JPH11292926A - エポキシ化ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

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JPH11292926A
JPH11292926A JP10868498A JP10868498A JPH11292926A JP H11292926 A JPH11292926 A JP H11292926A JP 10868498 A JP10868498 A JP 10868498A JP 10868498 A JP10868498 A JP 10868498A JP H11292926 A JPH11292926 A JP H11292926A
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JP
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block copolymer
organic solvent
solution
epoxidized
evaporator
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JP10868498A
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Masaki Tanaka
雅紀 田中
Norihiro Nagaoka
典宏 長岡
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ化ブロック共重合体の製造におい
て、エポキシ化反応液中の微量金属、酸等の不純物、加
熱時間、温度により生成する高分子不純物の生成を抑制
したエポキシ化ブロック共重合体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
(C)またはその水添物(D)を濃度5〜50重量%の
有機溶剤溶液または有機溶剤スラリーとし、これにエポ
キシ化剤を加えてエポキシ化し、次いでエポキシ化反応
液をアルカリ中和した後、蒸発器で濃縮し、更に混練式
蒸発器によって濃縮液から有機溶剤を除去することを特
徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ化ブロック
共重合体の製造方法に関する。より詳しくは、エポキシ
化反応系に存在する生成エポキシ化ブロック共重合体を
安定化させて得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエ
ン化合物とからなるブロック共重合体は、透明で加硫を
しなくても加硫された天然ゴムあるいは合成ゴムと同様
の弾性を常温で有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同様
の加工性を有することから、各種改質剤や接着等の分野
で広く利用されている。上記のような性能をさらに改善
する目的で、ブロック共重合体のジエンブロックに由来
する不飽和炭素結合をエポキシ化したエポキシ化ブロッ
ク共重合体も提案されている。これらのブロック重合体
の製造において、製造工程で生成する高分子不純物が少
ないエポキシ化ブロック共重合体が求められている。特
開平8−120022号公報には、エポキシ化ブロック
共重合体製造の際、エポキシ化反応溶液を中和およびま
たは水洗し、溶液の酸価を5mgKOH/g以下にし、
ストリッピング、脱水、乾燥の工程を経てエポキシ化ブ
ロック共重合体を製造する方法が、特開平9−1698
16号公報には,エポキシ化反応溶液を中和および/ま
たは水洗し、溶液の酸価を5mgKOH/g以下にし、
反応液から有機溶剤を直接蒸発機で蒸発させエポキシ化
ブロック共重合体を製造する方法が、また、特開平9−
169815号公報には、エポキシ化反応後の反応溶液
にフェノール系安定剤および/またはリン系安定剤を最
終的に得られるエポキシ化ブロック共重合体100重量
部に対して0.005〜5重量部となるように添加し、
反応液から有機溶剤を除去しエポキシ化ブロック共重合
体を製造する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法におい
てはエポキシ化反応液中の微量金属、酸等の不純物、加
熱時間、温度によりエポキシ化ブロック共重合体がさら
に架橋され高分子不純物となり、エポキシ化ブロック共
重合体の品質劣化を招くおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題を解決すべくエポキシ化ブロック共重合体の製造方法
について検討した結果、エポキシ化反応溶液をアルカリ
で中和後、有機溶剤を除去することにより、前記問題点
を解決し得ることを見い出し本発明を完成させるに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、ビニル芳香族炭化水素
化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブ
ロック共重合体(C)またはその水添物(D)を濃度5
〜50重量%の有機溶剤溶液または有機溶剤スラリーと
し、これにエポキシ化剤を加えてエポキシ化し、次いで
エポキシ化反応液をアルカリ中和した後、蒸発器で濃縮
し、更に混練式蒸発器によって濃縮液から有機溶剤を除
去することを特徴とするエポキシ化ブロック共重合体の
製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいうブロック共重合体
(C)とは、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする
重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
(C)をいう。また、ブロック共重合体の水添物(D)
とは、ブロック共重合体(C)の共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロック(B)に存在する不飽和炭素結
合を水素添加反応(水添)により部分的に水素化した共
重合体をいう。また、本発明でいうエポキシ化ブロック
共重合体とは、ブロック共重合体(C)またはその水添
物(D)の共重合体ブロック(B)に存在する不飽和炭
素結合をエポキシ化した重合体をいう。
【0007】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン等の種々のアルキル置換スチレン、アルコキ
シ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビニ
ルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等が
挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。これ
らは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。
【0008】ブロック共重合体(C)を構成し得る共役
ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられ
る。これらの中で、1,3−ブタジエンとイソプレンが
安価であり、かつ入手し易いので好ましい。これらは1
種でも、2種以上を組み合わせてもよい。
【0009】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合
組成比(ビニル芳香族炭化水素化合物/共役ジエン化合
物)は、重量比で、好ましくは5/95〜70/30で
あり、さらに好ましくは10/90〜60/40であ
る。本発明に使用できるブロック共重合体(C)の数平
均分子量は、好ましくは5,000〜500,000で
あり、さらに好ましくは10,000〜100,000
である。5,000より低分子量では、ゴム状弾性体の
性質が発現し難く、また500,000より高分子量で
は溶融し難くなるので好ましくない。ここで、数平均分
子量とは、GPC法によって測定した標準ポリスチレン
換算分子量を意味する。
【0010】ブロック共重合体(C)の構造は特に限定
されるものではない。例えば、A−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等で表されるビニル芳香族炭
化水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体で
あってもよい。また、分子自体の構造は直鎖状、分岐
状、放射状などのいずれの構造であってもよく、さらに
これらの任意の組み合わせであってもよい。ブロック共
重合体中において、ビニル芳香族炭化水素化合物は、均
一に分布していても、またテーパー状に分布していても
よい。また、共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合
物が均一に分布している部分および/またはテーパー状
に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよ
い。
【0011】エポキシ化する前のブロック共重合体
(C)の製造方法は特に限定されず、どのような方法で
あってもよい。例えば、特公昭40−23798号公
報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−242
3号公報、特公昭56−28925号公報等に記載され
ているように、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中で
製造する方法が挙げられる。
【0012】ブロック共重合体の水添物(D)の製造方
法は特に限定されるものではなく、どのような方法であ
っても差しつかえない。例えば、特公昭42−8704
号公報、特公昭43−6636号公報等に記載されてい
るように、不活性溶媒中でブロック共重合体(C)を水
素化触媒の存在下に水素化する方法が例示できる。水素
化量は特に限定されるものではないが、引き続きエポキ
シ化反応を行なう際、エポキシ化剤と反応し得る不飽和
炭素結合が水添物(D)の分子内に残っている必要があ
る。エポキシ化は、ブロック共重合体(C)またはその
水添物(D)を、適当な有機溶剤に溶解またはスラリー
状にした後に、エポキシ化する。有機溶剤中の共重合体
の濃度は、5〜50重量%であることが好ましい。エポ
キシ化剤によりエポキシ化される部位は、重合体ブロッ
ク(B)に存在する不飽和炭素結合である。
【0013】エポキシ化の際に使用し得る有機溶剤の代
表例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の直鎖状及び分岐状炭化水素及びそれらのアルキル
置換誘導体、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン等の脂環式炭化水素及びそれらのアルキル置換
誘導体、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等
の芳香族及びアルキル置換芳香族炭化水素、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の脂肪族カルボン酸エ
ステル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などま
たはこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの
中で、ブロック共重合体(C)またはその水添物(D)
の溶解性及びその後の溶剤回収の容易性などから、シク
ロヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、トルエン、キ
シレン、ヘキサンを使用することが好ましい。
【0014】また、エポキシ化反応の際に使用し得るエ
ポキシ化剤としては、過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、ト
リフルオロ過酢酸等の有機過酸類、過酸化水素、過酸化
水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせたもの等を例示す
ることができる。これらの中で、工業的に大量に製造さ
れるため安価に入手でき、しかも安定度の比較的高い過
酢酸が、エポキシ化剤として好ましい。なお、エポキシ
化の際には、必要に応じて触媒を使用することもでき
る。例えば、過酸類をエポキシ化剤とする場合には、炭
酸ソーダなどのアルカリや、硫酸などの酸が挙げられ
る。また、ハイドロパーオキサイド類をエポキシ化剤と
する場合には、タングステン酸と苛性ソーダの混合物
を、過酸化水素、または有機酸を過酸化水素と、もしく
はモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイ
ドロパーオキサイドと、それぞれ併用して触媒効果を得
ることができる。
【0015】使用するエポキシ化剤の量は、特に限定さ
れるものではなく、使用するエポキシ化剤の反応性、所
望されるエポキシ化度、使用するブロック共重合体
(C)またはその水添物(D)中の不飽和炭素結合量等
の条件により任意に適当な量を使用し得るが、最終的に
得られるブロック共重合体のエポキシ当量は、140〜
6,000であるようにエポキシ化剤の量を選択するの
が好ましい。エポキシ当量は、より好ましくは200〜
2,000である。エポキシ当量が140より小さい
と、重合体の弾性的な性質が発現し難くなり好ましくな
く、また6,000より大きいとエポキシ化したことに
よる特異的な物性が発現し難くなり好ましくない。エポ
キシ当量は、式:エポキシ当量=1,600/{エポキ
シ化ブロック共重合体中のオキシラン酸素濃度(重量
%)}で算出され、オキシラン酸素1molあたりのエ
ポキシ化ブロック共重合体の重量を示す。オキシラン酸
素濃度は、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求め
る。エポキシ当量が大きいとオキシラン酸素濃度が低く
なり、逆にエポキシ当量が小さいとオキシラン酸素濃度
が高くなる。
【0016】エポキシ化反応温度は、使用するエポキシ
化剤、用いる有機溶剤、ブロック共重合体もしくはその
水添物の種類や量などにより異なり、特に限定されるも
のではない。例えば、過酢酸をエポキシ化剤として使用
する場合の反応温度は、好ましくは0〜70℃である。
0℃以下では反応速度が遅く、70℃を越えると、生成
したエポキシ基が開環したり過酢酸の分解が進行したり
して好ましくない。過酢酸の安定性を向上するために、
リン酸塩類をエポキシ化反応に際して反応系に添加して
もよい。エポキシ化反応時間は、好ましくは0.1〜7
2時間、より好ましくは0.2〜10時間の範囲で選ぶ
ことが生産性の観点から好ましい。
【0017】このようにして得られたエポキシ化反応溶
液を中和することにより、エポキシ化反応により副生し
た酸類等の副生物を除去する。このとき、溶液の酸価を
5mgKOH/g以下にすることが好ましい。ここで、
酸価とは、エポキシ化反応後の反応粗液1g中に存在し
ている酸類を中和するのに必要な水酸化カリウムの重量
を、滴定によって求めた値である。酸価を5mgKOH
/g以下に保つことにより、エポキシ化ブロック共重合
体のエポキシ基が開環したりして、物性に悪影響を与え
るのを防ぐ意味で好ましい。
【0018】中和のために使用されるアルカリ水溶液の
代表例としては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの水溶
液が挙げられるが、好ましくは水溶性の工業用中和剤で
ある。具体的にはアンモニア水、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムである。
【0019】アルカリの使用量は、反応液中に存在する
酸類を中和するのに必要なモル量を用いるのがよい。ア
ルカリ量が多いとエポキシ環が開環し、好ましくない。
また、アルカリ量が少ないと酸が残存し、劣化により物
性値に悪影響を及ぼすので好ましくない。中和の際の発
熱によりエポキシ基が開環してしまうのを抑制するため
に、反応粗液を冷却しながら中和するのが好ましい。ま
た、中和後のエポキシ化反応液のpHの範囲は好ましく
は6.00〜10.0、さらには6.5〜9.0である
ことが好ましい。
【0020】なお、エポキシ化反応溶液は、中和処理の
前およびまたは後で水洗してもよい。水洗は連続的に行
なってもよいしバッチ式で行なってもよい。バッチ式の
場合は、エポキシ化後の反応粗液100重量部に対して
水50〜1,000重量部を数回用いて洗浄するのが好
ましい。特に、多量のエポキシ化剤を使用した場合は、
それ相応量の酸類が副生するので、水洗回数を増やすな
どして酸類を除去するのが好ましい。尚、水洗に際し
て、水相と有機相との分離を良好にするために、塩化ナ
トリウムや硫酸ナトリウムなどの無機塩を添加してもよ
い。
【0021】中和処理後のエポキシ化ブロック共重合体
の有機溶剤溶液からエポキシ化ブロック共重合体を得る
には、中和後のエポキシ化反応有機溶剤溶液から、第一
の蒸発器によって有機溶剤を除去し(一段濃縮)、次い
で第二の混練式蒸発器を用いて残りの揮発分を留去(二
段濃縮)することにより、滞留時間の短い条件下で有機
溶剤を蒸発させ、長期間の熱履歴を与えることなく、重
合体を製造することができる。第一の蒸発器としては、
多管式蒸発器、液膜式蒸発器、遠心薄膜式蒸発器、プレ
ート式蒸発器等が例示でき、特に好ましくは多管式蒸発
器、遠心薄膜式蒸発器、プレート式蒸発器である。これ
らはエポキシ化反応溶液との接触面が多く、溶媒含量が
多いときの濃縮に適している。一段濃縮により有機溶剤
濃度(揮発分濃度)が5〜70重量%、好ましくは20
〜30重量%の範囲になるようにする。第一蒸発器を用
いることにより、第二蒸発器のサイズを小さくすること
ができる。第2の混練式蒸発器としては2軸式の表面更
新型自己洗浄タイプの蒸発器やベント式押出機等の混練
軸を有するものがあり、さらには伝熱面積を大きく取る
ためにスクリュー内部に熱媒を通すことができる混練式
蒸発器を選定するのが好ましい。このような構造を有す
る混練式蒸発器は、有機溶剤が蒸発するために必要な多
量の熱を十分供給できる。また、逆混合がないピストン
フロー性により混練性能に優れ、しかも蒸発面積を大き
くすることができるので特に好ましい。混練式蒸発器の
構造は、L/D=2〜50、好ましくは4〜40(Lは
スクリューの長さ、Dはスクリューの外径)のものがよ
く、スクリューのかみ合い構造は、「かみ合い」、「非
かみ合い」のいずれでもよく、回転方向については同方
向、異方向のいずれでもよい。混練式蒸発器は有機溶剤
濃度が低くなり、エポキシ化反応溶液の粘度が高くなっ
たときにも安定に有機溶剤を除去できる。なお、各蒸発
器の加熱源としてはオイル等の熱媒やスチーム、電熱ヒ
ーターを使用することができる。得られるエポキシ化ブ
ロック共重合体は、ストランド状、ペレット状、発泡ク
ラム状、粒状、粉末状のいずれの形態をも選択できる。
【0022】蒸発器および混練式蒸発器内部の温度、圧
力は、処理能力、重合体の特性(粘度、熱安定性等)、
溶剤の種類・濃度、製品の品質等を考慮して選定する。
好ましい両蒸発器内部の温度は80〜300℃、さらに
好ましくは120〜250℃である。蒸発器内部の温度
が80℃未満であると、粘度が上昇するので減圧度を強
化しないと有機溶剤が抜き出しにくくなり、300℃よ
り高い温度になると重合体中にゲルが発生するので好ま
しくない。特に蒸発器内でエポキシ化ブロック共重合体
が滞留し多量のゲルが発生すると、溶融粘度が高くな
り、また、製品にフィッシュアイを発生しやすく成形不
良を起こすため好ましくない。ゲル含量は、5重量%以
下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以
下、特には1重量%以下であることが好ましい。なお、
ゲル含量はテトラヒドロフラン(THF)不溶分の重量
%で示した。
【0023】各蒸発器内部の圧力は、好ましくは500
torr以下、さらに好ましくは400〜1torrの
範囲から選択される。蒸発器内部の圧力が500tor
rより高いと、溶剤が十分に除去されないので好ましく
ない。
【0024】最終的に得られるエポキシ化ブロッック共
重合体中の残存有機溶剤含量は、50,000ppm以
下であることが好ましく、好ましくは2,000ppm
以下、より好ましくは1,000ppm以下、特には5
00ppm以下であることが好ましい。残存する溶剤量
が多くなると樹脂を成形する際に発泡したり臭気が発生
し好ましくない。
【0025】本発明のエポキシ化ブロック共重合体に
は、必要に応じて各種添加剤、例えば耐熱安定剤、老化
防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、あるいは、シリカ、タ
ルク、カーボンなどの無機物充填剤、可塑剤、オイルな
どの軟化剤を配合して使用することができる。これらの
添加時期は特に限定されるものではなく、エポキシ化ブ
ロック共重合体を最終的に得るまでのいかなる工程であ
ってもよい。
【0026】本発明の方法により得られたエポキシ化ブ
ロック共重合体は、シート、フィルム、各種形状の射出
成形品、中空成形品等の多様の成形品として活用できる
ほか、各種熱可塑性樹脂の改質剤、粘着剤、接着剤の素
材、アスファルト改質剤、家電製品、自動車部品、工業
部品、家庭用品、玩具等の素材として有用である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1〜4および比較例1、2)ポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(SB
S,日本合成ゴム(株)製「TR−2000」;スチレ
ン/ブタジエン重量比40/60)300重量部を酢酸
エチル1,500重量部に溶解し、これに過酢酸の30
%酢酸エチル溶液169重量部を滴下して攪拌し40℃
で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻し
て純水にて洗浄を行い、エポキシ化ポリスチレン−ポリ
ブタジエン−ポリスチレン重合体(ESBS)(エポキ
シ化当量510)の酢酸エチル溶液を得た。得られた反
応液にそれぞれ以下の処理を行った。(1)反応液を中
和しなかった(比較例1)。(2)反応液に水酸化ナト
リウム水溶液を加え、pH=4.0とした(比較例
2)。(3)反応液に同水溶液を加え、pH=6.0と
した(実施例1)。(4)反応液に同水溶液を加え、p
H=7.0とした(実施例2)。(5)反応液に同水溶
液を加え、pH=7.5とした(実施例3)。(6)反
応液に同水溶液を加え、pH=8.0とした(実施例
4)。これら(1)〜(6)の夫々の反応溶液をSUS
316製の50kg/cm2耐圧のカラムに充填し、温度
180℃のオイルバスに30分間、浸漬した。その後、
カラムから内容物を取り出し、溶剤をフィルターで除去
し、GPCによる高分子架橋物質の割合を比較した。高
分子物質含有量を表1に示した。なお、GPCは島津製
作所製「HPLC LC−6A」を用い、展開剤:TH
F、流量:1.0ml/min.、カラム温度:50
℃、カラム構成:SHODEX KF−800P,KF
−804,KF−802.5,KF−801とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上の如く、エポキシ化反応溶液を中和
後、反応液の濃縮、蒸発により溶剤を除去することによ
り、得られるエポキシ化ブロック共重合体中の高分子物
質の生成が抑制される。このことから、エポキシ化ブロ
ック共重合体を用いた成形品を製造する際、この樹脂材
料に起因する成形上のトラブル(例えば、フィッシュア
イなど)の減少、および成形品の品質向上に寄与するこ
とが期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
    る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)またはその水添物(D)を濃度5〜50重量%の
    有機溶剤溶液または有機溶剤スラリーとし、これにエポ
    キシ化剤を加えてエポキシ化し、次いでエポキシ化反応
    液をアルカリ中和した後、蒸発器で濃縮し、更に混練式
    蒸発器によって濃縮液から有機溶剤を除去することを特
    徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ
    当量が140〜6,000であることを特徴とする請求
    項1記載のエポキシ化ブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 中和後のエポキシ化反応液のpHの範囲
    が6.00〜10.00であることを特徴とする請求項
    1または2記載のエポキシ化ブロック共重合体の製造方
    法。
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