JP6039108B2 - 電子機器、制御方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電子機器、制御方法およびプログラムに関する。
近年、映像音声に対して、異なる属性をもつ音源別に音声信号を分離して、各音源別の音声信号に適切な音声補正を行った後、各音源別の音声信号を合成して出力する音源分離技術が提案されている。
このような音源分離技術では、一般的には、音声信号を、人間の声である声成分と、人間の声以外の背景成分に分離する。そして、声成分と背景音成分と個別に音量等の強調制御を行い、人間の声を聞きやすくしたり、あるいは人間の声を抑制する等の効果を得ることができる。
特開2002−159099号公報
このような音源分離の機能を、音声信号に種々の音響効果の処理を行って出力することが可能な音声テレビジョン装置やPC(Personal Computer)、タブレット端末等の電子機器に搭載する場合がある。このような場合でも、最適な調整状態で音響効果が得られることが望まれている。
実施形態の電子機器は、音源分離処理部と、音響効果処理部と、音声制御部とを備える。音源分離処理部は、入力される音声信号を、声信号と背景音信号とに分離して、声信号または背景音信号を強調または抑制する音源分離機能を実行可能である。音響効果処理部は、音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行可能である。音声制御部は、ユーザにより、音源分離機能を実行する旨の指示があった場合に、音源分離機能を実行するように音源分離処理部を制御し、かつ音響効果機能を実行しないように音響効果処理部を制御する。
図1は、実施形態1にかかるテレビジョン装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態1の制御部の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図3は、実施形態1の音声処理部の構成の一例を示す図である。 図4は、実施形態1にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施形態1にかかる音響設定画面の一例を示す図である。 図6は、実施形態1にかかるフィルタ効果設定画面の一例を示す図である。 図7は、実施形態1における音響効果と音源分離機能の表示の一例を示す図である。 図8は、実施形態2にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施形態3にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、実施形態3にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施形態4の音響効果の復元設定画面の一例を示す図である。 図12は、実施形態4にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施形態4の変形例にかかる音響効果の復元設定画面の一例を示す図である。
以下に示す実施形態は、電子機器を適用したテレビジョン装置の例について説明する。しかしながら、本実施形態は、電子機器をテレビジョン装置に制限するものではなく、例えば、PCやタブレット端末等の音声を出力可能な装置であれば任意の装置に適用することができる。
(実施形態1)
本実施形態のテレビジョン装置100は、図1に示すように、デジタル放送の放送波を受信し、受信した放送波から取り出した映像信号を用いて番組の映像を表示する据置型の映像表示装置であり、録画再生機能も備えている。
テレビジョン装置100は、図1に示すように、アンテナ112、入力端子113、チューナ114および復調器115を有している。アンテナ112は、デジタル放送の放送波を捕らえ、その放送波の放送信号を、入力端子113を介してチューナ114に供給する。
チューナ114は、入力されたデジタル放送の放送信号から所望のチャンネルの放送信号を選局する。そして、チューナ114から出力された放送信号は復調器115に供給される。復調器115は、放送信号に復調処理を施し、デジタル映像信号および音声信号を復調して、後述するセレクタ116に供給する。
また、テレビジョン装置100は入力端子121,123、A/D変換部122、信号処理部124、スピーカ125および映像表示パネル102を有している。
入力端子121は外部からアナログの映像信号および音声信号が入力され、入力端子123は外部からデジタルの映像信号および音声信号が入力される。A/D変換部122は入力端子121から供給されるアナログの映像信号および音声信号をデジタル信号に変換し、セレクタ116に供給する。
セレクタ116は、復調器115、A/D変換部122および入力端子123から供給されるデジタルの映像信号及び音声信号から1つを選択して、信号処理部124に供給する。
また、テレビジョン装置100は、少なくともTSデマルチプレクサおよびMPEGデコーダを有している。信号処理部124は、MPEGデコーダによってデコードされた後の信号を入力する。さらに、信号処理部124は、HDD130や、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray(登録商標) Disc等の外部記憶媒体に記録されている番組録画データや動画データがデコードされた後の信号も入力する。
信号処理部124は、音声処理部1241と映像処理部1242とを備えている。映像処理部1242は、入力される映像信号について、所定の信号処理やスケーリング処理等を施し、処理後の映像信号を映像表示パネル102に供給する。さらに、映像処理部1242は、映像表示パネル102に表示させるためのOSD(On Screen display)信号も生成している。ここで、映像処理部1242と映像表示パネル102は、表示部の一例である。
音声処理部1241は、セレクタ116から入力されたデジタル音声信号に所定の信号処理を施し、アナログ音声信号に変換してスピーカ125に出力する。音声処理部1241の詳細については、後述する。スピーカ125は、信号処理部124から供給される音声信号を入力し、その音声信号を用いて音声を出力する。本実施形態の音声処理部1241は、音源分離機能を有している。音声処理部1241の詳細については後述する。
映像表示パネル102は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイから構成される。映像表示パネル102は、信号処理部124から供給される映像信号を用いて映像を表示する。
さらに、テレビジョン装置100は制御部127、操作部128、受光部129、HDD(Hard Disk Drive)130、メモリ131、及び通信I/F132を有している。
制御部127は、テレビジョン装置100における種々の動作を統括的に制御する。制御部127は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵したマイクロプロセッサであり、操作部128からの操作情報を入力する一方、リモートコントローラ150から送信された操作情報を、受光部129を介して入力し、それらの操作情報にしたがい各部をそれぞれ制御する。本実施形態の受光部129は、リモートコントローラ150からの赤外線を受光する。
この場合、制御部127は、メモリ131を使用している。メモリ131は、主として、制御部127に内蔵されているCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUに作業エリアを提供するためのRAM(Random Access Memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
HDD130は、セレクタ116で選択されたデジタルの映像信号及び音声信号を記録する記憶部としての機能を有している。テレビジョン装置100はHDD130を有するため、セレクタ116で選択されたデジタルの映像信号及び音声信号を録画データとしてHDD130により記録することができる。さらに、テレビジョン装置100は、HDD130に記録されたデジタルの映像信号及び音声信号を用いて映像および音声を再生することもできる。
通信I/F132は、公衆ネットワーク160を介して様々な通信装置(例えばサーバ)と接続されており、テレビジョン装置100で利用可能なプログラムやサービスを受信するほか、様々な情報を送信することができる。
次に、制御部127により実行される機能的構成について説明する。本実施形態の制御部127は、図2に示すように、入力制御部201と、設定部203として機能する。
入力制御部201は、ユーザからのリモートコントローラ150による操作入力を受光部129を介して受け付けるとともに、操作部128による操作入力を受け付ける。本実施形態では、ユーザから、音源分離機能を使用するか否かなどの設定入力および音源分離機能を使用する場合における声と背景音の音量(強調の強度)の設定入力を受け付ける。また、入力制御部201は、ユーザから音響効果の設定を受け付ける。
ここで、音声信号は、人間の声の成分の信号と音楽等の声以外の背景音の成分の信号とから構成される。なお、これ以降、声成分の信号を声信号と称し、背景音成分の信号を背景音信号と称する。音源分離機能は、音声信号を、声信号と背景音信号とに分離して、声信号または背景音信号のいずれかを強調する機能であり、音声処理部1241で実行される。
設定部203は、ユーザからの各種設定を行い、設定内容をメモリ131等に保存する。本実施形態では、入力制御部201が受け付けた音源分離機能を使用するか否かなどの設定、声と背景音の音量(強調の度合い)の設定、および音響効果の設定をメモリ131等に保存する。
次に、信号処理部124の音声処理部1241の詳細について説明する。本実施形態の音声処理部1241は、図3に示すように、音声制御部301と、音源分離処理部302と、音響効果処理部303と、を備えている。
音声制御部301は、ユーザにより、音源分離機能を使用(実行)する旨の設定があった場合に、音源分離機能を実行するように音源分離処理部302を制御し、かつ音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行しないように音響効果処理部303を制御する。
音声制御部301は、入力される音声信号を、音源分離処理部302に出力することにより、音源分離機能の有効化を行って、これにより音声信号の強調を行うように音源分離処理部302を制御する。音声制御部301は、音源分離機能の有効化を行う場合、音声信号とともにパラメータ指令を音源分離処理部302に出力する。このパラメータ指令は、声の強調や抑制を行ったり、背景音の強調や抑制を行う場合のパラメータである。
音源分離処理部302は、音声信号Xを、声信号と背景音信号とに分離して、声信号または背景音信号を強調または抑制する音源分離機能を実行する。音源分離処理部302は、図3に示すように、音源分離部401と、声補正フィルタ403と、背景音補正フィルタ404と、ゲインGv405と、ゲインGb406と、加算部407とを備えている。
音源分離部401は、入力される音声信号を声成分V(声信号V)と背景音成分B(背景音信号B)に分離する。音源分離部401による音声信号の分離手法は、任意の手法を用いることができる。音源分離部401は、音声信号の分離手法として、例えば、特開2013−37152号公報に開示されている手法を用いることができるが、これに限定されるものではない。
声補正フィルタ403は、声信号Vの特性をパラメータ指令に基づいて補正して、補正後の声信号V’を出力する。背景音補正フィルタ404は、背景音信号Bの特性をパラメータ指令に基づいて補正して、補正後の背景音信号B’を出力する。
このような補正フィルタ403、404としては、定数値(利得調整のみ)からサラウンド等のチャネル間の相関を利用するもの等種々のものがある。例えば、声補正フィルタ403に、声信号Vに補聴器などで用いられている声の周波数特性を強調するフィルタを用いることで背景成分に影響を与えず声だけを聞こえやすくすることができる。また、背景音補正フィルタ404に、音源分離処理によって過剰に抑圧された周波数帯域を強めるフィルタや、音楽プレーヤ等に附属しているイコライザと同様な手法で聴覚的な効果を加えるフィルタなどを用いたり、背景音信号がステレオ信号である場合にはいわゆる疑似サラウンドの技術を用いたフィルタを適用することもできる。
声補正フィルタ403による補正後の声信号V’にはゲインGv405が乗算され、 背景音補正フィルタ404による補正後の背景音信号B’にはゲインGb406が乗算される。
ここで、本実施形態の音声処理部1241は、音声制御部301からパラメータ指令を入力し、声補正フィルタ403、背景音補正フィルタ404の補正の強度をパラメータ指令に応じて変化させるとともに、ゲインGv405とGb406をパラメータ指令により変化させている。これにより、声補正フィルタ403およびゲインGv405によるパラメータ指令による声の強調または抑制が行われ、背景音補正フィルタ404およびゲインGb406によるパラメータ指令による背景音の強調または抑制が行われる。
加算部407はゲインGv405が乗算された声信号とゲインGb406が乗算された背景音信号とを加算することにより合成して、合成信号Yを出力する。
音響効果処理部303は、合成信号Yに対して、ユーザの設定による種々の音響効果を施して、音声信号を出力する。また、音響効果処理部303は、音声制御部301により音響効果が無効とされ、音響効果を停止する場合に、音響効果の実行中の設定内容をメモリ131等に保存する。ここで、音響効果としては、例えば、サラウンド効果、ダイナミックベースブースト、グラフィックイコライザ等があげられるがこれらに限定されるものではない。
次に、以上のように構成された本実施形態のテレビジョン装置100による音声制御処理について図4を用いて説明する。まず、信号処理部124の映像処理部1242は、映像表示パネル102に、OSDとして音響設定画面を表示する(ステップS11)。音響設定画面は、音源分離機能の使用を行うか否か、音源分離機能の使用を行う場合の声と背景音の強調の強度の設定、種々の音響効果の設定をユーザに行わせるための画面である。
図5は、実施形態1にかかる音響設定画面の一例を示す図である。図5に示すように、音響設定画面で「サウンドモード」が選択されると、画面右側に、サウンドモードの種類をユーザに選択させるサウンドモード画面が表示される。このサウンドモード画面において、ユーザが「音源分離」を選択した場合に音源分離機能がオンとなり、音源分離機能が使用される。一方、サウンドモード画面で、ユーザが、「標準」、「ミュージック」、「映画」のように音源分離以外を選択した場合には音源分離機能はオフとなり、音源分離機能が使用されない。
図4に戻り、音源分離機能がオンの指示があった場合には(ステップS12:Yes)、音声制御部301は、フィルタリング効果の設定を有効にする(ステップS13)。
すなわち、図5に示す音響設定画面において、サウンドモードで「音源分離」が選択され、音源分離機能がオンとなった場合に、音声制御部301は、「フィルタリング効果」の設定を有効とする。
ユーザがこの「フィルタリング効果」を選択すると、映像処理部1242は、フィルタリング効果設定画面を映像表示パネル102に表示する。フィルタリング効果設定画面は、音源分離機能をオンとした場合の声と背景音の強調の強度の設定をユーザに指定させるための画面である。図6は、実施形態1にかかるフィルタ効果設定画面の一例を示す図である。
図6に示す例では、バー602上の目盛りで「−5」から「+5」までの11段階で、声および背景音の強調のバランスを、フィルタリング効果として指定可能となっている。図6において、−方向が背景音成分を強調する方向であり、+方向が声成分を強調する方向である。
フィルタリング効果「−5」は、声成分が殆ど出力されず、背景音成分のみが出力される値である。フィルタリング効果「0」は、声成分と背景音成分とが均等な強さ(音量)で出力される標準の値であり、フィルタリング効果「0」がデフォルト値となっている。フィルタリング効果「+5」は、声成分のみが出力され、背景音成分が殆ど出力されない値である。
ユーザはこの声のフィルタリング効果設定画面において、バー602上で指示ボタン601を動かして、所望のフィルタリング効果を設定する。入力制御部201は、フィルタリング効果設定画面から指定されたフィルタリング効果の値の設定入力を受け付ける。なお、フィルタリング効果設定画面、フィルタリング効果の段階は、図6に示したものに限定されるものではなく、任意に定めることができる。
そして、音声制御部301は、フィルタリング効果で設定された値で、パラメータ指令を、音源分離処理部302に送出する。これにより、音源分離処理部302の声補正フィルタ403および背景音補正フィルタ404はパラメータ指令に従ってそれぞれ声信号、背景音信号に対しフィルタリング処理を行うことにより、声信号および背景音信号はフィルタリング効果設定で指定されたバランスの強調となる。
次に、音響効果処理部303は、現時点で設定されている音響効果の設定内容を、メモリ131等に保存する(ステップS14)。そして、音声制御部301は、音響効果の無効化を行う(ステップS15)。具体的には、音声制御部301は以下の処理を行う。
図5の音響設定画面における「サラウンド」、「ダイナミックベースブースト」、「グラフィックイコライザ」の各設定は、音響効果の設定である。ユーザにより、「サウンドモード」で「音源分離」が選択されて音源分離機能がオンになった場合には、音声制御部301は、音響効果の無効化の処理として、これらの音響効果の設定を無効とし設定できないようにする。なお、かかる音響効果の項目は、ユーザにより、「サウンドモード」で「音源分離」以外の項目が選択されて音源分離機能がオフになった場合に有効となり設定可能となる。
なお、図5に示す音響設定画面の音源分離機能の設定、フィルタリング効果の設定、各種音響効果の設定はいずれも一例であり、図5に示す例に限定されるものではない。
また、音声制御部301は、音響効果の無効化の処理として、音響効果処理部303の音響効果に関するパラメータの指定をすべて無効とし、合成された音声信号に対して何も音響効果が付与されないように音響効果処理部303を制御する。
これにより、音源分離機能がオンとなった場合、ユーザは音響設定画面において音響効果の設定ができなくなる他、音声処理部1241に入力された音声信号は音源分離処理部302を通過した後、音響効果処理部303に入力されるが、音声信号に対して音響効果の付与が行われずに出力されることになる。
ステップS12において、ユーザにより音源分離機能がオフの指示があった場合には(ステップS12:No)、音声制御部301は、フィルタリング効果の設定を無効とする(ステップS16)。具体的には、音声制御部301は、図5に示す音響設定画面で、「フィルタリング効果」の設定を無効とし、設定できないようにする。さらに、音声制御部301は、入力される音声信号を、音源分離処理部302に出力する際に、パラメータ指令を、声信号と背景音信号の強調および抑制を行わない設定値として、音源分離処理部302に出力する。これにより、音源分離処理部302の各フィルタや各ゲインは、声信号と背景音信号の双方に対して強調や抑制の処理を行わない。
そして、音声制御部301は、メモリ131等に保存されている音響効果の設定を取得し(ステップS17)、取得した設定内容で音響効果の有効化を行う(ステップS18)。具体的には、音声制御部301は、音響効果の有効化の処理として、図5の音響設定画面において、「サラウンド」、「ダイナミックベースブースト」、「グラフィックイコライザ」の音響効果の各設定を有効にする。さらに、音声制御部301は、音響効果の有効化の処理として、音響効果処理部303の音響効果に関するパラメータを、ステップS17で取得した設定内容とし、音声信号に対し音響効果が付与されるように音響効果処理部303を制御する。
そして、映像処理部1242は、映像を映像表示パネル102に表示する際に、映像の画面に、OSDとして、音響効果と音源分離機能の状態表示を行う(ステップS19)。具体的には、映像処理部1242は、現在に音響効果の設定内容および音源分離機能で強調している成分の表示を行う。図7は、実施形態1における音響効果と音源分離機能の状態表示の一例を示す図である。
図7に示すように、映像の上方の領域に、音響効果の現在の設定(符号701、702)と音源分離機能で強調している成分の表示(符号704)が行われる。図7の例では、音源分離機能がオンとなっており、符号703により声は強調されておらず、符号704により背景音が強調されていることが示されている。また、音響効果に関しては、符号701によりサラウンド機能は無効化され、グラフィックイコライザ機能も無効化されていることが示されている。なお、図7に示した音響効果と音源分離機能の状態表示の画面は一例であり、これに限定されるものではなく、種々の方法で表示することができる。
音源分離機能をテレビジョン装置100等の電子機器に搭載した場合、音源分離機能と一般的な音響効果の設定が両立しない場合がある。あるいは、音源分離機能による声または背景音の強調または抑制等のフィルタリング処理後の音声信号に対して音響効果の処理を施しても、音響効果が最適な調整状態にならない場合がある。
本実施形態では、上述のように、ユーザにより、音源分離機能をオンとする旨の設定があった場合に、音源分離機能を実行するように音源分離処理部302を制御し、かつ音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行しないように音響効果処理部303を制御する。このため、音源分離機能による声または背景音の強調または抑制の効果が音響効果によって減少されずに、最適に発揮することができる。このため、本実施形態によれば、音源分離機能を電子機器に搭載した場合でも、最適な調整状態で音響効果を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、テレビジョン装置100は、音源分離機能のオンの指示があった場合、常に音響効果を無効としていたが、声の強調の強度が背景音の強調の強度以下である場合には、声は強調されていないため音響効果を音声信号に付与しても影響は少ないと考えられる。このため、この実施形態2では、テレビジョン装置100は、音源分離機能のオンの指示があった場合でも、背景音の強調の強度は声の強調の強度より大きいフィルタリング効果設定の場合には、音響効果を無効としない。
本実施形態のテレビジョン装置100の構成、制御部127の機能的構成、音声処理部1241の構成については実施形態1と同様である。
図8は、実施形態2にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。実施形態1と同様に、映像処理部1242が音響設定画面を表示し(ステップS11)、音声制御部301が音響設定画面でユーザから音源分離機能のオンの指示があったか否かを判断する(ステップS12)。そして、音源分離機能のオフの指示があった場合には(ステップS12:No)、制御はステップS16へ移行し、実施形態1と同様の処理が行われる。
一方、ステップS12で、音響設定画面でユーザから音源分離機能のオンの指示があった場合には(ステップS12:Yes)、音声制御部301は、実施形態1と同様に、フィルタリング効果設定を有効にする(ステップS13)。
次に、音声制御部301は、ユーザによるフィルタリング効果の設定で、声信号の強調の強度が背景音信号の強調の強度以上か否かを判断する(ステップS31)。そして、声信号の強調の強度が背景音信号の強調の強度以上である場合には(ステップS31:Yes)、実施形態1と同様に、音響効果処理部303は、現在の音響効果の設定をメモリ131等に保存する(ステップS14)。音声制御部301は、音響効果機能の無効化を行って、音響効果機能を実行しないように音響効果処理部303を制御する(ステップS15)。
一方、ステップS31で、フィルタリング効果設定で、声信号の強調の強度が背景音信号の強調の強度未満である場合には(ステップS31:No)、音声制御部301は、音響効果機能の無効化を行わずに、設定内容で音響効果機能の有効化を行って、音響効果機能を実行するように音響効果処理部303を制御する(ステップS32)。
その後、実施形態と同様に、映像処理部1242は、音響効果と音源分離機能の表示を行う(ステップS19)。
このように本実施形態では、テレビジョン装置100は、音源分離機能のオンの指示があった場合でも、背景音の強調の強度は声の強調の強度より大きいフィルタリング効果設定の場合には、音響効果を無効としないので、音源分離機能を使用する場合でも声の強調に音響効果が影響しない場合には音響効果を最適に発揮させることができる。このため、本実施形態によれば、音源分離機能を電子機器に搭載した場合でも、最適な調整状態で音響効果を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態1または2の機能に加えて、テレビジョン装置100は、音源分離機能の実行中に、所定のタイミングを検出した場合、音源分離機能の無効化を行って、音響効果機能を復元している。
本実施形態のテレビジョン装置100の構成、制御部127の機能的構成、音声処理部1241の構成については実施形態1と同様である。図9は、実施形態3にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
音源分離処理部302による音源分離機能の動作中において(ステップS51)、本実施形態の音声制御部301は、所定のタイミングの検出待ちとなっている(ステップS52:No)。そして、音声制御部301は、所定のタイミングを検出した場合に(ステップS52:Yes)、音源分離機能の無効化、すなわち音源分離機能の実行を停止するように音源分離処理部302を制御する(ステップS53)。
具体的には、音声制御部301は、音声信号を音源分離処理部302に出力するとともに、声補正フィルタ403の強度を変更せず、ゲインGv405を1とするパラメータ指令、および背景音補正フィルタ404の強度を変更せず、ゲインGb406を1とするパラメータ指令を、音源分離処理部302に出力し、声と背景音の強調および抑制を行わないようにすることにより、音源分離機能の無効化を行う。
なお、音源分離機能の無効化の手法は、これに限定されるものではなく、音声信号を、音源分離処理部302を介さずに、音響効果処理部303に出力することにより、音源分離機能の無効化を行うように音声制御部301を構成してもよい。
そして、音声制御部301は、メモリ131等に保存されている音響効果の設定内容を取得することにより、音源分離機能の実行前の音響効果の設定内容を復元する(ステップS54)。そして、音声制御部301は、復元した設定内容で音響効果機能の有効化、すなわち音響効果の付与を行うように音響効果処理部303を制御する(ステップS55)。
ここで、所定のタイミングは、放送チャンネルの切替え、放送番組の切替え、入力デバイスの切替え、電源切断後の電源投入、CMシーンと本編シーンの切替え、楽曲の開始または終了等がある。
具体的には、音声制御部301は、ユーザによる操作部128やリモートコントローラ150からのチャンネルの切替えを受け付けた場合に、所定のタイミングとして検出し、音源分離機能を無効にし音響効果機能を復元するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する。
また、テレビジョン装置100は、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)をデジタル放送の放送波で一定時間ごとに受信している。音声制御部301は、この電子番組表を参照して、現在、ユーザが視聴中の番組が次の番組に切り替わる時点を、所定のタイミングとして検出し、音源分離機能を無効にし音響効果機能を復元するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する。
また、ユーザが入力端子にゲーム機器やHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)機器等を接続することにより、入力デバイスの切替えが検知された場合、音声制御部301は、その入力切替えの時点を、所定のタイミングとして検知し、音源分離機能を無効にし音響効果機能を復元するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する。
また、制御部127は、放映番組や録画番組のシーン検出を実行し、その結果シーン情報を出力する。シーン情報は、シーン検出されたシーンのシーン種別と開始時刻および終了時刻とを記録したデータである。シーン種別とは、本編シーン、CMシーン、歌シーン、歌以外のシーン等を示すものである。
音声制御部301は、このシーン情報を制御部127から取得し、放映中の番組あるいは再生中の録画番組のシーンが本編シーンからCMシーンに切り替わった時点を、所定のタイミングとして検出し、音源分離機能を無効にし音響効果機能を復元するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する。
また、制御部127は、放映番組や録画番組の楽曲検出を実行することができる。この楽曲検出により楽曲の開始または終了が検出された場合、音声制御部301はその検出時点を所定のタイミングとして検出し、音源分離機能を無効にし音響効果機能を復元するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する。
また、図10に示すように、音源分離機能の動作中に(ステップS71)、ユーザによる電源切断(電源オフ)が行われ(ステップS72:Yes)、その後、電源投入(電源オン)が行われた場合(ステップS73:Yes)、音声制御部301は、この電源オフ後の電源オンの時点を所定のタイミングとして検出する。そして、音声制御部301は、音源分離機能を無効にし(ステップS74)、音響効果機能を復元して実行するように、音源分離処理部302と音響効果処理部303とを制御する(ステップS75,S76)。
このように本実施形態では、テレビジョン装置100は、音源分離機能の実行中に、所定のタイミングを検出した場合、音源分離機能の無効化を行って、音響効果機能を復元している。すなわち、本実施形態では、特定の操作等の所定のタイミングで音源分離機能を無効にする際に、音源分離機能の実行前の音響効果の設定を復元することで、ユーザが元の音響効果に戻す作業を省略し、さらに限られた音が聞こえなくなるという音源分離機能の誤認識を防止することができる。従って、本実施形態によれば、音源分離機能を電子機器に搭載した場合でも、最適な調整状態で音響効果を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態3では、テレビジョン装置100は、音源分離機能の実行中に所定のタイミングを検出した場合に、常に音源分離機能を無効化、および音響効果機能の復元を行っていたが、この実施形態4では、テレビジョン装置100は、ユーザによる音響効果機能の復元の指示がある場合に、音源分離機能を無効化および音響効果機能の復元を行う。
本実施形態のテレビジョン装置100の構成、制御部127の機能的構成、音声処理部1241の構成については実施形態1と同様である。
本実施形態では、音響効果の復元設定画面において、所定のタイミングが検出された場合、音響効果の復元を行うか否かをユーザが予め指定可能となっている。図11は、実施形態4の音響効果の復元設定画面の一例を示す図である。
図11に示すように、音響効果の復元設定画面では、所定のタイミングが検出された場合、音響効果の復元を行うか否かの指定が可能となっている。図11の例では、「ON」(オン)が設定されている場合に、所定のタイミングの検出時点で音響効果が復元される。一方、「OFF」(オフ)が設定されている場合は、所定のタイミングが検出されても復元されず、音源分離機能も無効とされない。
音響効果の復元設定画面による復元の設定は、初期設定等の事前に行われる。また、音響効果の復元設定画面による復元の設定内容は、設定部203により、メモリ131等に保存される。
図12は、実施形態4にかかる音声制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。実施形態3と同様に、音源分離処理部302による音源分離機能の動作中において(ステップS51)、所定のタイミングが検出された場合に(ステップS52:Yes)、音声制御部301は、メモリ131等を参照して、音響効果の復元の設定がオンになっているか否かを判断する(ステップS91)。
そして、復元の設定がオフとなっている場合には(ステップS91:No)、制御はステップS51へ戻る。すなわち、音声制御部301は、音源分離機能の実行を継続するように音源分離処理部302を制御し、音響効果機能を実行しないように音響効果処理部303を制御する。
一方、復元の設定がオンとなっている場合には(ステップS91:Yes)、実施形態3と同様に、音声制御部301は、音源分離機能の無効化(ステップS53)、音響効果の設定内容の取得による復元を行い(ステップS54)、復元した設定内容で音響効果機能の有効化、すなわち音響効果の付与を行うように音響効果処理部303を制御する(ステップS55)。
このように本実施形態では、テレビジョン装置100は、ユーザによる音響効果機能の復元の指示がある場合に、音源分離機能を無効化および音響効果機能の復元を行うので、所定のタイミングでも、復元の必要がない場合には、音源分離機能を無効化および音響効果機能の復元を行わない。このため、本実施形態によれば、音源分離機能を電子機器に搭載した場合でも、より最適な調整状態で音響効果を得ることができる。
なお、図11の音響効果の復元設定画面の例では、音響効果全体で復元するか否かの設定が可能となっているが、音響効果の項目ごとに復元するか否かを設定するように音響効果の復元設定画面、音声制御部301および音響効果処理部303を構成してもよい。
例えば、図13に示す音響効果の復元設定画面では、各音響効果ごとに、所定のタイミングが検出された場合、音響効果の復元を行うか否かの指定が可能となっている。この場合、音声制御部301は、音響効果の項目ごとに復元の設定を判断する。
図13の例では、「ON」(オン)が設定されている項目の音響効果が、所定のタイミングの検出時点で復元される。一方、「OFF」(オフ)が設定されている項目の音響効果は、所定のタイミングが検出されても復元されず、音源分離機能も無効とされない。
また、本実施形態では、テレビジョン装置100は、事前に初期設定等で音響効果の復元設定を行っているが、所定のタイミングが検出された時点で、図11に示す音響効果の復元設定画面を映像表示パネル102に表示し、ユーザに音源分離機能の無効化および音響効果の復元の可否を問い合わせるように、音声制御部301、映像処理部1242を構成してもよい。
なお、上記実施形態のテレビジョン装置100で実行される音声制御プログラムは、メモリ131のROM等に予め組み込まれてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
上記実施形態のテレビジョン装置100で実行される音声制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施形態のテレビジョン装置100で実行される音声制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることによりコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のテレビジョン装置100で実行される音声制御プログラムをコンピュータプログラムプロダクトとしてインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上記実施形態のテレビジョン装置100で実行される音声制御プログラムは、上述した各部(入力制御部201、設定部203、音声制御部301、音源分離処理部302、音響効果処理部303)を含むモジュール構成となっており、CPUが上記ROMから音声制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部がメモリ131のRAM上にロードされ、各部がRAM上に生成されるようになっている。
さらに、ここに記述されたシステムの種々のモジュールは、ソフトウェア・アプリケーション、ハードウェアおよび/またはソフトウェア・モジュール、あるいはサーバのような一台以上のコンピュータ上のコンポーネントとしてインプリメントすることができる。種々のモジュールは、別々に説明されているが、それらは同じ根本的なロジックかコードのうちのいくつかあるいはすべてを共有してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 入力される音声信号を、声信号と背景音信号とに分離して、前記声信号または前記背景音信号を強調または抑制する音源分離機能を実行可能な音源分離処理部と、
    前記音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行可能な音響効果処理部と、
    ユーザにより、前記音源分離機能を実行する旨の指示があった場合に、前記音源分離機能を実行するように前記音源分離処理部を制御し、かつ前記音響効果機能を実行しないように前記音響効果処理部を制御する音声制御部と、
    を備えた電子機器。
  2. 前記音声制御部は、前記音源分離機能を実行する場合に、前記ユーザによる強調の強度の設定指示において、前記声信号の強調の強度が前記背景音信号の強調の強度未満である場合に、前記音響効果機能を実行するように前記音響効果処理部を制御する、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記音声制御部は、前記音源分離機能を実行する場合に、前記ユーザによる強調の強度の設定指示において、前記声信号の強調の強度が前記背景音信号の強調の強度以上である場合に、前記音響効果機能を実行しないように前記音響効果処理部を制御する、
    請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記音声制御部は、前記音源分離機能の実行中に、所定のタイミングを検知した場合に、前記音源分離機能の実行を停止するように前記音源分離処理部を制御し、前記音源分離機能の実行前の設定内容で前記音響効果機能を実行するように前記音響効果処理部を制御する、
    請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記所定のタイミングは、放送チャンネルの切替え、放送番組の切替え、入力デバイスの切替え、電源切断後の電源投入、CMシーンと本編シーンの切替え、楽曲の開始または終了の少なくともいずれかを含む、
    請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記音声制御部は、前記音源分離機能の実行中に、所定のタイミングを検知した場合に、ユーザから前記音響効果を復元する旨の設定が行われている場合に、前記音源分離機能の実行を停止するように前記音源分離処理部を制御し、かつ前記音源分離機能の実行前の設定内容で前記音響効果機能を実行するように前記音響効果処理部を制御する、
    請求項4に記載の電子機器。
  7. 前記音声制御部は、ユーザから前記音響効果を復元する旨の設定が行われていない場合には、前記音源分離機能の実行を継続するように前記音源分離処理部を制御し、前記音響効果機能を実行しないように前記音響効果処理部を制御する、
    請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記音源分離機能による声信号または背景音信号の強調の状態、および前記音響効果の状態を、映像とともに表示する表示部、
    をさらに備えた請求項1に記載の電子機器。
  9. 入力される音声信号を、声信号と背景音信号とに分離して、前記声信号または前記背景音信号を強調または抑制する音源分離機能を実行する旨のユーザからの指示があった場合に、前記音源分離機能を実行し、かつ前記音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行しないように制御する、
    ことを含む制御方法。
  10. 入力される音声信号を、声信号と背景音信号とに分離して、前記声信号または前記背景音信号を強調または抑制する音源分離機能を実行する旨のユーザからの指示があった場合に、前記音源分離機能を実行し、かつ前記音声信号に対して音響効果を付与する音響効果機能を実行しないように制御する、
    ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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