JPH08225616A - 環状共役ジエン系ブロック共重合体 - Google Patents

環状共役ジエン系ブロック共重合体

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JPH08225616A
JPH08225616A JP32350595A JP32350595A JPH08225616A JP H08225616 A JPH08225616 A JP H08225616A JP 32350595 A JP32350595 A JP 32350595A JP 32350595 A JP32350595 A JP 32350595A JP H08225616 A JPH08225616 A JP H08225616A
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JP32350595A
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Itaru Natori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子主鎖が、少なくとも一個の環状共役ジ
エン系単量体単位を含有する少なくとも二個の(ポリマ
ー)ブロック単位を有する新規な環状共役ジエン系ブロ
ック共重合体及びその水素化重合体及びその重合体の効
率的な製造法。 【解決手段】 次式(I) により表される高分子主鎖を有
する環状共役ジエン系ブロック共重合体であって、 [-(A) a-(B) b-(C) c-(D) d-(E) e-] ・・・(I) [ (A) は環状共役ジエン系単量体、(B) は鎖状共役ジエ
ン系単量体、(C) はビニル芳香族系単量体、(D) は極性
単量体からなる単位である] 単量体単位(A) 1個以上含有する2個以上の(ポリマ
ー)ブロック単位Xと、他の単量体単位1個以上のブロ
ック単位Yとを有し、数平均分子量が500〜5,00
0,000、X/Yの重量比=1/99〜99/1にあ
る新規ポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状共役ジ
エン系ブロック共重合体に関する。更に詳細には、高分
子主鎖が、少なくとも一個の環状共役ジエン系単量体単
位を含有する少なくとも二個の(ポリマー)ブロック単
位を有する環状共役ジエン系ブロック共重合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】共役ジエン系重合体については、従来よ
り数多くの提案がなされており、その幾つかは重要な工
業材料として広範囲に使用されている。代表的な共役ジ
エン系重合体として、ポリブタジエン、ポリイソプレン
等の単独重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、プロピレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、α−メチル
スチレン−ブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−
イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、ブタ
ジエン−メタクリル酸メチル共重合体、イソプレン−メ
タクリル酸メチル共重合体等のブロック、グラフト、テ
ーパーあるいはランダム共重合体、更にはこれらの水素
化重合体などが公知の材料として知られており、プラス
チック、エラストマー、繊維、シート、フィルム、機械
部品、食品容器、包装材、タイヤ、ベルト、絶縁剤、接
着剤、粘着剤、他樹脂の改質剤等、必要に応じて種々の
目的・用途分野に用いられている。
【0003】例えば、熱可塑性エラストマー分野では、
高分子鎖を構成する単位として、両末端に室温より高い
Tg(ガラス転移温度)のポリマーブロック単位(拘束
相すなわちハードセグメント)を有し、その間が室温よ
り低いTgのポリマーブロック単位(ゴム相すなわちソ
フトセグメント)からなる高分子鎖構造を有するブロッ
ク共重合体が採用されている。
【0004】この分野の代表的な工業材料としてスチレ
ン−ブタジエン(イソプレン)−スチレンブロック共重
合体及びその水素化重合体を例示する事ができる。ま
た、このスチレン−ブタジエン(イソプレン)−スチレ
ンブロック共重合体及びその水素化重合体にポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、スチレ
ン−ブタジエンジブロック共重合体またはその水素化重
合体等をポリマーブレンドさせたブロック共重合体組成
物は、スチレン−ブタジエン(イソプレン)−スチレン
ブロック共重合体及びその水素化重合体の耐熱性、流動
性、粘着特性等の諸特性を改良するために広く実施され
ている。
【0005】一方、共役ジエン系重合体の重合方法につ
いても、従来より数多くの提案がなされており、工業的
に極めて重要な役割を担っている。特に、熱的・機械的
特性が改良された共役ジエン系重合体を得る目的で、高
いシス1,4−結合含有率を与える数多くの重合触媒
が、研究・開発されている。例えば、リチウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属化合物を主成分とする触媒系、あ
るいは、ニッケル、コバルト、チタン等の遷移金属化合
物を主成分とする複合触媒系は公知であり、その中の幾
つかはすでに、ブタジエン、イソプレン等の重合触媒と
して工業的に採用されている[End.Ing.Che
m.,48,784(1956)、特公昭37−819
8号公報、参照]。
【0006】一方、更に高いシス1,4−結合含有率及
び優れた重合活性を達成すべく、希土類金属化合物とI
〜III族金属の有機金属化合物からなる複合触媒系が
研究・開発され、高立体特異性重合の研究が盛んに行わ
れるようになった[J.Polym.Sci.,Pol
ym.Chem.Ed.,18,3345(198
0)、Sci,Sinica.,2/3,734(19
80)、Makromol.Chem.Suppl,
,61(1981)、独国特許出願2,848,96
4号、Rubber Chem.Technol.,
,117(1985)、参照]。
【0007】これらの触媒系の中で、ネオジウム化合物
と有機アルミニウム化合物を主成分とする複合触媒が、
高いシス1,4−結合含有率と優れた重合活性を有する
事が確認され、ブタジエン等の重合触媒としてすでに工
業化されている[Makromol.Chem.,
,119(1981)、Macromolecule
s,15,230(1982)、参照]。しかしなが
ら、近年の工業技術の進歩に伴い、高分子材料に対する
市場要求はますます高度なものとなっており、更に高い
熱的(融点、ガラス転移温度、熱変形温度等)・機械的
特性(引張り弾性率、曲げ弾性率等)を有する高分子材
料の開発が強く望まれるようになっている。
【0008】この課題を解決するための最も有力な手段
の一つとして、ブタジエン、イソプレン、スチレン等の
比較的立体障害の小さい単量体のみならず、立体障害の
大きい単量体すなわち環状共役ジエン系単量体を単独重
合あるいは共重合し、共役ジエン系重合体の高分子鎖の
構造を改良して、高度な熱的・機械的特性を有する高分
子材料を得ようとする研究活動が盛んに行われるように
なってきた。
【0009】しかしながら、従来技術では、ブタジエ
ン、イソプレン、スチレン等の比較的立体障害の小さい
単量体に対して、ある程度満足できる重合活性を示す触
媒系が提案されているものの、立体障害の大きい単量体
すなわち環状共役ジエン系単量体に対しては、十分に満
足できる重合活性を有する触媒系は未だに見い出されて
いなかった。
【0010】つまり、従来技術においては環状共役ジエ
ン系単量体は単独重合が困難であり十分な高分子量体が
得られないばかりでなく、多様な市場要求に応えるべく
熱的・機械的特性の最適化を行う目的で他の単量体との
共重合を試みた場合においても、オリゴマー程度の低分
子量体までしか得る事はできていなかった。すなわち、
工業材料として十分に満足できる優れた環状共役ジエン
系重合体、特にブロック共重合体の製造方法は未だに知
られておらず、この解決が強く望まれていた。
【0011】J.Am.Chem.Soc.,81,4
48(1959)には、環状共役ジエン系単量体である
1,3−シクロヘキサジエンを、四塩化チタンとトリイ
ソブチルアルミニウムからなる複合触媒を用いて重合し
た、シクロヘキサジエンホモポリマー及びこの重合方法
が開示されている。ここに記載されている重合方法は、
多量の重合触媒と長い反応時間を必要とするばかりでな
く、得られた重合体の分子量は極めて低いものであり、
工業的な価値はない。また、ブロック共重合体について
は示唆も開示もない。
【0012】J.Polym.Sci.,Pt.A,
,3277(1964)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを、ラジカル、カチオン、アニオン、配位重合等
の種々の方法で重合したシクロヘキサジエンホモポリマ
ーの重合方法が開示されている。ここに記載されている
重合方法では、いずれの場合においても得られた重合体
の分子量は極めて低いものであり、工業的な価値はな
い。また、ブロック共重合体については示唆も開示もな
い。
【0013】英国特許出願第1,042,625号明細
書には、1,3−シクロヘキサジエンを多量の有機リチ
ウム化合物を触媒として重合した、シクロヘキサジエン
ホモポリマーの重合方法が開示されている。ここに開示
されている重合方法は、単量体に対し1〜2重量%もの
触媒を用いる必要があり、経済的に著しく不利であるば
かりでなく、得られた重合体の分子量は極めて低いもの
となってしまう。更に、共重合体が得られる可能性につ
いては示唆も教示もない。一方、この重合方法では重合
体中に多量に残存する触媒残査の除去が困難であり、こ
の重合方法で得られた重合体の商品価値はない。また、
ブロック共重合体については、示唆も開示もない。
【0014】J.Polym.Sci.,Pt.A,
,1553(1965)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを有機リチウム化合物を触媒として重合した、シ
クロヘキサジエンホモポリマーが開示されている。ここ
で得られている重合体は、5週間も重合反応を続けたに
も関わらず、数平均分子量は20,000が限界であっ
た。また、ブロック共重合体については示唆も開示もな
い。
【0015】Polym.Prepr.(Amer.C
hem.Soc.,Div.Polym.Chem.)
12,402(1971)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを有機リチウム化合物を触媒として重合した場合
には、シクロヘキサジエンホモポリマーの数平均分子量
の限界は10,000〜15,000である事が開示さ
れており、この理由として、重合反応と同時にリチウム
カチオンの引き抜きを伴う転移反応及びリチウムハイド
ライドの脱離反応(停止反応)が併発する事が教示され
ている。また、ブロック共重合体については、示唆も開
示もない。
【0016】Die Makromolekulare
Chemie.,163,13(1973)には、
1,3−シクロヘキサジエンを多量の有機リチウム化合
物を触媒として重合した、シクロヘキサジエンホモポリ
マーが開示されている。ここで得られているオリゴマー
状の重合体は数平均分子量として6,500にすぎな
い。また、ブロック共重合体については、示唆も開示も
ない。European Polymer J.,
895(1973)には、π−アリルニッケル化合物を
重合触媒とした、1,3−シクロヘキサジエンとブタジ
エン、イソプレンとの共重合体が記載されている。
【0017】しかしながら、ここで得られている重合体
は、極めて低分子量のオリゴマーであり、ランダム共重
合体を示唆する単一のガラス転移温度を有している事が
報告されている。高分子論文集,Vol.34,No.
5,333(1977)には、塩化亜鉛を重合触媒とし
た、1,3−シクロヘキサジエンとアクリロニトリルの
共重合体が記載されている。ここで得られている交互共
重合体は極めて低分子量のオリゴマーである。
【0018】U.S.P.4,127,710号明細書
には、1,3−シクロヘキサジエン、スチレン、ブタジ
エンのモノマー混合物を多官能の開始剤を用いて重合し
たポリマー混合物が開示されている。しかしながら、こ
こで得られているポリマー混合物においては、モノマー
混合物中の1,3−シクロヘキサジエンの割合が多くな
ると、収率が低下する事が教示されているばかりでな
く、シクロヘキサジエン系ブロック共重合体、特にトリ
ブロック以上のブロック共重合体は得られていない。
【0019】U.S.P.4,138,536号明細書
には、1,3−シクロヘキサジエン、スチレンのモノマ
ー混合物を多官能の開始剤を用いて重合したポリマー混
合物が開示されている。しかしながら、ここで得られて
いるポリマー混合物においては、モノマー混合物中の
1,3−シクロヘキサジエンの割合が多くなると、収率
が低下する事が教示されているばかりでなく、シクロヘ
キサジエン系ブロック共重合体、特にトリブロック以上
のブロック共重合体は得られていない。
【0020】J.Polym.Sci.,Polym.
Chem.Ed.,20,901(1982)には、
1,3−シクロヘキサジエンを有機ナトリウム化合物を
触媒として重合した、シクロヘキサジエンホモポリマー
が開示されている。ここで用いられている有機ナトリウ
ム化合物はナトリウムナフタレンであり、実際にはラジ
カルアニオンより形成されるジアニオンが重合開始点と
なっている。
【0021】すなわち、ここで報告されているシクロヘ
キサジエンホモポリマーの数平均分子量は見かけ上3
8,700であるが、実質的には数平均分子量19,3
50の分子鎖が重合開始点より二方向に成長したに過ぎ
ない。また、ここに開示されている重合方法は、極めて
低温下における反応であり、工業的な価値はない。更
に、ブロック共重合体については、示唆も開示もない。
【0022】Makromol.Chem.,191
2743(1990)には、ポリスチリルリチウムを重
合開始剤とした1,3−シクロヘキサジエンの重合方法
が記載されている。ここに記載されている重合方法で
は、重合反応と同時にリチウムカチオンの引き抜きを伴
う転移反応及びリチウムハイドライドの脱離反応(停止
反応)がかなり併発する事が教示されており、ポリスチ
リルリチウムを開始剤として重合反応を行ったにも拘ら
ず、常温ではスチレン−シクロヘキサジエンのブロック
コポリマーは得られず、シクロヘキサジエン単独重合体
のみが得られた事が報告されている。
【0023】同様にポリスチリルリチウムを開始剤と
し、−10#C以下でブロック化を行うと極めて低収率
で分子量20,000程度のスチレン−シクロヘキサジ
エンのジブロック共重合体がシクロヘキサジエン単独重
合体と共に得られたと報告されている。しかしながら、
ここで得られている共重合体はシクロヘキサジエンブロ
ック単位の含有量が極めて微量であるばかりでなく、鎖
状共役ジエン系単量体とのブロック共重合、あるいはト
リブロック以上のブロック共重合体については示唆も教
示もない。
【0024】すなわち、従来の技術においては、工業材
料として十分に満足できる優れた環状共役ジエン系ブロ
ック共重合体は未だに得られておらず、特に環状共役ジ
エン系単量体単位を含有する二個以上のブロック単位を
有するブロック共重合体は全く得られておらず、また工
業的に実施可能な製造方法も知られていなかった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子主鎖
が、少なくとも一個の環状共役ジエン系単量体単位を含
有する少なくとも二個の(ポリマー)ブロック単位を有
する新規な環状共役ジエン系ブロック共重合体及びその
水素化重合体を提供する。本発明は、更にこれらの重合
体の効果的・効率的な製造方法を提供する。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高分子主鎖
が、少なくとも一個の環状共役ジエン系単量体単位を含
有する少なくとも二個の(ポリマー)ブロック単位を有
する環状共役ジエン系ブロック共重合体及びその水素化
重合体を得るために研究を重ねた結果、環状共役ジエン
系単量体と他の単量体のブロック共重合を可能にする、
リビングアニオン重合活性を有する新規な重合触媒を見
い出し、これによって、逐次に単量体の重合を実施する
事により従来報告された事のない新規な環状共役ジエン
系ブロック共重合体及びその水素化重合体の合成に成功
し、本発明を完成した。
【0027】すなわち、本発明は: [1]次式(I)により表される高分子主鎖を有する環
状共役ジエン系ブロック共重合体であって、
【化4】 少なくとも一個の単量体単位Aを含有する少なくとも二
個の(ポリマー)ブロック単位Xと、他の単量体単位か
ら構成される少なくとも一個のブロック単位Yとを有
し、且つ数平均分子量が500〜5,000,000で
あって、X/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲に
ある事を特徴とする、環状共役ジエン系ブロック共重合
体。
【0028】[2]少なくとも一個の単量体単位Aを含
有する少なくとも二個のブロック単位Xと、単量体単位
B、単量体単位C及び単量体単位Eから選択される少な
くとも一種の単量体単位から構成される少なくとも一個
のブロック単位Yとを有し、且つ数平均分子量が500
〜5,000,000であって、X/Yの重量比が1/
99〜99/1の範囲にある事を特徴とする前項[1]
に記載の環状共役ジエン系ブロック共重合体。 [3]少なくとも一個の単量体単位Aを含有する二個の
ブロック単位Xと、単量体単位B、単量体単位C及び単
量体単位Eから選択される少なくとも一種の単量体単位
から構成される一個のブロック単位Yとを有し、且つ数
平均分子量が500〜5,000,000であって、X
/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲にある事を特
徴とする前項[1]に記載の環状共役ジエン系トリブロ
ック共重合体。
【0029】[4]単量体単位Aから構成される少なく
とも二個のブロック単位Xと、他の単量体単位から構成
される少なくとも一個のブロック単位Yとを有し、且つ
数平均分子量が500〜5,000,000であって、
X/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲にある事を
特徴とする前項[1]に記載の環状共役ジエン系ブロッ
ク共重合体。 [5]単量体単位Aから構成される少なくとも二個のブ
ロック単位Xと、単量体単位B、単量体単位C及び単量
体単位Eから選択される少なくとも一種の単量体単位か
ら構成される少なくとも一個のブロック単位Yとを有
し、且つ数平均分子量が500〜5,000,000で
あって、X/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲に
ある事を特徴とする前項[1]に記載の環状共役ジエン
系ブロック共重合体。
【0030】[6]単量体単位Aから構成される二個の
ブロック単位Xと、単量体単位B、単量体単位C及び単
量体単位Eから選択される少なくとも一種の単量体単位
から構成される一個のブロック単位Yとを有し、且つ数
平均分子量が500〜5,000,000であって、X
/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲にある事を特
徴とする前項[1]に記載の環状共役ジエン系トリブロ
ック共重合体。 [7]単量体単位Aが、次式(II)により表される単
位類から選択される少なくとも一種の環状共役ジエン系
単量体単位である前項[1]〜[6]のいずれかに記載
の環状共役ジエン系ブロック共重合体。
【化5】
【0031】[8]単量体単位Aが、次式(III)に
より表される単位類から選択される少なくとも一種の環
状共役ジエン系単量体単位である前項[1]〜[6]の
いずれかに記載の環状共役ジエン系ブロック共重合体。
【化6】
【0032】[9]単量体を逐次に重合する事により得
られる、前項[1]〜[8]のいずれかに記載の環状共
役ジエン系ブロック共重合体。 [10]前項[1]〜[9]のいずれかに記載の環状共
役ジエン系ブロック共重合体を水素化する事によって得
られる、水素化環状共役ジエン系ブロック共重合体。で
ある。
【0033】本発明における環状共役ジエン系ブロック
共重合体とは、高分子鎖の一部に、環状共役ジエン系単
量体単位(単量体単位A)を少なくとも一個含有するブ
ロック単位を少なくとも二個以上有するブロック共重合
体である。本発明の代表的な環状共役ジエン系ブロック
共重合体として、環状共役ジエン系単量体単位もしく
は、環状共役ジエン系単量体単位及び他の単量体単位か
ら構成される少なくとも二個以上のブロック単位を有す
る、少なくとも三個以上のブロック単位を有する共重合
体を例示する事ができる。
【0034】より具体的には、環状共役ジエン系単量体
及びこれと共重合可能な他の単量体を、逐次に重合する
事によって得られるブロック単位を高分子主鎖の構成単
位として含有する、トリブロック以上のブロック単位を
有するブロック共重合体及びこの水素化重合体である。
本発明における特に好ましいブロック共重合体として、
高分子鎖の一部に、環状共役ジエン系単量体単位(単量
体単位A)を少なくとも一個含有するブロック単位を二
個有する環状共役ジエン系トリブロック共重合体及びこ
の水素化重合体を例示する事ができる。
【0035】本発明における最も好ましいブロック共重
合体として、高分子鎖の一部に、環状共役ジエン系単量
体単位(単量体単位A)から構成されるブロック単位を
二個有する環状共役ジエン系トリブロック共重合体及び
この水素化重合体を例示する事ができる。また、本発明
における特に好ましい環状共役ジエン系単量体単位は、
シクロヘキセン環であり、これを水素化する事によって
得られるシクロヘキサン環は、高い熱的・機械的特性を
発現するため、工業的に最も好ましい単量体単位であ
る。本発明における環状共役ジエン系単量体とは、炭素
−炭素結合により構成される5員環以上の環状共役ジエ
ン単量体である。
【0036】好ましい環状共役ジエン系単量体は、炭素
−炭素結合により構成される5〜8員環の環状共役ジエ
ン単量体である。特に好ましい環状共役ジエン系単量体
は、炭素−炭素結合により構成される6員環の環状共役
ジエン単量体である。具体的には、1,3−シクロペン
タジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シク
ロオクタジエン及びこれらの誘導体を例示する事ができ
る。好ましい環状共役ジエン系単量体として、1,3−
シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン誘導
体を例示する事ができる。最も好ましい環状共役ジエン
系単量体は、1,3−シクロヘキサジエンである。
【0037】本発明の環状共役ジエン系単量体と共重合
可能となる他の単量体としては、アニオン重合によって
重合可能な従来公知の単量体を例示する事ができる。例
えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン(あるいはこれらの誘導体)等の
鎖状共役ジエン系単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、
ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
セン、1,1−ジフェニルエチレン、m−ジイソプレニ
ルベンゼン、ビニルピリジン(あるいはこれらの誘導
体)等のビニル芳香族系単量体、メタクリル酸メチル、
アクリル酸メチル、アクリロニトリル、メチルビニルケ
トン、α−シアノアクリル酸メチル(あるいはこれらの
誘導体)等の極性ビニル系単量体もしくはエチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、
環状ラクトン、環状ラクタム、環状シロキサン(あるい
はこれらの誘導体)等の極性単量体、更にはエチレン、
α−オレフィン系単量体(あるいはこれらの誘導体)等
を例示する事ができる。これらの単量体は必要に応じて
1種でも、あるいは2種以上であっても構わない。
【0038】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体において、共重合可能な他の単量体により構成される
単量体単位は、重合反応終了後に水素化、アルキル化、
ハロゲン化等の付加反応によって誘導された単量体単位
である事も特に制限されるものではない。本発明の環状
共役ジエン系ブロック共重合体中の環状共役ジエン系単
量体単位の含有量は、その目的用途によって種々に設定
されるため特に限定する事はできないが、一般的には、
高分子鎖の全重量に対して 1〜100wt%の範囲であり、好ましくは3〜100
wt%の範囲であり、特に好ましくは5〜100wt%
の範囲である。
【0039】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体が、高い熱的・機械的特性が要求される用途・分野に
使用される場合には、環状共役ジエン系単量体単位の含
有量は、高分子鎖の全重量に対して5〜100wt%の
範囲である事が好ましく、10〜100wt%の範囲に
ある事が特に好ましく、15〜100wt%の範囲にあ
る事が最も好ましい。本発明の環状共役ジエン系ブロッ
ク共重合体の分子量(数平均分子量)は、本発明が開示
する製造方法を採用すれば、リビングアニオン重合によ
り製造する事ができるため、その分子量は任意に設定す
る事が可能であり、その範囲は特に制限されるものでは
ないが、一般的には、500〜5,000,000の範
囲に設定される。
【0040】工業的な生産を考慮した場合には、高分子
鎖の数平均分子量は通常1,00〜5,000,000
の範囲であり、1,000〜4,000,000の範囲
である事が好ましく、1,500〜3,000,000
の範囲である事が特に好ましく、2,000〜2,00
0,000の範囲にある事が最も好ましい。例えば、本
発明の環状共役ジエン系ブロック共重合体を機能材料と
して用いる場合には、高分子鎖の数平均分子量は一般的
には500〜2,000,000の範囲であり、1,0
00〜1,000,000の範囲にある事が好ましく、
2,000〜800,000の範囲にある事が特に好ま
しく、3,000〜500,000の範囲にある事が最
も好ましい。
【0041】一方、本発明の環状共役ジエン系ブロック
共重合体を構造材料として用いる場合には、高分子鎖の
数平均分子量は、一般的には20,000〜5,00
0,000の範囲であり、25,000〜4,000,
000の範囲にある事が好ましく、30,000〜3,
000,000の範囲である事が更に好ましく、35,
000〜3,000,000の範囲である事が特に好ま
しく、40,000〜2,000,000の範囲である
事が最も好ましい。
【0042】数平均分子量が500未満であると、熱的
に不安定になり、一方、数平均分子量が5,000,0
00以上であると、重合時間が長くなり粘度が著しく高
くなるなどの、工業的な生産において好ましからざる結
果を招く事になる。本発明における数平均分子量とは、
G.P.C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)法により測定した標準ポリスチレン換算の換算の数
平均分子量である。
【0043】また、本発明の環状ジエン系ブロック共重
合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.01〜10の
範囲であり、好ましくは1.03〜7.0の範囲であ
り、更に好ましくは1.05〜5.0の範囲である。特
に好ましい分子量分布な1.05〜2.0の範囲であ
い、最も好ましくは1.05〜1.50の範囲である。
本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合体は、高分子
末端を従来公知のカップリング剤により連結したもので
はないため、高分子鎖の連結が均一であり熱的・化学的
に不安定な部分がなく、優れた特性を発現する事が可能
である。
【0044】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体においては、そのブロック単位として環状共役ジエン
系単量体単位から構成されるブロック単位、環状共役ジ
エン系単量体単位及び他の単量体単位から構成されるブ
ロック単位、更には環状共役ジエン系単量体単位以外の
単量体単位から構成されるブロック単位が設計可能であ
り、必要に応じて種々のブロック単位を設計・重合し、
必要に応じて水素化する事により目的に応じた環状共役
ジエン系ブロック共重合体及びその水素化重合体とする
事ができる。
【0045】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体中のブロック単位が、その一部または全てに環状共役
ジエン系単量体単位を含有する場合、そのブロック単位
中には少なくとも1分子の環状共役ジエン系単量体単位
を含有している事が必要であり、少なくとも2分子以上
の環状共役ジエン系単量体単位が連続的に結合している
事が好ましく、5分子以上の環状共役ジエン系単量体単
位が連続的に結合している事が更に好ましく、10分子
以上の環状共役ジエン系単量体単位が連続的に結合して
いる事が熱的・機械的特性を向上させる為には特に好ま
しい。
【0046】熱的・機械的特性を向上させる為には最も
好ましいのは、ブロック単位中の環状共役ジエン系単量
体単位、特に連続的に結合している環状共役ジエン系単
量体単位の一部または全てを水素化した重合体である。
本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合体を製造する
場合には、一種または二種以上の環状共役ジエン系単量
体単位から構成されるブロック単位、一種または二種以
上の環状共役ジエン系単量体単位及びこれと共重合可能
な一種または二種以上の他の単量体単位から構成される
ブロック単位、更には環状共役ジエン系単量体と共重合
可能な一種または二種以上の他の単量体単位から構成さ
れるブロック単位を目的に応じて重合し、必要に応じて
更に水素化反応を行う方法を例示する事ができる。
【0047】例えば、環状共役ジエン系単量体単位を含
有するブロック単位あるいは、環状共役ジエン系単量体
単位よりなるブロック単位をあらかじめ重合しておき、
その重合体の片末端もしくは両末端よりこれと共重合可
能な一種または二種以上の他の単量体を重合し、更に環
状共役ジエン系単量体単位を含有するブロック単位ある
いは、環状共役ジエン系単量体単位よりなるブロック単
位を逐次に重合し、必要に応じて水素化反応を行う方
法。環状共役ジエン系単量体と共重合可能な一種または
二種以上の他の単量体をあらかじめ重合しておき、この
重合体の両末端より環状共役ジエン系単量体及び必要に
応じて環状共役ジエン系単量体と共重合可能な一種また
は二種以上の他の単量体を逐次に重合し、必要に応じて
更に水素化反応を行う方法。
【0048】環状共役ジエン系単量体と共重合可能な一
種または二種以上の他の単量体をあらかじめ重合してお
き、この重合体の片末端より環状共役ジエン系単量体及
び必要に応じて環状共役ジエン系単量体と共重合可能な
一種または二種以上の他の単量体を重合し、更に環状共
役ジエン系単量体と共重合可能な一種または二種以上の
他の単量体を重合し、次いで環状共役ジエン系単量体及
び必要に応じて環状共役ジエン系単量体と共重合可能な
一種または二種以上の他の単量体を逐次に重合し、必要
に応じて更に水素化反応を行う方法。
【0049】環状共役ジエン系単量体を先に重合し、任
意の転化率においてこれと重合速度が異なり共重合可能
な一種または二種以上の他の単量体を添加・重合し、次
いで残存している環状共役ジエン系単量体を逐次に重合
する事によりブロック共重合体とし、必要に応じて必要
に応じて更に水素化反応を行う方法などを例示する事が
でき、必要・目的に応じて種々のブロック共重合体とす
る事ができる。なお、一種または二種以上の環状共役ジ
エン系単量体単位を含有する、ブロック単位は、これと
共重合可能な一種または二種以上の他の単量体単位を含
有する事も特に制限されるものではない。
【0050】更に、一種または二種以上の環状共役ジエ
ン系単量体と共重合可能な一種または二種以上の他の単
量体単位よりなるブロック単位は、一種または二種以上
の環状共役ジエン系単量体単位を含有する事も特に制限
されない。本発明における一種または二種以上の環状共
役ジエン系単量体単位、あるいはブロック単位として特
に好ましいものは、シクロヘキセン環を含有する単量体
単位もしくは、これから構成されるブロック単位であ
り、最も好ましいものはこれらを水素化した、シクロヘ
キサン環を含有する単量体単位もしくは、これから構成
されるブロック単位である。
【0051】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体において、高分子主鎖を構成する繰り返し単位の一部
または全てに含有される環状共役ジエン系単量体より誘
導される好ましい単量体単位は、下記(II)式により
表される単量体単位であり、最も好ましい単量体単位は
下記(III)式により表される単量体単位である。
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】上記アルキル基の好ましい炭素数は2〜1
0個である。上記不飽和脂肪族炭化水素基の好ましい炭
素数は2〜10個の間である。上記アリール基の好まし
い炭素は5〜10の間である。上記シクロアルキル基の
好ましい炭素数は5〜10の間である。上記シクロジエ
ニル基の好ましい炭素数は5〜10の間である。上記複
素環基の好ましい炭素数は5〜8員環である。
【0055】また、上記置換基のR1及びR2の具体例と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、ト
リル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、ピリジル基、ピペリジル基などが挙げられる。
【0056】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体が、エラストマー特性(ゴム弾性)を要求される場合
には、少なくとも二個以上の室温より高いTg(ガラス
転移温度)の(ポリマー)ブロック単位(拘束相すなわ
ちハードセグメント)を有し、これとミクロ相分離構造
を形成する少なくとも一個の室温より低いTgの(ポリ
マー)ブロック単位(ゴム相すなわちソフトセグメン
ト)から構成される事が必要である。
【0057】このような高分子鎖構造を有するブロック
共重合体は、拘束相がそのTg以下では物理的架橋点と
して働くため、エラストマー特性(ゴム弾性)を発現す
る事ができる。一方、拘束相のTg以上では高分子鎖は
流動するため、溶融成形(射出成形、ブロー成形、押出
成形等)や溶媒キャスト成形(フィルム成形等)が可能
となる。もちろん、本発明の環状共役ジエン系ブロック
共重合体は、高分子鎖を架橋する事によりエラストマー
特性(ゴム弾性)を発現させる事も可能である。
【0058】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体において、エラストマー特性(ゴム弾性)を発現させ
るためには、主に(ブロック単位の50wt%以上)環
状共役ジエン系単量体単位もしくはその誘導体から構成
されるか、あるいは環状共役ジエン系単量体単位とビニ
ル芳香族系単量体単位から構成されるブロック単位(X
ブロック)を少なくとも二個、主に(ブロック単位の5
0wt%以上)鎖状共役ジエン系単量体単位もしくはそ
の誘導体から構成されるブロック単位(Yブロック)を
少なくとも一個有する高分子主鎖構造である事が必要で
あり、環状共役ジエン系単量体単位もしくはその誘導体
から構成されるブロック単位(Xブロック)を少なくと
も二個、主に鎖状共役ジエン系単量体単位もしくはその
誘導体から構成されるブロック単位(Yブロック)を少
なくとも一個有する高分子主鎖構造である事が更に好ま
しく、環状共役ジエン系単量体単位もしくはその誘導体
から構成されるか、あるいは環状共役ジエン系単量体単
位とビニル芳香族系単量体単位から構成されるブロック
単位(Xブロック)を少なくとも二個、主に鎖状共役ジ
エン系単量体単位もしくはその誘導体から構成されるブ
ロック単位(Yブロック)を少なくとも一個有する重合
体を水素化する事によって得られた高分子主鎖構造であ
る事が特に好ましく、環状共役ジエン系単量体単位もし
くはその誘導体から構成されるブロック単位(Xブロッ
ク)を少なくとも二個、主に鎖状共役ジエン系単量体も
しくはその誘導体から構成されるブロック単位(Yブロ
ック)を少なくとも一個有する重合体を水素化する事に
よって得られた高分子主鎖構造である事が最も好まし
い。
【0059】工業材料としては、上記のXブロックを構
成する単量体単位として、1,3−シクロヘキサジエン
もしくは、1,3−シクロヘキサジエンとスチレン、あ
るいはα−メチルスチレンから誘導される単量体単位が
好ましく、Yブロックを構成する単量体単位としては、
1,3−ブタジエン及び/またはイソプレンから誘導さ
れる単量体単位(水素化された構造も含む)が好まし
い。
【0060】Yブロックが1,3−ブタジエン及び/ま
たはイソプレンを重合する事によって形成される場合、
Yブロック中のビニル結合量は任意に設定する事が可能
であり特にその範囲は限定されないが、低温特性が要求
される場合にはシス及びトランス1,4−結合とビニル
結合の合計量に対し、ビニル結合が10〜90mol%
の範囲にある事が好ましく、20〜80mol%の範囲
にある事が最も好ましい。
【0061】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体において、エラストマー特性(ゴム弾性)発現する好
ましい高分子主鎖構造の一般式として、下記(IV)式
で表される線状ブロック共重合体を例示する事ができ
る。
【化9】 本発明の上記のエラストマー特性(ゴム弾性)を有する
環状共役ジエン系ブロック共重合体は、重合反応を行
い、目的に応じた所定の重合体を得た後、Yブロックを
水素化した重合体であることが最も好ましい。
【0062】本発明の代表的なエラストマー特性を有す
る環状共役ジエン系ブロック共重合体として、Xブロッ
クが環状共役ジエン系単量体単位(特に1,3−シクロ
ヘキサジエン単量体単位)を10〜60wt%、好まし
くは15〜50wt%、Yブロック(特に水素化ブタジ
エン単量体単位)を90〜40wt%、好ましくは85
〜50wt%を含有し、かつ数平均分子量が1,000
〜200,000である次式; X−Y−X で示される環状共役ジエン系トリブロック共重合体を例
示する事ができる。
【0063】一方、本発明の環状共役ジエン系ブロック
共重合体が、靱性を有するプラスチックとして採用され
る場合には、Xブロックが環状共役ジエン系単量体単位
(特に1,3−シクロヘキサジエン単量体単位)を40
〜90wt%、好ましくは45〜85wt%、Yブロッ
ク(特に水素化ブタジエン単量体単位)を60〜10w
t%、好ましくは55〜15wt%を含有し、かつ数平
均分子量が1,000〜200,000である次式; X−Y−X で示される環状共役ジエン系トリブロック共重合体を例
示する事ができる。
【0064】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体は、いかなる方法によって得られたものでも、本発明
の分子構造、ブロック単位を有し、本発明の数平均分子
量の範囲にあればその製造方法は特に制限されないが、
最も好ましい製造方法は、本発明者がWO94−280
38において提案した重合触媒を用いてリビングアニオ
ン重合反応を行い、単量体を逐次に重合する事により環
状共役ジエン系ブロック共重合体を得る方法である。
【0065】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体の最も好ましい製造方法は、上記の重合触媒を用いて
単量体を逐次に重合し、ブロック単位を合成・結合する
方法である。さらに得られたブロック共重合体は、カッ
プリング剤等を用いた場合に比べて、高分子鎖が均一な
炭素−炭素結合で連結している為に、熱的・化学的な安
定性に優れ、工業材料として最も好ましい。本発明の
(上記の)重合触媒とは、本発明者がWO94−280
38において提案した重合触媒であり、具体的にはIA
族金属を含有する有機金属化合物と錯化剤からなる錯体
触媒である。
【0066】本発明において重合触媒として最も好まし
いものは、会合状態にあるIA族金属を含有する有機金
属化合物と錯化剤からなる錯体触媒である。本発明の重
合触媒に採用する事が可能なIA族金属とは、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フ
ランシウムであり、好ましいIA族金属としてリチウ
ム、ナトリウム、カリウムを例示する事ができ、特に好
ましいIA族金属としてリチウム、ナトリウムを例示す
る事ができ、最も好ましいIA族金属としてリチウムを
例示する事ができる。
【0067】本発明の重合触媒である錯体化合物とは、
上記IA族金属を含有する有機金属化合物に錯化剤を反
応させる事により形成される錯体化合物である。本発明
のIA族金属を含有する有機金属化合物とは、上記IA
族金属であるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、セシウム、フランシウムを含有する有機金属化合
物である。
【0068】好ましいIA族金属を含有する有機金属化
合物として、リチウム、ナトリウム、カリウムを含有す
る有機金属化合物を例示する事ができる。特に好ましい
IA族金属を含有する有機金属化合物として、リチウ
ム、ナトリウムを含有する有機金属化合物を例示する事
ができ、最も好ましいIA族金属を含有する有機金属化
合物として、リチウムを含有する有機金属化合物を例示
する事ができる。
【0069】本発明における好ましい錯体化合物として
は、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機
カリウム化合物に錯化剤を反応させる事により形成され
る錯体化合物を例示する事ができる。特に好ましい錯体
化合物としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム
化合物に錯化剤を反応させる事により形成される錯体化
合物を例示する事ができ、最も好ましい錯体化合物とし
て、有機リチウム化合物に錯化剤を反応させる事により
形成される錯体化合物を例示する事ができる。
【0070】本発明の重合触媒に、最も好適に用いられ
る有機リチウム化合物とは、炭素原子を少なくとも一個
以上含有する有機分子または有機高分子に結合する、一
個または二個以上のリチウム原子(リチウムイオンを含
む)を含有する有機化合物または有機高分子化合物であ
る。ここで有機分子とは、C1 〜C20のアルキル基、C
2 〜C20の不飽和脂肪族炭化水素基、C5 〜C20のアリ
ール基、C3 〜C20のシクロアルキル基、C4 〜C20
シクロジエニル基等を例示する事ができる。また、有機
高分子化とは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、、ポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリエチレン
等を例示する事ができる。
【0071】本発明の製造方法に用いられる有機リチウ
ム化合物としては、具体的にはメチルリチウム、エチル
リチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリ
チウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、tert−ブチルリチウム、ペンチルリチウム、ヘ
キシルリチウム、アリルリチウム、シクロヘキシルリチ
ウム、フェニルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、
シクロペンタジエニルリチウム、インデニルリチウム、
9−フルオレニルリチウム、9−アンスリルメチルリチ
ウム、1,1−ジフェニル−n−ヘキシルリチウム、
1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、リ
チウムナフタレン、ブタジエニルジリチウム、イソプレ
ニルリジチウム等あるいは、ポリブタジエニルリチウ
ム、ポリブタジエニルジリチウム、ポリイソプレニルリ
チウム、、ポリイソプレニルジリチウム、ポリスチリル
リチウム、ポリスチリルジリチウム、ポリ−α−メチル
ジリチウム等高分子鎖の一部にリチウム原子を含有する
オリゴマー状もしくは高分子状の従来公知の有機リチウ
ムを例示する事ができる。
【0072】好ましい有機リチウム化合物としては、安
定な錯体状態(化合物)を形成するものであれば特にそ
の種類は制限されないが、代表的な有機リチウム化合物
としてメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピル
リチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチ
ウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウム、シクロヘキシルリチウムを例示する事ができる。
【0073】工業的に採用できる好ましい有機リチウム
化合物は、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、se
c−ブチルリチウム(s−BuLi)、tert−ブチ
ルリチウム(t−BuLi)であり、最も好ましい有機
リチウム化合物は、n−ブチルリチウム(n−BuL
i)である。本発明の重合触媒に採用されるIA族金属
を含有する有機金属化合物は、一種でも、必要に応じて
二種類以上の混合物であっても構わない。本発明の重合
触媒は、上記IA族金属を含有する有機金属化合物と錯
化剤が反応する事によって形成される錯体化合物であ
る。
【0074】本発明の重合触媒に採用される錯化剤につ
いては、特にその種類は制限されるものではないが、上
記のIA族金属を含有する有機金属化合物中に含有され
る金属原子(もしくは金属イオン)に対して配位可能
な、非共有電子対が存在する元素を含有する化合物、例
えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、りん
(P)を含有する一種または二種以上の有機化合物を例
示する事ができる。これらの錯化剤の中で好ましい錯化
剤として、エーテル化合物、金属アルコシシド、アミン
化合物、チオエーテル化合物を例示する事ができる。特
に好ましい錯化剤として、環状エーテル化合物(テトラ
ヒドロフラン、クラウンエーテル等)、金属アルコキシ
ド化合物、アミン化合物であり、最も好ましい錯化剤は
アミン化合物である。
【0075】より具体的には、IA族金属を含有する有
機金属化合物に配位し錯体を形成する事が可能な、非共
有電子対が存在する極性基であるR1 2 N−基
(R1 、R2 はアルキル基、アリール基、水素原子を表
す。これらは同一であっても異なっていてもよい。)を
一個または二個以上含有する有機アミン化合物もしくは
有機高分子アミン化合物を例示する事ができる。これら
のアミン化合物の中で、特に好ましいアミン化合物は、
第三(三級)アミン化合物であり、最も好ましい第三
(三級)アミン化合物は、第三(三級)ジアミン化合物
である。
【0076】本発明における錯化剤の具体例としては、
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、18−クラウン−
6、ジベンゾ−18−クラウン−6、15−クラウン−
5、ジベンゾ−24−クラウン−8、クリプタンド、リ
チウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、
ジ−t−ブトキシバリウム、ポルフィリン、1,2−ジ
ピペラジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、キヌクリジン、ピリジ
ン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、
ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、テトラメチルジ
アミノメタン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラ
メチル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチル−
1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,4−ブタ
ンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミ
ン、テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、テト
ラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、テトラメチル
ベンジジン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラエ
チル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチルジエチ
レントリアミン、テトラエチルジエチレントリアミン、
ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタエチルジエ
チレントリアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オク
タン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノ
ネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウ
ンデセン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,
8,11−テトラアザシクロテトラデカン、テトラキス
(ジメチルアミノ)エチレン、テトラエチル−2−ブテ
ン−1,4−ジアミン、(−)−2,3−ジメトキシ−
1,4−ビス(ジメチルアミノ)ブタン(DBB)、
(+)−1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジン、
2,2’−ビピリジル、4,4’−ビピリジル、1,1
0−フェナントロリン、ヘキサメチルホスホルアミド
(HMPA)、ヘキサメチルホスホラストリアミド(H
MPT)等を例示する事ができる。
【0077】本発明における好ましい錯化剤である第三
(三級)アミン化合物としては、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、キヌクリジ
ン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチル
ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、テト
ラメチルジアミノメタン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、テトラ
メチル−1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,
4−ブタンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、テトラメチル−1,4−フェニレンジアミ
ン、テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、テト
ラメチルベンジジン、テトラエチルエチレンジアミン、
テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチ
ルジエチレントリアミン、テトラエチルジエチレントリ
アミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタエ
チルジエチレントリアミン、1,4−ジアザビシクロ
[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ
[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン、1,4,8,11−
テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテ
トラデカン、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン、
テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、(−)
−2,3−ジメトキシ−1,4−ビス(ジメチルアミ
ノ)ブタン(DBB)、(+)−1−(2−ピロリジニ
ルメチル)ピロリジン、2,2’−ビピリジル、4,
4’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、ヘキ
サメチルホスホルアミド(HMPA)、ヘキサメチルホ
スホラストリアミド(HMPT)等を例示する事ができ
る。
【0078】本発明において、特に好ましい錯化剤は脂
肪族アミン化合物であり、最も好ましいアミン化合物は
脂肪族ジアミン化合物である。最も好ましい脂肪族ジア
ミン化合物としては、テトラメチルメチレンジアミン
(TMMDA)、テトラエチルメチレンジアミン(TE
MDA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMED
A)、テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、
テトラメチルプロピレンジアミン(TMPDA)、テト
ラエチルプロピレンジアミン(TEPDA)、テトラメ
チルブチレンジアミ(TMBDA)、テトラエチルブチ
レンジアミン(TEBDA)、テトラメチルペンタンジ
アミン、テトラエチルペンタンジアミン、テトラメチル
ヘキサンジアミン(TMHDA)、テトラエチルヘキサ
ンジアミン(TEHDA)、1,4−ジアザビシクロ
[2,2,2]オクタン(DABCO)を例示する事が
できる。
【0079】工業的に採用できる最も好ましい脂肪族ジ
アミン化合物は、有機リチウム化合物と反応し安定な錯
体化合物を形成する下記(V)式により表される脂肪族
ジアミンであり、窒素−窒素原子間に存在する炭素原子
数が1〜6であるものが好ましく、炭素原子数1〜3の
ものが特に好ましく、炭素原子数2である脂肪族ジアミ
ンが最も好ましい。
【0080】本発明における特に好ましい錯化剤とし
て、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、
1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DA
BCO)を例示する事ができ、最も好ましいる。錯化剤
として、式(IV)で示されるテトラメチルエチレンジ
アミン(TMEDA)を例示する事ができる。
【0081】
【化10】 上記の錯化剤、好ましくはアミン化合物は、一種または
必要に応じて二種以上の混合物である事も可能である。
【0082】本発明の重合触媒である錯体化合物を合成
するための、工業的に好ましいIA族金属を含有する有
機金属化合物と錯化剤の組み合わせは、メチルリチウム
(MeLi)、エチルリチウム(EtLi)、n−プロ
ピルリチウム(n−PrLi)、iso−プロピルリチ
ウム(i−PrLi)、n−ブチルリチウム(n−Bu
Li)、sec−ブチルリチウム(s−BuLi)、t
ertーブチルリチウム(t−BuLi)及びシクロヘ
キシルリチウムから選択される少なくとも一種のIA族
金属を含有する有機金属化合物(特に有機リチウム化合
物)と、テトラメチルメチレンジアミン(TMMD
A)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、
テトラメチルプロピレンジアミン(TMPDA)、テト
ラメチルヘキサンジアミン(TMHDA)及び1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)
から選択される少なくとも一種の錯化剤(特にアミン化
合物)から構成される組み合わせである。
【0083】最も好ましい組み合わせは、n−ブチルリ
チウム(n−BuLi)、sec−ブチルリチウム(s
−BuLi)及びtertーブチルリチウム(t−Bu
Li)から選択される少なくとも一種の有機リチウム化
合物と、テトラメチルエチレンジアミンの(TMED
A)及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン(DABCO)から選択される少なくとも一種のアミ
ン化合物から構成される組み合わせである。
【0084】本発明の最も好ましい重合触媒は、上記の
IA族金属を含有する有機金属化合物と錯化剤から形成
された錯体化合物において、IA族金属を含有する有機
金属化合が2分子以上の会合状態にある事が好ましい。
更に好ましい会合状態は、2〜10会合であり、特に好
ましくは2〜8会合であり、最も好まし会合状態は2〜
6会合の範囲である。本発明における上記の錯体化合物
は、更に、錯体化合物が相互に縮合した状態にある化合
物も含む。
【0085】本発明の重合触媒である錯体化合物におい
て、錯体化合物中に含有される周期律表第IA族の金属
を含有する有機金属化合物と錯化剤をそれぞれAmo
l、Bmolとした場合、これらの組成比は対象となる
有機金属化合物、錯化剤、更には重合反応を実施する単
量体の種類によって適時選択されるため、特に限定する
ことはできないが、一般には、 A/B=60/1〜1/60 の範囲であり、 A/B=50/1〜1/50 の範囲にある事が好ましく、 A/B=30/1〜1/30 の範囲である事が更に好ましく、 A/B=20/1〜1/20 の範囲にある事が特に好ましく、 A/B=10/1〜1/10 の範囲にある事が、安定した錯体化合物を形成し、高い
重合活性能を発現するためには最も好ましい。IA族の
金属を含有する有機金属化合物と錯化剤の組成比が本発
明の範囲外にあると、経済的に不利になるばかりでな
く、重合反応と同時に転移反応、停止反応等の好ましか
らざる反応が併発する結果を招く事になる。
【0086】本発明の代表的な重合触媒として、メチル
リチウム(MeLi)、エチルリチウム(EtLi)、
n−プロピルリチウム(n−PrLi)、iso−プロ
ピルリチウム(i−PrLi)、n−ブチルリチウム
(n−BuLi)、sec−ブチルリチウム(s−Bu
Li)、tertーブチルリチウム(t−BuLi)及
びシクロヘキシルリチウムから選択される少なくとも一
種のIA族金属を含有する有機金属化合物(特に有機リ
チウム化合物)Amolと、テトラメチルメチレンジア
ミン(TMMDA)、テトラメチルエチレンジアミン
(TMEDA)、テトラメチルプロピレンジアミン(T
MPDA)、テトラメチルヘキサンジアミン(TMHD
A)及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン(DABCO)から選択される少なくとも一種の錯化
剤(特にアミン化合物)Bmolが、 A/B=10/1〜1/10 の範囲にある錯体化合物を例示する事ができ、これらの
錯体化合物では更に、 A/B=8/1〜1/8 の範囲にあるものが好ましく、 A/B=6/1〜1/6 の範囲にあるものが特に好ましく、 A/B=4/1〜1/4 の範囲にあるものが最も好ましい。
【0087】本発明の重合触媒である錯体化合物の合成
は、特に制限されるものではなく、必要に応じて従来公
知の技術を応用する事ができる。例えば、乾燥不活性ガ
ス雰囲気下に有機金属化合物を有機溶媒に溶解し、これ
に錯化剤の溶液を添加して錯体化合物を合成する方法。
あるいは乾燥不活性ガス雰囲気下に錯化剤を有機溶媒に
溶解し、これに有機金属化合物の溶液を添加して錯体化
合物を合成する方法などを例示する事ができ、必要に応
じて適時選択する事が可能である。
【0088】上記の有機溶媒は、有機金属の種類・量及
び錯化剤の種類・量により適時選択し、十分に脱気・乾
燥を行った後に用いる事が好ましい。また、有機金属化
合物と錯化剤を反応させる温度条件も、一般的には−1
00〜100℃の範囲で適時選択する事が可能である。
工業的には−20〜80℃の範囲で実施する事が好まし
く、−10〜60℃の範囲で実施する事が最も好まし
い。乾燥不活性ガスとしてはヘリウム、窒素、アルゴン
が好ましく、工業的には窒素もしくはアルゴンを用いる
ことが好ましい。本発明の重合触媒の合成に用いられる
有機溶媒としては、常法により十分に脱気・乾燥し、か
つIA族の金属を含有する有機金属化合物及び錯化剤に
対して不活性であるものが好ましい。
【0089】好適に使用できる有機溶媒としては、ブタ
ン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、iso−オクタン、n−ノナン、n−デカン
のような脂肪族炭化水素系溶媒、シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン、デカリン、ノルボルナンのような脂環族炭化
水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメンのような芳香族炭化水素系溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン
のようなエーテル系溶媒等を例示する事ができ、目的に
合わせて適時選択する事ができる。
【0090】これらの有機溶媒は1種でもあるいは必要
に応じて2種以上の混合物であってもよい。好ましい有
機溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水
素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒を例示する事ができ
る。最も好ましい有機溶媒は、脂肪族炭化水素系溶媒、
脂環族炭化水素系溶媒もしくはこれらの混合溶媒であ
る。本発明の重合触媒である錯体化合物の合成に採用さ
れる最も好ましい有機溶媒は、n−ヘキサン、シクロヘ
キサン及びメチルシクロヘキサンから選択される少なく
とも一種の有機溶媒、あるいはこれらの二種以上の混合
溶媒である。
【0091】ここで、IA族金属を含有する有機金属化
合物中をAmol、錯化剤をBmolとした場合、本発
明の重合触媒である錯体化合物を合成するためのこれら
の配合(混合)比は、一般には、 A/B=1000/1〜1/1000 の範囲であり、 A/B=100/1〜1/100 の範囲にある事が有利であり、 A/B=60/1〜1/60 の範囲ある事が好ましく、 A/B=50/1〜1/50 の範囲ある事が更に好ましく、 A/B=30/1〜1/30 の範囲にある事が特に好ましく A/B=20/1〜1/20 の範囲にある事が、本発明の環状共役ジエン系ブロック
共重合体を高収率、あるいは設計通りの分子量・分子量
分布・分子構造に合成する重合触媒を得るためには最も
好ましい。
【0092】IA族金属を含有する有機金属化合物中と
錯化剤の配合比が上記の範囲外にあると、経済的に不利
になるばかりでなく、得られた錯体化合物が不安定にな
るなどの好ましからざる結果を招く事になる。上記の方
法によって合成された本発明の重合触媒である錯体化合
物は、室温以上の温度条件下においても、環状共役ジエ
ン系単量体のリビングアニオン重合を行う事が可能であ
る。
【0093】また、室温以上の温度条件下においても分
子量分布の狭い環状共役ジエン系ブロック共重合体を合
成する事が可能である。更に、上記の重合触媒は、錯化
剤が多量に存在する状態においてさえもメタル化、酸性
プロトンの引き抜き等の好ましからざる副反応が起こり
にくいため、耐熱性に優れた1,2−結合構造を多く含
む環状共役ジエン系単量体単位を高分子主鎖中に効率的
に導入する事も可能である。
【0094】本発明の重合触媒は、一種または二種以上
を組み合わせて用いる事も特に制限されない。一方、環
状共役ジエン系ブロック共重合体の流動性を改良する目
的で、本発明の重合触媒である錯体化合物と、錯体化さ
れていない有機化合物等の他の重合触媒を併用する事も
特に制限されるものではない。また、必要に応じてシリ
カ、ゼオライト等の無機化合物に吸着・坦持して用いて
もよく、目的・用途に応じて適時選択する事ができる。
【0095】本発明の代表的な重合触媒(錯体化合物)
の好ましい錯体構造として、下記(VI)式により表さ
れる錯体化合物を例示する事ができる。
【化11】
【0096】本発明の重合触媒である錯体化合物は、環
状共役ジエン系単量体が重合を開始する以前に形成され
ていることが、本発明の環状共役ジエン系ブロック共重
合体の重合反応において最も好ましい結果を与える。本
発明の重合触媒は、本発明の環状共役ジエン系単量体の
みならず、従来公知の技術によりアニオン重合可能な他
の単量体に対する優れた重合活性能をも有している。
【0097】本発明の重合触媒によって重合可能な他の
単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン(あるいはこれ
らの誘導体)等の鎖状共役ジエン系単量体、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレ
ン、m−ジイソプレニルベンゼン、ビニルピリジン(あ
るいはこれらの誘導体)等のビニル芳香族系単量体、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリロニトリ
ル、メチルビニルケトン、α−シアノアクリル酸メチル
(あるいはこれらの誘導体)等の極性ビニル系単量体も
しくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロ
ヘキセンオキシド、環状ラクトン、環状ラクタム、環状
シロキサン(あるいはこれらの誘導体)等の極性単量
体、更にはエチレン、α−オレフィン系単量体(あるい
はこれらの誘導体)等を例示する事ができる。これらの
単量体は必要に応じて1種でも、あるいは2種以上であ
っても構わない。
【0098】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体の最も好ましい製造方法は、上記の重合触媒(錯体触
媒)を採用し、気相重合、塊状重合(バルク重合)もし
くは溶液重合などを適時選択し実施する事ができる。重
合反応プロセスとしては例えばバッチ式、セミバッチ
式、連続式などを適時選択し利用する事が可能である。
重合反応器も目的・要求に合わせて適時選択すればよ
く、例えばオートクレーブ、コイルリアクター、チュー
ブリアクター、ニーダー、押出機等を例示する事ができ
る。
【0099】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体の製造方法が溶液重合の場合、好適に使用できる重合
溶媒としては、ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、n−オクタン、iso−オクタン、n−
ノナン、n−デカンのような脂肪族炭化水素系溶媒、シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シ
クロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナ
ンのような脂環族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメンのような芳香族
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピランのようなエーテル系溶媒等を例
示する事ができ、目的に合わせて適時選択する事ができ
る。
【0100】これらの重合溶媒は1種でもあるいは必要
に応じて2種以上の混合物であってもよい。好ましい重
合溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水
素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒を例示する事ができ
る。最も好ましい重合溶媒は、脂肪族炭化水素系溶媒、
脂環族炭化水素系溶媒もしくはこれらの混合溶媒であ
る。本発明の重合反応における最も好ましい重合溶媒
は、n−ヘキサン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘ
キサンから選択される少なくとも一種の重合溶媒、ある
いはこれらの二種以上の混合溶媒である。
【0101】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体の重合反応において、重合触媒の使用量は、目的によ
り種々異なったものとなるため特に限定する事はできな
いが、一般的には単量体1molに対して金属原子とし
て1×10-6mol〜5×10-1molの範囲であり、
好ましくは5×10-6mol〜1×10-1molの範囲
で実施する事ができる。本発明の重合反応に用いられる
重合触媒は、一種でもあるいは必要に応じて二種以上の
混合物であってもよい。
【0102】本発明の重合反応における重合温度は、必
要に応じて種々異なったものに設定されるが、一般には
−100〜150℃、好ましくは−80〜120℃、特
に好ましくは−30〜110℃、最も好ましくは0〜1
00℃の範囲で実施する事ができる。更に、工業的な観
点からは、室温〜90℃の範囲で重合反応を実施する事
が好ましく、40〜80℃の範囲が最も好ましい。
【0103】重合反応に要する時間は、目的あるいは重
合条件によって種々異なったものになるため特に限定す
る事はできないが、通常は48時間以内であり、特に好
適には0.5〜24時間の範囲であり、1〜10時間の
範囲で実施する事が工業的には最も好ましい。重合反応
における反応系の雰囲気は、ヘリウム、窒素、アルゴン
等の不活性ガスである事が好ましく、十分に乾燥し、か
つ、酸素、炭酸ガス等の不純物の少ない、高純度な不活
性ガスである事が特に望ましい。
【0104】工業的な観点からは、十分に乾燥した高純
度な窒素もしくはアルゴンである事が好ましく、窒素を
使用する事が最も好ましい。重合反応系の圧力は、上記
の重合温度範囲において、各々の単量体及び重合溶媒を
液相に維持するのに必要な圧力の範囲で行えばよく、必
要に応じて適時設定する事ができる。本発明の重合反応
は、重合反応系内には重合触媒及び生長(活性)末端を
不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガ
ス等が混入しない状態を保つ事が、所定のブロック共重
合体を得るためには好ましい。
【0105】本発明の製造方法においては、重合反応が
所定(目的とする)の重合率を達成した後に、必要に応
じて重合停止剤、末端変性剤、重合安定剤、あるいは熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤を添加す
る事も特に制限されるものではない。熱安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤等の安定剤としては、従来公知のも
のをそのまま採用する事ができる。例えばフェノール
系、有機ホスフェート系、有機ホスファイト系、有機ア
ミン系、有機イオウ系等の種々の熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤を採用する事が可能である。
【0106】熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の
熱安定剤の添加量は、一般には環状共役ジエン系重合体
に対し、0.0001〜10wt%の範囲で使用され
る。本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合体の製造
方法において、重合反応終了後に添加される重合停止剤
としては、本発明の重合触媒(活性ポリマー末端)の重
合活性種を失活させる公知の重合停止剤を採用する事が
できる。好適なものとして、水、炭素数が1〜10であ
るアルコール、ケトン、多価アルコール(エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン等)、フェ
ノール、カルボン酸、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化
アルキルシラン等を例示する事ができる。
【0107】重合停止剤の添加量は、重合体の活性末端
対を失活させるための必要最少量である事が一般的であ
が、過剰に使用する事も特に制限されるものではない。
重合停止剤は、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
の安定剤を添加する以前に添加してもよいし、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤と同時に添加
してもよい。また、必要に応じて、重合体の活性末端に
分子状の水素を接触させる事により重合反応を停止させ
る事も可能である。本発明の重合体溶液から環状共役ジ
エン系ブロック共重合体を分離回収するためには、公知
の重合体の重合体溶液(反応液)から重合体を回収する
際に通常使用される、従来公知の技術を採用する事がで
きる。
【0108】例えば反応液と水蒸気を直接接触させる水
蒸気凝固法、反応液に重合体の貧溶媒を添加して重合体
を沈澱させる再沈澱法、反応溶液を容器内で加熱して溶
媒を留去させる方法、反応溶液を加熱ロールに接触させ
溶媒を留去する方法、ベント付き押出機で溶媒を留去し
ながらペレット化まで行う方法、重合体溶液を温水に投
入した後に、ベント付き押出機で溶媒と水を留去しなが
らペレット化まで行う方法などを例示する事ができ、環
状共役ジエン系ブロック共重合体及び用いた溶媒の性質
に応じて、最適な方法を採用する事ができる。
【0109】更に、本発明の環状共役ジエン系ブロック
共重合体が重合反応を行い、次いで水素化反応を行う事
により得られる水素化重合体である場合、重合反応を行
い環状共役ジエン系単量体単位と他の単量体単位を高分
子主鎖中に含有するブロック共重合体を合成し、次いで
水素化触媒の共存下、水素化反応を行い重合体中に含有
される炭素−炭素不飽和結合の一部または全てを水素化
し、水素化された環状共役ジエン系ブロック共重合体を
得る事ができる。
【0110】具体的な製造方法として、環状共役ジエン
系単量体単位と他の単量体単位からなるブロック共重合
体の重合反応が所定の(目的とする)重合率を達成した
後に重合反応を停止し、反応器内に水素化触媒を添加す
ると共に水素ガスを導入し、引き続いて水素化反応を実
施する事により、水素化された環状共役ジエン系ブロッ
ク共重合体を製造する方法を例示する事ができる。より
具体的には、重合反応を常法により停止し、重合反応を
行った同一反応器内に水素化触媒を添加し、水素を導入
する事によってバッチ式に水素化重合体を製造する方
法。
【0111】重合反応を重合触媒を常法により停止し、
重合体溶液を重合反応とは別の反応器に移送し、反応器
内に水素化触媒を添加し、水素を導入する事によってセ
ミバッチ式に水素化重合体を製造する方法。あるいは、
チューブ型の反応器で、重合反応及び水素化反応を連続
的に行う事により、連続式に水素化重合体を製造する方
法などを例示する事ができる。これらの方法は、目的・
必要に応じて適時選択し採用する事ができる。
【0112】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体の水素化方法は、一般には、重合体溶液を水素または
不活性ガス雰囲気下に所定の温度に保持し、撹拌下もし
くは不撹拌下に水素化触媒を添加し、反応温度に保持し
た後に水素ガスを導入し、所定圧に加圧する事によって
実施される。また、水素化反応形式は、従来公知の技術
を採用する事ができる。例えばバッチ式、セミバッチ
式、連続式あるいはそれらの組み合わせ等のいずれで
も、必要に応じて採用可能である。
【0113】本発明の水素化反応に用いる事が可能な水
素化触媒とは、必要な水素化率が得られる触媒であれば
特にその種類、量は制限されないが、実質的には、周期
律表中のIVA〜VIII族金属もしくは希土類金属か
ら選択される少なくとも一種の金属を含有する均一系水
素化触媒(有機金属化合物、有機金属錯体)あるいは不
均一系水素化触媒(固体触媒、坦持触媒)から選択する
事が可能である。
【0114】本発明における最も好ましい水素化触媒
は、均一系水素化触媒すなわち、IVA〜VIII族金
属もしくは希土類金属から選択される有機金属化合物あ
るいは有機金属錯体もしくは、VIII族金属の坦持触
媒(固体触媒)である。これら好ましい均一系水素化触
媒である有機金属化合物、有機金属錯体は、シリカ、ゼ
オライト、架橋ポリスチレン等の無機化合物あるいは有
機高分子化合物等に坦持されている事も特に制限される
ものではない。
【0115】本発明に使用される水素化触媒に含有され
る金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、
クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、
パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、ランタニ
ウム、セリウム、プラセオジウム、ネオジム、プロメチ
ウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テル
ビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、
ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを例示する事が
でき、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、
レニウム、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユ
ウロピウム、ガドリニウム、イッテルビウムを例示する
事ができる。
【0116】特に好ましい金属として、チタン、コバル
ト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウムを例
示する事ができる。これらの金属が均一系水素化触媒で
ある場合には、水素、ハロゲン、窒素化合物、有機化合
物等の配位子が配位または結合している事が必要であ
り、その組み合わせは任意に選択する事が可能である
が、少なくとも溶媒に可溶となる組み合わせを選択する
事が好ましい。配位子の具体例としては、水素、フッ
素、塩素、臭素、一酸化窒素、一酸化炭素あるいは、ヒ
ドロキシル、エーテル、アミン、チオール、ホスフィ
ン、カルボニル、オレフィン、ジエン等の官能基を含有
する有機化合物もしくは、官能基を含有しない非極性の
有機化合物を例示する事ができる。
【0117】有機配位子の具体例としては、サリシルア
ルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフタルアルデヒド、
2−ヒドロキシ−3−ナフタルアルデヒド等のアルデヒ
ド類、2’−ヒドロキシアセトフェノン、2’−ヒドロ
キシブチロフェノン、2’−ヒドロキシプロピオフェノ
ン等のヒドロキシフェノン類、アセチルアセトン、ベン
ゾイルアセトン、プロピオニルアセトン、イソブチルア
セトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン等
のジケトン類、イソ吉草酸、カプリル酸、オクタン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、シク
ロペンタンカルボン酸、ナフテン酸、エチルヘキサン
酸、ビバール酸、バーサチック酸(シェル化学から販売
されるC10モノカルボン酸の異性体の混合物から構成さ
れる合成酸)、フェニル酢酸、安息香酸、2−ナフトエ
酸、マレイン酸、コハク酸、ヘキサンチオール酸、2,
2−ジメチルブタンチオン酸、デカンチオン酸、チオ安
息香酸等のカルボン酸類、リン酸ジブチル、リン酸ジペ
ンチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン酸
ジオクチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン
酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、リ
ン酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−
ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコー
ル−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2−エ
チルヘキシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−
エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p
−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モ
ノブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エ
チルヘキシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘ
キシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニ
ルフェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホ
スホン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−
p−ノニルフェニル、ジブチルホスフィン酸、ビス(2
−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘ
プチル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオ
レイルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチル(2−エ
チルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)
(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘ
キシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチル
ホスフィン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−
メチルヘプチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、
ラウリルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノ
ニルフェニルホスフィン酸等の有機リン酸類、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピル
アルコール、tert−ブチルアルコール、tert−
アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘ
キシルアルコール、アリルアルコール、2−ブテニルア
ルコール、3−ヘキセニルアルコール、2,5−デカジ
ェニルアルコール、ベンジルアルコール、フェノール、
カテコール、1−ナフトール、2−ナフトール、2,6
−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−ト
リ−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノ
ール、エタンチオール、1ーブタンチオール、2−ペン
タンチオール、2−iso−ブタンチオール、チオフェ
ノール、2−ナフタレンチオール、シクロヘキサンチオ
ール、3−メチルシクロヘキサンチオール、2−ナフタ
レンチオール、ベンゼンメタンチオール、2−ナフタレ
ンメタンチオール等のアルコール、フェノール、チオー
ル類、あるいはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジメチルスルホキシド、ピリジン、エチレンジアミ
ン、ジメチルホルムアミド、トリフェニルホスフィン、
シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル
基、インデニル基、フルオレニル基、π−アリル基、置
換アリル基、シクロオクタジエニル基、メチル基、エチ
ル基、ブチル基、フェニル基、トリル基等を例示する事
ができる。
【0118】これらの配位子は、1種でも、あるいは必
要に応じて2種類以上を組み合わせて使用する事も特に
制限されないが、被水素化合体が溶解する溶媒に可溶と
なる配位子の組み合わせが特に好ましい。また、水素化
触媒は必要に応じて一種または二種以上を組み合わせて
用いる事も、特に制限されるものではない。更に水素化
触媒が、IVA〜VIII族金属もしくは希土類金属か
ら選択される少なくとも一種の有機金属化合物あるいは
有機金属錯体と、アルキルリチウム、アルキルマグネシ
ウム、アルキルアルミニウム等のIA〜IIA、III
B族金属から選択される少なくとも一種の有機金属化合
物からなる複合触媒を用いる事は、工業的に最も好まし
い方法である。
【0119】具体的なIA〜IIA、IIIB族金属の
有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、n−プロピルリチウム、i−プロピルリチウム、
n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチル
リチウム、ペンチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェ
ニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム等のアル
キルリチウム、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネ
シウム、ジブチルマグネシウム等のアルキルマグネシウ
ム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリノルマルブチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライド、メチルアルミノキサン、エ
チルアルミノキサン等のアルキルアルミイウム等を例示
する事ができる。これらの有機金属化合物は、単独であ
るいは二種以上の混合物であってもよい。
【0120】一方、水素化触媒が固体触媒である場合、
上記金属をそのまま用いる事も可能ではあるが、一般的
にはカーボン、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム等の担
体に坦持した状態で用いる事が好ましい。好ましい固体
触媒としては、レニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、白金から選択される
少なくとも一種の金属を含有する坦持触媒を例示する事
ができ、特に好ましくは、ルテニウム、ロジウム及びパ
ラジウムから選択される少なくとも一種の金属を含有す
る坦持触媒を例示する事ができる。
【0121】これらの触媒は、単独であるいは二種以上
の組み合わせで使用する事も特に制限されない。本発明
の環状共役ジエン系ブロック共重合体が、水素化重合体
である場合、水素化反応における水素化触媒の使用量
は、被水素化重合体の種類(高分子主鎖構造、分子量
等)、あるいは水素化条件(溶媒、温度、濃度、溶液粘
度等)によって適時設定されるが、一般には、被水素化
重合体に対して金属原子濃度として0.1〜100,0
00ppmの範囲であり、好ましくは1〜50,000
ppmの範囲であり、更に好ましくは5〜10,000
ppmの範囲であり、特に好ましくは10〜10,00
0ppmの範囲で使用される。
【0122】水素化触媒の使用量が極端に少ない場合に
は、十分な反応速度が得られず、一方、使用量が多い場
合には、反応速度は速くなるものの経済的に不利であ
り、また触媒の分離回収が困難になり、重合体に対する
触媒残査の影響が避けられないなどの好ましからざる結
果を招く事になる。本発明の水素化反応に用いる事が可
能な溶媒としては、水素化触媒に不活性であり、被水素
化重合体に対する溶解度が高い事が好ましい。
【0123】好ましい溶媒としては、n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、iso−オ
クタン、n−ノナン、n−デカンのような脂肪族炭化水
素系溶媒、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタ
ン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンのような
脂環族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クメンのような芳香族炭化水素系
溶媒、塩化メチレン、ジクロルエタン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンのようなハ
ロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジグリ
ム、トリグリム、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピ
ランのようなエーテル系溶媒の単独またはそれらを主成
分とする混合溶媒を例示する事ができ、被水素化重合体
の特性あるいは水素化反応の条件等により適時選択する
事ができる。
【0124】工業的には、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環
族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、脂
肪族炭化水素系溶媒もしくは脂環族炭化水素系溶媒、あ
るいはこれらの混合溶媒が最も好ましい。本発明の環状
共役ジエン系ブロック共重合体が水素化重合体である場
合には、工業的な見地からは重合反応に引き続き水素化
反応を行う事が経済的に有利であるため、重合反応に用
いた溶媒と同一の溶媒中で水素化反応を実施する事が最
も好ましい。
【0125】水素化反応時の重合体溶液の濃度は、特に
限定されるものではないが、通常1〜90wt%である
事が好ましく、更に好ましくは2〜60wt%、特に好
ましくは3〜40wt%である。重合体溶液の濃度が低
い場合には経済的に不利であり、濃度が高い場合には重
合体溶液の粘度が増大し、反応速度が低下するために好
ましくない結果となる。水素化反応の温度は、必要に応
じて適時設定すればよいが、一般的には−78〜500
℃の範囲であり、好ましくは−10〜300℃であり、
特に好ましくは20〜250℃である。
【0126】反応温度が低すぎる場合には十分な反応速
度が得られず、一方、反応温度が高すぎる場合には水素
化触媒が失活したり、あるいは重合体が劣化するなどの
好ましからざる結果を招く事になる。本発明の水素化反
応の圧力は、0.1〜500kg/cm2 Gの範囲であ
り、好ましくは1〜400kg/cm2 Gの範囲であ
り、特に好ましくは2〜300kg/cm2 Gの範囲で
ある。
【0127】水素の圧力が低い場合には、十分な反応速
度が得られず、一方、圧力を高くしすぎると反応速度は
大きくなるものの、装置として高価な耐圧反応装置が必
要になるために経済的ではない。また、重合体の水素化
分解などの好ましからざる結果を招く事にもなる。水素
化反応に要する時間は、水素化触媒の量、種類、あるい
は重合体溶液の濃度、反応系の温度・圧力とも関係する
ために特に限定する事はできないが、通常5分〜240
時間、好ましくは10分〜100時間、特に好ましくは
30分〜48時間の範囲で実施する事ができる。
【0128】水素化反応終了後、水素化触媒は必要に応
じて、吸着剤による吸着分離法、沈降分離、濾過分別、
有機酸及び/または無機酸の存在下に水またはは低級ア
ルコールによる洗浄除去法などの従来公知の手段によ
り、反応液から分離回収する事ができる。本発明の水素
化反応によって得られる水素化環状共役ジエン系ブロッ
ク共重合体において、重合体溶液から水素化環状共役ジ
エン系ブロック共重合体を分離回収するためには、公知
の重合体の重合体溶液から重合体を回収する場合に一般
に実施されている、従来公知の技術を採用する事ができ
る。
【0129】例えば反応液と水蒸気を直接接触させる水
蒸気凝固法、反応液に重合体の貧溶媒を添加して重合体
を沈澱させる再沈澱法、反応溶液を容器内で加熱して溶
媒を留去させる方法、反応溶液を加熱ロールに接触させ
溶媒を留去する方法、ベント付き押出機で溶媒を留去し
ながらペレット化まで行う方法、重合体溶液を温水に投
入した後に、ベント付き押出機で溶媒と水を留去しなが
らペレット化まで行う方法などを例示する事ができ、水
素化環状共役ジエン系ブロック共重合体及び用いた溶媒
の性質に応じて、最適な方法を採用する事ができる。
【0130】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合
体は、重合反応もしくは、重合反応に引き続き、必要に
応じて更に水素化反応を実施した後に、その目的・用途
に応じて熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定
剤、滑剤、核剤、可塑剤、染料、顔料、架橋剤、発泡
剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング
剤、離型剤、改質剤、変性剤、有機強化材、無機強化材
(ガラスフィラー、鉱物繊維、無機フィラー等)等、一
般の高分子材料に添加・配合される添加剤、改質剤、強
化剤等を含有する事も特に制限されるものではない。
【0131】熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の
安定剤としては従来公知のものをそのまま採用する事が
できる。例えばフェノール系、有機ホスフェート系、有
機ホスファイト系、有機アミン系、有機イオウ系等の種
々の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を採用する事
が可能である。熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
の熱安定剤の添加量は、一般には環状共役ジエン系ブロ
ック共重合体に対し、0.001〜10wt%の範囲で
使用される。
【0132】本発明の(水素化)環状共役ジエン系ブロ
ック共重合体は、優れた工業材料(構造材料あるいは機
能材料等)として、特殊エラストマー、熱可塑性エラス
トマー、透明耐衝撃性プラスチック、弾性繊維、シー
ト、フィルム、チューブ、ホース、光学材料、シーリン
グ剤、弾性接着剤、一般接着剤、粘着剤、封止剤、弾性
塗料、一般塗料、コーティング剤、絶縁剤、滑剤、可塑
剤、分離膜、選択透過膜、微多孔膜、機能膜、防振・防
音材、制振・遮音材、機能性フィルム(導電性フィル
ム、感光性フィルム等)、機能性ビーズ(分子ふるい、
高分子触媒、高分子触媒基体等)、自動車部品、電気部
品、航空・宇宙部品、鉄道部品、海洋部品、電子部品、
電池部品、エレクトロニクス関連部品、マルチメディア
関連部品、プラスチク電池材料、太陽電池部品、機能性
繊維、機能性シート、機械部品、建材・土木部品、医療
機器部品、医薬品包装材、徐放性包合材、薬理物質支持
基体、プリント基盤材料、食品容器、一般包装材、衣料
品、スポーツ・レジャー用品、一般雑貨用品、タイヤ、
ベルト等に有用である。また、本発明の共重合体は、他
樹脂の改質剤等として用いられるばかりでなく、必要に
応じて架橋剤を配合する事により熱硬化性樹脂、紫外線
硬化樹脂、電子線硬化樹脂、湿式硬化性樹脂等の硬化性
樹脂として用いる事も可能である。
【0133】
【実施例】以下に、実施例及び比較例等によって本発明
を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実
施例に限定され解釈されるものではない。 使用した薬品:本発明に用いた薬品は入手しうる最
高純度のものであった。一般の溶剤は常法に従い脱気
し、不活性ガス雰囲気下、活性金属上で還流・脱水し、
次いで蒸留・精製したものを使用した。
【0134】 重合体の数平均分子量(Mn)及び分
子量分布(Mw/Mn);東ソー(株)社製の液体クロ
マトグラフ(HLCー8020)を使用し、昭和電工
(株)社製のカラム(ショウデックス:K805+K8
04+K802)を用いて、G.P.C(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー)法により測定した標準ポ
リスチレン換算の値を示した。
【0135】 高分子鎖構造解析:JEOL社製NM
R測定装置(JEOL α−400)を使用して行っ
た。重合体のガラス転移温度(Tg)は、セイコー電子
工業(株)社製のDSC200を使用して、DSC法に
よって測定された値を示した。 重合反応系中の単量体の転化率(mol%):島津
製作所(株)社製のガスクロマトグラフ(GC14A)
を用いて、反応系中に残存しているモノマーの絶対量
(内部標準法による)を測定する事により算出された値
を示した。内部標準物質にはエチルベンゼンを使用し
た。
【0136】 重合体の機械的・熱的実用特性の測定
は、以下の方法によって行った。 1) 引張試験(1/8インチ):ASTM D638
に従い試験を行った。引張強度(TS)、引張伸度(T
E) 2) 曲げ試験(1/8インチ):ASTM D790
に従い試験を行った。曲げ強度(FS)、曲げ弾性率
(FM) 3)アイゾット(Izod)衝撃試験:ASTM D2
56に従い試験を行った(常温)。 4)熱変形温度(HDT:℃)ASTM D648に従
い、高加重1.82MPa、低加重0.46MPaの条
件で試験を行った。 1MPa=10.20kg・f/cm2 1J/m=0.102kg・cm/cm
【0137】
【実施例1】常法に従い十分に乾燥した300ml耐圧
ガラスボトルの内部を乾燥アルゴンで置換した。シクロ
ヘキサン120.0gを耐圧ボトル内に注入し、溶液の
温度を室温に保持した。n−BuLiのn−ヘキサン溶
液(1.6M)を、リチウム原子換算として3.0mm
ol添加し、10分間撹拌した。次いで、TMEDAの
1.0M−シクロヘキサン溶液を、n−BuLi/TM
EDA=4/2(mol比)となるように添加し、錯体
を形成させた後に40#Cに昇温・保持した。
【0138】この溶液に、1,3−シクロヘキサジエン
(1,3−CHD)4.5gを添加し、乾燥アルゴン雰
囲気下に40#Cで1時間重合反応を行った。次いでイ
ソプレン(Ip)21.0gを添加し、乾燥アルゴン雰
囲気下に40#Cで1時間重合反応を行う事によりCH
D−Ipジブロックコポリマーを合成した。次いで、
1,3−CHD4.5gを添加し、乾燥アルゴン雰囲気
下に40#Cで2時間重合反応を行う事によりCHD−
Ip−CHDトリブロックコポリマーを得た。
【0139】重合反応終了後、BHT〔2,6−ビス
(t−ブチル)−4−メチルフェノール〕10wt%の
メタノール溶液を加えて反応を停止させ、更に大量のメ
タノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、メタノー
ルで洗浄後、60℃で真空乾燥し、収率100wt%で
粘調な重合体を得た。得られたCHD−Ip−CHDト
リブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は9,6
90であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であ
った。1 H−NMRにより測定された、重合体中の環状
共役ジエン系単量体単位の含有率は、仕込み組成と一致
していた。
【0140】
【実施例2】TMEDAをテトラメチルジアミノメタン
(TMMDA)に変えた以外は実施例1と同様にして重
合反応を行った。得られたCHD−Ip−CHDトリブ
ロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は9,270
であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.14であっ
た。1H−NMRにより測定された、重合体中の環状共
役ジエン系単量体単位の含有率は、仕込み組成と一致し
ていた。
【0141】
【実施例3】TMEDAをテトラメチルプロパンジアミ
ン(TMPDA)に変えた以外は実施例1と同様にして
重合反応を行った。得られたCHD−Ip−CHDトリ
ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は9,04
0であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.21であっ
た。1 H−NMRにより測定された、重合体中の環状共
役ジエン系単量体単位の含有率は、仕込み組成と一致し
ていた。
【0142】
【実施例4】TMEDAをテトラメチルヘキサンジアミ
ン(TMHDA)に変えた以外は実施例1と同様にして
重合反応を行った。得られたCHD−Ip−CHDトリ
ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は9,50
0であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.11であっ
た。1 H−NMRにより測定された、重合体中の環状共
役ジエン系単量体単位の含有率は、仕込み組成と一致し
ていた。
【0143】
【実施例5】常法に従い十分に乾燥した300ml耐圧
ガラスボトルの内部を乾燥アルゴンで置換した。シクロ
ヘキサン120.0gを耐圧ボトル内に注入し、溶液の
温度を室温に保持した。s−BuLiのn−ヘキサン溶
液(1.1M)を、リチウム原子換算として3.0mm
ol添加し、10分間撹拌した。次いで、TMEDAの
1.0M−シクロヘキサン溶液を、s−BuLi/TM
EDA=4/2(mol比)となるように添加し、錯体
を形成させた後に40#Cに昇温・保持した。
【0144】この溶液にm−ジイソプロペニルベンゼン
(m−DIPB)を1.5mmol添加し、反応液が青
からオレンジ色に変わった後に、イソプレン(Ip)2
1.0gを添加し、1時間重合反応を行った。次いで
1,3−CHD9.0gを添加し、乾燥アルゴン雰囲気
下に40#Cで2時間重合反応を行う事によりCHD−
Ip−CHDトリブロックコポリマーを合成した。
【0145】重合反応終了後、BHT〔2,6−ビス
(t−ブチル)−4−メチルフェノール〕10wt%の
メタノール溶液を加えて反応を停止させ、更に大量のメ
タノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、メタノー
ルで洗浄後、60#Cで真空乾燥し、収率100wt%
でゴム弾性を示す重合体を得た。得られたCHD−Ip
−CHDトリブロックコポリマーの数平均分子量(M
n)は20,190であり、分子量分布(Mw/Mn)
は1.44であった。1 H−NMRにより測定された、
重合体中の環状共役ジエン系単量体単位の含有率は、仕
込み組成と一致していた。
【0146】
【実施例6】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として30.0mmol添加
し、更にTMEDA15.0mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40℃に昇温した。
【0147】1,3−CHD45gをオートクレーブ内
に導入し、40#Cで1時間重合反応を行った。次い
で、イソプレン(Ip)210gをオートクレーブ内に
導入し、40#Cで1時間30分重合反応を行い、CH
D−Ipジブロックコポリマーを得た。更に、1,3−
CHD45gをオートクレーブ内に導入し、40#Cで
3時間重合反応を行い、CHD−Ip−CHDトリブロ
ックコポリマーを得た。
【0148】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は9,860であり、分子量分
布(Mw/Mn)は1.23であった。
【0149】
【実施例7】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として37.5mmol添加
し、更にTMEDA9.375mmolを添加し錯体を
形成させ、次いでオートクレーブを40℃に昇温した。
【0150】Ip15gをオートクレーブ内に導入し、
次いで1,3−CHD30gをオートクレーブ内に導入
し、40℃で1時間30分重合反応を行い、Ip−CH
Dジブロックコポリマーを得た。イソプレン(Ip)2
10gをオートクレーブ内に導入し、40#Cで1時間
30分重合反応を行い、Ip−CHD−Ipトリブロッ
クコポリマーを得た。次いで、1,3−CHD30gを
オートクレーブ内に導入し、40#Cで2時間重合反応
を行い、Ip−CHD−Ip−CHDテトラブロックコ
ポリマーを得た。
【0151】更に、Ip15gをオートクレーブ内に導
入し、40#Cで30分重合反応を行いIp−CHD−
Ip−CHD−Ipペンタブロックコポリマーを得た。
重合反応終了後、別の(常法に従い十分に乾燥した)電
磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブに反応液を圧
送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプタノールを添
加して重合反応停止した。得られた重合体の数平均分子
量(Mn)は8,350であり、分子量分布(Mw/M
n)は1.22であった。
【0152】
【実施例8】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として30.0mmol添加
し、更にTMEDA15.0mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0153】1,3−CHD15gをオートクレーブ内
に導入し、40℃で1時間重合反応を行った。次いで、
イソプレン(Ip)270gをオートクレーブ内に導入
し、40℃で2時間重合反応を行い、CHD−Ipジブ
ロックコポリマーを得た。更に、1,3−CHD15g
をオートクレーブ内に導入し、40#Cで3時間重合反
応を行い、CHD−Ip−CHDトリブロックコポリマ
ーを得た。
【0154】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は11,900であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.12であった。
【0155】
【実施例9】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、70#Cに保持した。実施例8で
得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液150
0gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセンジ
クロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド(DIBAL−H)=1/6で調整した水素化触
媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で100pp
mとなるように添加した。オートクレーブ内を水素で置
換し100℃まで昇温し、水素圧を8kg/cm2Gと
して1時間水素化反応を行った。1 H−NMR測定によ
り算出された、イソプレン(Ip)部分の水素化率は1
00%であり、CHD部分は水素化されていなかった。
【0156】
【実施例10】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40℃に昇温した。
【0157】1,3−CHD300gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で20分間重合反応を行った。G.
C.分析による24分後の1,3−CHD転化率は4
7.8mol%であった。次いで、イソプレン(Ip)
300gをオートクレーブ内に導入し、40#Cで5時
間重合反応を行った。1,3−CHDの重合途中にIp
が添加されると、Ipが優先的に重合し、Ipがほぼ消
費されると再び1,3−CHDの重合が開始するため
に、得られた重合体は、CHD−Ip−CHDトリブロ
ックコポリマーであった。
【0158】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は41,900であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.43であった。この重合体の
引張強度(TS)は25.8MPa(1MPa=10.
20kg・f/cm2)であり、引張伸度(TE)は1
59%、曲げ強度(FS)は22.0MPa、曲げ弾性
率(FM)は2,900MPaであった。アイゾット
(Izod)衝撃強度は、N.B.(破断せず)であっ
た。
【0159】
【比較例1】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.5mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0160】1,3−CHD300gとIp300gを
混合し、オートクレーブ内に導入し、40#Cで6時間
重合反応を行った。G.C.分析による7時間後の1,
3−CHD転化率は98.1mol%であった。1,3
−CHDとIpが共存すると、Ipが優先的に重合し、
Ipがほぼ消費されると再び1,3−CHDの重合が開
始するために、得られた重合体は、Ip−CHDジブロ
ックコポリマーであった。重合反応終了後、70℃に昇
温した後、別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導
撹拌機付き5L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、
Li原子と等molの脱水n−ヘプタノールを添加して
重合反応停止した。
【0161】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
40,900であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.
51であった。この重合体の引張強度(TS)は12.
5MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2 )で
あり、引張伸度(TE)は28%、曲げ強度(FS)1
8.7MPa、曲げ弾性率(FM)は815MPaであ
った。アイゾット(Izod)衝撃強度は、N.B.
(破断せず)であった。
【0162】
【実施例11】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1800gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0163】1,3−CHD200gをオートクレーブ
内に導入し、40#Cで20分間重合反応を行った。
G.C.分析による21分後の1,3−CHD転化率は
48.7mol%であった。次いで、イソプレン(I
p)400gをオートクレーブ内に導入し、40℃で6
時間重合反応を行った。1,3−CHDの重合途中にI
pが添加されると、Ipが優先的に重合し、Ipがほぼ
消費されると再び1,3−CHDの重合が開始するため
に、得られた重合体は、CHD−Ip−CHDトリブロ
ックコポリマーであった。
【0164】重合反応終了後、シクロヘキサン1000
gを添加して反応液を希釈し、70#Cに昇温した後、
別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き
5L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と
等molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停
止した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は6
1,800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.4
8であった。DSC法により測定されるCHDブロック
のガラス転移温度(Tg)は137#Cであった。この
重合体の引張強度(TS)は19.0MPa(1MPa
=10.20kg・f/cm2 )であり、引張伸度(T
E)は700%であった。
【0165】
【実施例12】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。ートクレーブ内に導入し、乾燥窒素下、70℃
に保持した。実施例10で得られた重合体の10wt%
シクロヘキサン溶液1500gをオートクレーブ内に導
入し、次いでチタノセンジクロライド(TC)/ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL−H)=
1/4で調整した水素化触媒を、重合体に対して、Ti
金属原子換算で290ppmとなるように添加した。オ
ートクレーブ内を水素で置換した後、160℃まで昇温
した。更に水素圧を35kg/cm2 Gとして6時間水
素化反応を行った。
【0166】水素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作
を行い、水素化CHD−Ip−CHDトリブロックコポ
リマーを得た。1 H−NMR測定により算出された、イ
ソプレン(Ip)部分の水素化率は100%であり、C
HD部分の水素化率は96%であった。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は42,700であり、分子量
分布(Mw/Mn)1.48であった。DSC法により
測定される水素化CHDブロックのガラス転移温度(T
g)は210#Cであった。
【0167】この重合体の引張強度(TS)は30.1
MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2)であ
り、引張伸度(TE)は350%、曲げ強度(FS)は
28.5MPa、曲げ弾性率(FM)は3,010MP
aであった。アイゾット(Izod)衝撃強度は、N.
B.(破断せず)であった。
【0168】
【実施例13】実施例11で得られた重合体を用いた以
外は、実施例12と同様にして水素化反応を行った。水
素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化
CHD−Ip−CHDトリブロックコポリマーを得た。
1 H−NMR測定により算出された、イソプレン(I
p)部分の水素化率は100%であり、CHD部分の水
素化率は92%であった。
【0169】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
63,100であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.
45であった。DSC法により測定される水素化CHD
ブロックのガラス転移温度(Tg)は220℃であっ
た。この重合体の引張強度(TS)は23.6MPa
(1MPa=10.20kg・f/cm2)であり、引
張伸度(TE)は700%であった。
【0170】
【実施例14】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き4L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1000gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70℃に保持した。実施例10
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液10
00gをオートクレーブ内に導入し、パラジウム(P
d)5wt%を硫酸バリウム(BaSO4 )に坦持した
固体触媒10gを添加した。
【0171】オートクレーブ内を水素で置換した後、1
60℃まで昇温した。更に水素圧を55kg/cm2
として6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、
常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化CHD−Ip−C
HDトリブロックコポリマーを得た。1 H−NMR測定
により算出された、イソプレン(Ip)部分、CHD部
分の水素化率は共に100%であった。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は41,500であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.42であった。
【0172】この重合体の引張強度(TS)は29.8
MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2)であ
り、引張伸度(TE)は305%、曲げ強度(FS)は
27.6MPa、曲げ弾性率(FM)は3,050MP
aであった。アイゾット(Izod)衝撃強度は、N.
B.(破断せず)であった。
【0173】
【実施例15】実施例11で得られた重合体を用いた以
外は、実施例14と同様にして水素化反応を行った。水
素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化
CHD−Ip−CHDトリブロックコポリマーを得た。
1 H−NMR測定により算出された、イソプレン(I
p)部分、CHD部分の水素化率は共に100%であっ
た。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は62,3
00であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.49であ
った。この重合体の引張強度(TS)は25.2MPa
(1MPa=10.20kg・f/cm2)であり、引
張伸度(TE)は660%であった。
【0174】
【実施例16】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0175】1,3−CHD300gをオートクレーブ
内に導入し、40#Cで20分間重合反応を行った。
G.C.分析による23分後の1,3−CHD転化率は
47.9mol%であった。次いで、スチレン(St)
300gをオートクレーブ内に導入し、40℃で5時間
重合反応を行った。1,3−CHDの重合途中にStが
添加されると、Stが優先的に重合し、Stが消費され
ると再び1,3−CHDの重合が開始するために、得ら
れた重合体は、CHD−St−CHDトリブロックコポ
リマーであった。
【0176】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は41,100であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.44であった。この重合体の
曲げ強度(FS)は32.5MPa(1MPa=10.
20kg・f/cm2 )、曲げ弾性率(FM)は2,9
10MPaであった。熱変形温度(HDT:1.82M
Pa)は87℃であった。
【0177】
【比較例2】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
1,3−CHD300gとSt300gを混合し、オー
トクレーブ内に導入し、40#Cで7時間重合反応を行
った。G.C.分析による8時間後の1,3−CHD転
化率は97.4mol%であった。1,3−CHDとS
tが共存すると、Stが優先的に重合し、Stが消費さ
れると再び1,3−CHDの重合が開始するために、得
られた重合体は、St−CHDジブロックコポリマーで
あった。
【0178】重合反応終了後、70℃に昇温した後、別
の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5
L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と等
molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停止
した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は41,
080であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.39で
あった。この重合体の曲げ強度(FS)は18.5MP
a(1MPa=10.20kg・f/cm2)、曲げ弾
性率(FM)は5,330MPaであった。熱変形温度
(HDT:1.82MPa)は72℃であった。
【0179】
【実施例17】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0180】1,3−CHD100gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いでSt400gををオートクレ
ーブ内に導入し、40℃で3時間重合反応を行い、CH
D−Stジブロックコポリマーを得た。更に、1,3−
CHD100gをオートクレーブ内に導入し、40#C
で5時間重合反応を行い、CHD−St−CHDトリブ
ロクポリマーを得た。
【0181】重合反応終了後、70℃に昇温した後、別
の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5
L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と等
molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停止
した。得られた重合体1〜3の数平均分子量(Mn)
は、各々10,800、50,200、61,400で
あり、分子量分布(Mw/Mn)は各々1.08、1.
14、1.45であった。この重合体の引張強度(T
S)は18.3MPa(1MPa=10.20kg・f
/cm2 )であり、引張伸度(TE)は2%、曲げ強度
は(FS)45.7MPa、曲げ弾性率(FM)は3,
202MPaであった。熱変形温度(HDT:1.82
MPa)は76℃であった。
【0182】
【実施例18】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70#Cに保持した。実施例1
6で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液1
500gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセ
ンジクロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハ
イドライド(DIBAL−H)=1/4で調整した水素
化触媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で290
ppmとなるように添加した。オートクレーブ内を水素
で置換した後、160#Cまで昇温した。更に水素圧を
35kg/cm2 Gとして10時間水素化反応を行っ
た。
【0183】水素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作
を行い、水素化CHD−St−CHDトリブロックコポ
リマーを得た。1H−NMR測定により算出された、C
HD部分の水素化率は97%であり、St部分は水素化
されていなかった。得られた重合体の数平均分子量(M
n)は42,300であり、分子量分布(Mw/Mn)
は1.41であった。DSC法により測定されたCHD
ブロック部のガラス転移温度(Tg)は221℃であっ
た。この重合体の曲げ強度(FS)は38.4MPa
(1MPa=10.20kg・f/cm2)、曲げ弾性
率(FM)は4,020MPaであった。熱変形温度
(HDT:1.82MPa)は90℃であった。
【0184】
【実施例19】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き4L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1000gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70#Cに保持した。実施例1
6で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液1
000gをオートクレーブ内に導入し、パラジウム(P
d)5wt%を硫酸バリウム(BaSO4 )に坦持した
固体触媒50gを添加した。
【0185】オートクレーブ内を水素で置換した後、1
60#Cまで昇温した。更に水素圧を55kg/cm2
Gとして6時間水素化反応を行った。い脱溶媒操作を行
い、水素化CHD−St−CHDトリブロックコポリマ
ーを得た。1 H−NMR測定により算出された、CHD
部分、St部分の水素化率は共に100%であった。
【0186】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
41,900であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.
39であった。DSC法により測定されたガラス転移温
度(Tg)は水素化CHDブロックが229℃で水素化
スチレンブロックが147℃であった。この重合体の曲
げ強度(FS)は41.8MPa(1MPa=10.2
0kg・f/cm2 )、曲げ弾性率(FM)は5,01
0MPaであった。熱変形温度(HDT:1.82MP
a)は128℃であった。
【0187】
【実施例20】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として30.0mmol添加
し、更にTMEDA15.0mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0188】1,3−CHD45gをオートクレーブ内
に導入し、40℃で1時間重合反応を行った。次いで、
ブタジエン(Bd)の30wt%シクロヘキサン溶液7
00g(Bd210g)をオートクレーブ内に導入し、
40℃で1時間重合反応を行い、CHD−Bdジブロッ
クコポリマーを得た。更に、1,3−CHD45gをオ
ートクレーブ内に導入し、40#Cで3時間重合反応を
行い、CHD−Bd−CHDトリブロックコポリマーを
得た。
【0189】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は10,300であり、分子量
分布(Mw/Mn)1.07であった。
【0190】
【実施例21】n−BuLiをs−BuLiに変え、T
MEDAを1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オク
タン(DABCO)に変えた以外は、実施例20と同様
にして重合反応を行った。得られた重合体の数平均分子
量(Mn)は9,600であり、分子量分布(Mw/M
n)1.11であった。
【0191】
【実施例22】TMEDAをTMMDAに変えた以外
は、実施例20と同様にして重合反応を行った。得られ
た重合体の数平均分子量(Mn)は9,700であり、
分子量分布(Mw/Mn)1.13であった。
【0192】
【実施例23】TMEDAをTMPDAに変えた以外
は、実施例20と同様にして重合反応を行った。得られ
た重合体の数平均分子量(Mn)は9,200であり、
分子量分布(Mw/Mn)1.16であった。
【0193】
【実施例24】TMEDAをTMHDAに変えた以外
は、実施例20と同様にして重合反応を行った。得られ
た重合体の数平均分子量(Mn)は9,940であり、
分子量分布(Mw/Mn)1.09であった。
【0194】
【実施例25】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1333gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA2.5mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40#Cに昇温した。
【0195】1,3−CHD100gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いで、ブタジエン(Bd)の30
wt%シクロヘキサン溶液667g(Bd200g)を
オートクレーブ内に導入し、40℃で2時間重合反応を
行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを得た。更
に、1,3−CHD100gをオートクレーブ内に導入
し、40#Cで5時間重合反応を行い、CHD−Bdー
CHDトリブロックコポリマーを得た。重合反応終了
後、別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機
付き5L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原
子と等molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反
応停止した。
【0196】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
40,500であり、分子量分布(Mw/Mn)1.1
9であった。Bdブロック単位中の1,2−ビニル結合
量は62mol%であった。この重合体の引張強度(T
S)は14.0MPa(1MPa=10.20kg・f
/cm2 )であり、引張伸度(TE)は128%、曲げ
強度(FS)は14.9MPa、曲げ弾性率(FM)は
2,945MPaであった。アイゾット(Izod)衝
撃強度は、N.B.(破断せず)であった。
【0197】
【実施例26】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1467gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40℃に昇温した。
【0198】1,3−CHD100gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いで、ブタジエン(Bd)の30
wt%シクロヘキサン溶液1333g(Bd400g)
をオートクレーブ内に導入し、40℃で2時間重合反応
を行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを得た。更
に、1,3−CHD100gをオートクレーブ内に導入
し、40℃で5時間重合反応を行い、CHD−BdーC
HDトリブロックコポリマーを得た。
【0199】重合反応終了後、70℃に昇温した後、別
の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5
L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と等
molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停止
した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は、6
2,500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.1
9であった。Bdブロック単位中の1,2−ビニル結合
量は68mol%であった。この重合体の引張強度(T
S)は19.1MPa(1MPa=10.20kg・f
/cm2)であり、引張伸度(TE)は800%であっ
た。
【0200】
【比較例3】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン1467gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として20.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40℃に昇温した。
【0201】1,3−CHD200gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いで、ブタジエン(Bd)の30
wt%シクロヘキサン溶液1333g(Bd400g)
をオートクレーブ内に導入し、40℃で2時間重合反応
を行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを得た。
【0202】更に、ジメチルジクロロシラン10mmo
lをオートクレーブ内に導入し、65℃で1時間重合末
端をカップリングさせ、CHD−Bd・Bd−CHDト
リブロックコポリマーを得た。得られた重合体の数平均
分子量(Mn)は、72,900であり、分子量分布
(Mw/Mn)は1.61であった。この重合体の引張
強度(TS)は17.2MPa(1MPa=10.20
kg・f/cm2 )であり、引張伸度(TE)は500
%であった。
【0203】
【実施例27】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70#Cに保持した。実施例2
5で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液1
500gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセ
ンジクロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハ
イドライド(DIBAL−H)=1/4で調整した水素
化触媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で290
ppmとなるように添加した。オートクレーブ内を水素
で置換した後、160℃まで昇温した。更に水素圧を3
5kg/cm2 Gとして10時間水素化反応を行った。
【0204】水素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作
を行い、水素化CHD−Bd−CHDトリブロックコポ
リマーを得た。1H−NMR測定により算出された、C
HD部分の水素化率は91%であり、Bd部分の水素化
率は97%であった。
【0205】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
41,900であり、分子量分布(Mw/Mn)1.2
1であった。この重合体の引張強度(TS)は19.6
MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2)であ
り、引張伸度(TE)は155%、曲げ強度(FS)は
16.8MPa、曲げ弾性率(FM)は3,054MP
aであった。アイゾット(Izod)衝撃強度は、N.
B.(破断せず)であった。
【0206】
【実施例28】実施例26で得られた重合体を用いた以
外は、実施例27と同様にして水素化反応を行った。水
素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化
CHD−Bd−CHDトリブロックコポリマーを得た。
1 H−NMR測定により算出された、CHD部分の水素
化率は98%であり、Bd部分の水素化率は100%で
あった。
【0207】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
62,800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.
18であった。DSC法により測定されたCHDブロッ
クのガラス転移温度(Tg)は221℃であった。この
重合体の引張強度(TS)は23.9MPa(1MPa
=10.20kg・f/cm2 )であり、引張伸度(T
E)は820%であった。
【0208】
【実施例29】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き4L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1000gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70℃に保持した。実施例25
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液10
00gをオートクレーブ内に導入し、パラジウム(P
d)5wt%をアルミナ(Al2 3)に坦持した固体
触媒10gを添加した。
【0209】オートクレーブ内を水素で置換した後、1
60℃まで昇温した。更に水素圧を55kg/cm2
として6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、
常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化CHD−Bd−C
HDトリブロックコポリマーを得た。1 H−NMR測定
により算出された、CHD部分、Bd部分の水素化率は
共に100%であった。
【0210】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
40,900であり、分子量分布(Mw/Mn)1.1
8であった。DSC法により測定された水素化シクロヘ
キサジエンブロックのガラス転移温度(Tg)は222
℃であった。この重合体の引張強度(TS)は21.0
MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2 )であ
り、引張伸度(TE)は149%、曲げ強度(FS)は
19.0MPa、曲げ弾性率(FM)は3,349MP
aであった。アイゾット(Izod)衝撃強度は、N.
B.(破断せず)であった。
【0211】
【実施例30】実施例26で得られた重合体を用いた以
外は、実施例29と同様にして水素化反応を行った。水
素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化
CHD−Bd−CHDトリブロックコポリマーを得た。
1 H−NMR測定により算出された、CHD部分、Bd
部分の水素化率は共に100%であった。
【0212】得られた重合体の数平均分子量(Mn)は
61,900であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.
18であった。DSC法により測定された水素化シクロ
ヘキサジエンブロックのガラス転移温度(Tg)は22
4℃であった。この重合体の引張強度(TS)は24.
9MPa(1MPa=10.20kg・f/cm2 )で
あり、引張伸度(TE)は820%であった。
【0213】
【実施例31】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1947gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として4.0mmol添加
し、更にTMEDA4.0mmolを添加した後、室温
で10分間撹拌し、次いでオートクレーブを40℃に昇
温した。
【0214】1,3−CHD60gをオートクレーブ内
に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホモ
ポリマーを得た(工程1)。次いで、ブタジエン(B
d)の30wt%シクロヘキサン溶液933g(Bd2
80g)をオートクレーブ内に導入し、40℃で2時間
重合反応を行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを
得た(工程2)。更に、1,3−CHD60gをオート
クレーブ内に導入し、40℃で5時間重合反応を行い、
CHD−BdーCHDトリブロックコポリマーを得た
(工程3)。
【0215】重合反応終了後、70℃に昇温した後、別
の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5
L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と等
molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停止
した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は、9
6,700であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.0
5であった。Bdブロック単位中の1,2−ビニル結合
量は67mol%であった。この重合体の引張強度(T
S)は18.5MPa(1MPa=10.20kg・f
/cm2 )であり、引張伸度(TE)は900%であっ
た。
【0216】
【実施例32】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70℃に保持した。実施例20
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液15
00gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセン
ジクロライド(TC)/n−BuLi=1/1で調整し
た水素化触媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で
100ppmとなるように添加した。
【0217】オートクレーブ内を水素で置換した後、7
5℃まで昇温した。更に水素圧を8kg/cm2 Gとし
て30分水素化反応を行った。水素化反応終了後、常法
に従い脱溶媒操作を行い、水素化CHD−Bd−CHD
トリブロックコポリマーを得た。1 H−NMR測定によ
り算出された、CHD部分の水素化率は0%であり、B
d部分の水素化率は100%であった。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は10,600であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.09であった。
【0218】
【実施例33】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1947gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として5.0mmol添加
し、更にTMEDA2.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを30℃に昇温した。
【0219】1,3−シクロヘキサジエン60gをオー
トクレーブ内に仕込み、30℃で4時間重合反応を行い
CHDホモポリマーを得た。次いで、ブタジエン(B
d)の30wt%シクロヘキサン溶液933g(Bd2
80g)をオートクレーブ内に導入し、45℃で1時間
重合反応を行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを
得た。更に、1,3−CHD60gをオートクレーブ内
に導入し、30℃で4時間重合反応を行い、CHD−B
dーCHDトリブロックコポリマーを得た。
【0220】重合反応終了後、別の(常法に従い十分に
乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブ
に反応液を圧送し、Li原子と等molの脱水n−ヘプ
タノールを添加して重合反応停止した。この重合体溶液
に、チタノセンジクロライド(TC)/n−BuLi=
1/1からなる水素化触媒を、重合体に対し金属原子
(Ti)として250ppmとなるように添加した。
オートクレーブ内を水素で置換し75℃まで昇温し、水
素圧を10kg/cm2 Gとして30分水素化反応を行
った。水素化反応終了後、オートクレーブを常温まで冷
却し、常圧まで落圧した後に窒素で内部を置換した。常
法に従いメタノールを添加してn−BuLiを処理し
た。
【0221】重合体溶液に安定剤としてチバガイギ−社
製[イルガノックスB215(0037HX)]を添加
し、常法に従い脱溶媒操作を行い、ゴム弾性を示す水素
化CHD−Bd−CHDトリブロックコポリマーを得
た。得られた重合体の1 H−NMRにより算出されるC
HD部分の水素化率は0%、Bd部分の1,2−ビニル
部、1,4−シス、トランス部の水素化率は全て100
%であった。重合体の数平均分子量(Mn)は80,2
00であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であ
った。この重合体の引張強度(TS)は17.2MP
a、引張伸度(TE)は840%であった。
【0222】
【発明の効果】本発明の環状共役ジエン系ブロック共重
合体は、高分子鎖中に熱的・機械的特性を発現する環状
ジエン系単量体単位を含有する二個以上のブロック単位
を有しており、特に環状有機化合物として特に安定な6
員環構造であるシクロヘキセン環、シクロヘキサン環を
含有する事が可能である。
【0223】従って、本発明の新規な共重合体は、優れ
た工業材料(構造材料あるいは機能材料等)として、高
性能プラスチック、透明耐衝撃性プラスチック、特殊エ
ラストマー、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、シー
ト、フィルム、チューブ、ホース、光学材料、シーリン
グ剤、弾性接着剤、一般接着剤、粘着剤、封止剤、弾性
塗料、一般塗料、コーティング剤、絶縁剤、滑剤、可塑
剤、分離膜、選択透過膜、微多孔膜、機能膜、防振・防
音材、制振・遮音材、機能性フィルム(導電性フィル
ム、感光性フィルム等)、機能性ビーズ(分子ふるい、
高分子触媒、高分子触媒基体等)、自動車部品、電気部
品、航空・宇宙部品、鉄道部品、海洋部品、電子部品、
電池部品、エレクトロニクス関連部品、マルチメディア
関連部品、プラスチク電池材料、太陽電池部品、機能性
繊維、機能性シート、機械部品、建材・土木部品、医療
機器部品、医薬品包装材、徐放性包合材、薬理物質支持
基体、プリント基盤材料、食品容器、一般包装材、衣料
品、スポーツ・レジャー用品、一般雑貨用品、タイヤ、
ベルト、他樹脂の改質剤等として用いられる。
【0224】更に、本発明の新規な共重合体には、必要
に応じて架橋剤を配合する事により熱硬化性樹脂、紫外
線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、湿式硬化性樹脂等の硬化
性樹脂として用いる事も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例31において得られた重合体のG.P.
Cスペクトルチャート図である。
【図2】実施例31において得られた重合体の1 H−N
MRスペクトルチャート図である。測定時の溶媒には、
クロロホルムの重水素化体を用いた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】同様にポリスチリルリチウムを開始剤と
し、−10以下でブロック化を行うと極めて低収率で
分子量20,000程度のスチレン−シクロヘキサジエ
ンのジブロック共重合体がシクロヘキサジエン単独重合
体と共に得られたと報告されている。しかしながら、こ
こで得られている共重合体はシクロヘキサジエンブロッ
ク単位の含有量が極めて微量であるばかりでなく、鎖状
共役ジエン系単量体とのブロック共重合、あるいはトリ
ブロック以上のブロック共重合体については示唆も教示
もない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正内容】
【0137】
【実施例1】常法に従い十分に乾燥した300ml耐圧
ガラスボトルの内部を乾燥アルゴンで置換した。シクロ
ヘキサン120.0gを耐圧ボトル内に注入し、溶液の
温度を室温に保持した。n−BuLiのn−ヘキサン溶
液(1.6M)を、リチウム原子換算として3.0mm
ol添加し、10分間撹拌した。次いで、TMEDAの
1.0M−シクロヘキサン溶液を、n−BuLi/TM
EDA=4/2(mol比)となるように添加し、錯体
を形成させた後に40に昇温・保持した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正内容】
【0138】この溶液に、1,3−シクロヘキサジエン
(1,3−CHD)4.5gを添加し、乾燥アルゴン雰
囲気下に40で1時間重合反応を行った。次いでイソ
プレン(Ip)21.0gを添加し、乾燥アルゴン雰囲
気下に40で1時間重合反応を行う事によりCHD−
Ipジブロックコポリマーを合成した。次いで、1,3
−CHD4.5gを添加し、乾燥アルゴン雰囲気下に4
で2時間重合反応を行う事によりCHD−Ip−C
HDトリブロックコポリマーを得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0143
【補正方法】変更
【補正内容】
【0143】
【実施例5】常法に従い十分に乾燥した300ml耐圧
ガラスボトルの内部を乾燥アルゴンで置換した。シクロ
ヘキサン120.0gを耐圧ボトル内に注入し、溶液の
温度を室温に保持した。s−BuLiのn−ヘキサン溶
液(1.1M)を、リチウム原子換算として3.0mm
ol添加し、10分間撹拌した。次いで、TMEDAの
1.0M−シクロヘキサン溶液を、s−BuLi/TM
EDA=4/2(mol比)となるように添加し、錯体
を形成させた後に40に昇温・保持した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正内容】
【0144】この溶液にm−ジイソプロペニルベンゼン
(m−DIPB)を1.5mmol添加し、反応液が青
からオレンジ色に変わった後に、イソプレン(Ip)2
1.0gを添加し、1時間重合反応を行った。次いで
1,3−CHD9.0gを添加し、乾燥アルゴン雰囲気
下に40で2時間重合反応を行う事によりCHD−I
p−CHDトリブロックコポリマーを合成した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正内容】
【0145】重合反応終了後、BHT〔2,6−ビス
(t−ブチル)−4−メチルフェノール〕10wt%の
メタノール溶液を加えて反応を停止させ、更に大量のメ
タノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、メタノー
ルで洗浄後、60で真空乾燥し、収率100wt%で
ゴム弾性を示す重合体を得た。得られたCHD−Ip−
CHDトリブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)
は20,190であり、分子量分布(Mw/Mn)は
1.44であった。H−NMRにより測定された、重
合体中の環状共役ジエン系単量体単位の含有率は、仕込
み組成と一致していた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正内容】
【0147】1,3−CHD45gをオートクレーブ内
に導入し、40で1時間重合反応を行った。次いで、
イソプレン(Ip)210gをオートクレーブ内に導入
し、40で1時間30分重合反応を行い、CHD−I
pジブロックコポリマーを得た。更に、1,3−CHD
45gをオートクレーブ内に導入し、40で3時間重
合反応を行い、CHD−Ip−CHDトリブロックコポ
リマーを得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0150
【補正方法】変更
【補正内容】
【0150】Ip15gをオートクレーブ内に導入し、
次いで1,3−CHD30gをオートクレーブ内に導入
し、40℃で1時間30分重合反応を行い、Ip−CH
Dジブロックコポリマーを得た。イソプレン(Ip)2
10gをオートクレーブ内に導入し、40で1時間3
0分重合反応を行い、Ip−CHD−Ipトリブロック
コポリマーを得た。次いで、1,3−CHD30gをオ
ートクレーブ内に導入し、40で2時間重合反応を行
い、Ip−CHD−Ip−CHDテトラブロックコポリ
マーを得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正内容】
【0151】更に、Ip15gをオートクレーブ内に導
入し、40で30分重合反応を行いIp−CHD−I
p−CHD−Ipペンタブロックコポリマーを得た。重
合反応終了後、別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁
誘導撹拌機付き5L高圧オートクレーブに反応液を圧送
し、Li原子と等molの脱水n−ヘプタノールを添加
して重合反応停止した。得られた重合体の数平均分子量
(Mn)は8,350であり、分子量分布(Mw/M
n)は1.22であった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正内容】
【0152】
【実施例8】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として30.0mmol添加
し、更にTMEDA15.0mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0153
【補正方法】変更
【補正内容】
【0153】1,3−CHD15gをオートクレーブ内
に導入し、40℃で1時間重合反応を行った。次いで、
イソプレン(Ip)270gをオートクレーブ内に導入
し、40℃で2時間重合反応を行い、CHD−Ipジブ
ロックコポリマーを得た。更に、1,3−CHD15g
をオートクレーブ内に導入し、40で3時間重合反応
を行い、CHD−Ip−CHDトリブロックコポリマー
を得た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0155
【補正方法】変更
【補正内容】
【0155】
【実施例9】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、70に保持した。実施例8で得
られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液1500
gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセンジク
ロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イド(DIBAL−H)=1/6で調整した水素化触媒
を、重合体に対して、Ti金属原子換算で100ppm
となるように添加した。オートクレーブ内を水素で置換
し100℃まで昇温し、水素圧を8kg/cmGとし
て1時間水素化反応を行った。H−NMR測定により
算出された、イソプレン(Ip)部分の水素化率は10
0%であり、CHD部分は水素化されていなかった。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正内容】
【0157】1,3−CHD300gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で20分間重合反応を行った。G.
C.分析による24分後の1,3−CHD転化率は4
7.8mol%であった。次いで、イソプレン(Ip)
300gをオートクレーブ内に導入し、40で5時間
重合反応を行った。1,3−CHDの重合途中にIpが
添加されると、Ipが優先的に重合し、Ipがほぼ消費
されると再び1,3−CHDの重合が開始するために、
得られた重合体は、CHD−Ip−CHDトリブロック
コポリマーであった。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正内容】
【0159】
【比較例1】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.5mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0160
【補正方法】変更
【補正内容】
【0160】1,3−CHD300gとIp300gを
混合し、オートクレーブ内に導入し、40で6時間重
合反応を行った。G.C.分析による7時間後の1,3
−CHD転化率は98.1mol%であった。1,3−
CHDとIpが共存すると、Ipが優先的に重合し、I
pがほぼ消費されると再び1,3−CHDの重合が開始
するために、得られた重合体は、Ip−CHDジブロッ
クコポリマーであった。重合反応終了後、70℃に昇温
した後、別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹
拌機付き5L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、L
i原子と等molの脱水n−ヘプタノールを添加して重
合反応停止した。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0162
【補正方法】変更
【補正内容】
【0162】
【実施例11】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1800gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】変更
【補正内容】
【0163】1,3−CHD200gをオートクレーブ
内に導入し、40で20分間重合反応を行った。G.
C.分析による21分後の1,3−CHD転化率は4
8.7mol%であった。次いで、イソプレン(Ip)
400gをオートクレーブ内に導入し、40℃で6時間
重合反応を行った。 1,3−CHDの重合途中にIpが
添加されると、Ipが優先的に重合し、Ipがほぼ消費
されると再び1,3−CHDの重合が開始するために、
得られた重合体は、CHD−Ip−CHDトリブロック
コポリマーであった。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正内容】
【0164】重合反応終了後、シクロヘキサン1000
gを添加して反応液を希釈し、70に昇温した後、別
の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き5
L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と等
molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停止
した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)は61,
800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.48で
あった。DSC法により測定されるCHDブロックのガ
ラス転移温度(Tg)は137であった。この重合体
の引張強度(TS)は19.0MPa(1MPa=1
0.20kg・f/cm)であり、引張伸度(TE)
は700%であった。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0166
【補正方法】変更
【補正内容】
【0166】水素化反応終了後、常法に従い脱溶媒操作
を行い、水素化CHD−Ip−CHDトリブロックコポ
リマーを得た。H−NMR測定により算出された、イ
ソプレン(Ip)部分の水素化率は100%であり、C
HD部分の水素化率は96%であった。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)は42,700であり、分子量
分布(Mw/Mn)1.48であった。DSC法により
測定される水素化CHDブロックのガラス転移温度(T
g)は210であった。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正内容】
【0174】
【実施例16】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0175
【補正方法】変更
【補正内容】
【0175】1,3−CHD300gをオートクレーブ
内に導入し、40で20分間重合反応を行った。G.
C.分析による23分後の1,3−CHD転化率は4
7.9mol%であった。次いで、スチレン(St)3
00gをオートクレーブ内に導入し、40℃で5時間重
合反応を行った。 1,3−CHDの重合途中にStが添
加されると、Stが優先的に重合し、Stが消費される
と再び1,3−CHDの重合が開始するために、得られ
た重合体は、CHD−St−CHDトリブロックコポリ
マーであった。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正内容】
【0177】
【比較例2】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L高
圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置換
した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内に
導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−Bu
Liをリチウム原子換算として15.0mmol添加
し、更にTMEDA7.50mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
1,3−CHD300gとSt300gを混合し、オー
トクレーブ内に導入し、40で7時間重合反応を行っ
た。G.C.分析による8時間後の1,3−CHD転化
率は97.4mol%であった。1,3−CHDとSt
が共存すると、Stが優先的に重合し、Stが消費され
ると再び1,3−CHDの重合が開始するために、得ら
れた重合体は、St−CHDジブロックコポリマーであ
った。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0179
【補正方法】変更
【補正内容】
【0179】
【実施例17】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2400gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA5.0mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0180
【補正方法】変更
【補正内容】
【0180】1,3−CHD100gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いでSt400gをオートクレー
ブ内に導入し、40℃で3時間重合反応を行い、CHD
−Stジブロックコポリマーを得た。更に、1,3−C
HD100gをオートクレーブ内に導入し、40で5
時間重合反応を行い、CHD−St−CHDトリブロク
ポリマーを得た。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0182
【補正方法】変更
【補正内容】
【0182】
【実施例18】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70に保持した。実施例16
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液15
00gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセン
ジクロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハイ
ドライド(DIBAL−H)=1/4で調整した水素化
触媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で290p
pmとなるように添加した。オートクレーブ内を水素で
置換した後、160まで昇温した。更に水素圧を35
kg/cmGとして10時間水素化反応を行った。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0184
【補正方法】変更
【補正内容】
【0184】
【実施例19】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き4L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1000gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70に保持した。実施例16
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液10
00gをオートクレーブ内に導入し、パラジウム(P
d)5wt%を硫酸バリウム(BaSO)に坦持した
固体触媒50gを添加した。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0185
【補正方法】変更
【補正内容】
【0185】オートクレーブ内を水素で置換した後、1
60まで昇温した。更に水素圧を55kg/cm
として6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、
常法に従い脱溶媒操作を行い、水素化CHD−St−C
HDトリブロックコポリマーを得た。H−NMR測定
により算出された、CHD部分、St部分の水素化率は
共に100%であった。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0187
【補正方法】変更
【補正内容】
【0187】
【実施例20】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン2700gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として30.0mmol添加
し、更にTMEDA15.0mmolを添加し錯体を形
成させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0188
【補正方法】変更
【補正内容】
【0188】1,3−CHD45gをオートクレーブ内
に導入し、40℃で1時間重合反応を行った。次いで、
ブタジエン(Bd)の30wt%シクロヘキサン溶液7
00g(Bd210g)をオートクレーブ内に導入し、
40℃で1時間重合反応を行い、CHD−Bdジブロッ
クコポリマーを得た。更に、1,3−CHD45gをオ
ートクレーブ内に導入し、40で3時間重合反応を行
い、CHD−Bd−CHDトリブロックコポリマーを得
た。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】変更
【補正内容】
【0194】
【実施例25】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1333gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、室温に保持した。次いでn−B
uLiをリチウム原子換算として10.0mmol添加
し、更にTMEDA2.5mmolを添加し錯体を形成
させ、次いでオートクレーブを40に昇温した。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0195
【補正方法】変更
【補正内容】
【0195】1,3−CHD100gをオートクレーブ
内に導入し、40℃で2時間重合反応を行い、CHDホ
モポリマーを得た。次いで、ブタジエン(Bd)の30
wt%シクロヘキサン溶液667g(Bd200g)を
オートクレーブ内に導入し、40℃で2時間重合反応を
行い、CHD−Bdジブロックコポリマーを得た。更
に、1,3−CHD100gをオートクレーブ内に導入
し、40で5時間重合反応を行い、CHD−Bd−C
HDトリブロックコポリマーを得た。重合反応終了後、
別の(常法に従い十分に乾燥した)電磁誘導撹拌機付き
5L高圧オートクレーブに反応液を圧送し、Li原子と
等molの脱水n−ヘプタノールを添加して重合反応停
止した。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0203
【補正方法】変更
【補正内容】
【0203】
【実施例27】十分に乾燥した電磁誘導撹拌機付き5L
高圧オートクレーブの内部を、常法に従い乾燥窒素で置
換した。シクロヘキサン1500gをオートクレーブ内
に導入し、乾燥窒素下、70に保持した。実施例25
で得られた重合体の10wt%シクロヘキサン溶液15
00gをオートクレーブ内に導入し、次いでチタノセン
ジクロライド(TC)/ジイソブチルアルミニウムハイ
ドライド(DIBAL−H)=1/4で調整した水素化
触媒を、重合体に対して、Ti金属原子換算で290p
pmとなるように添加した。オートクレーブ内を水素で
置換した後、160℃まで昇温した。更に水素圧を35
kg/cmGとして10時間水素化反応を行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−311152 (32)優先日 平6(1994)11月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−311104 (32)優先日 平6(1994)11月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−311105 (32)優先日 平6(1994)11月21日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)により表される高分子主鎖を
    有する環状共役ジエン系ブロック共重合体であって、 【化1】 少なくとも一個の単量体単位Aを含有する少なくとも二
    個の(ポリマー)ブロック単位Xと、他の単量体単位か
    ら構成される少なくとも一個のブロック単位Yとを有
    し、且つ数平均分子量が500〜5,000,000で
    あって、X/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲に
    ある事を特徴とする、環状共役ジエン系ブロック共重合
    体。
  2. 【請求項2】 少なくとも一個の単量体単位Aを含有す
    る少なくとも二個のブロック単位Xと、単量体単位B、
    単量体単位C及び単量体単位Eから選択される少なくと
    も一種の単量体単位から構成される少なくとも一個のブ
    ロック単位Yとを有し、且つ数平均分子量が500〜
    5,000,000であって、X/Yの重量比が1/9
    9〜99/1の範囲にある事を特徴とする請求項1記載
    の環状共役ジエン系ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 少なくとも一個の単量体単位Aを含有す
    る二個のブロック単位Xと、単量体単位B、単量体単位
    C及び単量体単位Eから選択される少なくとも一種の単
    量体単位から構成される一個のブロック単位Yとを有
    し、且つ数平均分子量が500〜5,000,000で
    あって、X/Yの重量比が1/99〜99/1の範囲に
    ある事を特徴とする請求項1に記載の環状共役ジエン系
    トリブロック共重合体。
  4. 【請求項4】 単量体単位Aから構成される少なくとも
    二個のブロック単位Xと、他の単量体単位から構成され
    る少なくとも一個のブロック単位Yとを有し、且つ数平
    均分子量が500〜5,000,000であって、X/
    Yの重量比が1/99〜99/1の範囲にある事を特徴
    とする請求項1記載の環状共役ジエン系ブロック共重合
    体。
  5. 【請求項5】 単量体単位Aから構成される少なくとも
    二個のブロック単位Xと、単量体単位B、単量体単位C
    及び単量体単位Eから選択される少なくとも一種の単量
    体単位から構成される少なくとも一個のブロック単位Y
    とを有し、且つ数平均分子量が500〜5,000,0
    00であって、X/Yの重量比が1/99〜99/1の
    範囲にある事を特徴とする請求項1記載の環状共役ジエ
    ン系ブロック共重合体。
  6. 【請求項6】 単量体単位Aから構成される二個のブロ
    ック単位Xと、単量体単位B、単量体単位C及び単量体
    単位Eから選択される少なくとも一種の単量体単位から
    構成される一個のブロック単位Yとを有し、且つ数平均
    分子量が500〜5,000,000であって、X/Y
    の重量比が1/99〜99/1の範囲にある事を特徴と
    する請求項1に記載の環状共役ジエン系トリブロック共
    重合体。
  7. 【請求項7】 単量体単位Aが、次式(II)により表
    される単位類から選択される少なくとも一種の環状共役
    ジエン系単量体単位である請求項1〜6のいずれかに記
    載の環状共役ジエン系ブロック共重合体。 【化2】
  8. 【請求項8】 単量体単位Aが、次式(III)により
    表される単位類から選択される少なくとも一種の環状共
    役ジエン系単量体単位である請求項1〜6のいずれかに
    記載の環状共役ジエン系ブロック共重合体。 【化3】
  9. 【請求項9】 単量体を逐次に重合する事により得られ
    る、請求項1〜8のいずれかに記載の環状共役ジエン系
    ブロック共重合体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の環状
    共役ジエン系ブロック共重合体を水素化する事によって
    得られる、水素化環状共役ジエン系ブロック共重合体。
JP32350595A 1994-11-21 1995-11-20 環状共役ジエン系ブロック共重合体 Withdrawn JPH08225616A (ja)

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JP6-309410 1995-07-31
JP6-311104 1995-07-31
JP6-309412 1995-07-31
JP6-311152 1995-07-31
JP6-309411 1995-07-31
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000051316A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Nissho Corp 医療用成形体
JP2007534796A (ja) * 2004-02-23 2007-11-29 ランクセス・インコーポレーテッド 低分子量ニトリルゴムの調製方法

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