JP2022017191A - 感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の製造方法、感圧型接着剤、多層フィルム、及び包装体 - Google Patents

感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の製造方法、感圧型接着剤、多層フィルム、及び包装体 Download PDF

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直樹 谷口
Naoki Taniguchi
美香子 辻
Mikako Tsuji
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Abstract

【課題】粘着力が高く、フィルム外観性に優れた感圧型接着剤層を形成可能な感圧型接着剤用材料を提供する。【解決手段】少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態である、組成物Cと、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、を含有し、組成物Fの全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が1.5を超え3.0以下であり、組成物CのMFR値に対する組成物FのMFR値の比率が10以上100以下ある感圧型接着剤用材料。【選択図】なし

Description

本発明は、感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の製造方法、感圧型接着剤、多層フィルム、及び包装体に関する。
近年、感圧型接着剤層を含む多層フィルムを用いることにより再密封機能を発現させた包装材料が提案されている。これにより、押出成形可能な感圧型接着剤の需要が高まっている。
一般に、感圧型接着剤層を形成する方法としては、感圧型接着剤用ホットメルトを使った方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示されている感圧型接着剤層は、取り扱い性や粘着力の観点から、改善すべき余地を有している。
また、ブロッキングしにくく取り扱いが簡単で、かつ高い粘着力が発現可能な感圧型接着剤用組成物、感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の形成方法、感圧型接着剤、多層フィルム、及び包装体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2015-529715号公報 国際公開第2019/031354号
特許文献2には、粘着力が相対的に小さい2種類の粒子状の組成物を併せて押し出し機によって押し出すことによって、相対的に粘着力の大きい粘着層を形成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載されている方法は、2種類の粒子状の組成物を押し出す条件によっては、2種類の粒子がよく混合されないため、十分な粘着力が発現しなかったり、粒子の未溶融物が粘着層に残り、前記粘着層を含んだフィルムの外観を悪化させたりすることがあるという問題点を有している。
そこで、本発明においては、幅広い押出条件において十分な粘着力が発現でき、フィルムの外観が良好となる感圧型接着剤層を形成可能な、感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の製造方法、感圧型接着剤、多層フィルム、及び包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形状である組成物Cと、熱可塑性エラストマーDと粘着付与剤Eとを含み、これらが一体化した形態の組成物Fとを含有する感圧型接着剤用材料において、前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が所定の数値範囲であり、前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、β<x<αであるものとし、かつ、組成物Fと組成物CのMFRの比率が所定の数値範囲であるものとすることにより、上記従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマー質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)、及び条件(13)を満たす感圧型接着剤用材料。
β<x<α (1)
<条件(2)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(13)>
前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率が10以上100以下である。
〔2〕
前記組成物Cが粘着付与剤Bを、さらに含有し、かつ下記の条件(1)を満たす、
前記〔1〕に記載の感圧型接着剤用材料。
<条件(1)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
〔3〕
再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、
を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Cは下記の条件(1)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)を満たす感圧型接着剤用材料。
β<x<α (1)
<条件(1)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(2)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
〔4〕
再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Cは下記の条件(3)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(4)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、
全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの
質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)を満たす、感圧型接着剤用材料。
β<x<α (1)
<条件(3)>
前記組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
60質量%を超え80質量%未満であり、
前記組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
20質量%を超え40質量%未満である。
<条件(4)>
前記組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
20質量%を超え40質量%未満であり、
前記組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
60質量%を超え80質量%未満である。
〔5〕
前記粘着付与剤B、及び前記粘着付与剤Eが、
軟化点が130℃以下である炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
〔6〕
前記粘着付与剤B、又は前記粘着付与剤Eが、
芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
〔7〕
前記粘着付与剤B、又は前記粘着付与剤Eが、
芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物、及び/又はその誘導体である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
〔8〕
前記粘着付与剤Bが、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であり、
前記粘着付与剤Eが、芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
〔9〕
下記条件(5)を満たす、
前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の、感圧型接着剤用材料。
<条件(5)>
前記組成物Fの平均粒子質量Wfに対する、前記組成物Cの平均粒子質量Wcの比
(Wc/Wf)が、0.4以上2.5以下である。
〔10〕
下記条件(6)を満たす、
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
<条件(6)>
前記組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの比
(Lc/Lf)が、0.6以上1.4以下であり、
前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比
(lc/lf)が、0.6以上1.4以下である。
〔11〕
前記組成物Fの配合量に対する、前記組成物Cの配合量の比(配合質量比;C/F)が、0.45以上、2.00以下である、
前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料。
〔12〕
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含有し、粒子状の形態である組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含有し、粒子状の形態である組成物Fと、
を、併せて押し出し機によって押し出して、感圧型接着剤を得る押出工程を含む、
再密封包装用多層フィルムに含まれる、感圧型接着剤の製造方法であって、
前記組成物Cは下記の条件(7)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(8)を満たし、
前記押出工程において、
前記感圧型接着剤における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をyとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとする場合、
比率がyである感圧型接着剤の粘着力は、比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(2)を満たす、
感圧型接着剤の製造方法。
β<y<α (2)
<条件(7)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(8)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
〔13〕
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含有し、粒子状の形態である組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含有し、粒子状の形態である組成物Fと、
を、併せて押し出し機によって押し出して、感圧型接着剤を得る押出工程を含む、
再密封包装用多層フィルムに含まれる、感圧型接着剤の製造方法であって、
前記組成物Cは下記の条件(9)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(10)を満たし、
前記押出工程において、
前記感圧型接着剤における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をyとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとする場合、
比率がyである感圧型接着剤の粘着力は、比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(2)を満たす、
感圧型接着剤の製造方法。
β<y<α (2)
<条件(9)>
前記組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満であり、
前記組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満である。
<条件(10)>
前記組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満であり、
前記組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満である。
〔14〕
前記組成物Cと前記組成物Fとを、
前記押出工程の前段階で、前記各組成物をドライブレンドして、感圧型接着剤用材料Gを調製するドライブレンド工程を含む、
前記〔12〕又は〔13〕に記載の感圧型接着剤の製造方法。
〔15〕
下記条件(11)を満たす、前記〔12〕乃至〔14〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤の製造方法。
<条件(11)>
前記組成物Fの平均粒子質量Wfに対する前記組成物Cの平均粒子質量Wcの質量比率(Wc/Wf)が0.4以上2.5以下である。
〔16〕
下記条件(12)を満たす、前記〔12〕乃至〔15〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤の製造方法。
<条件(12)>
前記組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの比率
(Lc/Lf)が0.60以上1.40以下であり、
前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比率
(lc/lf)が0.60以上1.40以下である。
〔17〕
前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載の感圧型接着剤用材料を含有する、感圧型接着剤。
〔18〕
前記〔17〕に記載の感圧型接着剤を含有する、多層フィルム。
〔19〕
再密封包装用である、前記〔18〕に記載の多層フィルム。
〔20〕
前記〔18〕又は〔19〕に記載の多層フィルムを含む包装体。
本発明によれば、幅広い押出条件において十分な粘着力が発現し、フィルムの外観が良好となる感圧型接着剤層を形成可能な、感圧型接着剤用材料、感圧型接着剤の製造方法、感圧型接着剤、これらを用いた多層フィルム及び包装体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、下記の第1~第3の実施形態の感圧型接着剤用材料を含む。本明細書においては、これらを併せて本実施形態の感圧型接着剤用材料、と記載する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の感圧型接着剤用材料は、再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率
(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)、及び条件(13)を満たす感圧型接着剤用材料である。
β<x<α (1)
<条件(2)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(13)>
前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率が10以上100以下である。
なお、前記第1の実施形態においては、組成物Cが、粘着付与剤を含んでいてもよいものとする。
前記組成物Cが粘着付与剤Bを、さらに含有する場合、かつ下記の条件(1)を満たすものであることが好ましい。
<条件(1)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の感圧型接着剤用材料は、再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、
を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Cは下記の条件(1)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率
(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)を満たす感圧型接着剤用材料である。
β<x<α (1)
<条件(1)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(2)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の感圧型接着剤用材料は、再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、
を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
を、含有し、
前記組成物Cは下記の条件(3)を満たし、
前記組成物Fは下記の条件(4)を満たし、
前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)を満たす感圧型接着剤用材料である。
β<x<α (1)
<条件(3)>
前記組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
60質量%を超え80質量%未満であり、
前記組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
20質量%を超え40質量%未満である。
<条件(4)>
前記組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
20質量%を超え40質量%未満であり、
前記組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
60質量%を超え80質量%未満である。
第1の実施形態の感圧型接着剤用材料において、組成物Fが<条件(2)>、組成物Cが<条件(1)>、第2の実施形態の感圧型接着剤用材料において、組成物Cが<条件(1)>、組成物Fが<条件(2)>の構成を備えることにより、粘着力が弱くなるためブロッキングしにくく、取り扱いが容易となる。
また、組成物Cと組成物Fとを併用することにより、混合物としては熱可塑性エラストマーと粘着付与剤との組成比を粘接着剤として適正化でき、優れた粘接着力を発揮でき、かつ幅広い押し出し機の運転条件で両者を溶融混合できる。
すなわち、本実施形態の感圧型接着剤用材料は、粘着付与剤、熱可塑性エラストマーの比率の異なる組成物C、組成物Fを併用することにより、低温、短時間等、異組成の成形体の均一化に向かない条件下でも溶融混合できるため、押し出し機の押出条件を厳密に制御しなくとも、比較的均質で、所期の粘着力を発揮しうる感圧型接着剤の層を形成することができる。
本明細書中、「一体化した形態」とは、固体として一つにまとまっている形態を言う。
少なくとも熱可塑性エラストマーと粘着付与剤とを含む組成物が溶融混練されて均質な成形体(ペレット、ビーズ等)となっている形態は、一体化した形態の好ましい形態の一つであるが、成形体内が均質化されていることは必須ではなく、各成分が単体のまま融着している状態であってもよい。
第1の実施形態の<条件(2)>、第2の実施形態の<条件(2)>においては、組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
組成物Fにおいて、(全粘着付与剤の質量/全熱可塑性エラストマーの質量)の下限値は、1.6より大きいことが好ましく、1.7より大きいことがより好ましく、1.9より大きいことがさらに好ましい。
全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比の下限が上記範囲内であることにより、組成物Fの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、組成物F中の全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比(全粘着付与剤の質量/全熱可塑性エラストマー)の上限は、2.9以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましく、2.7以下であることがさらに好ましい。
全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比の上限が上記範囲内であることにより、粒子状の組成物の流動性が上昇し、組成物Cの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる。その結果、組成物Fと組成物Cとで均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
第1の実施形態の感圧型接着剤用材料の<条件(1)>、及び第2の実施形態の感圧型接着剤用材料の<条件(1)>においては、組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)は、1.5を超え、3.0以下であるものとする。
(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)の下限値は、1.8より大きいことが好ましく、2.0より大きいことがより好ましく、2.2より大きいことがさらに好ましい。
全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比の下限が上記範囲内であることにより、組成物Cの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、組成物C中の全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)の上限は2.8以下であることが好ましく、2.6以下であることがさらに好ましく、2.4以下であることがさらに好ましい。
全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比の上限が上記範囲内であることにより、粒子状の組成物Cの流動性が上昇し、組成物Fの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる。その結果、組成物Cが、組成物Fと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
また、第3の実施形態の感圧型接着剤用材料においては、組成物Cは、<条件(3)>において、組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの割合が、60質量%を超え80質量%未満である。好ましくは63~77質量%であり、より好ましくは65~75質量%である。
また、第3の実施形態の感圧型接着剤用材料においては、組成物Cは、<条件(3)>において、組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満である。好ましくは23~37質量%であり、より好ましくは25~35質量%である。
組成物Cが、上記の<条件(3)>の構成を備えることにより、粘着力が弱くなるため、ブロッキングしにくくなり、取り扱いが容易となる。
また、第3の実施形態の感圧型接着剤用材料においては、組成物Fは、<条件(4)>において、組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの割合が、20質量%を超え40質量%未満である。好ましくは23~37質量%であり、より好ましくは25~35質量%である。
また、第3の実施形態の感圧型接着剤用材料においては、組成物Fは、<条件(4)>において、組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満である。好ましくは63~77質量%であり、より好ましくは65~75質量%である。
組成物Cが、上記の<条件(4)>の構成を備えることにより、粘着力が弱くなるため、ブロッキングしにくくなり、取り扱いが容易となる。
第1の実施形態の感圧型接着剤用材料においては、組成物Fは、<条件(13)>において、組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率が10以上100以下である。
本実施形態の感圧型接着剤用組成物は、組成物Fが、<条件(13)>を満たすことにより、取り扱い性を担保しながら、前記組成物C及び組成物Fがより均一に混合しやすい傾向にある。
前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率の下限は、10以上であり、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、30以上であることがさらに好ましい。
前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率の下限値が上記範囲内であることにより、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にある。
また、前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率の上限は、100以下であり、80以下であることが好ましく、70以下であることがより好ましく、65以下であることがさらに好ましく、60以下であることがさらにより好ましい。
前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率の上限値が上記範囲内であることにより、前記組成物C及びFの流動性を近くすることができ、押し出し機中で溶融するまでの時間や溶融時の粘度が近づくことにより、より均一に混合しやすい傾向にある。その結果として適切な比率に近づきやすくなり粘着力が向上する傾向にある。また、未溶融物が残りにくくなり、フィルムの外観が良化する傾向にある。
前記<条件13>を達成するための方法として、以下の方法が挙げられる。これらの方法のうちのいずれか一種を選択してもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
(1)組成物F、組成物Cの熱可塑性エラストマーと粘着付与剤の比率を調整する。
(2)組成物F、組成物Cの各熱可塑性エラストマーの構造の設計を行う。
(3)組成物F、組成物Cの各熱可塑性エラストマーの分子量を調整する。
(4)組成物F、組成物Cの各粘着付与剤の選択を行う。
前記(1)の方法において、組成物F及び組成物Cが同じ熱可塑性エラストマーを含有するものとする場合、組成物Fのみが粘着付与剤を含有すると、組成物C及び組成物FのMFR値の差が大きくなりやすい傾向にある。
また、β<x<α 式(1)、の関係を満たす範囲で、組成物Cも粘着付与剤を含有するようにすることによって、<条件13>を満たすように制御することができる。
前記(1)の方法において、組成物Fと、組成物Cとが、異なる熱可塑性エラストマーを含有するものとすることにより、MFR値を調整してもよい。
組成物Fと組成物Cとが、異なる熱可塑性エラストマーを含有する態様としては、前記(2)の方法のように、各々の熱可塑性エラストマーの構造が異なるものとすることにより、熱可塑性エラストマーのMFR値を調整する態様や、前記(3)の方法にように、構造は共通させつつ、熱可塑性エラストマーの分子量が異なるように設定する態様が考えられる。
組成物Cと組成物Fの熱可塑性エラストマーの分子量が同等のとき、熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族単量体単位の含有量が少ないほど、共役ジエン単量体中のビニル構造単量体単位の含有量が多いほど、分岐構造が少ないほど、共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率が低いほど、熱可塑性エラストマーのMFR値は大きくなる傾向にある。
組成物Fと、組成物Cとが、分子量が同等で異なる構造を有する熱可塑性エラストマーを含有する場合、組成物Cが組成物Fよりも、ビニル芳香族単量体単位の含有量が少なく、共役ジエン単量体中のビニル構造単量体単位の含有量が多く、分岐構造が少なく、共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率が低い構造を有する熱可塑性エラストマーを含有した方が、前記<条件13>を達成しやすい傾向にある。
組成物C、組成物Fに含まれる熱可塑性エラストマーの構造は、上述した要件を踏まえて、MFR値の比率が、前記<条件(13)>を満たすように設定されればよい。ただし、<条件(13)>で特定しているのは熱可塑性エラストマーのMFR値ではなく、粘着付与剤等を含んでもよい組成物C、組成物FのMFR値であるので、熱可塑性エラストマー単体のMFR値でなく、組成物C及び組成物FとしてのMFR値を調整する点に留意が必要である。
例えば、組成物Fが流動性の高い粘着付与剤を含有する場合、組成物Cに粘着付与剤を添加しない場合には、組成物Cの方にMFR値がより高い熱可塑性エラストマーを採用することが好ましい。
組成物C、組成物Fに含まれる熱可塑性エラストマーの分子構造が同等のとき、熱可塑性エラストマーは、分子量が低いほど熱可塑性エラストマーのMFR値は大きくなる傾向にある。
組成物Fと、組成物Cとが、構造が同等で分子量が異なる熱可塑性エラストマーを含有する場合、組成物Cが組成物Fよりも、分子量が低い熱可塑性エラストマーを含有した方が、前記<条件(13)>を達成しやすい傾向がある。
上述したように、組成物C、組成物Fの流動性(MFR値)は、組成物C及びF中に含有されている熱可塑性エラストマーの構造を調整することによって制御可能であるが、2種類の粒子状の組成物Cと組成物Fを併せて押し出し機によって押し出す際、混合性が向上し、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する観点から、 前記組成物C及び組成物Fは、それぞれ少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーと少なくとも1種類の粘着付与剤を含有するものであることが好ましい。
また、組成物C、組成物Fに含まれる粘着付与剤を、適切に選択することにより、組成物C、組成物FのMFR値の比率を制御することも可能である。
粘着付与剤は、一般的に、熱可塑性エラストマーよりもはるかに流動性が高いため、組成物Fのみが粘着付与剤を含有する場合には、MFR値が低い粘着付与剤を選択する方が、前記<条件(13)>を満たしやすい傾向にある。
また、軟化点が低い粘着付与剤を使用するほど、熱可塑性エラストマーと組み合わせた場合の組成物C、組成物FのMFR値が大きくなる傾向にある。
粘着付与剤は、天然物など、構造が特定されていなかったり一様でなかったりする場合が多いため、一概には言えないが、粘着付与剤の軟化点は分子量に影響を受けると考えられ、同じ構造の粘着付与剤で比較したとき、分子量が低く、軟化点が低い粘着付与剤を使用した方が、MFR値は大きくなる傾向にあり、このように分子量及び軟化点から、組成物C、Fの流動性を予測することができる。
しかしながら、粘着付与剤の分子量及び軟化点だけでなく、粘着付与剤の構造によっても組み合わせる熱可塑性エラストマーとの相溶性が変わり、かかる粘着付与剤と熱可塑性エラストマーの相溶性が組成物C、Fの流動性に影響すると考えられる。そのため、粘着付与剤の分子量及び軟化点のみをもってしては、一概に流動性を決定することは困難であると考えられる。よって、粘着付与剤の分子量及び軟化点の他、粘着付与剤と熱可塑性エラストマーの相溶性を考慮に入れて、粘着付与剤を選択することにより、前記<条件(13)>を達成しやすい傾向にある。
流動性(MFR値)は、組成物中に含有する粘着付与剤の構造によって制御可能であるが、2種類の粒子状の組成物C、組成物Fを、併せて押し出し機によって押し出す際、混合性が向上し、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する観点、及び外観や臭気の特性が良好となる観点から、前記組成物C及び組成物Fは、それぞれ少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーと少なくとも1種類の粘着付与剤を含有することが好ましい。
また、同様の観点から、組成物Cに含まれる粘着付与樹脂B、組成物Fに含まれる粘着付与剤Eは、軟化点が130℃以下である炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体であることが好ましい。
前記<条件(13)>を満たすためには、組成物C及び/又は組成物Fの流動性(MFR値)を調整することが有効である。
具体的には、後述するメルトフローレート(MFR)の測定方法に従って測定した場合、組成物CのMFR値は、0.6g/min以上であることが好ましく、1.2g/min以上であることがより好ましく、1.8g/min以上であることがさらに好ましく、2.4g/min以上であることがさらにより好ましく、3.0g/min以上であることがよりさらに好ましい。
組成物CのMFR値が前記範囲内であることにより、組成物Fの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に、2種類の粒子状の組成物C、組成物Fに均等に力がかかりやすくなり、組成物Cが、組成物Fと均一に混合する傾向にあるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
また、組成物FのMFR値は、後述するメルトフローレート(MFR)の測定方法に従って測定した場合、400g/min以下であることが好ましく、390g/min以下であることがより好ましく、380g/min以下であることがさらに好ましく、370g/min以下であることがさらにより好ましく、350g/min以下であることがよりさらに好ましい。
組成物FのMFR値が上記範囲内であることにより、組成物Cの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に、2種類の粒子状の組成物C、組成物Fに均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Cと組成物Fとが均一に混合する傾向にあるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
第1の実施形態の感圧型接着剤用材料に含まれる組成物Cは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態を有する。
また、第2及び第3の実施形態の感圧型接着剤用材料に含まれる組成物Cは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含み、これらが一体化した、粒子状の形態を有する。
第1~第3の実施形態の感圧型接着剤用材料に含まれる組成物Fは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含み、これらが一体化した粒子状の形態を有する。
熱可塑性エラストマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、粘着付与剤においても1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
すなわち、組成物C、組成物Fは、多種の熱可塑性エラストマー、粘着付与剤を含んでいてもよく、特定の熱可塑性エラストマーA、Dや、粘着付与剤B、Eのみを含む形態に限定されない。
組成物Cは、熱可塑性エラストマーA及び粘着付与剤B以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)も適宜含んでもよい。
また、組成物Fは、熱可塑性エラストマーD及び粘着付与剤E以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)も適宜含んでもよい。
前記他の成分としては、軟化剤等が挙げられる。
軟化剤とは、組成物C、組成物Fの硬度を下げ、粘度を低下させる働きを有するものをいう。
軟化剤としては、以下に限定されないが、例えば、オイル類;可塑剤;合成液体オリゴマー;並びに、それらの混合物が挙げられる。
組成物C、組成物Fの粘度低下、粘着性向上、低硬度化の観点からは、オイル類を好適に用いることができる。オイル類としては、以下に限定されないが、例えば、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、及びこれらの混合オイル等が挙げられる。
軟化剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料を、食品包材に使用する場合には、軟化剤のブリードアウトによる軟化剤の食品への転着を抑制する観点から、軟化剤の含有量は、組成物C、組成物F全体に対して、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含まないことがさらにより好ましい。この「実質的に含まない」とは、積極的に添加はしないが、生産プラントや材料などに回避不能な程度に混入する程度の量までをも排除しないことを言う。
本実施形態の感圧型接着剤用材料を構成する組成物C、組成物Fは、粒子状の形態である。
ここでいう粒子状とは、ペレット形状やビーズ形状、クラム形状、デンスペレット形状等と呼ばれるものであり、各粒子のサイズが略均一であるものを言う。各粒子のサイズが略均一であることにより押し出し成形時の分級を防ぎ、均一性の高い感圧型接着剤を形成しやすい傾向にある。
本実施形態の感圧型接着剤用材料を構成する組成物C、組成物Fは、より一層ブロッキングしにくく取り扱い性に優れる観点から、粘着性能が低いことが好ましい。
「粘着性能が低い」とは、組成物C、組成物Fよりなる層を、基材上に形成し、後述する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、15.0N/10mm以下であることをいう。前記粘着力は、同様の観点から、14.0N/10mm以下であることが好ましく、13.0N/10mm以下であることがより好ましく、12.0N/10mm以下であることがさらに好ましく、10.0N/10mm以下であることがさらにより好ましく、5.0N/10mm以下であることがよりさらに好ましく、1.0N/10mm以下であることが特に好ましい。
また、同様の観点から後述する「タック力の測定法」(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、タック力が10.0N/5mmΦ以下であることが好ましく、8.0N/5mmΦ以下であることがより好ましく、6.0N/5mmΦ以下であることがさらに好ましく、5.0N/5mmΦ以下であることがさらにより好ましく、3.0N/5mmΦ以下であることがよりさらに好ましく、1.0N/5mmΦ以下であることが特に好ましい。
(熱可塑性エラストマーA、D)
組成物C、組成物Fは、それぞれ、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーA、熱可塑性エラストマーDを含有する。
熱可塑性エラストマーA、Dは、それぞれ、組成物C、組成物F中に含まれる、ある特定の熱可塑性エラストマーであるが、組成物C、組成物Fには、その他の熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。
まず、組成物Cを構成する熱可塑性エラストマーAについて、以下説明する。組成物Fを構成する熱可塑性エラストマーDについては、後述する。
(熱可塑性エラストマーA)
熱可塑性エラストマーAは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
一方、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、強い粘着力を発現しやすいという観点からは、熱可塑性エラストマーAは、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含む、ブロック共重合体であることが好ましい。
「ビニル芳香族単量体単位」とは、1つのビニル芳香族炭化水素化合物を重合させた結果生じる構造を示し、「共役ジエン単量体単位」とは、1つの共役ジエン化合物を重合させた結果生じる構造を示す。
ビニル芳香族炭化水素化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン及びp-ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン;p-メトキシスチレン等のアルコキシスチレン;ビニルナフタレン等が挙げられる。これらのなかでも、ビニル芳香族炭化水素化合物としては、スチレンが好ましい。
ビニル芳香族炭化水素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン化合物としては、共役二重結合を有するジオレフィンであれば特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。
これらのなかでも、共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。さらに、1,3-ブタジエンを用いることによって耐熱老化性及び耐光性に優れた感圧型接着剤となる傾向があるため特に好ましい。また、1,3-ブタジエンを用いることによって耐熱老化性が向上することにより、押し出し機中での加熱による劣化が抑制され、性能低下が起きにくく、臭気が悪化しない傾向になるため好ましい。イソプレンを用いる場合、感圧型接着剤の柔軟性が向上する傾向になるため好ましい。
共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)」とは、重合体ブロック(A)全体に対するビニル芳香族単量体単位の割合が50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
また、「共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)」とは、重合体ブロック(B)全体に対する共役ジエン単量体単位の割合が50質量%を超え、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
熱可塑性エラストマーA中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。ビニル芳香族単量体単位の含有量が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、より一層高い保持力を発現する感圧型接着剤用材料が得られるという観点から、前記含有量の下限は12質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。また、より一層高い粘着力を発現する感圧型接着剤用材料が得られるという観点から、ビニル芳香族単量体単位の含有量の上限は35質量%以下であることが好ましく、32質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることがさらにより好ましい。
前記含有量は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。
組成物C中に、少なくとも含まれる熱可塑性エラストマーAは、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層強い粘着力を発現しやすい観点から、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを有し、重合体ブロック(A)の数が1つであるブロック共重合体(C)を含むことが好ましい。
前記熱可塑性エラストマーA中のブロック共重合体(C)の含有量は、10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。ブロック共重合体(C)の含有量が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層高いタック力を発現する感圧型接着剤用材料が得られるという観点から、前記熱可塑性エラストマーAにおいて、ブロック共重合体(C)の含有量は30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることがさらにより好ましく、60質量%以上であることがよりさらに好ましい。
さらに、より一層高い保持力を発現する感圧型接着剤用材料が得られるという観点から、前記熱可塑性エラストマーAにおいて、ブロック共重合体(C)の含有量は80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましく、70質量%以下であることがさらにより好ましく、65質量%以下であることがよりさらに好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
前記熱可塑性エラストマーAを構成する、重合体ブロック(A)の数が1つであるブロック共重合体(C)の重量平均分子量は3万以上20万以下であることが好ましい。ブロック共重合体(C)の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したときより、優れた粘着力及びタック力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、より一層高軟化点特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる観点から、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量は4万以上であることがより好ましく、5万以上であることがさらに好ましく、6万以上であることがさらにより好ましく、7万以上であることがよりさらに好ましく、8万以上であることが特に好ましい。
さらに、組成物Cを、組成物Fと混合したときより一層優れた粘着力及びタック力、並びに低溶融粘度特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られるという観点から、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量は18万以下であることがより好ましく、15万以下であることがさらに好ましく、13万以下であることがさらにより好ましく、12万以下であることがよりさらに好ましい。
重合体ブロック(A)の数が1つであるブロック共重合体(C)の構造としては、特に限定されないが、例えば、(A-B)、(A-B)X、(B-A)X、(B-A-B)、(B-A-B)X(Aは重合体ブロック(A)を示し、Bは重合体ブロック(B)を示し、Xはカップリング剤の残基又は重合開始剤の残基を示す。)等が挙げられる。
これらのなかでも、式(A-B)又は式(A-B)Xによって表されるジブロック共重合体が好ましい。
ブロック共重合体(C)がこのような構造を有することにより、組成物Cと組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい傾向にある。
また、熱可塑性エラストマーAは、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対する重量平均分子量比が1.5以上2.5未満である成分(ブロック共重合体(D―1)、すなわち(ブロック共重合体(D-1)のMw/ブロック共重合体(C)のMw)=1.5以上2.5未満)である成分をさらに含むことが好ましい。
ブロック共重合体(D-1)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比は、好ましくは1.6以上2.4未満であり、より好ましくは1.7以上2.3未満である。
ブロック共重合体(D-1)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、前記熱可塑性エラストマーAは、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対する重量平均分子量比が2.5以上3.4未満である成分(ブロック共重合体(D―2)、すなわち(ブロック共重合体(D-2)のMw/ブロック共重合体(C)のMw)=2.5以上3.4未満)である成分をさらに含むことが好ましい。
ブロック共重合体(D-2)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比は、好ましくは2.6以上3.3未満であり、より好ましくは2.7以上3.2未満である。ブロック共重合体(D-2)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、熱可塑性エラストマーAは、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対する重量平均分子量比が3.4以上4.5未満である成分(ブロック共重合体(D―3)、すなわち、(ブロック共重合体(D-3)のMw/ブロック共重合体(C)のMw)=3.4以上4.5未満)である成分をさらに含むことが好ましい。
ブロック共重合体(D-3)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比は、好ましくは3.5以上4.4未満であり、より好ましくは3.6以上4.3未満である。ブロック共重合体(D-3)/ブロック共重合体(C)の重量平均分子量比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい傾向にある。
ブロック共重合体(D-1)のGPC溶出曲線における面積比は、熱可塑性エラストマーAのGPC溶出曲線における総面積=1に対し、0.00以上0.20以下であることが好ましく、0.01以上0.10以下であることがより好ましく、0.02以上0.08以下であることがさらに好ましい。
ブロック共重合体(D-1)のGPC溶出曲線における面積比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を有する感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、ブロック共重合体(D-2)のGPC溶出曲線における面積比は、熱可塑性エラストマーAのGPC溶出曲線における総面積=1に対し0.10以上0.50以下であることが好ましく、0.12以上0.45以下であることがより好ましく、0.13以上0.4以下であることがさらに好ましい。
ブロック共重合体(D-2)のGPC溶出曲線における面積比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を有する感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
ブロック共重合体(D-3)のGPC溶出曲線における面積比は、熱可塑性エラストマーAのGPC溶出曲線における総面積=1に対し、0.10以上0.50以下であることが好ましく、0.12以上0.45以下であることがより好ましく、0.13以上0.4以下であることがさらに好ましい。
ブロック共重合体(D-3)のGPC溶出曲線における面積比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を有する感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
ブロック共重合体(D-2)のGPC溶出曲線における面積と、ブロック共重合体(D-1)のGPC溶出曲線における面積との比(ブロック共重合体(D-2)/ブロック共重合体(D-1)は、1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.8以上であることがさらに好ましい。
GPC溶出曲線における面積比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を有する感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
ブロック共重合体(D-3)のGPC溶出曲線における面積とブロック共重合体(D-1)のGPC溶出曲線における面積との比(ブロック共重合体(D-3)/ブロック共重合体(D-1))は、1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.8以上であることがさらに好ましい。
GPC溶出曲線における面積比が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を有する感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
ブロック共重合体(C)に対する、ブロック共重合体(D-1)、ブロック共重合体(D-2)及びブロック共重合体(D-3)の重量平均分子量比、並びに、ブロック共重合体(D-1)、ブロック共重合体(D-2)、及びブロック共重合体(D-3)のGPC溶出曲線における面積比は、カップリング反応の条件、具体的には、カップリング剤の種類、その添加量、反応温度、及び反応時間を調整することにより、上記範囲内に制御することができる。例えば、カップリング剤として官能基を4つ含有する化合物を選択することにより、重量平均分子量比及びGPC溶出曲線における面積比を制御することができる。
ブロック共重合体(D-1)、ブロック共重合体(D-2)、及びブロック共重合体(D-3)の構造としては、特に限定されず、単一の構造のもののみからなっていても、複数種類の構造を有するものの混合物であってもよい。
例えば、[(A-B)Nm、[(A-B)NmX、[(B-A)NmX、[(A-B)NA]mX、[(B-A)NB]mX(Aはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)を示し、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を示し、Xはカップリング剤の残基又は重合開始剤の残基を示し、Nは1~5、mは2~8(好ましくは2~6、より好ましくは2~4))等が挙げられる。
これらのなかでも、ブロック共重合体(D-1)は、式(A-B)2Xによって表される2分岐ブロック共重合体(以下、「2官能ブロック共重合体」ともいう。)が好ましい。
ブロック共重合体(D-2)は、式(A-B)3Xによって表される3分岐ブロック共重合体(以下、「3官能ブロック共重合体」ともいう。)が好ましい。
また、ブロック共重合体(D-3)は、式(A-B)4Xで表される4分岐ブロック共重合体(以下、「4官能ブロック共重合体」ともいう。)が好ましい。
3分岐ブロック共重合体及び4分岐ブロック共重合体を含有することにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率Hは、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは25モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上であり、さらにより好ましくは35モル%以上であり、よりさらに好ましくは40モル%以上であり、特に好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である。
前記水素添加率Hが上記範囲内であることにより、より一層優れた耐熱安定性が発現しやすい傾向にある。
また、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率Hは好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは75モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以下であり、さらにより好ましくは65モル%以下であり、よりさらに好ましくは60モル%以下であり、特に好ましくは55モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下である。
前記水素添加率Hが上記範囲内であることにより、低いTgを持ち、より低温まで優れた粘着力が発現しやすい組成物Cが得られる傾向にある。
また、粘着付与剤との相溶性が向上し、より一層優れた粘着力を発現しやすい傾向にある。
さらに、組成物Fとより一層均一に混合し、押し出した際に形成される感圧型接着剤用材料の粘着力の面内均一性がより一層向上する傾向にあり、またフィッシュアイの形成がより一層抑制される傾向にある。
(粘着付与剤B、D)
組成物Cは、少なくとも1種類の粘着付与剤Bを含有する。粘着付与剤Bは、組成物C中に含まれる、ある特定の粘着付与剤であるが、組成物Cには、その他の粘着付与剤を含んでいてもよい。
また、組成物Fは、少なくとも1種類の粘着付与剤Eを含有する。粘着付与剤Eは、組成物F中に含まれる、ある特定の粘着付与剤であるが、組成物Fには、その他の粘着付与剤を含んでいてもよい。
粘着付与剤B、Dは、樹脂の形態(粘着付与樹脂)であってよく、得られる感圧型接着剤用材料の用途、要求性能によって、多種多様に選択することができる。
組成物C、組成物Fが、少なくとも含む、粘着付与剤B、Dとしては、以下に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル等のロジン系化合物;天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂の水素添加誘導体、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加誘導体、テルペン樹脂(モノテルペン、ジテルペン、トリテルペン、ポリペルテン等)、水素添加テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂の水素添加誘導体等のテルペン系化合物;脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂の水素添加物、芳香族石油炭化水素樹脂の水素添加物の誘導体、芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物、及び/又はその誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加物及びその誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加物及びその誘導体等の石油炭化水素系化合物、芳香族基含有樹脂が挙げられる。
これらの粘着付与剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、C5/C9共重合系とは、C5留分とC9留分の混合物を原料として重合した共重合石油樹脂である。
以下、用途及び性能に応じた好ましい粘着付与剤B、Dについて、より具体的に説明する。
着色の抑制及び臭気の低さの観点から、組成物C、Fが、少なくとも含む、粘着付与剤B、Dは、水素添加物及びその誘導体が好ましい。
水素添加物及びその誘導体としては、以下に限定されないが、例えば、芳香族変性テルペン樹脂の水素添加物及びその誘導体、テルペンフェノール樹脂の水素添加物及びその誘導体、水素添加テルペン樹脂の水素添加物及びその誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加物及びその誘導体、C5/C9共重合系樹脂の水素添加物及びその誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加物及びその誘導体が挙げられる。
これらのなかでも特に芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加物及びその誘導体、水素添加テルペン樹脂の水素添加物及びその誘導体等が好ましい。
このような水素添加物及びその誘導体の市販品としては、特に限定されないが、荒川化学社製のアルコンP及びMシリーズ(商品名)、イーストマンケミカル社製のRegalite Rシリーズ、出光興産社製のアイマーブS及びPシリーズ、エクソンモービルケミカル社製のエスコレッツ5000シリーズ(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンPシリーズ、Kolon社製のスコレッツSU400シリーズ等が挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーA、Dとよく相溶し、優れた粘着力を発現する感圧型接着剤用材料が得られる観点から、粘着付与剤B、Eは、軟化点が130℃以下である炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体であることが好ましい。
粘着付与剤B、Eの軟化点の下限値は、90℃以上であることが好ましく、93℃以上がより好ましく、95℃以上であることがさらに好ましい。前記粘着付与剤B、Eの軟化点が上記範囲内にあることにより、より一層優れた粘着力を発現する。
また、前記軟化点の上限値は、128℃未満であることが好ましく、126℃未満がより好ましく、125℃未満であることがさらに好ましい。前記粘着付与剤B、Eの軟化点が上記範囲内にあることにより、より一層優れた粘着力を発現する。
粘着付与剤B、Eの軟化点は、当該粘着付与剤B、Eの構造や重合度、分子量等、様々な要素を調整することによって制御でき、熱可塑性エラストマーA、Dとの相溶性の他、感圧型接着剤用材料の粘着力にも関係しうる。分子量によって軟化点を制御し、色や臭気の観点で樹脂の種類を選択することは好ましい態様である。
上述した各種の水素添加物及びその誘導体以外の粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル;天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂;脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、ジシクロペンタジエン系樹脂、C5/C9共重合系樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂が挙げられる。
これらのなかでも、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、C5/C9共重合系樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、テルペン樹脂、天然及び変性ロジンエステル、並びに、それらの混合物が好ましい。
市販品としては、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)として、例えば、日本ゼオン社製のクイントン100シリーズ(商品名)、エクソンモービルケミカル社製のエスコレッツ1000シリーズ、クレイバレー製のWINGTACKシリーズ(商品名)が挙げられ、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、C5/C9共重合系樹脂としては、例えば、イーストマンケミカル社製のPICCOTACシリーズ(商品名)、エクソンモービルケミカル社製のエスコレッツ2000シリーズ(商品名)、三井化学社製のFTRシリーズ(商品名)が挙げられ、テルペン系樹脂、天然及び変性ロジンエステルとしては、アリゾナケミカル社製のSYLVALITEシリーズ、SYLVARESシリーズ(商品名)、PINOVA社製のPICCOLYTEシリーズ(商品名)、ヤスハラケミカル社製のYSレジンPXシリーズ(商品名)等が挙げられる。
組成物Cが、少なくとも含む粘着付与剤Bとしては、上述した熱可塑性エラストマーAとの相溶性の観点から、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、C5/C9共重合系樹脂、及びこれらの水素添加誘導体から選ばれる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
組成物Fが、少なくとも含む粘着付与剤Eとしては、後述する熱可塑性エラストマーDとの相溶性の観点から、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、C5/C9共重合系樹脂、及びこれらの水素添加誘導体から選ばれる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力、及び高い保持力を発現する感圧型接着剤用材料を得る観点、及び熱可塑性エラストマーDと高い相溶性を示し、押し出し機で同時に押し出した際により一層均一な感圧型接着剤用材料が得られやすいという観点から、組成物Cが、少なくとも含む、粘着付与剤Bとしては、テルペン樹脂がより好ましい。テルペン樹脂としては、特に限定されないが、ヤスハラケミカル社製のYSレジンPXシリーズ(商品名)等を好ましく用いることができる。
組成物Cを、組成物Fと混合したとき、高い粘着力及び高い保持力を発現しやすい感圧型接着剤用材料を得ること、並びに経済性の観点からは、組成物Cが、少なくとも含む、粘着付与剤Bとしては、脂肪族系粘着付与剤が好ましい。
脂肪族系粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加物及びその誘導体が挙げられる。
なお、脂肪族系粘着付与剤とは、脂肪族炭化水素基の含有量が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは88質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上である粘着付与剤をいう。
脂肪族炭化水素基の含有量が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、より一層優れた粘着力及び保持力が発現しやすく、経済性がより一層優れる傾向にある。
脂肪族系粘着付与剤は、脂肪族基及び重合可能な不飽和基を有するモノマーを単独重合又は共重合させることにより製造することができる。
脂肪族基及び重合可能な不飽和基を有するモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、C5又はC6シクロペンチル又はシクロヘキシル基を含む、天然及び合成のテルペンが挙げられる。
また、共重合において用い得るその他のモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、シス-1,3-ペンタジエン、トランス-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-2-ブテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、テルペン、テルペン-フェノール樹脂等が挙げられる。
組成物Cを、組成物Fと混合したとき、高い接着力、及び高い塗工性を有する感圧型接着剤用材料を得る観点からは、組成物Cが、少なくとも含む、粘着付与剤Bとしては、芳香族系粘着付与剤が好ましい。
芳香族系粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)及びC5/C9共重合系樹脂が挙げられる。
なお、芳香族系粘着付与剤とは、芳香族系炭化水素基の含有量が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは88質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上である粘着付与剤をいう。
芳香族系炭化水素基の含有量が上記範囲内であることにより、組成物Cを、組成物Fと混合したとき、粘着力がより一層向上する傾向にある。
芳香族系粘着付与剤は、芳香族基及び重合可能な不飽和基をそれぞれ有するモノマーを単独重合又は共重合させることにより製造することができる。
芳香族基及び重合可能な不飽和基をそれぞれ有するモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、TERT-ブチルスチレン、クロロスチレン、インデンモノマー(メチルインデンを含む)が挙げられる。
また、共重合において用い得るその他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、シス-1,3-ペンタジエン、トランス-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-2-ブテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、テルペン、テルペン-フェノール樹脂等が挙げられる。
組成物Cを、組成物Fと混合したとき、高い接着力を得る観点、及び接着力の経時変化抑制又はクリープ性能(値が小さい方が良好)の観点から、組成物C中には、組成物Cが、少なくとも含む、粘着付与剤Bとして、ブロック共重合体の非ガラス相のブロック(通常は中間ブロック)と親和性のある粘着付与剤を20~75質量%、かつブロック共重合体のガラス相のブロック(通常は外側ブロック)に親和性のある粘着付与剤を3~30質量%含有することがより好ましい。
ブロック共重合体のガラス相のブロックに親和性のある粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、分子間に芳香族環を有する樹脂が好ましい。
このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトルエン、スチレン、α-メチルスチレン、クマロン、又はインデンを構成単位として含有する単独重合体又は共重合体などの芳香族基含有樹脂が挙げられる。さらに、これらの中で、α-メチルスチレンを有するKristAlExやPlAstolyN(イーストマンケミカル社製、商品名)が好ましい。
ブロック共重合体のガラス相のブロックに親和性のある粘着付与剤の含有量は、組成物C100質量%に対して、好ましくは3~30質量%であり、より好ましくは5~20質量%であり、さらに好ましくは6~12質量%である。
高い初期接着力、高い濡れ性、低い溶融粘度又は高い塗工性等の観点から、粘着付与剤としては、アロマ含有率が3~12質量%である石油樹脂が好ましい。このような石油樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及びその誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加物及びその誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加物及びその誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加物及びその誘導体が挙げられる。
当該石油樹脂のアロマ含有率は、好ましくは3~12質量%であり、より好ましくは4~10質量%である。これらのなかでも、特に、水素添加の石油樹脂が好ましい。
また、本実施形態の感圧型接着剤用材料において、前記粘着付与剤Bは、優れた粘着力の発現及び生産性の観点から、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であることが好ましい。
前記粘着付与剤Bが、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であることにより、前記組成物Cの粒子が、複数個、付着してしまう(例えば、ペレットが2~3個つながった状態になってしまう)ことを防止でき、粒子状に生産することが可能になる。
また、前記粘着付与剤Eは、優れた粘着力の発現、低温特性、生産性の観点から、芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であることが好ましい。
前記粘着付与樹脂Eが、芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であることにより、前記組成物Fの粒子を、均一な形状、すなわち複数個が付着しておらず、粒状に生産することが可能になる。
上記のように、粘着付与樹脂Bと、粘着付与樹脂Eを組み合わせることにより、押し出した際に形成される感圧型接着剤の再剥離強度が向上する傾向にあり、再剥離強度の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
(熱可塑性エラストマーD)
組成物Fは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDを含有する。
熱可塑性エラストマーDは、組成物F中に含まれる、ある特定の熱可塑性エラストマーであるが、組成物Fには、その他の熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。
熱可塑性エラストマーDは、上述した熱可塑性エラストマーAと同一でも異なっていてもよい。ここでいう「同一」とは、熱可塑性エラストマーDが熱可塑性エラストマーAと同一の構造を有することをいう。熱可塑性エラストマーAとの相溶性及び混合性がより一層向上する観点から、熱可塑性エラストマーDは熱可塑性エラストマーAと同一であることが好ましく、より一層幅広い粘着性能を設計しやすいという観点から、熱可塑性エラストマーAと異なる構造を有することが好ましい。
熱可塑性エラストマーDは、熱可塑性エラストマーAと異なる場合であってもよく、熱可塑性エラストマーDの構造は、上述した熱可塑性エラストマーAの好ましい構造として例示した構造であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーDは、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマーAとして例示した熱可塑性エラストマーが挙げられ、本実施形態の感圧型接着剤用材料において、より一層強い粘着力を発現しやすいという観点から、熱可塑性エラストマーAと同様に、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(E)とを有し、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)の数が一つであるブロック共重合体(F)を含むことが好ましい。
前記ビニル芳香族単量体単位を形成するために用いるビニル芳香族炭化水素化合物としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマーAにおいて例示したビニル芳香族炭化水素化合物が挙げられ、好ましいビニル芳香族炭化水素化合物も、熱可塑性エラストマーAにおいて例示した好ましいビニル芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマーAにおいて例示した共役ジエン化合物が挙げられ、好ましい共役ジエン化合物も、熱可塑性エラストマーAにおいて例示した好ましい共役ジエン化合物が挙げられる。
「ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)」は、上述した熱可塑性エラストマーを構成する「ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)」と同義であってもよい。
組成物Fを構成する熱可塑性エラストマーD中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、熱可塑性エラストマーA中のビニル芳香族単量体単位の好ましい含有量として例示した範囲内であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーDは、本実施形態の感圧型接着剤用材料において、より一層強い粘着力を発現しやすい観点から、上述したように、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(E)とを有し、重合体ブロック(D)の数が1つであるブロック共重合体(F)を含むことが好ましい。
また熱可塑性エラストマーD中のブロック共重合体(F)の含有量は、同様の観点から、熱可塑性エラストマーA中のブロック共重合体(C)の好ましい含有量として例示した範囲内であることが好ましい。
重合体ブロック(D)の数が1つであるブロック共重合体(F)の重量平均分子量は、同様の観点から、上述した熱可塑性エラストマーAに含まれる重合体ブロック(A)の数が一つであるブロック共重合体(C)の重量平均分子量の好ましい範囲として例示した範囲内であることが好ましい。
重合体ブロック(D)の数が1つであるブロック共重合体(F)の構造としては、特に限定されないが、例えば、(A-B)、(A-B)X、(B-A)X、(B-A-B)、(B-A-B)X(Aは重合体ブロック(D)を示し、Bは重合体ブロック(E)を示し、Xはカップリング剤の残基又は重合開始剤の残基を示す。)等が挙げられる。これらのなかでも、式(A-B)又は式(A-B)Xによって表されるジブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体(F)がこのような構造を有することにより、より一層優れた粘着力、低溶融粘度特性、及び高軟化点特性を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、組成物Fを構成する1種の熱可塑性エラストマーである「熱可塑性エラストマーD」は、組成物Cを構成する熱可塑性エラストマーAにおけるブロック共重合体(D-1)に対応するブロック共重合体(H-1)をさらに含むことが好ましく、熱可塑性エラストマーAにおけるブロック共重合体(D-2)に対応するブロック共重合体(H-2)をさらに含むことが好ましく、熱可塑性エラストマーAにおけるブロック共重合体(D-3)に対応するブロック共重合体(H-3)をさらに含むことが好ましい。
GPC溶出曲線において、熱可塑性エラストマーDの総面積に対する、ブロック共重合体(H-1)の好ましい面積比、ブロック共重合体(H-2)の好ましい面積比、及びブロック共重合体(H-3)の好ましい面積比は、それぞれ同様の観点から、熱可塑性エラストマーAの総面積に対する、ブロック共重合多(D-1)の好ましい面積比、ブロック共重合体(D-2)の好ましい面積比、及びブロック共重合体(D-3)の好ましい面積比として例示した範囲が例示できる。
また、GPC溶出曲線において、ブロック共重合体(H-1)の面積に対するブロック共重合体(H-2)の面積の好ましい比率、及びブロック共重合体(H-1)の面積に対するブロック共重合体(H-3)の面積の好ましい比率は、それぞれ同様の観点から、エラストマーAにおけるブロック共重合体(D-1)の面積に対するブロック共重合体(D-2)の面積の好ましい比率、及びブロック共重合体(D-1)の面積に対するブロック共重合体(D-3)の面積の好ましい比率として例示した範囲が例示できる。
GPC溶出曲線において、(i)ブロック共重合体(F)に対する、ブロック共重合体(H-1)、ブロック共重合体(H-2)及びブロック共重合体(H-3)の重量平均分子量比、並びに、(ii)ブロック共重合体(H-1)、ブロック共重合体(H-2)、及びブロック共重合体(H-3)のGPC溶出曲線における面積比は、後述するカップリング反応の条件、具体的には、カップリングの種類、その添加量、温度、及び時間を調整することにより、上記範囲内に制御することができる。例えば、カップリング剤として官能基を4つ含有する化合物を選択することにより、重量平均分子量比及びGPC溶出曲線における面積比を制御することができる。
熱可塑性エラストマーDにおける、ブロック共重合体(H-1)、ブロック共重合体(H-2)、及びブロック共重合体(H-3)の構造としては、特に限定されず、単一の構造からなっていてもよく、複数種類の構造を有する混合物であってもよい。具体的な構造としては、熱可塑性エラストマーAにおける、ブロック共重合体(D-1)、ブロック共重合体(D-2)、及びブロック共重合体(D-3)の構造として例示した構造において、Aが、重合体ブロック(A)に代えて、重合体ブロック(D)を示し、Bが重合体ブロック(B)に代えて、重合体ブロック(E)を示すものが挙げられ、好ましい構造もまた、ブロック共重合体(D-1)、ブロック共重合体(D-2)、及びブロック共重合体(D-3)の好ましい構造として例示した構造が挙げられる。
熱可塑性エラストマーDの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(E)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する好ましい水素添加率Hは、上述した熱可塑性エラストマーAと同様の観点から、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率Hの好ましい範囲として例示した範囲が挙げられる。
また、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(E)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する好ましい水素添加率Hは、同様の観点から、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(E)中の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の総量に対する水素添加率Hの好ましい範囲として例示した範囲が挙げられる。
(組成物C)
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、上述したように、組成物Cと組成物Fを含有する。
組成物Cは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態を有している。組成物Cは、少なくとも1種類の粘着付与剤Bを含んでいてもよく、かかる場合、熱可塑性エラストマーAと一体化した形態を有し、粒子状の形態である。
(組成物F)
組成物Fは、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含有し、これらが一体化した形態を有し、粒子状の形態である。
本実施形態の感圧型接着剤用材料においては、
全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
下記式(1)を満たす。
β<x<α (1)
ここで、「全熱可塑性エラストマー」とは、上述した熱可塑性エラストマーA、Dに限定されず、感圧型接着剤用材料、組成物C、組成物Fに、それぞれ含有されている全ての熱可塑性エラストマーをいう。
「全粘着付与剤」とは、上述した粘着付与剤B、Eに限定されず、感圧型接着剤用材料、組成物C、組成物Fに、それぞれ含有されている全ての粘着付与剤をいう。
前記比率x、α、βは、それぞれ、質量比率であるものとする。
前記粘着力とは、後述する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」により測定される値である。
本実施形態の感圧型接着剤用材料において、前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力が、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、下記式(1)を満たすことにより、一層高い粘着力を発揮できる。
(感圧型接着剤用材料の好ましい形態)
また、ブロッキングしにくく取り扱いが簡単であり、かつ高い粘着力を発現できる観点から、組成物Cは下記の条件(1)及び/又は(3)を満たし、組成物Fは下記の条件(2)及び/又は(5)を満たすことが好ましい。
<条件(1)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(3)>
前記組成物C全体の質量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満であり、
前記組成物C全体の質量に対する、全粘着付与剤の質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満である。
<条件(2)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(4)>
前記組成物F全体の質量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満であり、前記組成物F全体の質量に対する、全粘着付与剤の質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満である。
熱可塑性エラストマーと粘着付与剤は、適切な比率で混合した時に最も粘着力が高くなり、その比率から乖離すると粘着力が低くなる。
そのため、熱可塑性エラストマーの比率が適切な比率から高いほうへ乖離した組成物Cと、低いほうへ乖離した組成物Fは、どちらも適切な比率で混合した場合と比較して粘着力が低くなる。
組成物Cと組成物Fを混合した時に適切な比率になるように調整することで、押出前にはブロッキングしにくく取り扱いが簡単で、押出後には混合されて高い粘着力を発現することができる。
前記組成物Cと前記組成物Fの粘着力は弱い範囲で、できるだけ熱可塑性エラストマーの比率が近くなるように調整することで両組成物C及びFの流動性を近くすることができる。両組成物の流動性が近いと、押し出し機中で溶融するまでの時間や溶融時の粘度が近づくことにより、より均一に混合しやすい傾向にあり、結果として適切な比率に近づきやすくなり、粘着力が向上する傾向にあり、また、未溶融物が残りにくくなり、フィルムの外観が良化する傾向にある。
より具体的には、組成物C、組成物Fに含まれる熱可塑性エラストマー、粘着付与剤の組み合わせや、組成物の製造設備の選択の仕方によって、粒子状での粘着力が(ブロッキングが問題にならない程度に)十分に弱くなる組成比は異なるので、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、製造設備等に応じて粘着力が弱くなるように、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤との組成比を調整する。
その組成比のうちで、上述のように組成物C、組成物F中の熱可塑性エラストマーの比率が近くなるように設定して、組成物C、組成物Fを製造し、感圧型接着剤用材料における全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの比率xが、上記式(1)を満たすように、組成物C、組成物Fの質量比を決定する。
<条件(1)>
組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)は、1.5を超え、3.0以下であることが好ましい。
(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)の下限値は、1.8より大きいことが好ましく、2.0より大きいことがより好ましく、2.2より大きいことがさらに好ましい。
全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比の下限が上記範囲内であることにより、組成物Cの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比(全熱可塑性エラストマーの質量/全粘着付与剤の質量)の上限は2.8以下であることがより好ましく、2.6以下であることがさらに好ましく、2.4以下であることがさらに好ましい。
全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比の上限が上記範囲内であることにより、粒子状の組成物Cの流動性が上昇し、組成物Fの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Cが組成物Fと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
<条件(3)>
組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の割合は、20質量%を超えて40質量%未満であることが好ましい。
前記割合の下限は、23質量%以上であることがより好ましく、26質量%以上であることがさらに好ましく、28質量%以上であることがさらにより好ましい。
前記割合の下限が上記範囲内であることにより、粒子状の組成物Cの流動性が上昇し、組成物Fの流動性と近い流動性となるため併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Fと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
また、前記割合の上限が38質量%以下であることがより好ましく、36質量%以下であることがさらに好ましく、34質量%以下であることがさらにより好ましい。前記割合の上限が上記範囲内であることにより、組成物Cの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、組成物C全体の質量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量の割合は60質量%を超えて80質量%未満であることが好ましい。
前記割合の下限値は、62質量%以上であることがより好ましく、64質量%以上であることがさらに好ましく、66質量%以上であることがさらにより好ましい。
前記割合の下限が上記範囲内であることにより、組成物Cの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、前記割合の上限は、78質量%以下であることがより好ましく、76質量%以下であることがさらに好ましく、74質量%以下であることがさらにより好ましい。前記割合の上限が上記範囲内であることにより、粒子状の組成物Cの流動性が上昇し、組成物Fの流動性と近い流動性となるため併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Cが組成物Fと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
<比率α>
組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの比率αは、0.6以上0.8以下であることが好ましく、0.62以上0.78以下であることがより好ましく、0.64以上0.76以下であることがさらに好ましく、0.66以上0.74以下であることがさらに好ましい。
αが上記の範囲にあることで組成物Cの粘着力が低くブロッキングしにくく、かつ熱可塑性エラストマー単体と比較して流動性が高くなるため組成物Fと混合しやすくなる傾向にある。
<比率β>
組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの比率βは、0.2以上0.4以下であることが好ましく、0.22以上0.38以下であることがより好ましく、0.24以上0.36以下であることがさらに好ましく、0.26以上0.34以下であることがさらにより好ましい。
βが上記の範囲にあることで組成物Fの粘着力が低くブロッキングしにくく、かつ粘着付与剤単体と比較して流動性が低くなるため組成物Cと混合しやすくなる傾向にある。
<条件(2)>
組成物Fは、組成物F中の全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比(全粘着付与剤の質量/全熱可塑性エラストマーの質量)が1.5を超え3.0以下であることが好ましい。
組成物Fは、上記の構成を備えることにより、粘着力が弱くなるためブロッキングしにくくなり、取り扱いが容易となる。
組成物F中の全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比(全粘着付与剤の質量/全熱可塑性エラストマーの質量)の下限は1.8より大きいことがより好ましく、2.0より大きいことがさらに好ましく、2.2より大きいことがさらにより好ましい。
全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比の下限が上記範囲内であることにより、組成物Fの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、組成物F中の全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤Eの質量比(全粘着付与剤の質量/全熱可塑性エラストマーの質量)の上限は3.0以下であることがより好ましく、2.8以下であることがさらに好ましく、2.6以下であることがさらにより好ましく、2.4以下であることがよりさらに好ましい。
全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比の上限が上記範囲内であることにより、前述した組成物Cの流動性と近い流動性となるため、併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Fが組成物Cと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
<条件(4)>
また、組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合は、20質量%以上40質量%未満であることが好ましい。
前記割合の下限は、23質量%以上であることがより好ましく、26質量%以上であることがさらに好ましく、28質量%以上であることがさらにより好ましい。前記割合の下限が上記範囲内であることにより、前述した組成物Cの流動性と近い流動性となるため併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Fが組成物Cと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
また、前記割合の上限が38質量%以下であることがより好ましく、36質量%以下であることがさらに好ましく、34質量%以下であることがさらにより好ましい。前記割合の上限が上記範囲内であることにより、組成物Fの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が60質量%を超えて80質量%以下であることが好ましい。
前記割合の下限値は、62質量%以上であることがより好ましく、64質量%以上であることがさらに好ましく、66質量%以上であることがさらにより好ましい。前記割合の下限が上記範囲内であることにより、組成物Fの粘着力が弱くなる傾向にあり、ブロッキングしにくくなり取り扱いが容易になる。
また、前記割合の上限は、78質量%以下であることがより好ましく、76質量%以下であることがさらに好ましく、74質量%以下であることがさらにより好ましい。
前記割合の上限が上記範囲内であることにより、前述した組成物Cの流動性と近い流動性となるため併せて押し出し機によって押し出す際に2種類の粒子状組成物に均等に力がかかりやすくなる結果、組成物Fが組成物Cと均一に混合する傾向になるため、押し出した際に形成される感圧型接着剤の粘着力が向上する傾向にあり、粘着力の面内均一性が向上する傾向にあり、また未溶融物が減少し、フィルムの外観が良化する傾向にある。
組成物Fにおいて、熱可塑性エラストマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、粘着付与剤も1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記以外の成分も適宜含んでもよい。上記以外の成分としては、上述した本実施形態の感圧型接着剤用組成物の項で例示した他の成分であってもよい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料において、組成物C及び組成物Fの粘着力は、ブロッキングしにくく取り扱い性に優れる観点から、粘着性能が低いことが好ましい。
これらの粘着力は、後述する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、15.0N/10mm以下であることが好ましく、14.0N/10mm以下であることがより好ましく、13.0N/10mm以下であることがさらに好ましく、12.0N/10mm以下であることがさらにより好ましく、10.0N/10mm以下であることが特に好ましく、5.0N/10mm以下であることがさらに好ましく、1.0N/10mm以下であることがさらにまた好ましい。
また、同様の観点から後述する「タック力の測定法」(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、タック力が10.0N/5mmΦ以下であることが好ましく、8.0N/5mmΦ以下であることがより好ましく、6.0N/5mmΦ以下であることがさらに好ましく、5.0N/5mmΦ以下であることがさらにより好ましく、3.0N/5mmΦ以下であることがよりさらに好ましく、1.0N/5mmΦ以下であることが特に好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、組成物C及び組成物Fが混合されていてもよく、分離していてもよい。
例えば、組成物C及び組成物Fが、一緒に袋詰めしている場合は混合されている形態に属し、それぞれが袋詰めされてセットとしている場合は分離されている形態に属する。
組成物C及び組成物Fは、それぞれ単独では粘着力が小さいため、感圧型接着剤用材料から、感圧型接着剤が製造されるまでの間は、ブロッキングしにくく取り扱いが容易であるため、流通に適している。
(組成物Cと組成物Fの配合量の比)
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、後述する押出工程前に、組成物C及び組成物Fをドライブレンドしてドライブレンド物(ドライブレンド組成物)とすることが好ましい。これにより、より一層均一な感圧型接着剤が得られる。
本実施形態の感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の組成物Fに対する組成物Cの配合質量比(組成物Cの配合質量/組成物Fの配合質量)は、特に限定されないが、0.45以上2.00以下であることが好ましく、0.50以上1.90以下であることがより好ましく、0.55以上1.80以下であることがさらに好ましく、0.60以上1.70以下であることがさらにより好ましい。
前記(組成物C/組成物F)の質量比が上記範囲内であることにより、押出成形時に組成物Cと組成物Fが均一化しやすい傾向にあるため、より一層優れた粘着力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
押出成形時の分級が抑制されるとともに、均一性の高い感圧型接着剤を形成しやすい観点から、本実施形態の感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の組成物C及び組成物Fは粒子状の形態である。
また、本実施形態の感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)において、押出成形時の分級が抑制されるとともに、感圧型接着剤とした際に、均一性の高い感圧型接着剤を形成しやすい観点から、下記の<条件(5)>を満たすことが好ましい。
さらに、均一性の高い感圧型接着剤を形成する観点から、本実施形態の感圧型接着剤用材料は、下記の<条件(6)>を満たすことが好ましい。
<条件(5)>
組成物Fの平均粒子質量Wfに対する組成物Cの平均粒子質量Wcの比(Wc/Wf)は、0.4以上2.5以下であることが好ましく、0.4以上2.3以下であることがより好ましく、0.5以上2.0以下であることがさらに好ましく、0.6以上1.5以下であることがさらにより好ましい。
<条件(6)>
組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの割合は、0.6以上1.4以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下であることがさらにより好ましい。
前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比は、0.6以上1.4以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下であることがさらにより好ましい。
組成物の平均粒子質量、平均粒子長径、平均粒子短径は後述する実施例に記載する方法により測定できる。
本実施形態の感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の全熱可塑性エラストマーの質量の割合は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることがさらにより好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーの質量の割合が上記範囲内であることにより、より一層優れた粘着力、タック力、及び保持力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にある。
また、より一層高い粘着力を発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にあるという観点から、感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の全熱可塑性エラストマー(組成物C、組成物F中の熱可塑性エラストマーを含む)の質量の割合は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましく、65質量%以下であることがさらにより好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料において、より一層優れた粘着力、タック力、及び保持力が発現しやすい感圧型接着剤用材料が得られる傾向にあるという観点から、感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の全粘着付与剤の質量の割合は70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、55質量%以下であることがさらにより好ましい。
また、より一層優れた粘着力を発現しやすい感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)が得られる傾向にあるという観点から、感圧型接着剤用材料(例えば、ドライブレンド物)中の全粘着付与剤の質量の割合は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、35質量%以上であることがさらにより好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、本発明の作用効果を阻害しない範囲内において、任意の成分を含んでもよい。
任意の成分としては、特に制限されないが、例えば、酸化防止剤、任意の重合体、ワックス、光安定剤等の安定剤、及びその他の添加剤が挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、N-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-0-クレゾール、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルべンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジ-t-アミル-6-〔1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tErt-ペンチルフェニル)]アクリレート等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトール-テトラキス(β-ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
酸化防止剤の市販品の具体例としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、城北化学社製のJF77(商品名)を例示することができる。これら安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
<任意の重合体>
任意の重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系共重合体、ビニル芳香族系共重合体、その他ゴムが挙げられる。
ポリオレフィン系共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、アタクチックポリプロビレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体、α-オレフィン系重合体等が挙げられる。
ビニル芳香族系共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン-エチレン系ブロック共重合体、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン-プロピレン系ブロック共重合体、スチレン-イソプレン系ブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体、スチレン-ブタジエン/イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、水素添加スチレン-イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエン/イソプレン系ブロック共重合体等が挙げられる。ビニル芳香族系共重合体は、ビニル芳香族系熱可塑性樹脂であってもビニル芳香族系エラストマーであってもよい。
その他ゴムとしては、以下に限定されないが、例えば、天然ゴム;イソプレン-イソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、プロピレン-ブチレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴムのような合成ゴムが挙げられる。
以下、用途及び性能に応じた好ましい任意の重合体について、より具体的に説明する。
<水素添加ビニル芳香族系共重合体>
本実施形態の感圧型接着剤用材料を剥がしたときの、糊残りの低減、接着強度の経時変化抑制あるいはクリープ性(値が小さい方が良好)、熱安定性、耐光性等が必要な場合には、水素添加ビニル芳香族系共重合体を好適に用いることができる。
水素添加ビニル芳香族系共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、S-EB-S(S:ポリスチレンブロック、EB:エチレン/ブチレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体;S-EP-S(S:ポリスチレンブロック、EP:エチレン/プロピレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン-イソプレン系ブロック共重合体;、又は、S-E-EP-S(S:ポリスチレンブロック、E:エチレンブロック、EP:エチレン/プロピレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体等が挙げられる。
水素添加ビニル芳香族系共重合体のスチレン含有量は、水素添加ビニル芳香族系共重合体100質量%に対して、好ましくは10質量%~45質量%である。また、水素添加ビニル芳香族系共重合体中の共役ジエン単量体単位中の不飽和基の水素添加率は、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、よりさらに好ましくは85モル%以上である。
<イソプレン系ブロック共重合体>
本実施形態の感圧型接着剤用材料として、高い接着性や、ゲル化の抑制等が必要な場合には、イソプレン単量体単位を有するイソプレン系ブロック共重合体を好適に用いることができる。
イソプレン系ブロック共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、(S-I)n、(S-I)n-S、(S-I)nY(S:ポリスチレンブロック、I:ポリイソプレンブロック)等の構造を有するスチレン-イソプレン系ブロック共重合体;(S-I-B)n、(S-I-B)n-S、(S-I-B)nY(S:ポリスチレンブロック、I:ポリイソプレンブロック、B:ポリブタジエンブロック、Y:多官能性カップリング剤の残基又は重合開始剤の残基、nは1以上の整数、好ましくは1~5の整数)、又は、(S-I/B)n、(S-I/B)n-S、(S-I/B)nY(S:ポリスチレンブロック、I/B:イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック、Y:カップリング剤の残基又は重合開始剤の残基、nは1以上の整数、好ましくは1~5の整数)等の構造を有する、スチレン-ブタジエン-イソプレン系ブロック共重合体が挙げられる。これらはラジアル構造を有することがより好ましい。
<アイオノマー>
本実施形態の感圧型接着剤用材料として、高い低温塗工性、クリープ性(値が小さい方が良好)、高強度あるいは高伸度等が必要な場合には、重合体をアイオノマーの状態で使用してもよい。
アイオノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、金属イオンにより中和された、又は部分的に中和されたカルボキシレート、スルホネート又はホスホネートを含む単独重合体又は共重合体が好ましい。
アイオノマーの含有量は、感圧型接着剤用材料の総量に対して、好ましくは5質量%以下である。
<ポリオレフィン系共重合体>
本実施形態の感圧型接着剤用材料において、高温貯蔵安定性、高伸度性を向上させ、感圧型接着剤用材料中の粘着付与剤の量を低減することが必要な場合には、ポリオレフィン系共重合体を用いることができる。
ポリオレフィン系共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、α-オレフィンとオレフィンの共重合体、又はプロピレンホモポリマーが好ましい。これらのポリマーの融点(条件:DSC測定、5℃/分)は、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは60℃~90℃である。これらのポリマーは熱可塑性樹脂であってもエラストマーであってもよい。これらのポリマーの分子量分布は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3である。また、加工性の観点より、α-オレフィンを用いたコポリマー、又はプロピレンホモポリマーを2種以上併用することがより好ましい。具体的には、重量平均分子量が30000~60000のポリマーと、重量平均分子量が60000~90000のポリマーを併用することが好ましく、重量平均分子量が35000~55000のポリマーと、重量平均分子量が60000~80000のポリマーを併用することがより好ましい。
<共役ジエン系ゴム>
本実施形態の感圧型接着剤用材料においては、、前記任意の重合体として、共役ジエン系ゴムを好適に用いることができる。
共役ジエン系ゴムとしては、以下に限定されないが、例えば、イソプレン-イソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、プロピレン-ブチレンゴムが挙げられる。
これらのなかでも、効果の高さの観点から、ポリイソプレンゴムがより好ましい。
共役ジエン系ゴムの含有量は、感圧型接着剤用材料の総量に対して、好ましくは0質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
<オレフィン系エラストマー>
感圧型接着剤用材料として、伸度等が必要な場合には、前記任意の重合体として、オレフィン系エラストマーを用いることが好ましい。
オレフィン系エラストマーとしては、以下に限定されないが、例えば、-10℃以下にTgを有するものが好ましい。また、クリープ性能(値が小さい方が良好)の観点から、ブロックを有するオレフィン系エラストマーがより好ましい。
<ワックス>
感圧型接着剤用材料には、必要に応じて、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、以下に限定されないが、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、低分子量ポリエチレンワックス等が挙げられる。
感圧型接着剤用材料において、低い溶融粘度が必要な場合には、パラフィンワックス、微晶質ワックス、及びフィッシャー-トロプシュワックスから選択される少なくとも一種のワックスを用いることが好ましい。
ワックスの含有量は、好ましくは2~10質量%であり、より好ましくは5~10質量%である。
また、前記ワックスの融点は、好ましくは50℃~110℃であり、より好ましくは65℃~110℃であり、さらに好ましくは70℃~110℃であり、さらにより好ましくは75℃~110℃である。また、このときに併用する粘着付与剤の軟化点は、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。このとき、得られる感圧型接着剤用材料のG’(測定条件:25℃、10rAD/s)は、好ましくは1MpA以下である。また、感圧型接着剤用材料の結晶化温度は、好ましくは7℃以下である。
<光安定剤>
感圧型接着剤用材料には、必要に応じて、光安定剤を含有してもよい。
光安定剤としては、以下に限定されないが、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
<微粒子充填剤>
本実施形態の感圧型接着剤用材料には、その他の添加剤として、微粒子充填剤をさらに添加してもよい。
微粒子充填剤は、一般に使用されているものであればよく、特に限定されることはない。微粒子充填剤としては、特に限定されないが、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等が挙げられる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
上述した(その他の成分)以外の成分としては、軟化剤等を用いることができる。
軟化剤とは、感圧型接着剤用材料の硬度を下げ、粘度を低下させる働きを有するものをいう。
軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、オイル類;可塑剤;合成液体オリゴマー;並びに、それらの混合物が挙げられる。
感圧型接着剤用材料の粘度低下、粘着性向上、低硬度化の観点から、オイル類を用いることが好ましい。
オイル類としては、以下に限定されないが、例えば、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル及びこれらの混合オイル等が挙げられる。
軟化剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
食品包材に使用される用途の場合には、軟化剤のブリードアウトによる軟化剤の食品への転着を抑制する観点から、軟化剤の含有量は、感圧型接着剤用材料全体に対して8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。この「実質的に含まない」とは、生産プラントや材料などに回避不能な程度に混入する程度の量までをも排除しないことを言う。
〔感圧型接着剤〕
本実施形態の感圧型接着剤は、本実施形態の感圧型接着剤用材料を含む。
本明細書中、「感圧型接着剤」は、常温で短時間圧力を加えるだけで接着する接着剤のことをいう。
また、「感圧型接着剤」の形態は、特に限定されず、例えば、層状の形態(以下、「感圧型接着剤層」ということがある。)であってもよい。
粘着力は、後述する実施例に記載する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」又は「(三層フィルムの粘着力)」で測定することができる。
本実施形態の感圧型接着剤は、粘着力の測定法(三層フィルム)で測定した際に1.5N/10mm以上の粘着力が発揮されることが好ましい。
粘着力が上記範囲内であることにより、再密封可能な包装体に代表される強い粘着力が要求される用途に好適に用いることができる。
同様の観点から、本実施形態の感圧型接着剤の粘着力は、2.0N/10mm以上であることがより好ましく、2.2N/10mm以上であることがさらに好ましく、2.4N/10mm以上であることがさらにより好ましく、2.6N/10mm以上であることがよりさらに好ましく、2.8N/10mm以上であることがさらに好ましく、3.0N/10mm以上であることがさらにより好ましく、3.2N/0mm以上であることがよりさらに好ましく、3.4N/10mm以上であることがさらに好ましく、3.6N/10mm以上であることがさらにより好ましく、3.8N/10mm以上であることがよりさらに好ましく、4.0N/10mm以上であることがさらに好ましく、4.2N/10mm以上であることがさらにより好ましい。
〔多層フィルム〕
本実施形態の多層フィルムは、本実施形態の感圧型接着剤を含む。
本実施形態の多層フィルムは、例えば、本実施形態の感圧型接着剤用材料と、他の材料とを、共押し出しすることにより、本実施形態の感圧型接着剤からなる感圧型接着剤層を含む構成の多層フィルムとして得られる。
本実施形態の多層フィルムは、2層以上の層を含み、3層以上の層を含むことが好ましく、最外層でない層に、本実施形態の感圧型接着剤層を含むことがより好ましい。
これにより、フィルム巻き取り時のブロッキングを抑え、取扱いがより一層容易になる傾向にある。
本実施形態の多層フィルムにおける感圧型接着剤層の厚さは、高い粘着力を発現する観点から、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、12μm以上であることがさらにより好ましく、14μm以上であることがよりさらに好ましい。また、経済性の観点から、50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、25μm以下であることがさらにより好ましい。
〔包装体〕
本実施形態の包装体は、前記本実施形態の多層フィルムを含む。
すなわち、本実施形態の多層フィルムを、包装材料の蓋材として使用して、包装体を得る場合、包装体から蓋材を剥離する際、感圧型接着剤層とその他の材料層との界面もしくは感圧型接着剤層の内部で剥離される包装体を提供可能である。このような包装体では、蓋材を包装体から剥離後の最表面に感圧型接着剤層が露出するため、強い粘着力を発現し、再密封可能な包装体とすることができる。
本実施形態の包装体は、本実施形態の多層フィルムを含む。本実施形態の包装体は、上述した本実施形態の多層フィルムを包装体本体部とヒートシールすることにより製造することができる。
〔感圧型接着剤用材料の製造方法〕
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、上述した組成物C、組成物Fを混合することにより得ることができる。
組成物C及び組成物Fは、上述した熱可塑性エラストマーと、粘着付与剤を、任意の配合比で混合することにより得られる。
組成物C及び組成物Fを構成する熱可塑性エラストマーは、下記の方法により製造できる。
(組成物C、Fを構成する熱可塑性エラストマーA、Dの製造方法)
<重合工程、カップリング工程>
熱可塑性エラストマーA、Dの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
以下においては、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含む熱可塑性エラストマーの製造方法について例示する。
熱可塑性エラストマーの製造方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤として、スチレン等のビニル芳香族炭化水素化合物及びブタジエン等の共役ジエン化合物を共重合させて、ブロック共重合体を得る重合工程と、得られたブロック共重合体及びカップリング剤を反応させるカップリング工程と、を有する方法が挙げられる。
この場合、例えば、カップリングしたブロック共重合体は、上述したブロック共重合体(D-1)、(D-2)、及び(D-3)のいずれかとなり、カップリングせずに残ったブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)の数が1つであるブロック共重合体(C)となる。
なお、このカップリング反応において、カップリング剤の添加量を制御することにより、ブロック共重合体(C)とブロック共重合体(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の含有量を上記所定の範囲に調整することができる。
また、このような熱可塑性エラストマーA、Dは、ブロック共重合体(C)、ブロック共重合体(D-1)、(D-2)、(D-3)を別々に重合しておき、後に混合する方法により得ることもできる。
ブロック共重合体の重量平均分子量は、有機リチウム化合物等の開始剤量を制御することにより調整することができる。重合反応終了後、カップリング反応し、水、アルコール、酸等を添加して活性種を失活し、例えばスチームストリッピング等を行って重合溶媒を分離した後、乾燥することによりブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)を得ることができる。
ブロック共重合体の重合方法としては、以下に限定されないが、例えば、配位重合、アニオン重合又はカチオン重合等の重合方法が挙げられる。
これらのなかでも、構造の制御の容易さの観点から、アニオン重合が好ましい。
アニオン重合によるブロック共重合体成分の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、特公昭36-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415号公報、特公昭49-36975号公報、特公昭48-2423号公報、特公昭48-4106号公報、特公昭56-28925号公報、特開昭59-166518号公報、特開昭60-186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
ブロック共重合体の重合工程において使用する不活性炭化水素溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が挙げられる。
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ブロック共重合体の重合工程において重合開始剤として使用する有機リチウム化合物としては、特に限定されず、公知の化合物を用いることができ、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、N-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘキシルリチウム等が挙げられる。特に、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウム化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
上述した方法により、熱可塑性エラストマーに含まれるブロック共重合体は、下記式のいずれかで表されるブロック共重合体として得ることができる。
(A-B)N、(A-B)NX、(A-B)NA、[(A-B)Nm、(A-B)NAX、(B-A)NX、(B-A)NB、(B-A)NBX〔(A-B)NmX、〔(B-A)NmX、〔(A-B)NA〕mX、〔(B-A)NB〕mX (上式において、Aは重合体ブロック(A)であり、Bは重合体ブロック(B)である。Xは、カップリング剤の残基又は重合開始剤の残基を示す。また、Nは1以上の整数、好ましくは1~5の整数である。mは2~8、好ましくは2~6、より好ましくは2~4の整数である。)。
これらのなかでも、上記カップリング反応により、ブロック共重合体(C):式(A-B)と、多分岐ブロック共重合体(D-1)、(D-2)、(D-3):式(A-B)mXとを製造することが好ましい。
多分岐ブロック共重合体を得るためのカップリング剤としては、公知のものを使用することができる。
2官能のカップリング剤としては、以下に限定されないが、例えば、ジクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシランなどの2官能性ハロゲン化シラン;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の2官能性アルコキシシラン;ジクロロエタン、ジブロモエタン、メチレンクロライド、ジブロモメタン等の2官能性ハロゲン化アルカン;ジクロロスズ、モノメチルジクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、モノエチルジクロロスズ、ジエチルジクロロスズ、モノブチルジクロロスズ、ジブチルジクロロスズ等の2官能性ハロゲン化スズ;ジブロモベンゼン、安息香酸、CO、2-クロロプロペン等が挙げられる。
3官能のカップリング剤としては、以下に限定されないが、例えば、トリクロロエタン、トリクロロプロパン等の3官能性ハロゲン化アルカン;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン等の3官能性ハロゲン化シラン;メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;等が挙げられる。
4官能のカップリング剤としては、以下に限定されないが、例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、テトラクロロエタン等の4官能性ハロゲン化アルカン;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等の4官能性ハロゲン化シラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の4官能性アルコキシシラン;テトラクロロスズ、テトラブロモスズ、テトラブチルスズ等の4官能性スズ化合物等が挙げられる。
5官能以上のカップリング剤としては、以下に限定されないが、例えば、1,1,1,2,2-ペンタクロロエタン,パークロロエタン、ペンタクロロベンゼン、パークロロベンゼン、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等が挙げられる。
その他、エポキシ化大豆油、2~6官能のエポキシ基含有化合物、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物を用いることもできる。
カップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらのなかでも、特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
ブロック共重合体(D-1)、(D-2)、及び(D-3)のGPC溶出曲線における面積比は、上述したようにカップリング反応におけるカップリング剤の添加量、温度及び時間を調整することにより制御することができる。
具体的には、カップリング剤がアルコキシシラン化合物の場合には、反応温度が最高温度に達してからカップリング剤を添加するまでの時間を1~30分間とし、カップリング剤の反応時間を1~60分間とし、反応温度を55~100℃とし、カップリング剤の添加量を重合開始剤の総mol数に対するmol比が0.025~0.30となるように調整する方法が挙げられる。
また、カップリング剤がアルコキシシラン化合物以外の場合には、反応温度が最高温度に達してからカップリング剤を添加するまでの時間を1~30分間とし、カップリング剤の反応時間を1~35分間とし、反応温度を50~95℃とし、カップリング剤のする添加量を重合開始剤の総mol数に対するmol比が0.025~0.20となるように調整する方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体(C)を重合する途中で失活剤を添加してもよい。この場合、比較的分子量の小さい成分(C)’が生成する。具体的には、ビニル芳香族単量体単位を重合後、共役ジエン単量体単位の重合中の任意のところで完全に失活させないで50質量%以下を失活させる量の失活剤を添加して、一般式(A-B’)(式中、B’は、重合中で失活させられることにより得られた、重合体ブロック(B)を示す。)によって表されるジブロック共重合体(C)’を生成してもよい。一般式(A-B’)によって表されるジブロック共重合体の含有量は、ブロック共重合体組成物の総量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。一般式(A-B’)によって表されるジブロック共重合体(C)’を含むことにより粘着力及び保持力がより向上する傾向にある。
<水素添加反応>
ブロック共重合体の、共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の一部又は全てを水素添加する場合、その水素添加方法は、特に限定されるものではなく、水素添加触媒を用いた公知の技術を用いて行うことができる。
水素添加触媒としては、特に限定されず公知の触媒を用いることができ、例えば、Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素添加触媒;Ni、Co、FE、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水素添加触媒;Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水素添加触媒が用いられる。
具体的には、特公昭42-8704号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号公報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公報、特公平2-9041号公報に記載された水素添加触媒が使用できる。
これらのなかでも、好適な水素添加触媒としては、チタノセン化合物、還元性有機金属化合物、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特に限定されないが、例えば、特開平8-109219号公報に記載されている化合物が挙げられる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格、あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。
還元性有機金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、又は有機亜鉛化合物等が挙げられる。
水素添加反応温度は、好ましくは0~200℃であり、より好ましくは30~150℃である。
また、水素添加反応に使用される水素の圧力は、好ましくは0.1~15MPaであり、より好ましくは0.2~10MPaであり、さらに好ましくは0.3~5MPaである。
さらに、水素添加反応時間は、好ましくは3分~10時間であり、より好ましくは10分~5時間である。
水素添加反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。
水素添加反応を経て得られたブロック共重合体の溶液から、必要に応じて触媒残査を除去し、溶液を分離することで、目的とするブロック共重合体を得ることができる。溶媒の分離方法としては、特に限定されないが、例えば、水素添加後の反応液にアセトン又はアルコール等の水素添加ブロック共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、水素添加後の反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、水素添加後の反応液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
また、ブロック共重合体を重合するために用いた全ビニル芳香族単量体単位量(100質量%)に対する、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)量(質量%)、すなわちブロック率は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは97質量%以上である。
ブロック率が上記範囲内であることにより、仕上げ性に優れるブロック共重合体が得られる傾向にあり、このブロック共重合体を含有する本実施形態の感圧型接着剤用材料は、粘着力、保持力が優れる傾向にある。
ビニル芳香族単量体重合体を主体とする重合体ブロック量は、ブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、オスミニウム酸/ターシャルブチルハイドロパーオキサイド溶液を添加して、ブタジエン成分の二重結合を切断する。次に、メタノールを加え、ろ過し、ろ物をクロロホルムに溶解させ、得られた溶液を紫外分光光度計にて、ピーク強度(吸収波長:262Nm)からブロックスチレン含有量を算出することができる。
組成物C、組成物Fに用いる熱可塑性エラストマーA、Dの製造方法においては、必要に応じて、重合開始剤等に由来する金属類を脱灰する工程を採用することができる。また、熱可塑性エラストマーA、Dの製造方法では、さらに、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、界面活性剤等を添加する工程を採用してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、後述するものと同様のヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
中和剤としては、以下に限定されないが、例えば、各種のステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト、安息香酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等が挙げられる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上述のようにして製造できる熱可塑性エラストマーは、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、スズから選ばれる原子を含む極性基含有官能基がブロック共重合体に結合した、いわゆる変性ブロック共重合体や、ブロック共重合体成分を無水マレイン酸等の変性剤で変性した変性ブロック共重合体を含んでもよい。
このような変性ブロック共重合体は、例えば、上記の方法によって得られたブロック共重合体に対し、公知の変性反応を行うことにより得られる。
これらの官能基を付与する方法としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤、単量体、カップリング剤あるいは停止剤に官能基を有する化合物を用いて、重合体に官能基を付加する方法が挙げられる。
官能基を含む重合開始剤としては、N基を含有する重合開始剤が好ましく、ジオクチルアミノリチウム、ジ-2-エチルヘキシルアミノリチウム、エチルベンジルアミノリチウム、(3-(ジブチルアミノ)-プロピル)リチウム、ピペリジノリチウム等が挙げられる。また、官能基を含む単量体としては、前述の重合に用いる単量体に、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、アルコキシシラン基を含む化合物が挙げられる。この中でもN基を含有する単量体が好ましく、N,N-ジメチルビニルベンジルアミン、N,N-ジエチルビニルベンジルアミン、N,N-ジプロピルビニルベンジルアミン、N,N-ジブチルビニルベンジルアミン、N,N-ジフェニルビニルベンジルアミン、2-ジメチルアミノエチルスチレン、2-ジエチルアミノエチルスチレン、2-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、1-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-1-フェニルエチレン、N,N-ジメチル-2-(4-ビニルベンジロキシ)エチルアミン、4-(2-ピロリジノエチル)スチレン、4-(2-ピペリジノエチル)スチレン、4-(2-ヘキサメチレンイミノエチル)スチレン、4-(2-モルホリノエチル)スチレン、4-(2-チアジノエチル)スチレン、4-(2-N-メチルピペラジノエチル)スチレン、1-((4-ビニルフェノキシ)メチル)ピロリジン、1-(4-ビニルベンジロキシメチル)ピロリジン等が挙げられる。
さらに、官能基を含むカップリング剤及び停止剤としては、前述のカップリング剤の内、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、アルコキシシラン基を含む化合物等が挙げられる。この中でもN基やO基を含有するカップリング剤が好ましく、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、γ-カプロラクトン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、N,N’-ジメチルプロピレンウレア、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
上述のようにして、熱可塑性エラストマーを製造した後、後述する方法により、ブロック共重合体の単離、すなわち仕上げを行う。
ブロック共重合体の重合工程を不活性炭化水素溶媒中で行った場合は、不活性炭化水素溶媒を除去してブロック共重合体を単離する。具体的な溶媒を除去する方法としては、スチームストリッピングが挙げられる。スチームストリッピングにより、含水クラムを得て、得られた含水クラムを乾燥することによりブロック共重合体を得ることができる。スチームストリッピングにおいては、クラム化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。そのような界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、上記と同様のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、ストリッピング帯の水に対して一般に0.1~3000ppm添加することができる。また、界面活性剤に加えて、Li、Na、Mg、Ca、Al、Zn等の金属の水溶性塩をクラムの分散助剤として用いることもできる。
ブロック共重合体の重合工程及び前記スチームストリッピングを経て得られる、水中に分散したクラム状のブロック共重合体の濃度は、一般に0.1~20質量%(ストリッピング帯の水に対する割合)である。この範囲であれば、運転上の支障をきたすことなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。このブロック共重合体のクラムを脱水により含水率を1~30質量%に調整し、その後、含水率が1質量%以下になるまで乾燥を行うことが好ましい。前記クラムの脱水工程においては、ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機等の圧縮水絞機での脱水、あるいはコンベヤー、箱型の熱風乾燥機で脱水と乾燥を同時に行ってもよい。
(組成物C、Fの製造方法)
組成物C、Fの製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、1軸または2軸スクリュー押し出し機、ミキサー、ニーダー等の加熱、撹拌等の混練機能を備えた装置を利用して、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤を任意の配合比で混合し、当該混合物を水中に溶融押し出し、あるいは冷却ベルト上に取り出し冷却固化した後、適当な大きさに切断してペレット状、あるいはビーズ状等の粒子状にする方法が挙げられる。
前記混合物を水中に溶融押し出しする場合は、例えば、水中カット造粒機を用いてペレット等の粒子状に切断する方法がある。混練時の温度は、組成物、使用装置等によって異なるが、通常100~250℃、好ましくは120~180℃であり、混練時間は通常10~120分間、好ましくは15~60分間行われる。
組成物C、Fの製造方法においては、水中において前記組成物を切断した後、脱水・乾燥する脱水・乾燥工程、脱水・乾燥した後、後添加としてブロッキング防止剤を付着する工程を行ってもよい。
また、脱水後、ブロッキング防止剤を付着させた後に乾燥させてもよい。
また、水中にブロッキング防止剤を添加しておくことにより、組成物の表面にブロッキング防止剤を付着させる工程を行ってもよい。
脱水・乾燥方法としては特に限定されないが、遠心脱水機等を用いることができる。
〔感圧型接着剤の形成方法〕
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法は、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含み、これらが一体化した形態を含有し、粒子状の形態である組成物Cと、少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含み、これらが一体化した形態を含有し、粒子状の形態である組成物Fと、を併せて押し出し機によって押し出して感圧型接着剤を得る押し出し工程を含む。なお、感圧型接着剤は、再密封包装用多層フィルムに含まれるものである。
組成物Cは下記の条件(7)及び/又は(9)を満たし、組成物Fは下記の条件(8)及び/又は(10)を満たす。
このとき、下記の<条件(7)>及び<条件(8)>を併せて満たす形態、及び<条件(9)>及び<条件(10)>を併せて満たす形態が好適である。
<条件(7)>
前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの
質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(8)>
前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の
質量比が、1.5を超え3.0以下である。
<条件(9)>
前記組成物C全体の質量に対する、全熱可塑性エラストマーの
質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満であり、
前記組成物C全体の質量に対する、全粘着付与剤の質量の割合が、
20質量%を超え40質量%未満である。
<条件(10)>
前記組成物F全体の質量に対する、全熱可塑性エラストマーの
質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満であり、
前記組成物F全体の質量に対する、全粘着付与剤の質量の割合が、
60質量%を超え80質量%未満である。
前記押出工程において、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をyとし、前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとする場合、比率がyである感圧型接着剤用材料の粘着力は、比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きい。
また、α、β、yは下記式(2)を満たす。
β<y<α (2)
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法は、上記の構成を備えることにより、ブロッキングしにくく取り扱いが簡単で、かつ高い粘着力を有する感圧型接着剤を得ることができる。
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法において、「押し出す」とは、時間的に同時である、という意味に限定されるものではなく、均一な組成の押出し物を形成するように押し出すことをいう。
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法において、各組成物(組成物C、組成物F)は、それぞれ粘着力を弱く調整した組成物であることが好ましい。具体的には各組成物の粘着力は後述する後述する実施例に記載する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、15.0N/10mm以下であることが好ましく、14.0N/10mm以下であることがより好ましく、13.0N/10mm以下であることがさらに好ましく、12.0N/10mm以下であることがさらにより好ましく、10.0N/10mm以下であることがよりさらに好ましく、5.0N/10mm以下であることが特に好ましく、1.0N/10mm以下であることがさらに好ましい。
また、後述する「タック力の測定法」(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、タック力が10.0N/5mmΦ以下であることが好ましく、8.0N/5mmΦ以下であることがより好ましく、6.0N/5mmΦ以下であることがさらに好ましく、5.0N/5mmΦ以下であることがさらにより好ましく、3.0N/5mmΦ以下であることがよりさらに好ましく、1.0N/5mmΦ以下であることが特に好ましい。
このような粘着力を示す各組成物は、単独では高い粘着力を必要とする感圧型接着剤の用途には利用できないが、適切な組成及び量で組み合わせ、混練することで、単独で用いた場合よりも高い粘着力を示すことができる。
一般的な感圧型接着剤の製造方法において、例えば、所望の粘着力を示す組成物を用いて感圧型接着剤層を形成する場合、この組成物をペレットにして押し出し機で押出し成形しようとすると、そのペレットは強い粘着力を有するために、ブロッキングし易く取扱いに問題がある。
そこで、本実施形態の感圧型接着剤の製造方法においては、所望の粘着力を示す組成物を異なる組成を有する少なくとも2種の組成物(例えば、組成物C及び組成物Fの組み合わせ)に分離し、それぞれをペレットにする。これらを所定の比率で混ぜて押し出せば、ペレットの時点では粘着性が小さいが、感圧型接着剤になった時点では強い粘着力を示すように設定することができる。
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法では、より具体的には組成物Cと組成物Fの組成比及び混合比は、下記のようにして決定することができる。
例えば、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤のみからなる感圧型接着剤であって、所望の粘着力を示す感圧型接着剤中の全熱可塑性エラストマーXと全粘着付与剤Yの組成比がy:1-yである場合を考える。組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーXと全粘着付与剤Yとの総量に対する全熱可塑性エラストマーXの比率をα、全粘着付与剤Yの比率を(1-α)とする。組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーXと全粘着付与剤Yとの総量に対する全熱可塑性エラストマーXの比率をβ、全粘着付与剤Yの比率を(1-β)とする。この場合、組成物Cと組成物Fをγ:1-γの混合比で混合するとき、混合物における全熱可塑性エラストマーXと全粘着付与剤Yの組成比は、[(α―β)γ+β]:[1-[(α-β)γ+β)}]と書くことができる。初めに、粘着力が弱い範囲で、できるだけαとβが近くなるようにα、βを決定し、その後、全体の組成がy:1-yとなるようにγを決定することで組成物C、組成物Fの組成、及び両者の混合比率を決定することができる。
このとき、α、β、yの間にはβ<y<αの関係が成り立つ。感圧型接着剤における、「熱可塑性エラストマーと粘着付与剤の配合比」と「粘着力」の関係は、上に凸の曲線関係になるため、所望の組成比yから全熱可塑性エラストマーXの配合量が多い領域においても少ない領域においても粘着力が減少する範囲が存在する。そのため、上記のように所望の組成比yと異なる組成比αを有する組成物と組成比βを有する組成物を混合することによって、各組成物の粘着力を弱く抑えつつ、混合した場合に高い粘着力を発現することが可能になる。また、粘着力が弱い範囲で、できるだけαとβが近くなるようにすることで両組成物の流動性が近くなる。両組成物の流動性が近いと押し出し機中で溶融するまでの時間や溶融時の粘度が近づくことにより、より均一に混合しやすい傾向にあり、結果として全体の組成がy:1-yにより近づくことになり所望の粘着力を発現しやすくなる。また、未溶融物が残りにくくなり、フィルム外観が良化する傾向にある。
この例は、高い粘着力を示す組成物において、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤との比率を変更すれば粘着力を弱くできることを利用している。組成物C、組成物Fの粘着力は低くしておき、組成物Cと組成物F混合比を調整して全体としては粘着力の高い感圧型接着剤を設計するものである。各組成物に含まれる可塑性エラストマーと粘着付与剤とは、もちろん異なっていてもよい。
本実施形態の感圧型接着剤においては、可塑剤に代表される「熱可塑性エラストマー及び粘着付与剤以外の成分Z」も適宜配合することができるが、その際も上記と同様に考えて各組成比及び混合比を決定することができる。
また、3つ以上の組成物を混合して、所望の組成比の感圧型接着剤を形成する場合にも上記と同様に考えて各組成比及び混合比を決定することができる。
上記のように組成比を決定した各組成物(組成物C、及び組成物F)を同一の押し出し機によって同時に押し出すことにより、組成物の取扱い時には粘着力が弱く取り扱いがしやすく、混練されたのちは各組成物よりも高い粘着力を発現することができる。
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法においては、より一層均一な感圧型接着剤を得る観点から、前記各組成物が粒子状の形態であり、前記押出工程の前に前記各組成物、具体的には、組成物C、組成物Fをドライブレンドして、感圧型接着剤用材料Gを調製するドライブレンド工程を含むことが好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤の製造方法においては、押し出し成形時の分級が抑制されるとともに、感圧型接着剤とした際に、均一性の高い感圧型接着剤を形成しやすい観点から、下記の<条件(11)>を満たすことが好ましい。
さらに、均一性の高い感圧型接着剤を形成する観点から、下記の<条件(12)>を満たすことが好ましい。
<条件(11)>
組成物Fの平均粒子質量Wfに対する組成物Cの平均粒子質量Wcの比(Wc/Wf)は、0.4以上2.5以下であることが好ましく0.4以上2.3以下であることがより好ましく、0.5以上2.0以下であることがさらに好ましく、0.6以上1.5以下であることがさらにより好ましい。
<条件(12)>
組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの割合は、0.6以上1.4以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下であることがさらにより好ましい。
前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比は、0.6以上1.4以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下であることがさらにより好ましい。
組成物の平均粒子質量、平均粒子長径、平均粒子短径は後述する実施例に記載する方法により測定できる。
前記各組成物の少なくとも1つの粘着力は、より一層ブロッキングしにくく取り扱い性に優れる観点から、後述する「粘着力の測定法(熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物)」に従って、粘着力を測定した場合、4.0N/10mm以下であることが好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤中の全熱可塑性エラストマーの質量は、より一層優れた粘着力、タック力、及び保持力を有する感圧型接着剤が得られる観点から、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
前記感圧型接着剤中の全粘着付与剤の質量は、より一層優れた粘着力、タック力、及び保持力を有する感圧型接着剤が得られる観点から、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の感圧型接着剤用材料を、再密封包装用の感圧型接着剤として採用すると、多層フィルムを製造する押出成形時に、多様な条件を設定できるというメリットが得られる。
例えば、120~140℃程度の一般的には低い押出温度を設定しても、ドライブレンドが混ざり易く、混合ムラの少ない均一な接着剤層を形成し易い。そのため、混合ムラに由来する異物による外観の悪化を防ぐとともに、熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とが所期の比率で均一に混ざり合ったことに起因して再剥離強度が高くなる効果を奏する。
本実施形態の感圧型接着剤用材料は、押出成形時の混合し易さに着目して設計され、粒子同士の混合し易さが従来の組成物より向上しているため、押出機の構造(スクリュー等)や、混練条件や押出条件の設定に依存しにくく、狙いどおりの剥離強度を示す多層フィルムを製造し易い。他方、混練温度を150℃~230℃程度に設定した場合は、従来の組成物と比較して、短時間で十分に均一に混合できるため、生産効率を向上させることができる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に適用した重合体の特性や物性の測定方法を下記に示す。
〔測定方法及び評価方法〕
((1):熱可塑性エラストマーの特性)
<(1-1):ビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量>
一定量の熱可塑性エラストマーをクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV-2450)にて測定し、ビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262Nm)のピーク強度から検量線を用いて、熱可塑性エラストマーのビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
<(1-2):重量平均分子量>
熱可塑性エラストマーを構成するブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の重量平均分子量を、後述の[測定条件]に基づき、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて求めた。
水素添加したものについては、水素添加後ポリマーの分子量を測定した。
まず、分子量20,000以上の範囲でピークトップ分子量が最も低く、かつブロック共重合体組成物である熱可塑性エラストマーの総ピーク面積に対して、後述のピーク分割によって算出される面積比が0.01以上を有する単独ピークをブロック共重合体(C)とし、それより高い分子量範囲のピークを分子量の小さいものから順に(D-1)、(D-2)、及び(D-3)とした。
ブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の各重量平均分子量は、後述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、ブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)のピーク間変曲点(変曲点)は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量、及び面積比を算出した。
[測定条件]
GPC;ACQUITY APCシステム(日本ウォーターズ株式会社製)
システム(測定・解析)ソフト;EmpowEr3
検出器;RI
屈折率単位フルスケール;500μRIU
出力フルスケール;2000mV
サンプリングレート;10ポイント数/sEC
カラム;ACQUITY APC XT125(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT200(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT900(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT450(4.6mm×150mm);1本
溶媒;THF
流量;1.0mL/分
濃度;0.1mg/mL
カラム温度;40℃
注入量;20μL
<(1-3):重量平均分子量比>
重量平均分子量比(ブロック共重合体(D-1)/ブロック共重合体(C))、(ブロック共重合体(D-2)/ブロック共重合体(C))、及び(ブロック共重合体(D-3)/ブロック共重合体(C))は、上記で求めたブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の重量平均分子量から算出した。
<(1-4):ブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の含有量>
上記(1-2)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する、ブロック共重合体(C)
、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の面積の割合をブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の含有量とした。
ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対し1.5倍以上2.5倍未満にあるピークトップを有するピークを成分(D-1)、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対し2.5倍以上3.4倍未満にあるピークトップを有するピークを成分(D-2)、ブロック共重合体(C)の重量平均分子量に対し3.4倍以上4.5倍未満にあるピークトップを有するピークを成分(D-3)とした。
ブロック共重合体(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の面積比、重量平均分子量、及び重量平均分子量比については、上述の装置及び条件にてGPC測定後、同じく上述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、ブロック共重合体(D-1)、(D-2)、及び(D-3)の各ピーク間変曲点は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量、各重量平均分子量比、及び面積比を算出した。
<(1-5):共役ジエン単量体単位中の平均ビニル結合量>
水素添加前のブロック共重合体組成物である熱可塑性エラストマーを用いて、赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR-230)を用いて、共役ジエン単量体単位中の平均ビニル結合量を、ハンプトン法により算出した。
<(1-6):水素添加率>
ブロック共重合体中の、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、下記の条件で測定した。
まず、水素添加反応後の反応液に、大量のメタノールを添加することで、ブロック共重合体を沈殿させて回収した。
次いで、ブロック共重合体をアセトンで抽出し、抽出液を真空乾燥し、1H-NMR測定のサンプルとして用いた。
1H-NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM-LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHZ
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
<(1-8):メルトフローレート(MFR)>
ISO規格1133の条件(d)に従って、190℃、2.16kgの荷重で、熱可塑性エラストマーのMFRを測定した。
このMFRは、予め垂直シリンダに入れた熱可塑性エラストマーがピストンで2.16kgの全荷重下で一定直径のダイを介して10分間に流れる質量(g/10min)である。
本明細書に記載のMFR値は、特に記載のない限りこれと同じ条件下で測定したものである。
((2):粘着性能の測定)
<(2-1):粘着力の測定法>
[熱可塑性エラストマー、後述する各組成物、及び各ドライブレンド組成物の粘着力]
熱可塑性エラストマー1~2、組成物1~13、ドライブレンド組成物1~17をそれぞれトルエンに溶かした。
得られたトルエン溶液をアプリケーターでポリエステルフィルム(厚さ:38μm)にコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、塗工フィルムを作製した。塗工厚さは25μmとした。
得られた塗工フィルムを15mm幅に切り出し、JIS Z0237の「引きはがし粘着力の測定の方法1:試験板に対する180°引きはがし粘着力の測定方法」に準じて、フィルムを塗工面とステンレス板(SUS304)が接触する状態でロールによる加圧を行い、加圧から30分後に引きはがし粘着力測定を行った。
引き剥がし速度は300mm/minで行った。
[三層フィルムの初期及び再封剥離強度]
三層フィルム1~17をヒートシール層とポリエチレン板(厚さ1mm)が接触する状態で、150℃、0.2MPA、8秒間、4mm幅の条件でヒートシールを行った。その後、23℃、180°、引き剥がし速度300mm/minで引き剥がし粘着力測定を行い、初期剥離強度を測定した。
その後、剥がれた個所を指で加圧圧着して再封することを3回繰り返した後、再度、23℃、180°、引き剥がし速度300mm/minで引き剥がし粘着力測定を行い、再封剥離強度を測定した。
<(2-2):タック力の測定法>
[熱可塑性エラストマー、各組成物及び各ドライブレンド組成物のタック力]
熱可塑性エラストマー1~2、組成物1~13、ドライブレンド組成物1~17をそれぞれトルエンに溶かした。
得られたトルエン溶液をアプリケーターでポリエステルフィルム(厚さ:38μm)にコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、塗工フィルムを作製した。塗工フィルムの厚さは25μmとした。
得られた塗工フィルムを15mm幅に切り出し、プローブタック試験機(NTS-4800/テスター産業(株)社製)の10g荷重(筒形)天面に塗工面が下向きになるように設置した。
塗工面に対し、下方から直径5mmφの円柱(SUS製)を、浮き上がる状態で1秒接着させた。その後、円柱を引きはがした際の剥離力を測定した。接着及び引きはがし速度は10mm/秒で行った。
((3):平均粒子長径、平均粒子短径の測定)
熱可塑性エラストマー1~2、並びに組成物1~13を、それぞれ20粒無作為に選抜し、各粒子の最大径と最小径を、ノギスを用いて測定した。
20粒の平均最大径を平均粒子長径とし、平均最小径を平均粒子短径とした。
((4):平均粒子質量の測定)
熱可塑性エラストマー1~2、並びに組成物1~13を、それぞれ20粒無作為に選抜し、各粒子の質量を、精密天秤を用いて測定した。20粒の平均質量を平均粒子質量とした。
((5)熱可塑性エラストマー、組成物の色調の評価)
熱可塑性エラストマー1~2、及び組成物1~13を目視で観察し、黄色みの強度により下記の通りに点数をつけ、5人の点数の平均を色調の評価とした。
0点:黄色みが感じられない
1点:若干黄色く感じられる色
2点:完全に黄色く感じられる色
((6)熱可塑性エラストマー、組成物、三層フィルムの臭気強度の評価)
熱可塑性エラストマー1~2、組成物1~13、及び三層フィルム1~17について23℃の環境下で臭気の官能評価を行った。
臭気強度により下記の通りに点数をつけ、5人の点数の平均を臭気強度の評価とした。
0点:無臭
1点:やっと感知できるにおい
2点:何の臭いであるかがわかる弱いにおい
3点:楽に感知できるにおい
4点:強いにおい
5点:強烈なにおい
((7):フィルム外観の評価)
三層フィルム1~17を、幅40cm、長さ1mに切り取り、外観を目視で観察した。
一見してブツ状の欠陥やスジ状の欠陥がほとんど確認できないものを〇、数点確認できるものを△、全面に渡り確認できるものを×、と評価した。
なお、製膜ができず評価できなかったものを「-」と記載した。
〔水素添加触媒の調製〕
後述する実施例及び比較例において、水素添加された熱可塑性エラストマーを作製する際に用いる水素添加触媒を、下記の方法により調製した。
攪拌装置を具備する反応容器を窒素置換しておき、これに、乾燥及び精製したシクロヘキサンを1L仕込んだ。
次に、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加した。
これを十分に攪拌しながら、トリメチルアルミニウム200mmolを含むN-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。これにより水素添加触媒が得られた。
〔熱可塑性エラストマーの調製〕
<熱可塑性エラストマー1>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4480g、及び予め精製したスチレン128gを仕込み、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)を、n-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.28(質量で0.68g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を53℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム1.37gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン672gを添加して重合を継続した。
反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.086(質量で0.31g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は71℃であった。
カップリング剤添加より20分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物を得た。
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体組成物100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度87℃で水素添加反応を行った。
得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は43.2質量%であった。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.30質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.03質量部添加し、十分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ペレタイズすることによってブロック共重合体(C)、(D-1)、(D-2)、(D-3)を含む熱可塑性エラストマー1を得た。
得られた熱可塑性エラストマー1は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16.3質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が32.5質量%であった。
また、得られた熱可塑性エラストマー1のその他の物性値を表1に示す。
<熱可塑性エラストマー2>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4480g、及び予め精製したスチレン240gを仕込み、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.33(質量で1.04g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を53℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム1.79gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン560gを添加して重合を継続した。反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.150(質量で0.35g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は71℃であった。
カップリング剤添加より15分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物を得た。
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度87℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は50.3質量%であった。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.25質量部添加し、十分混合した。その後溶媒を加熱除去し、ペレタイズすることによってブロック共重合体(C)、(D-1)を含む熱可塑性エラストマー2を得た。
得られた熱可塑性エラストマー2は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が29.7質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が40.2質量%であった。
また、得られた熱可塑性エラストマー2のその他の物性値を表1に示す。
Figure 2022017191000001
下記に感圧型接着剤用材料を構成する組成物の調製方法を示す。
感圧型接着剤用材料を構成する組成物(以下、組成物と記載する。)に用いる粘着付与剤を、下記表2に示す。
Figure 2022017191000002
〔感圧型接着剤用材料を構成する組成物の調製〕
[製造例1-1~1-13]
(組成物1)
2軸スクリュー押し出し機を用い、160℃で熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー1(233質量部)、粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP100(100質量部)、酸化防止剤としてチバスペシャルティーケミカルス社製イルガノックス#1010(0.5質量部)を混錬して混練物を得た。
得られた混錬物を水中に押し出し、水中カッターでペレット状に成形し、連続乾燥機中で乾燥して(組成物1)を得た。
(組成物1)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物2)
粘着付与剤としてKolon社製スコレッツSU420(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物1)と同様にして、(組成物2)を得た。
(組成物2)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物3)
粘着付与剤としてヤスハラケミカル社製YSレジンPX1150N(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物1)と同様にして、(組成物3)を得た。
(組成物3)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物4)
粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP140(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物1)と同様にして、(組成物4)を得た。
(組成物4)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物5)
熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー2(233質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物1)と同様にして、(組成物5)を得た。
(組成物5)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物6)
2軸スクリュー押し出し機を用い、160℃で熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー1(100質量部)、粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP100(233質量部)、酸化防止剤としてチバスペシャルティーケミカルス社製イルガノックス#1010(0.5質量部)を混錬して混練物を得た。
得られた混錬物を水中に押し出し、水中カッターでペレット状に成形し、連続乾燥機中で乾燥して(組成物6)を得た。
(組成物6)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物7)
粘着付与剤としてKolon社製スコレッツSU420(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物6)と同様にして(組成物7)を得た。
(組成物7)のその他の物性値を下記〔表3〕に示す。
(組成物8)
粘着付与剤としてヤスハラケミカル社製YSレジンPX1150N(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物6)と同様にして(組成物8)を得た。
(組成物8)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
(組成物9)
粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP140(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物6)と同様にして(組成物9)を得た。
(組成物9)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
(組成物10)
熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー2(233質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物7)と同様にして(組成物10)を得た。
(組成物10)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
(組成物11)
粘着付与剤としてヤスハラケミカル社製YSレジンPX1150N(100質量部)を使用したこと以外は、前記(組成物10)と同様にして(組成物11)を得た。
(組成物11)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
(組成物12)
2軸スクリュー押し出し機を用い、160℃で熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー1(266質量部)、粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP100(67質量部)、酸化防止剤としてチバスペシャルティーケミカルス社製イルガノックス#1010(0.5質量部)を混錬して混練物を得た。
得られた混錬物を水中に押し出し、水中カッターでペレット状に成形し、連続乾燥機中で乾燥して(組成物12)を得た。
(組成物12)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
(組成物13)
2軸スクリュー押し出し機を用い、160℃で熱可塑性エラストマーとして熱可塑性エラストマー1(200質量部)、粘着付与剤として荒川化学工業社製アルコンP100(133質量部)、酸化防止剤としてチバスペシャルティーケミカルス社製イルガノックス#1010(0.5質量部)を混錬して混練物を得た。
得られた混錬物を水中に押し出し、水中カッターでペレット状に成形し、連続乾燥機中で乾燥して(組成物13)を得た。
(組成物13)のその他の物性値を下記〔表4〕に示す。
上述のようにして作製した、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤を含み、一体となっている組成物の組成及び物性を下記〔表3〕、〔表4〕に示す。
Figure 2022017191000003
Figure 2022017191000004
〔感圧型接着剤用材料(ドライブレンド組成物)の調製〕
[実施例2-1~10、比較例2-1~7]
感圧型接着剤用材料は、下記〔表5〕、〔表6〕に示すように、組成物Cと組成物Fとを組み合わせて調製した。
組成物C、組成物Fに相当するものは、前記組成物1~13から選択した。
(ドライブレンド組成物1)
組成物Cとして組成物1(100質量部)、組成物Fとして組成物6(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物1を作製した。
ドライブレンド組成物1のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物2)
組成物Cとして組成物2(100質量部)、組成物Fとして組成物7(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物2を作製した。
ドライブレンド組成物2のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物3)
組成物Cとして組成物3(100質量部)、組成物Fとして組成物8(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物3を作製した。
ドライブレンド組成物3のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物4)
組成物Cとして組成物1(100質量部)、組成物Fとして組成物7(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物4を作製した。
ドライブレンド組成物4のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物5)
組成物Cとして組成物4(100質量部)、組成物Fとして組成物9(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物5を作製した。
ドライブレンド組成物5のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物6)
組成物Cとして組成物5(100質量部)、組成物Fとして組成物10(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物6を作製した。
ドライブレンド組成物6のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物7)
組成物Cとして組成物1(100質量部)、組成物Fとして組成物10(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物7を作製した。
ドライブレンド組成物7のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物8)
組成物Cとして組成物12(80質量部)、組成物Fとして組成物7(120質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物8を作製した。
ドライブレンド組成物8のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物9)
熱可塑性エラストマー2(100質量部)と、組成物Fとして組成物8(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物9を作製した。
ドライブレンド組成物9のその他の物性値を下記〔表5〕に示す。
表5中では、他のドライブレンド組成物と比較しやすくするために熱可塑性エラストマーを組成物Cとして物性値の計算を行った。例えば熱可塑性エラストマー2の平均粒子質量をWcとして算出した。
(ドライブレンド組成物10)
組成物Cとして組成物5(100質量部)、組成物Fとして組成物8(100質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物10を作製した。
ドライブレンド組成物10のその他の物性値を、下記〔表5〕に示す。
(ドライブレンド組成物11)
熱可塑性エラストマー1(100質量部)と、組成物Fとして組成物6(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物11を作製した。
ドライブレンド組成物11のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物12)
熱可塑性エラストマー1(100質量部)と、組成物Fとして組成物7(250重量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物12を作製した。
ドライブレンド組成物12のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物13)
熱可塑性エラストマー1(100質量部)と、組成物Fとして組成物8(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物13を作製した。
ドライブレンド組成物13のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物14)
熱可塑性エラストマー1(100質量部)と、組成物Fとして組成物9(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物14を作製した。
ドライブレンド組成物14のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物15)
熱可塑性エラストマー2(100質量部)と、組成物Fとして組成物7(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物15を作製した。
ドライブレンド組成物15のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物16)
熱可塑性エラストマー2(100質量部)と、組成物Fとして組成物11(250質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物16を作製した。
ドライブレンド組成物16のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
(ドライブレンド組成物17)
組成物Cとして組成物13(133質量部)、組成物Fとして組成物6(67質量部)をドライブレンドして、ドライブレンド組成物17を作製した。
ドライブレンド組成物17のその他の物性値を下記〔表6〕に示す。
〔三層フィルムの製造〕
[実施例3-1~10、比較例3-1~7]
(三層フィルム1)
ドライブレンド組成物1を感圧型接着剤層とし、ポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PC684S」、MFR(230℃、2.16kg荷重)=7.5g/10分)を基材層とし、低密度ポリエチレン(旭化成社製、商品名「サンテックL2340」、MFR(190℃、2.16kg荷重)=3.8g/10分))をヒートシール層として、それぞれ用いて、感圧型接着剤層が三層の内、中央の層になるようにTダイ方式共押出法によって各層を一体化して共押し出しし、三層フィルム1を作製した。
押し出し機の設定温度はポリプロピレン層を210℃、低密度ポリエチレン層を170℃、感圧型接着剤層を130℃とした。
三層フィルム1のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム2)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物2を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム2を得た。
三層フィルム2のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム3)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物3を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム3を得た。
三層フィルム3のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム4)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物4を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム4を得た。
三層フィルム4のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム5)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物5を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム5を得た。
三層フィルム5のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム6)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物6を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム6を得た。
三層フィルム6のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム7)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物7を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム7を得た。
三層フィルム7のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム8)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物8を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム8を得た。
三層フィルム8のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム9)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物9を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム9を得た。
三層フィルム9のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム10)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物10を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム10を得た。
三層フィルム10のその他の物性値を下記〔表7〕に示す。
(三層フィルム11)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物11を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム11を得た。
三層フィルム11のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム12)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物12を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム12を得た。
三層フィルム12のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム13)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物13を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム13を得た。
三層フィルム13のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム14)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物14を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム14を得た。
三層フィルム14のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム15)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物15を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム15を得た。
三層フィルム15のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム16)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物16を使用したこと以外は、前記三層フィルム1と同様にして三層フィルム16を得た。
三層フィルム16のその他の物性値を下記〔表8〕に示す。
(三層フィルム17)
感圧型接着剤層用の材料としてドライブレンド組成物17を使用すること以外は、前記三層フィルム1と同様の操作を行うよう試みたが、組成物13の粘着力が強いため、ブロッキングが生じ、フィルムを製膜することができず、三層フィルム17は得られなかった。
〔実施例2-1~2-10〕、〔比較例2-1~2-7〕
(ドライブレンド組成物)
上述のようにして作製したドライブレンド組成物の組成、及び物性値、特性値を、下記〔表5〕、〔表6〕に示す。
Figure 2022017191000005
Figure 2022017191000006
〔実施例3-1~3-10〕、〔比較例3-1~3-7〕
上述のようにして作製した三層フィルムの構成及び特性、評価を下記〔表7〕、〔表8〕
に示す。
Figure 2022017191000007
Figure 2022017191000008
実施例3-1~3-7の結果と、比較例3-1~3-6の結果の比較から、製造例1-1~1-5の組成物(組成物1~5)を使用した場合、熱可塑性エラストマー単体や熱可塑性エラストマーの割合が高すぎる組成物を使用する場合と比較して押出フィルムの外観が大幅に改善することが分かった。また、再封剥離強度も向上する傾向にあることが分かった。実施例で使用した感圧型接着剤層の押出条件である130℃は一般的な押出温度と比較して低く、混合しにくい厳しい条件であり、従来技術である比較例3-1~3-6は、2種の粒子のMFR値の比が適切な範囲に入っていなかったことにより、粒子が十分混合されなかったと考えられる。一方で、本発明の感圧型接着剤用材料であるドライブレンド組成物に含まれる各粒子は、2種の粒子のMFR値の比が適切な範囲内にあることで、より容易に混合することが可能になっており、その結果、混合ムラに由来する異物による外観の悪化もなく、さらに全体に亘ってより均一に、想定した混合割合の組成物になり、その結果、再剥離強度も向上した。
この結果から、本発明の感圧型接着剤用材料であるドライブレンド組成物に含まれる各粒子の混合性は、本質的に向上している。例えばより混練能力の低い押し出し機を使用した場合であっても、十分に混練できる。押し出し機の混練能力は、使用する機器、スクリュー種等により大きく異なるため、混合性が向上することにより多くの機器で使用可能になるため、混合性の高い本発明の感圧型接着剤用材料は、産業上の有用性が高い。また、130℃での押し出し条件と比較して、混練性が改善しやすい150℃~230℃のような押出条件では従来技術と比較して、より短時間で十分混合できることが考えられ、スループット向上につながり、有用性が高い。
製造例1-1、1-2、1-4、1-5、1-6、1-7、1-9、1-10、1-12、1-13の結果と、製造例1-3、1-8、1-11の結果の比較から、製造例1-1、1-2、1-4、1-5、1-6、1-7、1-9、1-10、1-12、1-13の組成物を使用した場合、炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体以外の粘着付与樹脂を使用した場合と比較して、外観と臭気が良好になることが分かった。
また、実施例3-1、3-2、3-4の結果と、実施例3-3、3-5、3-9、3-10、及び比較例3-3、3-4、3-6の結果の比較から、製造例1-1、1-2、1-4、1-5、1-6、1-7、1-9、1-10の組成物を使用した場合、軟化点が130℃より高い粘着付与樹脂や炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体以外の粘着付与樹脂を使用した場合と比較して、押出フィルムの臭気が改善し、かつ再封剥離強度も向上する傾向にあることが分かった。
製造例1-13の組成物13は、粘着力、タック力が強すぎるために容易に粒子同士がくっつき、ブロッキングが生じた。
また、組成物13を用いた比較例2-7のドライブレンド組成物17も、ブロッキングを起こした。ブロッキングをほぐして、製膜するよう試みたが、押し出し機のホッパー内で再度粒子同士が接着してしまい、フィードできない状態になり、製膜することができなかった。このことから、本発明に規定する熱可塑性エラストマー比率にすることでブロッキングを起こしにくく、取り扱いが容易になることが分かった。
本発明の感圧型接着剤用組成物は、使用する度に開封と再封を繰り返す化粧品や生理用品の包装手段、一度では消費しきれない量の食品や医薬品等の包装材の接着層の材料として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (20)

  1. 再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAを含み、粒子状の形態である、組成物Cと、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
    を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
    を、含有し、
    前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
    前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
    前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
    前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマー質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
    前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
    前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
    下記式(1)、及び条件(13)を満たす感圧型接着剤用材料。
    β<x<α (1)
    <条件(2)>
    前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
    <条件(13)>
    前記組成物CのMFR値に対する前記組成物FのMFR値の比率が10以上100以下である。
  2. 前記組成物Cが粘着付与剤Bを、さらに含有し、かつ下記の条件(1)を満たす、請求項1に記載の感圧型接着剤用材料。
    <条件(1)>
    前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
  3. 再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、
    を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、
    を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
    を、含有し、
    前記組成物Cは下記の条件(1)を満たし、
    前記組成物Fは下記の条件(2)を満たし、
    前記感圧型接着剤用材料における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、
    前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
    前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
    前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
    前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
    下記式(1)を満たす感圧型接着剤用材料。
    β<x<α (1)
    <条件(1)>
    前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
    <条件(2)>
    前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
  4. 再密封包装用の多層フィルムに含まれる感圧型接着剤に用いられる感圧型接着剤用材料であって、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bと、を含み、これらが一体化した、粒子状の形態である、組成物Cと、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eと、を含み、これらが一体化した粒子状の形態である、組成物Fと、
    を、含有し、
    前記組成物Cは下記の条件(3)を満たし、
    前記組成物Fは下記の条件(4)を満たし、
    前記感圧型接着剤用材料における、
    全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの
    質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をxとし、前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
    全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
    前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する、
    全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとしたとき、
    前記比率がxである感圧型接着剤用材料の粘着力は、前記比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、前記比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
    下記式(1)を満たす感圧型接着剤用材料。
    β<x<α (1)
    <条件(3)>
    前記組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
    60質量%を超え80質量%未満であり、
    前記組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
    20質量%を超え40質量%未満である。
    <条件(4)>
    前記組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、
    20質量%を超え40質量%未満であり、
    前記組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、
    60質量%を超え80質量%未満である。
  5. 前記粘着付与剤B、及び前記粘着付与剤Eが、
    軟化点が130℃以下である炭化水素樹脂の水素添加物及び/又はその誘導体である、 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
  6. 前記粘着付与剤B、又は前記粘着付与剤Eが、
    芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
  7. 前記粘着付与剤B、又は前記粘着付与剤Eが、
    芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物、及び/又はその誘導体である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
  8. 前記粘着付与剤Bが、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体であり、
    前記粘着付与剤Eが、芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(DCPD-C9系樹脂)の水素添加物及び/又はその誘導体である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
  9. 下記条件(5)を満たす、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の、感圧型接着剤用材料。
    <条件(5)>
    前記組成物Fの平均粒子質量Wfに対する、前記組成物Cの平均粒子質量Wcの比
    (Wc/Wf)が、0.4以上2.5以下である。
  10. 下記条件(6)を満たす、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
    <条件(6)>
    前記組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの比
    (Lc/Lf)が、0.6以上1.4以下であり、
    前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比
    (lc/lf)が、0.6以上1.4以下である。
  11. 前記組成物Fの配合量に対する、前記組成物Cの配合量の比(配合質量比;C/F)が、0.45以上、2.00以下である、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料。
  12. 少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含有し、粒子状の形態である組成物Cと、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含有し、粒子状の形態である組成物Fと、
    を、併せて押し出し機によって押し出して、感圧型接着剤を得る押出工程を含む、
    再密封包装用多層フィルムに含まれる、感圧型接着剤の製造方法であって、
    前記組成物Cは下記の条件(7)を満たし、
    前記組成物Fは下記の条件(8)を満たし、
    前記押出工程において、
    前記感圧型接着剤における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をyとし、
    前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
    前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとする場合、
    比率がyである感圧型接着剤の粘着力は、比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
    下記式(2)を満たす、
    感圧型接着剤の製造方法。
    β<y<α (2)
    <条件(7)>
    前記組成物C中の、全粘着付与剤に対する全熱可塑性エラストマーの質量比が、1.5を超え3.0以下である。
    <条件(8)>
    前記組成物F中の、全熱可塑性エラストマーに対する全粘着付与剤の質量比が、1.5を超え3.0以下である。
  13. 少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーAと、少なくとも1種類の粘着付与剤Bとを含有し、粒子状の形態である組成物Cと、
    少なくとも1種類の熱可塑性エラストマーDと、少なくとも1種類の粘着付与剤Eとを含有し、粒子状の形態である組成物Fと、
    を、併せて押し出し機によって押し出して、感圧型接着剤を得る押出工程を含む、
    再密封包装用多層フィルムに含まれる、感圧型接着剤の製造方法であって、
    前記組成物Cは下記の条件(9)を満たし、
    前記組成物Fは下記の条件(10)を満たし、
    前記押出工程において、
    前記感圧型接着剤における、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をyとし、
    前記組成物Cにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をαとし、
    前記組成物Fにおける、全熱可塑性エラストマーと全粘着付与剤との総量に対する全熱可塑性エラストマーの質量比率(全熱可塑性エラストマー/全熱可塑性エラストマー+全粘着付与剤)をβとする場合、
    比率がyである感圧型接着剤の粘着力は、比率がαである組成物Cの粘着力よりも大きく、
    比率がβである組成物Fの粘着力よりも大きく、
    下記式(2)を満たす、
    感圧型接着剤の製造方法。
    β<y<α (2)
    <条件(9)>
    前記組成物C全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満であり、
    前記組成物C全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満である。
    <条件(10)>
    前記組成物F全体の質量に対する全熱可塑性エラストマーの質量の割合が、20質量%を超え40質量%未満であり、
    前記組成物F全体の質量に対する全粘着付与剤の質量の割合が、60質量%を超え80質量%未満である。
  14. 前記組成物Cと前記組成物Fとを、
    前記押出工程の前段階で、前記各組成物をドライブレンドして、感圧型接着剤用材料Gを調製するドライブレンド工程を含む、
    請求項12又は13に記載の感圧型接着剤の製造方法。
  15. 下記条件(11)を満たす、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の感圧型接着剤の製造方法。
    <条件(11)>
    前記組成物Fの平均粒子質量Wfに対する前記組成物Cの平均粒子質量Wcの質量比率(Wc/Wf)が0.4以上2.5以下である。
  16. 下記条件(12)を満たす、
    請求項12乃至15のいずれか一項に記載の感圧型接着剤の製造方法。
    <条件(12)>
    前記組成物Fの平均粒子長径Lfに対する前記組成物Cの平均粒子長径Lcの比率
    (Lc/Lf)が0.60以上1.40以下であり、
    前記組成物Fの平均粒子短径lfに対する前記組成物Cの平均粒子短径lcの比率
    (lc/lf)が0.60以上1.40以下である。
  17. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の感圧型接着剤用材料を含有する、感圧型接着剤。
  18. 請求項17に記載の感圧型接着剤を含有する、多層フィルム。
  19. 再密封包装用である、請求項18に記載の多層フィルム。
  20. 請求項18又は19に記載の多層フィルムを含む包装体。
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