JP4211746B2 - ミキシング装置 - Google Patents
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Description
ここで、検聴する場合にはモニタチャンネルに挿入されているイコライザを無効にすることが考えられるが、入力チャンネルを検聴する場合はその信号の品質を確認する必要があることから、モニタチャンネルに挿入されているイコライザを有効にしておく必要があり、モニタチャンネルに挿入されているイコライザを無効にすることができないことになる。さらに、混合バスでは、メインスピーカへの信号、出演者に戻す信号以外にも、外部エフェクタやレコーダに送る信号などのミキシングも行なわれており、外部エフェクタやレコーダに信号を入力する出力チャンネルを検聴する場合は、モニタチャンネルのイコライザを有効にしておく必要があった。
図1に示す本発明の実施例に係るディジタルミキサ1において、ディジタルミキサ1の全体の動作を制御すると共に、ミキシング用の操作子の操作に応じて制御信号を生成しているCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10が実行するミキシング制御プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている書き換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ11と、CPU10のワークエリアや各種データ等が記憶されるRAM(Random Access Memory)12を備えている。このように、フラッシュメモリ11に動作ソフトウェアを格納することにより、フラッシュメモリ11内の動作ソフトウェアを書き換えることで、動作ソフトウェアをバージョンアップすることができる。また、ディジタルレコーダ等のその他の機器は、入出力インタフェースであるその他I/O 13を介してディジタルミキサ1に接続される。
図2において、表示器16の下側には、12チャンネル分のチャンネルストリップ21−1,21−2,・・・・,21−12が設けられている。このチャンネルストリップ21−1〜21−12には、そのチャンネルストリップ21−1〜21−12に割り当てられたチャンネルを選択する選択スイッチ(SEL)21aと、そのチャンネルをオンするチャンネルスイッチ21bと、割り当てられたチャンネルのレベルを制御する電動フェーダ17におけるフェーダつまみ21cと、割り当てられたチャンネルを検聴するキュー(CUE)スイッチ21dがそれぞれ設けられている。このチャンネルストリップ21−1〜21−12は、全入力チャンネルおよび全出力チャンネルに対応しており、12チャンネル毎の入力チャンネルあるいは12チャンネルの出力チャンネルが12チャンネル分のチャンネルストリップ21でそれぞれ制御できるようになる。すなわち、右側の中段に設けられている「マスタ」のスイッチ23を押すことにより、12チャンネル分のチャンネルストリップ21−1〜21−12により第1出力チャンネルないし第12出力チャンネルの出力チャンネルがそれぞれ制御できるようになる。また、「マスタ」のスイッチ26の下の「レイヤ1」のスイッチ24を押すことにより、12チャンネル分のチャンネルストリップ21−1〜21−12により第1入力チャンネルないし第12入力チャンネルの入力チャンネルがそれぞれ制御できるようになり、「レイヤ2」のスイッチ25を押すことにより、第13入力チャンネルないし第24入力チャンネルの入力チャンネルがそれぞれ制御できるようになり、「レイヤ3」スイッチ26を押すことにより、第25入力チャンネルないし第36入力チャンネルの入力チャンネルがそれぞれ制御できるようになり、「レイヤ4」のスイッチ27を押すことにより、第37入力チャンネルないし第48入力チャンネルの入力チャンネルをそれぞれ制御できるようになる。このようにして、12チャンネルの出力チャンネルと、48チャンネルの入力チャンネルのレベル制御やキュー設定を、チャンネルストリップ21−1〜21−12により12チャンネルずつ制御できるようにしている。
図3において、複数のアナログ入力ポート(A入力)40に入力されたアナログ信号は、内蔵されているAD変換器によりディジタル信号に変換されて入力パッチ43に入力される。また、複数のディジタル入力ポート(D入力)41に入力されたディジタル信号は、そのまま入力パッチ43に入力される。入力パッチ43では、信号の入力元である複数の入力ポートの何れか1つの入力ポートを、例えば48チャンネルとされる複数の入力チャンネル部44の各入力チャンネル毎に選択的にパッチ(結線)することができ、各入力チャンネルには、入力パッチ43でパッチされた入力ポートからの信号が供給される。
混合バス(MIX)45においては、12本の各バスにおいて、48入力チャンネルのうちの任意のチャンネルから選択的に入力された1ないし複数のディジタル信号がミキシングされて、合計12チャンネルの混合出力がMIX出力チャンネル部(MIX出力ch)47に出力される。これにより、12通りにミキシングされた12チャンネルの混合出力を得ることができる。この混合バス(MIX)45からの出力を最終出力としてスピーカ等に供給する場合が多くされる。
また、複数のアナログ出力ポートを備えるアナログ出力ポート部(A出力)49へ供給されたディジタル出力信号は、内蔵されているDA変換器によりアナログ出力信号に変換されてアナログ出力ポートから出力される。そして、アナログ出力ポート部(A出力)49から出力されるアナログ出力信号は、増幅されてメインのスピーカから放音される。さらに、このアナログ出力信号は出演者が耳に装着するインイヤーモニタに供給されたり、その出演者の近傍に置かれたステージモニタスピーカで再生される。また、複数のディジタル出力ポートを備えるディジタル出力ポート部(D入力)50から出力されるディジタルオーディオ信号は、マルチトラックレコーダやDAT等に供給されてディジタル録音することができるようにされている。
ところで、イコライザ42をチャンネルに挿入する場合には、チャンネルの所定のインサーションポイントにイコライザ42が挿入されるようになる。この場合のチャンネルのチャンネルのインサーションポイントからイコライザ42へ信号を供給する仮想的なポートが出力パッチ48へ入力されているINSERT OUTとなり、イコライザ42からの信号をチャンネルのインサーションポイントに戻す仮想的なポートが入力パッチ43から出力されているINSERT INとなる。
図4に示す入力チャンネル44−1は入力チャンネル部44の内の1つのチャンネルであり、入力パッチ43から入力された信号のレベルを調整するアッテネータ(ATT)60と、信号の周波数バランスを調整する4バンドパラメトリックイコライザ(PEQ)61と、信号を圧縮するコンプレッサ(COMP)62とを備えている。これらにより特性制御処理が行われた信号は、フェーダ&ON64により任意のレベルに調整され、さらに混合バス(MIX)45における12本の各バスへの送り出しレベルがセンド調整部65で調整されて、混合バス(MIX)45へ送り出される。また、フェーダ&ON64の入力側と出力側の信号がプリ・ポスト切換スイッチSW1の接点a1と接点b1に供給され、プリ・ポスト切換スイッチSW1の可動接点c1から出力される信号はキュースイッチSW2を介してキューバス(CUE)46に供給されている。このプリ・ポスト切換スイッチSW1により、検聴される信号をフェーダ&ON64の前後の信号に切り換えることができる。また、キュースイッチSW1は図2に示す当該入力チャンネルに割り当てられたチャンネルストリップのキュー(CUE)スイッチ21dでオン/オフ制御され、当該入力チャンネルが検聴される際にオンされる。さらに、フェーダ&ON64には、図2に示す当該入力チャンネルに割り当てられたチャンネルストリップのチャンネルスイッチ21bでオン/オフ制御されて、当該入力チャンネルをオン/オフする入力チャンネルスイッチが備えられている。
ここで、プリ・ポスト切換スイッチSW1を接点a1側に切り換えてキュースイッチSW2をオンすると、挿入されたGEQ63からの信号がキューバス(CUE)46に供給されるようになり、GEQ63により周波数バランスが調整されているがフェーダ&ON64でレベル制御される前の入力チャンネル信号を検聴することができるようになる。また、プリ・ポスト切換スイッチSW1を接点b1側に切り換えてキュースイッチSW2をオンすると、GEQ63により周波数バランスが調整されていると共にフェーダ&ON64でレベル制御された入力チャンネル信号を検聴することができるようになる。
図5に示す出力チャンネル47−1はMIX出力チャンネル部47の内の1つのチャンネルであり、12本のバスを有する混合バス(MIX)45のいずれかのバスから出力された信号が入力され、入力された信号のレベルを調整するアッテネータ(ATT)70と、信号の周波数バランスを調整する4バンドパラメトリックイコライザ(PEQ)71と、信号を圧縮するコンプレッサ(COMP)72とを備えている。これらにより特性制御処理が行われた信号は、フェーダ&ON74により任意のレベルに調整され、出力パッチ48に供給される。また、フェーダ&ON74の入力側と出力側の信号がプリ・ポスト切換スイッチSW3の接点a3と接点b3に供給される。プリ・ポスト切換スイッチSW3の可動接点c3から出力される信号はキュースイッチSW4を介してキューバス(CUE)46に供給されている。このプリ・ポスト切換スイッチSW3により、検聴される信号をフェーダ&ON74の前後の信号に切り換えることができる。また、キュースイッチSW4は図2に示す当該出力チャンネルに割り当てられたチャンネルストリップのキュー(CUE)スイッチ21dでオン/オフ制御され、当該出力チャンネルが検聴される際にオンされる。さらに、フェーダ&ON74には、図2に示す当該出力チャンネルに割り当てられたチャンネルストリップのチャンネルスイッチ21bでオン/オフ制御され、当該出力チャンネルをオン/オフする出力チャンネルスイッチが備えられている。
ここで、プリ・ポスト切換スイッチSW3を接点a3側に切り換えてキュースイッチSW4をオンすると、挿入されたGEQ73からの信号がキューバス(CUE)46に供給されるようになり、GEQ73により周波数バランスが調整されているがフェーダ&ON74でレベル制御される前の出力チャンネル信号を検聴することができるようになる。また、プリ・ポスト切換スイッチSW1を接点b3側に切り換えてキュースイッチSW4をオンすると、GEQ73により周波数バランスが調整されていると共にフェーダ&ON74でレベル制御された出力チャンネル信号を検聴することができるようになる。
モニタチャンネル部52は図6に示すように、キューバス(CUE)46からの検聴信号とモニタミキサ部51からのモニタ信号とを切り替えるCUE/MON切替スイッチ80と、モニタ出力のレベルを制御すると共にモニタチャンネルのオン/オフを制御するボリューム&ON82とを備えている。CUE/MON切替スイッチ80は、DSP制御により自動的に切り替えられる。すなわち、何れかのチャンネルの検聴が指示されている場合はキューバス(CUE)46からの検聴信号のみが出力されるよう切り替え制御され、何れのチャンネルも検聴が指示されていない場合はモニタミキサ部51からのモニタ信号が出力されるよう制御される。
次に、パネルに設けられた「マスタ」のスイッチ23ないし「レイヤ4」のスイッチ27の何れかを押した際に起動されるレイヤ(j)SWのオンイベント処理のフローチャートを図7に示す。スイッチ23〜スイッチ27の何れかが押されてレイヤ(j)SWのオンイベント処理が起動されるとステップS10にて、押されたスイッチに対応するマスタあるいはレイヤのナンバjが識別番号のレジスタLNにセットされ、レイヤ(j)SWのオンイベント処理は終了する。
チャンネルストリップ21−1〜チャンネルストリップ21−12における何れかのフェーダ摘み21cが操作されてchフェーダ(i)の操作イベント処理が起動されると、ステップS11にて操作されたフェーダ摘み21cの位置に応じて、カレントのCH(LN,i)の音量パラメータを変更する。次いで、ステップS12にて変更された音量パラメータで信号処理部15を制御して、chフェーダ(i)の操作イベント処理は終了する。なお、カレントのCH(LN,i)は、レイヤ(j)SWのオンイベント処理によりセットされたレジスタLNで示されるマスタあるいはレイヤ1〜レイヤ4の何れかに対応する12チャンネルの内のi番目のチャンネルストリップ21−iが制御する入力チャンネルあるいは出力チャンネルに相当する。
チャンネルストリップ21−1〜チャンネルストリップ21−12における何れかのキュー(CUE)スイッチ21dが押されると、CUE(i)SWのオンイベント処理が起動されステップS20にてカレントのCH(LN,i)を検聴が指示されたキューチャンネルccとする。次いで、キューチャンネルccが前回検聴が指示されたキューチャンネルccoと一致するか否かがステップS21にて判断される。ここで、キューチャンネルccと前回のキューチャンネルccoとが一致しないと判断された場合は新たなチャンネルの検聴が指示されたことになり、ステップS22に進んでキューチャンネルccでキューチャンネルccoを置き換える。次いで、DSP制御が行われ、キューバス(CUE)46からモニタチャンネル部52への信号が有効化されてモニタチャンネル部52においてキューバス(CUE)46からの検聴信号が扱われるようになる。
GEQ編集画面は図10に示すように、画面の上部の左隅に編集を行うGEQの番号が表示されるGEQ番号表示部84があり、「1」が表示されて1番目のGEQの編集を行う表示画面とされている。このGEQ番号表示部84にカーソルを合わせて増減キー29あるいはロータリエンコーダ30を操作することにより、編集するGEQの番号を任意の番号(1〜16の内の)に設定することができる。その右隣にはオン/オフ表示部85があり「ON」と表示されていて1番目のGEQがONとされていることが示されている。このON/オフ表示部85にカーソルを合わせて増減キー29あるいはロータリエンコーダ30を操作することにより、編集するGEQのオン/オフを設定することができる。
表示器16に表示されたりパネルに設けられているGEQ編集ボタンが押されるとGEQ編集ボタンオンイベント処理が起動され、(ステップS1)S40にて図10に示すようなx番目のGEQ(x)の編集画面が表示器16に表示される。次いで、表示されているGEQ編集画面において何らかの変更操作が行われたか否かが判断される。ここで、GEQ番号表示部84、オン/オフ表示部85、インサーション表示部86、フラットボタン87、操作部89の何れかにおいて変更操作が行われたと判断された場合は、ステップS42に進んで変更操作に応じたパラメータ変更処理が行われると共に、パラメータ変更に応じて更新された編集画面が表示されステップS43へ進む。例えば操作部89の操作子が移動された場合は移動量に応じたレベルだけ変更された操作子に対応する周波数ポイントのレベルが変更されると共に、操作子の位置および周波数特性表示部88のレベルが更新された画面が表示される。また、変更操作が行われていないと判断された場合はステップS43に進み、画面切換の操作が行われた否かが判断される。ここで、画面切換の操作が行われたと判断された場合はGEQ編集ボタンオンイベント処理は終了して別画面が表示器16に表示される。また、画面切換の操作が行われていないと判断された場合は、ステップS41へ戻りステップS41ないしステップS43の処理が繰り返し行われる。
また、モニタミキサ部51では任意の1ないし複数の出力チャンネルの信号をミキシングして出力することができるようにされている。複数の出力チャンネルの信号がミキシングされた混合信号は、何れのチャンネルも検聴が指示されていない場合に操作者用モニタ20に出力される。
以上の説明では、ラストキューモードでの本発明の動作を説明したが、ミックスキューモードにも本発明を簡単に適用することができる。ミックスキューモードでは、ラストキューモードとは異なり複数チャンネルを同時に検聴することができる。ただし、同時に検聴されるのは入力チャンネルのみ、あるいは、出力チャンネルのみに限られ、出力チャンネルと入力チャンネルとを同時に検聴することはできない。ミックスキューモードであっても、現在検聴しているのが入力チャンネルか出力チャンネルかを明確に区別することができるので、ラストキューモードの場合と同様に、EQ自動バイパススイッチ22をオンしておくことにより、出力チャンネルが検聴されているときにモニタチャンネルに挿入したGEQを自動的にバイパスして無効化することができる。
Claims (2)
- 複数の混合バスと、
入力される信号のそれぞれに対し特性制御処理して前記複数の混合バスのうちの所望の混合バスへ選択的に出力する複数の入力チャンネルと、
前記複数の混合バスのそれぞれから出力される混合された信号がそれぞれ入力され、イコライザ処理を含む特性制御処理して出力する複数の出力チャンネルと、
供給される信号をイコライザ手段でイコライザ処理してモニタ出力するモニタチャンネルと、
前記複数の出力チャンネルにおける何れかの出力チャンネルのモニタ信号を出力するモニタ信号出力手段と、
前記複数の入力チャンネルにおける何れかの入力チャンネルあるいは前記複数の出力チャンネルにおける何れかの出力チャンネルの検聴を指示する検聴指示手段と、
前記複数の入力チャンネルおよび前記複数の出力チャンネルにおけるいずれのチャンネルも検聴が指示されていない場合は、前記モニタ信号出力手段から出力された前記出力チャンネルのモニタ信号を前記モニタチャンネルへ供給し、前記検聴指示手段で何れかの前記入力チャンネルの検聴が指示された場合は、検聴指示された入力チャンネルにおいて特性制御処理された信号を前記モニタチャンネルへ供給し、前記検聴指示手段で何れかの前記出力チャンネルの検聴が指示された場合は、検聴指示された出力チャンネルにおいて特性制御処理された信号を前記モニタチャンネルへ供給するモニタ信号供給手段と、
自動バイパスの有効/無効を設定する設定手段と、
前記設定手段により自動バイパスが有効と設定され、かつ、前記検聴指示手段で何れかの前記出力チャンネルの検聴が指示された場合は、前記モニタチャンネルにおける前記イコライザ手段を無効化するよう制御し、前記設定手段により自動バイパスが無効と設定され、あるいは、前記検聴指示手段で何れの前記出力チャンネルも検聴の指示がされていないときは、前記モニタチャンネルにおける前記イコライザ手段を有効化するよう制御するバイパス制御手段と、
を備えることを特徴とするミキシング装置。 - 前記出力チャンネルの検聴が指示された際に、前記出力チャンネル毎に前記モニタチャンネルにおける前記イコライザ手段を有効あるいは無効にする設定を行えるイコライザ設定手段を備え、
前記設定手段により自動バイパスが有効と設定され、かつ、前記検聴指示手段で何れかの前記出力チャンネルの検聴が指示された場合に、検聴指示された出力チャンネルに前記モニタチャンネルにおける前記イコライザ手段を有効にすると設定されていた場合は、前記バイパス制御手段は前記モニタチャンネルにおける前記イコライザ手段を有効化するよう制御することを特徴とする請求項1記載のミキシング装置。
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