JP5037174B2 - 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法 - Google Patents

共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5037174B2
JP5037174B2 JP2007053386A JP2007053386A JP5037174B2 JP 5037174 B2 JP5037174 B2 JP 5037174B2 JP 2007053386 A JP2007053386 A JP 2007053386A JP 2007053386 A JP2007053386 A JP 2007053386A JP 5037174 B2 JP5037174 B2 JP 5037174B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conjugated diene
polymer
star polymer
group
star
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007053386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008214484A (ja
Inventor
武士 新谷
昭宏 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2007053386A priority Critical patent/JP5037174B2/ja
Publication of JP2008214484A publication Critical patent/JP2008214484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5037174B2 publication Critical patent/JP5037174B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、アーム部が共役ジエン系ポリマーからなる狭分散のスターポリマー及びその製造方法に関する。
従来、多数のアーム鎖を有するスターポリマーの製造方法としては、
(a)両親媒性など性質の異なるAB型、ABA型ブロックポリマーを溶媒中でミセル化させ、これをそのまま、又は内部コアを何らかの方法で架橋させる方法(例えば、特許文献1参照。)、
(b)リビング重合法などの高分子重合法により、コア化合物からアームを形成させる方法(例えば、非特許文献1参照。)、
(c)多分岐鎖を多く持つデンドリマーを利用する方法(例えば、特許文献2参照。)、等が知られている。
しかしながら、(a)のブロックポリマーを利用する方法では、臨界ミセル濃度(CMC)においてミセルを形成させる必要がある上、ポリマーの組成によってはミセル自体を形成させることが困難な場合があり、ミセルを形成させたとしても内部架橋させることが困難な場合もある。(b)のコア化合物から重合法によりアームを形成させる方法は、重合における高度な技術と重合設備が要求される。また、(c)のデンドリマーを利用する方法は、用いるデンドリマーは多分岐性に優れた化合物であるが、(b)の方法と同様に高度な合成技術が要求される。
一方、1,1−ジフェニルエチレンとsec−ブチルリチウムを反応させて得られるジフェニルヘキシルリチウムを重合開始剤として、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートを重合させ、次いで、ジクミルアルコールジメタクリレート、又は2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジメタクリレートを反応させることにより、スター型構造のポリマーが得られることが報告されている(非特許文献2参照。)。しかしながら、この方法を含めて従来の製造方法により得られるスターポリマーの分子量分布は1.5以上であり、揃ったアームを有するスターポリマーを形成することが困難であった。
特開平10−195152号公報 特開平6−219966号公報 Macromol.Chem.,189,2885-2889(1998) J.Polymer Science,PartA,2003,3083
本発明の課題は、分子構造が制御された狭分散のスターポリマー、及び分子構造が制御された狭分散のスターポリマーを簡易に製造することができるスターポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2以上のエステル基を有する化合物(コア部)に、アーム部となるアニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーを反応させることにより、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーが、2以上のエステル基を有する化合物のエステル基を確実に攻撃し、所望のアームを確実に形成することができるという知見を得、これにより、分子構造が制御された狭分散の新規なスターポリマーを製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
式(I)で表される構造をアーム部とすることを特徴とするスターポリマー、
(式(I)中、Bは共役ジエン系ポリマーからなる基を表し、Rは水素原子又はC1〜C4アルキル基を表し、nは2以上の整数を表す。)
(2)ベンゼン環を骨格に有する基をコア部とすることを特徴とする(1)に記載のスターポリマー、
(3)式(II)で表されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のスターポリマー、
(式中、B,R及びnは前記定義と同じ)
(4)式(III)で表されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のスターポリマー、
(式(III)中、Dは(CH又はp−フェニレン基を表し、qは0〜3の整数を表し、n〜nの和はnである。B及びRは前記定義と同じ)
(5)共役ジエン系ポリマーが、ブタジエン又はイソプレンの重合体又はこれらの共重合体であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のスターポリマー、
(6)共役ジエン系ポリマーが、共役ジエン系モノマーと非共役ジエン系モノマーとのコポリマーであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のスターポリマー、
(7)共役ジエン系モノマーと非共役ジエン系モノマーとのコポリマーがブロックコポリマーであることを特徴とする(6)に記載のスターポリマー、
(8)非共役ジエン系モノマーが芳香族ビニル系モノマー、及び/又は(メタ)アクリレート系モノマーであることを特徴とする(6)又は(7)に記載のスターポリマー、
(9)共役ジエン系ポリマーのオレフィンの一部または全部が水素添加されていることを特徴する(5)〜(8)のいずれかに記載のスターポリマー、及び
(10)共役ジエン系ポリマーのオレフィンの一部または全部が酸化されたオキシラン環であることを特徴する(5)〜(8)のいずれかに記載のスターポリマーに関する。
また、本発明は、
(11)2以上のエステル基を有する化合物と、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーとを反応させ、2以上のエステル基を有する化合物をコア部とし、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーをアーム部とするポリマーを製造することを特徴とする(1)記載のスターポリマーの製造方法に関する。
本発明のスターポリマーは、分子構造が制御された狭分散のスターポリマーであり、例えば、エポキシ樹脂改質剤として、接着剤、塗料、注型材料、複合材料(ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などとの)、電子電気材料、半導体封止剤、発光ダイオード封止剤、プリント配線板などに用いられる。また、液状ゴムとして、ワニス、ゴムの可塑剤、粘着剤の可塑剤、粘着付与剤、シーリング剤、潤滑油などに用いられる。その他、半導体加工用、ディスプレイ部品のフォトレジスト、フィルム、テープにも使用することができる。
本発明のスターポリマーは、式(I)で表される構造をアーム部として有するものであり、式中、Bは共役ジエン系ポリマーからなる基を表し、Rは水素原子又はC1〜C4アルキル基を表し、nは2以上の整数を表す。ここで、nはコア部分に結合する次式
で表されるアームの数を意味する。すなわち、n=2の場合は、上記式で表される構造の数は2個であり、Bで表される共役ジエン系ポリマーの数は4個である。
(コア部)
本発明のスターポリマーにおけるコア部としては、結合手を2以上有し、式(I)で表される構造をアーム部とするスターポリマーを形成可能な基であれば特に制限されるものではなく、鎖状式又は環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基等が挙げられ、これらの中でも、芳香族炭化水素基等のベンゼン環を骨格に有する基が好ましい。
鎖状脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、分岐を有しても良いブチレン基、へキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。
環式脂肪族基としては、次のものが挙げられる。
コア部がベンゼン環を骨格に有する基である特に好ましい本発明のスターポリマーとしては、式(II)又は式(III)で表されるスターポリマーを挙げることができる。式(III)中、Dは(CH又はp−フェニレン基を表し、qは0〜3の整数を表し、n〜nの和はnである。
その他、コア部を構成するベンゼン環を骨格に有する基としては、例えば、J.Am.chem.Soc.,Vol.118,No.37,8647,1996に記載のものや、以下のものを挙げることができる。
(アーム部)
本発明のスターポリマーとしては、式(I)で表される構造をアーム部とするスターポリマーであれば特に制限されるものではなく、Bは共役ジエン系ポリマーからなる基を表し、Rは水素原子又はC1〜C4アルキル基を表し、nは2以上の整数を表し、4〜8であることが好ましい。
Rは、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基を例示することができる。
Bで表される共役ジエン系ポリマーは、炭素数4〜15、好ましくは炭素数4〜10の鎖状あるいは環状共役ジエン系モノマーの1種からなるホモポリマー又は2種以上からなるコポリマーである。また、共役ジエン系ポリマーは、非共役ジエンモノマーとのコポリマーも包含する。コポリマーは、ランダムコポリマー、部分ブロックコポリマー、完全ブロックコポリマーを包含する。さらに、本発明の共役ジエン系ポリマーは、オレフィンの一部又は全部が水素添加された共役ジエン系ポリマーやオレフィンの一部又は全部が酸化されてオキシラン環を形成している共役ジエン系ポリマーも包含する。
共役ジエン系モノマーとしては、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−トリシクロデカジエン、ミルセン、クロロプレン等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
水素添加した共役ジエン系ポリマーまたはオキシラン環を形成している共役ジエン系ポリマーとしては、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、1,4−ポリイソプレン等が挙げられる。また、2種以上のミクロ構造を含んでいてもよく、これ等のコポリマーでもよい。
非共役ジエン系モノマーとしては,(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、アクリロニトリル、環状シロキサンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの単位数は2〜100)、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルアニリン、ビニル安息香酸、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルチオフェン、4−ビニルチオフェン等のヘテロアリール化合物等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
本発明のスターポリマーのアーム部を構成するポリマー鎖の数平均分子量は、特に限定されないが、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、5,000〜1,000,000で、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)(分子量分布)が1.01〜1.30のものを得ることができる。
また、本発明のスターポリマー全体の数平均分子量(Mn)も、特に制限されるものではないが、数平均分子量(Mn)が1,000,000以下で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)(分子量分布)が1.01〜1.30のものを得ることができる。
(製造方法)
本発明のスターポリマーの製造方法としては、2以上のエステル基を有する化合物と、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーとを反応させ、2以上のエステル基を有する化合物をコア部とし、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーをアーム部とするスターポリマーを製造する方法であれば特に制限されるものではなく、本発明の製造方法によれば、狭分散のスターポリマーを簡易かつ確実に得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、上記本発明のスターポリマーを好適に製造することができる。
2以上のエステル基を有する化合物としては、鎖状式又は環式脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、複素環化合物等が挙げられるが、特に制限されるものではなく、芳香族炭化水素等のベンゼン環を骨格に有する化合物であることが好ましい。ベンゼン環を骨格に有する化合物としては、2以上のベンゼン環を骨格に有する化合物であってもよい。
ベンゼン環を骨格に有する化合物としては、式(VII)
(式中、RはC1〜C6のアルキル基を表し、tは2〜6の整数を表す。)で表される基、又は式(VIII)
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキル基を表し、p〜pは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表し、Dは、(CH又はp−フェニレン基を表し、qは、0〜3の整数を表す。)で表される化合物であることが特に好ましい。式(VII)中、Rは、C1〜C6のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基を挙げることができる。tは、2〜6の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましい。また、式(VIII)中、R〜Rは、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキル基を表し、具体的には上記のものを挙げることができる。p〜pは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表し、1〜2であることが好ましい。Dは(CH又はp−フェニレン基を表し、qは0〜3の整数を表す。
アニオン重合活性末端を有するポリマー(アームポリマー)は、上記共役ジエン系ポリマーであり、具体的には前記したモノマーからなるポリマーである。
アームポリマーを合成する重合反応としては、モノマー(混合)溶液中にアニオン重合開始剤を滴下する方法や、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法のいずれの方法でも行うことができるが、分子量及び分子量分布を制御することができることから、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法が好ましい。このアームポリマーの合成反応は、通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100〜80℃、好ましくは0〜50℃の範囲の温度下で行われる。
アームポリマーを製造する際に用いるアニオン重合開始剤としては、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
アームポリマーを製造する際に用いる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは一種単独溶媒又は二種以上の混合溶媒として使用することができる。これらのうち、極性及び溶解性の観点から、ベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン又はこれ等の1種あるいは2種以上とTHFとの混合溶媒を好ましく例示することができる。
アームポリマーの重合形態としては、単独の成分(モノマー)からなるホモポリマーや、2以上の成分(モノマー)からなるコポリマーが挙げられ、コポリマーとしては、ランダムコポリマー、部分ブロックコポリマー、完全ブロックコポリマーを挙げることができ、これらは、用いるモノマーの添加方法を選択することによりそれぞれ合成することができる。
このようにして得られたアームポリマーを分岐ポリマー鎖としてスターポリマーを生成せしめる反応は、アームポリマー合成反応終了後、反応液中へさらにコア部となる2以上のエステル基を有する化合物を添加することにより行うことができる。また、合成したアームポリマーを、コア部となる2以上のエステル基を有する化合物の溶液中に添加することもできる。この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃〜80℃、好ましくは−10℃〜40℃、さらに好ましくは0℃〜20℃の温度で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。また、かかるスターポリマーの生成反応は、アームポリマーを形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。かかる溶媒としては、アームポリマーの合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
本発明のスターポリマーの製造方法において、2以上のエステル基を有する化合物とアニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーの添加割合としては、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーの活性末端(D)が2以上のエステル基を有する化合物のエステル基の数(P)の2倍モル量となるように予め計算して添加してもよく、また、(D)が(P)の2倍モル量を超える過剰量となるように添加してもよい。
スターポリマーのアーム数は、1つのエステル基に対してアニオン重合活性末端が2度攻撃することから、1つのエステル基に対して2つのアームを形成することができる。本発明の製造方法によれば、低分子量かつ狭分散のスターポリマーを得ることができ、例えば、数平均分子量(Mn)が1,000,000以下で、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)(分子量分布)が1.01〜1.30のものを得ることができる。
2以上のエステル基を有する化合物とアニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーを反応させることにより生じるOH基は、定法によりC−Cのアルコキシ基に変換することができる。また、2以上のエステル基を有する化合物とアニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーを反応させた後、C−Cの炭化水素のハロゲン化物を反応させることにより、対応するアルコキシ基をアーム部に導入することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1 アームがイソプレンのホモポリマーであるスターポリマーの合成
窒素置換した500mL三ケ口フラスコに、脱水シクロヘキサン172.2g、イソプレン29.9g(438.9mmo1)を加え、攪拌、混合し、40℃に加温した。これに10.59%sec−ブチルリチウム−シクロヘキサン溶液5.4g(8.8mmol)を添加した。40℃で1.5時間攪拌し、ガスクロマトグラフィーでイソプレンモノマーが系中に残存していないことを確認した。この時生成したポリイソプレンはMn=3700、Mw=3900、Mw/Mn=1.048(GPC−RI分析、ポリイソプレン標準)であった。反応液を0℃まで冷却し、これに脱水THF14.5gに溶解させた1,1,2,2−テトラキス−(4−エトキシカルボニルフェニル)エタン0.6g(1.0mmol)を添加し、0℃で攪拌した。30分後にメタノール5mlを加え、反応を停止させた。この反応粗液を蒸留水で3回洗浄し、ポリマー含有有機層から溶媒分を留去した。これをTHFに溶解し、次いでメタノールを投入して分液した。下層を取り出し、真空下50℃で15時間乾燥させることにより、スターポリマー25.9gを得た。得られたスターポリマーは、無色透明で室温で粘ちょう液状であった。イソプレンポリマーがすべて消費された段階での1H−NMR分析したところ、アーム部分のポリイソプレンのミクロ構造はシス−1,4:3,4−ビニル=94%:6%であった。開始剤由来の末端ブチル基とポリイソプレンのプロトン積分比より算出したアーム部分の分子量は3630であり、途中のサンプリングで測定したポリイソプレンの分子量とよく一致した。またGPC−MALLS分析により測定した、スターポリマーの分子量、および分子量分布はMn=32,500、Mw=32,700、Mw/Mn=1.005であった。1H−NMR分析より算出したアーム部分のポリイソプレンの分子量と、GPC−MALLS分析より測定したスターポリマーの分子量より、スターポリマーのアーム数を算出すると8であった。
実施例2 アームがイソプレンとスチレンのブロックコポリマーであるスターポリマーの合成
窒素置換した200ml三ケ口フラスコに、脱水シクロヘキサン113.9g、イソプレン8.1g(118.5mmol)を加え、攪拌、混合し、40℃に加温した。これに10.59%sec−ブチルリチウム−シクロヘキサン溶液3.3g(5.5mmol)を添加した。40度で1時間攪拌し、ガスクロマトグラフィーでイソプレンモノマーが系中に残存していないことを確認した後、0℃まで冷却した。これに脱水THF12.7gと混合したスチレン12.1g(116.4mmol)を添加した。0℃で30分間攪拌した後、ガスクロマトフィーでスチレンモノマーが系中に残存していないことを確認した後、脱水THF8.3gに溶解させた1,1,2,2−テトラキス−(4−エトキシカルボニルフェニル)エタン0.3g(0.5mmol)を添加し、0℃で攪拌した。2時間後にメタノール3mlを加え、反応を停止させた。この反応粗液を蒸留水で3回洗浄し、ポリマー含有有機層から溶媒分を留去した。これをTHFに溶解し、次いでメタノールを投入し、分液した。下層を取り出し、THFで希釈し、次いでメタノールを投入し、分液した。下層を取り出し、真空下50℃で15時間乾燥させることにより、スターポリマー12.5gを得た。
得られたスターポリマーは、無色透明で室温で粘ちょう体であった。
1H−NMR分析したところ、アーム部分のポリイソプレンとポリスチレンの構成比はポリイソプレン:ポリスチレン=50.5:49.5(mol%)であった。GPC−MALLS分析により測定したスターポリマーの分子量、および分子量分布はMn=29,300、MW=29,300、Mw/Mn=1.003であった。
実施例3 アームがスチレンとイソプレンのブロックコポリマーであるスターポリマーの合成
窒素置換した200ml三ケ口フラスコに、脱水シクロヘキサン113.9g、スチレン12.1g(116.4mmol)を加え、攪拌、混合し、40℃に加温した。これに10.59%sec−ブチルリチウム−シクロヘキサン溶液3.5g(5.7mmol)を添加した。40度で30分間攪拌し、ガスクロマトグラフィーでスチレンモノマーが系中に残存していないことを確認した後、イソプレン7.8g(114.4mmol)を添加した。40℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。これに脱水THF8.3gに溶解させた1,1,2,2−テトラキス−(4−エトキシカルボニルフェニル)エタン0.4g(0.6mmol)を添加し、0℃で攪拌した。30分後にメタノール3mlを加え、反応を停止させた。この反応粗液を蒸留水で3回洗浄し、ポリマー含有有機層から溶媒分を留去した。これをTHFに溶解し、次いでメタノールを投入し、分液した。下層を取り出し、THFで希釈し、次いでメタノールを投入し、分液した。下層を取り出し、真空下50℃で15時間乾燥させることにより、スターポリマー13.1gを得た。
得られたスターポリマーは、無色透明で室温で粘ちょう体であった。1H−NMR分析したところ、アーム部分のポリスチレンとポリイソプレンの構成比はポリスチレン:ポリイソプレン=50.5:49.5(mol%)であった。GPC−MALLS分析により測定したスターポリマーの分子量、および分子量分布はMn=28,800、MW=28,800、Mw/Mn=1.002であった。
実施例4 エポキシ硬化−イミダゾール触媒
実施例1で合成したスターポリマー1.0gと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成、YD−128)9.0gと2−エチル−4−メチルイミダゾール0.4gを混合し、2−エチル−4−メチルイミダゾールが溶解するまで40℃で攪拌した。この混合物3.0gをアルミ皿に移し、140℃に設定したオーブンで1時間加熱したところ、樹脂硬化物が得られた。
実施例5 エポキシ硬化−カチオン重合触媒
実施例1で合成したスターポリマー1.0gと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成、YD−128)9.0gとインダニルメチルフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン酸塩の50%γ−ブチロラクトン溶液0.2gを混合し、均一になるまで攪拌した。この混合物7.0gをアルミ皿に移し、130℃に設定したオーブンで30分間加熱したところ、表面が粘着性の樹脂硬化物が得られた。

Claims (8)

  1. 式(III

    (式(III)中、Bは共役ジエン系ポリマーからなる基を表し、Rは水素原子又はC1〜C4アルキル基を表し、Dは(CH又はp−フェニレン基を表し、qは0〜3の整数を表し、n〜n は、それぞれ1〜5のいずれかの整数である。)で表されることを特徴とするスターポリマー。
  2. 共役ジエン系ポリマーが、ブタジエン又はイソプレンの重合体又はこれらの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のスターポリマー。
  3. 共役ジエン系ポリマーが、共役ジエン系モノマーと非共役ジエン系モノマーとのコポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスターポリマー。
  4. 共役ジエン系モノマーと非共役ジエン系モノマーとのコポリマーがブロックコポリマーであることを特徴とする請求項に記載のスターポリマー。
  5. 非共役ジエン系モノマーが芳香族ビニル系モノマー、及び/又は(メタ)アクリレート系モノマーであることを特徴とする請求項又はに記載のスターポリマー。
  6. 共役ジエン系ポリマーのオレフィンの一部または全部が水素添加されていることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載のスターポリマー。
  7. 共役ジエン系ポリマーのオレフィンの一部または全部が酸化されたオキシラン環であることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載のスターポリマー。
  8. 式(VIII)

    (式中、R 〜R は、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキル基を表し、p 〜p は、それぞれ独立して、1〜5の整数を表し、Dは、(CH 又はp−フェニレン基を表し、qは、0〜3の整数を表す。)で表される化合物と、アニオン重合活性末端を有する共役ジエン系ポリマーとを反応させることを特徴とする請求項1記載のスターポリマーの製造方法。
JP2007053386A 2007-03-02 2007-03-02 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法 Active JP5037174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007053386A JP5037174B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007053386A JP5037174B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008214484A JP2008214484A (ja) 2008-09-18
JP5037174B2 true JP5037174B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=39834921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007053386A Active JP5037174B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5037174B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5368688B2 (ja) * 2007-10-03 2013-12-18 日本曹達株式会社 光ラジカル重合開始剤及び光硬化性組成物
EP3954549B1 (en) * 2019-04-12 2023-12-13 Bridgestone Corporation Polyisoprene, rubber composition, and tire

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8918702D0 (en) * 1989-08-16 1989-09-27 Shell Int Research Process for the preparation of random solution copolymers of conjugated dienes and vinyl aromatic compounds
CA2039379C (en) * 1990-07-06 1997-12-30 Ralph C. Farrar, Jr. Sequential coupling in formation of resinous block copolymers
JP3211274B2 (ja) * 1991-08-27 2001-09-25 旭化成株式会社 共役ジエン系重合体の製造方法
JP3349772B2 (ja) * 1993-06-25 2002-11-25 ダイセル化学工業株式会社 エポキシ変性水添ブロック重合体およびその組成物
FR2714384B1 (fr) * 1993-12-29 1996-02-02 Atochem Elf Sa Copolymère bloc étoile d'un monomère vinylaromatique et d'un diène conjugué, son procédé d'obtention, et les compositions comprenant ledit copolymère et du polystyrène cristal.
JP2005206808A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Jsr Corp 軟質フィルム及びシート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008214484A (ja) 2008-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101748915B1 (ko) 신규 음이온 중합 개시제 및 이를 이용한 공역디엔계 공중합체의 제조방법
JP3431284B2 (ja) ブロック共重合体の製造方法
JPH07304810A (ja) 工業的に用いうる二官能性陰イオン重合開始剤の製造方法およびその使用
Novoa-Carballal et al. Hyperbranched and hyperstar polybutadienes via anionic self-condensing vinyl copolymerization
JP5037174B2 (ja) 共役ジエン系スターポリマー及びその製造方法
JP2009084458A (ja) ブロック共重合体及びその製造方法
Goseki et al. Living anionic polymerization of 1, 4-divinylbenzene and its derivatives
JP4612272B2 (ja) 高分子固体電解質用組成物
TW474951B (en) Anionic copolymerization of conjugated dienes and vinyl arenes in the presence of alkyl ethers of tetrahydropyranyl methanol
JPH03277608A (ja) P―アルケニルフェノール系重合体の製造方法
WO2022044633A1 (ja) ホウ素含有官能基を有する変性重合体を含む重合体組成物及びその製造方法
CN108348906A (zh) 氢化用催化剂组合物及其制造方法、以及氢化聚合物及其制造方法
CN113166279A (zh) 使用多官能的偶联剂制备的支化聚合物
Ishizone et al. Anionic Polymerization of Polar Vinyl Monomers: Vinylpyridines,(Meth) acrylates,(Meth) acrylamides,(Meth) acrylonitrile, Phenyl Vinyl Sulfoxide, Benzofulvene, and Other Monomers
JP6192317B2 (ja) ブロック共重合体およびその製造方法
JP7376586B6 (ja) 分岐ポリマーからゴムラテックスを形成するための方法
JP7337152B2 (ja) 分岐ポリマーから形成されたラテックス及びラテックス物品
WO1996016090A1 (fr) Polymere ameliore de dienes cycliques conjugues et procede pour le fabriquer
JP3558763B2 (ja) グラフト重合体を製造する方法
WO2022097575A1 (ja) ブロック共重合体の製造方法
WO2022172925A1 (ja) ホウ素含有官能基を有する水添共役ジエン変性重合体を含む水添重合体組成物及びその製造方法
JPH10152540A (ja) 機能性フェニレン系ブロック共重合体
JPH0892377A (ja) 末端にジフェニルエチレン単位を有する重合体、それを製造するために利用するシラン化合物および該重合体からブロック、グラフトまたは星型重合体を製造する方法
JPH10152539A (ja) 環状共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法
JPH08225616A (ja) 環状共役ジエン系ブロック共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120704

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5037174

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350