JP6185404B2 - 熱可塑性エラストマーペレットの製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマーペレットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性エラストマーペレットの製造方法に関する。
従来から、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とを主体とするブロック共重合体、又はその水添物は、履物、プラスチックの改質、アスファルト、粘接着分野等の材料として広く利用されている。
従来において、前記ブロック共重合体を製造する場合、触媒に対して不活性な炭化水素溶媒中で重合が行われ、生成したブロック共重合体は溶媒に均一に溶解しているか、或いは懸濁した状態で得られる。そのため、ブロック共重合体の重合工程後、当該ブロック共重合体と溶媒とを分離する工程が必要となると共に、その後の成形工程を行う成形加工機への供給を容易にするための造粒工程が必要となる。
前記ブロック共重合体と溶媒とを分離する方法としては、例えば、スチームストリッピング法や直接脱溶媒法等があるが、経済性の観点からは、ブロック共重合体の溶液をベント押出機から脱溶媒して、ブロック共重合体を回収する直接脱溶媒法が有利な方法として挙げられる。
一方、前記造粒工程を実施する方法は、コールドカット法とホットカット法とに大別される。
前記コールドカット法には、シートカット方式とストランドカット方式とがある。
また、前記ホットカット法には、水中ホットカット方式(アンダーウォーターカット方式)と、空中ホットカット方式(ウォータリングカット方式)等とがあり、省スペース化、作業性、生産性の観点から、ストランドを押出機のダイス上で直ちにカットするホットカット法が有利な方法として挙げられる。
しかしながら、前記ホットカット法により造粒工程を実施すると、クラム又はペレット同士が融着し、これが連球状や塊状となり易く、生産の歩留まりの悪化を招来したり、融着したペレットが乾燥装置等を詰まらせる等の不具合を引き起こすおそれがあるという問題を有している。
前記問題点に鑑み、従来、クラム又はペレットの融着(ブロッキング)を防止する方法として、以下の方法が提案されている。
例えば、ブロック共重合体を含む炭化水素溶液を、融点又は軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下で、スチームストリッピングして脱溶媒するブロック共重合体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ブロック共重合体ペレットにポリオルガノシロキサンを添加し、あるいは、これとともに高級脂肪酸のビスアミドや高級脂肪酸の金属塩をブロッキング防止剤として添加するブロック共重合体のペレットの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、ブロック共重合体の組成物のペレットに、平均粒子径が150μm以下のポリプロピレン微粒子をブロッキング防止剤として添加するペレットの製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2003−64124号公報 特開平05−98051号公報 特許第4870280号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているブロック共重合体の製造方法は、ポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして脱溶媒することによって、ポリオレフィン微粒子がブロッキング防止剤としてクラム表面に付着し、効果を発揮するものであるため、直接脱溶媒法のように溶融押出する場合には、ブロック共重合体とともにポリオレフィン微粒子も溶融してしまうため、十分なブロッキング防止効果が得られないという問題を有している。
また、特許文献2、3に開示されているペレットの製造方法は、いずれも造粒工程で得たブロッキングする前のペレットにブロッキング防止剤を添加してブロッキング防止を行う方法であるため、ペレット同士が融着して連球状や塊状となってしまった後のペレットについては、解砕効果が不十分であるという問題を有している。
そこで、本発明においては、重合体又はその水添物の溶液から重合体を分離し、押出機でペレット化するにあたり、ペレット同士が融着して連球状や塊状になっても、良好な状態に造粒された熱可塑性エラストマーペレットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを用いて重合して得られた重合体をペレット化するにあたり、前記重合体の押出工程後に所定の工程を実施することにより、上述した従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む重合体又はその水添物である熱可塑性エラストマーペレットの製造方法であって、
(1)熱可塑性エラストマーをホットカットする工程と、
(2)熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Aを0.001〜0.5質量部、添加する工程と、
(3)熱可塑性エラストマーを解砕する工程と、
(4)熱可塑性エラストマーを乾燥する工程と、
(5)熱可塑性エラストマー100質量部に、ブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部、添加する工程と、
を、有する、熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔2〕
前記工程(3)において、
前記熱可塑性エラストマーを、固定刃と、回転体に刃が設置された回転刃によって解砕する、前記〔1〕に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔3〕
前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリオレフィン微粒子である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔4〕
前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリプロピレン微粒子である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔5〕
前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリエチレン微粒子である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔6〕
前記回転刃は、前記回転体に刃が1〜15本設置されており、
前記回転体が100〜3000rpmの回転速度で回転している、前記〔2〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔7〕
前記工程(3)の後、前記工程(4)の前に、
開目穴の直径が6〜25mmであるスクリーンを用いて、前記工程(3)で得られた熱可塑性エラストマーを分級する工程を有する、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔8〕
前記工程(1)のホットカットにより得られた熱可塑性エラストマーのペレットを水中で冷却する工程を有し、
前記工程(2)におけるブロッキング防止剤Aを、前記水中に添加する、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔9〕
前記水中に界面活性剤を0.01〜2.0質量%を添加する工程を有する、前記〔8〕に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔10〕
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、前記〔9〕に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔11〕
前記熱可塑性エラストマーは、
前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が5〜25質量%であり、
共役ジエン単量体単位の含有量が75〜95質量%である、
前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
〔12〕
前記工程(1)のホットカットを水中で行う、前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
本発明によれば、ブロッキング防止効果が得られ、良好な状態に造粒された熱可塑性エラストマーペレットが得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書において、重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、重合前のモノマー成分は「単位」を省略し、単に「〜単量体」と記載する場合があり、「単量体」を省略することもある。また、熱可塑性エラストマーのことを「重合体」又は「共重合体」と記載する場合もある。
〔熱可塑性エラストマーペレットの製造方法〕
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む重合体又はその水添物である熱可塑性エラストマーペレットの製造方法に関するものであり、下記工程(1)〜(5)を含む。
(1)熱可塑性エラストマーをホットカットする工程
(2)熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Aを0.001〜0.5質量部添加する工程
(3)熱可塑性エラストマーを解砕する工程
(4)熱可塑性エラストマーを乾燥する工程
(5)熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部、添加する工程
(熱可塑性エラストマー)
本実施形態で用いる熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位とを有する重合体又はその水添物である。
前記熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族炭化水素単量体と共役ジエン単量体を用い、重合することにより得られる。
<ビニル芳香族炭化水素単量体>
ビニル芳香族炭化水素単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。入手性、製造性の観点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<共役ジエン単量体>
共役ジエン単量体とは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。入手性、製造性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。機械強度の観点から、1,3−ブタジエンがより好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<重合体又はその水添物>
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法において、熱可塑性エラストマーは、押出成形機によるペレット化の容易さの観点から、ビニル芳香族単量体を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン単量体を主体とする重合体ブロックとを有する、重合体又はその水添物からなるブロック共重合体であることが好ましい。
前記「主体とする」とは、前記重合体中、所定の単量体単位を60質量%以上含有することを意味し、当該単量体単位を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法において、重合体は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が下限として好ましくは5質量%以上、8質量%以上、10質量%以上であり、上限として70質量%以下、50質量%以下、35質量%以下、25質量%以下、16質量%以下であり、重合体の柔軟性とエラストマー性および連球状や塊状ペレットの解砕効率性の観点からは、5〜25質量%が好ましい。
前記重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、下限として好ましくは30質量%以上、50質量%以上、65質量%以上、75質量%以上、84質量%以上であり、上限として95質量%以下、92質量%以下、90質量%以下であり、重合体の柔軟性とエラストマー性および連球状や塊状ペレットの解砕効率性の観点からは、75〜95質量%が好ましい。
前記熱可塑性エラストマーである重合体におけるビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量、及び共役ジエン単量体単位の含有量は、NMRによって測定でき、具体的には後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記重合体における、ブロックビニル芳香族炭化水素含有量(ビニル芳香族炭化水素がスチレンである場合は、ブロックスチレン含有量)は、柔軟性とエラストマー性の観点から5〜70質量%であることが好ましく、10〜35質量%がより好ましく、10〜16質量%がさらに好ましい。
ここでブロックビニル芳香族炭化水素含有量とは、水素添加前の重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの含有量を示し、後述する実施例に記載のオゾン分解測定方法により測定することができる。
前記熱可塑性エラストマーがブロック共重合体である場合、当該ブロック共重合体の構造としては、例えば、下記の式(i)〜(vi)が挙げられる。
(a−b)n ・・・(i)
b−(a−b)n ・・・(ii)
a−(b−a)n ・・・(iii)
a−(b−a)n−X ・・・(iv)
[(a−b)km−X ・・・(v)
[(a−b)k−a]m−X ・・・(vi)
前記式(i)〜(iv)中、aはビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とするブロックを表し、bは共役ジエン単量体単位を主体とするブロック又はその水添ブロックを表す。
ブロック共重合体中に重合体ブロックa、bが複数存在している場合には、各々の分子量や組成等の構造は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記式(i)〜(vi)中、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表す。Xは、以下に限定されるものではないが、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等が挙げられる。
m、n、及びkは、1以上の整数を表し、1〜5の整数であることが好ましい。
前記重合体は、カップリング体と非カップリング体との混合物であってもよい。
なお、前記熱可塑性エラストマーがブロック共重合体である場合、各ブロックの境界や最端部は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位との共重合体ブロックが存在してもよい。
また、各重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の分布は、前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位含有量の範囲ならば限定されず、均一に分布していても、テーパー状、階段状、凸状、あるいは凹状に分布していてもよい。また、重合体ブロック中に、結晶部が存在していてもよい。各重合体ブロック中には、ビニル芳香族化合物含有量の異なるセグメントが複数個共存していてもよい。
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法において、後述するように重合体溶液から重合体を回収する際の重合体の熱劣化抑制や、重合体の耐久性の観点、また、ポリエチレンやポリプロピレンとの相容性の観点から、前記重合体は、共役ジエン単量体単位中の不飽和基を水素添加(以下、水添)したものであることが好ましい。
なお、本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法における重合体は、水添物である場合と未水添物である場合の双方を含む。
前記重合体が水添物である場合、水添率は任意に選択することができ、未水添物の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上させる場合には、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合を3%以上80%未満、水添することが好ましく、より好ましくは5%以上75%未満水添し、又耐熱劣化性及び耐候性を向上させる場合には80%以上水添することが好ましく、より好ましくは90%以上水添する。
重合体の水添率は、NMRにより測定でき、具体的には後述する実施例に記載する方法により測定できる。
前記熱可塑性エラストマーである重合体の重量平均分子量は、重合体溶液から重合体を回収する際の回収の容易さや回収した重合体の機械物性の観点から1万以上であることが好ましく、回収の容易さの観点から30万以下が好ましい。
重合体の重量平均分子量は2万以上20万以下がより好ましく、3万以上15万以下がさらに好ましい。
重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができ、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
また、医療分野においては、医療用具の材料として、ポリプロピレン樹脂組成物が用いられることが多いが、本実施形態の製造方法により得られる熱可塑性エラストマーペレットの材料である重合体を、当該ポリプロピレン樹脂組成物に利用する場合、ポリプロピレンと高い相溶性を確保することが必要となる。かかる観点から、前記重合体は、ポリプロピレンと高い相溶性を有する水添物であることが好ましい。
また、水添前の重合体における共役ジエンのミクロ構造に関しては、ポリプロピレンとの相溶性の観点から、共役ジエン単量体単位全量に対するビニル含有量が50mol%以上であることが好ましい。60mol%以上がより好ましく、67mol%以上がさらに好ましく、72mol%以上がさらにより好ましい。
前記ビニル含有量とは、水添前の共役ジエンの1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエンの総mol量に対し、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合とする。
前記ビニル含有量は、NMRにより測定でき、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定できる。
本実施形態の製造方法により得られる熱可塑性エラストマーペレットの重合体には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、無機フィラー等の各種添加剤を添加してもよい。当該添加剤は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(熱可塑性エラストマーの製造方法)
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法における重合体を製造する方法としては、公知の方法を適用でき、以下に限定されるものではないが、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
前記重合体は、炭化水素溶媒中で上述した重合単量体であるビニル芳香族炭化水素単量体、共役ジエン単量体を重合させることにより製造する。
前記炭化水素溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記重合体の重合工程においては重合開始剤を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、少なくとも有機リチウム化合物を用いることが好ましい。
有機リチウム化合物としては、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が挙げられる。。
有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合体の重合工程においては、重合速度の調整、重合した共役ジエン単量体単位のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体との反応比率の調整等を目的として、所定の極性化合物やランダム化剤を使用することができる。
極性化合物やランダム化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
上述したように、単量体の重合で得られた重合体は、水添反応により水添物としてもよい。
水添反応に使用される触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒と、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるいわゆるチーグラー型触媒、又はRu、Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機錯触媒、あるいはチタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒が知られている。
水添方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法や、好ましくは特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401号公報に記載された方法が挙げられる。具体的には、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して水添ブロック共重合体溶液を得ることができる。
水添反応は、特に限定するものではないが、高い水添活性の観点から、重合体の活性末端を失活させた後に行うことが好ましい。
重合体の活性末端の失活方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、前記重合工程において用いた重合器中の活性重合体溶液に反応停止剤を添加する方法が挙げられる。
前記活性重合体溶液とは、重合体を含む溶液に、共役ジエン単量体や芳香族ビニル単量体を追加したときに、追加した単量体と重合反応が継続して行われる溶液を言う。
前記反応停止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、活性水素を有する化合物、有機ハロゲン化物又は無機ハロゲン化物が挙げられる。
前記活性水素を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール、チオール、アミン、無機酸、有機酸等が挙げられる。
前記有機ハロゲン化物又は無機ハロゲン化物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化アルキル化合物、ハロゲン化珪素、ハロゲン化錫、エステル化合物、アミド化合物、ケトン化合物、及びアルデヒド化合物等が挙げられる。
この中では、経済性や製品色調の観点から、水やアルコールが好ましく、アルコールがより好ましい。水とアルコールとを併用してもよい。
前記アルコールの中では、沸点が低く、後述のように重合体を含む溶液から脱溶媒し、重合体を回収する際、重合体に残存し難く、臭気がない点で、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。
反応停止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、製品色調、耐加熱変色性、耐失透性、押出機のフィルター詰まり抑制の観点から、前記重合開始剤である有機リチウム化合物に対して0.1〜10倍当量の範囲が好ましい。0.5〜2.0倍当量の範囲がより好ましく、0.6〜1.5倍当量がさらに好ましい。
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法における前記重合体は、上述した重合工程の後、溶媒と分離して回収する。
重合体の分離方法としては、必要に応じて重合開始剤や水添触媒由来の金属を酸洗浄し、水洗し、デカンテーションや遠心分離等により除去した後に、例えば、重合体溶液を攪拌しながらスチームを吹き込んで溶媒を除去するスチームストリッピング法や、重合体溶液をベント押出機から脱溶媒する直接脱溶媒法等が挙げられる。
これらの中でも、直接脱溶媒法が、溶媒回収量が高く、経済性の観点から好ましい。
((1)熱可塑性エラストマーをホットカットする工程)
本実施形体の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法においては、上述したように、重合体である熱可塑性エラストマーを溶媒と分離した後、ホットカットする工程を有する(本明細書中、工程(1)と記載する場合がある。)。
ホットカットとは、重合体を押出機によりストランドとし、当該ストランドをダイスの前面に接したカッターブレードで切断する方法であり、かかるホットカットには、具体的な方法として、水中でストランドを水冷しながら押出機のダイス上で直ちにカットする水中ホットカット方式と、押出機のダイスから押し出されたストランドを直ちに空中でカットし、カットされたペレットをケース内の水幕と水槽で冷却する、空中ホットカット方式等が挙げられる。
中でも、省スペース化、作業性、生産性の観点からは有利であるが、ペレット同士が融着し易い水中ホットカット方式が、本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法における工程(1)として好適である。
ホットカットを水中で行う場合、水中で冷却された連球状や塊状ペレットを含むペレットの水切りを行う方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、微細孔状やメッシュ状又はスリット状等のスクリーンを用いた方法が挙げられる。
((2)熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Aを0.001〜0.5質量部を添加する工程)
本実施形体の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法は、熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Aを0.001〜0.5質量部を添加する工程(本明細書中、工程(2)と記載する場合がある。)を有する。
ここで、ブロッキング防止剤Aの「A」とは、後述するブロッキング防止剤Bとの関係で熱可塑性エラストマーに対する添加順序を示したものであり、ブロッキング防止剤Bと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
ブロッキング防止剤Aとしては、工業一般に使用されるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、特開昭56−136347号公報、特開昭61−101503号公報、特開平5−98051号公報、及び特開平6−228521号公報等に開示されている有機系及び無機系化合物が使用される。
有機系ブロッキング防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、バルミチン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド等の高級脂肪酸モノアミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド等の高級脂肪酸ビスアミド;N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド等の複合型高級脂肪酸アミド;ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノレイン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、α−リノレイン酸などのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、鉄塩などの高級脂肪酸塩;ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、高密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、スチレン−アクロニトリル共重合体等の樹脂化合物;等が挙げられる。
ブロッキング防止剤Aは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。特に、成形する際の金型汚染や安全衛生性の観点から、ポリオレフィンが好ましい。
上述したブロッキング防止剤Aとしては、金型汚染や安全衛生性の観点からポリオレフィンが好ましく、特に、耐ブロッキング特性の観点からポリプロピレンがより好ましく、またさらに経済性の観点からはポリエチレンがより好ましい。
また、耐ブロッキング特性の観点から、前記ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレンは、平均粒子径が150μm以下の微粒子であることが好ましく、平均粒子径が100μm以下の微粒子であることがより好ましく、平均粒子径が50μm以下の微粒子であることがさらに好ましい。
平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度測定器によって測定することができる。
工程(2)においてブロッキング防止剤Aを熱可塑性エラストマーに添加する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘンシェル型ミキサー、タンブラー、リボンミキサー、ワックスブレンダー等を用いる方法、製造設備として用いられる粉流体流動混合装置、流動層乾燥装置、連続流動造粒乾燥機に直接添加する方法や、上述した工程(1)でホットカットを水中で行い、かつ冷却する場合には、当該水中に添加する方法が挙げられる。
これらの方法により、ブロッキング防止剤Aが熱可塑性エラストマーペレットの表面に付着する。
とりわけ、工程(2)におけるブロッキング防止剤Aの添加は、連球状や塊状ペレットの生成を抑制する観点から、熱可塑性エラストマーペレットを水中で冷却し、当該水中に添加されることが好ましく、より好ましくはホットカットを水中で行い、該水中に添加する方法が好ましい。
工程(2)におけるブロッキング防止剤Aの添加量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対し、0.001〜0.5質量部である。経済性と熱可塑性エラストマーペレットの互着防止性の観点から、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、ブロッキング防止剤Aを0.005〜0.4質量部添加することが好ましく、0.01〜0.3質量部添加することがさらに好ましい。
なお、上述した工程(1)においてホットカットを水中で行う場合、工程(2)でブロッキング防止剤Aを添加する工程において、当該水中に、界面活性剤を0.01〜2.0質量%を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、工業一般に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。界面活性剤としては、少なくとも非イオン性界面活性剤を用いることが取扱い性、潤滑性の観点からより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類;アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類;セルロースエーテル類等が挙げられる。
特に、アルキル及びアルキルアリルポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等の非イオン性界面活性剤が、取扱い性、潤滑性の観点から好ましい。
なお、リン酸エステル類はアニオン界面活性剤として分類される場合もあるが、本明細書中では、非イオン性界面活性剤と分類する。
また、非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、アルキルアミン塩等のカチオン系界面活性剤;ラウリルカルボキシルヒドロキシルエチレン、ラウリルベタイン等の両性界面活性剤等も使用できる。
界面活性剤を水中に添加する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、熱可塑性エラストマーのペレット冷却用の水槽中に、上述した界面活性剤を、所定濃度になるように直接添加する方法、所定量の流水中に界面活性剤を供給ポンプやフィーダーなどを使用して所定濃度になるように添加する方法が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、水中の界面活性剤濃度として0.01〜2.0質量%であることが好ましい。泡立ち抑制とペレット同士の滑り性付与による互着抑制の観点から水中の界面活性剤濃度が0.05〜1.5質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
((3)熱可塑性エラストマーを解砕する工程)
本実施形体の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法は、熱可塑性エラストマーを解砕する工程(本明細書中、工程(3)と記載する場合がある。)を有する。
上述したホットカットされた状態の熱可塑性エラストマーは、連球状や塊状のペレットとなる場合がある。
かかる連球状や塊状ペレットを、工程(3)により解砕することにより、良好な熱可塑性エラストマーペレットを得ることができる。
熱可塑性エラストマーを解砕する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、流動式混合機、流動式連続混合機等の混合機、インライン粉砕機、衝撃式粉砕機、回転刃式粉砕機、破砕機等が挙げられる。
特に、回転体による粉砕機が好適に用いられる。
回転体による粉砕機としては、回転刃式粉砕機や衝撃式粉砕機が挙げられる。
回転刃式粉砕機の中でも、解砕効率性の観点から、固定刃と、回転体に所定の刃が設置された回転刃により、解砕することが好ましい。
前記回転刃は、解砕効率性と粒度調整の観点から、回転体に刃が1〜15本設置されている構成であることが好ましく、1〜9本であることがより好ましく、2〜6本であることがさらに好ましく、2〜3本であることがさらにより好ましい。
回転体に奥行(回転軸方向)がある場合は、奥行き方向に複数の刃を設置してもよく、その場合は別の刃として数える。
回転刃の向きは特に制限がないが、回転方向に刃を向ける態様や、回転体の遠心方向に対して刃を向ける態様などが挙げられ、それぞれ回転方向や遠心方向に対して設置されている刃が角度を有していてもよい。
回転体の遠心方向に刃が向いており、回転軸方向に対して平行であることが好ましい。
また、前記回転体は、解砕効率性と粒度調整の観点から、熱可塑性エラストマーの解砕の際、100〜3000rpmの回転速度で回転していることが好ましく、300〜1000rpmであることがより好ましく、400〜800rpmであることがさらに好ましく、500〜700rpmであることがさらにより好ましい。
((4)熱可塑性エラストマーを乾燥する工程)
本実施形態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法は、熱可塑性エラストマーを乾燥する工程(本明細書中、工程(4)と記載する場合がある。)を有する。
熱可塑性エラストマーペレットを乾燥する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、コンベア式乾燥機、連続式流動層乾燥機、遠心乾燥機を用いた乾燥方法等が挙げられ、中でも省スペース化の観点から、遠心乾燥機を用いた乾燥方法が好ましい。
また、生産性の観点から、乾燥温度としては、10〜90℃が好ましく、20〜70℃がより好ましく、30〜50℃がさらに好ましい。さらに乾燥時間としては、2分以下が好ましく、1分以下がより好ましく、30秒以下がさらに好ましく、1〜5秒がさらにより好ましい。
((5)熱可塑性エラストマー100質量部に、ブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部を添加する工程)
本実施形体の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法は、熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部添加する工程(本明細書中、工程(5)と記載する場合がある。)を有する。
ここでブロッキング防止剤Bとしては、上述のブロッキング防止剤Aと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましく用いられる。
ブロッキング防止剤Bを熱可塑性エラストマーに添加する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘンシェル型ミキサー、タンブラー、リボンミキサー、ワックスブレンダー等の他、製造設備として用いられる粉流体流動混合装置、流動層乾燥装置、連続流動造粒乾燥機、空気輸送装置に、ブロッキング防止剤Bを直接添加する方法が挙げられる。
ブロッキング防止剤Bは、熱可塑性エラストマーに対して一度に添加してもよいし、二回以上に分けて添加してもよい。
上記工程(4)により乾燥処理を施した後の熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部を添加することにより、粉舞による作業環境を悪化させずに耐ブロッキング性を改善することができる。
ブロッキング防止剤Bの添加量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.03〜1.5質量部の添加が好ましく、0.05〜1.0質量部の添加がさらに好ましく、0.05〜0.5質量部がさらにより好ましい。ブロッキング防止剤Bの添加量が熱可塑性エラストマー100質量部に対して0.01質量部以上とすることにより、耐ブロッキング性を十分に改善する効果が得られ、2.0質量部以下とすることにより粉舞の発生による作業環境の悪化を防止することができる。
(その他の工程)
本実施形態においては、前記工程(3)の後、工程(4)の前に、開目穴の直径が6〜25mmであるスクリーンを用いて、熱可塑性エラストマーを分級する工程を有することが好ましい。
スクリーンを用いて分級することにより良好なサイズのペレットを得ることができる。
スクリーンの開目穴の径は8〜20mmであることがより好ましく、10〜15mmであることがさらに好ましい。
スクリーンの開目穴の径が6mm以上であれば熱可塑性エラストマーペレットの表面の傷つきを抑制でき、25mm以下であれば大きいペレットによる下流工程でのペレット詰まりを防止できる。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔重合体の構造特定方法、評価方法〕
後述する実施例1〜4及び比較例1〜4において得られた重合体の構造の特定方法、及び評価方法について以下に示す。
(水添ブロック共重合体のスチレン含有量、及びビニル含有量)
水添反応前のブロック共重合体を用い、磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により、下記の条件で測定した。
(水添ブロック共重合体の水素添加率)
水添反応前後のブロック共重合体を用い、水添ブロック重合体中の共役ジエン中の不飽和基の水素添加率を、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により、下記の条件で測定した。
<NMR測定条件>
水添反応前後の重合体をそれぞれ大量のメタノール中に沈澱させることにより、水添前後の重合体を回収し、次いでアセトン抽出・真空乾燥を行い、1H−NMR測定を行った。
測定機器:JNM−LA400(JEOL製)
溶媒:重水素化クロロホルム
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度:50mg/mL
観測周波数:400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数:64回
パルス幅:45°
測定温度:26℃
(ブロックスチレン含有量)
<オゾン分解測定方法>
水添反応前の重合体のジクロロメタン溶液にオゾン(O3)濃度1.5%の酸素を150mL/分で通過させて酸化分解し、得られたオゾニドを、水素化アルミニウムリチウムを混合したジエチルエーテル中に滴下して還元した。つぎに、純水を滴下して加水分解し、炭酸カリウムを添加し塩析、濾過を行うことによりビニル芳香族炭化水素成分(スチレン)を得た。このスチレン成分をGPCにより測定した。ここで得られたピークの面積比(7個以上のスチレン単量体重合部分に相当するピーク面積/ピークの総面積)とNMR測定で求めた重合体のスチレン含有量を掛け合わせてブロックスチレン含有量を求めた。
なお、オゾン発生機は日本オゾン(株)製OT−31R−2型を用い、GPC測定は、ウォーターズ製の2487を用い、クロロホルムを溶媒とし、流量1.0mL/分、カラムオーブン35℃で、カラムはShodexカラム−K803Lを2本接続して測定を行った。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、標準ポリスチレンにより作成した検量線を用い、水素添加前のポリマー10mgをTHF20mlで溶解してGPC測定を行い、測定した。
GPC装置:LC−10(島津製作所製、商品名)
カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本
(ペレットの分級試験方法)
孔径6mm、開孔率51%、直径200mmの60°千鳥型パンチングメタル容器に、実施例及び比較例で製造した水添ブロック共重合体ペレットを200g入れ、振とう後にパンチメタルを通過したペレットの質量を測定し、その割合を算出し、これをスモールペレット含有率とした。
次に、上記パンチングメタルに残ったペレットを幅1.5mm、長さ5mmの長丸穴、開孔率23.4%、直径200mmの長丸穴千鳥型パンチングメタル容器に移し入れ、振とう後にパンチメタルを通過したペレットの質量を測定し、その割合を算出し、これをラージペレット含有率とした。
次に、長丸穴千鳥型パンチングメタルに残ったペレットの質量を測定し、その割合を標準ペレット含有率とした。
標準ペレット含有率が97質量%以上を良好として評価した。
〔使用原料〕
実施例及び比較例で用いた水添ブロック共重合体、ブロッキング防止剤A、Bは次の通りである。
(水添ブロック共重合体)
<ポリマー1>
ジャケット付槽型反応器を用いて、所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、温度60℃に調整した後、n−ブチルリチウムの量を全モノマー(反応器に投入するブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の100質量部に対して、0.075質量部となるように反応器の底部から順次添加した。
さらに、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量が前記n−ブチルリチウム1molに対して1.8molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。
その後、モノマーとして、第1ステップ目のスチレン6.5質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度20質量%)を約10分間で供給し、反応器内温度を60℃に調整した。供給停止後、15分間反応器内温度を70℃に調整しながら反応させた。
次に、第2ステップ目のブタジエン87質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度20質量%)を50分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を50℃になるように調整し、供給停止後、10分間反応器内温度を50℃に調整しながら反応させた。
次に、第3ステップ目のスチレン6.5質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度20質量%)を20分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を70〜80℃になるように調整し、供給停止後、10分間反応器内温度を70℃に調整しながら反応させ、重合を終了した。
次に、得られた重合体に、エタノールの量がn−ブチルリチウム1モルに対して1当量になるようにエタノールのシクロヘキサン溶液を添加し、重合体の活性末端を失活した。
重合で得られたブロック共重合体を分析したところ、スチレン含有量は13.1質量%、スチレンブロック含有量は12.9質量%、ブタジエン部のビニル含有量は75mol%、重量平均分子量は14.8万であった。
次に、得られた重合体(重合体の濃度15質量%のシクロヘキサン溶液)を、特許昭59−133203号公報記載のTi系水添触媒を用いて、ブタジエン中の不飽和基中の99.3mol%を水添した。
<ポリマー2>
水添ブロック共重合体<ポリマー1>と同様に、水添ブロック共重合体<ポリマー2>を製造した。
なお、n−ブチルリチウムを全モノマーの100質量部に対して0.11質量部とし、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を前記n−ブチルリチウム1molに対して0.48molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。
さらに、第1、第3ステップのスチレン量を9質量部、第2ステップのブタジエン量を82質量部として、それぞれのステップの反応器内温度を70〜75℃に調整しながら反応させ、重合を終了した。
得られた水添ブロック共重合体<ポリマー2>は、スチレン含有量は18.3質量%、スチレンブロック含有量は18.0質量%、ブタジエン部のビニル含有量は51mol%、重量平均分子量は110,000であった。また、得られた水添ブロック共重合体(ポリマー2)の水添率は99.4%であった。
<ポリマー3>
水添ブロック共重合体<ポリマー1>と同様に水添ブロック共重合体<ポリマー3>を製造した。
なお、n−ブチルリチウムを全モノマーの100質量部に対して0.09質量部とし、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を前記n−ブチルリチウム1molに対して0.7molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。
さらに、第1ステップのスチレン量を20質量部、第2ステップをブタジエン33質量部とスチレン47質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度20質量%)として、それぞれのステップの反応器内温度を70〜75℃に調整しながら反応させ、第2ステップで重合を終了した。
次に、得られた共重合体のリビングポリマーにカップリング剤として、安息香酸エチルを重合に使用したn−ブチルリチウムに対して0.5モル反応させた。
得られた水添ブロック共重合体<ポリマー3>は、スチレン含有量67.2質量%、スチレンブロック含有量は20.2質量%、ブタジエン部のビニル含有量は42mol%、重量平均分子量は190,000であった。また、得られた水添ブロック共重合体<ポリマー3>の水添率は98.5%であった。
(ブロッキング防止剤A、B)
CaSt:ステアリン酸カルシウム 平均粒子11μm(日本油脂社製)
PP微粒子:ポリプロピレン系粉体 平均粒子 7μm((株)セイシン企業社製)
PE微粒子:ポリエチレン系紛体 平均粒子 8μm((株)セイシン企業社製)
(界面活性剤〉
リン酸エステル類:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(主成分)東邦化学工業(株)フオスフアノールRS−410
〔実施例1〕
ポリマー1を、かみ合い型同方向二軸押出機(東芝機械(株)、TEM−58)を用いてアンダーウォーターカット方式によるホットカットを行った。
使用した押出機はスクリュー外径58mm、L/D(L:スクリュー有効長、D:スクリュー外径)=53であり、スクリュー先端とダイとの間に、ギアポンプを取り付けたものである。
運転条件はスクリュー回転数120rpm、ポリマー押出量は50kg/時間で、バレル温度を200℃として、ホットカットを行うカッター刃は6枚とした。
また、前記ホットカット後、ペレット冷却用の循環水には、ブロッキング防止剤Aとして、<ポリマー1>100質量部に対して0.05質量部のCaStをテーブルフィーダーを用いて添加し、界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを主成分とした非イオン性界面活性剤を水中の界面活性剤濃度が0.6質量%になるように供給ポンプを用いて添加した。
次に、冷却水中のブロッキング防止剤Aと界面活性剤とが付着したペレットを、スクリーン((株)タナカ、LLCR−1500型ペレット冷却連続脱水機)で水切りを行った後、解砕機に供給した。その後、解砕機から排出されたペレットを遠心乾燥機(ホーライ(株)、ZI−420型)に供給してペレットの乾燥を行った。
使用した解砕機は刃を3個具備する回転刃及び固定刃が2個設置されており、600rpmの条件とした。
また、解砕機下方には分級を目的として開目穴の直径が12mmのスクリーンを取り付けてペレットの解砕処理を行った。
遠心乾燥機においては、乾燥温度40℃の条件で乾燥処理を行い、ポリマー1のペレットを得た。
次に、遠心乾燥機から排出された乾燥したポリマー1のペレットにブロッキング防止剤Bとして、<ポリマー1>100質量部に対して0.25質量部のCaStを添加し、リボンミキサーを用いてブロッキング防止剤処理ペレットを得た。
次に、このペレットを用いてペレットの分級試験を行い、評価した。
〔実施例2〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Aとしては、前記PP微粒子(ポリプロピレン系粉体)を、<ポリマー1>100質量部に対して0.1質量部添加し、ブロッキング防止剤Bとしては、前記PP微粒子(ポリプロピレン系粉体)を、<ポリマー1>100質量部に対して0.5質量部添加した。
〔実施例3〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Aとしては、前記PE微粒子(ポリエチレン系粉体)を、<ポリマー1>100質量部に対して0.1質量部添加し、ブロッキング防止剤Bとしては、前記PE微粒子(ポリエチレン系粉体)を、<ポリマー1>100質量部に対して0.5質量部添加した。
〔実施例4〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、水添ブロック共重合体としては、前記<ポリマー2>を用いた。また、ブロッキング防止剤Bとして前記CaStを、<ポリマー2>100質量部に対して0.2質量部添加した。
〔実施例5〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、水添ブロック共重合体としては、前記<ポリマー3>を用いた。また、ブロッキング防止剤Bとして前記CaStを、<ポリマー3>100質量部に対して0.15質量部添加した。
〔比較例1〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
なお、ブロッキング防止剤Aは無添加とし、解砕機を通さず、解砕処理を行わずに、遠心乾燥機による乾燥処理を行い、その後、乾燥ペレットにブロッキング防止剤BとしてCaStを、<ポリマー1>100質量部に対して0.25質量部添加し、ブロッキング防止剤処理ペレットを得た。
〔比較例2〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Bは無添加とした。
〔比較例3〕
前記〔実施例1〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Aは無添加とした。
〔比較例4〕
前記〔実施例4〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Aは無添加とし、解砕機を通さず、解砕処理を行わずに、遠心乾燥機による乾燥処理を行い、その後、ブロッキング防止剤Bとして前記CaStを、<ポリマー2>100質量部に対して0.2質量部添加し、ブロッキング防止剤処理ペレットを得た。
〔比較例5〕
前記〔実施例5〕と同様に、ブロッキング防止剤処理ペレットを得て、ペレットの分級試験を行い、評価した。
但し、ブロッキング防止剤Aは無添加とし、解砕機を通さず、解砕処理を行わずに、遠心乾燥機による乾燥機を行い、その後、ブロッキング防止剤Bとして前記CaStを、<ポリマー3>100質量部に対して0.15質量部添加し、ブロッキング防止剤処理ペレットを得た。
Figure 0006185404
Figure 0006185404
表1、表2中、Stはスチレンを示す。
本発明は、ブロッキング防止効果が得られた、良好な状態の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (12)

  1. ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む重合体又はその水添物である熱可塑性エラストマーペレットの製造方法であって、
    (1)熱可塑性エラストマーをホットカットする工程と、
    (2)熱可塑性エラストマー100質量部にブロッキング防止剤Aを0.001〜0.5質量部、添加する工程と、
    (3)熱可塑性エラストマーを解砕する工程と、
    (4)熱可塑性エラストマーを乾燥する工程と、
    (5)熱可塑性エラストマー100質量部に、ブロッキング防止剤Bを0.01〜2.0質量部、添加する工程と、
    を、有する、熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  2. 前記工程(3)において、
    前記熱可塑性エラストマーを、固定刃と、回転体に刃が設置された回転刃によって解砕する、請求項1に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  3. 前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリオレフィン微粒子である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  4. 前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリプロピレン微粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  5. 前記ブロッキング防止剤A及び前記ブロッキング防止剤Bが、平均粒径150μm以下のポリエチレン微粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  6. 前記回転刃は、前記回転体に刃が1〜15本設置されており、
    前記回転体が100〜3000rpmの回転速度で回転している、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  7. 前記工程(3)の後、前記工程(4)の前に、
    開目穴の直径が6〜25mmであるスクリーンを用いて、前記工程(3)で得られた熱可塑性エラストマーを分級する工程を有する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  8. 前記工程(1)のホットカットにより得られた熱可塑性エラストマーのペレットを水中で冷却する工程を有し、
    前記工程(2)におけるブロッキング防止剤Aを、前記水中に添加する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  9. 前記水中に界面活性剤を0.01〜2.0質量%を添加する工程を有する、請求項8に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  10. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項9に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  11. 前記熱可塑性エラストマーは、
    前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が5〜25質量%であり、
    共役ジエン単量体単位の含有量が75〜95質量%である、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
  12. 前記工程(1)のホットカットを水中で行う、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーペレットの製造方法。
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