JPH08120023A - エポキシ化ブロック共重合体の回収方法 - Google Patents

エポキシ化ブロック共重合体の回収方法

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JPH08120023A
JPH08120023A JP28132394A JP28132394A JPH08120023A JP H08120023 A JPH08120023 A JP H08120023A JP 28132394 A JP28132394 A JP 28132394A JP 28132394 A JP28132394 A JP 28132394A JP H08120023 A JPH08120023 A JP H08120023A
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JP
Japan
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block copolymer
polymer
steam stripping
solution
dispersant
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Application number
JP28132394A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Oshino
康弘 押野
Yoshihiro Otsuka
喜弘 大塚
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エポキシ化したブロック共重合体の有機溶剤ス
ラリーもしくは有機溶液から、該エポキシ化ブロック共
重合体を容易に回収する。 【構成】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする重
合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体又は
その水添物をエポキシ化することにより得られたエポキ
シ化ブロック共重合体を、その有機溶剤スラリーもしく
は有機溶液から回収するに際して、一般式(1):HO
(C24O)a(C36O)b(C24O)cOH(ここ
で、a、b、cはいずれも1〜1,000の数字を示
す)で表される平均分子量が3,000〜20,00
0、ポリオキシエチレン含量が20〜90重量%である
分散剤1〜20,000ppm(スチームストリッピン
グ槽内の水に対する重量割合)の存在下にスチームスト
リッピングすることを特徴とするエポキシ化ブロック共
重合体の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム状重合体もしくは
樹脂状重合体の改質剤または改質助剤、接着剤、シーラ
ント等に好適なエポキシ化ブロック共重合体の、エポキ
シ化反応粗液からの回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエ
ン化合物とからなるブロック共重合体は、透明で加硫を
しなくても加硫された天然ゴムあるいは合成ゴムと同様
の弾性を常温にて有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同
様の加工性を有することから、各種改質剤や接着等の分
野で広く利用されている。上記のような性能をさらに改
善する目的で、ブロック共重合体またはその水添物のジ
エンブロックに由来する不飽和結合をエポキシ化して得
たエポキシ化ブロック共重合体を使用するという方法が
知られている。またエポキシ化ブロック共重合体をエポ
キシ化反応有機溶剤スラリーもしくは有機溶液から回収
する方法としては、イソプロパノール中で再沈殿する方
法(再沈殿法)や、加熱下直接、溶剤のみを除去する方
法(直接脱溶剤法)が、特開平5−125197号公報
に記載されている。
【0003】一方、ゴム状重合体の典型的な製造プロセ
スにおいては、溶液重合により製造されたゴム状重合体
の有機溶液から、ゴム状重合体を回収する方法として、
スチームストリッピングによる方法が一般的に行なわれ
ている。例えば、特公昭37−17497号公報にはゴ
ム状重合体の溶液を、特定の分散剤の存在下にスチーム
ストリッピングする方法が示されている。また、特公昭
43−17987号公報、特公昭43−26177号公
報にはゴム溶液のスチームストリッピング槽への吹き込
み方法やノズルの形状等についての工夫が提案されてい
る。特公昭44−2134号公報および特公昭44−2
1346号公報には分散剤の選び方についての改良が述
べられている。特公昭55−22489号公報には、ス
チレン系炭化水素を50wt%以上含有するスチレン系
炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合体を、
スチレン系炭化水素と不飽和酸との共重合体の塩を使用
してスチームストリッピングする方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再沈澱
法では析出してくるものがゴム状であるために、きれい
に溶剤と分離しにくい上、工業的には溶剤を分離回収す
るための多段の蒸留塔が必要である。また、直接脱溶剤
法では、完全に溶剤を除去するためには長時間の加熱が
必要であり、この間に反応性の高いエポキシ基が開環し
てしまうという問題点があった。また、スチームストリ
ッピング法については、プロセス自体は公知であるが、
反応性の高いエポキシ基を分子内に多数有するブロック
共重合体を、分散剤の存在下にスチームストリッピング
により回収するという方法はなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決するために鋭意検討の結果、該エポキシ化ブ
ロック共重合体をエポキシ化反応有機溶剤スラリーもし
くは有機溶液から回収する方法として、特定の分散剤の
存在下、スチームストリッピングすることにより、容易
に溶剤を除去し、しかも長時間の熱履歴を与えることな
く簡便に重合体を回収することが可能であることを見い
出し、本発明を完成するに至った。しかも、本発明はブ
ロック共重合体をエポキシ化した際のエポキシ化反応液
からの重合体の回収であり、前述した一般的な溶液重合
によって生成したブロック共重合体の、重合溶液からの
回収とは、回収する重合体自体及び溶液中の化学種等が
本質的に異なる。
【0006】すなわち、ビニル芳香族炭化水素化合物を
主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック
共重合体又はその水添物をエポキシ化することにより得
られたエポキシ化ブロック共重合体を、その有機溶剤ス
ラリーもしくは有機溶液から回収するに際して、一般式
(1):HO(C24O)a(C36O)b(C24O)
cOH(ここで、a、b、cはいずれも1〜1,000
の数字を示す)で表される平均分子量が3,000〜2
0,000、ポリオキシエチレン含量が20〜90重量
%である分散剤1〜20,000ppm(スチームスト
リッピング槽内の水に対する重量割合)の存在下にスチ
ームストリッピングすることを特徴とする、エポキシ化
ブロック共重合体の回収方法を提供するものである。ま
た、スチームストリッピングするに際して、分散助剤と
してK、Na、Mg、Ca、Al、Znから選択される
金属の塩を、スチームストリッピング槽内の水に対して
0.1〜10,000ppm添加して行なうことを特徴
とする前記のエポキシ化ブロック共重合体の回収方法を
提供するものである。以下に、本発明について詳細に記
述する。
【0007】本発明でいうブロック共重合体とは、ビニ
ル芳香族炭化水素化合物を主体とする重合体ブロック
(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
ク(B)とからなるブロック共重合体をいう。また、ブ
ロック共重合体の水添物とは、ブロック共重合体の重合
体ブロック(B)に存在する不飽和炭素結合を水添反応
により部分的に水素化した重合体をさす。また、本発明
でいうエポキシ化ブロック共重合体とは、ブロック共重
合体またはその水添物の重合体ブロック(B)に存在す
る不飽和炭素結合をエポキシ化した重合体をさす。
【0008】ブロック共重合体を構成しうるビニル芳香
族炭化水素化合物の代表例としては、スチレン、αーメ
チルスチレン等の種々のアルキル置換スチレン、アルコ
キシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等
が挙げられる。これらの中で、スチレンが好ましい。こ
れらの中から1種、もしくは2種以上を組み合わせて用
いることも出来る。
【0009】ブロック共重合体を構成しうる共役ジエン
化合物の代表例としては、1,3ーブタジエン、イソプ
レン、1,3ーペンタジエン、2,3ージメチルー1,
3ーブタジエン、ピペリレン、3ーブチルー1,3ーオ
クタジエン、フェニルー1,3ーブタジエン等が挙げら
れる。これらの中で、1,3ーブタジエン及びイソプレ
ンが安価であり、かつ入手しやすいので好ましい。これ
らの中から1種、もしくは2種以上を組み合わせて用い
ることも出来る。
【0010】ブロック共重合体を構成しうるビニル芳香
族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との共重合組成比
は、好ましくは重量比で5/95〜70/30であり、
さらに好ましくは10/90〜60/40である。本発
明に使用できるブロック共重合体の数平均分子量は、好
ましくは5,000〜60,000であり、さらに好ま
しくは10,000〜50,000である。低分子量で
は、ゴム状弾性体の性質が発現しにくく、また高分子量
では溶融しにくくなるので好ましくない。
【0011】ブロック共重合体の構造は特に限定される
ものではないが、例えばAーBーA、BーAーBーA、
AーBーAーBーA等で表されるビニル芳香族炭化水素
化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体であって
もよい。また、分子自体の構造は直鎖状、分岐状、放射
状などのいずれの構造であってもよく、さらにこれらの
任意の組み合わせであってもよい。ブロック共重合体中
のビニル芳香族炭化水素化合物のブロックは、均一に分
布していても、またテーパー状に分布していてもよい。
また、該共重合部分は、ビニル芳香族炭化水素化合物が
均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布し
ている部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。
【0012】エポキシ化する前のブロック共重合体の製
造方法は特に限定されるものではなく、どのような方法
であっても差しつかえない。例えば、特公昭40−23
798号公報、特公昭47−3252号公報、特公昭4
8−2423号公報、特公昭56−28925号公報等
に記載されているように、リチウム触媒等を用いて不活
性溶媒中で製造する方法が挙げられる。
【0013】ブロック共重合体の水添物の製造方法は特
に限定されるものではなく、どのような方法であっても
差しつかえない。例えば、特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報等に記載されているよ
うに、不活性溶媒中でブロック共重合体を水素化触媒の
存在下に水素化して製造する方法が挙げられる。水素化
量は特に限定されるものではないが、引き続きエポキシ
化反応を行なう際、エポキシ化剤と反応しうる不飽和炭
素結合が分子内に残っている必要がある。
【0014】ブロック共重合体またはその水添物を、適
当な有機溶剤に溶解またはスラリー状にした後、エポキ
シ化する。エポキシ化剤によりエポキシ化される部位
は、重合体ブロック(B)に存在する不飽和結合であ
る。エポキシ化の際に使用しうる有機溶剤の代表例とし
ては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の直
鎖状及び分岐状炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素及びそれらの
アルキル置換誘導体、ベンゼン、ナフタレン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族及びアルキル置換芳香族炭化水
素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の脂肪族
カルボン酸エステル等が挙げられる。これらの中で、ブ
ロック共重合体またはその水添物の溶解性及びその後の
溶剤回収の容易性などから、シクロヘキサン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、トルエン、キシレン、ヘキサンを使
用するのが好ましい。
【0015】また、エポキシ化反応の際に使用しうるエ
ポキシ化剤の代表例としては、過酢酸、過安息香酸、過
ギ酸、トリフルオロ過酢酸等の有機過酸類、過酸化水
素、過酸化水素と低分子の脂肪酸とを組み合わせたもの
等が挙げられる。これらの中で、工業的に大量に製造さ
れるため安価に入手でき、しかも安定度の比較的高い過
酢酸が、エポキシ化剤として好ましい。使用するエポキ
シ化剤の量は、特に限定されるものではなく、使用する
エポキシ化剤の反応性、所望されるエポキシ化度、使用
するブロック共重合体またはその水添物中の不飽和炭素
結合量等の条件により、任意に適当な量を使用しうる。
エポキシ化の際には、必要に応じてモリブデン、タング
ステン、クロム、バナジウム、銀等の遷移金属触媒を使
用することもできる。
【0016】エポキシ化反応温度は、使用するエポキシ
化剤、用いる溶剤、ブロック共重合体もしくはその水添
物の種類や量などにより異なり、特に限定されるもので
はない。例えば、過酢酸をエポキシ化剤として使用する
場合の反応温度は、好ましくは0〜70℃である。0℃
以下では反応速度が遅く、70℃を越えると、生成した
エポキシ基が開環したり過酢酸の分解が進行したりして
好ましくない。過酢酸の安定性を向上するために、リン
酸塩類をエポキシ化反応に際して反応系に添加してもよ
い。エポキシ化反応時間は、特に限定されるものではな
いが0.1〜72時間の範囲が生産性の上から好まし
い。エポキシ化反応終了後は反応液を室温に下げ、エポ
キシ化反応の際に生成した酸類をアルカリ水溶液で中和
もしくは純水で洗浄除去する。
【0017】本発明は、このようにして得られたエポキ
シ化ブロック共重合体の有機溶剤スラリーもしくは有機
溶液から、特定の分散剤の存在下でスチームストリッピ
ングし、有機溶剤を除去し重合体を回収する方法に関す
るものである。スチームストリッピングは、一般的に公
知の方法を用いて実施することができる。すなわち、熱
水中に該エポキシ化ブロック共重合体の有機溶剤スラリ
ーもしくは有機溶液を滴下もしくは混合し、スチームを
送り込んで有機溶剤を除去し、それと同時にエポキシ化
ブロック共重合体を析出させ、濾過により回収するとい
う方法である。スチームストリッピングは、回分式、連
続式のいずれの方法でもよい。スチームストリッピング
の際に使用する熱水は、水にスチームを吹き込むことに
よって生成させるのが好ましい。その他、熱媒、電熱ヒ
ーター、スチームなどの外部熱源により、熱水を生成さ
せてもよい。スチームストリッピングによって水中に分
散したクラム状の重合体の濃度は、回分式、連続式のい
ずれの方法においても、スチームストリッピング槽内の
水に対して、一般に0.1〜50重量%、好ましくは、
0.5〜30重量%、さらに好ましくは、1〜20重量
%であり、この範囲であれば運転上の支障をきたすこと
がなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができ
る。連続式の場合は、生成したクラムが水と共に一定量
ずつスチームストリッピング槽外へ移送されるが、定常
状態において槽内の水に対してクラムが上記濃度であれ
ばよい。
【0018】本発明で使用する主分散剤は、一般式
(1):HO(C24O)a(C36O)b(C24O)
cOH(ここで、a、b、cはいずれも整数示す)で表
されるポリオキシエチレンブロックとポリオキシプロピ
レンブロックとからなるブロック共重合体である。分散
剤の添加量は、スチームストリッピングを行なう槽内の
水に対して、好ましくは1〜20,000ppm、さら
に好ましくは5〜5,000ppm、特に好ましくは1
0〜500ppmであるのがよい。1ppmより少ない
と、析出したクラムの分散性が低下し、20,000p
pmを越えると泡立ちが激しく、運転に支障をきたすた
め好ましくない。すなわち、安定なクラムの分散性を維
持できる範囲内で少ない方が好ましい。分散剤は、スチ
ームストリッピングを行なう際の水に添加してもよい
し、エポキシ化ブロック共重合体溶液に添加してもよ
い。また、両方に添加しておいてもよい。
【0019】クラムを濾過回収した際に分離された分散
剤水溶液(濾液)は、再度スチームストリッピング槽へ
移液し再利用してもよい。回分式、連続式のいずれの場
合も、スチームストリッピング槽内の水に対する分散剤
の濃度を1〜20000ppmで一定に保つために、ス
チームストリッピング中に、分散剤を槽内の温水に連続
的に添加してもよい。特に、回分式ではスチーム吹き込
みによる熱水量の増加に伴う分散剤濃度の減少に対して
この分散剤の後添加は有用である。また、連続式の場合
は、分散剤が水と共にスチームストリッピング槽外へ移
送されるが、それ相応量の分散剤を連続的に温水に後添
加し、定常状態において槽内の水に対して分散剤が1〜
20,000ppmであればよい。
【0020】本発明においては、一般式(1)で表され
る分散剤の平均分子量が3,000〜20,000であ
るのがよい。分子量が3,000より小さいと、析出し
たクラムの分散性が低下し、また、分子量が20,00
0を越えると分散性が低下するとともに、重合体中に残
存する分散剤の割合が多くなり、重合体の物性に悪影響
を与えるので好ましくない。
【0021】また、本発明においては一般式(1)で表
される分散剤を構成するポリオキシエチレンブロック
の、全体に占める比率が20〜90重量%であるものが
好ましい。ポリオキシエチレンブロックの比率が20重
量%より少ないか、もしくは90重量%を越えると分散
性能が悪くなるので好ましくない。一方、分散助剤とし
て使用可能な金属塩は、K、Na、Mg、Ca、Al、
Znから選択される金属の塩である。代表例としては、
硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カリ
ミョウバン等が挙げられる。これらの中で、硫酸カリウ
ム及び硫酸ナトリウムが好ましい。これらの金属塩の使
用量は、スチームストリッピング槽内の水対して0.1
〜10,000ppmである。0.1ppmより少ない
と添加効果が小さく、10,000ppmを越えると製
品重合体の熱安定性や透明性に悪影響を及ぼすので好ま
しくない。
【0022】スチームストリッピングを行なう際のスチ
ームストリッピング槽内の水の温度は、エポキシ化ブロ
ック共重合体溶液の有機溶媒の沸点または、該溶媒と水
とが共沸する場合はその共沸温度以上、120℃以下の
温度範囲、好ましくは有機溶媒の沸点または共沸温度よ
り10℃以上高く110℃以下の温度範囲、さらに好ま
しくは該温度より15℃以上高く100℃以下の温度範
囲であるのがよい。前記水の温度が有機溶媒の沸点また
は共沸温度より低い場合は、溶媒除去効率が悪くクラム
中の残存溶媒量が多くなる。また、120℃を越えると
クラム粒径の小さいものが得られず、溶媒除去槽の器壁
や撹拌翼等への重合体の付着が多くなるため好ましくな
い。
【0023】本発明により析出・分離されたクラム状の
重合体は、その後常法により乾燥され、所望の用途に使
用される。この際、適当な成形助剤を加えてもよい。こ
れらの分離・乾燥方法は特に限定されるものではない。
【0024】本発明のエポキシ化ブロック共重合体に
は、必要に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、架橋
剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、あるいは、シリカ、タ
ルク、カ−ボンなどの無機物充填剤、可塑剤、オイルな
どの軟化剤を配合して使用することができる。これらの
添加時期は特に限定されるものではなく、エポキシ化ブ
ロック共重合体を最終的に得るまでのいかなる工程であ
ってもよい。例えば、スチームストリッピングを実施す
る前のエポキシ化ブロック共重合体の有機溶液もしくは
スラリーに、耐熱安定剤等を添加していてもよい。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例で示すが、本発明はこ
れらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0026】[実施例1]ポリスチレンーポリブタジエ
ンーポリスチレン(SBS)のブロック共重合体[日本
合成ゴム(株)製、商品名:TR−2000、スチレン
とブタジエンの重量比40/60]300重量部を酢酸
エチル1500重量部に溶解し、これに過酢酸の30%
酢酸エチル溶液169重量部を連続的に滴下し、撹拌下
40℃で3時間エポキシ化反応をおこなった。反応液を
常温に戻し、純水にて洗浄し、エポキシ化ポリスチレン
ーポリブタジエンーポリスチレン重合体(ESBS)の
酢酸エチル溶液を得た。この重合体の酢酸エチル溶液の
濃度は20重量%であった。この重合体溶液をスチーム
ストリッピングするに当り、スチームストリッピング槽
内の水に、旭電化工業(株)製の非イオン性界面活性剤
プルロニックF−68を水に対して100ppm添加し
て、水温90℃にてスチームストリッピングを行なっ
た。重合体は3〜6mm径のクラム状で安定に分散し、
重合体の相互付着及び器壁や撹拌翼へ付着は認められな
かった。上記操作により、有機溶液中の有機溶剤は水蒸
気蒸留により除去、回収された。一方、得られたクラム
状スラリーを遠心分離器にかけて重合体を分離回収し
た。得られた重合体クラムは多孔質であり、熱風乾燥機
内で50℃、10時間乾燥した。使用した分散剤の種類
等とスチームストリッピング槽内の状況を、下記の実施
例と共に後記の表1にまとめて示す。
【0027】[実施例2〜4]スチームストリッピング
を実施するに際して、分散剤の種類及び量を、表1に示
した通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法でエ
ポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回収をした。
【0028】[実施例5]撹拌機及び温度計を備えたジ
ャケット付き反応器にポリスチレンーポリブタジエンー
ポリスチレンのブロック共重合体[日本合成ゴム(株)
製、商品名:TR−2000]300重量部をシクロヘ
キサン3,000重量部に溶解した。水素化触媒とし
て、ジーpートリルビス(1−シクロペンタジエニル)
チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1mmol/
l)40mlと、n−ブチルリチウム溶液(濃度5mm
ol/l)8mlとを0℃、2Kg/cm2の水素圧条
件下で混合したものを、前記の重合体溶液に添加し、水
素分圧2.5Kg/cm2にて30分間反応させた。得
られた部分水素化重合体溶液から減圧乾燥により溶剤を
除去し重合体を取り出した(ブタジエンに由来する二重
結合の水添率は30%であった)。この部分水添ブロッ
ク共重合体300重量部を、シクロヘキサン1,500
重量部に溶解し、これに過酢酸の30重量%酢酸エチル
溶液300重量部を連続的に滴下し、撹拌下40℃で3
時間エポキシ化反応をおこなった。反応液を常温に戻
し、反応液と等量の純水で3回洗浄し、エポキシ化部分
水添ポリスチレンーポリイソプレンーポリスチレン共重
合体(ESEBS)の溶液を得た。この重合体溶液をス
チームストリッピングするに際して、分散剤の種類及び
量を、表1に示した通りに変更した以外は、実施例1と
同様の方法でエポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回
収をした。
【0029】[実施例6]ポリスチレンーポリイソプレ
ンーポリスチレン(SIS)のブロック共重合体(シェ
ル化学(株)製商品名:カリフレックスTR1111、
スチレンとイソプレンの重量比21/79)300重量
部をシクロヘキサン1,500重量部に溶解し、これに
過酢酸の30%酢酸エチル溶液222重量部を連続的に
滴下し、撹拌下40℃で3時間エポキシ化反応をおこな
った。反応液を常温に戻し、反応液と等量の純水で3回
洗浄し、エポキシ化ポリスチレンーポリイソプレンーポ
リスチレン重合体(ESIS)の溶液を得た。この重合
体溶液をスチームストリッピングするに際して、分散剤
の種類及び量を、表1に示した通りに変更した以外は、
実施例1と同様の方法でエポキシ化反応及び溶剤除去及
び重合体回収をした。
【0030】[実施例7]実施例1の方法において、ス
チームストリッピングに際して分散剤の量を変更し、さ
らに分散助剤として無水硫酸ナトリウムを5ppm(ス
チームストリッピング槽内の水に対する値)添加した以
外は、実施例1と同様の方法でエポキシ化反応及び溶剤
除去及び重合体回収をした。
【0031】
【表1】
【0032】表1における「分散性」は、スチームスト
リッピング槽内の重合体の分散状態を以下の基準にて判
定したものである。 ○:粒径20mm以内のクラムが水中に均一に分散し、
撹拌翼や器壁等に付着せず、しかもクラム相互間で凝集
がない状態。 △:重合体がクラムとなって水中に分散するものの、粒
子径も不揃いでクラムが部分的に塊状化したり、撹拌翼
や器壁等に若干付着したりしている状態。 ×:重合体がほとんどクラム分散化せず、数個の大きな
塊となったり、撹拌翼や器壁等へ多量に付着したりして
いる状態。
【0033】表1における「泡立ち性」は、スチームス
トリッピング槽内の泡立ち状態を以下の基準にて判定し
たものである。 ○:泡立ちがほとんど認められない、または若干認めら
れるが、運転上全く支障がない状態。 △:泡立ちが認められ間欠的に起泡するものの、運転に
若干支障がある状態。 ×:泡立ちが認められ連続的に起泡し、運転に支障があ
る状態。
【0034】[比較例1]実施例1の方法において、ス
チームストリッピングに際して分散剤を全く使用しなか
った以外は実施例1と同様の方法でエポキシ化反応及び
溶剤除去及び重合体回収をした。スチームストリッピン
グの状況を、下記の比較例と共に後記の表2にまとめて
示す。
【0035】[比較例2〜3]スチームストリッピング
に際して、分散剤の種類及び量を、表2に示した通りに
変更した以外は、実施例1と同様の方法でエポキシ化反
応及び溶剤除去及び重合体回収をした。
【0036】[比較例4]スチームストリッピングに際
して、分散剤として平均分子量30,000、POE
(ポリオキシエチレン)含量が50重量%のPOE−P
OP(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン)ブ
ロック共重合体を使用した以外は、実施例1と同様の方
法でエポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回収をし
た。
【0037】[比較例5]スチームストリッピングに際
して、分散剤の種類及び量を、表2に示した通りに変更
した以外は、実施例1と同様の方法でエポキシ化反応及
び溶剤除去及び重合体回収をした。
【0038】[比較例6]スチームストリッピングに際
して、分散剤として平均分子量8,000のポリオキシ
エチレンを使用した以外は、実施例1と同様の方法でエ
ポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回収をした。
【0039】[比較例7]実施例5の方法において、ス
チームストリッピングに際して分散剤の種類及び量を、
表2に示した通りに変更した以外は、実施例5と同様の
方法でエポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回収をし
た。
【0040】[比較例8]実施例6の方法において、ス
チームストリッピングに際して分散剤の種類及び量を、
表2に示した通りに変更した以外は、実施例6と同様の
方法でエポキシ化反応及び溶剤除去及び重合体回収をし
た。なお、表2において注1および注2の分散剤は、別
途合成した分散剤を使用した。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明により、ビニル芳香族炭化水素化
合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブ
ロック共重合体およびその水添物を、エポキシ化するこ
とにより合成されたエポキシ化ブロック共重合体の有機
溶剤スラリーもしくは有機溶液から、該エポキシ化ゴム
状重合体を容易に回収することが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体と
    する重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    又はその水添物をエポキシ化することにより得られたエ
    ポキシ化ブロック共重合体を、その有機溶剤スラリーも
    しくは有機溶液から回収するに際して、一般式(1):
    HO(C24O)a(C36O)b(C24O)cOH
    (ここで、a、b、cはいずれも1〜1,000の数字
    を示す)で表される平均分子量が3,000〜20,0
    00、ポリオキシエチレン含量が20〜90重量%であ
    る分散剤1〜20,000ppm(スチームストリッピ
    ング槽内の水に対する重量割合)の存在下にスチームス
    トリッピングすることを特徴とする、エポキシ化ブロッ
    ク共重合体の回収方法。
  2. 【請求項2】 スチームストリッピングするに際して、
    分散助剤としてK、Na、Mg、Ca、Al、Znから
    選択される金属の塩を、スチームストリッピング槽内の
    水に対して0.1〜10,000ppm添加して行なう
    ことを特徴とする、請求項1記載のエポキシ化ブロック
    共重合体の回収方法。
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