JPH11286516A - エポキシ化ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH11286516A
JPH11286516A JP10868398A JP10868398A JPH11286516A JP H11286516 A JPH11286516 A JP H11286516A JP 10868398 A JP10868398 A JP 10868398A JP 10868398 A JP10868398 A JP 10868398A JP H11286516 A JPH11286516 A JP H11286516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
organic solvent
epoxidized
evaporator
chelating agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10868398A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Tanaka
雅紀 田中
Norihiro Nagaoka
典宏 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP10868398A priority Critical patent/JPH11286516A/ja
Publication of JPH11286516A publication Critical patent/JPH11286516A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エポキシ化ブロック共重合体の製造におい
て、エポキシ化反応液中の微量金属、酸等の不純物、加
熱時間、温度により生成する高分子架橋物質(不純物)
の生成を抑制したエポキシ化ブロック共重合体の製造方
法。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合
体ブロック(A)と共役ジエンを主体とする重合体ブロ
ック(B)とからなるブロック共重合体(C)またはそ
の水添物(D)を有機溶剤中でエポキシ化し、キレート
剤を添加した後、脱溶剤するエポキシ化ブロック共重合
体の製造方法、および(C)または(D)を濃度、5〜
50重量%の有機溶剤溶液またはスラリーとし、これに
エポキシ化剤を加えてエポキシ化し、キレート剤を加
え、蒸発器で反応液を濃縮し、更に混練式蒸発器によっ
て濃縮液から有機溶剤を除去する製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ化ブロック
共重合体の製造方法に関する。より詳しくは、エポキシ
化反応系に存在する生成エポキシ化ブロック共重合体を
安定化させて得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエ
ン化合物とからなるブロック共重合体は、透明で加硫を
しなくても加硫された天然ゴムあるいは合成ゴムと同様
の弾性を常温で有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同様
の加工性を有することから、各種改質剤や接着等の分野
で広く利用されている。上記のような性能をさらに改善
する目的で、ブロック共重合体のジエンブロックに由来
する不飽和炭素結合をエポキシ化したエポキシ化ブロッ
ク共重合体も提案されている。これらのブロック重合体
の製造において、製造工程で生成する高分子不純物が少
ないエポキシ化ブロック共重合体が求められている。特
開平8−120022号公報には、エポキシ化ブロック
共重合体製造の際、エポキシ化反応溶液を中和および/
または水洗し、溶液の酸価を5mgKOH/g以下に
し、ストリッピング、脱水、乾燥の工程を経てエポキシ
化ブロック共重合体を製造する方法が、特開平9−16
9816号公報には,エポキシ化反応溶液を中和および
/または水洗し、溶液の酸価を5mgKOH/g以下に
し、反応液から有機溶剤を直接蒸発機で蒸発させエポキ
シ化ブロック共重合体を製造する方法が、また、特開平
9−169815号公報には、エポキシ化反応後の反応
溶液にフェノール系安定剤および/またはリン系安定剤
を最終的に得られるエポキシ化ブロック共重合体100
重量部に対して0.005〜5重量部となるように添加
し、反応液から有機溶剤を除去しエポキシ化ブロック共
重合体を製造する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法におい
てはエポキシ化反応液中の微量金属、酸等の不純物、加
熱時間、温度によりエポキシ化ブロック共重合体が更に
架橋され高分子不純物となり、エポキシ化ブロック共重
合体の品質劣化を招くおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
を解決すべくエポキシ化ブロック共重合体の製造方法に
ついて検討した結果、エポキシ化反応溶液にキレート剤
を添加した後、有機溶剤を除去することにより、高分子
不純物の生成を抑制し得ることを見い出し本発明を完成
させるに至った。
【0005】すなわち本発明は、ビニル芳香族炭化水素
化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブ
ロック共重合体(C)またはその水添物(D)を有機溶
剤中でエポキシ化し、エポキシ化反応溶液にキレート剤
を添加した後、脱溶剤することを特徴とするエポキシ化
ブロック共重合体の製造方法を提供する。また、ビニル
芳香族炭化水素化合物を主体とする重合体ブロック
(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
(B)とからなるブロック共重合体(C)またはその水
添物(D)を濃度5〜50重量%の有機溶剤溶液または
有機溶剤スラリーとし、これにエポキシ化剤を加えてエ
ポキシ化し、次いでエポキシ化反応液にキレート剤を加
え、蒸発器で反応液を濃縮し、更に混練式蒸発器によっ
て濃縮液から有機溶剤を除去することを特徴とするエポ
キシ化ブロック共重合体の製造方法を提供する。これに
より、エポキシ化反応溶液中での微量金属、酸などによ
り生成される副反応生成物、架橋反応により生成される
高分子不純物、その他の不純物の生成を抑制することが
できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で云うブロック共重合体
(C)とは、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする
重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体を
いう。また、ブロック共重合体の水添物(D)とは、ブ
ロック共重合体(C)の共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロック(B)に存在する不飽和炭素結合を水素
付加反応(水添)により部分的に水素化した共重合体を
いう。 また、本発明で云うエポキシ化ブロック共重合
体とは、ブロック共重合体(C)またはその水添物
(D)の重合体ブロック(B)に存在する不飽和炭素結
合をエポキシ化した重合体をいう。
【0007】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン等の種々のアルキル置換スチレン、アルコキ
シ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビニ
ルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等が
挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。これ
らは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。
【0008】ブロック共重合体(C)を構成し得る共役
ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられ
る。これらの中で、1,3−ブタジエンとイソプレンが
安価であり、かつ入手しやすいので好ましい。これらは
1種でも、2種以上を組み合わせてもよい。
【0009】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合
組成比(ビニル芳香族炭化水素化合物/共役ジエン化合
物)は、重量比で、好ましくは5/95〜70/30で
あり、さらに好ましくは10/90〜60/40であ
る。本発明に使用できるブロック共重合体(C)の数平
均分子量は、好ましくは5,000〜500,000で
あり、さらに好ましくは10,000〜100,000
である。5,000より低分子量では、ゴム状弾性体の
性質が発現し難く、また500,000より高分子量で
は溶融し難くなるので好ましくない。ここで、数平均分
子量とは、GPC法によって測定した標準ポリスチレン
換算分子量を意味する。
【0010】ブロック共重合体(C)の構造は特に限定
されるものではない。例えば、A−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等で表されるビニル芳香族炭
化水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体で
あってもよい。また、分子自体の構造は直鎖状、分岐
状、放射状などのいずれの構造であってもよく、さらに
これらの任意の組み合わせであってもよい。ブロック共
重合体中において、ビニル芳香族炭化水素化合物は、均
一に分布していても、またテーパー状に分布していても
よい。また、共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合
物が均一に分布している部分および/またはテーパー状
に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよ
い。
【0011】エポキシ化する前のブロック共重合体
(C)の製造方法は特に限定されず、どのような方法で
あってもよい。例えば、特公昭40−23798号公
報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−242
3号公報、特公昭56−28925号公報等に記載され
ているように、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中で
製造する方法が挙げられる。
【0012】ブロック共重合体の水添物(D)の製造方
法は特に限定されるものではなく、どのような方法であ
っても差しつかえない。例えば、特公昭42−8704
号公報、特公昭43−6636号公報等に記載されてい
るように、不活性溶媒中でブロック共重合体(C)を水
素化触媒の存在下に水素化する方法が例示できる。水素
化量は特に限定されるものではないが、引き続きエポキ
シ化反応を行なう際、エポキシ化剤と反応し得る不飽和
炭素結合が水添物(D)の分子内に残っている必要があ
る。エポキシ化は、ブロック共重合体(C)またはその
水添物(D)を、適当な有機溶剤に溶解またはスラリー
状にした後に、エポキシ化する。有機溶剤中の共重合体
の濃度は、5〜50重量%であることが好ましい。エポ
キシ化剤によりエポキシ化される部位は、重合体ブロッ
ク(B)に存在する不飽和炭素結合である。
【0013】エポキシ化の際に使用し得る有機溶剤の代
表例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の直鎖状及び分岐状炭化水素及びそれらのアルキル
置換誘導体、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン等の脂環式炭化水素及びそれらのアルキル置換
誘導体、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等
の芳香族及びアルキル置換芳香族炭化水素、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の脂肪族カルボン酸エ
ステル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などま
たはこれらの組み合わせたものが挙げられる。これらの
中で、ブロック共重合体(C)またはその水添物(D)
の溶解性及びその後の溶剤回収の容易性などから、シク
ロヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、トルエン、キ
シレン、ヘキサンを使用することが好ましい。
【0014】また、エポキシ化反応の際に使用し得るエ
ポキシ化剤としては、過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、ト
リフルオロ過酢酸等の有機過酸類、過酸化水素、過酸化
水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせたもの等を例示す
ることができる。これらの中で、工業的に大量に製造さ
れるため安価に入手でき、しかも安定度の比較的高い過
酢酸が、エポキシ化剤として好ましい。なお、エポキシ
化の際には、必要に応じて触媒を使用することもでき
る。例えば、過酸類をエポキシ化剤とする場合には、炭
酸ソーダなどのアルカリや、硫酸などの酸が挙げられ
る。また、ハイドロパーオキサイド類をエポキシ化剤と
する場合には、タングステン酸と苛性ソーダの混合物
を、過酸化水素、または有機酸を過酸化水素と、もしく
はモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイ
ドロパーオキサイドと、それぞれ併用して触媒効果を得
ることができる。
【0015】使用するエポキシ化剤の量は、特に限定さ
れるものではなく、使用するエポキシ化剤の反応性、所
望されるエポキシ化度、使用するブロック共重合体
(C)またはその水添物(D)中の不飽和炭素結合量等
の条件により任意に適当な量を使用し得るが、最終的に
得られるブロック共重合体のエポキシ当量は、140〜
6,000であるようにエポキシ化剤の量を選択するの
が好ましい。エポキシ当量は、より好ましくは200〜
2,000である。エポキシ当量が140より小さい
と、重合体の弾性的な性質が発現し難くなり好ましくな
く、また6,000より大きいとエポキシ化したことに
よる特異的な物性が発現し難くなり好ましくない。エポ
キシ当量は、式:エポキシ当量=1,600/{エポキ
シ化ブロック共重合体中のオキシラン酸素濃度(重量
%)}で算出され、オキシラン酸素1molあたりのエ
ポキシ化ブロック共重合体の重量を示す。オキシラン酸
素濃度は、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求め
る。エポキシ当量が大きいとオキシラン酸素濃度が低く
なり、逆にエポキシ当量が小さいとオキシラン酸素濃度
が高くなる。
【0016】エポキシ化反応温度は、使用するエポキシ
化剤、用いる有機溶剤、ブロック共重合体もしくはその
水添物の種類や量などにより異なり、特に限定されるも
のではない。例えば、過酢酸をエポキシ化剤として使用
する場合の反応温度は、好ましくは0〜70℃である。
0℃以下では反応速度が遅く、70℃を越えると、生成
したエポキシ基が開環したり過酢酸の分解が進行したり
して好ましくない。過酢酸の安定性を向上するために、
リン酸塩類をエポキシ化反応に際して反応系に添加して
もよい。エポキシ化反応時間は、好ましくは0.1〜7
2時間、より好ましくは0.2〜10時間の範囲で選ぶ
ことが生産性の観点から好ましい。
【0017】本発明で使用されるキレート剤とは多座配
位子を持つ化合物である。具体的にはレゾルシン等の芳
香族多価フェノール類、エチレンジアミン四酢酸等のポ
リアミノカルボン酸及びその塩類、クエン酸、グリコー
ル酸等のオキシカルボン酸およびその塩類が挙げられ
る。キレート剤の使用に当たっては2種以上を組み合わ
せて使用することもできる。これらのうち、レゾルシ
ン、トリメチルエチレンジアミンなどが好ましい。添加
方法としてはエポキシ化反応終了後の反応溶液に直接添
加し撹拌する方法と脱溶剤装置で反応液とキレート剤溶
液を別々に同じ箇所にフィードする方法がある。必要な
キレート剤の量は反応終了液中の金属濃度、酸濃度に対
してモル比で好ましくは当モル〜20倍モル程度、さら
に好ましくは、得られる効果と経済性との兼ね合いを考
慮すれば当モル〜10モルである。
【0018】反応液は、キレート剤の添加前、あるいは
添加後に水洗してもよい。水洗は連続的に行なってもよ
いし、バッチ式で行なってもよい。バッチ式の場合は、
エポキシ化後の反応粗液100重量部に対して、水50
〜1,000重量部を数回用いて洗浄するのが好まし
い。特に、多量のエポキシ化剤を使用した場合は、それ
相応量の酸類が副生するので、水洗回数を増やすなどし
て酸類を除去するのが好ましい。尚、水洗に際して、水
相と有機相との分離を良好にするために、塩化ナトリウ
ムや硫酸ナトリウムなどの無機塩を添加してもよい。
【0019】このようにして得られたエポキシ化ブロッ
ク共重合体の有機溶剤溶液から、エポキシ化ブロック共
重合体を得る本発明の例を挙げる。エポキシ化反応溶液
にキレート剤を添加処理した有機溶剤溶液から、第一の
蒸発器によって有機溶剤を除去し(一段濃縮)、次いで
第二の混練式蒸発器を用いて残りの揮発分を留去(二段
濃縮)し、滞留時間の短い条件下で有機溶剤を蒸発さ
せ、長期間の熱履歴を与えることなく重合体を製造する
ことができる。第一の蒸発器としては、多管式蒸発器、
液膜式蒸発器、遠心薄膜式蒸発器、プレート式蒸発器等
が例示でき、特に好ましくは多管式蒸発器、遠心薄膜式
蒸発器、プレート式蒸発器である。これらはエポキシ化
反応溶液との接触面が多く、溶媒含量が多いときの濃縮
に適している。一段濃縮により有機溶剤濃度(揮発分濃
度)が5〜70重量%、好ましくは20〜30重量%の
範囲になるようにする。第一蒸発器を用いることによ
り、第二蒸発器のサイズを小さくすることができる。第
2の混練式蒸発器としては2軸式の表面更新型自己洗浄
タイプの蒸発器やベント式押出機等の混練軸を有するも
のがあり、さらには伝熱面積を大きく取るためにスクリ
ュー内部に熱媒を通すことができる混練式蒸発器を選定
するのが好ましい。このような構造を有する混練式蒸発
器は、有機溶剤が蒸発するために必要な多量の熱を十分
供給できる。また、逆混合がないピストンフロー性によ
り混練性能に優れ、しかも蒸発面積を大きくすることが
できるので特に好ましい。混練式蒸発器の構造は、L/
D=2〜50、好ましくは4〜40(Lはスクリューの
長さ、Dはスクリューの外径)のものがよく、スクリュ
ーのかみ合い構造は、「かみ合い」、「非かみ合い」の
いずれでもよく、回転方向については同方向、異方向の
いずれでもよい。混練式蒸発器は有機溶剤濃度が低くな
り、エポキシ化反応溶液の粘度が高くなったときにも安
定に有機溶剤を除去できる。なお、各蒸発器の加熱源と
してはオイル等の熱媒やスチーム、電熱ヒーターを使用
することができる。あるいは、エポキシ化反応後、前記
の水洗または水洗せずに、エポキシ化反応溶液とキレー
ト剤溶液とを別々に、蒸留器の同じ箇所へ供給して一段
濃縮を行い、次いで第二の混練式蒸発器を用いて、残り
の揮発分を留去(二段濃縮)し、有機溶剤を蒸発させて
もよい。このようにして得られるエポキシ化ブロック共
重合体は、ストランド状、ペレット状、発泡クラム状、
粒状、粉末状のいずれの形態をも選択できる。
【0020】蒸発器および混練式蒸発器内部の温度、圧
力は、処理能力、重合体の特性(粘度、熱安定性等)、
溶剤の種類・濃度、製品の品質等を考慮して選定する。
好ましい両蒸発器内部の温度は80〜300℃、さらに
好ましくは120〜250℃である。蒸発器内部の温度
が80℃未満であると、粘度が上昇するので減圧度を強
化しないと、有機溶剤が抜き出し難くなり、300℃よ
り高い温度になると重合体中にゲルが発生するので好ま
しくない。特に蒸発器内でエポキシ化ブロック共重合体
が滞留し多量のゲルが発生すると、溶融粘度が高くな
り、また、製品にフィッシュアイを発生しやすく成形不
良を起こすため好ましくない。ゲル含量は、5重量%以
下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以
下、特には1重量%以下であることが好ましい。なお、
ゲル含量はテトラヒドロフラン(THF)不溶分の重量
%で示した。
【0021】各蒸発器内部の圧力は、好ましくは500
torr以下、さらに好ましくは400〜1torrの
範囲から選択される。蒸発器内部の圧力が500tor
rより高いと、溶剤が十分に除去されないので好ましく
ない。
【0022】最終的に得られるエポキシ化ブロッック共
重合体中の残存有機溶剤含量は、50,000ppm以
下であることが好ましく、好ましくは2,000ppm
以下、より好ましくは1,000ppm以下、特には5
00ppm以下であることが好ましい。残存する溶剤量
が多くなると樹脂を成形する際に発泡したり臭気が発生
し好ましくない。
【0023】本発明のエポキシ化ブロック共重合体に
は、必要に応じて各種添加剤、例えば耐熱安定剤、老化
防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、あるいは、シリカ、タ
ルク、カーボンなどの無機物充填剤、可塑剤、オイルな
どの軟化剤を配合して使用することができる。これらの
添加時期は特に限定されるものではなく、エポキシ化ブ
ロック共重合体を最終的に得るまでのいかなる工程であ
ってもよい。
【0024】本発明の方法により得られたエポキシ化ブ
ロック共重合体は、シート、フィルム、各種形状の射出
成形品、中空成形品等の多様の成形品として活用できる
ほか、各種熱可塑性樹脂の改質剤、粘着剤、接着剤の素
材、アスファルト改質剤、家電製品、自動車部品、工業
部品、家庭用品、玩具等の素材として有用である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例で示すが、本発明はこ
れらの実施例の範囲に限定される物ではない。 (実施例1,2温度および比較例1)ポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(SB
S、日本合成ゴム(株)製「TR−2000」;スチレ
ン/ブタジエン重量比40/60)300重量部を酢酸
エチル1,500重量部に溶解し、これに過酢酸の30
%酢酸エチル溶液169重量部を滴下して攪拌し40℃
で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻し
て純水にて洗浄を行い、エポキシ化ポリスチレン−ポリ
ブタジエン−ポリスチレン重合体(ESBS)(エポキ
シ化当量510)の酢酸エチル溶液を得た。得られた反
応液に(1)無添加(ブランク)(比較例1)、(2)
レゾルシンを重合体に対して2000ppm(実施例1)、
(3)トリメチルエチレンジアミン2000ppm(実施例
2)を添加した。これら(1)〜(3)の夫々の反応溶
液をSUS316製の50Kg/cm2耐圧のカラムに充填
し、温度180℃のオイルバスに30分間、浸漬した。
その後、カラムから内容物を取り出し、溶剤をフィルタ
ーで濾過してして除去し、GPCによる高分子架橋物質
の割合を比較した。高分子架橋物質含有量を表1に示し
た。なお、GPCは島津製作所製「HPLC LC−6
A」、展開剤:THF、流量:1.0ml/min.、
カラム温度:50℃、カラム構成:SHODEXKF−
800P,KF−804,KF−802.5,KF−8
01とした。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上の如く、エポキシ化反応溶液にキレ
ート剤を添加後、有機溶剤を除去することにより、得ら
れるエポキシ化ブロック共重合体中の高分子架橋物質の
生成が抑制される。このことから、エポキシ化ブロック
共重合体を用いた成形品を製造する際、この樹脂材料に
起因する成形上のトラブル(例えば、フィッシュアイな
ど)の減少、および成形品の品質向上に寄与することが
期待できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする
    重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする
    重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)またはその水添物(D)を有機溶剤中でエポキシ
    化し、エポキシ化反応溶液にキレート剤を添加した後、
    脱溶剤することを特徴とするエポキシ化ブロック共重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする
    重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする
    重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)またはその水添物(D)を濃度5〜50重量%の
    有機溶剤溶液または有機溶剤スラリーとし、これにエポ
    キシ化剤を加えてエポキシ化し、次いでエポキシ化反応
    液にキレート剤を加え、蒸発器で反応液を濃縮し、更に
    混練式蒸発器によって濃縮液から有機溶剤を除去するこ
    とを特徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】キレート剤が芳香族多価フェノール、ポリ
    アミノカルボン酸またはその塩類、およびオキシカルボ
    ン酸またはその塩類から選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエポキシ化ブ
    ロック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ当
    量が140〜6,000であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のエポキシ化ブロック共重合体
    の製造方法。
JP10868398A 1998-04-03 1998-04-03 エポキシ化ブロック共重合体の製造方法 Pending JPH11286516A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10868398A JPH11286516A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10868398A JPH11286516A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11286516A true JPH11286516A (ja) 1999-10-19

Family

ID=14491028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10868398A Pending JPH11286516A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11286516A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100448562B1 (ko) 에폭시화블록공중합체,그제법과조성물
WO2002092636A1 (fr) Procede de production de polymere diene epoxyde
US4423239A (en) Method for purifying an epoxidation product
JPH09328533A (ja) エポキシ化ブロック共重合体及びその製造方法並びに該共重合体を含有する組成物
JP5457102B2 (ja) エポキシ化ポリエン樹脂の製造方法
JPH11286516A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JPH11292927A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JPH11292926A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JP3487921B2 (ja) エポキシ化ブロック共重合体
JPH11181020A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JPH0995512A (ja) エポキシ化ブロック共重合体及びその回収方法
JPH09169816A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JPH09169814A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JPH08120022A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JP3923552B2 (ja) エポキシ化ブロック共重合体組成物
JPH09169815A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JP5527657B2 (ja) エステル架橋ゴム及びその製造方法、エステル架橋ゴムを製造するための硬化性ゴム組成物及び変性共重合体、エステル架橋ゴムを含有する成形体
JP2000230013A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JP2000034316A (ja) エポキシ化ブロック共重合体の製造方法
JP4716539B2 (ja) 液状エポキシ化重合体の製造方法
JPH0678376B2 (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP3686459B2 (ja) エポキシ化ブロック共重合体の脱水方法
JP3649676B2 (ja) エポキシ化ジエン系重合体の製造方法
JP3460178B2 (ja) エポキシ化ブロック共重合体の回収方法
JPH0912841A (ja) エポキシ化ブロック共重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050325

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050912

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20050815

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20051017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051021

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070123

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070529