JP2000104030A - 表面保護フィルム用粘着剤組成物、当該粘着剤組成物用粘着付与剤および表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム用粘着剤組成物、当該粘着剤組成物用粘着付与剤および表面保護フィルム

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JP2000104030A
JP2000104030A JP10274817A JP27481798A JP2000104030A JP 2000104030 A JP2000104030 A JP 2000104030A JP 10274817 A JP10274817 A JP 10274817A JP 27481798 A JP27481798 A JP 27481798A JP 2000104030 A JP2000104030 A JP 2000104030A
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Japan
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adhesive composition
surface protective
protective film
tackifier
weight
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Takumi Okazaki
巧 岡崎
Eiji Nagahara
栄治 永原
Yuichi Karashi
裕一 芥子
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)適度の剥離性と接着性を有し、(2)
汚染性(界面剥離)がよく、(3)透明性、(4)耐光
性に優れた表面保護フィルムを提供しうる、表面保護フ
ィルム用粘着剤組成物および当該粘着剤組成物用粘着付
与剤を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー(A)を含有する
ベースポリマーおよび粘着付与剤(B)を含有してなる
透明フィルムを基材フィルムとする表面保護フィルム用
粘着剤組成物において、粘着付与剤(B)として、C9
留分中の重合性モノマーを重合して得られる芳香族系炭
化水素樹脂の水素化物であって、該重合性モノマーがビ
ニルトルエンを50重量%以上、インデンを20重量%
以下の割合で含有し、かつ芳香族性炭化水素樹脂の芳香
環の水素化率が50%以上のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面保護フィルム
用粘着剤組成物、当該粘着剤組成物用粘着付与剤、およ
び表面保護フィルムに関する。本発明の表面保護フィル
ムは、鋼板、化粧板、ガラス板、プラスチック板等の各
種板材等の表面保護に用いられる。
【0002】
【従来の技術】板材等は建装材、家具、電化製品等の多
岐に及ぶ用途で使用されている。かかる板材等には、流
通加工時における表面保護や防塵等の目的で表面保護フ
ィルムをラミネートしている場合が多くみられる。こう
した目的で使用される表面保護フィルムは、通常、最終
製品において剥離して用いられるため、(1)板材に対し
適度な接着強度を有し、流通、エンボス、曲げ等の2次
加工時には剥離がなく、かつ容易に剥離できること、
(2)板材に対し汚染性がないこと(剥離状態が界面剥離
であること)が要求される。また、表面保護フィルムに
は、(3)透明性を有し、板材表面を透視できることな
どの性能も要求される。
【0003】従来より、このような表面保護フィルムと
しては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の透明な基材
フィルムに、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤および
可塑剤等を含むゴム系等の粘着剤組成物を塗布したもの
が使用されている。また、粘着剤組成物中の粘着付与剤
としては透明性に優れるため主に水素化石油樹脂等が用
いられている。しかし、水素化石油樹脂等の粘着付与剤
を含有する粘着剤組成物は、耐光性が十分でないため、
露光頻度が高い場所で長期間保管される場合には、表面
保護フィルムの接着剤組成物層に黄変が生じる。こうし
た黄変は、粘着剤組成物に紫外線吸収剤等の添加剤を加
えることで改善されるが、コストの面で不利になる。
【0004】
【本件が解決しようとする課題】本発明は、(1)適度
の剥離性と接着性を有し、(2)汚染性(界面剥離)が
よく、(3)透明性、(4)耐光性に優れた表面保護フ
ィルムを提供しうる、表面保護フィルム用粘着剤組成物
および当該粘着剤組成物用粘着付与剤を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性エラストマ
ー(A)、粘着付与剤(B)および可塑剤(C)を含有
してなる表面保護フィルム用粘着剤組成物の粘着付与剤
(B)として、以下に特定する粘着付与剤を用いること
により前記目的を達成できることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、熱可塑性エラストマ
ー(A)を含有するベースポリマー、粘着付与剤(B)
および可塑剤(C)を含有してなる透明フィルムを基材
フィルムとする表面保護フィルム用粘着剤組成物におい
て、粘着付与剤(B)として、C9留分中の重合性モノ
マーを重合して得られる芳香族系炭化水素樹脂の水素化
物であって、該重合性モノマーがビニルトルエンを50
重量%以上、インデンを20重量%以下の割合で含有
し、かつ芳香族性炭化水素樹脂の芳香環の水素化率が5
0%以上のものを用いることを特徴とする表面保護フィ
ルム用粘着剤組成物;熱可塑性エラストマー(A)が、
スチレン−共役ジエン系ブロック重合体の水素化物およ
び/またはその変性物である前記表面保護フィルム用粘
着剤組成物;熱可塑性エラストマー(A)100重量部
に対し、粘着付与剤(B)10〜300重量部、可塑剤
(C)5〜100重量部を配合してなる前記表面保護フ
ィルム用粘着剤組成物;C9留分中の重合性モノマーを
重合して得られる芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であ
って、該重合性モノマーがビニルトルエンを50重量%
以上、インデンを20重量%以下の割合で含有し、かつ
芳香族性炭化水素樹脂の芳香環の水素化率が50%以上
である前記表面保護フィルム用粘着剤組成物に用いる粘
着付与剤;透明な基材フィルムの表面に、請求項1〜3
に記載の表面保護フィルム用粘着剤組成物層が設けられ
ている表面保護フィルム、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の表面保護フィルム用粘着
剤組成物に用いる粘着付与剤(B)は、C9留分中の重
合性モノマーを重合して得られる芳香族系炭化水素樹脂
の水素化物であり該重合性モノマーがビニルトルエンを
50重量%以上、インデンを20重量%以下の割合で含
有し且つ芳香族性炭化水素樹脂の芳香環の水素化率が5
0%以上のものである。
【0008】C9留分とは、通常、ナフサのクラッキン
グにより得られたものをいい、C9留分中には重合性モ
ノマーとして、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、インデン類等、その他高沸点の化合物
が含まれている。一般的なC9留分は、通常ビニルトル
エン、インデンをそれぞれ40重量%程度含有し、残り
20重量%程度がスチレン等からなる。本発明では、こ
うしたC9留分を蒸留することにより、C9留分のイン
デン類や高沸点の化合物等を除去し、重合性モノマー中
のビニルトルエン含有量が50重量%以上で、インデン
の含有量が20重量%以下になるように調製したものを
用いる。ビニルトルエン含有量は、好ましくは55重量
%以上、より好ましくは60重量%以上であり多い程よ
く、インデンの含有量は好ましくは15重量%以下、よ
り好ましくは10重量%以下であり少ない程よい。重合
性モノマーにおけるビニルトルエンの含有量が50%未
満の場合またはインデンの含有量が20重量%を超える
場合には、得られる芳香族系炭化水素樹脂の水素化物で
は耐光性を満足できなくなる。なお、芳香族系炭化水素
樹脂は、かかる重合性モノマーを通常のカチオン重合に
より重合することにより得られる。
【0009】前記芳香族系炭化水素樹脂は、さらに芳香
環の水素化率が50%以上となるように水素化されたも
のである。芳香核の水素化率が50%未満の場合には、
耐光性を満足できない。
【0010】水素化反応は、前記芳香族系炭化水素樹脂
の水素化率が前記範囲内(芳香環の水素化率が50%以
上)となるように、水素化触媒の存在下に、条件を適宜
に調整して行う。
【0011】水素化触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、モリブデ
ン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化合
物等の各種のものを使用できる。かかる水素化触媒は多
孔質で表面積の大きなアルミナ、シリカ(ケイソウ
土)、カーボン、チタニア等の担体に担持して使用して
もよい。本発明ではこれら触媒の中でも、水素化率を前
記範囲内に調整し易いことや費用面からニッケル−ケイ
ソウ土触媒を使用するのが好ましい。触媒の使用量は、
原料樹脂である芳香族系炭化水素樹脂の0.1〜5重量
%程度、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0012】水素化反応の条件は、水素化圧力は通常3
0〜300Kg/cm程度の範囲、反応温度は通常1
50〜300℃程度の範囲で行う。好ましくは水素化圧
力は100〜200Kg/cmであり、反応温度は2
00〜280℃である。水素化圧力が30Kg/cm
に満たない場合または反応温度が150℃に満たない場
合には水素化が進み難く、水素化圧力が300Kg/c
を超える場合または反応温度が300℃を超える場
合には分解が起こり軟化点が低下する傾向がある。また
反応時間は通常1〜7時間程度、好ましくは2〜7時間
である。前記水素化反応は芳香族系炭化水素樹脂を溶融
して、または溶剤に溶解した状態で行う。溶剤として
は、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デ
カリン等を使用できる。
【0013】なお、触媒の使用量および反応時間につい
ては、反応形式として回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
【0014】こうして得られた芳香族系炭化水素樹脂の
水素化物の軟化点は通常60〜130℃程度、数平均分
子量は300〜2000程度が好ましい。
【0015】本発明の表面保護フィルム用粘着剤組成物
は、熱可塑性エラストマー(A)を含有するベースポリ
マーに、前記粘着付与剤(B)および可塑剤(C)を配
合したものである。
【0016】熱可塑性エラストマー(A)としては、ス
チレン、メチルスチレン等のスチレン類と、ブタジエ
ン、イソプレン等の共役ジエン類の共重合体またはブロ
ック共重合体があげられる。スチレン類/共役ジエン類
の重量比の比率は特に制限されないが、通常、10/9
0〜50/50程度である。
【0017】熱可塑性エラストマー(A)の具体的とし
ては、たとえば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ス
チレントリブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブ
タジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)等
を例示できる。さらに、熱可塑性エラストマー(A)と
しては、スチレン−ブタジエン共重合体の水素化物、ス
チレン−イソプレン共重合体の水素化物、SBSの水素
化物{(スチレン/エチレン)−(ブチレン/スチレ
ン)共重合体}(SEBS)、SISの水素化物{(ス
チレン/エチレン)−(プロピレン/スチレン)共重合
体}(SEPS)等の前記共重合体またはブロック共重
合体を水素化したものや、その変性物があげられる。な
お、前記共重合体またはブロック共重合体の水素化率は
特に限されず、また変性物としては前記共重合体または
ブロック共重合体の一部にカルボキシル基や水酸基等の
極性基を導入したものなどの各種の変性物があげられ
る。かかる本発明の熱可塑性エラストマー(A)として
は、SEBS、SEPS等のスチレン−共役ジエン系ブ
ロック共重合体の水素化物および/またはその変性物
が、耐光性に優れる点で好ましい。
【0018】また本発明のベースポリマーには、前記熱
可塑性エラストマー(A)に加えて、被着体への密着性
や加熱時の接着性を向上させるため、前記熱可塑性エラ
ストマー(A)以外の熱可塑性ポリマーを使用すること
もできる。このような熱可塑性ポリマーとしては、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチ
ルアクリレート共重合体(EEA)、ブチルゴム(II
R)、エチレン/プロピレン共重合体ゴム(EPR)等
を例示できる。
【0019】(C)可塑剤としては、たとえば、炭化水
素系可塑剤があげられる。炭化水素系可塑剤の具体的と
しては、流動パラフィン、ポリブテン、液状ポリブタジ
エン等を例示できる。また、フタル酸エステル、脂肪族
二塩基酸エステル、グリコールエステル、りん酸エステ
ル、エポキシ系可塑剤等の各種公知の可塑剤があげられ
る。
【0020】粘着剤組成物の組成比は、熱可塑性エラス
トマー(A)を含有するベースポリマー100重量部に
対し、通常、前記粘着付与剤(B)10〜150重量部
程度および可塑剤(C)0〜100重量部程度とするの
が好ましい。かかる配合により接着性と剥離性とのバラ
ンスのよい粘着剤組成物が得られる。
【0021】前記粘着付与剤(B)の配合量が、ベース
ポリマー100重量部に対して10重量部未満では、接
着力が十分でなく、逆に150重量部を超えて配合する
と、接着力が強くなりすぎて、剥離性が悪化する傾向が
ある。
【0022】前記可塑剤(C)の配合量が100重量部
を超えて配合すると、耐熱フロー温度が低下して、粘着
材の剥離性が悪化する傾向がある。かかる観点から、可
塑剤(C)の配合量は、5重量部以上、また90以下と
するのがより好ましい。
【0023】本発明の粘着剤組成物は、前記の通り、熱
可塑性エラストマー(A)を含有するベースポリマー、
粘着付与剤(B)および必要に応じて可塑剤(C)を含
むが、さらに本発明の目的を逸脱しない範囲で、ワック
ス類、無機充填剤、安定剤、脂肪酸アミド類、ポリエチ
レンイミンアルキルカルバミド類等を添加しても良い。
【0024】ワックス類としては、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、フィシャー・トロ
プシュワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
エチレン、低分子量ポリプロピレン、アクタクチックポ
リプロピレン、およびこれらの変性物等が好適に利用さ
れる。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、タルク、クレー、酸化チタン、カーボンブラック
等が好適に利用される。安定剤としては、ヒンダードフ
ェノール系老化防止剤、ヒンダードアミン系老化防止剤
や、各種の熱安定剤、耐候安定剤等が例示される。脂肪
酸アミド類としてはステアリルアミド、オレイルアミ
ド、ラウリルアミド、エチレンステアリルアミド,N,
N’−メチレンビスステアリルアミド等が例示され、ポ
リエチレンイミンアルキルカルバミド類としてはポリエ
チレンイミンのイミノ基に対し0.5−1.0当量結合
しているものが好ましく、ポリエチレンイミンオクタデ
シルカルバミドが特に好適に使用されている。
【0025】このような本発明の粘着剤組成物の調製
は、前記(A)成分、(B)成分および必要に応じて
(C)成分、必要に応じて配合された任意成分を、ニー
ダ等の装置を用いて、成分に応じて溶融粘度を調整す
る。通常、180〜200℃程度の温度で溶融混合する
ことによって行なわれる。
【0026】前記本発明の粘着剤組成物は、透明な基材
フィルム表面に塗布に供され、基材フィルム表面に粘着
剤組成物層が設けられた表面保護フィルムが製造され
る。本発明の粘着剤組成物の各種基材フィルムへの塗布
方法は特に限定はなく、通常の粘着組成物を塗布する方
法と同様の方法が可能である。例えば、フィルム基材に
対し、ホットメルトアプリケーターや2層押出成型法を
用いて粘着剤組成物を塗布すること方法がある。なお、
粘着剤組成物は、表面保護フィルムの用途に応じて、基
材フィルムの片面または両面に塗布される。
【0027】透明な基材フィルムとしては、透明であれ
ば特に制限されず、各種のフィルムを使用できる。たと
えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−
αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−nブチルアクリレート共重合
体、ポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマ
ーー、ブロックコポリマー)等のポリオレフィン系樹
脂、またはこれらポリオレフィン系樹脂の任意の組み合
せによる混合物、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等ががあげられ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明の表面保護フィルム用粘着剤組成
物によれば、(1)適度の剥離性と接着性を有し、
(2)汚染性(界面剥離)がよく、(3)透明性、
(4)耐光性に優れた表面保護フィルムを提供できる。
かかる表面保護フィルムは、耐光性に優れることから特
に露光する頻度の高い部位に用いられる場合に有用であ
る。
【0029】
【実施例】以下に、実施例および比較例をあげて本発明
を説明するが、本発明はこれら各例に制限されるもので
はない。なお、各例中、部はいずれも重量部である。
【0030】実施例1(粘着付与剤の製造) ナフサのクラッキングで得られた通常のC9留分(重合
性モノマー組成:ビニルトルエン37%、インデン35
%、その他28%)を蒸留して得られた精製C9留分
(重合性モノマー組成:ビニルトルエン58%、インデ
ン9%、その他33%)を、カチオン重合によって重合
して特殊C9系炭化水素樹脂(軟化点100℃,数平均
分子量700)を得た。得られた特殊C9系炭化水素樹
脂100部およびニッケルーケイソウ土触媒(「N−1
13」、日揮化学(株)製)2.0部をオートクレーブ
に仕込み、水素圧200kg/cm、反応温度270
℃、反応時間5時間の条件下に、水素化反応を行った。
反応終了後、得られた樹脂をシクロヘキサン300部に
溶解し、ろ過により触媒を除去した。その後、撹拌羽
根、還流コンデンサー、温度計、温度調節器及び圧力表
示計の取り付けられた1リットル容のセパラブルフラス
コにろ液および、酸化防止剤(「イルガノックス101
0」、日本チバガイギー(株)製)0.35部を入れ、
200℃、20torrまで徐々に昇温・減圧して溶媒
を除去し、数量平均分子量790、軟化点102.5
℃、芳香環の水素化率94%の水素化C9系炭化水素樹
脂(粘着付与剤a)98部を得た。得られた粘着付与剤
aの物性を表1に示す。
【0031】なお、水素化率は、原料樹脂及び得られた
水素化樹脂の H−NMRの7ppm付近に現れる芳
香環のH−スペクトル面積から以下の式に基づき算出し
た。 水素化率={1−(水素化樹脂のスペクトル面積/原料
樹脂のスペクトル面積)}×100(%)。また、軟化
点は、JIS K 2531の環球法による。
【0032】実施例2(粘着付与剤の製造) 実施例1において、水素化条件を表1に示すように変え
た他は、実施例1と同様にして粘着付与剤bを製造し
た。得られた粘着付与剤bの物性を表1に示す。
【0033】比較例1(粘着付与剤の製造) 実施例1において、特殊C9系炭化水素樹脂の代わり
に、ナフサのクラッキングで得られた通常のC9留分
(重合性モノマー組成:ビニルトルエン37%、インデ
ン35%、その他28%)をそのままカチオン重合によ
って重合したC9系炭化水素樹脂(軟化点120℃,数
平均分子量740)を用い、水素化条件を表1に示すよ
うに変えた他は実施例1と同様にして芳香環の水素化率
95%の粘着付与剤cを製造した。得られた粘着付与剤
cの物性を表1に示す。
【0034】比較例2(粘着付与剤の製造) 比較例1において、水素化条件を表1に示すように変え
た他は比較例1と同様にして芳香環の水素化率70%の
粘着付与剤dを製造した。得られた粘着付与剤dの物性
を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表中、*1は特殊C9系炭化水素樹脂(重
合性モノマー組成:ビニルトルエン58%、インデン9
%、その他33%,軟化点100℃,数平均分子量70
0)を示し、*2はC9系炭化水素樹脂を(重合性モノ
マー組成:ビニルトルエン37%、インデン35%、そ
の他28%,軟化点120℃,数平均分子量740)を
示す。
【0037】実施例3〜5、比較例3〜7(表面保護フ
ィルム用粘着剤組成物の調製および表面保護フィルムの
製造) 熱可塑性エラストマー(A)、粘着付与剤(B)および
可塑剤(C)、さらにその他の成分を表2に示す割合で
配合した後、2軸の混練押出し機を用いて220℃で混
練して粘着剤組成物を調製した。これを一軸押出し成型
機を用い共押出し法によって厚さ60μmのポリピロピ
レンフィルムの片面に厚さ10μmの粘着剤組成物層を
積層し、表面保護フィルムを製造した。得られた表面保
護フィルムについて、以下の評価を行なった。評価結果
を表2に示す。
【0038】剥離性および汚染性:SUS板に表面保護
フィルムを圧着したのち、JIS規格「PSTC−1
(180度剥離方、引き剥がし速度300mm/分)」
に従って剥離しその剥離状態を調べた。表2中、界面:
界面剥離、凝集:凝集剥離(被着体に粘着材が残ったま
ま剥離する現象)を示す。
【0039】耐光性:表面保護フィルムにキセノンラン
プを72時間連続照射し、黄変度合いを目視で評価し
た。
【0040】なお、表2中、:SIS(商品名クレイ
トンTR1107,シェル化学(株)製)、SEBS
(商品名クレイトンG−1652),水素化石油樹脂
(商品名アイマーブP−100,出光石油化学(株)
製)、ポリブテン(商品名HV−100,日本石油化
学(株)製)、ワックス(商品名ネオワックスL,ヤ
スハラケミカル(株)製)、酸化防止剤(商品名イル
ガノックス1010,日本チバガイギー社製)を示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から、本発明の表明保護フィルムは、
剥離性、汚染性、耐光性に優れていることが認められ
る。なお、本発明の表明保護フィルムは適度の接着性も
有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA05 AA07 AA17 AB01 CA04 CA05 CA06 CC02 FA04 4J040 DM011 DN032 GA05 GA07 JA09 JB09 KA26 KA31 LA06 LA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー(A)を含有する
    ベースポリマー、粘着付与剤(B)および可塑剤(C)
    を含有してなる透明フィルムを基材フィルムとする表面
    保護フィルム用粘着剤組成物において、粘着付与剤
    (B)として、C9留分中の重合性モノマーを重合して
    得られる芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であって、該
    重合性モノマーがビニルトルエンを50重量%以上、イ
    ンデンを20重量%以下の割合で含有し、かつ芳香族性
    炭化水素樹脂の芳香環の水素化率が50%以上のものを
    用いることを特徴とする表面保護フィルム用粘着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマー(A)が、スチレ
    ン−共役ジエン系ブロック重合体の水素化物および/ま
    たはその変性物である請求項1記載の表面保護フィルム
    用粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマー(A)100重量
    部に対し、粘着付与剤(B)10〜300重量部、可塑
    剤(C)5〜100重量部を配合してなる請求項1また
    は2記載の表面保護フィルム用粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 C9留分中の重合性モノマーを重合して
    得られる芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であって、該
    重合性モノマーがビニルトルエンを50重量%以上、イ
    ンデンを20重量%以下の割合で含有し、かつ芳香族性
    炭化水素樹脂の芳香環の水素化率が50%以上である請
    求項1〜3に記載の表面保護フィルム用粘着剤組成物に
    用いる粘着付与剤。
  5. 【請求項5】 透明な基材フィルムの表面に、請求項1
    〜3に記載の表面保護フィルム用粘着剤組成物層が設け
    られている表面保護フィルム。
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JP2018131515A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 東ソー株式会社 水添スチレン系共重合樹脂

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