JPH0967409A - エポキシ化ブロック共重合体の脱水方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体の脱水方法

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JPH0967409A
JPH0967409A JP24845195A JP24845195A JPH0967409A JP H0967409 A JPH0967409 A JP H0967409A JP 24845195 A JP24845195 A JP 24845195A JP 24845195 A JP24845195 A JP 24845195A JP H0967409 A JPH0967409 A JP H0967409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ化ブロック共重合体の脱水処理操作
を長期間に亘って、効率良く安定して行う方法を提供す
る。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
る重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックとからなるブロック共重合体またはその水
添物を、エポキシ化することにより得られたエポキシ化
ブロック共重合体の溶液を、スチームストリッピングす
ることにより溶媒を除去して得られたクラムをスクリュ
ー押出機式絞り脱水機によって脱水するに際して、この
脱水機の脱水用のスリット部におけるスリット間隙を
0.06〜1.0mmの範囲にすることにより含水率2
0重量%以下の重合体を得ることを特徴とする、エポキ
シ化ブロック共重合体の脱水方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ化ブロッ
ク共重合体の脱水方法に関する。さらに詳しくは、エポ
キシ化ブロック共重合体の溶液をスチームストリッピン
グすることにより溶媒除去して得られたクラム状の重合
体を、効率的に脱水する方法に関する。本発明で得られ
たエポキシ化ブロック共重合体は、ゴム状重合体または
樹脂状重合体の、改質剤または改質助剤、接着剤、シー
ラントなどの用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル芳香族炭化水素化合物と共
役ジエン化合物とからなるブロック共重合体は、常温で
透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴムあるいは合
成ゴムと同様の弾性を有し、しかも高温で熱可塑性樹脂
と同様の加工性を有することから、各種改質剤や接着剤
などの用途に広く利用されている。上記ブロック共重合
体の性能をさらに向上させる目的で、本発明者らは、ブ
ロック共重合体のジエンブロックに由来する不飽和結合
をエポキシ化して得たエポキシ化ブロック共重合体を使
用するという方法を、多数提案している。
【0003】これらのエポキシ化ブロック共重合体の製
造に際して、エポキシ化反応を有機溶剤中で実施し、生
成した重合体は溶媒に均一に溶解しているか、またはス
ラリー状で得られるため、重合体と溶媒とを分離し、重
合体を回収する工程が必要となる。重合体と溶媒とを分
離する方法としては種々の方法があるが、その一つとし
て重合体溶液を熱水中に注入し、溶媒を水蒸気と共に蒸
留し、重合体をクラム状で析出させる、いわゆるスチー
ムストリッピング法が知られている(例えば、特公昭5
5−7457号公報、特公昭55−22489号公報、
特公昭58−10411号公報などに記載などを参
照)。これら提案の方法により得られたクラム状の重合
体は、脱水・乾燥工程で水分が除去される。脱水・乾燥
方法としては、例えば特開昭59−53504号公報、
特開昭61−218614号公報などに記載の方法が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この脱水・乾燥方法に
おいては、脱水工程における含水クラムの脱水装置とし
て、ロール式脱水機、バンバリー式脱水機、スクリュー
押出機式絞り脱水機などが一般に使用される。これらの
脱水装置のうち、スクリュー押出機式絞り脱水機が、連
続生産に好適であるので、広く使用されている。スクリ
ュー押出機式絞り脱水機では、絞った水を装置外に排出
するためのスリットが、シリンダーに付設されている。
しかしながら、このような通常の装置を用いてエポキシ
化ブロック共重合体の脱水を行うと、この共重合体は熱
可塑性であるため、絞り部での発熱により可塑化し、本
来水を排出するためのスリットから重合体が絞り出さ
れ、そのスリットを閉塞してしまい脱水不良をおこし、
正常な脱水運転を長期にわたって行うことができなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、含水重合
体の脱水装置としてスクリュー押出機式絞り脱水機を用
いた重合体の脱水方法において、従来技術の上記欠点を
解決すべく鋭意検討した結果、脱水用のスリットの間隙
を特定の範囲にすることにより、上記欠点が解消できる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明によれば、ビニル芳香族炭
化水素化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体またはその水添物を、エポキシ化することに
より得られたエポキシ化ブロック共重合体の溶液を、ス
チームストリッピングすることにより溶媒を除去して得
られたクラムをスクリュー押出機式絞り脱水機によって
脱水するに際して、この脱水機の脱水用のスリット部に
おけるスリット間隙を0.06〜1.0mmの範囲にす
ることにより含水率20重量%以下の重合体を得るとい
う脱水方法が提供される。
【0007】以下に、本発明について詳細に記述する。
本発明でいうブロック共重合体とは、ビニル芳香族炭化
水素化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック
共重合体をいう。また、ブロック共重合体の水添物と
は、ブロック共重合体の重合体ブロックに存在する不飽
和炭素結合を水添反応により部分的に水素化した重合体
を指す。また、本発明でいうエポキシ化ブロック共重合
体とは、ブロック共重合体またはその水添物の重合体ブ
ロックに存在する不飽和炭素結合をエポキシ化した重合
体をいう。
【0008】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
炭化水素化合物の代表例としては、スチレン、αーメチ
ルスチレンなどの種々のアルキル置換スチレン、アルコ
キシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンな
ど挙げられる。これらの中で、スチレンが好ましい。こ
れらは1種でも、2種以上の混合物であってもよい。
【0009】ブロック共重合体を構成する共役ジエン化
合物の代表例としては、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルー1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられ
る。これらの中で、1,3−ブタジエンおよびイソプレ
ンが安価であり、かつ、入手し易いので好適である。こ
れらは1種でも、2種以上の混合物であってもよい。
【0010】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合組成比
は、好ましくは5/95〜70/30であり、さらに好
ましくは10/90〜60/40である。本発明に使用
できるブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは
5,000〜500,000であり、さらに好ましくは
10,000〜100,000である。低分子量では、
ゴム状弾性体の性質が発現し難く、また高分子量では溶
融し難くなるので好ましくない。ここで数平均分子量と
は、GPC法によって測定した標準ポリスチレン換算分
子量を意味する。
【0011】ブロック共重合体の構造は特に限定される
ものではないが、例えばA−B−A、B−A−B−A、
A−B−A−B−Aなどで表される、ビニル芳香族炭化
水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体であ
ってもよい。また、分子自体の構造は、直鎖状、分岐
状、放射状などのいずれの構造であってもよく、さらに
これらの任意の組合せであってもよい。ブロック共重合
体中のビニル芳香族炭化水素化合物は、均一に分布して
いても、またテーパー状に分布していてもよい。また、
この共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合物が均一
に分布している部分および/またはテーパー状に分布し
ている部分が、それぞれ複数個共存していてもよい。
【0012】エポキシ化する前のブロック共重合体の製
造方法は、特に限定されるものではなく、どのような方
法で製造されたものでもよい。例えば、特公昭40−2
3798号公報、特公昭47−3252号公報、特公昭
48−2423号公報、特公昭56−28925号公報
などに記載されているように、リチウム触媒などを用い
て不活性溶媒中で製造する方法が挙げられる。
【0013】ブロック共重合体の水添物の製造方法は、
特に限定されるものではなく、どのような方法で製造さ
れたものでもよい。例えば、特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報などに記載されている
ように、ブロック共重合体を、不活性溶媒中で、水素化
触媒の存在下に水素化する方法が挙げられる。水素化量
は特に限定されるものではないが、引き続きエポキシ化
反応を行なう際、エポキシ化剤と反応しうる不飽和炭素
結合が水添物の分子内に残っている必要がある。ブロッ
ク共重合体またはその水添物を、適当な有機溶剤に溶解
またはスラリー状にした後、エポキシ化する。エポキシ
化剤によりエポキシ化される部位は、重合体ブロックに
存在する不飽和結合である。
【0014】エポキシ化するの際に使用される有機溶剤
の代表例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタンなどの直鎖状および分岐状炭化水素類およびそれ
らのアルキル置換誘導体類、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類、およ
びそれらのアルキル置換誘導体類、ベンゼン、ナフタレ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、およ
びアルキル置換芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピルなどの脂肪族カルボン酸エステル
類、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げ
られる。これらの中でも好ましいのは、ブロック共重合
体またはその水添物の溶解性、およびその後の溶剤回収
の容易性などから、シクロヘキサン、酢酸エチル、クロ
ロホルム、トルエン、キシレン、ヘキサンなどである。
【0015】また、エポキシ化反応を行う際に使用でき
るエポキシ化剤の代表例としては、過酢酸、過安息香
酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などの有機過酸類、過
酸化水素、過酸化水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせ
たものなどが挙げられる。これらエポキシ化剤の中で
は、過酢酸が工業的に大量に製造されるため安価に入手
でき、しかも安定度が比較的高いので好ましい。使用す
るエポキシ化剤の量は、特に限定されるものではなく、
使用するエポキシ化剤の反応性、所望されるエポキシ化
度、使用するブロック共重合体、またはその水添物中の
不飽和炭素結合量などの条件により、任意に適当な量を
選択することができる。エポキシ化反応を行う際には、
必要に応じて、触媒を使用することもできる。
【0016】エポキシ化反応を行う際の温度は、使用す
るエポキシ化剤、用いる溶剤、ブロック共重合体、また
はその水添物の種類、量などにより異なり、特に限定さ
れるものではない。例えば、過酢酸をエポキシ化剤とし
て使用する場合の反応温度は、好ましくは0〜70℃の
範囲で選ばれる。0℃以下では反応速度が遅く、70℃
を越えると、生成したエポキシ基が開環したり、過酢酸
の分解が進行したりして、いずれも好ましくない。過酢
酸の安定性を向上するために、リン酸塩類をエポキシ化
反応に際して反応系に添加してもよい。エポキシ化反応
時間は、0.1〜72時間の範囲で選ぶことが生産性の
観点から好ましい。エポキシ化反応終了後は、反応液を
室温に下げ、エポキシ化反応の際に生成した酸類を、ア
ルカリ水溶液で中和、または純水で洗浄除去する。
【0017】上記のようにして得られたエポキシ化ブロ
ック共重合体の溶液は、スチームストリッピング法によ
り溶媒を除去することにより、重合体がクラム状で水中
に分散したスラリーが得られる。このスチームストリッ
ピング法における具体的な処理方法は、従来よく知られ
ている方法によればよい。スチームストリッピングの際
に、クラム化剤、場合により、クラム化剤に加えて分散
助剤としての金属の水溶性塩を使用することもできる。
【0018】クラム化剤としては、アニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤、非イオン界面活性剤などが
挙げられる。これら界面活性剤の添加量は、スチームス
トリッピングを行なう反応槽内の水に対して、好ましく
は1〜20000ppm、さらに好ましくは5〜500
0ppm、特に好ましくは10〜500ppmである。
1ppmより少ないと、析出したクラムの分散性が低下
し、20000ppmを越えると泡立ちが激しく、操作
に支障をきたすため好ましくない。クラム化剤は、安定
なクラムの分散性を維持できる範囲内で少ない方が好ま
しい。分散助剤として使用できる金属の水溶性塩の金属
としては、Li、k、Na、Mg、Ca、Al、Znな
どが挙げられる。
【0019】次に、上記方法で得られた水分を含むエポ
キシ化ブロック共重合体のクラムを、脱水工程において
脱水し、含水率を20重量%以下、好ましくは1〜15
重量%、さらに好ましくは2〜10重量%にする。本発
明においては、この脱水工程で、1軸または2軸以上の
多軸のスクリュー押出機式絞り脱水機を用いる。このよ
うな脱水機は、脱水効率および作業性の観点から他の脱
水機よりも好ましい。この工程で脱水された重合体の含
水率が20重量%を越えると、次の乾燥工程での乾燥が
不十分となるため好ましくない。また、脱水工程におい
て脱水された重合体の含水率を1重量%以下にするに
は、脱水処理時間が長くなりすぎたり、水絞り機による
剪断力で重合体がゲル化したり、またはシャッ解したり
するために、脱水工程における脱水後の重合体中の含水
率は、一般に1〜20重量%にすることが好ましい。な
お、スチームストリピング工程で得られるスラリー状の
クラムを、あらかじめ回転式スクリーン、振動スクリー
ン、遠心脱水機などによって水切りし、含水率35〜6
0重量%にまで含水率を低下させ、その後絞り脱水機に
よる脱水を行うことが好ましい。
【0020】本発明方法においては、前記の脱水工程に
おいて、スクリュー押出機式絞り脱水機にて脱水する
が、この際、脱水用のスリット部のスリット間隙を、
0.06〜1mm、好ましくは0.07〜0.5mm、
さらに好ましくは0.08〜0.3mmの範囲にするこ
とである。スリット間隙が0.06mm未満の場合は、
脱水効率が悪く、含水率20重量%以下の重合体が得ら
れない。また、スリット間隙が1.0mmを超えると、
スリット間隙からの重合体の漏れ出しが著しく、脱水効
率が低下したり、重合体の損失が多くなったりするため
に好ましくない。脱水スリットの数、長さについては特
に制限はないが、通常1〜3箇所、長さL/D=0.5
〜5のものが一般的である。
【0021】つぎに脱水された重合体は、乾燥装置によ
り乾燥される。乾燥装置としては、スクリュー押出機型
あるいはニーダー型乾燥機、エキスパンダー型乾燥機、
熱風乾燥機等が使用できる。乾燥された重合体中の含水
率は一般に1重量%未満、好ましくは0.5重量%以
下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。特に好
適な乾燥機は一軸または二軸などの多軸スクリューベン
ト押出機型乾燥機であり、L/D=10〜40のものが
使用できる。乾燥後の含水率が1重量%以上の場合に
は、重合体を成形するときに発泡したり、シルバースト
リークなどが発生したりして、外観不良となり好ましく
ない。乾燥後の重合体は粒状、粉末状、ペレット状、ス
トランド状などのいかなる形態であってもよい。
【0022】また、脱水機と乾燥機とを兼ね備えた装置
を使用すると、脱水と乾燥とを同時に実施することがで
きる。このような装置としては、脱水用のスリットを少
なくとも1個、好ましくは2〜4個有する二軸以上のス
クリューを備えたベント式多軸押出機が挙げられる。か
かる構造のベント押出機としては、L/D=15〜50
程度のものが好ましい。スクリューのかみ合い構造は、
かみ合い、非かみ合い、いずれでも可能であり、また回
転方向については同方向、異方向のいずれでもよい。こ
のようなベント押出機のスクリュー回転数、シリンダー
温度、ベント部の圧力は、押出能力、重合体の特性(粘
度、熱安定性など)、製品の品質などを考慮して選定さ
れる。一般には、スクリュー回転数20〜500rp
m、好ましくは30〜400rpm、シリンダー温度1
00〜300℃、好ましくは120〜250℃、ベント
部の圧力は大気圧〜1torr、好ましくは500〜5
torrの範囲から選択される。
【0023】本発明方法で脱水されたエポキシ化ブロッ
ク共重合体(E)には、必要に応じて、各種添加剤、例
えば老化防止剤、架橋剤、熱安定剤、紫外線吸収剤;シ
リカ、タルク、カ−ボンなどの無機物充填剤;可塑剤、
オイルなどの軟化剤などを配合することができる。これ
ら添加剤の添加時期は特に限定されるものではなく、エ
ポキシ化ブロック共重合体を最終的に得る工程のどの段
階であってもよい。例えば、スチームストリッピングを
実施する前のエポキシ化ブロック共重合体の有機溶液ま
たはスラリーに、耐熱安定剤などを添加することもでき
る。
【0024】本発明方法で脱水されたエポキシ化ブロッ
ク共重合体(E)は、熱可塑性樹脂を目的物に成形する
成形法、例えば射出成形法、押出成形法、中空成形法、
圧縮成形法、回転成形法などによって、シート、フィル
ム、各種形状の射出成型品、中空成型品などの多様な製
品、例えば家電製品、自動車部品、工業部品、家庭用
品、玩具などの成形用素材として活用できるほか、各種
熱可塑性樹脂の改質剤、粘着剤、接着剤の素材、アスフ
ァルト改質剤などの素材として有用である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づいて詳
細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、以下の記
載例において、「部」、「%」はいずれも重量基準を意
味する。
【0026】(実施例1)攪拌機、温度計、ジャケット
などを装備した容量3リットルの反応器に、ポリスチレ
ンーポリブタジエンーポリスチレン(SBS)のブロッ
ク共重合体(日本合成ゴム社製、商品名:TR−200
0)300部と、酢酸エチル1500部とを仕込み、S
BSを酢酸エチルに溶解した。反応器の内温を40℃に
昇温し、攪拌下、過酢酸の30%酢酸エチル溶液169
部を、3時間に亘って連続的に滴下し、40℃の温度で
エポキシ化反応を行った。エポキシ化反応終了後、反応
器内温を常温に戻し、純水で洗浄し、エポキシ化ポリス
チレンーポリブタジエンーポリスチレン重合体(「重合
体イ」という)の酢酸エチル溶液を得た。この重合体の
酢酸エチル溶液の濃度は、20%であった。この重合体
溶液をスチームストリッピングするに当り、スチームス
トリッピング槽内の水に、非イオン性界面活性剤(旭電
化社製、プルロニックF−108)を水に対して100
ppm添加し、水温95℃でスチームストリッピングを
行なった。重合体はクラム状で安定に分散し、重合体の
相互付着や、重合体の反応器の器壁や攪拌翼へ付着は認
められなかった。
【0027】ついで、上記で得られた重合体の水分散ス
ラリーを、回転式スクリーンによって水切りし、含水率
40重量%の含水クラムを得た。この含水クラムを、ス
リット間隙0.1mmを2個所有する一軸スクリュー押
出機式絞り脱水機に送り、脱水した重合体を得た。得ら
れた重合体中の含水率は15重量%であった。その後、
得られた重合体を二軸1段ベント押出機に供給し、シリ
ンダー温度180℃、スクリュー回転数200rpm、
ベント圧力200torrの条件で溶融押出し、乾燥し
た。押出機先端に装着したダイスから、押出されたスト
ランドをカッターで切断し、ペレット状(大きさ:直径
2mm,長さ3mmの円柱形,以下も同様。)にした。
乾燥後の重合体中の含水率は、400ppmであった。
この実施例1の結果および、実施例2、比較例1〜2の
結果を、併せて表−1に示す。
【0028】(実施例2)実施例1に記載の例におい
て、一軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を0.2mmに変更した外は、同例におけると同様の手
順で重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0029】(比較例1)実施例1に記載の例におい
て、一軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を0.05mmに変更した外は、同例におけると同様の
手順で重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0030】(比較例2)実施例1に記載の例におい
て、一軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を2mmに変更した外は、同例におけると同様の手順で
重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例3)攪拌機、温度計、ジャケット
などを装備した容量10リットルの反応器に、ポリスチ
レンーポリブタジエンーポリスチレン(SBS)のブロ
ック共重合体(実施例1のものと同種)300gと、シ
クロヘキサン3000gとを仕込み、SBSをシクロヘ
キサンに溶解した。水素化触媒として、ジーpートリル
ビス(1−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロ
ヘキサン溶液(濃度1ミリmol/リットル)40ml
と、n−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリmol/リッ
トル)8mlとを0℃、2kg/cm2の水素圧条件下
で混合したものを、前記の重合体溶液に添加し、水素分
圧2.5kg/cm2で30分間反応させた。得られた
部分水素化重合体溶液から減圧乾燥により溶剤を除去し
重合体を取り出した(ブタジエンに由来する二重結合の
水添率は50%であった)。この部分水添ブロック共重
合体300部を、シクロヘキサン1500部に溶解し、
これに過酢酸の30%酢酸エチル溶液180部を連続的
に滴下し、攪拌下40℃で3時間エポキシ化反応を行っ
た。反応液を常温に戻し、反応液と等量の純水で3回洗
浄し、エポキシ化部分水添ポリスチレンーポリイソプレ
ンーポリスチレン共重合体(「重合体ロ」という)の溶
液を得た。この重合体溶液をスチームストリッピングす
るに当り、スチームストリッピング槽内の水に、非イオ
ン性界面活性剤(花王社製、エマルゲンPP−290)
を水に対して100ppm添加し、水温95℃でスチー
ムストリッピングを行なった。重合体はクラム状で安定
に分散し、重合体の相互付着、および重合体の反応器の
器壁や攪拌翼へ付着は認められなかった。
【0033】ついで、上記で得られた重合体の水分散ス
ラリーを、回転式スクリーンによって水切りして、含水
率40重量%の含水クラムを得た。この含水クラムを、
脱水と乾燥が同時にできるスリット間隙0.1mmを有
する2段スリット、2段ベント付きの二軸スクリュー押
出機式絞り脱水機に送った。押出条件は、シリンダー温
度180℃、スクリュー回転数200rpm、第1ベン
トは常圧で、第2ベントは圧力200torr条件で押
出し乾燥した。押出機で溶融混練し、ダイスから押出さ
れたストランドをカッターでペレット状にした。乾燥後
の重合体中の含水率は、200ppmであった。この実
施例の結果および、以下の実施例4、比較例3〜比較例
5の結果を、併せて表−2に示す。
【0034】(比較例3)実施例3に記載の例におい
て、二軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を0.05mmに変更した外は、同例におけると同様の
手順で重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0035】(比較例4)実施例3に記載の例におい
て、二軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を2mmに変更した外は、同例におけると同様の手順で
重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0036】(実施例4)攪拌機、温度計、ジャケット
などを装備した容量20リットルの反応器に、ポリスチ
レンーポリイソプレンーポリスチレン(SIS)のブロ
ック共重合体(シェル化学社製、商品名:カリフレック
スTR1111)300部と、シクロヘキサン1500
部を仕込み、SISをシクロヘキサンに溶解した。これ
に過酢酸の30%酢酸エチル溶液222部を連続的に滴
下し、攪拌下、40℃で3時間エポキシ化反応を行っ
た。反応液を常温に戻し、反応液と等量の純水で3回洗
浄し、エポキシ化ポリスチレンーポリイソプレンーポリ
スチレン重合体(「重合体ハ」という)の溶液を得た。
この重合体溶液をスチームストリッピングするに当り、
スチームストリッピング槽内の水に、非イオン性界面活
性剤(花王社製、エマルゲンPP−290)を水に対し
て100ppm添加し、水温95℃でスチームストリッ
ピングを行なった。重合体はクラム状で安定に分散し、
重合体の相互付着、および重合体の反応器の器壁や攪拌
翼へ付着は認められなかった。
【0037】ついで、上記で得られた重合体の水分散ス
ラリーを、回転式スクリーンによって水切りし、含水率
45重量%の含水クラムを得た。この含水クラムを、脱
水と乾燥が同時にできるスリット間隙0.1mmを有す
る2段スリット、2段ベント付きの二軸スクリュー押出
機式絞り脱水機に供給した。押し出し条件は、シリンダ
ー温度180℃、スクリュー回転数200rpm、第1
ベントは常圧で、第2ベントは圧力200torrで押
し出し乾燥した。押出機で溶融混練し、ダイスから押出
されたストランドをカッターでペレット状にした。乾燥
後の重合体中の含水率は、180ppmであった。
【0038】(比較例5)実施例4に記載の例におい
て、二軸スクリュー押出機式絞り脱水機のスリット間隙
を2mmに変更した外は、実施例4におけると同様の手
順で、重合体を脱水・乾燥操作を行った。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業状の利用価値は極めて大である。 1.本発明方法によるときは、スクリュー押出機式絞り
脱水機のスリット間隙が適切な範囲にあるので、脱水処
理操作中にエポキシ化ブロック共重合体がスリットから
絞り出されることがなく、スリット間隙を閉塞すること
がない。 2.本発明方法によるときは、従って、エポキシ化ブロ
ック共重合体の脱水処理操作を長期間に亘って、効率良
く安定して行うことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重
    合体ブロックとからなるブロック共重合体またはその水
    添物を、エポキシ化することにより得られたエポキシ化
    ブロック共重合体の溶液を、スチームストリッピングす
    ることにより溶媒を除去して得られたクラムをスクリュ
    ー押出機式絞り脱水機によって脱水するに際して、この
    脱水機の脱水用のスリット部におけるスリット間隙を
    0.06〜1.0mmの範囲にすることにより含水率2
    0重量%以下の重合体を得ることを特徴とする、エポキ
    シ化ブロック共重合体の脱水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0924224A1 (en) * 1997-12-22 1999-06-23 DAICEL CHEMICAL INDUSTRIES, Ltd. Process for producing epoxidized block copolymer
US6903165B2 (en) 2001-05-14 2005-06-07 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for producing epoxidized diene polymer

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