JPH0995512A - エポキシ化ブロック共重合体及びその回収方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体及びその回収方法

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JPH0995512A
JPH0995512A JP27467395A JP27467395A JPH0995512A JP H0995512 A JPH0995512 A JP H0995512A JP 27467395 A JP27467395 A JP 27467395A JP 27467395 A JP27467395 A JP 27467395A JP H0995512 A JPH0995512 A JP H0995512A
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JP
Japan
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block copolymer
epoxidized
organic solvent
polymer
epoxidized block
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JP27467395A
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English (en)
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Yasuhiro Oshino
康弘 押野
Masaki Tanaka
雅紀 田中
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ化ブロック共重合体を、より簡単な
工程で、かつ、より経済的な方法により有機溶剤溶液か
ら回収する方法、及び成形時に異臭を発生したり外観不
良を起こさないエポキシ化ブロック共重合体を提供す
る。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
(C)又はその水添物(D)を有機溶剤中でエポキシ化
して得られるエポキシ化ブロック共重合体(E)をその
有機溶剤溶液から回収するに際して、前記溶液を蒸発機
に供給し直接有機溶剤を蒸発させて除去することを特徴
とする、エポキシ化ブロック共重合体の回収方法、及び
前記回収方法により得られる残存有機溶剤含量が500
0ppm以下のエポキシ化ブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残存する有機溶剤
含量の少ないエポキシ化ブロック共重合体、さらには経
済性に優れ、かつ簡単な工程からなる前記エポキシ化ブ
ロック共重合体の回収方法に関する。本発明で得られた
エポキシ化ブロック共重合体は、それ自体を成形品に用
いることができるほか、ゴム状重合体もしくは樹脂状重
合体の改質剤又は改質助剤、接着剤、シーラント、アス
ファルト改質剤等に好適である。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエ
ン化合物とからなるブロック共重合体は、透明で加硫を
しなくても加硫された天然ゴムあるいは合成ゴムと同様
の弾性を常温にて有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同
様の加工性を有することから、各種改質剤や接着等の分
野で広く利用されている。上記のような性能をさらに改
善する目的で、ブロック共重合体のジエンブロックに由
来する不飽和結合をエポキシ化して得たエポキシ化ブロ
ック共重合体を使用する方法が既に提案されている。こ
れらのエポキシ化ブロック共重合体(以下、単に「重合
体」とも称す。)の製造に際して、まず、エポキシ化反
応を有機溶剤中で行う。ここで得られる重合体は有機溶
剤に均一に溶解して溶液となっているか、又はスラリー
状であるため、重合体と有機溶剤とを分離し、重合体を
回収する工程が必要となる。重合体と有機溶剤とを分離
する方法としては、重合体溶液又はスラリーを熱水中に
注入して有機溶剤を水蒸気と共に蒸留し、重合体をクラ
ム状で析出させるスチームストリッピング法が一般的に
知られている。具体的には、例えば特公昭55−745
7号公報、特公昭55−22489号公報、特公昭58
−10411号公報等に記載された方法が知られてい
る。かかる方法により得られたクラム状の重合体は、脱
水・乾燥工程で水分が除去される。脱水・乾燥方法とし
ては、例えば特開昭59−53504号公報には、スチ
ームストリッピング法により得られたクラム状物に金属
酸化物もしくは金属炭酸塩を添加して乾燥器で乾燥する
方法が、また特開昭61−218614号公報等にはス
チームストリッピング法により得られたクラム状物を脱
水装置により含水率を低下させた後、二軸ベント式押出
機で更に水分を除去する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スチ−
ムストリッピング法による重合体の回収プロセスは、ク
ラムを析出する工程、固液分離する工程、脱水・乾燥す
る工程という多くの工程を要するため、運転が容易では
ないという問題点があった。特に、スチ−ムストリッピ
ングに際して適切な界面活性剤を選択して使用しない
と、析出したクラムがスチ−ムストリッピング槽内壁や
撹拌翼などに多量に付着し、運転不能になってしまうと
いう問題点があった。さらに、析出したクラムを脱水機
により脱水する場合に、クラムの形状等によっては脱水
機のスクリュ−に食い込みにくいという問題点もあっ
た。同時に、スチ−ムストリッピング法では、有機溶剤
除去に際して多量のスチ−ムを必要とすることから、経
済的にも改善が望まれていた。以上のような理由から、
簡単な工程で、かつ経済性に優れたエポキシ化ブロック
共重合体の回収方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、スチ−ムストリッピ
ング法に代わり、エポキシ化ブロック共重合体の有機溶
剤溶液を蒸発機に供給して直接有機溶剤を蒸発させて除
去することにより、簡単な工程で、かつ経済上問題なく
該共重合体を回収できることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0005】すなわち本発明によれば、ビニル芳香族炭
化水素化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とから
なるブロック共重合体(C)又はその水添物(D)を有
機溶剤中でエポキシ化して得られるエポキシ化ブロック
共重合体(E)をその有機溶剤溶液から回収するに際し
て、前記溶液を蒸発機に供給し直接有機溶剤を蒸発させ
て除去することを特徴とする、エポキシ化ブロック共重
合体の回収方法が提供される。さらに、このような方法
により、残存有機溶剤含量を5000ppm以下にする
ことにより、成形する際、臭気を発生したり、発泡等の
外観不良を起こさないエポキシ化ブロック共重合体を提
供することができる。以下に、本発明について詳細に記
述する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいうブロック共重合体と
は、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする重合体ブ
ロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロック(B)とからなるブロック共重合体(C)をい
う。また、ブロック共重合体の水添物(D)とは、ブロ
ック共重合体の重合体ブロック(B)に存在する不飽和
炭素結合を水添反応により部分的に水素化した重合体を
さす。また、本発明でいうエポキシ化ブロック共重合体
(E)とは、ブロック共重合体(C)又はその水添物
(D)の、重合体ブロック(B)に存在する不飽和炭素
結合をエポキシ化した重合体をさす。
【0007】ブロック共重合体(C)を構成しうるビニ
ル芳香族炭化水素化合物の代表例としては、スチレン、
α−メチルスチレン等の種々のアルキル置換スチレン、
アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル
置換ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトル
エン等が挙げられる。これらの中で、スチレンが好まし
い。またこれらの中から1種、もしくは2種以上を組み
合わせて用いることも出来る。
【0008】ブロック共重合体(C)を構成しうる共役
ジエン化合物の代表例としては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,
3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が
挙げられる。これらの中で、1,3−ブタジエン及びイ
ソプレンが安価であり、かつ入手しやすいので好まし
い。これらの中から1種でも、2種以上以上を組み合わ
せてもよい。
【0009】ブロック共重合体(C)を構成しうるビニ
ル芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合
組成比(重量比)は、好ましくは5/95〜70/30
であり、さらに好ましくは10/90〜60/40であ
る。本発明に使用できるブロック共重合体(C)の数平
均分子量は、好ましくは5,000〜500,000で
あり、さらに好ましくは10,000〜100,000
である。低分子量では、ゴム状弾性体の性質が発現しに
くく、また高分子量では溶融しにくくなるので好ましく
ない。ここで、数平均分子量とは、GPC法によって測
定した標準ポリスチレン換算分子量を意味する。
【0010】ブロック共重合体(C)の構造は特に限定
されるものではないが、例えばA−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等で表されるビニル芳香族炭
化水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体で
あってもよい。また、分子自体の構造は直鎖状、分岐
状、放射状などのいずれの構造であってもよく、さらに
これらの任意の組み合わせであってもよい。ブロック共
重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物は、均一に分布
していても、またテーパー状に分布していてもよい。ま
た、共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合物が均一
に分布している部分及び/又はテーパー状に分布してい
る部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。
【0011】エポキシ化する前のブロック共重合体
(C)の製造方法は、特に限定されるものではなく、ど
のような方法であっても差しつかえない。例えば、特公
昭40−23798号公報、特公昭47−3252号公
報、特公昭48−2423号公報、特公昭56−289
25号公報等に記載されているように、リチウム触媒等
を用いて不活性溶媒中で製造する方法が挙げられる。
【0012】ブロック共重合体の水添物(D)の製造方
法は、特に限定されるものではなく、どのような方法で
あっても差しつかえない。例えば、特公昭42−870
4号公報、特公昭43−6636号公報等に記載されて
いるように、不活性溶媒中でブロック共重合体(C)を
水素化触媒の存在下に水素化する方法が挙げられる。水
素化量は特に限定されるものではないが、引き続きエポ
キシ化反応を行なう際、エポキシ化剤と反応しうる不飽
和炭素結合が水添物(D)の分子内に残っている必要が
ある。
【0013】ブロック共重合体(C)又はその水添物
(D)を、適当な有機溶剤に溶解させ、又はスラリー状
にした後、エポキシ化する。エポキシ化剤によりエポキ
シ化される部位は、重合体ブロック(B)に存在する不
飽和結合である。
【0014】エポキシ化の際に使用しうる有機溶剤の代
表例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の直鎖状及び分岐状炭化水素類及びそれらのアルキ
ル置換誘導体類、シクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロヘプタン等の脂環式炭化水素類及びそれらのアルキ
ル置換誘導体類、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類及びアルキル置換芳香族炭
化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の
脂肪族カルボン酸エステル類、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの中で、ブ
ロック共重合体(C)又はその水添物(D)の溶解性及
びその後の有機溶剤回収の容易性などから、シクロヘキ
サン、酢酸エチル、クロロホルム、トルエン、キシレ
ン、ヘキサンを使用することが好ましい。
【0015】また、エポキシ化反応の際に使用しうるエ
ポキシ化剤の代表例としては、過酢酸、過安息香酸、過
ギ酸、トリフルオロ過酢酸等の有機過酸類、過酸化水
素、過酸化水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせたもの
等が挙げられる。エポキシ化の際には、必要に応じて触
媒を使用することもできる。これらの中で工業的に大量
に製造されるため安価に入手でき、しかも安定度の比較
的高い過酢酸がエポキシ化剤として好ましい。使用する
エポキシ化剤の量は、特に限定されるものではなく、使
用するエポキシ化剤の反応性、所望されるエポキシ化
度、使用するブロック共重合体又はその水添物中の不飽
和炭素結合量等の条件により任意に適当な量を選択する
ことができるが、最終的に得られる重合体(E)のエポ
キシ当量は、140〜2700であるようにエポキシ化
剤の量を選択するのが好ましい。エポキシ当量は、より
好ましくは200〜2000である。ここで、エポキシ
当量は式:エポキシ当量=1600/{エポキシ化ブロ
ック共重合体中のオキシラン酸素濃度(wt%)}で算
出され、オキシラン酸素1モル当たりのエポキシ化ブロ
ック共重合体の重量を表す。オキシラン酸素濃度は、臭
化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求める。エポキシ当
量が大きいとオキシラン酸素濃度が低いことを示し、逆
に小さいとオキシラン酸素濃度が高いことを示す。エポ
キシ当量が140より小さいと、重合体の弾性的な性質
が発現しにくくなり好ましくなく、また2700より大
きいとエポキシ化したことによる特異的な物性が発現し
にくくなり好ましくない。
【0016】エポキシ化反応温度は、使用するエポキシ
化剤、用いる有機溶剤、ブロック共重合体(C)もしく
はその水添物(D)の種類や量などにより異なり、特に
限定されるものではない。例えば、過酢酸をエポキシ化
剤として使用する場合の反応温度は、好ましくは0〜7
0℃である。0℃以下では反応速度が遅く、70℃を越
えると生成したエポキシ基が開環したり過酢酸の分解が
進行したりして好ましくない。過酢酸の安定性を向上さ
せるために、リン酸塩類をエポキシ化反応に際して反応
系に添加してもよい。エポキシ化反応時間は、0.1〜
72時間の範囲で選ぶことが生産性の観点から好まし
い。エポキシ化反応終了後は、エポキシ化反応の際に生
成した酸類をアルカリ水溶液で中和するか、もしくは水
でエポキシ化ブロック共重合体溶液を洗浄して除去した
後、前記溶液から有機溶剤を除去し、エポキシ化ブロッ
ク共重合体を回収する。
【0017】本発明の特徴は、上記のようにして得られ
たエポキシ化ブロック共重合体(E)の有機溶剤溶液
を、例えばポンプによって蒸発機に定量的に供給し、有
機溶剤を直接蒸発させ、エポキシ化ブロック共重合体
(E)を回収することにある。蒸発機としては、1段又
は2段以上の多段濃縮が可能なフラッシュ槽式蒸発機、
撹拌槽式蒸発機、薄膜蒸発機、濡壁塔式蒸発機、縦型ス
クリュ−付き蒸発機、ベント式押出機等が使用できる。
生産能力向上の観点から、これらの中から選ばれる2種
以上の蒸発機を組み合わせて使用してもよい。これらの
中では、有機溶剤除去能力が高く、樹脂の焦げ付着量が
少ないという理由から、ベント式押出機を使用すること
が最も好ましい。
【0018】以下に本発明で好んで使用されるベント式
押出機について詳述する。ベント式押出機としては、脱
気用のベント部を少なくとも1個、好ましくは1〜10
個、さらに好ましくは1〜5個有する押出機である。軸
の数は、少なくとも一本、好ましくは二本以上を有する
押出機である。これらの中で、二軸ベント式押出機が汎
用的であるという観点から特に好ましい。かかる構造の
ベント式押出機としては、L/D=2〜50、好ましく
は4〜40(Lはスクリュ−の長さ、Dはスクリュ−の
外径)程度のものがよく、スクリューのかみ合い構造
は、かみ合い、非かみ合いのいずれでもよく、また回転
方向については同方向、異方向のいずれでもよい。
【0019】二軸ベント式押出機の中でも、スクリュ−
内部に熱媒を通過させることができる構造であるものが
特に好ましい。このような構造を有する押出機は、有機
溶剤が蒸発する際に奪われる多量の熱を十分に供給でき
るという観点から好ましい。また、押出機内の上部に連
続した気相部を有するものが、有機溶剤の除去効率の点
から好ましい。
【0020】蒸発機の温度、蒸発機内部の圧力は処理能
力、重合体の特性(粘度、熱安定性等)、有機溶剤の種
類・濃度、製品の品質等を考慮して選定される。好まし
い蒸発機温度は、80〜300℃、さらに好ましくは1
20〜250℃である。押出機温度が80℃未満である
と、有機溶剤が十分に除去されずに、300℃より高い
と重合体中にゲルが多量に発生するので好ましくない。
蒸発機内部の圧力は、好ましくは500torr以下、
さらに好ましくは400〜1torrの範囲から選択さ
れる。なお、蒸発機内部の圧力とは、蒸発機内で樹脂と
接触している気相部の中で最も低い圧力を示す箇所の圧
力をさす。押出機の場合、通常ベント部に取付けた圧力
計にて読み取った値を意味する。蒸発機内部の圧力が5
00torrより高いと、有機溶剤が十分に除去されな
いので好ましくない。ベント式押出機を使用する場合の
スクリュー回転数は20〜500rpm、好ましくは3
0〜400rpmである。
【0021】このような方法により直接有機溶剤を蒸発
させて除去(以下、「直接脱溶剤」とも称す。)し、最
終的に得られるエポキシ化ブロッック共重合体中の残存
有機溶剤含量を、5000ppm以下、より好ましくは
2000ppm以下、特に好ましくは1000ppm以
下とすることが好ましい。残存有機溶剤含量が5000
ppmより多いと、それを製品形態に成形する際、発泡
したり、臭気が発生するので好ましくない。残存有機溶
剤含量の調整は、蒸発機の温度、蒸発機内部の圧力、処
理速度等の条件を変更することにより、容易に行うこと
ができる。蒸発機により直接脱溶剤されたエポキシ化ブ
ロック共重合体は、発泡クラム状、粒状、粉末状の何れ
の形態で得ることもでき、またストランド状、ペレット
状で得ることもできるが、好ましくはペレット状であ
る。
【0022】本発明のエポキシ化ブロック共重合体に
は、必要に応じて各種添加剤、例えば耐熱安定剤、老化
防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、あるいは、シリカ、タ
ルク、カ−ボンなどの無機物充填剤、可塑剤、オイルな
どの軟化剤を配合して使用することができる。これらの
添加時期は特に限定されるものではなく、エポキシ化ブ
ロック共重合体を最終的に得るまでのいかなる工程であ
ってもよい。
【0023】本発明の方法により得られたエポキシ化ブ
ロック共重合体は、それ自体をシート、フィルム、各種
形状の射出成形品、中空成形品等の多様の成形品として
活用できるほか、各種熱可塑性樹脂の改質剤、粘着剤、
接着剤の素材、アスファルト改質剤、家電製品、自動車
部品、工業部品、家庭用品、玩具等の素材として有用で
ある。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例で示すが、本発明はこ
れらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0025】(実施例1)ポリスチレン−ポリブタジエ
ン−ポリスチレン(SBS)のブロック共重合体(日本
合成ゴム(株)製,商品名:TR2000)300重量
部を酢酸エチル1500重量部に溶解し、これに過酢酸
の30%酢酸エチル溶液169重量部を連続的に滴下
し、撹拌下40℃で3時間エポキシ化反応を行った反応
液を常温に戻し、純水にて洗浄し、エポキシ化ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレン重合体の酢酸エチ
ル溶液を得た。この重合体の酢酸エチル溶液の濃度は3
0wt%であった。この溶液を、スクリュ−外径40m
m、L/D=38.5の二軸2段ベント式押出機に供給
し、ベント部より溶剤を減圧脱気した。使用したベント
式押出機のシリンダ−温度は160℃にし、第1ベント
部の圧力は200torr、第2ベント部の圧力は50
torrでスクリュ−回転数は200rpmで運転し
た。また、得られる重合体の生産速度が10Kg/hと
なるように溶液を供給した。押出機先端から排出された
重合体をカッタ−にてペレット状にした。脱溶剤後の重
合体中の残存溶剤含量は2300ppmであり、重合体
のエポキシ当量は520であった。また、成形品の発泡
は全く認められなかった。なお、成形は重合体を200
℃でプレスして2mm厚のシ−トを目視で判断した。
【0026】(実施例2)実施例1と全く同じ方法によ
って得られたエポキシ化ブロック共重合体の酢酸エチル
溶液(濃度30wt%)を、スクリュ−内部に熱媒を通
すことができ、かつ押出機内の上部に連続した気相部を
有する、スクリュ−外径40mm、L/D=9の二軸ベ
ント式押出機に供給し、ベント部より溶剤を減圧脱気し
た。使用したベント式押出機のシリンダ−温度は160
℃にし、ベント部の圧力は100torrで、スクリュ
−回転数は200rpmで運転した。また、得られる重
合体の生産速度が10Kg/hとなるように溶液を供給
した。押出機先端から排出された重合体をカッタ−にて
ペレット状にした。脱溶剤後の重合体中の残存溶剤含量
は420ppmであり、重合体のエポキシ当量は520
であった。また、実施例1と同様に成形品(プレスシー
ト)の発泡は全く認められなかった。
【0027】(実施例3)撹拌機及び温度計を備えたジ
ャケット付き反応器において、ポリスチレン−ポリブタ
ジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(日本合成ゴ
ム(株)製,商品名:TR−2000)300重量部を
シクロヘキサン3000重量部に溶解した。水素化触媒
として、ジ−p−トリルビス(1−シクロペンタジエニ
ル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1mmol
/l)0.40重量部と、n−ブチルリチウム溶液(濃
度5mmol/l)0.08重量部とを0℃、2Kg/
cm2の水素圧条件下で混合したものを、前記の重合体
溶液に添加し、水素分圧2.5Kg/cm2にて30分
間反応させた。得られた部分水素化重合体溶液から減圧
乾燥により溶剤を除去し重合体を取り出した(ブタジエ
ンに由来する二重結合の水添率は50%であった)。こ
の部分水添ブロック共重合体300重量部を、シクロヘ
キサン1500重量部に溶解し、これに過酢酸の30%
酢酸エチル溶液180重量部を連続的に滴下し、撹拌下
40℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温
に戻し、反応液と等量の純水で3回洗浄し、エポキシ化
部分水添ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン
共重合体の溶液(濃度26wt%)を得た。この重合体
溶液を、スクリュ−内部に熱媒を通すことができ、かつ
押出機内の上部に連続した気相部を有する、スクリュ−
外径40mm、L/D=9の二軸ベント式押出機に供給
し、ベント部より溶剤を減圧脱気した。使用したベント
式押出機のシリンダ−温度は170℃にし、ベント部の
圧力は100torrで、スクリュ−回転数は200r
pmで運転した。また、得られる重合体の生産速度が1
0Kg/hとなるように溶液を供給した。押出機先端か
ら排出された重合体をカッタ−にてペレット状にした。
脱溶剤後の重合体中の残存溶剤含量は380ppmであ
り、重合体のエポキシ当量は285であった。また、実
施例1と同様に成形したプレスシートの発泡は全く認め
られなかった。
【0028】(比較例1)実施例1と全く同じ方法によ
って得られたエポキシ化ブロック共重合体の酢酸エチル
溶液(濃度30wt%)を、スチ−ムストリッピングし
て溶剤を除去した。スチームストリッピングするに当
り、スチームストリッピング槽内の水に、花王製の非イ
オン界面活性剤「エマノーン3199」(ポリエチレン
グリコールモノステアレート)(HLB値19.1)を
水に対して100ppm添加して、槽の下部からスチー
ムを吹き込むことによって水温90℃でスチームストリ
ッピングを行なった。しかしながら、重合体の大部分は
撹拌翼や槽内壁に付着し、エポキシ化ブロック共重合体
を回収することができなかった。
【0029】(比較例2)実施例1と全く同じ方法によ
って得られたエポキシ化ブロック共重合体の酢酸エチル
溶液(濃度30wt%)を、スチ−ムストリッピングし
て溶剤を除去した。スチームストリッピングするに当
り、スチームストリッピング槽内の水に、旭電化製の非
イオン性界面活性剤「プルロニックF108」を水に対
して100ppm添加して、水温95℃にてスチームス
トリッピングを行なった。重合体はクラム状で安定に分
散し、重合体の相互付着及び器壁や撹拌翼へ付着は認め
られなかった。ついで、上記で得られた重合体の水分散
スラリーを、回転式スクリーンに送り含水率40wt%
の含水クラムを得た。このクラムを、スリット間隔0.
05mmを有する二軸スクリュー押出機式絞り脱水機に
送り、脱水した重合体を得た。得られた重合体中の含水
率は15wt%であった。その後、得られた重合体を二
軸1段ベント式押出機に供給し、シリンダー温度180
℃、スクリュー回転数200rpm、ベント圧力200
torrで押し出し乾燥した。この際、押出機へのクラ
ムの食い込み性が悪く、製品の大部分を脱揮処理できな
かった。さらに、重合体中の未乾燥水分により重合体が
発泡して製品として不適であった。
【0030】実施例1〜3と比較例1〜2との比較にお
いて、スチ−ムストリッピング法では、工程数が多く煩
雑であり、重合体回収率の低下や製品中の水分除去率の
低下という問題点が存在するのに対して、直接脱溶剤プ
ロセスでは少ない工程で容易に運転できるのがわかる。
【0031】(実施例4〜6,比較例3〜5)実施例1
と全く同じ方法によって得られたエポキシ化ブロック共
重合体の酢酸エチル溶液(濃度30wt%)を、スクリ
ュ−内部に熱媒を通すことができ、かつ押出機内の上部
に連続した気相部を有する、スクリュ−外径40mm、
L/D=9の二軸ベント式押出機に供給し、ベント部よ
り溶剤を減圧脱気した。使用したベント式押出機のシリ
ンダ−温度及びベント部の圧力を表−1に記載の通りと
し、スクリュ−回転数は200rpmで運転した。ま
た、得られる重合体の生産速度が10Kg/hとなるよ
うに溶液を供給した。押出機先端から排出された重合体
をカッタ−にてペレット状にした。脱溶剤後の重合体の
性状を表−1に合わせて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により、ビニル芳香族炭化水素化
合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロ
ック共重合体(C)又はその水添物(D)をエポキシ化
することにより合成されたエポキシ化ブロック共重合体
(E)を、より簡単な工程で、かつより経済的な方法に
より有機溶剤溶液から回収できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
    る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)又はその水添物(D)を有機溶剤中でエポキシ化
    して得られるエポキシ化ブロック共重合体(E)をその
    有機溶剤溶液から回収するに際して、前記溶液を蒸発機
    に供給し直接有機溶剤を蒸発させて除去することを特徴
    とする、エポキシ化ブロック共重合体の回収方法。
  2. 【請求項2】 エポキシ化ブロック共重合体(E)のエ
    ポキシ当量が140〜2700であることを特徴とす
    る、請求項1記載のエポキシ化ブロック共重合体の回収
    方法。
  3. 【請求項3】 蒸発機の温度が80〜300℃であり、
    かつ蒸発機内部の圧力が500torr以下であること
    を特徴とする、請求項1又は2記載のエポキシ化ブロッ
    ク共重合体の回収方法。
  4. 【請求項4】 蒸発機が二軸ベント式押出機であること
    を特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のエポキシ
    化ブロック共重合体の回収方法。
  5. 【請求項5】 蒸発機がスクリュ−内部に熱媒を通過さ
    せることができる構造を有する二軸ベント式押出機であ
    ることを特徴とする、請求項4に記載のエポキシ化ブロ
    ック共重合体の回収方法。
  6. 【請求項6】 回収されたエポキシ化ブロック共重合体
    (E)中の残存有機溶剤含量を5000ppm以下とす
    ることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のエ
    ポキシ化ブロック共重合体の回収方法。
  7. 【請求項7】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
    る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)又はその水添物(D)がエポキシ化されてなり、
    かつ残存有機溶剤含量が5000ppm以下であること
    を特徴とするエポキシ化ブロック共重合体。
JP27467395A 1994-10-06 1995-09-28 エポキシ化ブロック共重合体及びその回収方法 Pending JPH0995512A (ja)

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CNB961909757A CN1148386C (zh) 1995-07-03 1996-07-03 环氧化嵌段共聚物,其制备及其组合物
DE69635510T DE69635510T2 (de) 1995-07-03 1996-07-03 Epoxidiertes blockcopolymer, verfahren zu seiner herstellung und zusammensetzung die es enthält
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6903164B2 (en) 2000-11-13 2005-06-07 Daicel Chemical Industries, Ltd. Epoxidized thermoplastic polymers and processes for their production
US6903165B2 (en) 2001-05-14 2005-06-07 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for producing epoxidized diene polymer

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