JPH10152512A - アニオン重合開始剤 - Google Patents

アニオン重合開始剤

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JPH10152512A
JPH10152512A JP32804496A JP32804496A JPH10152512A JP H10152512 A JPH10152512 A JP H10152512A JP 32804496 A JP32804496 A JP 32804496A JP 32804496 A JP32804496 A JP 32804496A JP H10152512 A JPH10152512 A JP H10152512A
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Japan
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monomer units
formula
polymerization initiator
group
polymer
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JP32804496A
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English (en)
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Michikazu Yamauchi
理計 山内
Itaru Natori
至 名取
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/42Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
    • C08F4/44Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
    • C08F4/46Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides selected from alkali metals

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規で、かつ高活性なアニオン重合開始剤を
提供する。 【解決手段】 次式(I)により表される高分子主鎖を
有する重合体を製造するための、標準ポリスチレン換算
の数平均分子量が100〜5,000である、重合開始
剤であって、反応活性点が次式(II)により表される
有機金属錯体であることを特徴とするアニオン重合開始
剤。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアニオン重
合開始剤に関する。
【0002】
【従来の技術】共役ジエン系重合体、スチレン系重合体
等をイオン重合によって製造するための重合開始剤につ
いては、従来より数多くの提案がなされており、その幾
つかは重要な工業技術として広範囲に採用されている。
これらの重合開始剤によって製造される代表的な共役ジ
エン系重合体として、ポリブタジエン、ポリイソプレン
等の単独重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、プロピレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、α−メチル
スチレン−ブタジエン共重合体、α−メチルスチレン−
イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、ブタ
ジエン−メタクリル酸メチル共重合体、イソプレン−メ
タクリル酸メチル共重合体等のブロック、グラフト、テ
ーパーあるいはランダム共重合体、更にはこれらの水素
化重合体などが公知の材料として知られており、プラス
チック、エラストマー、繊維、シート、フィルム、機械
部品、食品容器、包装材、タイヤ、ベルト、絶縁剤、接
着剤、粘着剤、他樹脂の改質剤等、必要に応じて種々の
目的・用途分野に用いられている。
【0003】例えば、熱可塑性エラストマー分野では、
高分子鎖を構成する単位として、両末端に室温より高い
Tg(ガラス転移温度)のポリマーブロック単位(拘束
相すなわちハードセグメント)を有し、その間が室温よ
り低いTgのポリマーブロック単位(ゴム相すなわちソ
フトセグメント)からなる高分子鎖構造を有するブロッ
ク共重合体が製造されている。この分野の代表的な工業
材料としてスチレン−ブタジエン(イソプレン)−スチ
レンブロック共重合体及びその水素化重合体を例示する
事ができる。
【0004】また、このスチレン−ブタジエン(イソプ
レン)−スチレンブロック共重合体及びその水素化重合
体にポリスチレン、ポリオレフィン、ポリフェニレンエ
ーテル、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体また
はその水素化重合体等をポリマーブレンドさせたブロッ
ク共重合体組成物は、スチレン−ブタジエン(イソプレ
ン)−スチレンブロック共重合体及びその水素化重合体
の耐熱性、流動性、粘着特性等の諸特性を改良するため
に広く実施されている。一方、共役ジエン系重合体を製
造するための重合開始剤(触媒)についても、従来より
数多くの提案がなされており、工業的に極めて重要な役
割を担っている。
【0005】特に、熱的・機械的特性が改良された共役
ジエン系重合体を得る目的で高いシス1,4−結合含有
率を与える数多くの重合触媒が、研究・開発されてい
る。例えば、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属化
合物を主成分とする触媒系、あるいは、ニッケル、コバ
ルト、チタン等の遷移金属化合物を主成分とする複合触
媒系が公知であり、その中の幾つかはすでに、ブタジエ
ン、イソプレン等の重合触媒として工業的に採用されて
いる[End.Ing.Chem.,48,784(1
956)、特公昭37−8198号公報、参照]。
【0006】一方、更に高いシス1,4−結合含有率及
び優れた重合活性を達成すべく、希土類金属化合物とI
〜III族金属の有機金属化合物からなる複合触媒系が
研究・開発され、高立体特異性重合の研究が盛んに行わ
れるようになった[J.Polym.Sci.,Pol
ym.Chem.Ed.,18,3345(198
0)、Sci,Sinica.,2/3,734(19
80)、Makromol.Chem.Suppl,
,61(1981)、独国特許第2,848,964
号、Rubber Chem.Technol.,
,117(1985)、参照]。
【0007】これらの開始剤系の中で、ネオジウム化合
物と有機アルミニウム化合物を主成分とする複合開始剤
が、高いシス1,4−結合含有率と優れた重合活性を有
する事が確認され、ブタジエン等の重合開始剤としてす
でに工業化されている[Makromol.Che
m.,94,119(1981)、Macromole
cules,15,230(1982)、参照]。しか
しながら、近年の科学技術の進歩に伴い、より分子量が
コントロールされ、かつ、狭い分子量分布を有し、か
つ、共重合成分が広範囲である重合体開始剤の開発が強
く求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規で、か
つ高活性なアニオン重合開始剤を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発見者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、高活性なアニオン
重合開始剤を見出し、本発明を完成した。すなわち本発
明は、以下に示すアニオン重合開始剤に関するものであ
る。 [1] 次式(I)により表される高分子主鎖を有する重
合体を製造するための重合開始剤であって、反応活性点
が次式(II)により表される有機金属錯体であること
を特徴とするアニオン重合開始剤。
【0010】
【化4】
【0011】[式(I)は、重合体の組成式を表す。A
〜Eは高分子主鎖を構成する次の単量体単位を表し、A
〜Eはどの順序に配列されていてもよい。a〜eは、単
量体単位A〜Eの全重量に対する単量体単位A〜Eのそ
れぞれの重量%を表す。 (A):環状共役ジエン系単量体単位から選択される一
種または二種以上の単量体単位。 (B):鎖状共役ジエン系単量体単位から選択される一
種または二種以上の単量体単位。 (C):ビニル芳香族系単量体単位から選択される一種
または二種以上の単量体単位。 (D):極性単量体単位から選択される一種または二種
以上の単量体単位。 (E):エチレン、及びα−オレフィン系単量体単位か
ら選択される一種または二種以上の単量体単位。a〜e
は次の関係を満足する。 a+b+c+d+e=100、 0≦a≦100、 0≦b≦100、 0≦c≦100、 0≦d≦100、及び 0≦e≦100]
【0012】
【化5】
【0013】[nは1〜4の整数を表す。R1 は式
(I)によって表される高分子主鎖を有する化合物、及
びC1 〜C20のアルキル基、C2 〜C20の不飽和脂肪族
炭化水素基、C5 〜C20のアリール基、C3 〜C20のシ
クロアルキル基、C4 〜C20のシクロジエニル基を表
す。R2 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、C1
20のアルキル基、C2 〜C20の不飽和脂肪族炭化水素
基、C5 〜C20のアリール基、C3 〜C20のシクロアル
キル基、C4 〜C20のシクロジエニル基を表す。M+
周期律表第IA族の金属から選択される少なくとも1種
の金属のカチオンである。Xは、酸素(O)、窒素
(N)、りん(P)から選択される元素を含有する1種
または2種以上の有機化合物である。mは2以上の整数
を表す。] [2] 上記(II)式において、カルボアニオンが次式
(III)により表される、環状共役ジエン系単量体単
位であることを特徴とする前項 [1] に記載のアニオン
重合開始剤。
【0014】
【化6】 [R1 は式(II)において定義されたものと同じ意味
を有す。]
【0015】[3] 上記(II)式において、メタルカ
チオンが周期律表第IA族の金属から選択される少なく
とも一種の金属のカチオンであることを特徴とする前項
[1] に記載のアニオン重合開始剤。 [4] 上記(II)式において、メタルカチオンが周期
律表第IA族の金属であるリチウム、ナトリウム、カリ
ウムから選択される少なくとも一種の金属のカチオンで
あることを特徴とする前項 [1] に記載のアニオン重合
開始剤。 [5] 上記(II)式において、メタルカチオンがリチ
ウムカチオンであることを特徴とする前項 [1] に記載
のアニオン重合開始剤。
【0016】[6] 上記(II)式において、錯化剤X
が酸素(O)、窒素(N)、りん(P)から選択される
元素を含有する1種または2種以上の有機化合物である
ことを特徴とする前項 [1] に記載のアニオン重合開始
剤。 [7] 上記(II)式において、錯化剤Xがアミン化合
物であることを特徴とする前項 [1] に記載のアニオン
重合開始剤。本発明における重合開始剤とは、式(I)
により表される高分子主鎖を有する重合体を製造するた
めの開始剤であり、反応活性点が式(II)により表さ
れることを特徴とする有機金属錯体である。より具体的
には、IA族金属を含有する有機金属化合物と錯化剤か
らなる錯体化合物である。
【0017】本発明の重合開始剤に含有される事が可能
なIA族金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウム、セシウム、フランシウムであり、好ましい
IA族金属としてリチウム、ナトリウム、カリウムを例
示する事ができ、特に好ましいIA族金属としてリチウ
ム、ナトリウムを例示する事ができ、最も好ましいIA
族金属としてリチウムを例示する事ができる。本発明の
IA族金属を含有する有機金属化合物とは、上記IA族
金属であるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム、フランシウムを含有する有機金属化合物
である。
【0018】好ましいIA族金属を含有する有機金属化
合物として、リチウム、ナトリウム、カリウムを含有す
る有機金属化合物を例示する事ができる。特に好ましい
IA族金属を含有する有機金属化合物として、リチウ
ム、ナトリウムを含有する有機金属化合物を例示する事
ができ、最も好ましいIA族金属を含有する有機金属化
合物として、リチウムを含有する有機金属化合物を例示
する事ができる。本発明における好ましい錯体化合物と
しては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、
有機カリウム化合物に錯化剤を反応させる事により形成
される錯体化合物を例示する事ができる。
【0019】特に好ましい錯体化合物としては、有機リ
チウム化合物、有機ナトリウム化合物に錯化剤を反応さ
せる事により形成される錯体化合物を例示する事がで
き、最も好ましい錯体化合物として、有機リチウム化合
物に錯化剤を反応させる事により形成される錯体化合物
を例示する事ができる。本発明の重合開始剤に、最も好
適に用いられる有機リチウム化合物とは、式(II)に
より表される、一個または二個以上のリチウム原子(リ
チウムイオンを含む)を含有する有機化合物または有機
高分子化合物である。本発明の重合開始剤に採用される
IA族金属を含有する有機金属化合物は、一種でも、必
要に応じて二種類以上の混合物であっても構わない。
【0020】本発明の重合開始剤は、上記IA族金属を
含有する有機金属化合物と錯化剤が反応する事によって
形成される錯体化合物である。本発明の重合開始剤に採
用される錯化剤については、特にその種類は制限される
ものではないが、上記のIA族金属を含有する有機金属
化合物中に含有される金属原子(もしくは金属イオン)
に対して配位可能な非共有電子対が存在する元素を含有
する化合物、例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄
(S)、りん(P)を含有する一種または二種以上の有
機化合物を例示する事ができる。
【0021】これらの錯化剤の中で好ましい錯化剤とし
て、エーテル化合物、金属アルコシシド、アミン化合
物、チオエーテル化合物を例示する事ができる。特に好
ましい錯化剤として、環状エーテル化合物(テトラヒド
ロフラン、クラウンエーテル等)、金属アルコキシド化
合物、アミン化合物であり、最も好ましい錯化剤はアミ
ン化合物である。より具体的には、IA族金属を含有す
る有機金属化合物に配位し錯体を形成する事が可能な非
共有電子対が存在する極性基であるR1 2 N−基(R
1 、R2はアルキル基、アリール基、水素原子を表す。
これらは同一であっても異なっていてもよい。)を一個
または二個以上含有する有機アミン化合物もしくは有機
高分子アミン化合物を例示する事ができる。これらのア
ミン化合物の中で特に好ましいアミン化合物は、第三
(三級)アミン化合物であり、最も好ましい第三(三
級)アミン化合物は、第三(三級)ジアミン化合物であ
る。
【0022】本発明における錯化剤の具体例としては、
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、18−クラウン−
6、ジベンゾ−18−クラウン−6、15−クラウン−
5、ジベンゾ−24−クラウン−8、クリプタンド、リ
チウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、
ジ−t−ブトキシバリウム、ポルフィリン、1,2−ジ
ピペラジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、キヌクリジン、ピリジ
ン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、
ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、テトラメチルジ
アミノメタン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラ
メチル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチル−
1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,4−ブタ
ンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミ
ン、テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、テト
ラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、テトラメチル
ベンジジン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラエ
チル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチルジエチ
レントリアミン、テトラエチルジエチレントリアミン、
ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタエチルジエ
チレントリアミン、スパルテイン、テトラメチル−1,
2−シクロヘキサンジアミン、ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,
0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン、1,4,8,11−テトラメチ
ル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ
ン、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン、テトラエ
チル−2−ブテン−1,4−ジアミン、(−)−2,3
−ジメトキシ−1,4−ビス(ジメチルアミノ)ブタン
(DBB)、(+)−1−(2−ピロリジニルメチル)
ピロリジン、2,2’−ビピリジル、4,4’−ビピリ
ジル、1,10−フェナントロリン、ヘキサメチルホス
ホルアミド(HMPA)、ヘキサメチルホスホラストリ
アミド(HMPT)等を例示する事ができる。
【0023】本発明における好ましい錯化剤である第三
(三級)アミン化合物としては、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、キヌクリジ
ン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチル
ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、テト
ラメチルジアミノメタン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、テトラ
メチル−1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,
4−ブタンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、テトラメチル−1,4−フェニレンジアミ
ン、テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、テト
ラメチルベンジジン、テトラエチルエチレンジアミン、
テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、テトラメチ
ルジエチレントリアミン、テトラエチルジエチレントリ
アミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタエ
チルジエチレントリアミン、スパルテイン、テトラメチ
ル−1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−ジアザ
ビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシ
クロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,4,8,1
1−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシク
ロテトラデカン、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレ
ン、テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、
(−)−2,3−ジメトキシ−1,4−ビス(ジメチル
アミノ)ブタン(DBB)、(+)−1−(2−ピロリ
ジニルメチル)ピロリジン、2,2’−ビピリジル、
4,4’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、
ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、ヘキサメチ
ルホスホラストリアミド(HMPT)などを例示する事
ができる。
【0024】本発明において、特に好ましい錯化剤は脂
肪族アミン化合物であり、最も好ましいアミン化合物は
脂肪族ジアミン化合物である。最も好ましい脂肪族ジア
ミン化合物としては、テトラメチルメチレンジアミン
(TMMDA)、テトラエチルメチレンジアミン(TE
MDA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMED
A)、テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、
テトラメチルプロピレンジアミン(TMPDA)、テト
ラエチルプロピレンジアミン(TEPDA)、テトラメ
チルブチレンジアミン(TMBDA)、テトラエチルブ
チレンジアミン(TEBDA)、テトラメチルペンタン
ジアミン、テトラエチルペンタンジアミン、テトラメチ
ルヘキサンジアミン(TMHDA)、テトラエチルヘキ
サンジアミン(TEHDA)、スパルテイン、テトラメ
チル−1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−ジア
ザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)を例
示する事ができる。
【0025】工業的に採用できる最も好ましい脂肪族ジ
アミン化合物は、有機リチウム化合物と反応し安定な錯
体化合物を形成する下記(IV)式により表される脂肪
族ジアミンであり、窒素−窒素原子間に存在する炭素原
子数が1〜6であるものが好ましく、炭素原子数1〜3
のものが特に好ましく、炭素原子数2である脂肪族ジア
ミンが最も好ましい。
【0026】
【化7】 [R1 〜R4 は各々独立にC1 〜C20のアルキル基を表
す。これらは同じであっても異なっていても良い。kは
1〜20の整数である。]
【0027】本発明における特に好ましい錯化剤とし
て、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、
1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DA
BCO)を例示する事ができ、最も好ましい錯化剤とし
て、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を例
示する事ができる。上記の錯化剤、好ましくはアミン化
合物は、一種または必要に応じて二種以上の混合物であ
る事も可能である。本発明の重合開始剤である錯体化合
物の合成は、特に制限されるものではなく、必要に応じ
て従来公知の技術を応用する事ができる。
【0028】例えば、乾燥不活性ガス雰囲気下に有機金
属化合物を有機溶媒に溶解しこれに錯化剤の溶液を添加
して錯体化合物を合成する方法、あるいは乾燥不活性ガ
ス雰囲気下に錯化剤を有機溶媒に溶解しこれに有機金属
化合物の溶液を添加して錯体化合物を合成する方法、な
どを例示する事ができ、必要に応じて適時選択する事が
可能である。上記の有機溶媒は、有機金属の種類・量及
び錯化剤の種類・量により適時選択し、十分に脱気・乾
燥を行った後に用いる事が好ましい。
【0029】また、有機金属化合物と錯化剤を反応させ
る温度条件も、一般的には、−100〜100℃の範囲
で適時選択する事が可能である。工業的には、−20〜
80℃の範囲で実施する事が好ましく、−10〜60℃
の範囲で実施する事が最も好ましい。乾燥不活性ガスと
してはヘリウム、窒素、アルゴンが好ましく、工業的に
は窒素もしくはアルゴンを用いることが好ましい。本発
明の重合開始剤の合成に用いられる有機溶媒としては、
常法により十分に脱気・乾燥し、かつIA族の金属を含
有する有機金属化合物及び錯化剤に対して不活性である
ものが好ましい。
【0030】好適に使用できる有機溶媒としては、ブタ
ン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、iso−オクタン、n−ノナン、n−デカン
のような脂肪族炭化水素系溶媒、シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン、デカリン、ノルボルナンのような脂環族炭化
水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメンのような芳香族炭化水素系溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン
のようなエーテル系溶媒等を例示する事ができ、目的に
合わせて適時選択する事ができる。
【0031】これらの有機溶媒は1種でもあるいは必要
に応じて2種以上の混合物であってもよい。好ましい有
機溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水
素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒を例示する事ができ
る。最も好ましい有機溶媒は、脂肪族炭化水素系溶媒、
脂環族炭化水素系溶媒もしくはこれらの混合溶媒であ
る。本発明の重合開始剤である錯体化合物の合成に採用
される最も好ましい有機溶媒は、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン及びメチルシクロヘキサンから選択される少な
くとも一種の有機溶媒、あるいはこれらの二種以上の混
合溶媒である。
【0032】ここで、IA族金属を含有する有機金属化
合物中をAmol、錯化剤をBmolとした場合、これ
らの組成比は対象となる有機金属化合物、錯化剤、更に
は重合反応を実施する単量体の種類によって適時選択さ
れるため、特に限定することはできないが一般には、 A/B=1000/1〜1/1000 の範囲であり、 A/B=100/1〜1/100 の範囲にある事が有利であり、 A/B=60/1〜1/60 の範囲ある事が好ましく、 A/B=50/1〜1/50 の範囲ある事が更に好ましく、 A/B=30/1〜1/30 の範囲にある事が特に好ましく A/B=20/1〜1/20 の範囲にある事が式(I)により表される高分子主鎖を
有する重合体を高収率で合成し、あるいは設計通りの分
子量・分子量分布・分子構造を有する重合体を合成する
重合開始剤を得るためには最も好ましい。
【0033】IA族金属を含有する有機金属化合物中と
錯化剤の配合比が上記の範囲外にあると、経済的に不利
になるばかりでなく、得られた錯体化合物が不安定にな
るなどの好ましからざる結果を招く事になる。上記の方
法によって合成された本発明の重合開始剤である錯体化
合物は、室温以上の温度条件下においても、リビングア
ニオン重合も行う事が可能である。また、室温以上の温
度条件下においても分子量分布の狭い重合体を合成する
事が可能である。
【0034】更に、本発明の重合開始剤は、錯化剤が多
量に存在する状態においてさえもメタル化、酸性プロト
ンの引き抜き等の好ましからざる副反応が起こりにく
い。本発明の重合開始剤は、一種または二種以上を組み
合わせて用いる事も特に制限されない。必要に応じてシ
リカ、ゼオライト等の無機化合物に吸着・坦持して用い
てもよく、目的・用途に応じて適時選択する事ができ
る。本発明の重合開始剤である錯体化合物は、単量体が
重合を開始する以前に形成されていることが、本発明の
重合開始剤を用いた重合反応において最も好ましい結果
を与える。本発明における環状共役ジエン系単量体単位
(単量体単位A)とは、少なくとも1種の環状共役ジエ
ン系単量体が付加重合することにより得られる単位を有
する化合物である。
【0035】本発明における環状共役ジエン系単量体と
は、炭素−炭素結合により構成される5員環以上の環状
共役ジエン単量体である。好ましい環状共役ジエン系単
量体は、炭素−炭素結合により構成される5〜8員環の
環状共役ジエン単量体である。特に好ましい環状共役ジ
エン系単量体は、炭素−炭素結合により構成される6員
環の環状共役ジエン単量体である。具体的には、1,3
−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、
1,3−シクロオクタジエン及びこれらの誘導体を例示
する事ができる。好ましい環状共役ジエン系単量体とし
て、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキ
サジエン誘導体を例示する事ができる。最も好ましい環
状共役ジエン系単量体は、1,3−シクロヘキサジエン
である。
【0036】本発明における鎖状共役ジエン系単量体単
位(単量体単位B)とは、少なくとも1種の鎖状共役ジ
エン系単量体が付加重合することにより得られる単位を
有する化合物である。より具体的には、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、
2,4−ヘキサジエン(あるいはこれらの誘導体)等を
例示することができる。本発明におけるビニル芳香族系
単量体単位(単量体単位C)とは、少なくとも1種のビ
ニル芳香族系単量体が付加重合することにより得られる
単位を有する化合物である。より具体的には、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3
−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタ
レン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレ
ン、m−ジイソプレニルベンゼン、ビニルピリジン(あ
るいはこれらの誘導体)等を例示することができる。
【0037】本発明における極性単量体単位(単量体単
位D)とは、少なくとも1種の極性単量体が付加重合す
ることにより得られる単位を有する化合物である。より
具体的には、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、
アクリロニトリル、メチルビニルケトン、α−シアノア
クリル酸メチル(あるいはこれらの誘導体)等の極性ビ
ニル系単量体もしくはエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、シクロヘキセンオキシド、環状ラクトン、環状
ラクタム、環状シロキサン(あるいはこれらの誘導体)
等を例示することができる。
【0038】本発明におけるエチレン、α−オレフィン
系単量体単位(単量体単位E)とは、少なくとも1種の
エチレン、α−オレフィン系単量体が付加重合すること
により得られる単位を有する化合物である。より具体的
には、エチレン、プロピレン、ブテン(あるいはこれら
の誘導体)等を例示する事ができる。これらの単量体は
必要に応じて1種でも、あるいは2種以上であっても構
わない。本発明の環状共役ジエン系ブロック共重合体に
おいて、共重合可能な他の単量体により構成される単量
体単位は、重合反応終了後に水素化、アルキル化、ハロ
ゲン化等の付加反応によって誘導された単量体単位であ
る事も特に制限されるものではない。
【0039】本発明におけるカルボアニオンとは、式
(II)により表される、環状共役ジエン系単量単位を
有するアニオンである。本発明における重合開始剤の標
準ポリスチレン換算の数平均分子量としては、100〜
5, 000であり、好ましくは、100〜2, 000で
あり、特に好ましくは、100〜1, 000である。本
発明における重合開始剤により製造される重合体とは、
前記式(I)によって表される高分子主鎖を有する重合
体である。
【0040】より具体的には、数平均分子量が500〜
5, 000, 000であって、式(I)に表される単量
体単位であれば、単量体単位A〜Eより選択される少な
くとも1種の単量体単位からなる高分子主鎖を有するホ
モポリマーでも、あるいは、単量体単位A〜Eより選択
される少なくとも2種以上の単量体単位からなる高分子
主鎖を有するコポリマーであってもよい。また、コポリ
マーの場合、単量体単位A〜Eの並びの順序も特に制限
されない。本発明における重合開始剤を用いて製造され
た重合体には、引き続いて、従来公知の方法により水素
化、官能基化された重合体も含まれる。
【0041】本発明の重合開始剤を用いた最も好ましい
製造方法は、上記の重合開始剤(錯体触媒)を採用し、
気相重合、塊状重合(バルク重合)もしくは溶液重合な
どを適時選択し実施する事ができる。重合反応プロセス
としては、例えば、バッチ式、セミバッチ式、連続式な
どを適時選択し利用する事が可能である。重合反応器も
目的・要求に合わせて適時選択すればよく、例えば、オ
ートクレーブ、コイルリアクター、チューブリアクタ
ー、ニーダー、押出機等を例示する事ができる。
【0042】本発明の重合開始剤を溶液重合に使用する
場合、好適に使用できる重合溶媒としては、ブタン、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、iso−オクタン、n−ノナン、n−デカンのよう
な脂肪族炭化水素系溶媒、シクロペンタン、メチルシク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、デカリン、ノルボルナンのような脂環族炭化水素系
溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クメンのような芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランのよ
うなエーテル系溶媒等を例示する事ができ、目的に合わ
せて適時選択する事ができる。
【0043】これらの重合溶媒は1種でもあるいは必要
に応じて2種以上の混合物であってもよい。好ましい重
合溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水
素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒を例示する事ができ
る。最も好ましい重合溶媒は、脂肪族炭化水素系溶媒、
脂環族炭化水素系溶媒もしくはこれらの混合溶媒であ
る。本発明の重合開始剤を使用した重合反応における最
も好ましい重合溶媒は、n−ヘキサン、シクロヘキサン
及びメチルシクロヘキサンから選択される少なくとも一
種の重合溶媒、あるいはこれらの二種以上の混合溶媒で
ある。
【0044】本発明の重合開始剤を用いた重合反応にお
いて、重合開始剤の使用量は、目的により種々異なった
ものとなるため特に限定する事はできないが、一般的に
は、単量体1molに対して金属原子として1×10-6
mol〜5×10-1molの範囲であり、好ましくは5
×10-6mol〜1×10-1molの範囲で実施する事
ができる。本発明の重合反応に用いられる重合触媒は、
一種でも、あるいは必要に応じて二種以上の混合物であ
ってもよい。
【0045】本発明の重合反応における重合温度は、必
要に応じて種々異なったものに設定されるが、一般に
は、−100〜150℃、好ましくは−80〜120
℃、特に好ましくは−30〜110℃、最も好ましくは
0〜100℃の範囲で実施する事ができる。更に、工業
的な観点からは、室温〜90℃の範囲で重合反応を実施
する事が好ましく、40〜80℃の範囲が最も好まし
い。重合反応に要する時間は、目的あるいは重合条件に
よって種々異なったものになるため特に限定する事はで
きないが、通常は48時間以内であり、特に好適には
0.5〜24時間の範囲であり、1〜10時間の範囲で
実施する事が工業的には最も好ましい。
【0046】重合反応における反応系の雰囲気は、ヘリ
ウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気である事が
好ましく、十分に乾燥し、かつ、酸素、炭酸ガス等の不
純物の少ない、高純度な不活性ガス雰囲気である事が特
に望ましい。工業的な観点からは、十分に乾燥した高純
度な窒素もしくはアルゴンである事が好ましく、窒素を
使用する事が最も好ましい。重合反応系の圧力は、上記
の重合温度範囲において、各々の単量体及び重合溶媒を
液相に維持するのに必要な圧力の範囲で行えばよく、必
要に応じて適時設定する事ができる。
【0047】本発明の重合開始剤を用いた重合反応は、
重合反応系内には重合開始剤及び生長(活性)末端を不
活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガ
ス等が混入しない状態を保つことが、所定のブロック共
重合体を得るためには好ましい。本発明の重合開始剤を
用いた重合反応においては、単量体が所定(目的とす
る)の重合率を達成した後に、必要に応じて重合停止
剤、末端変性剤、重合安定剤、あるいは熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤を添加する事も特に制
限されるものではない。熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤等の安定剤としては、従来公知のものをそのまま
採用する事ができる。
【0048】例えば、フェノール系、有機ホスフェート
系、有機ホスファイト系、有機アミン系、有機イオウ系
等の種々の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を採用
する事が可能である。熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等の熱安定剤の添加量は、一般には重合体に対し、
0.0001〜10重量%の範囲で使用される。本発明
の重合開始剤を用いた重合反応において、重合反応終了
後に添加される重合停止剤としては、本発明の重合触媒
(活性ポリマー末端)の重合活性種を失活させる公知の
重合停止剤を採用する事ができる。好適なものとして、
水、炭素数が1〜10であるアルコール、ケトン、多価
アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン等)、フェノール、カルボン酸、ハロゲ
ン化炭化水素、ハロゲン化アルキルシラン等を例示する
事ができる。
【0049】重合停止剤の添加量は、重合体の活性末端
対を失活させるための必要最少量である事が一般的であ
るが、過剰に使用する事も特に制限されるものではな
い。重合停止剤は、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の安定剤を添加する以前に添加してもよいし、熱安
定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤と同時に添
加してもよい。また、必要に応じて、重合体の活性末端
に分子状の水素を接触させる事により重合反応を停止さ
せる事も可能である。
【0050】本発明の重合体溶液から生成した重合体を
分離回収するためには、公知の重合体の重合体溶液(反
応液)から重合体を回収する際に通常使用される従来公
知の技術を採用する事ができる。例えば、反応液と水蒸
気を直接接触させる水蒸気凝固法、反応液に重合体の貧
溶媒を添加して重合体を沈澱させる再沈澱法、反応溶液
を容器内で加熱して溶媒を留去させる方法、反応溶液を
加熱ロールに接触させ溶媒を留去する方法、ベント付き
押出機で溶媒を留去しながらペレット化まで行う方法、
重合体溶液を温水に投入した後にベント付き押出機で溶
媒と水を留去しながらペレット化まで行う方法、などを
例示する事ができ、環状共役ジエン系ブロック共重合体
及び用いた溶媒の性質に応じて最適な方法を採用する事
ができる。
【0051】
【実施例】以下に、実施例及び比較例等によって本発明
を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実
施例等により何らに限定され解釈されるものではない。
本発明に用いた薬品は入手しうる最高純度のものであ
り、一般の溶剤は常法に従い脱気し、不活性ガス雰囲気
下、活性金属上で還流・脱水し、次いで蒸留・精製した
ものを使用した。
【0052】重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量
分布(Mw/Mn)は、東ソー(株社製の液体クロマト
グラフ(HLCー8020)を使用し、昭和電工(株)
社製のカラム(ショウデックス:K805+K804+
K802)を用いて、G.P.C(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)法により測定した標準ポリスチ
レン換算の値を用いた。重合反応系中の単量体の転化率
(mol%)は、島津製作所(株)社製のガスクロマト
グラフ(GC14A)を用いて、反応系中に残存してい
るモノマーの絶対量(内部標準法による)を測定する事
により算出された値を示した。内部標準物質にはエチル
ベンゼンを使用した。
【0053】(実施例1)常法に従い十分に乾燥した1
00mlシュレンクの内部を乾燥アルゴンで置換した。
シクロヘキサン20.0gをシュレンク内に注入し、溶
液の温度を室温に保持した。n−BuLiのn−ヘキサ
ン溶液(1.6M)を、リチウム原子換算として0.2
mmモル添加し、10分間撹拌した。次いで、TMED
Aの1.0M−シクロヘキサン溶液を、n−BuLi/
TMEDA=4/2(mol比)となるように添加し、
室温で10分間反応させた後に、70℃に昇温し10分
間攪拌し、その後40℃に温度を下げ、保持した。
【0054】10分後、1,3−シクロヘキサジエン
(1,3−CHD)0.08gを添加し、乾燥アルゴン
雰囲気下に40℃で1時間重合開始剤の調整を行った。
この重合開始剤の数平均分子量(Mn)は468であ
り、分子量分布(Mw/Mn)は1.14であった。こ
の溶液にスチレン6.6gを添加し、40℃で重合反応
を行った。2時間後、スチレンモノマーの転化率は99
%であり、メタノールを加えて反応を停止させ、メタノ
ールで洗浄後、60℃で真空乾燥し重合体を得た。得ら
れたポリマーの数平均分子量(Mn)は38,040で
あり、分子量分布(Mw/Mn)は1.13であった。
【0055】(実施例2)常法に従い十分に乾燥した1
00mlシュレンクの内部を乾燥アルゴンで置換した。
シクロヘキサン10.0gをシュレンク内に注入し、溶
液の温度を室温に保持した。s−BuLiのシクロヘキ
サン溶液(0.6M)を、リチウム原子換算として0.
8mmモル添加し、10分間撹拌し、40℃に昇温・保
持した。この溶液に1,3ーCHD0.5gを添加し、
1時間攪拌した。このポリヘキサジエニルリチウム(P
CHDLi)の数平均分子量(Mn)は732であり、
分子量分布(Mw/Mn)は1.39であった。
【0056】次いで、TMEDAの1.0M−シクロヘ
キサン溶液をPCHDLi/TMEDA=4/5(mo
l比)となるように添加し10分間攪拌した。この重合
開始剤にスチレン2.6gを添加し、乾燥アルゴン雰囲
気下に40℃で1時間重合反応を行った結果、モノマー
の転化率は100%であった。重合反応終了後、メタノ
ールを加えて反応を停止させ、更にメタノールで洗浄
後、60℃で真空乾燥し、粘調な重合体を得た。得られ
たポリマーの数平均分子量(Mn)は2,250であ
り、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。
【0057】(比較例1)常法に従い十分に乾燥した1
00mlシュレンクの内部を乾燥アルゴンで置換した。
シクロヘキサン20.0gをシュレンク内に注入し、溶
液の温度を室温に保持した。n−BuLiのn−ヘキサ
ン溶液(1.6M)を、リチウム原子換算として0.5
mmモル添加し、10分間撹拌した。この溶液に、スチ
レン5.0gを添加し、乾燥アルゴン雰囲気下に40℃
で2時間重合反応を行った。その後、常法に従って反応
を停止させた結果、スチレンモノマーの転化率は100
%であった。また、得られたポリマーの数平均分子量
(Mn)は14,934であり、分子量分布(Mw/M
n)は1.71であった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、高活性で、分子量をより
コントロールし易く、かつ広範囲な共重合成分を用いる
ことのできる新規なアニオン重合開始剤が提供できた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)により表される高分子主鎖を
    有する重合体を製造するための、標準ポリスチレン換算
    の数平均分子量が100〜5,000である、重合開始
    剤であって、反応活性点が次式(II)により表される
    有機金属錯体であることを特徴とするアニオン重合開始
    剤。 【化1】 [式(I)は、重合体の組成式を表す。A〜Eは高分子
    主鎖を構成する次の単量体単位を表し、A〜Eはどの順
    序に配列されていてもよい。a〜eは、単量体単位A〜
    Eの全重量に対する単量体単位A〜Eのそれぞれの重量
    %を表す。 (A):環状共役ジエン系単量体単位から選択される一
    種または二種以上の単量体単位。 (B):鎖状共役ジエン系単量体単位から選択される一
    種または二種以上の単量体単位。 (C):ビニル芳香族系単量体単位から選択される一種
    または二種以上の単量体単位。 (D):極性単量体単位から選択される一種または二種
    以上の単量体単位。 (E):エチレン、及びα−オレフィン系単量体単位か
    ら選択される一種または二種以上の単量体単位。a〜e
    は次の関係を満足する。 a+b+c+d+e=100、 0≦a≦100、 0≦b≦100、 0≦c≦100、 0≦d≦100、及び 0≦e≦100] 【化2】 [nは1〜4の整数を表す。R1 は式(I)によって表
    される高分子主鎖を有する化合物、及びC1 〜C20のア
    ルキル基、C2 〜C20の不飽和脂肪族炭化水素基、C5
    〜C20のアリール基、C3 〜C20のシクロアルキル基、
    4 〜C20のシクロジエニル基を表す。R2 は各々独立
    に水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C20のアルキル基、
    2 〜C20の不飽和脂肪族炭化水素基、C5 〜C20のア
    リール基、C3 〜C20のシクロアルキル基、C4 〜C20
    のシクロジエニル基を表す。M+ は周期律表第IA族の
    金属から選択される少なくとも1種の金属のカチオンで
    ある。Xは、酸素(O)、窒素(N)、りん(P)から
    選択される元素を含有する1種または2種以上の有機化
    合物である。mは2以上の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 上記(II)式において、カルボアニオ
    ンが次式(III)により表される、環状共役ジエン系
    単量体単位であることを特徴とする請求項1に記載のア
    ニオン重合開始剤。 【化3】 [R1 は式(II)において定義されたものと同じ意味
    を有す。]
  3. 【請求項3】 上記(II)式において、メタルカチオ
    ンが周期律表第IA族の金属から選択される少なくとも
    一種の金属のカチオンであることを特徴とする請求項1
    に記載のアニオン重合開始剤。
  4. 【請求項4】 上記(II)式において、メタルカチオ
    ンが周期律表第IA族の金属であるリチウム、ナトリウ
    ム、カリウムから選択される少なくとも一種の金属のカ
    チオンであることを特徴とする請求項1に記載のアニオ
    ン重合開始剤。
  5. 【請求項5】 上記(II)式において、メタルカチオ
    ンがリチウムカチオンであることを特徴とする請求項1
    に記載のアニオン重合開始剤。
  6. 【請求項6】 上記(II)式において、錯化剤Xが酸
    素(O)、窒素(N)、りん(P)から選択される元素
    を含有する1種または2種以上の有機化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載のアニオン重合開始剤。
  7. 【請求項7】 上記(II)式において、錯化剤Xがア
    ミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のア
    ニオン重合開始剤。
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