JP2011066847A - ミキサおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 生放送のトーク番組などにおいてある出演者の出番が終了すると、その出演者の音声をフェードアウトするが、その出演者が何か言い忘れた事に気付いて再び話し始めることがある。ミキサのユーザがこの状態を速やかに把握し、再びフェードインするなどの対処を迅速に行えるようにする。
【解決手段】 図8(a)に示すようにCUEオフ状態(CUEボタン6が消灯)のチャンネルがあり、これを図8(b)に示すようにフェードアウトすると、そのチャンネルが自動的にCUEオン状態になり、CUEボタン6が点灯するようにした。
【選択図】 図8

Description

本発明は、放送局のスタジオ等における音声信号処理に用いて好適なミキサおよびプログラムに関する。
放送局のスタジオ等で使用されるミキサの操作パネルには、様々な箇所の音声信号をユーザがモニタできるように、「CUEボタン」というものが随所に配置されている。CUEボタンは、対応する音声信号のCUEオン/オフ状態を切り替えるものであり、CUEオン状態になると、対応する音声信号がモニタスピーカあるいはヘッドフォン等を介して放音され、CUEオフ状態になると当該音声信号の放音が停止される。通常、CUEオン/オフ状態は、CUEボタンを操作することによって切り替えられるが、非特許文献1の236ページには、CUEオン/オフ状態を自動的に切り替える「フェーダCUEリリース(FADER/CUE RELEASE)」という機能が開示されている。
フェーダCUEリリース機能がオン状態であるとき、非特許文献1のミキサは、あるフェーダの操作量が最低レベル(−∞[dB])である場合に限り、当該フェーダに係る音声信号のCUEオン/オフ状態を、(対応するCUEボタンを操作して)切り替えることができる。すなわち、フェーダの操作量が最低レベル以外の値であれば、CUEボタンの操作は無視される。ここで、当該音声信号がCUEオン状態であるとき、ユーザがフェーダを操作して、その操作量を最低レベルよりも上げると、当該音声信号は自動的にCUEオフ状態に設定される。
このフェーダCUEリリース機能は、主としてトーク番組などにおいて、ユーザ(ミキサの操作者)の操作負担を軽減できる点で便利である。すなわち、出番を待っている出演者と、ミキサのユーザとが打ち合わせをするとき、対応する音声信号がCUEオン状態にされていると、その出演者がマイクに向かって発する声をユーザは聞くことができる。次に、その出演者の出番が来ると、ユーザは対応するフェーダを上げるが、その後は、当該出演者に係る音声信号をCUEオン状態にしておく必要がなくなる。これは、当該出演者の発する音声はオンエアされる音声信号に含まれるため、オンエア状態を監視するためのモニタスピーカから当該出演者の発する音声が放音されるためである。その際、フェーダCUEリリース機能によれば、ユーザはCUEボタンを操作することなく、当該音声信号をCUEオフ状態に設定できるため、CUEボタンを操作する負担を軽減することができるのである。
「PM5D/PM5D-RH V2 DSP5D 取扱説明書」 ヤマハ株式会社,2004年
ところで、生放送のトーク番組などにおいて、ある出演者の出番が終了したとき、ミキサのユーザは、対応するチャンネルのフェーダをフェードアウトする。ところが、フェードアウトが完了した後、その出演者が何か言い忘れたことに気付いて、例えば「ああ、ちょっと待って下さい」という声を発したとする。その際、ミキサのユーザは、出演者とは別室のブースにいるため、その一言を聞き取ることができず、その出演者に対応するチャンネルを再びフェードインするタイミングが遅れるという問題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、フェードアウトしたチャンネルにおける音声信号を、ミキサのユーザが自動的に聞き取れるようにすることができるミキサおよびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載のミキサにあっては、複数の入力チャンネルの音声信号の信号レベルを、操作位置に応じたレベルに各々調節する複数の音量調節操作子(2)と、これら信号レベルの調節された音声信号をミキシングするミキシングバス(116,118)と、前記各音量調節操作子(2)に各々対応して設けられ、前記各音量調節操作子(2)に割り当てられた入力チャンネルのCUEオンおよびCUEオフ状態を切り替える複数のCUEオン/オフ切替操作子(6)と、前記各入力チャンネルの音声信号のうち、CUEオン状態に設定された一または複数の音声信号であるCUE信号をミキシングするCUEバス(132)と、該CUEバス(132)においてミキシングされた音声信号を出力するCUE信号出力手段(134)と、何れかの前記音量調節操作子(2)の操作位置が所定のCUEオン範囲に入ると、対応する音声信号を自動的にCUEオン状態に設定するCUEオン状態設定手段(SP10)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載のミキサにおいて、前記CUEオン範囲は、前記各音量調節操作子(2)の信号レベルの最低レベル(−∞)に対応する位置と、該最低レベル(−∞)よりも大きい所定レベル(X)に対応する位置との間の範囲である(図8(c))ことを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載のミキサにおいて、前記CUEオン範囲において、前記各音量調節操作子(2)によって設定される信号レベルが低くなるほど前記CUE信号のレベルが高くなるように、該CUE信号のレベルを調節するCUE信号レベル調節手段(図8(d))をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項1〜3の何れかに記載のミキサにおいて、前記CUEオン状態設定手段(SP10)の機能を有効にするか無効にするかを前記入力チャンネル毎に設定するチャンネル別設定手段(250)をさらに有することを特徴とする。
また、請求項5記載のプログラムにあっては、複数の入力チャンネルの音声信号の信号レベルを、操作位置に応じたレベルに各々調節する複数の音量調節操作子(2)と、これら信号レベルの調節された音声信号をミキシングするミキシングバス(116,118)と、前記各音量調節操作子(2)に各々対応して設けられ、前記各音量調節操作子(2)に割り当てられた入力チャンネルのCUEオンおよびCUEオフ状態を切り替える複数のCUEオン/オフ切替操作子(6)と、前記各入力チャンネルの音声信号のうち、CUEオン状態に設定された一または複数の音声信号であるCUE信号をミキシングするCUEバス(132)と、該CUEバス(132)においてミキシングされた音声信号を出力するCUE信号出力手段(134)と、処理装置(CPU24)とを有するミキサに適用されるプログラムであって、何れかの前記音量調節操作子(2)の操作位置が所定のCUEオン範囲に入ったか否かを判定する判定過程(SP4)と、該判定過程(SP4)における判定結果が肯定的であったことを条件として、対応する音声信号をCUEオン状態に設定するCUEオン状態設定過程(SP10)とを前記処理装置(CPU24)に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、何れかの音量調節操作子の操作位置が所定のCUEオン範囲に入ると、対応する音声信号を自動的にCUEオン状態に設定するから、フェードアウトが完了したチャンネルに係る音声信号をミキサのユーザが聞き取れるようになり、ユーザは必要な対応を素早く実行することができるようになる。
本発明の一実施例のデジタルミキサのブロック図である。 デジタルミキサのアルゴリズムのブロック図である。 上記アルゴリズムの要部のブロック図である。 デジタルミキサの平面図である。 CUEグループの説明図である。 設定画面200,250を示す図である。 フェーダCUEリリース機能の説明図である。 バックストップPFL機能の説明図である。 フェーダ操作イベント処理ルーチンのフローチャートである。 CUEオン/オフ設定イベントルーチンのフローチャートである。
1.実施例のハードウエア構成
次に、本発明の一実施例のデジタルミキサのハードウエア構成を図1を参照し説明する。図1において20はパネル表示器群であり、操作パネル上に設けられたドットマトリクス・ディスプレイ、LED等から構成されている。22はパネル操作子群であり、操作パネル上に設けられたボタン、ノブ等から構成されている。24はCPUであり、メモリ26(ROMおよびRAM)に格納されたプログラムに基づいて、CPUバス30を介して他の構成要素を制御する。なお、メモリ26のRAMには、電源がオフされた場合にも記憶内容を保持する不揮発性領域が設けられている。32は電動フェーダ群であり、ユーザの操作に基づいて各入出力チャンネル等の信号レベルを調節するために設けられている。さらに、電動フェーダ群32は、CPUバス30を介して操作コマンドが供給されると、その操作量が自動設定されるように構成されている。
34は音声I/O部であり、アナログ音声信号が入力されると、これをデジタル音声信号に変換し、オーディオバス40を介して出力するとともに、オーディオバス40を介して供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、外部に出力する。36はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)であり、オーディオバス40を介して供給された音声信号に対してミキシング処理およびイコライジング処理等を施す。38はネットワークI/O部であり、オーディオバス40を介して供給された制御信号およびCPUバス30を介して供給された音声信号をIPパケットに変換し、必要に応じて外部のIP網に出力するとともに、IP網から受信したIPパケットを制御信号または音声信号に変換し、CPUバス30またはオーディオバス40を介して出力する。28はその他I/O部であり、その他の機器、例えば汎用パーソナルコンピュータとの間でデータを入出力する。
2.ミキシングアルゴリズム構成
2.1.アルゴリズムの全体構成
次に、DSP36等において実現されるアルゴリズムの内容を図2を参照し説明する。なお、当該アルゴリズムはDSP36に設定されるプログラムによって実現されるものであり、該プログラムは、CPU24の制御の下、メモリ26からDSP36にロードされる。また、当該アルゴリズムにおける各種パラメータ(例えば、スイッチのオン/オフ状態や増幅部のゲイン等)CPU24によって設定される。
図2において102はアナログ入力部であり、マイクレベルまたはラインレベルのアナログ音声信号を受信すると、これをデジタル音声信号に変換し、DSP36に供給する。104はデジタル入力部であり、デジタル音声信号を受信すると、これを所定の内部フォーマットに変換し、DSP36に供給する。また、128はアナログ出力部であり、DSP36から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し外部に出力する。136はCUE信号用アナログ出力部であり、DSP36から供給されたデジタル音声信号であるCUE信号をアナログ音声信号に変換し外部に出力する。130はデジタル出力部であり、DSP36から供給された内部フォーマットのデジタル音声信号を所定フォーマット(AES/EBU,ADAT,TASCAM等)のデジタル音声信号に変換し出力する。
上記各構成要件102,104,128,130,136は、図1における音声I/O部34によって実現されるものであり、それ以外の構成は、DSP36において動作するマイクロプログラムによって実現されている。112は入力チャンネル調整部であり、パネル操作子群22および電動フェーダ群32の操作に基づいて、「128」チャンネルの入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。110はステレオ入力チャンネル調整部であり、最大4チャンネルのステレオ入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。なお、「1」系統のステレオの音声信号は左右「2」系統の音声信号から構成されていることとする。
114はエフェクトリターン部であり、「4」チャンネルの音声信号に対して音量・音質等の調整を行う。なお、エフェクトリターン部114は、主としてエフェクト処理の施された音声信号に割り当てられる。108は入力パッチ部であり、入力部102,104等の複数の入力ポートから供給されたデジタル音声信号を、ステレオ入力チャンネル調整部110、入力チャンネル調整部112、エフェクトリターン部114の任意の入力チャンネルに割り当てる。106は内蔵エフェクタ部であり、最大「8」ユニットのエフェクタから成り、供給された音声信号に対して、リバーブ、ディレイ、モジュレーション等のエフェクト処理を施し、その結果を入力パッチ部108を介してエフェクトリターン部114等に供給する。
116はMIXバス群であり、「96」系統のMIXバスから構成されている。なお、これらMIXバスを個別に指すときは、「第nMIXバス116−n」(1≦n≦96)のように表記する。各MIXバスにおいては、各入力チャンネル、各ステレオ入力チャンネルおよび各エフェクトリターン(以下、「入力チャンネル等」という)のデジタル音声信号のうち当該MIXバスに供給されたものがミキシングされる。各入力チャンネル等においては、音声信号をMIXバスに供給するか否かを各MIXバス毎に設定することができ、供給する場合には各MIXバスに対するセンドレベルやフェードモード(プリフェード/ポストフェード)等も系統毎に独立して設定することができる。118はステレオバスであり、「1」系統のステレオバスから構成されている。ステレオバスの構成は上記MIXバスと同様である。
120はステレオ出力チャンネル部であり、該ステレオバスにおけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。122はMIX出力チャンネル部であり、上記各MIXバスにおける「96」系統のミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。123はマトリクスバス群であり、ステレオ出力チャンネル部120およびMIX出力チャンネル部122の出力信号をさらにミキシングする「48」チャンネルのマトリクスバスから構成されている。124はマトリクス出力チャンネル部であり、マトリクスバス群123におけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。126は出力パッチ部であり、ステレオ出力チャンネル部120、MIX出力チャンネル部122およびマトリクス出力チャンネル部124の出力信号を、各出力部128,130または上記内蔵エフェクタ部106の任意のユニットに割り当てる。132はCUEバスであり、上記各構成要素106〜126における音声信号のうち、CUEオン状態である一または複数の音声信号をミキシングする、ステレオのバスである。このCUEバス132におけるミキシング結果は、CUE調整部134に供給され、音質・音量等が調整された後にCUE信号用アナログ出力部136に供給される。
2.2.アルゴリズムの要部の構成
次に、入力チャンネル調整部112、ステレオ出力チャンネル部120およびMIX出力チャンネル部122におけるアルゴリズム構成の詳細を図3を参照し説明する。図3において112−nは第n入力チャンネル調整部であり、第n入力チャンネル(1≦n≦128)における音質・音量調整を行う。また、122−mは第mMIX出力チャンネル部であり、第mMIX出力チャンネル(1≦m≦96)における音質・音量調整を行う。第n入力チャンネル調整部112−nの内部において150は音質調整部であり、第n入力チャンネルにおけるゲート処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理等を行う。ここで、「ゲート処理」とは、不要なノイズを自動的にカットする処理であり、「コンプレッサ処理」とは、ダイナミックレンジを圧縮または伸長する処理であり、「イコライザ処理」とは、パラメトリックイコライザによって各チャンネルの音声信号の周波数特性を設定する処理である。
152はチャンネル遅延部であり、必要に応じて第n入力チャンネルの音声信号を遅延させる。154は音量調整部であり、第n入力チャンネルの音声信号のゲイン(信号レベル)を調節する。156はオンオフ切換部であり、第n入力チャンネル全体のオンオフを切り換える。162−1〜162−96は信号切換部であり、第n入力チャンネルから「96」系統のMIXバスに各々出力され得る音声信号をフェードモードに応じて切り換える。すなわち、フェードモードが「プリフェード」に設定されると、チャンネル遅延部152の出力信号が選択され、「ポストフェード」に設定されるとオンオフ切換部156の出力信号が選択される。164−1〜164−96はセンドレベル調節部であり、各MIXバスに出力する信号のゲインすなわちセンドレベルを調節する。
166−1〜166−96はセンドオンオフ切換部であり、各MIXバスに対するセンドオンオフ状態(各MIXバスに対して音声信号を供給するか否かの状態)を設定する。158はステレオセンドオンオフ切換部であり、第n入力チャンネルの音声信号をステレオバス118に供給するか否かを切り換える。160はPAN設定部であり、該音声信号をステレオバス118に供給する際の左右の音量バランスを設定する。168−L,RはCUE信号セレクタであり、第n入力チャンネル調整部112−nからCUEバス132に供給され得る音声信号を選択する。ここで、選択され得る音声信号とは、チャンネル遅延部152、音量調整部154、およびPAN設定部160の各出力信号である。169−L,RはCUEスイッチであり、CUEオン/オフ状態(選択された音声信号をCUEバス132に供給するか否か)を切り替える。
次に、ステレオ出力チャンネル部120の内部において170は音質調整部であり、ステレオ出力チャンネルにおけるリミッタ処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理(周波数特性の調整)等を行う。172−L,Rは音量調整部であり、ステレオ出力チャンネルの左右の出力ゲインを調節する。174−L,Rはオンオフ切換部であり、ステレオ出力チャンネルの左右のオン/オフ状態を切り換える。176−L,Rはチャンネル遅延部であり、ステレオ出力チャンネルの音声信号を必要に応じて遅延する。また、特に図示しないが、ステレオ出力チャンネル部120においても、上記構成要素169−L,Rおよび168−L,Rと同様のCUE信号セレクタおよびCUEスイッチが設けられている。そして、該CUE信号セレクタにおいては、音質調整部170、音量調整部172−L,Rおよびチャンネル遅延部176−L,Rの何れかの出力信号がCUEバス132に供給され得る音声信号として選択され、CUEスイッチにおいては、CUEオン/オフ状態が切り替えられる。
次に、第mMIX出力チャンネル部122−mの内部において180は音質調整部であり、上述した音質調整部150と同様に、第mMIX出力チャンネルにおけるリミッタ処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理等を行う。182は音量調整部であり、第mMIX出力チャンネルの出力ゲインを調節する。184はオンオフ切換部であり、第mMIX出力チャンネルのオン/オフ状態を切り換える。186はチャンネル遅延部であり、第mMIX出力チャンネルの音声信号を必要に応じて遅延する。また、特に図示しないが、第mMIX出力チャンネル部122−mにおいても、上記構成要素169−L,Rおよび168−L,Rと同様のCUE信号セレクタおよびCUEスイッチが設けられている。そして、該CUE信号セレクタにおいては、音質調整部180、音量調整部182およびチャンネル遅延部186の何れかの出力信号がCUEバス132に供給され得る音声信号として選択され、CUEスイッチにおいては、CUEオン/オフ状態が切り替えられる。190はグラフィックイコライザであり、音質調整部150,170,180などに適宜介挿することができる。
3.デジタルミキサの外観構成
次に、デジタルミキサの平面図を図4に示す。図4の前方左側において72は音質調整部であり、選択された一のチャンネル(以下、「選択チャンネル」という)に対して、音質調整部150,170,180およびチャンネル遅延部152,176−L,R、186等のパラメータの詳細設定を行うための各種操作子および表示器から構成されている。また、70はチャンネルストリップ群であり、「16」のチャンネルストリップ70−1〜70−16から構成されている。これらチャンネルストリップは、指定された「レイヤ」に属する「16」のチャンネルに対して、信号レベル等の各種パラメータを設定する操作子等から構成されている。
一のチャンネルストリップは、電動フェーダ2、文字表示器4、CUEボタン6、fボタン8、SELボタン10、オン/オフ・ボタン12、ノブ14,18から構成されている。特に電動フェーダ2は、割り当てられたチャンネルの信号レベル(音量調整部154,172−L,R,182のゲイン)を調整するものであり、CUEボタン6は、CUEオン/オフ状態(CUEスイッチ169−L,R等のオン/オフ状態)をトグルで切り替えるものである。74は小型ディスプレイであり、ドットマトリクスディスプレイと、その上面に貼付されたタッチパネルとから構成されている。小型ディスプレイ74は、シーンリコール、ユーザ定義機能、その他各種動作モードについての表示および操作を行うためのものである。また、76−L,76−Rは、ステレオ出力チャンネル部120専用のチャンネルストリップである。
ここで、チャンネルストリップ70−1〜70−16に割り当てられ得る「レイヤ」について説明しておく。上述したように、入力チャンネルの数は「128」、MIX出力チャンネルの数は「96」、マトリクス出力チャンネルの数は「48」であり、これらのチャンネルにおいては、「16」チャンネルづつチャンネル番号順に分割したものが「レイヤ」になる。従って、レイヤ数は、入力チャンネルについては「8」、MIX出力チャンネルについては「6」、マトリクス出力チャンネルについては「3」である。さらに、本実施例においては「DCA」用に、「1」のレイヤ(「16」チャンネル)が設けられている。
DCA(Ditigal Controlled Amplifier)とは、複数の入力チャンネル等に対して、各入力チャンネル等のフェーダとは別の共通のフェーダ(DCAフェーダ)を割り当て、DCAフェーダによって設定されたゲインを、各入力チャンネル等のフェーダによって設定されたゲインに乗算し、これによって該複数の入力チャンネル等のゲインを決定することをいう。DCAフェーダは、主として、ピアノ、ドラムなどの大型の楽器や、例えばオーケストラの一部のパートの音量制御に用いられる。一般的にピアノ等、大型の楽器の演奏音は複数本のマイクによって集音される。これら複数のマイクはバランス調節を行うために各々個別の入力チャンネル等に割り当てられる。そして、これら入力チャンネル等によって「DCAグループ」が構成され、このDCAグループに対して一のDCAフェーダに割り当てられ、楽器全体としての音量はDCAフェーダによって調節されるのである。なお、DCAフェーダに対応するCUE信号は、上記DCAグループに属する入力チャンネル等のCUE信号をミキシングした結果になる。
次に、図4の後方左側において80はセンドレベル調整部であり、選択チャンネルが入力チャンネル等であるとき、該選択チャンネルから、各MIXバスへのセンドレベル等を設定する。センドレベル調整部80の内部においては、「16」個のノブから成るノブ群80aと、ノブ群80aにアサインするレイヤを選択するための複数のボタンから成るレイヤ選択部80bとが設けられている。ノブ群80aに含まれる各ノブは、選択チャンネルにおけるセンドレベル調節部164−1〜164−96(図4参照)の何れかに割り当てられ、当該ノブが回動操作されると、対応するセンドレベル調節部164−m(1≦m≦96)のゲインが増減される。
82は左メインディスプレイ、84は右メインディスプレイであり、各々ドットマトリクスディスプレイと、その上面に貼付されたタッチパネルとから構成されている。左右メインディスプレイ82,84は、各々複数の領域に分かれており、各領域毎に機能が異なる。左メインディスプレイ82の左端において82aは選択チャンネル領域であり、音質調整部72およびセンドレベル調整部80とともに、選択チャンネルにおける各種パラメータの表示および設定を行う。82b,84bはナビゲーション領域であり、チャンネルストリップ70−1〜70−16に対して、割り当てるレイヤを切り替えるために、上述した各レイヤに対応するボタンが表示される。82e,84eはチャンネル表示領域であり、対応するチャンネルストリップ70−1〜70−16に割り当てられたチャンネルのチャンネル番号とチャンネル名とが表示される。82c,84cはパラメータ領域であり、対応するチャンネルストリップ70−1〜70−16に係る各種パラメータの内容および設定用のボタン等が表示される。
4.実施例の動作
4.1.動作の概要
(1)CUEグループについて
次に、本実施例における動作の概要について説明する。まず、本実施例においては、CUE信号は図5に示すように複数のグループに分類されている。これらのグループを「CUEグループ」という。CUEグループには、「Output」、「DCA」、「Input」および「Others」の4種類がある。ここで、CUEグループ「Output」は、MIX出力チャンネル、マトリクス出力チャンネルおよびステレオ出力チャンネルのCUE信号から構成されている。また、CUEグループ「DCA」は、DCAグループのCUE信号から構成されている。また、CUEグループ「Input」は、入力チャンネルのCUE信号から構成されている。また、CUEグループ「Others」は、その他のCUE信号、例えばグラフィックイコライザ190のCUE信号から構成されている。
ここで、各CUEグループには、「常用度」という値が定義されており、これは、常用される傾向が強いほど、高い値になる。ミキサのユーザが通常の状態で監視する傾向の強いCUE信号は、最終的に出力されている音声信号であるから、「Output」に対して、最高の常用度「4」が付与されている。また、「DCA」に属するCUE信号は、複数の入力チャンネルをミキシングした結果であるから、個々の入力チャンネルに係る「Input」のCUE信号よりも常用される傾向が強いと考えられるため、「DCA」および「Input」には、各々「3」および「2」の常用度が付与されている。また、「Others」に属するその他のCUE信号は、ユーザがモニタする頻度は最も低いと考えられるため、最低の常用度「1」が付与されている。
(2)CUEモード
各チャンネルストリップ70−1〜70−16,76−L,76−Rにおいて、CUEボタン6を操作すると、当該CUEボタン6に係るCUE信号のオン/オフ状態がトグルで切り替えられる。その際、他のチャンネルのCUE信号の取扱を定める動作モードとして、ユーザは、小型ディスプレイ74において所定の操作を行うことにより、「CUEモード」を指定することができる。CUEモードは、「ラストCUEモード」または「ミックスCUEモード」のうち何れかである。ラストCUEモードにおいては、最後にオン操作された一のCUEボタン6に係る一系統のCUE信号のみがオン状態になり、他のCUE信号はオフ状態に設定される。
一方、ミックスCUEモードにおいては、複数のCUEボタン6のオン操作によって複数チャンネルのCUE信号をオン状態に設定することができ、これら複数のCUE信号はミキシングされ、ユーザにモニタされるCUE信号として出力される。但し、同時にオン状態に設定できるCUE信号は、上記CUEグループ「Output」、「DCA」、「Input」、「Others」のうち何れか一グループに属するCUE信号に限られる。従って、ミックスCUEモードが選択され、あるCUEグループに属する複数のCUE信号がオン状態であるとき、他のグループに係るCUEボタン6がオン操作されると、この最後にオン操作されたCUEボタン6に係るCUE信号のみがオン状態になり、それ以前にオン状態であったCUE信号は全てオフ状態に設定されることになる。
(3)フェーダCUEリリース機能
本実施例のデジタルミキサには、「フェーダCUEリリース」という機能が設けられている。その詳細を図7(a)〜(d)を参照し説明する。フェーダCUEリリース機能が有効(Enabled)にされると、入力チャンネル等に対するCUEボタン6に対する操作は、該CUEボタン6の属するチャンネルストリップにおける電動フェーダ2の操作量が所定の「CUEオン範囲」に属する場合のみ有効化されるとともに、電動フェーダ2の操作量がこのCUEオン範囲から外れると、対応するチャンネルが強制的にCUEオフ状態に設定される。なお、本実施例においては、「CUEオン範囲」とは、最低レベル(−∞[dB])の一点のみである。図7(a)の状態においては、電動フェーダ2の操作量は「0[dB]」であってCUEオン範囲(−∞[dB])から外れているため、CUEボタン6に対する操作は無視され、対応するチャンネルは常にCUEオフ状態に保たれる。
図7(b)は、電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトした状態を示す。この状態においては、CUEボタン6に対する操作は有効であるから、CUEボタン6が押下されるたび、CUEオン/オフ状態がトグルで切り替えられる。なお、図上では、CUEボタン6に対するハッチングによって、CUEボタン6の点灯状態(CUEオン状態)を示すため、図7(b)はCUEオン状態における外観を示す。次に、図7(c)は、CUEオン範囲(−∞[dB])から電動フェーダ2を僅かにフェードインした状態を示す。これにより、当該チャンネルは強制的にCUEオフ状態に設定され、CUEボタン6も消灯されるとともに、CUEボタン6に対する操作は再び無効化される。次に、図7(d)は、電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトした状態を示す。図7(b)の場合と同様に、CUEボタン6に対する操作は有効化される。但し、電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトしたとしても、直ちにCUEオン状態になるわけではなく(後述するバックストップPFL機能が併用されている場合を除く)、電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトし、さらにCUEボタン6をオン操作することによって、当該チャンネルがCUEオン状態になる。
(4)バックストップPFL機能
また、本実施例のデジタルミキサには、「バックストップPFL」という機能が設けられている。その詳細を図8(a),(b)を参照し説明する。バックストップPFL機能が有効(Enabled)にされた場合、入力チャンネル等に対する電動フェーダ2の操作量が上記CUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトされると、当該チャンネルが自動的にCUEオン状態に設定される。図8(a)の例においては、電動フェーダ2の操作量は「0[dB]」であって、CUEオフ状態に設定され、CUEボタン6は消灯している。なお、上記フェーダCUEリリース機能が併用されていなければ、CUEボタン6に対する操作は有効であり、CUEボタン6が押下される度にCUEオン/オフ状態がトグルで切り替えられる。
ここで、ユーザが電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトすると、図8(b)に示すように、当該チャンネルが自動的にCUEオン状態に設定され、対応するCUEボタン6が点灯状態にされる。但し、CUEオン範囲(−∞[dB])においても、ユーザのCUEボタン6に対する操作は有効であり、CUEボタン6が押下される度にCUEオン/オフ状態がトグルで切り替えられる。
このバックストップPFL機能は、特に生放送のトーク番組などにおいて想定外の状況が生じたとき、その影響を最小限にとどめるために有用である。例えば、ある出演者の出番が終了したとき、ミキサのユーザは、対応するチャンネルの電動フェーダ2を「−∞[dB]」までフェードアウトする。ところが、フェードアウトが完了した後、その出演者が何か言い忘れたことに気付いて、例えば「ああ、ちょっと待って下さい」という声を発したとする。その際、バックストップPFL機能が有効化されていると、フェードアウトとともに対応するチャンネルがCUEオン状態になるから、ミキサのユーザが出演者とは別室のブースにいたとしても、その出演者の声がCUE信号として出力される。これにより、ミキサのユーザは、フェードアウト後にその出演者の発した「ああ、ちょっと待って下さい」という一言を聞き取ることができ、その電動フェーダ2を再びフェードインする等の対処を速やかに実行することができるのである。
(5)機能の有効/無効設定
次に、上記フェーダCUEリリース機能およびバックストップPFL機能の有効(Enabled)または無効(Disabled)を設定する動作を説明する。ユーザが小型ディスプレイ74において所定の操作を行うと、該小型ディスプレイ74において図6(a)に示すデフォルト設定画面200が表示される。デフォルト設定画面200において、202はフェーダCUEリリース機能設定部であり、該機能の有効(Enabled)または無効(Disabled)のデフォルトの設定状態を択一的に選択することができる。また、204はバックストップPFL機能設定部であり、同様に該機能の有効(Enabled)または無効(Disabled)のデフォルトの設定状態を択一的に選択することができる。206はOKボタンであり、ユーザによって押下されると、設定部202,204における設定状態が反映され、設定画面200が閉じられる。また、208はキャンセルボタンであり、ユーザによって押下されると、設定部202,204における設定状態が無視された状態で、設定画面200が閉じられる。210は詳細ボタンであり、ユーザによって押下されると、小型ディスプレイ74には図6(b)に示す詳細設定画面250が表示される。
詳細設定画面250の内部において260はパラメータ設定欄であり、入力チャンネル毎に対応する複数の行に区切られている。各行において262はチャンネル番号表示部であり、入力チャンネルの番号が表示される。264はデフォルト設定チェックボックスであり、オン状態(チェック状態)にされると、当該チャンネルのフェーダCUEリリース機能の有効(Enabled)または無効(Disabled)状態として、上記フェーダCUEリリース機能設定部202にて設定されたデフォルトの設定状態が承継される。このチェックボックス264および他のチェックボックスは、操作禁止状態ではない限り、ユーザによって押下される毎に、オン/オフ状態がトグルで切り替えられる。
また、266は有効設定チェックボックス、268は無効設定チェックボックスであり、何れか一方のみを択一的にオン状態(チェック状態)にすることができる。有効設定チェックボックス266がオン状態にされると、当該入力チャンネルにおいてフェーダCUEリリース機能が有効(Enabled)にされ、無効設定チェックボックス268がオン状態にされると、当該入力チャンネルにおいてフェーダCUEリリース機能が無効(Disabled)にされる。但し、チェックボックス266,268は、デフォルト設定チェックボックス264がオフ状態のときのみ操作することができる。すなわち、デフォルト設定チェックボックス264がオン状態のときは、チェックボックス266,268はグレーアウトされ(図上では破線で示す)、有効/無効状態の表示のみが行われる。
また、バックストップPFL機能に関しても、上記チェックボックス264,266,268と同様に機能するデフォルト設定チェックボックス270、有効設定チェックボックス272、無効設定チェックボックス274が設けられている。276はスクロールバーであり、ユーザによって操作されると、パラメータ設定欄260にて設定/表示される入力チャンネルを上下にスクロールする。256はOKボタンであり、ユーザによって押下されると、パラメータ設定欄260における設定状態が反映され、詳細設定画面250が閉じられる。また、258はキャンセルボタンであり、ユーザによって押下されると、パラメータ設定欄260における設定状態が無視された状態で、詳細設定画面250が閉じられる。
4.2.フェーダ操作イベント処理(図9)
次に、フローチャート等を参照しつつ、本実施例の詳細な動作を説明する。まず、何れかのチャンネルストリップにおいて電動フェーダ2が操作されると、図9に示すフェーダ操作イベント処理ルーチンが起動される。図において処理がステップSP2に進むと、フェーダ操作位置が取得される。次に、処理がステップSP4に進むと、このフェーダ操作位置がCUEオン範囲に属するか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP12に進み、フェーダCUEリリースは有効(Enabled)であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP14に進む。ここでは、CUEオフ設定イベントルーチン(図10(b),詳細は後述する)が呼び出され、操作された電動フェーダ2に係るチャンネルがCUEオフ状態に設定される。一方、ステップSP12において「NO」と判定されると、CUEオン/オフ状態は変更されることなく、本ルーチンの処理はそのまま終了する。
一方、取得されたフェーダ操作位置がCUEオン範囲に属する場合は、上記ステップSP4において「YES」と判定され、処理はステップSP6に進む。ここでは、当該チャンネルが現在CUEオン状態であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、本ルーチンの処理はそのまま終了する。一方、ステップSP6において「NO」(CUEオフ状態)と判定されると処理はステップSP7に進み、当該フェーダ操作位置が新たにCUEオン範囲に入ったか否かが判定される。すなわち、「フェーダ操作位置が、今回のフェーダ操作イベントが生じる以前はCUEオン範囲外であって、今回のフェーダ操作イベントが生じたことによってCUEオン範囲に入った」という条件が満たされているか否かが判定される。
今回のイベントが生じる以前からフェーダ操作位置がCUEオン範囲外であった場合には、ここで「NO」と判定され、本ルーチンの処理はそのまま終了する。一方、ステップSP7において「YES」と判定されると、処理はステップSP8に進み、「バックストップPFL」が有効(Enabled)であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP10に進む。ここでは、CUEオン設定イベントルーチン(図10(a),詳細は後述する)が呼び出され、操作された電動フェーダ2に係るチャンネルがCUEオン状態に設定される。一方、ステップSP8において「NO」と判定されると、CUEオン/オフ状態は変更されることなく、本ルーチンの処理はそのまま終了する。
4.3.CUEオン設定イベント処理(図10(a))
次に、CUEオン設定イベントルーチン(図10(a))の処理内容を説明する。本ルーチンは、上記フェーダ操作イベント処理ルーチン(図9)のステップSP10から呼び出された場合、またはCUEオフ状態になっているチャンネルに係るCUEボタン6がオン操作された場合に起動される。図10(a)において処理がステップSP20に進むと、他にCUEオン状態である一または複数のチャンネル(以下、「現在チャンネル」という)が存在するか否かが判定される。ここで「NO」(存在しない)と判定されると、処理はステップSP32に進み、今回のCUEオン設定イベントに係るチャンネル(以下、「対象チャンネル」という)がCUEオン状態に設定される。
一方、既にCUEオン状態である現在チャンネルが存在する場合は、ステップSP20において「YES」と判定され、処理はステップSP22に進む。ここでは、現在チャンネルの属するCUEグループ名(「Output」、「DCA」、「Input」または「Others」)が取得される。次に、処理がステップSP24に進むと、対象チャンネルに係るCUEグループ(以下、「対象グループ」という)と、現在チャンネルに係るCUEグループ(以下、「現在グループ」という)とが同一であるか否かが判定される。ここで「YES(同一グループ)」と判定されると処理はステップSP32に進み、対象チャンネルがCUEオン状態に設定される。
このように、ステップSP24を介してステップSP32が実行される場合、現在チャンネルがCUEオフ状態に設定されるか否かは、CUEモードとして「ラストCUEモード」、「ミックスCUEモード」の何れが選択されているかに応じて異なる。すなわち、ラストCUEモードが選択されている場合は、現在チャンネルは全てCUEオフ状態に設定され、対象チャンネルのみがCUEオン状態に設定される。一方、CUEモードとしてミックスCUEモードが選択されている場合、現在チャンネルはCUEオン状態のまま維持されるとともに、それに加えて、対象チャンネルもCUEオン状態に設定される。
一方、対象グループと現在グループとが異なる場合、ステップSP24において「NO」と判定され、処理はステップSP26に進む。ここでは、対象グループの常用度が現在グループの常用度よりも高いか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP28に進み、現在チャンネルを特定する情報(以下、「チャンネル情報」という)がメモリ26内の所定領域に記憶される。ここで、チャンネル情報は、CUEグループ毎に記憶されるが、常用度が最低である「Others」についてはチャンネル情報を記憶する状況は生じないため、メモリ26には、「Output」、「DCA」および「Input」の各CUEグループに対応した、最大「3」種類のチャンネル情報が記憶される。そして、ステップSP28にあっては、「Output」、「DCA」または「Input」のうち、現在グループに係るチャンネル情報が記憶される(または更新される)ことになる。次に、ステップSP30,32が実行されることにより、現在チャンネルが全てCUEオフ状態に設定され、対象チャンネルがCUEオン状態に設定される。
4.4.CUEオフ設定イベント
次に、CUEオフ設定イベントルーチン(図10(b))の処理内容を説明する。本ルーチンは、上記フェーダ操作イベント処理ルーチン(図9)のステップSP14から呼び出された場合、またはCUEオン状態になっているチャンネルに係るCUEボタン6がオフ操作された場合に起動される。図10(b)において処理がステップSP40に進むと、他にCUEオン状態である一または複数のチャンネルが存在するか否かが判定される。ここで「YES」(存在する)と判定されると、処理はステップSP46に進み、今回のCUEオフ設定イベントに係るチャンネル(以下、「対象チャンネル」という)がCUEオフ状態に設定され、本ルーチンが終了する。
一方、他にCUEオン状態であるチャンネルが無い場合は、ステップSP40において「NO」と判定され、処理はステップSP41に進む。ここでは、対象グループ(対象チャンネルの属するCUEグループ)に係るチャンネル情報(上記ステップSP28において記憶される情報)がクリアされる。次に処理がステップSP42に進むと、対象チャンネルに係る常用度よりも高い常用度を有するチャンネル情報がメモリ26内に保存されているか否かが判定される。ここで「YES」(保存されている)と判定されると、処理はステップSP44に進み、「対象チャンネルに係る常用度よりも高い常用度を有するチャンネル情報のうち、常用度が最も低いチャンネル情報」に基づいてCUEオン/オフ状態が再現される。
このステップSP44の処理において、「対象チャンネルに係る常用度よりも高い常用度を有するチャンネル情報のうち、常用度が最も低いチャンネル情報」について具体的に説明しておく。例えば現在グループが「Others」であって、該「Others」グループの全てのチャンネルがCUEオフ状態にされると、「Input」に係るチャンネル情報が記憶されているか否かが判定され、記憶されている場合には、「Input」に係るチャンネル情報に基づいてCUEオン/オフ状態が再現される。一方、「Input」に係るチャンネル情報が記憶されていない場合には、「DCA」に係るチャンネル情報が記憶されているか否かが判定され、記憶されている場合には、「DCA」に係るチャンネル情報に基づいてCUEオン/オフ状態が再現される。「Input」,「DCA」の何れに係るチャンネル情報も記憶されていない場合には、「Output」に係るチャンネル情報が記憶されているか否かが判定され、記憶されている場合には、「Output」に係るチャンネル情報に基づいてCUEオン/オフ状態が再現される。また、「Input」,「DCA」,「Output」の何れのCUEグループについてもチャンネル情報が記憶されていない場合には、ステップSP44においては実質的な処理は行われない。次に、処理がステップSP46に進むと、今回のCUEオフ設定イベントに係る対象チャンネルがCUEオフ状態に設定され、本ルーチンが終了する。
5.実施例の効果
以上のように、本実施例においてバックストップPFL機能を有効(Enabled)にした場合にあっては、あるチャンネルの電動フェーダ2をCUEオン範囲(−∞[dB])までフェードアウトすると、当該チャンネルが自動的にCUEオン状態になるから(図9、ステップSP10)、当該チャンネルに係る出演者等の発した声がミキサのユーザに聞こえる。これにより、特に生放送のトーク番組などにおいて想定外の状況が生じたとき、その影響を最小限にとどめることができる。さらに、ある対象チャンネルがCUEオフ状態にされた結果、そのチャンネルの属するCUEグループの全てのチャンネルがCUEオフ状態にされると、チャンネル情報に基づいて、常用度の高いグループのCUEオン/オフ状態が自動的に再現されるから(図10(b)、ステップSP44)、ユーザ操作の負担を軽減することができる。
6.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、CPU24によって実行されるプログラムによって各種処理を行ったが、このプログラムのみをCD−ROM、メモリカード等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
(2)上記実施例において「CUEオン範囲」は最低レベル(−∞[dB])の一点のみであったが、「CUEオン範囲」は、最低レベル(−∞[dB])を含みつつある程度の幅を持たせる範囲に設定してもよい。すなわち、CUEオン範囲内の最高レベルを「−X[dB]」とすると、CUEオン範囲は「−∞[dB]〜−X[dB]」になる。この場合のCUEオン範囲を図8(c)に示す。
(3)上記実施例においてバックストップPFL機能が有効(Enabled)であるとき、電動フェーダ2の操作量に応じて対応するCUE信号は単にオン/オフ状態に設定された。しかし、上述したようにCUEオン範囲として「−∞[dB]〜−X[dB]」の幅を持たせた場合には、その範囲内のフェーダ操作量に応じて、CUE信号のレベルを変動させるようにしてもよい。このような動作を実現するには、CUEスイッチ169−L,R(図3参照)の後段に、音量調整部154と同様の音量調整部を設けるとよい。このCUE信号用の音量調整部において、フェーダ操作量に応じて図8(d)に示すようにCUE信号のレベル特性を設定すると、電動フェーダ2をフェードアウトしたとき、対応するCUE信号はフェードインされ、逆に電動フェーダ2をフェードインしたとき該CUE信号はフェードアウトされる。
(4)上記実施例は、デジタルミキサに対して本発明を適用した例を説明したが、音声信号をアナログ的に処理するアナログミキサに本発明を適用してもよい。
(5)また、上記実施例においてCUEグループは、「Output」、「DCA」、「Input」および「Others」の「4」グループから構成されたが、グループの種類は「2」以上であれば任意の数でよく、これらの常用度に関してもユーザが決定できるようにしてもよい。
2:電動フェーダ(音量調節操作子)、4:文字表示器、6:CUEボタン(CUEオン/オフ切替操作子)、8:fボタン、10:SELボタン、12:オン/オフ・ボタン、14,18:ノブ、20:パネル表示器群、22:パネル操作子群、24:CPU、26:メモリ、28:その他I/O部、30:CPUバス、32:電動フェーダ群、34:音声I/O部、36:DSP、38:ネットワークI/O部、40:オーディオバス、70:チャンネルストリップ群、70−1〜70−16:チャンネルストリップ、72:音質調整部、74:小型ディスプレイ、76−L,76−R:チャンネルストリップ、80:センドレベル調整部、80a:ノブ群、80b:レイヤ選択部、82,84:左右メインディスプレイ、102:アナログ入力部、104:デジタル入力部、106:内蔵エフェクタ部、108:入力パッチ部、110:ステレオ入力チャンネル調整部、112:入力チャンネル調整部、112−n:第n入力チャンネル調整部、114:エフェクトリターン部、116:MIXバス群、116−n:第nMIXバス、118:ステレオバス、120:ステレオ出力チャンネル部、122:MIX出力チャンネル部、122−m:第mMIX出力チャンネル部、123:マトリクスバス群、124:マトリクス出力チャンネル部、126:出力パッチ部、128:アナログ出力部、130:デジタル出力部、132:CUEバス、134:CUE調整部(CUE信号出力手段)、136:CUE信号用アナログ出力部、150,170,180:音質調整部、152:チャンネル遅延部、154:音量調整部、156:オンオフ切換部、158:ステレオセンドオンオフ切換部、160:PAN設定部、162−1〜162−96:信号切換部、164−1〜164−96:センドレベル調節部、166−1〜166−96:センドオンオフ切換部、168−L,R:CUE信号セレクタ、169−L,R:CUEスイッチ、172−L,R:音量調整部、174−L,R:オンオフ切換部、176−L,R:チャンネル遅延部、182:音量調整部、184:オンオフ切換部、186:チャンネル遅延部、190:グラフィックイコライザ、200:デフォルト設定画面、202:フェーダCUEリリース機能設定部、204:バックストップPFL機能設定部、206:OKボタン、208:キャンセルボタン、210:詳細ボタン、250:詳細設定画面、256:OKボタン、258:キャンセルボタン、260:パラメータ設定欄、262:チャンネル番号表示部、264:デフォルト設定チェックボックス、264〜274:チェックボックス、276:スクロールバー。

Claims (5)

  1. 複数の入力チャンネルの音声信号の信号レベルを、操作位置に応じたレベルに各々調節する複数の音量調節操作子と、
    これら信号レベルの調節された音声信号をミキシングするミキシングバスと、
    前記各音量調節操作子に各々対応して設けられ、前記各音量調節操作子に割り当てられた入力チャンネルのCUEオンおよびCUEオフ状態を切り替える複数のCUEオン/オフ切替操作子と、
    前記各入力チャンネルの音声信号のうち、CUEオン状態に設定された一または複数の音声信号であるCUE信号をミキシングするCUEバスと、
    該CUEバスにおいてミキシングされた音声信号を出力するCUE信号出力手段と、
    何れかの前記音量調節操作子の操作位置が所定のCUEオン範囲に入ると、対応する音声信号を自動的にCUEオン状態に設定するCUEオン状態設定手段と
    を有することを特徴とするミキサ。
  2. 前記CUEオン範囲は、前記各音量調節操作子の信号レベルの最低レベルに対応する位置と、該最低レベルよりも大きい所定レベルに対応する位置との間の範囲であることを特徴とする請求項1記載のミキサ。
  3. 前記CUEオン範囲において、前記各音量調節操作子によって設定される信号レベルが低くなるほど前記CUE信号のレベルが高くなるように、該CUE信号のレベルを調節するCUE信号レベル調節手段
    をさらに有することを特徴とする請求項2記載のミキサ。
  4. 前記CUEオン状態設定手段の機能を有効にするか無効にするかを前記入力チャンネル毎に設定するチャンネル別設定手段
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミキサ。
  5. 複数の入力チャンネルの音声信号の信号レベルを、操作位置に応じたレベルに各々調節する複数の音量調節操作子と、これら信号レベルの調節された音声信号をミキシングするミキシングバスと、前記各音量調節操作子に各々対応して設けられ、前記各音量調節操作子に割り当てられた入力チャンネルのCUEオンおよびCUEオフ状態を切り替える複数のCUEオン/オフ切替操作子と、前記各入力チャンネルの音声信号のうち、CUEオン状態に設定された一または複数の音声信号であるCUE信号をミキシングするCUEバスと、該CUEバスにおいてミキシングされた音声信号を出力するCUE信号出力手段と、処理装置とを有するミキサに適用されるプログラムであって、
    何れかの前記音量調節操作子の操作位置が所定のCUEオン範囲に入ったか否かを判定する判定過程と、
    該判定過程における判定結果が肯定的であったことを条件として、対応する音声信号をCUEオン状態に設定するCUEオン状態設定過程と
    を前記処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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