JP3349772B2 - エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物 - Google Patents
エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物Info
- Publication number
- JP3349772B2 JP3349772B2 JP15548393A JP15548393A JP3349772B2 JP 3349772 B2 JP3349772 B2 JP 3349772B2 JP 15548393 A JP15548393 A JP 15548393A JP 15548393 A JP15548393 A JP 15548393A JP 3349772 B2 JP3349772 B2 JP 3349772B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- block
- epoxy
- rubber
- block polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
各種工業部品などに有用なエポキシ変性水添ブロック重
合体およびその組成物に関する。
て、熱可塑性エラストマーが注目され、ポリオレフィン
とエチレン−プロピレンゴムからなる組成物、ポリオレ
フィンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムから
なる組成物などが知られている。 しかしながら、これ
らの組成物は、圧縮永久歪に劣るという欠点を有してお
り、エラストマーとしての性能が不充分であった。
ブロック共重合体のブタジエンブロックをほぼ完全に水
素添加した水添スチレン−ブタジエントリブロック共重
合体(SEBS)は、優れたエラストマー性能を示す熱
可塑性エラストマーとして知られており、他の樹脂成分
と組み合わせて特徴ある熱可塑性エラストマー組成物を
得る試みがなされている。
をブロック成分として有することから、硬度が高く、耐
薬品性に劣るという欠点を有している。
タジエンセグメントと1,2−ビニル構造の多いポリブ
タジエンセグメントからなるステレオブロック重合体の
ブタジエン成分を水素添加して得られる水添ステレオブ
ロック重合体は、室温で優れたエラストマー弾性を示す
熱可塑性エラストマーであることが知られている。
的にはポリエチレン(PE)、エチレン−ブテン共重合
ゴム(EB)からなるものとみなされる熱可塑性エラス
トマーであるため、柔軟で耐薬品性に優れたものである
(以下「E−EB系TPE」という)。しかしながら、
このE−EB系TPEは、単品では高温での力学的強度
の低下などの問題があり、他の重合体成分との組み合わ
せにより、総合的にバランスの取れた組成物を得る試み
がなされている。
は、1,2−ビニル構造の少ないポリブタジエンセグメ
ントと1,2−ビニル構造の多いポリブタジエンセグメ
ントからなるジブロック重合体のブタジエン成分を水素
添加して得られるE−EB系TPEと、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどとからなる組成物が提案されてお
り、この組成物は高温での引き裂き強度は改善されてい
るが、耐熱性が不充分であった。
的に飽和のオレフィン系重合体であるため、ポリオレフ
ィン系樹脂以外の重合体との混和性に乏しく、配合可能
な重合体が限定され、充分な改良が困難であった。
技術的課題を背景になされたもので、E−EB系TPE
にエポキシを導入することにより、アロイ化の相手とな
る重合体の選択を広げ、工業的に有用な材料を提供する
ことを目的とする。
−ビニル結合含量が、20%以下であるポリブタジエン
ブロックセグメント(以下「ブロックA」という)、
(B)ポリブタジエンあるいはビニル芳香族化合物−ブ
タジエン共重合体であって、ブタジエン部分の1,2−
ビニル結合含量が30〜95%であるブロックセグメン
ト(以下「ブロックB」という)からなり、かつブロッ
ク構造がA−(B−A)nまたは(A−B)m(ただ
し、nは1以上、mは2以上)で表される直鎖状あるい
は分岐状のブロック重合体(以下「ブロック重合体」と
いう)のブタジエン部分を30〜90%水素添加してな
るポリスチレン換算重量平均分子量が2万〜60万の水
添ブロック重合体(以下「水添ブロック重合体」とい
う)の残存ブタジエン部分を過酸類、ハイドロパーオキ
サイド類などを用いて90%以上エポキシ化したことを
特徴とするエポキシ変性水添ブロック重合体(以下「エ
ポキシ変性水添ブロック重合体」という)を提供するも
のである。
水添ブロック重合体99〜1重量%、ならびに(ロ)熱
可塑性樹脂および/またはゴム質重合体1〜99重量%
を含有する熱可塑性重合体組成物(以下「熱可塑性重合
体組成物(I)」ということがある)を提供するもので
ある。
は、1,2−ビニル結合含量が20%以下であるポリブ
タジエンブロックセグメント(A)と、ポリブタジエン
あるいはビニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体であ
って、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が30
〜95%であるブロックセグメント(B)からなり、か
つブロック構造がA−(B−A)nまたは(A−B)m
(ただし、nは1以上、mは2以上)で表される直鎖状
あるいは分岐状のブロック重合体のブタジエン部分を3
0〜90%水素添加することによって得られるものであ
る。
低密度ポリエチレン(LDPE)に類似の構造を示す結
晶性のブロックセグメントとなる。
常、20%以下であるが、好ましくは18%以下、さら
に好ましくは15%以下であることが望ましい。
を超えた場合には、水素添加後の結晶融点の降下が著し
く、得られる変性水添ブロック重合体の力学的性質が劣
るために好ましくない。
いはビニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体であり、
水素添加によりゴム状のエチレン−ブテン共重合体ある
いはビニル芳香族化合物−エチレン−ブテン共重合体と
類似の構造を示すブロックセグメントとなる。
香族化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p
−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げら
れ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。こ
のビニル芳香族化合物の使用量は、ブロックBを構成す
る単量体の35重量%以下、好ましくは30重量%以
下、さらに好ましくは25重量%以下であり、35重量
%を超えるとブロックBのガラス転移温度が上昇し、得
られる変性水添ブロック重合体の力学的性質が劣るため
に好ましくない。
2−ビニル構造は、通常、30〜95%、好ましくは3
5〜95%、さらに好ましくは40〜90%であり、3
0%未満あるいは95%を超えると、水素添加後、それ
ぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来する
結晶構造を示し、樹脂状の性状となり、得られる変性水
添ブロック重合体力学的性質が劣るために好ましくな
い。
比率は、ブロックAが10〜90重量%、好ましくは1
5〜85重量%、ブロックBが90〜10重量%、好ま
しくは85〜15重量%である。ブロックAが10重量
%未満、ブロックBが90重量%を超えた場合には、結
晶性のブロックセグメントが不足し、変性水添ブロック
重合体の力学的性質が劣るために好ましくない。また、
ブロックAが90重量%を超え、ブロックBが10重量
%未満の場合には、変性水添ブロック重合体の硬度が上
昇し、熱可塑性エラストマーとして不適当になるので好
ましくない。
量平均分子量は、20,000〜600,000、好ま
しくは、50,000〜550,000、さらに好まし
くは70,000〜500,000であり、20,00
0未満では力学的性質が不足し、一方600,000を
超えると水素添加反応が困難となるので、好ましくな
い。
ロックAおよびブロックBのブタジエン部分の二重結合
の少なくとも90%、好ましくは95〜100%が水添
されて飽和されていることが必要であり、90%未満で
は耐熱性、耐候性、耐オゾン性に劣るものとなる。
ロックAおよびブロックBのブタジエン部分の二重結合
の30〜90%が水添されているものが好ましい。
ロックA、ブロックBを有機溶媒中でリビングアニオン
重合し、ブロック重合体を得たのち、さらにこのブロッ
ク重合体を水素添加することによって得られる。
ン、ヘプタン、オクタン、メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が
用いられる。
としては、有機リチウム化合物が好ましい。
ノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリ
チウム化合物が用いられる。これらの具体例としては、
エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピル
リチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、
ブタジエニルリチウム、イソプレニルジリチウムなどが
挙げられ、単量体100重量部当たり0.02〜0.2
重量部の量で用いられる。
ジエン部分のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩
基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブ
チルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテルなどのポリエチレング
リコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチ
ルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなど
の第3級アミンなどが挙げられ、前記有機溶媒とともに
用いられる。
50℃で実施される。
て実施しても、また熱除去をしないで上昇温度下にて実
施してもよい。
法でもよいが、一般に前記有機溶媒中で前記アルカリ金
属化合物などの重合開始剤を用いて、まずブロックAを
重合し、続いてブロックBを重合する。
は、カップリング剤を添加することにより下記一般式で
表されるような、重合体分子類が延長または分岐された
ブロック共重合体であってもよい。
mは2以上、好ましくは2〜4の整数を示す。) この際のカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジ
エチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロケイ素、ブチ
ルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチルトリク
ロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマ
ニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4−クロルメチ
ルベンゼン、ビス(トリクロルシリル)エタン、エポキ
シ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4
−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
物の結合含量は、各段階における重合時のモノマーの供
給量で調節され、共役ジエンのビニル結合含量は、前記
ミクロ調整剤の成分を変量することにより調節される。
さらに、重量数平均分子量は、重合開始剤、例えばn−
ブチルリチウムの添加量で調節される。
体を水素添加することにより、本発明で使用される水添
ブロック重合体が得られる。
のようにして得られるブロック重合体を、不活性溶媒中
に溶解し、20〜150℃、1〜100Kg/cm2の加圧水
素下で水素化触媒の存在下で行われる。
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒、またはメチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどの極性溶媒が挙げられる。
タジエニルチタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、
有機カルボン酸ニッケルと周期律表第I〜III族の有機金
属化合物からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケイ
ソウ土などで担持されたニッケル、白金、パラジウム、
ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバルト、
ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体、あるいはリチウ
ムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニル
ヒドラジド、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr合
金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaNi
5 合金などの水素貯蔵合金などが挙げられる。
ウムとコバルトの有機カルボン酸塩からなる触媒、例え
ばn−ブチルリチウムとコバルトオクテートからなる触
媒が好ましい。この場合、Li/Co比(モル比)=
2.0〜2.5/1が適当である。
ジエン部分の二重結合の水添率は、水素化触媒、水素化
化合物の添加量、または水素添加反応時における水素圧
力、反応時間を変えることにより調節される。
触媒の残渣を除去し、フェノール系またはアミン系の老
化防止剤を添加し、重合体溶液から水添ブロック重合体
を容易に単離することができる。
体溶液に、アセトンまたはアルコールなどを加えて沈殿
させる方法、重合体溶液を熱湯中に攪拌下、投入し溶媒
を蒸留除去する方法などで行うことができる。
は、前述のようにして製造された水添ブロック重合体の
残存ブタジエン部分を90%以上エポキシ化されたもの
である。
を得るには、水添ブロック重合体を過酸類、ハイドロパ
ーオキサイド類などを用い、エポキシ化を行うことが必
要である。過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、過安息香
酸、トリフルオロ過酢酸などがある。また、ハイドロパ
ーオキサイド類としては、過酸化水素、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどがあ
る。
(イ)前記エポキシ変性水添ブロック重合体99〜1重
量%、ならびに(ロ)熱可塑性樹脂および/またはゴム
質重合体1〜99%重量%を含有するものである。
性樹脂は、加熱により溶融し、任意の形状に成形し得る
ものを総称する。この熱可塑性樹脂の具体例としては、
ポリオレフィン樹脂、ナイロン4,6、ナイロン6、ナ
イロン6,6などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル樹脂、あるいはポリアミドエラストマー、ポリエ
ステルエラストマーなどの結晶性熱可塑性重合体、AB
S樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂などのゴ
ム変性重合体、アニオン−スチレン共重合体、スチレン
−メチルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンオキサイドなどの非晶性熱可塑性重合体、あるいは
炭素数2〜8のα−モノオレフィンを主たる繰り返し構
造単位とする重合単位に他の重合体がグラフト重合した
グラフト重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体
にアクリロニトリル−スチレン共重合体がグラフト重合
したグラフト重合体、エチレン−ブテン共重合体にアク
リロニトリル−スチレン共重合体がグラフト重合したグ
ラフト重合体、エチレン−ブテン共重合体にブチルアク
リレート−メチルメタクリレート共重合体がグラフト重
合したグラフト重合体、エチレン−ブテン共重合体にメ
チルメタクリレ−ト共重合体がグラフト重合したグラフ
ト重合体などが挙げられ、とくにポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドエラスト
マー、ポリエステルエラストマーなどは、組成物の耐熱
性を向上させる成分として好ましい。
くは結晶性熱可塑性重合体および炭素数2〜8のα−モ
ノオレフィンを主たる繰り返し構造単位とする重合体に
他の重合体がグラフト重合したグラフト重合体が挙げら
れる。
あるゴム質重合体とは、天然ゴムおよび合成ゴムを総称
するものである。このゴム質重合体の具体例としては、
スチレンブタジエンゴムおよびその水素添加物、イソプ
レンゴム、ニトリルゴムおよびその水素添加物、クロロ
プレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン
ゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、アクリルゴム、
α,β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジ
エン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリ
ンゴム、多硫化ゴム、スチレン−ブタジエンブロック重
合体およびその水素添加物などが代表的なものとして挙
げられる。
くはスチレン−ブタジエンゴムの水素添加物、ニトリル
ゴムの水素添加物、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、
エチレン−ブテン−ジエンゴム、アクリルゴム、塩素化
ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレ
タンゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、スチ
レン−ブタジエンブロック重合体の水素添加物、α,β
−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共
重合ゴムなどの、本質的に飽和あるいは不飽和度の小さ
いゴム、およびこれらに官能基を付与した変性ゴムであ
る。
エポキシ変性水添ブロック重合体と、(ロ)ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂および/ま
たはゴム質重合体とを主成分とするが、その配合割合
は、(イ)成分99〜1重量%、好ましくは95〜5重
量%、さらに好ましくは90〜10重量%、(ロ)成分
1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%、さらに好
ましくは10〜90重量%である。
場合には、物性の改良効果が不充分であり、一方1重量
%未満ではエラストマーとしての種々の物性が劣るので
好ましくない。また、(ロ)成分が1重量%未満では
(ロ)成分の添加による物性の改善効果が認められず、
一方99重量%を超えて使用すると熱可塑性エラストマ
ーとしての特徴を失うことになるので好ましくない。
ポキシ変性水添ジエン系重合体の固有の性質、すなわち
異種高分子間の相溶化剤として働くという性質を生かし
て、組成物の設計を行うこともできる。一般に、ブロッ
ク重合体を相溶化剤として使用する場合には、その添加
量は数重量%程度で充分であることが知られている。本
発明の(イ)成分の最低使用量が1重量%であるのは、
(イ)成分を相溶化剤として使用することを考慮してい
るためである。
いる場合には、(ロ)成分として熱可塑性樹脂およびゴ
ム質重合体を併用する。
は、エポキシを有することから、官能基間の化学反応を
通じて、通常、ポリオレフィン構造を有する重合体と
は、非相溶であった重合体との相溶化剤として働くもの
である。本発明の変性ブロック重合体が、相溶化剤とし
て効果的に働くポリオレフィン系樹脂と非相溶性の熱可
塑性樹脂としては、ナイロン4、6、ナイロン6、ナイ
ロン6,6などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドエラストマ
ー、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。
ゴム質重合体としては、アクリルゴム、エピクロルヒド
リンゴム、α,β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステ
ル−不飽和ジエン共重合ゴム、ウレタンゴムなどを挙げ
ることができる。
でも、前記以外の熱可塑性樹脂および/またはゴム質重
合体が配合されていてもよい。
(イ)成分と(ロ)成分とを単純に混練りすることによ
って優れた性能を発揮する熱可塑性エラストマーを得る
ことができるが、とくに(ロ)成分としてゴム質重合体
を必須の成分とする場合、あるいは(イ)成分をゴム成
分とし(ロ)成分として熱可塑性樹脂を配合する場合に
は、(イ)成分であるゴム成分および/または(ロ)成
分であるゴム質重合体を架橋する成分の存在下に、構成
される(イ)〜(ロ)成分を剪断変形を与えながら混練
り(加熱溶融混練り)することによって、さらに優れた
性能の組成物(以下「組成物(II)」ということがあ
る)を得ることができる。
のゴムの架橋に使用されるもの、例えば「架橋剤ハンド
ブック」(山下晋三、金子東助著、大成社刊)などに記
載のものが使用できる。
オウ化合物、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p´−
ジベンゾイルキノンジオキシム、4,4´−ジチオ−ビ
ス−ジモルホリン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン、テ
トラクロロベンゾキノン、アルキルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂、臭素化アルキルフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂などの樹脂加硫剤、アンモニウムベンゾエ
ート、ビスマレイミド化合物、ジエポキシ化合物、ジカ
ルボン酸化合物、ジオール化合物、ジアミン化合物、ア
ミノ樹脂、有機金属塩、金属アルコキシド、有機金属化
合物、有機過酸化物などが挙げられる。
て使用することができる。また、架橋剤の種類によって
は、他の化合物と組み合わせて使用することによりさら
に効率よく架橋が進行する場合がある。
分を含有する熱可塑性重合体組成物は、通常の混練り装
置、例えばラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバ
リーミキサー、加圧ニーダー、二軸押し出し機などが使
用できるが、密閉式あるいは開放式であっても、不活性
ガスによって置換できるタイプが好ましい。
て溶融する温度であり、通常、140〜300℃、好ま
しくは160〜280℃の範囲であることが望ましい。
また、混練り時間は、構成成分の種類、量および混練り
装置に依存するため一概に論じられないが、加圧ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどを混練り装置として使用す
る場合には、通常、約5〜40分程度である。
括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りしたの
ち、残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り方法
をとることもできる。
に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、シリカ、タルク、カーボンなどの無機物充
填剤、可塑剤、オイルなどの軟化剤を配合して使用する
ことができる。
が、本発明の主旨を越えない限り、本発明はかかる実施
例により限定されるものではない。
特に断らない限り重量基準である。 実施例1〜3(エポキシ変性水添ブロック重合体の調
整) ジャケット付反応器に水添ブロック重合体A300g、
シクロヘキサン1500gを仕込み、反応温度30℃に
保って溶解させ、30%過酢酸の酢酸エチル溶液172
gを連続滴下させ反応させた。過酢酸の反応率が99%
以上に達した段階で反応を完結させた。できあがったエ
ポキシ変性水添ブロック重合体を得るためにメタノール
で再沈殿させ、乾燥した。これをエポキシ変性重合体I
とし、エポキシ当量は465であった。
水添ブロック重合体Bを用いてエポキシ変性重合体II
(エポキシ当量705)、水添ブロック共重合体Cを用
いてエポキシ変性重合体III(エポキシ当量1050)
を得た。
して、一辺10cmの正方形の板とし、ダンベルカッタ
ーで切り抜いて測定の試験片とした。
01に準じて行った。結果を第1表に示す。
に示す配合処方に従い、190℃に温度調整されたラボ
プラストミルにエポキシ変性水添ブロック重合体単独、
(イ)エポキシ変性水添ブロック重合体ならびに(ロ)
熱可塑性樹脂および/またはゴム質重合体、あるいは水
添ブロック重合体単独を添加し、80r.p.m.で約10分
間混合した。この混合物を排出し、熱ロールでシート化
したのち、プレス成形して、一辺10cmの正方形の板
とし、ダンベルカッターで切り抜いて測定の試験片とし
た。
成分および(ロ)成分が完全に溶融したのを確認したの
ち、添加した。架橋剤は、添加後80r.p.m.で混合を続
行し、ラボプラストミルに付属のトルクメーターで軸ト
ルクを観察し、最大トルク値を示した時点から約3〜5
分混合を続行し、排出した。多くの場合、架橋剤添加か
ら排出まで20分以内であった。
1に準じて行った。結果を表1および2に示す。
シ変性水添ブロック重合体の製造例、実施例4〜10
は、本発明の熱可塑性重合体組成物の製造例であり、い
ずれも物性値が優れている。
として未変性の水添ブロック重合体を用いた組成物例で
あり、破断伸びが悪く、実用に適したものではない。
ン−スチレンブロック重合体に無水マレイン酸を3%付
加したものを使用した例であり、力学的性質はほぼ同等
であったが、溶融粘度が高く、加工性に劣るものであっ
た。
ステルエラストマー) (9)グリラックスA−25
0(大日本インキ製、ポリアミドエラストマ−)
(10)JSR EP57P(日本合成ゴム製、エチレン
−プロピレン系ゴム) (11)シェル製、クレイトン
G1650に無水マレイン酸を3%グラフトし
た変性SEBS
体は、オレフィン構造でありながら、ポリアミド、ポリ
エステルなどとの相溶性に極めて優れており、該ブロッ
ク重合体を用いたポリマーブレンドは、産業界から寄せ
られる様々な要求性能に幅広く対応することができる。
体の熱可塑性エラストマーとしての性能を活用した本発
明の熱可塑性重合体組成物は、従来にない組成物であ
り、その具体的用途として、自動車車両部品としては内
装表皮材、ラックアンドピニオンブーツ、ベローズ、バ
キュームコネクター、チューブ、サイドモール、ヘッド
レスト、レギュレーター、アームレスト、シフトレバー
ブーツ、ウェザーストリップ、エアスポイラー、サスペ
ンションブーツ、ベルトカバー、ホイルカバー、ノブ
類、バンパー、サイトシールド、バンパーモールなど、
工業部品としては、油圧ホース、エアチューブ、ゴムホ
ース、アウトカバー、各種ガスケット、コンテナ、O−
リング、パッキング材など、また各種カラータイル、床
材、家具、家電表皮材、電動防止材、スポーツ用品、特
にグリップ表皮材などに使用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)1,2−ビニル結合含量が20%
以下であるポリブタジエンブロックセグメント、(B)
ポリブタジエンあるいはビニル芳香族化合物−ブタジエ
ン共重合体であって、ブタジエン部分の1,2−ビニル
結合含量が30〜95%であるブロックセグメントから
なり、かつブロック構造がA−(B−A)nまたは(A
−B)m(ただし、nは1以上、mは2以上)で表され
る直鎖状あるいは分岐状のブロック重合体のブタジエン
部分を30〜90%水素添加してなるポリスチレン換算
重量平均分子量が2万〜60万の水添ブロック重合体の
残存ブタジエン部分を過酸類、ハイドロパーオキサイド
類などを用いて90%以上エポキシ化したことを特徴と
するエポキシ変性水添ブロック重合体。 - 【請求項2】 (イ)請求項1記載のエポキシ変性水添
ブロック共重合体99〜1重量%ならびに(ロ)熱可塑
性樹脂および/またはゴム質重合体1〜99重量%を含
有する熱可塑性重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15548393A JP3349772B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15548393A JP3349772B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710921A JPH0710921A (ja) | 1995-01-13 |
JP3349772B2 true JP3349772B2 (ja) | 2002-11-25 |
Family
ID=15607038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15548393A Expired - Fee Related JP3349772B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3349772B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0845486A1 (en) * | 1996-06-17 | 1998-06-03 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Epoxidized polyene, epoxy resin composition and product of curing thereof, and powder coating material |
JP5037174B2 (ja) * | 2007-03-02 | 2012-09-26 | 日本曹達株式会社 | 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法 |
US10633465B2 (en) * | 2016-03-24 | 2020-04-28 | Kraton Polymers U.S. Llc | Block copolymers having semi-crystalline blocks and compositions and articles made therefrom |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP15548393A patent/JP3349772B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0710921A (ja) | 1995-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0409580B1 (en) | Thermoplastic elastomer composition | |
US5346964A (en) | (Modified) hydrogenated diene block copolymer and composition comprising the same | |
JP2764746B2 (ja) | 水添ジエン系共重合体、変性水添ジエン系共重合体およびその組成物 | |
KR101389643B1 (ko) | 수소화된 블록 공중합체 조성물 | |
JPS6389550A (ja) | 耐衝撃性重合体組成物およびその製造方法 | |
JP2697173B2 (ja) | 変性水添ブロック重合体およびその組成物 | |
JP2754723B2 (ja) | 水添ジエン系共重合体およびその組成物 | |
JP3250682B2 (ja) | エポキシ変性ブロック重合体およびその組成物 | |
JPH06192502A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3134504B2 (ja) | 水添ジエン系共重合体およびその組成物 | |
JP3349772B2 (ja) | エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物 | |
JP3360411B2 (ja) | 水添ブロック共重合体組成物 | |
JPH10139963A (ja) | 樹脂組成物 | |
EP0649873B1 (en) | Oil-resistant resin composition | |
JP2988080B2 (ja) | 熱可塑性重合体組成物 | |
JP2884675B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
Halasa et al. | The chemical modification of polymers | |
JPH05271324A (ja) | 変性水添ブロック重合体およびその組成物 | |
JP3127872B2 (ja) | (変性)水添ジエン系共重合体組成物 | |
JP3306208B2 (ja) | 熱可塑性重合体組成物 | |
JP3282364B2 (ja) | 水添ブロック共重合体 | |
JP3000165B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH06184366A (ja) | 熱可塑性樹脂成形体 | |
JPH05271423A (ja) | 変性水添ブロック重合体および同重合体を含む組成物 | |
JP3311476B2 (ja) | 樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090913 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090913 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100913 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110913 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |