JP5182226B2 - 音響装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、複数chの楽音を生成する楽音生成部と、調整処理を行うDSP部と、混合処理を行うミキサ部とを、1つの集積回路に納めた先行技術が開示されている。この先行技術におけるミキサ部では、係数の乗算を行う各演算チャンネル毎に、どの信号を入力するか、どのバスに出力するかを選択することができる。また、各入力チャンネル毎に、係数の乗算回数及びバスへの混合回数を任意に指定できる。さらに、混合を行うバス毎に、何チャンネルの信号を入力するか、その個々の信号をどの入力チャンネルから入力するかを任意に指定できるようになっている。しかし、特許文献1のディジタルミキサでは、混合を行うバス毎に、何チャンネルの信号を入力するか、その個々の信号をどの入力チャンネルから入力するかを逐一指定しなければならず、膨大な作業が必要になる。
そこで、本発明は混合バス数とマトリクスバス数とを任意の数に設定することができる音響装置を提供することを目的としている。
図1に示す音響装置1は、CPU(Central Processing Unit)10が管理プログラム(OS:Operating System)を実行しており、音響装置1の全体の動作をOS上で制御している。音響装置1は、CPU10が実行するミキシング制御プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている不揮発性のROM(Read Only Member)12と、CPU10のワークエリアや各種データ等が記憶されるRAM(Random Access Memory)11を備えている。CPU10は、ミキシング制御プログラムを実行することにより、入力された複数の音響信号に音響信号処理をDSP(ディジタル信号処理装置:Digital Signal Processor)13により施してミキシング処理を行っている。なお、ROM12をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、動作ソフトウェアの書き換えを可能とすることができ、動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。DSP13はCPU10の制御の基で、入力された音響信号の音量レベルや周波数特性をそのパラメータに基づいて調整してミキシングし、音量、パン、効果などの音響特性をそのパラメータに基づいて制御するデジタル信号処理を行っている。
図2において、複数のアナログ入力ポート(A入力)30に入力された複数のアナログ信号は、音声I/F20を介して取り込まれディジタル信号に変換されて入力パッチ32に入力される。また、複数のディジタル入力ポート(D入力)31に入力された複数のディジタル信号は、そのまま入力パッチ32に入力される。入力パッチ32では、信号の入力元である複数の入力ポートの何れか1つの入力ポートを、nチャンネルとされる複数の入力ch部33の各入力チャンネル毎に選択的にパッチ(結線)することができ、各入力チャンネルには、入力パッチ32でパッチされた入力ポートからの信号が供給される。
図3にはMIXバス34の等価的な構成が示されており、MIXバス34はIN1,IN2,・・・,INnのn入力チャンネルに対応するn本の行ラインと、MIX1,MIX2,・・・,MIXmのm本のMIXバス34に対応する列ラインから構成されている。n本の行ラインとm本の列ラインとの交点(n×m)の●として示されているクロスポイントではクロスポイント処理が施される。例えば、行ラインIN1と列ラインMIX1とのクロスポイントにおいては、入力チャンネルIN1からの入力チャンネル信号に係数が乗算されてレベル制御され、列ラインMIX1の信号に加算されて列ラインMIX1に出力される。他のクロスポイントにおいても同様のクロスポイント処理が行われる。
図5に示すDSP13の等価的な構成において、マトリクス部13cは、a1,a2,a3,・・・・,aiのi本の行ラインと、b1,b2,b3,・・・・,bjのj本の列ラインとから構成されている。i本の行ラインのそれぞれのラインにはイコライザ処理およびコンプレッサ処理を行うEQ/Comp部13aが設けられており、j本の列ラインのそれぞれのラインにもイコライザ処理およびコンプレッサ処理を行うEQ/Comp部13dが設けられている。マトリクス部13cにおけるi×jの交点においては、積和演算からなるクロスポイント処理が実行される。また、i本の行ラインのそれぞれのラインにはエフェクトのインサートを行うインサート処理部13bが設けられており、j本の列ラインのそれぞれのラインにもエフェクトのインサートを行うインサート処理部13eが設けられている。エフェクトは、例えばリバーブやコーラスとされるが、このエフェクトを付与する処理はDSP13が実行する処理とはされておらず、音響装置1に他に設けてある処理部が処理している。
(i×j)≧(n×m)+(m×p) (1)
が成立する。これにより、(1)式を満足する範囲内においてMIXバス34の数mと、MTRXバス36の数pとを任意に設定することができるようになる。
さらに、入力チャンネルには、その音響信号をミキサ処理を施すことなく出力チャンネルに直接出力するダイレクトアウトを持っている入力チャンネルがある。このようなダイレクトアウトを行うためにDSP13のリソースが使用される。このため、ダイレクトアウトを行う入力チャンネルの数に応じたリソースが、前記クロスポイント処理数(i×j)の内の使用されていないクロスポイント処理数に対応するリソースから振り分けられて使用されるようになる。
入力チャンネルの設定領域40aにおいては、入力チャンネル数およびダイレクトアウトを行う入力チャンネルを指定することができる。図示する例では、最大入力チャンネル数(Number of Channel)は96チャンネルに固定されており、「Insert Assign」の欄において、その内の入力チャンネル1−入力チャンネル80の範囲の80チャンネルにインサートが割り当てられるよう指定されている。また、「Direct Out Assign」の欄において、入力チャンネル1−入力チャンネル32の範囲の32チャンネルがダイレクトアウトを行うように指定されている。
さらに、設定画面40における設定領域40cにおいては、MTRXバス36の数とされるサブミックスの出力チャンネル数およびインサートが割り当てられるサブミックスの出力チャンネルの範囲を指定することができる。図示する例では、サブミックスの出力チャンネル数(Number of Channel)は32チャンネル(MTRXバス36の数は32本)に指定されており、インサートはサブミックスの出力チャンネルのいずれにも割り当てられていない。なお、出力チャンネル(MIXバス34の数)とサブミックスの出力チャンネル(MTRXバス36の数)は、上記したように合わせて最大96チャンネルまでとされる。
設定画面40において、設定が終了した場合に確定(Apply)ボタン40d上でクリックされると設定内容が確定される。また、キャンセル(Cance)ボタン40e上でクリックされると設定内容はクリアされ、前回の設定内容に戻るようになる。
図7に示す設定画面40において出力チャンネル数あるいはサブミックスの出力チャンネル数を変更する操作がされると、バスのチャンネル数変更処理がスタートされて、ステップS10にて「MIX」の設定領域40bにおける「Number of Channel」の欄に設定されている出力チャンネル数が参照されてMIXバス34の数が取得される。次いで、ステップS11にて「MATRIX」の設定領域40cにおける「Number of Channel」の欄に設定されているサブミックスの出力チャンネル数が参照されてMTRXバス36の数が取得される。そして、取得したMIXバス34の数とMTRXバス36の数とを加算した値(Mix+MATRIX)が最大チャンネル数を超えているか否かがステップS12にて判断される。ここで、加算した値(Mix+MATRIX)が最大チャンネル数(例えば、96チャンネル)を超えていないと判断された場合はステップS13に進む。
図7に示す設定画面40においてインサート/ダイレクトアウトを行うチャンネルの割当数を変更する操作をした際にインサート/ダイレクトアウトの割当数変更処理がスタートされて、ステップS20にて総リソース数が取得される。総リソース数は、上記したように具体的にはDSP13が1サンプリング期間内において実行可能なマイクロプログラムのステップ数であり、1クロスポイント処理に複数のステップを必要とするクロスポイント処理数で表すことができる。次いで、ステップS21にて変更後のリソースが計算される。変更後のリソースは、指定されている出力チャンネル数およびサブミックスの出力チャンネル数に使用するクロスポイント処理数に、変更されたインサート/ダイレクトアウトを行うチャンネルの割当数に応じたリソースに対応するクロスポイント数を加算して算出することができる。そして、算出した変更後のリソースが、総リソース数を超えているか否かがステップS22にて判断される。ここで、変更後のリソースが総リソース数を超えていないと判断された場合はステップS23に進み、変更後のインサート/ダイレクトアウトの割当数が適用される。また、変更後のリソースが総リソース数を超えていると判断された場合はステップS24に分岐して、総リソース数を超えていることが警告表示される。ユーザは、この警告表示を見て警告表示がされないようにインサート/ダイレクトアウトを行うチャンネルの割当数を再指定する。ステップS23あるいはステップS24の処理が終了するとインサート/ダイレクトアウトの割当数変更処理は終了する。
Claims (2)
- 複数の入力チャンネルからの音響信号を複数の混合バスで混合して複数の第1出力チャンネルへ出力する第1ミキサ処理と、前記第1出力チャンネルからの音響信号を入力に見立てて複数のマトリクスバスで混合して複数の第2出力チャンネルに出力する第2ミキサ処理とが少なくとも行われる音響装置であって、
音響信号にレベル制御を施して所定の混合するバスに加算するクロスポイント処理を実行することにより前記第1ミキサ処理および前記第2ミキサ処理を実行し、実行可能なクロスポイント処理数が制限されているディジタル信号処理手段と、
前記第1ミキサ処理における混合バス数と、前記第2ミキサ処理におけるマトリクスバス数とを、前記クロスポイント処理数の制限を超えない範囲でそれぞれ任意に設定する設定手段とを備え、
設定される前記混合バス数に必要とされる第1クロスポイント処理数と、設定される前記マトリクスバス数に必要とされる第2クロスポイント処理数との和が、前記クロスポイント処理数の制限を超えないように、前記設定手段において前記混合バス数と前記マトリクスバス数とが設定されることを特徴とする音響装置。 - 前記設定手段では、前記入力チャンネルからの音響信号に前記第1ミキサ処理を施すことなく前記出力チャンネルに直接出力するダイレクトアウトを行う入力チャンネル数と、エフェクトを挿入するインサートを行う前記入力チャンネルおよび前記出力チャンネルのチャンネル数とを設定することができ、前記ダイレクトアウトおよび前記インサートを行うチャンネル数に応じて必要とされるリソースとして、前記ディジタル信号処理手段において実行可能な前記クロスポイント処理数の内の使用されていない前記クロスポイント処理数に対応するリソースを使用できることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
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