JPH09169814A - エポキシ化ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体の製造方法

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JPH09169814A
JPH09169814A JP34837495A JP34837495A JPH09169814A JP H09169814 A JPH09169814 A JP H09169814A JP 34837495 A JP34837495 A JP 34837495A JP 34837495 A JP34837495 A JP 34837495A JP H09169814 A JPH09169814 A JP H09169814A
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JP
Japan
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block copolymer
evaporator
organic solvent
epoxidized
concentration
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JP34837495A
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Masaki Tanaka
雅紀 田中
Yasuhiro Oshino
康弘 押野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存有機溶剤濃度が500ppm以下である
エポキシ変性ブロック重合体を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 同一分子内にビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合
体(C)またはその水添物(D)を有機溶剤に混合し、
重合体の濃度が5〜50重量%である有機溶剤溶液また
は有機溶剤スラリーとし、エポキシ化剤を用いてエポキ
シ化し、当該エポキシ化反応溶液を蒸発器に供給し有機
溶媒を蒸発してエポキシ化反応溶液を濃縮し、次いで当
該濃縮液を混練式蒸発器によって有機溶剤を除去するこ
とを特徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ化反応溶
液を2段階に分けて効率的に脱溶媒し、残存有機溶媒濃
度が500ppm以下のエポキシ化ブロック共重合体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエ
ン化合物とからなるブロック共重合体は、透明で加硫を
しなくても加硫された天然ゴムあるいは合成ゴムと同様
の弾性を常温で有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同様
の加工性を有することから、各種改質剤や接着等の分野
で広く利用されている。上記のような性能をさらに改善
する目的で、ブロック共重合体のジエンブロックに由来
する不飽和結合をエポキシ化したエポキシ化ブロック共
重合体も提案されているが、これらのブロック重合体の
製造においては、重合体は、通常溶媒に均一に溶解若し
くは懸濁状態になっており、これら重合体を溶液より分
離するには通常はかなり煩雑な操作を必要としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、有機溶媒溶液
または有機溶媒スラリー中に均一に溶解した重合体を溶
液またはスラリーから分離しエポキシ化ブロック共重合
体を製造する方法としては、 エポキシ化ブロック共重合体に対して非溶媒である低
級アルコール等を大量に加えて、エポキシ化ブロック共
重合体を沈殿させる方法、 エポキシ化ブロック共重合体溶液からスチームストリ
ッピングによって溶媒を留去して、エポキシ化ブロック
共重合体を回収する方法、 エポキシ化ブロック共重合体溶液を直接加熱濃縮し、
脱溶剤してエポキシ化ブロック共重合体を取得する方
法、の三種類が知られている。
【0004】これらの方法の中で、の方法では、ス
チームの使用量が著しく多くなるため経済的でない。ま
た、分離工程が濾過工程、乾燥工程、解砕工程を必要と
し、装置面も煩雑かつ大規模な装置が必要で、製造コス
トが高くなる。また、の方法においては、スチーム原
単位は最小で工程も簡略化されるためコスト的には安価
な方法であるが、残存する揮発成分の量の問題や熱劣化
による品質の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題を解決すべくエポキシ化ブロック共重合体の製造方法
について検討した結果、エポキシ化反応溶液を蒸発器で
一段濃縮し、次いで混練式蒸発器により二段目の濃縮
(二段濃縮)をし、脱溶媒することにより、前記問題点
を解決し得ることを見いだし本発明を完成させるに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、同一分子内にビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからな
るブロック共重合体(C)またはその水添物(D)を有
機溶剤に混合し、重合体の濃度が5〜50重量%である
有機溶剤溶液または有機溶剤スラリー(以下「溶液」に
はスラリーを含む)とし、エポキシ化剤を用いてエポキ
シ化し、当該エポキシ化反応溶液を蒸発器に供給し有機
溶媒を蒸発してエポキシ化反応溶液を濃縮し、次いで当
該濃縮液を混練式蒸発器によって有機溶剤を除去するこ
とを特徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方法
を提供するものである。また、蒸発器および混練式蒸発
器の温度が80℃以上300℃以下であり、かつ蒸発器
および混練式蒸発器内の圧力が500torr以下であ
ることを特徴とする前記エポキシ化ブロック共重合体の
製造方法を提供するものである。また、エポキシ化ブロ
ック共重合体(E)のエポキシ当量が140〜2,70
0であることを特徴とする前記エポキシ化ブロック共重
合体の製造方法を提供するものである。さらに、製造さ
れたエポキシ化ブロック共重合体中の残存有機溶剤濃度
が500ppm以下であることを特徴とする前記エポキ
シ化ブロック共重合体の製造方法を提供するものであ
る。以下、詳細に本発明を説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明でいうブロック共重合体
(C)とは、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする
重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
(C)をいう。また、ブロック共重合体の水添物(D)
とは、ブロック共重合体(C)の重合体ブロック(B)
に存在する不飽和炭素結合を水添反応により部分的に水
素化した共重合体をいう。また、本発明でいうエポキシ
化ブロック共重合体(E)とは、ブロック共重合体
(C)またはその水添物(D)の共重合体ブロック
(B)に存在する不飽和炭素結合をエポキシ化した重合
体をいう。
【0008】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン等の種々のアルキル置換スチレン、アルコキ
シ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビニ
ルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等が
挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。これ
らは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも出
来る。
【0009】ブロック共重合体(C)を構成し得る共役
ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられ
る。これらの中で、1,3−ブタジエンとイソプレンが
安価であり、かつ入手しやすいので好ましい。これらは
1種でも、2種以上を組み合わせてもよい。
【0010】ブロック共重合体(C)を構成し得るビニ
ル芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合
組成比(ビニル芳香族炭化水素化合物/共役ジエン化合
物(重量比))は、好ましくは5/95〜70/30で
あり、さらに好ましくは10/90〜60/40であ
る。本発明に使用できるブロック共重合体(C)の数平
均分子量は、好ましくは5,000〜500,000で
あり、さらに好ましくは10,000〜100,000
である。5,000より低分子量では、ゴム状弾性体の
性質が発現しにくく、また高分子量では溶融しにくくな
るので好ましくない。ここで、数平均分子量とは、GP
C法によって測定した標準ポリスチレン換算分子量を意
味する。
【0011】ブロック共重合体(C)の構造は特に限定
されるものではない。例えば、A−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等で表されるビニル芳香族炭
化水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体で
あってもよい。また、分子自体の構造は直鎖状、分岐
状、放射状などのいずれの構造であってもよく、さらに
これらの任意の組み合わせであってもよい。ブロック共
重合体中において、ビニル芳香族炭化水素化合物は、均
一に分布していても、またテーパー状に分布していても
よい。また、共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合
物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分
布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。
【0012】エポキシ化する前のブロック共重合体
(C)の製造方法は特に限定されず、どのような方法で
あってもよい。例えば、特公昭40−23798号公
報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−242
3号公報、特公昭56−28925号公報等に記載され
ているように、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中で
製造する方法が挙げられる。
【0013】ブロック共重合体の水添物(D)の製造方
法は特に限定されるものではなく、どのような方法であ
っても差しつかえない。例えば、特公昭42−8704
号公報、特公昭43−6636号公報等に記載されてい
るように、不活性溶媒中でブロック共重合体(C)を水
素化触媒の存在下に水素化する方法が例示できる。水素
化量は特に限定されるものではないが、引き続きエポキ
シ化反応を行なう際、エポキシ化剤と反応し得る不飽和
炭素結合が水添物(D)の分子内に残っている必要があ
る。エポキシ化は、ブロック共重合体(C)またはその
水添物(D)を、適当な有機溶剤に溶解またはスラリー
状にした後に、エポキシ化する。有機溶剤中の共重合体
の濃度は、5〜50重量%であることが好ましい。エポ
キシ化剤によりエポキシ化される部位は、重合体ブロッ
ク(B)に存在する不飽和結合である。
【0014】エポキシ化の際に使用し得る有機溶剤の代
表例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の直鎖状及び分岐状炭化水素及びそれらのアルキル
置換誘導体、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン等の脂環式炭化水素及びそれらのアルキル置換
誘導体、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等
の芳香族及びアルキル置換芳香族炭化水素、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の脂肪族カルボン酸エ
ステル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが
挙げられる。これらの中で、ブロック共重合体(C)ま
たはその水添物(D)の溶解性及びその後の溶剤回収の
容易性などから、シクロヘキサン、酢酸エチル、クロロ
ホルム、トルエン、キシレン、ヘキサンを使用すること
が好ましい。
【0015】また、エポキシ化反応の際に使用し得るエ
ポキシ化剤としては、過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、ト
リフルオロ過酢酸等の有機過酸類、過酸化水素、過酸化
水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせたもの等を例示す
ることができる。これらの中で、工業的に大量に製造さ
れるため安価に入手でき、しかも安定度の比較的高い過
酢酸が、エポキシ化剤として好ましい。なお、エポキシ
化の際には、必要に応じて触媒を使用することもでき
る。
【0016】使用するエポキシ化剤の量は、特に限定さ
れるものではなく、使用するエポキシ化剤の反応性、所
望されるエポキシ化度、使用するブロック共重合体
(C)またはその水添物(D)中の不飽和炭素結合量等
の条件により任意に適当な量を使用し得るが、最終的に
得られる重合体(E)のエポキシ当量は、140〜2,
700であるようにエポキシ化剤の量を選択するのが好
ましい。エポキシ当量は、より好ましくは200〜2,
000である。エポキシ当量が140より小さいと、重
合体の弾性的な性質が発現しにくくなり好ましくなく、
また2,700より大きいとエポキシ化したことによる
特異的な物性が発現しにくくなり好ましくない。エポキ
シ当量は、式:エポキシ当量=1,600/{エポキシ
化ブロック共重合体中のオキシラン酸素濃度(重量
%)}で算出され、オキシラン酸素1molあたりのエ
ポキシ化ブロック共重合体の重量を示す。オキシラン酸
素濃度は、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求め
る。エポキシ当量が大きいとオキシラン酸素濃度が低く
なり、逆にエポキシ当量が小さいとオキシラン酸素濃度
が高くなる。
【0017】エポキシ化反応温度は、使用するエポキシ
化剤、用いる有機溶剤、ブロック共重合体もしくはその
水添物の種類や量などにより異なり、特に限定されるも
のではない。例えば、過酢酸をエポキシ化剤として使用
する場合の反応温度は、好ましくは0〜70℃である。
0℃以下では反応速度が遅く、70℃を越えると、生成
したエポキシ基が開環したり過酢酸の分解が進行したり
して好ましくない。過酢酸の安定性を向上するために、
リン酸塩類をエポキシ化反応に際して反応系に添加して
もよい。エポキシ化反応時間は、0.1〜72時間、よ
り好ましくは0.2〜10時間の範囲で選ぶことが生産
性の観点から好ましい。
【0018】本発明は、このようにして得られたエポキ
シ化ブロック共重合体のエポキシ化反応溶液から、第一
の蒸発器によって有機溶剤を除去し(一段濃縮)、次い
で第二の混練式蒸発器を用いて残りの揮発分を留去(二
段濃縮)し滞留時間の短い条件下で有機溶剤を蒸発さ
せ、長期間の熱履歴を与えることなく、しかも残留有機
溶媒濃度が500ppm以下の重合体を製造することを
特徴とする。
【0019】本発明で使用できる一段濃縮に用いる蒸発
器(第一蒸発器)としては、多管式蒸発器、液膜式蒸発
器、遠心薄膜式蒸発器、プレート式蒸発器等が例示で
き、特に好ましくは多管式蒸発器、遠心薄膜式蒸発器、
プレート式蒸発器である。これらはエポキシ化反応溶液
との接触面が多く、溶媒含量が多いときの濃縮に適して
いる。一段濃縮により有機溶剤濃度(揮発分濃度)が5
〜70重量%、好ましくは20〜30重量%の範囲にな
るようにする。第一蒸発器を用いることにより、第二蒸
発器のサイズを小さくすることができる。
【0020】二段濃縮に用いられる混練式蒸発器(第二
蒸発器)としては2軸式の表面更新型自己洗浄タイプの
蒸発器やベント式押出機等の混練軸を有するものであ
り、さらには伝熱面積を大きく取るためにスクリュー内
部に熱媒を通すことができる混練式蒸発器を選定するの
が好ましい。このような構造を有する混練式蒸発器は、
有機溶剤が蒸発するために必要な多量の熱を十分供給で
きる。また、逆混合がないピストンフロー性により混練
性能に優れ、しかも蒸発面積を大きくすることができる
ので特に好ましい。混練式蒸発器の構造は、L/D=2
〜50、好ましくは4〜40(Lはスクリューの長さ、
Dはスクリューの外径)のものがよく、スクリューのか
み合い構造は、「かみ合い」、「非かみ合い」のいずれ
でもよく、回転方向については同方向、異方向のいずれ
でもよい。混練式蒸発器は有機溶剤濃度が低くなり、エ
ポキシ化反応溶液の粘度が高くなったときにも安定に有
機溶剤を除去できる。なお、各蒸発器の加熱源としては
オイル等の熱媒やスチーム、電熱ヒーターを使用するこ
とができる。
【0021】本発明のエポキシ化ブロック共重合体の製
造方法の具体例としては、まずエポキシ化反応溶液を、
ギアーポンプにより第一蒸発器へ連続送液し、溶剤の沸
点以上の加熱温度においてフラッシュタンク内で溶剤を
留去させる。ここで、エポキシ化反応溶液は、予め水洗
したものであってもよい。水洗は連続的に行っても、バ
ッチ式で行ってもよい。バッチ式の場合は、エポキシ化
後の反応粗液100重量部に対して水50〜1,000
重量部を数回用いて洗浄するのが好ましい。第一蒸発器
で加熱蒸発することにより、エポキシ化反応溶液に多量
に含まれる有機溶剤を容易に除去することができる。
【0022】本発明は、第一蒸発器による濃縮物を、第
二蒸発器において揮発分を留去させ、有機溶剤とエポキ
シ化ブロック共重合体との分離を行う。第二蒸発器を用
いて揮発分を留去させることにより、滞留時間の短い条
件下で濃縮物に含まれる残りの有機溶剤を安定に蒸発さ
せることができ、長期間の熱履歴を与えることなくエポ
キシ化ブロック共重合体を製造することができる。
【0023】得られたエポキシ化ブロック共重合体は、
常法により押し出し成型加工を行いストランド状、ペレ
ット状、発泡クラム状、粒状、粉末状のいずれの形態を
も選択できるが、好ましくはペレット状である。
【0024】蒸発器および混練式蒸発器内部の温度、圧
力は、処理能力、重合体の特性(粘度、熱安定性等)、
溶剤の種類・濃度、製品の品質等を考慮して選定する。
好ましい両蒸発器内部の温度は80〜300℃、さらに
好ましくは120〜250℃である。蒸発器内部の温度
が80℃未満であると、粘度が上昇するので減圧度を強
化しないと有機溶剤が抜き出しにくくなり、300℃よ
り高い温度になると重合体中にゲルが発生するので好ま
しくない。特に蒸発器内でエポキシ化ブロック共重合体
が滞留し多量のゲルが発生すると、溶融粘度が高くな
り、また、製品にフィッシュアイを発生しやすく成形不
良を起こすため好ましくない。ゲル含量は、5重量%以
下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以
下、特には1重量%以下であることが好ましい。なお、
ゲル含量はテトラヒドロフラン(THF)不溶分の重量
%で示した。
【0025】各蒸発器内部の圧力は、好ましくは500
torr以下、さらに好ましくは400〜1torrの
範囲から選択される。蒸発器内部の圧力が500tor
rより高いと、溶剤が十分に除去されないので好ましく
ない。
【0026】最終的に得られるエポキシ化ブロッック共
重合体中の残存有機溶剤含量は、50,000ppm以
下であることが好ましく、好ましくは2,000ppm
以下、より好ましくは1,000ppm以下、特には5
00ppm以下であることが好ましい。残存する溶剤量
が多くなると樹脂を成型する際に発泡したり臭気が発生
し好ましくない。
【0027】本発明のエポキシ化ブロック共重合体に
は、必要に応じて各種添加剤、例えば耐熱安定剤、老化
防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、あるいは、シリカ、タ
ルク、カ−ボンなどの無機物充填剤、可塑剤、オイルな
どの軟化剤を配合して使用することができる。これらの
添加時期は特に限定されるものではなく、エポキシ化ブ
ロック共重合体を最終的に得るまでのいかなる工程であ
ってもよい。
【0028】本発明の方法により得られたエポキシ化ブ
ロック共重合体は、ゴム状重合体はゴム状重合体もしく
は樹脂状重合体の改質剤または改質助剤、接着剤、シー
ラント、アスファルト改質剤等に好適である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例で示すが、本発明はこ
れらの実施例の範囲に限定される物ではない。
【0030】(試料調製方法)ポリスチレン−ポリブタ
ジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(SBS,日
本合成ゴム(株)製「TR−2000」;スチレン/ブ
タジエン重量比40/60)300重量部を酢酸エチル
1,500重量部に溶解し、これに過酢酸の30%酢酸
エチル溶液169重量部を滴下して攪拌し40℃で3時
間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻して純水
にて洗浄を行い、エポキシ化ポリスチレン−ポリブタジ
エン−ポリスチレン重合体(ESBS)の酢酸エチル溶
液を得た。この重合体の濃度は20重量%(以下、「酢
酸エチルドープ」と称す)であった。
【0031】(実施例1)伝熱面積7.80m2の多管
式熱交換器(以下、「シェルアンドチューブ」と称す)
にギアポンプで酢酸エチルドープを60〜80kg/h
r(ESBS:18.0〜22.5kg/hr)の速度
で仕込んだ。シェルアンドチューブへの熱媒供給温度は
160℃、系内圧力は460torrとした。その結
果、エポキシ化ブロック共重合体中の揮発分濃度は20
重量%(エポキシ化ブロック共重合体濃度が80重量
%)に濃縮された。この濃縮物を、ベント式2軸混練式
蒸発器(伝熱面積1m2、L/D=9)に20〜25k
g/hr(ESBS:18〜22.5kg/hr)の速
度で仕込んだ。2軸混練式蒸発器への熱媒供給温度は1
50〜160℃、系内圧力は200torrとした。フ
ローを図1に示す。その結果、エポキシ化ブロック共重
合体中の揮発分濃度は0.04重量%(エポキシ化ブロ
ック共重合体濃度が99.6重量%)となった。表−1
に操作条件およびエポキシ化ブロック共重合体の残存有
機溶媒量等を示す。なお、表中、シェルアンドチューブ
による濃縮を一段濃縮とし、2軸混練式蒸発器による濃
縮を二段濃縮とした。表−1には得られたエポキシ化ブ
ロック共重合体のゲル含量の測定結果を示す。
【0032】(比較例1)伝熱面積7.80m2のシェ
ルアンドチューブにギアポンプで酢酸エチルドープを6
0〜80kg/hr(ESBS:18.0〜22.5k
g/hr)の速度で仕込んだ。シェルアンドチューブへ
の熱媒供給温度は160℃、系内圧力は460torr
とした。その結果、エポキシ化ブロック共重合体中の揮
発分濃度は20重量%(エポキシ化ブロック共重合体濃
度が80重量%)に濃縮された。更に熱媒供給温度18
0℃、系内圧力を460torrの条件で濃縮を行う
と、エポキシ化ブロック共重合体中の揮発分濃度は15
重量%(エポキシ化ブロック共重合体濃度が85重量
%)にまで濃縮できた。しかし、チューブ内でゲルを発
生し付着閉塞し偏流を起こし、それ以上濃縮できなかっ
た。表−1に操作条件およびエポキシ化ブロック共重合
体の残存有機溶媒量等を示す。なお、表中、シェルアン
ドチューブによる初めの濃縮を一段濃縮とし、条件を変
えた第二の濃縮を二段濃縮とした。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、2段階の濃縮によりエ
ポキシ化反応溶液から有機溶剤を除去することにより、
長時間の熱履歴を与えることなく有機溶剤とエポキシ化
ブロック共重合体を分離することが可能であり、熱劣化
の少ないエポキシ化ブロック共重合体を得ることができ
る。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のエポキシ化反応溶液からの有機溶
媒除去のフロー図を示す。
【符号の説明】
1:酢酸エチルドープ供給タンク 2:仕込みポンプ 3:シェルアンドチューブ 4:2軸混練蒸発器 5:抜取りギアポンプ 6:濃縮樹脂 7:真空ポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一分子内にビニル芳香族化合物を主体
    とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体
    とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合
    体(C)またはその水添物(D)を有機溶剤に混合し、
    重合体の濃度が5〜50重量%である有機溶剤溶液また
    は有機溶剤スラリーとし、エポキシ化剤を用いてエポキ
    シ化し、当該エポキシ化反応溶液を蒸発器に供給し有機
    溶媒を蒸発してエポキシ化反応溶液を濃縮し、次いで当
    該濃縮液を混練式蒸発器によって有機溶剤を除去するこ
    とを特徴とするエポキシ化ブロック共重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 蒸発器および混練式蒸発器の温度が80
    ℃以上300℃以下であり、かつ蒸発器および混練式蒸
    発器内の圧力が500torr以下であることを特徴と
    する請求項1記載のエポキシ化ブロック共重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ化ブロック共重合体(E)のエ
    ポキシ当量が140〜2,700であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のエポキシ化ブロック共重合体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 製造されたエポキシ化ブロック共重合体
    中の残存有機溶剤濃度が500ppm以下であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ化
    ブロック共重合体の製造方法。
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