(1)ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテル、高級エーテル、テトラヒドロフルフリルメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ビス(テトラヒドロフルフリル)ホルマール、2,2−ビス(2−テトラヒドロフルフリル)プロパン、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル及びプロピレングリコールエチルプロピルエーテル等のポリアルキレングリコールのエーテル誘導体等、並びに(2)テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン及びトリブチルアミン等の第3級アミン等が挙げられる。
重合体としては、重合体鎖末端に極性基含有原子団が結合した重合体であってもよい。極性基含有原子団とは、チッ素、酸素、ケイ素、リン、イオウ、及びスズから選ばれる原子を少なくとも1個含有する原子団をいう。具体的には、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジン基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオチアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルキルスズ基、フェニルスズ基などから選ばれる極性基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。
重合温度は、一般に−30℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃である。更に、重合系の雰囲気は窒素ガス等の不活性ガスをもって置換することが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力範囲であればよく、特に限定されるものではない。更に、重合系内には重合開始剤、触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素等が混入しないように留意する必要がある。重合体の重量平均分子量は、3万〜200万、好ましくは4万〜100万、更に好ましくは5万〜50万である。3万未満では、ゴム状の性質に劣ることがある。一方、200万を超えると、得られる水添重合体の流動性が低下し、加工性、成形外観が劣ることがある。
以上のようにして重合された重合体を水素化することにより、共役ジエン部分の二重結合残基が水添された重合体(水添物)が得られる。この水添は、20〜150℃、0.1〜10MPa−G(1〜102kg/cm2G)の加圧水素下、水素化触媒を使用して行われる。水素化に使用される不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒、又はメチルエチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの極性溶媒が挙げられる。これらの中では、経済性、安全性等の点で、シクロヘキサン、トルエンが特に好ましい。上記不活性有機溶媒は、目的に応じて1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、水素化触媒としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ルビジウム(Ru)及びロジウム(Rh)の群から選ばれた少なくとも1種を含む化合物を使用することができる。また、水素化触媒がチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)の群から選ばれた少なくとも1種を含むメタロセン化合物であることが好ましい。具体的には、ジシクロペンタジエニルチタンジハライド、シクロペンタジエニルチタンジハライド、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル置換フェニル、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル置換フェノール、ジシクロペンタジエニルチタンビス(p−トリル)、ジシクロペンタジエニルチタンアルコキシハライド、ジインデニルチタンハライド、インデニルチタンハライド、ジインデニルチタンジアルキル置換フェニル、ジインデニルチタンジアルキル、ジインデニルチタンジアルキル置換フェノール、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルトなどと周期律表第I〜III族の有機金属化合物とからなる水素化触媒;カーボン、シリカ、ケイソウ土などで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体などの金属触媒が挙げられる。また、リチウムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどの水素化化合物、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaNi5合金などの水素貯蔵合金などを用いた水素化反応も、重合体を水素化する方法として挙げられる。
共役ジエン部分の水添率は、水素化触媒、水素化化合物の添加量、又は水添反応時における水素圧力、反応時間を変えることにより調節される。特に、耐候性や耐熱老化性に優れた水添物を得るには、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の水添率を80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上にすることが推奨される。特に、樹脂組成物として用いる場合、重合体と樹脂との溶融混練りが高温下、剪断応力を加えて行われることが多い点や、該組成物のサーマルリサイクルの観点からも、物性や色調などの変調を起こさないようにするため、重合体の水添率を95%以上とすることが非常に好ましい。
一方、本発明により回収されるエラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン相互の共重合体、あるいは、これらと非共役ジエンとの共重合体、あるいは、1−ヘキセンなどの高級α−オレフィンの単独重合体、ブタジエンの単独重合体、イソブチレンの単独重合体であって、エラストマー状の重合体である。これらエラストマーは、オキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウムやこれらのアルコール(炭素数1〜12)変性物、あるいは、バナジウムトリアセチルアセチネート、オキシバナジウムジアセチルアセトネートなどのバナジウム化合物、ナフテン酸ニッケルなどのニッケル化合物、臭化コバルトなどのコバルト化合物、ジルコニウム化合物、四塩化チタン、三塩化チタン、あるいは、これらをシリカ、アルミナ、塩化マグネシウムなどの担体に担持したチタン化合物などと周期律表第I〜III族の有機金属化合物とからなる重合触媒により重合したものである。尚、本発明で使用されるエラストマーの重量平均分子量は、5万〜100万、好ましくは7万〜95万、更に好ましくは10万〜95万である。5万未満では、ゴム状の性質に劣るため好ましくない。一方、100万を超えると、得られるエラストマーの流動性が低下し、加工性、成形外観が劣る。本発明で特に好ましい重合体は、上記水添物である。
((a)リン酸エステル)
本発明の重合体の回収方法は、スチームストリッピングの前に、上記重合体の溶液に、ROH(R:水素、又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基)と以下の一般式(1)で示されるリン酸エステル(a)とを添加する工程を含む。
Figure 0005186920
[式中Rは、炭素数1〜12までのアルキル基、炭素数6〜12までのアリール基又は炭素数6〜12までのシクロアルキル基である。nは1〜2の整数である。nが2のとき、複数あるRは同一でも異なっていても良い。]
上記リン酸エステルは、n=1の場合の化合物とn=2の場合の化合物の混合物であってもよく、それらの割合は任意で調整しても構わない。このようなリン酸エステルを使用することにより、重合体中の残留金属触媒を効果的に除去することができる。R1の炭素数が12を超える場合、リン酸エステル(a)が最終的に得られた重合体中に残留しやすくなるため好ましくない。またリン酸エステル(a)の分子量(混合物の場合は平均分子量を意味する)は、500以下であることが好ましい。分子量が500を超える場合は得られた重合体中に添加したリン酸エステル(a)が残留しやすくなることがある。本発明で用いるリン酸エステル(a)成分は、本発明の使用量の範囲で、後工程のクラミング時に発泡などの悪影響が発生せず安定した連続運転が可能となる。(a)成分の使用量は、重合体100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、更に好ましくは0.01〜1質量部である。
リン酸エステル(a)成分の具体例としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)アシッドホスフェート、イデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェートなどが挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(ROH)
ROH(R:水素、又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基)の具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロパノール等が挙げられ、水及びメタノールがより好ましく、水が特に好ましい。ROHの添加量としては、金属触媒を構成する金属原子に対して、0.05〜10倍モルであることが好ましい。
((b)界面活性剤)
本発明においては、スチームストリッピングの前に、界面活性剤(b)成分を添加する工程を更に含んでもよい。(b)成分は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などのカルボン酸のアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酢酸塩などのスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩などのリン酸エステル塩の群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩からなるイオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤である。(b)成分の添加量は重合体100質量部に対し、好ましくは0.05〜1.0質量部であり、更に好ましくは0.05〜0.2質量部である。(b)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。1.0質量%を超えて添加するとクラミング時に発泡が激しくなり、実質的にストリッピング不可能になり好ましくない。
リン酸エステル(a)成分と界面活性剤(b)成分の添加量の合計は重合体100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、更に好ましくは0.01〜1質量部である。0.01質量部未満であると効果が少なく、2質量部を超えるとクラミングに悪影響を及ぼすため好ましくない。
本発明の重合体の回収方法は、上記、重合体溶液にリン酸エステル(a)及びROHを添加する工程(必要に応じて界面活性剤(b)を添加する)の後、下記慣用の補助添加成分を加える工程を有してもよい。その後、重合体溶液をスチームストリッピングして、水分を含有したクラム状にする工程を有し、最後に、脱水乾燥する工程により重合体が回収される。
上記リン酸エステル(a)成分及び界面活性剤(b)成分を添加して処理した重合体溶液には、慣用の補助添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤などの安定剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、造核剤、金属塩、有機金属化合物、金属不活性剤、防菌・防黴剤、分散剤、軟化剤、架橋剤、共架橋剤、着色剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤などを添加することができる。
上記酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]などのフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイトなどのリン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒドロキシアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
また、上記熱安定剤の具体例としては、Mg、Ca、Ba、Zn、Pbなどの金属イオンと2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、イソデカン酸、ネオ酸などの脂肪酸との金属塩、ジメチルスズビス−2−エチルヘキシルチオグリコール、モノメチルスズテアロキシエチルメルカプタイド、ジメチルスズテアロキシエチルメルカプタイド、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズビスブチルマレエート、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズビス−2−エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチルスズβ−メルカプトプロピオネートなどの有機スズ系安定剤などの熱安定化剤などが挙げられる。
上記光劣化防止剤の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系光安定剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光安定剤、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリシレート系光安定剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系光安定剤、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドなどのオキサゾリックアシッドアニリド系光安定剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジエニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジエニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジエニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
可塑剤としてはポリマーの分子間に浸透しポリマーの分子間力を弱め、ポリマーの分子運動をしやすくするものであればよく、それらの具体例としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸2エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジ2エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ2エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化脂肪酸ブチル、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチルなどのエポキシ系可塑剤、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ2エチルヘキシルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤、トリ2エチルヘキシルトリメリレート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル系可塑剤などが挙げられる。これらの安定剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらの添加量は、重合体100質量部に対し0.01〜2質量部であることが好ましい。0.01質量部未満では効果が乏しく、2質量部を超えるとブリードなどの問題が発生しやすくなる。
本発明では、上記安定剤などを添加する工程と下記スチームストリッピングする工程との間に、上記重合体溶液100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは0〜95質量部、更に好ましくは0〜90質量部の水を接触させることが好ましい。水が100質量部を超えると、得られるクラム粒径が均一になり難い。また、水の温度に制限はないが、好ましくは10〜120℃、更に好ましくは20〜110℃である。ここで、水との接触は、ラインホモミキサーなどの機械的混合機や、スタチックミキサーなどの静置式混合機にて混合撹拌することにより行われる。
次に、上記重合体溶液をスチームストリッピングし、粒径1〜20mmのクラム状の重合体が水中に分散したスラリーを得る工程である。この際分散剤を使用してもよい。ここで、分散剤としては、慣用の脂肪酸(塩)や塩化物、リン酸エステル(特公昭47−22687)、ポリエーテル型ブロック共重合体(特開昭50−89494、特開昭51−37987)、カルボン酸塩(特開昭49−53991、特開昭50−141693)、ポリビニルアルコール(特開昭50−90693)、セルロース誘導体(特開昭50−90693)などが挙げられる。以上の分散剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
上記分散剤は、一般に、重合体100質量部に対して、0〜0.3質量部の範囲で使用される。0.3質量部を超えると、スチームストリッピング時の発泡が激しくなり、実質的にストリッピングが不可能となる。
スチームストリッピングでは、上記の重合体溶液を、「溶媒の沸点又は該溶媒と水とが共沸する場合はその共沸温度」以上、120℃以下の温度範囲、好ましくは「溶媒の沸点又は共沸温度」より10℃以上高く、110℃以下の温度範囲でストリッピングし、クラム状の重合体が水中に分散したスラリーを得ることが望ましい。この際、重合体濃度は、好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。
重合体の濃度が5質量%未満の場合は、重合体に対する溶媒の量が多いため溶媒除去効率が悪く、一方60質量%を超えると、クラム粒径の小さいものが得られず、溶媒除去槽の器壁、攪拌羽根などへの重合体の付着量が多くなり好ましくない。スチームストリッピング時における温度が溶媒の沸点未満又は溶媒と水との共沸温度未満の場合には、溶媒の除去が悪く、クラム中の残存溶媒量が多くなる。
また、スチームストリッピング時の温度が120℃を超えると、クラム粒径の小さいものが得られないため好ましくない。尚、溶媒除去時の水中のpH(25℃換算)は、4〜10、好ましくは5〜9で実施する。pHが4未満、又は10を超えると、溶媒除去槽の腐食が激しく好ましくない。
スチームストリッピングで使用する重合体溶液は、直前の工程で得られた重合体濃度が5質量%未満の場合には、重合体溶液を1段又は多段のフラッシュ槽型式、攪拌槽、薄膜蒸発器、濡壁塔などの型式から選ばれる濃縮器に導入して濃度を5質量%以上にする必要がある。逆に、濃度が60質量%を超える場合には、溶媒で希釈して濃度を60質量%以下にする必要がある。スチームストリッピングで使用する重合体溶液には、粒径サイズの均一性の良好なクラムを得るため、水を重合体100質量部に対して30〜3,000質量部、好ましくは50〜2,000質量部、更に好ましくは100〜1,000質量部、あらかじめ混合したのち、溶剤除去槽に導入することもできる。あらかじめ混合する水としては、スチームストリッピングで使用する水の一部を循環使用してもよい。
水中に分散したクラム状の重合体の濃度は、一般に、0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%(ストリッピング時の水に対する割合)であり、この範囲であれば運転上の支障をきたすことなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。
上記スチームストリッピングで得られるクラムの粒径は、1〜20mm、好ましくは2〜19mm、更に好ましくは3〜15mmである。粒径が1mm未満では、後述する水切り用スクリーンの目詰まり原因となり好ましない。一方、20mmを超えると、溶媒除去速度が遅く好ましくない。
上述の工程は、チッ素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気下で実施することが好ましい。脱触剤が活性な重合触媒や水素化触媒と接触する前に酸素と接触した場合、脱触剤の脱触能力が落ちるため好ましくない。
次に、上記で得られた水分を含む重合体を脱水し、含水率を3質量%未満にする工程である。水を含むクラムを脱水する方法としては、ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機などのプレス水絞機で脱水後、スクリュー押し出し機型、あるいは、ニーダー型乾燥機、エキスパンダー乾燥機、熱風乾燥機の少なくとも1種の乾燥機で脱水する方法、脱水機と乾燥機とが一体化された装置で脱水する方法がある。本発明においては、プレス水絞機として1軸又は2軸などの多軸スクリュー押出機式絞り脱水機が脱水効率及び作業性の点で好ましい。また乾燥機として1軸又は2軸などの多軸スクリューベント押し出し機型乾燥機であり、L/D(スクリュー長さ/径)が10〜40のものが好ましい。脱水機と乾燥機とが一体化された装置としては脱水用のスリットを少なくとも1個、好ましくは2〜4個有し、脱気用のベント部を少なくとも1個、好ましくは2〜4個有する2軸以上のベント押出機が挙げられる。かかる構造のベント押出機としては、L/D=15〜50程度のものが好ましく、スクリューの噛み合い構造は、噛み合い、非噛み合い、いずれでも可能であり、また回転方向については、同方向、異方向のいずれでもよい。このようなベント押出機のスクリュー回転数、シリンダー加熱温度、ベント部の圧力は、押し出し能力、重合体の特性(粘度や熱安定性)、製品の品質などを勘案して選定されるが、一般にスクリュー回転数20〜500回転/分、好ましくは30〜400回転/分、シリンダー温度100〜300℃、好ましくは130〜260℃、ペレット部圧力は大気圧〜10mmHg絶対圧、好ましくは500〜50mmHg絶対圧の範囲から選定される。
次に、含水率を3質量%未満にしたクラムには、粉状の鉱物及び/又は粉状の有機物を打粉してもよい。任意に使用する粉状の鉱物及び/又は粉状の有機物を、重合体100質量部に対し、1.0質量部以下、好ましくは0.9質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下打粉することである。1.0質量部を超えると、クラム状、粉末状又はペレット状の重合体の表面に付着しきれず、打粉剤が重合体の透明性、流動性に影響し好ましくない。
打粉剤の平均粒径は、100μm未満、好ましくは50μm未満、更に好ましくは20μm未満、特に好ましくは0.1〜20μmである。100μm以上では、ブロッキング防止剤としての効果が低く好ましくない。
打粉剤のうち、粉状の鉱物としては、好ましくはクレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト、活性白土、シリカなどが挙げられ、好ましくはタルク、シリカである。粉状の有機物としては、金属セッケンや脂肪族アミドなどであり、好ましくはステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられ、更に好ましくはステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアリルアミドである。
本発明の重合体の回収方法においては、目的に応じて、回収された重合体に各種添加剤、例えば老化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤などの安定剤、カーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、アラミド繊維、木粉、コルク粉末、セルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤、可塑剤、オイル、低分子量ポリマーなどの軟化剤などを配合して用いることができる。
本発明の重合体の製造方法は、上述した本発明の重合体の回収方法で、重合体を回収する工程を含む方法である。そのため、色調、耐湿熱変色性、透明性及び耐失透性に優れた重合体を製造することができる
以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。尚、実施例中、部、%及びppmは、特に断らない限り、質量基準である。また、実施例中の各評価項目は、下記のようにして測定した。
(1)水添率
水添重合体の水添率は、四塩化炭素を溶媒に、270MHz、1H−NMR測定から算出した。
(2)重量平均分子量
重量平均分子量(以下「分子量」という)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めた。
(3)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレートは、JIS K7210に従って測定した。
(4)重合体のミクロ構造
共役ジエンの1,2−ビニル結合含量、シス−1,4結合含量は、赤外分析法を用い、モレロ法により算出した。
(5)スチレン含量
スチレン含量は、四塩化炭素を溶媒に、270MHz、1H−NMR測定から算出した。
(6)色調
重合体は、厚さ1mmのプレス成形板とし、JIS K7105に準拠し多光源分光測色計にて測定した黄色度(bL値)を色調とした。bL値が高いほど悪い。また重合体とポリプロピレン[チッソポリプロ社製XF1800]とを7/3の配合で電熱ロールを用いて混合し、厚さ1mmのプレス成形板とし、同じく黄色度(bL値)を評価した。
色調が5未満 ◎
色調が5〜8 ○
色調が8を超える ×
(7)湿熱テスト後の色調
重合体の厚さ1mmのプレス成形板を温度80℃、湿度80%の恒温恒湿槽に21日放置後の黄変度(bL値)をJIS K7105に準拠し測定し、放置前後の差(ΔbL)で評価した。差が大きいほど色調が悪い。また重合体とポリプロピレン[チッソポリプロ社製XF1800]とを7/3の配合で電熱ロールを用いて混合し、厚さ1mmのプレス成形板としたサンプルも同じく黄色度(bL値)を評価した。
ΔbLが2未満 ◎
ΔbLが2以上、3以下 ○
ΔbLが3を超える ×
(8)透明性
重合体の厚さ1mmのプレス成形板のHazeをJIS K7105に準拠して測定し、Hazeを求め、透明性を判断した。この値が大きいほど、透明性が悪い。
Hazeが15未満 ◎
Hazeが15〜20 ○
Hazeが20を超える ×
また重合体とポリプロピレンとを7/3の比で配合した厚さ1mmのプレス成形板サンプルのHazeも測定し、透明性を評価した。
Hazeが40未満 ◎
Hazeが40〜45 ○
Hazeが45を超える ×
(9)耐失透性
重合体の厚さ1mmのプレス成形版を温度80℃、湿度80%の恒温恒湿槽に7日放置後、各試験片のHazeをJIS K7105に準拠して測定し、放置前の試験片のHazeとの差を求め、耐失透性を判断した。この差が大きいほど、耐失透性が悪い。また重合体とポリプロピレンとを7/3の比で配合した厚さ1mmのプレス成形板サンプルのHazeも同じく評価した。
Hazeの差が15未満 ◎
Hazeの差が15〜25 ○
Hazeの差が25を超える ×
実施例及び比較例に示す配合に用いられる各種の成分は、以下の通りである。
(1)リン酸エステル
エチルアシッドホスフェート[城北化学工業社製、商品名JP−502]
(一般式(1)においてR1=エチル基、m=0であって、n=1及び2の1:1(モル比)混合物。)
ブチルアシッドホスフェート[城北化学工業社製、商品名JP−504]
(一般式(1)においてR1=ブチル基、m=0であって、n=1及び2の1:1(モル比)混合物。)
ブトキシエチルアシッドホスフェート[城北化学工業社製、商品名JP−506H]
(一般式(1)においてR1=ブチル基、R2=エチル基、m=1であって、n=1及び2の1:1(モル比)混合物。)
2−エチルヘキシルアシッドホスフェート[城北化学工業社製、商品名JP−508](一般式(1)においてR1=2−エチルヘキシル基、m=0であって、n=1及び2の1:1(モル比)混合物。)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル[第一工業製薬社製、商品名A210G]
(A210Gは、一般式(1)でmが2を超える化合物であり、リン酸エステル(a)成分の比較に用いた。)
(2)界面活性剤
アルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム[第一工業製薬社製、ハイテノール]
(3)安定剤
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名イルガノックス1068]
(4)分散剤
脂肪酸の塩;ステアリン酸ナトリウム[日本油脂社製]
塩化物;塩化カルシウム[旭硝子社製]
ポリオキシアルキレン誘導体;ポリオキシエチレンオレイルエーテル[第一工業製薬社製、商品名ノイゲンET−140E]
(5)打粉剤
ステアリン酸カルシウム;粒径約1.5μm[日東化成工業社製、カルシウムステアレート]
実施例中で使用した水添重合体、重合体は、次のようにして製造した。
(実施例1)
水添重合体(A);
窒素雰囲気下の反応容器内において、500部の脱気・脱水したシクロヘキサン溶液中、スチレン9部、テトラヒドロフラン15部を仕込み、重合開始温度を50℃にし、n−ブチルリチウム0.1部を添加して昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を15℃に冷却し、1,3−ブタジエン82部を加え、昇温重合を行った。
重合転化率がほぼ100%となったのち、スチレン9部を加え、昇温重合を行った。反応完結後、水素ガス0.4MPa−Gの圧力で10分間を放置した。重合が完結したのち、テトラクロロシラン0.03部を添加し、約20分間反応を行った。反応完結後、水素ガス0.4MPa−Gの圧力で10分間放置した。その後、テトラヒドロフラン溶液としたビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.05部及びトルエン溶液としたジエチルアルミニウムクロライド0.02部を窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分を、反応容器内に仕込み撹拌した。水素ガスの供給圧を0.8MPa−Gとして水添反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。得られた水添ポリマーの水添率は99%、重量平均分子量は12.0万、230℃、10kg荷重で測定したMFRは6.4g/10分であった。また、水添前の1,2−ビニル結合含量は79%、スチレン含量は18.0%であった。この水添重合体(水添物)を(A)とする。
水添重合体(A)のシクロヘキサン溶液に、リン酸エステル(a)成分としてエチルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.5部、水を0.14部(水添重合体(A)製造に使用した金属原子に対して4倍モル)、更にポリマー溶液中への混和のために界面活性剤(b)成分としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを水添重合体(A)100部に対して0.05部添加して充分混合して反応を停止させた(第1工程)。次いで、安定剤にオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを水添重合体(A)100部に対して0.5部添加した(第2工程)。この重合体溶液を、水に対して10ppmのステアリン酸ナトリウムと2ppmの塩化カルシウムと10ppmのポリオキシアルキレン誘導体を添加して、溶媒除去槽の温度を90〜98℃として、スチームストリッピングした(第3工程)。溶媒除去槽内のスラリー中の重合体クラムの濃度は4%であった。
次いで、上記で得られたクラム状水添重合体(A)の水分散スラリーを回転式スクリーンに送り、含水率約45%の含水クラムを得た。この含水クラムを1軸スクリュー押出機型水絞り機に送り、含水率0.1%の重合体を得た。その後、上記で得られた重合体をエキスパンダー乾燥機に供給し、シリンダー温度150℃で乾燥し、クラムを得、その後、得られたクラムに、打粉剤であるステアリン酸カルシウムを、重合体100部に対して0.2部添加した。その後、1軸1段ベント押出機に供給し、シリンダー温度190℃、スクリュー回転数約70回転/分、ベントはオープンの条件で押し出した。押し出し機先端からストランド状で得られた重合体は、ペレタイザーにてペレット化した。その後、ペレットのブロッキング防止に、ステアリン酸カルシウムを0.15部打粉した(第4工程)。最終的に得られた重合体の色調、Hazeを表1に示す。
一方、上記で得た重合体とポリプロピレンとを電熱ロールを用いて混合し、厚さ1mmのプレス成形板とし、同じく色調、Hazeを評価した。結果を表1に示す。重合体及び、重合体とポリプロピレンとの混合物の湿熱試験後の色調、耐透明性の評価結果も表1に併せて示す。表1に示したように、本発明の方法で得られた重合体は、製造直後だけでなく、重合体とポリプロピレンとを混合した場合でも色調、透明性が優れていた。また湿熱テスト後の色調、耐失透性にも非常に優れたものであった。
(実施例2)
リン酸エステル(a)成分としてエチルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.05部添加した以外は、実施例1と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例3)
リン酸エステル(a)成分としてエチルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.01部添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例4)
水を0.04部(水添重合体(A)製造に使用した金属原子に対して1倍モル)添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例5)
水を0.28部(水添重合体(A)製造に使用した金属原子に対して8倍モル)添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例6)
界面活性剤(b)成分を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例7)
リン酸エステル(a)成分としてブチルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.05部添加し、界面活性剤(b)成分を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
参考例
リン酸エステル(a)成分としてブトキシエチルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.1部添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例
リン酸エステル(a)成分として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを、水添重合体(A)100部に対して0.1部添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例
水添重合体(B);
窒素雰囲気下の反応容器内において、500部の脱気・脱水したシクロヘキサン溶液中、1,3−ブタジエン3.5部、テトラヒドロフラン0.025部を仕込み、重合開始温度を70℃にし、n−ブチルリチウムを0.09部添加し、昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を10℃に冷却し、テトラヒドロフラン7.5部、1,3−ブタジエン93部を加え、昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を50℃に冷却し、スチレン3.5部を加え、昇温重合を行った。次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、実施例1と同様の方法で水添反応を行った。得られた水添ポリマーの水添率は98%、重量平均分子量は15.5万、230℃、2.16kg荷重で測定したMFRは2.5g/10分であった。また、水添前の1段目重合の1,2−ビニル結合含量は15%、2段目重合の1,2−ビニル結合含量は80%、スチレン含量は3.5%であった。この水添重合体を(B)とする。
水添重合体(A)の代わりに水添重合体(B)を使用し、界面活性剤(b)成分を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例10
水添重合体(C);
窒素雰囲気下の反応容器内において、500部の脱気・脱水したシクロヘキサン溶液中、スチレンを7部、テトラヒドロフラン7.5部を仕込み、重合開始温度を50℃にし、n−ブチルリチウムを0.16部添加して昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を10℃に冷却し、1,3−ブタジエン93部を加え、昇温重合を行った。重合が完結したのち、テトラクロロシラン0.085部を添加し、約20分間反応を行った。反応完結後、水素ガス0.4MPa−Gの圧力をかけ、更にn−ブチルリチウム0.015部添加して10分間放置した。その後、実施例1と同様の方法で水添反応を行った。得られた水添ポリマーの水添率は98%、重量平均分子量は18.2万、230℃、2.16kg荷重で測定したMFRは7.5g/10分であった。また、水添前の1,2−ビニル結合含量は80%、スチレン含量は3.5%であった。この水添重合体を(C)とする。
水添重合体(A)の代わりに水添重合体(C)を使用した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例11
水添重合体(D);
窒素雰囲気下の反応容器内に、500部の脱気・脱水したシクロヘキサン溶液を仕込み、1,3−ブタジエン7部、テトラヒドロフラン0.025部を仕込み、重合開始温度を70℃にし、n−ブチルリチウム0.1部を添加して昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となった後、反応液を10℃に冷却し、テトラヒドロフラン7.5部、1,3−ブタジエン93部を加え、昇温重合を行った。重合が完結したのち、テトラクロロシラン0.05部を添加し、約20分間反応を行った。反応完結後、水素ガス0.4MPa−Gの圧力で10分間放置した。その後、実施例1と同様の方法で水添反応を行った。得られた水添ポリマーの水添率は98%、重量平均分子量は40.1万、230℃、10kg荷重で測定したMFRは3.5g/10分であった。また、水添前の1段目重合の1,2−ビニル結合含量は15%、2段目重合の1,2−ビニル結合含量は80%であった。この水添重合体を(D)とする。
水添重合体(A)の代わりに水添重合体(D)を使用した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 0005186920
表1における(*1)〜(*7)は以下の通りである。
(*1)リン酸エステル添加量、界面活性剤量及び安定剤量は、重合体100質量部に対する質量部である。
(*2)水添加量は、金属原子に対するモル数である。
(*3)括弧内の数値は、bL値である。
(*4)括弧内の数値は、Haze値である。
(*5)括弧内の数値は、ΔbL値である。
(*6)括弧内の数値は、ΔHaze値である。
(*7)ゴム重合体とポリプロピレンを7/3の比で溶融混練りした後、試験片にしたもの。
実施例1〜11で示すように、本発明の方法で得られた重合体及びその組成物(ポリプロピレン混合物)は色調及び透明性、耐湿熱変色性(湿熱後の色調)及び耐失透性に優れたものであった。
(比較例1)
第1工程において、リン酸エステルを使用しなかった以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。比較例1においては、ポリプロピレン混合物が、耐湿熱変色性、及び耐失透性に劣るものであった。
(比較例2)
第1工程において、リン酸エステルとしてポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルを、水添重合体(A)100部に対して0.1部添加した以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。比較例2においては、ポリプロピレン混合物が、耐湿熱変色性に劣るものであった。
(比較例3)
第1工程において、リン酸エステルとして2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを使用し、水を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして重合体を回収し、実施例1と同様の評価を行った。比較例3においては、重合体が、耐湿熱変色性及び耐失透性に劣り、ポリプロピレン混合物が、透明性、耐湿熱変色性、及び耐失透性に劣るものであった。
本発明の重合体の回収方法は、色調及び耐湿熱変色性が良好で且つ透明で耐失透性に優れる重合体を得る方法として利用することができる。得られる重合体及びその組成物は、湿熱後の耐変色性、耐失透性に優れる特徴を生かして、射出成形、押し出し成形、真空成形などによって各種成型品として用いられ、色々な用途、例えば、自動車内外装材、電化製品ハウジング、食品容器、食品包装材、食品容器の包装材、玩具類、防水シートなどの工業シート、ホース、電線、ケーブル、医療用品などに有効に利用できる。

Claims (10)

  1. 重合体溶液をスチームストリッピングすることにより重合体を回収する方法であって、
    前記重合体溶液に、ROH(R:水素、又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基)と、以下の一般式(1)で示されるリン酸エステル(a)とを添加する工程を含む重合体の回収方法。
    Figure 0005186920
    [式中Rは、炭素数1〜12までのアルキル基、炭素数6〜12までのアリール基又は炭素数6〜12までのシクロアルキル基である。nは1〜2の整数である。nが2のとき、複数あるRは同一でも異なっていても良い。]
  2. 前記(a)成分の添加量が、前記重合体100質量部に対し、0.01〜2質量部である請求項1に記載の重合体の回収方法。
  3. (b)界面活性剤を添加する工程を更に含み、(b)成分の添加量は前記重合体100質量部に対し、0.05〜1質量部である請求項1又は2に記載の重合体の回収方法。
  4. 前記ROHが、水である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体の回収方法。
  5. 前記重合体が、有機アルカリ化合物を開始剤として、共役ジエン化合物100〜30質量%及び芳香族ビニル化合物0〜70質量%の組成で重合した重合体の水添物である請求項1〜4のいずれかに記載の重合体の回収方法。
  6. 前記重合体が、Ti化合物、Ni化合物、Zr化合物、V化合物及びCo化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含む化合物からなる重合触媒を開始剤として、オレフィン及び/又は共役ジエン化合物を主体として重合して得られるエラストマーである請求項1〜4のいずれかに記載の重合体の回収方法。
  7. 前記有機アルカリ化合物が有機リチウム化合物であり、共役ジエン化合物がブタジエン及び/又はイソプレンであり、芳香族ビニル化合物がスチレンである請求項5に記載の重合体の回収方法。
  8. 前記水添物が水素化触媒により水添されたものであり、前記水素化触媒がTi、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru及びRhの群から選ばれた少なくとも1種を含む化合物である請求項5又は7に記載の重合体の回収方法。
  9. 前記水素化触媒がTi、Zr及びHfの群から選ばれた少なくとも1種を含むメタロセン化合物である請求項8に記載の重合体の回収方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の重合体の回収方法で、重合体を回収する工程を含む重合体の製造方法
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