1.実施例のハードウエア構成
以下、この発明の一実施例の音響システムの構成を図1を参照し説明する。
図1において1000はIP網であり、デジタル音声および各種制御信号をIPパケットとして伝送する。1300はエンジンであり、複数チャンネルの音声信号をIP網1000を介して受信し、これら音声信号に対してイコライジング、ミキシング、エフェクト等の処理を施し、その結果である複数チャンネルの音声信号をIPパケットに変換し、IP網1000を介して出力する。1400はマイク・コントローラであり、複数のマイク1402から入力された音声信号をIPパケットに変換し、IP網1000を介してエンジン1300に出力する。1500はアンプコントローラであり、IP網1000を介してエンジン1300から受信したIPパケットを所定形式のデジタル信号に変換し、複数のアンプ1502に供給する。
アンプ1502は、供給されたデジタル信号をアナログ信号に変換するとともに増幅し、各々に接続された複数のスピーカ1504を介して放音する。1600はその他音声機器であり、例えばハードディスクレコーダ等から構成される。その他音声機器1600は、IP網1000を介してエンジン1300との間で、IPパケットとしての音声信号を入出力する。1100は、ユーザによって操作されるメイン・コンソールであり、エンジン1300、マイク・コントローラ1400、アンプコントローラ1500等に対し、各種パラメータの設定を指令する。すなわち、メイン・コンソール1100においてパラメータの設定を指示する操作がなされると、その内容は制御信号のIPパケットとしてエンジン1300に供給され、エンジン1300におけるパラメータに反映される。
1200はサブ・コンソールであり、必要に応じてメイン・コンソール1100に接続される。すなわち、サブ・コンソール1200はIP網1000に接続されるわけではなく、メイン・コンソール1100に対して直接的に接続される。メイン・コンソール1100は、それ単独であってもエンジン1300における全てのチャンネルのパラメータを設定できるが、メイン・コンソール1100に設けられている操作子および表示器の数は限られているため、パラメータを同時に操作可能なチャンネル数は限定される。このため、サブ・コンソール1200を追加することにより、パラメータ設定の操作性を高めることができる。なお、図1の例においてはサブ・コンソール1200は1台のみ図示されているが、サブ・コンソール1200は最大4台までメイン・コンソール1100に接続することが可能である。
次に、メイン・コンソール1100の詳細構成を図2(a)を参照し説明する。図において1110はパネル表示器群であり、操作パネル上に設けられたドットマトリクス・ディスプレイ、LED等から構成されている。1112はパネル操作子群であり、操作パネル上に設けられたボタン、ノブ等から構成されている。1114はCPUであり、メモリ1116(ROMおよびRAM)に格納されたプログラムに基づいて、CPUバス1120を介して他の構成要素を制御する。なお、メモリ1116のRAMには、電源がオフされた場合にも記憶内容を保持する不揮発性領域が設けられている。1122は電動フェーダ群であり、ユーザの操作に基づいて各入出力チャンネル等の信号レベルを調節するために設けられている。さらに、電動フェーダ群1122は、CPUバス1120を介して操作コマンドが供給されると、その操作位置が自動設定されるように構成されている。
1124は音声I/O部であり、アナログ音声信号が入力されると、これをデジタル音声信号に変換し、オーディオバス1130を介して出力するとともに、オーディオバス1130を介して供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、外部に出力する。1126はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)であり、オーディオバス1130を介して供給された音声信号に対してイコライジング処理等を施す。本実施例の音響システムにおいては、大部分の音声信号処理はエンジン1300において実行されるが、トークバックやモニタ等の小規模な音声信号処理および入出力は、メイン・コンソール1100においても実行される。音声I/O部1124およびDSP1126は、このような音声信号処理および入出力を行うためのものである。
1128はネットワークI/O部であり、オーディオバス1130を介して供給された制御信号およびCPUバス1120を介して供給された音声信号をIPパケットに変換しIP網1000に出力するとともに、IP網1000から受信したIPパケットを制御信号または音声信号に変換し、CPUバス1120またはオーディオバス1130を介して出力する。1118はコンソールI/O部であり、サブ・コンソール1200との間で制御信号および音声信号を入出力する。1132はその他I/O部であり、その他の機器、例えば汎用パーソナルコンピュータとの間でデータを入出力する。
次に、サブ・コンソール1200の詳細構成を図2(b)を参照し説明する。図において1210はパネル表示器群、1212はパネル操作子群、1214はCPU、1216はメモリ(ROMおよびRAM)、1222は電動フェーダ群、1224は音声I/O部、1230はオーディオバスであり、上記メイン・コンソール1100の構成要素1110、1112、1114、1116、1122、1124、1130と略同様に構成されている。1218はコンソールI/O部であり、メイン・コンソール1100のコンソールI/O部1118との間で制御信号および音声信号を入出力する。
次に、エンジン1300の詳細構成を図2(c)を参照し説明する。図において1310はパネル表示器群、1312はパネル操作子群であり、エンジン1300に対する簡単な設定および表示を行うためのものである。1314はCPU、1316はメモリ(ROMおよびRAM)、1326はDSP、1328はネットワークI/O部、1330はオーディオバス、1332はその他I/O部であり、上記メイン・コンソール1100の構成要素1114、1116、1126、1128、1130、1132と略同様に構成されている。但し、DSP1326は音響システムの大部分のミキシングおよびイコライジング機能を担うため、DSP1126よりも大規模に構成されている。なお、エンジン1300は、それ自体でDSP1326のパラメータの値を調整するものではなく、メイン・コンソール1100から受信する信号処理パラメータの値に基づいて、DSP1326における各パラメータの値が調整される。
2.ミキシングアルゴリズム構成
次に、エンジン1300等において実現されるアルゴリズムの内容を図3を参照し説明する。なお、当該アルゴリズムはDSP1326に設定されるプログラムによって実現されるものであり、該プログラムは、CPU1314の制御の下、メモリ1316等からDSP1326にロードされる。また、当該アルゴリズムにおける各種パラメータ(例えば、スイッチのオン/オフ状態や増幅部のゲイン等)は、メイン・コンソール1100から、IP網1000を介して、ネットワークI/O部1328に供給される制御信号に基づいて、CPU1314によって設定される。なお、サブ・コンソール1200の操作によってパラメータ値に変更が生じた場合には、そのパラメータ値がサブ・コンソール1200からエンジン1300に直接的に送信されることはなく、常にメイン・コンソール1100を介してエンジン1300に送信される。
図3において102はアナログ入力部であり、マイクレベルまたはラインレベルのアナログ音声信号を受信すると、これをデジタル音声信号に変換し、IP網1000を介してエンジン1300に供給する。104はデジタル入力部であり、デジタル音声信号を受信すると、これをエンジン1300用のフォーマットに変換し、IP網1000を介してエンジン1300に供給する。これらアナログ入力部102およびデジタル入力部104は、図1におけるマイク・コントローラ1400およびその他音声機器1600によって実現されるものである。また、128はアナログ出力部であり、エンジン1300からIP網1000を介して供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し外部に出力する。130はデジタル出力部であり、エンジン1300からIP網1000を介して供給された内部フォーマットのデジタル音声信号を所定フォーマット(AES/EBU,ADAT,TASCAM等)のデジタル音声信号に変換し出力する。これらアナログ出力部128およびデジタル出力部130は、アンプコントローラ1500およびその他音声機器1600によって実現されるものである。
以上述べた構成は、エンジン1300とは別体のハードウエアにより実現されているが、上記以外の構成はエンジン1300において動作するプログラム(DSP1326用のマイクロプログラムを含む)によって実現されている。112は入力チャンネル調整部であり、コンソール1100,1200の電動フェーダおよびその他操作子の操作に基づいて、「128」チャンネルの入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。110はステレオ入力チャンネル調整部であり、最大4チャンネルのステレオ入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。なお、「1」系統のステレオの音声信号は左右「2」系統の音声信号から構成されていることとする。
114はエフェクトリターン部であり、「4」チャンネルの音声信号に対して音量・音質等の調整を行う。なお、エフェクトリターン部114は、主としてエフェクト処理の施された音声信号に割り当てられる。108は入力パッチ部であり、入力部102,104等の複数の入力ポートから供給されたデジタル音声信号を、ステレオ入力チャンネル調整部110、入力チャンネル調整部112、エフェクトリターン部114の任意の入力チャンネルに割り当てる。106は内蔵エフェクタ部であり、最大「8」ユニットのエフェクタから成り、供給された音声信号に対して、リバーブ、ディレイ、モジュレーション等のエフェクト処理を施し、その結果を入力パッチ部108を介してエフェクトリターン部114等に供給する。
116はMIXバス群であり、「96」系統のMIXバスから構成されている。なお、これらMIXバスを個別に指すときは、「MIXバス116−n」(1≦n≦96)のように表記する。各MIXバスにおいては、各入力チャンネル、各ステレオ入力チャンネルおよび各エフェクトリターン(以下、「入力チャンネル等」という)のデジタル音声信号のうち当該MIXバスに供給されたものがミキシングされる。各入力チャンネル等においては、音声信号をMIXバスに供給するか否かを各MIXバス毎に設定することができ、供給する場合には各MIXバスに対するセンドレベルやフェードモード(プリフェード/ポストフェード)等も系統毎に独立して設定することができる。118はステレオバスであり、「1」系統のステレオバスから構成されている。ステレオバスの構成は上記MIXバスと同様である。
120はステレオ出力チャンネル部であり、該ステレオバスにおけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。122はMIX出力チャンネル部であり、上記各MIXバスにおけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。123はマトリクスバス群であり、ステレオ出力チャンネル部120およびMIX出力チャンネル部122の出力信号をさらにミキシングする「48」チャンネルのマトリクスバスから構成されている。124はマトリクス出力チャンネル部であり、マトリクスバス群123におけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。126は出力パッチ部であり、ステレオ出力チャンネル部120、MIX出力チャンネル部122およびマトリクス出力チャンネル部124の出力信号を、各出力部128,130または上記内蔵エフェクタ部106の任意のユニットに割り当てる。
次に、入力チャンネル調整部112、ステレオ出力チャンネル部120およびMIX出力チャンネル部122におけるアルゴリズム構成の詳細を図4を参照し説明する。図において112−nは第n入力チャンネル調整部であり、第n入力チャンネル(1≦n≦128)における音質・音量調整を行う。また、122−mは第mMIX出力チャンネル部であり、第mMIX出力チャンネル(1≦m≦96)における音質・音量調整を行う。第n入力チャンネル調整部112−nの内部において150は音質調整部であり、第n入力チャンネルにおけるゲート処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理等を行う。ここで、「ゲート処理」とは、不要なノイズを自動的にカットする処理であり、「コンプレッサ処理」とは、ダイナミックレンジを圧縮または伸長する処理であり、「イコライザ処理」とは、パラメトリックイコライザによって各チャンネルの音声信号の周波数特性を設定する処理である。
152はチャンネル遅延部であり、必要に応じて第n入力チャンネルの音声信号を遅延させる。154は音量調整部であり、第n入力チャンネルの音声信号のゲインを調節する。156はオンオフ切換部であり、第n入力チャンネル全体のオンオフを切り換える。162−1〜162−96は信号切換部であり、第n入力チャンネルから「96」系統のMIXバスに各々出力され得る音声信号をフェードモードに応じて切り換える。すなわち、フェードモードが「プリフェード」に設定されると、チャンネル遅延部152の出力信号が選択され、「ポストフェード」に設定されるとオンオフ切換部156の出力信号が選択される。164−1〜164−96はセンドレベル調節部であり、各MIXバスに出力する信号のゲインすなわちセンドレベルを調節する。
166−1〜166−96はセンドオンオフ切換部であり、各MIXバスに対する音声信号供給のオン/オフ状態を設定する。158はステレオセンドオンオフ切換部であり、第n入力チャンネルの音声信号をステレオバス118に供給するか否かを切り換える。160はPAN設定部であり、該音声信号をステレオバス118に供給する際の左右の音量バランスを設定する。次に、ステレオ出力チャンネル部120の内部において170は音質調整部であり、ステレオ出力チャンネルにおけるリミッタ処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理(周波数特性の調整)等を行う。172−L,Rは音量調整部であり、ステレオ出力チャンネルの左右の出力ゲインを調節する。174−L,Rはオンオフ切換部であり、ステレオ出力チャンネルの左右のオン/オフ状態を切り換える。
176−L,Rはチャンネル遅延部であり、ステレオ出力チャンネルの音声信号を必要に応じて遅延する。次に、第mMIX出力チャンネル部122−mの内部において180は音質調整部であり、上述した音質調整部150と同様に、第mMIX出力チャンネルにおけるリミッタ処理、コンプレッサ処理、イコライザ処理等を行う。182は音量調整部であり、第mMIX出力チャンネルの出力ゲインを調節する。184はオンオフ切換部であり、第mMIX出力チャンネルのオン/オフ状態を切り換える。186はチャンネル遅延部であり、第mMIX出力チャンネルの音声信号を必要に応じて遅延する。
3.コンソール1100,1200の外観構成
3.1.全体形状
次に、コンソール1100,1200を並べて配置したときの平面図を図5に示す。メイン・コンソール1100の操作パネル(上板)は、前部に水平に配置された長方形平板状の前パネル1102と、その後部において後方が持ち上がるように傾斜して配置された長方形平板状の後パネル1104とから構成される。また、サブ・コンソール1200は、前部に設けられた長方形平板状の前パネル1202と、後部に設けられた長方形平板状の後パネル1206と、両者の間に配置された長方形平板状の中パネル1204とから構成される。詳細は後述するが、後パネル1206および前パネル1202には、上下チャンネルストリップ群40,42が配置され、中パネル1204には、上下チャンネルストリップ群40,42で共有する「表示部」を構成する左右ディスプレイ52,54が設けられている。
そして、左右ディスプレイ52,54に対して上下チャンネルストリップ群40,42の何れの情報を表示した場合にもその情報が確認しやすいように、上下チャンネルストリップ群40,42の双方とも左右ディスプレイ52,54に隣接するように配置されている。すなわち、「表示部」のある一つの辺に上チャンネルストリップ群42が面して配置され、「表示部」の他の一つの辺に下チャンネルストリップ群40が面して配置されている。具体的には、上チャンネルストリップ群42は「表示部」の上辺に隣接して、その下辺が「表示部」の上辺に面するように配置されている。また、下チャンネルストリップ群40は、「表示部」の下辺に隣接して、その上辺が「表示部」の下辺に面するように配置されている。そして、図示のように、コンソール1100,1200は、奥行き(前後方向の長さ)が同一になるように構成されている。
ここで、サブ・コンソール1200の斜視図を図6に示す。図6において直線L1,L2,L3は、サブ・コンソール1200の設置面に対して平行な直線であり、参考用に描いたものである。前パネル1202は設置面に対して水平であるため、設置面との間で成す角度θ1は「0°」である。中パネル1204は設置面に対して、前方が下がるように大きく傾斜しており、設置面との間で角度θ2を成している。また、後パネル1206は設置面に対して、前方が下がるように緩く傾斜しており、設置面との間で角度θ3を成している。従って、これらの角度の関係は、「θ1<θ3<θ2」である。これにより、サブ・コンソール1200の正面視においては、後パネル1206は、前パネル1202に対して、後方かつ上方に位置することになる。
3.2.メイン・コンソール1100
図5に戻り、メイン・コンソール1100の前パネル1102において、72は音質調整部であり、排他的に選択された一のチャンネル(以下、「選択チャンネル」という)に対して、音質調整部150,170,180およびチャンネル遅延部152,176−L,R、186等のパラメータの詳細設定を行うための各種操作子および表示器から構成されている。すなわち、音質調整部72には、チャンネル遅延部152,176−L,R、186における遅延時間を設定するためのノブ、イコライザ処理(周波数特性の調整)を行うために低周波、中低周波、高低周波、および高周波の「4」種類の周波数を指定するための「4」個のノブ、該「4」種類の周波数に対してゲインを設定するための「4」個のノブ、該「4」種類の周波数に対してQ値(ピークの鋭さ)を設定するための「4」個のノブ、ゲート処理を行うスレッショルドレベルを設定するためのノブ、および音声信号レベルが該スレッショルドレベルを下回った場合の減衰特性を設定するためのノブ等が設けられている。この音質調整部72の構成は、例えば非特許文献1に開示されているものと同様である。
また、70−1〜70−16はチャンネルストリップであり、指定された「レイヤ」に属する「16」のチャンネルに対して、フェーダレベル等の各種パラメータを設定する操作子等から構成されている。これらチャンネルストリップを総称して「メイン・チャンネルストリップ群70」という。ここで「レイヤ」について説明しておく。上述したように、本実施例において入力チャンネル調整部112は「128」チャンネル、MIX出力チャンネル部122は「96」チャンネル、マトリクス出力チャンネル部124は「48」チャンネルの音声信号を各々処理することができる。これらのチャンネルをチャンネル番号順に「16」づつ区切ったグループが「レイヤ」である。換言すれば、入力チャンネルは「8」レイヤ、MIX出力チャンネルは「6」レイヤ、マトリクス出力チャンネルは「4」レイヤに区切られることになる。
従って、メイン・チャンネルストリップ群70自体は「16」チャンネル相当の操作子および表示器しか有していないが、ここに割り当てる「レイヤ」を切り替えることによって、任意のチャンネルのパラメータをメイン・チャンネルストリップ群70において設定することができるのである。チャンネルストリップ70−1の内部において2は電動フェーダであり、ユーザの操作に基づいてチャンネルストリップ70−1に割り当てられたチャンネルのフェーダレベル(図4の音量調整部154,182等のゲイン)を調節する。また、電動フェーダ2は、レイヤの切替等が発生した場合には、新たに割り当てられたチャンネルにおけるフェーダレベルに相当する位置まで自動的に駆動される。また、電動フェーダ2にはタッチセンサが設けられており、ユーザが手を触れただけの状態であっても、その旨が検出される。
4は文字表示器であり、チャンネルストリップ70−1に割り当てられたチャンネルのチャンネル番号(例えば「CH 1」, 「CH 2」などの番号)と、チャンネル名(例えば「VOCAL 1」, 「GUITER 2」などの文字列)とを表示する。6はCUEボタンであり、ユーザによって監視される音声信号にチャンネルストリップ70−1に係るチャンネルの音声信号を含めるか否かを切り替える。8はfボタン(ファンクション・ボタン)であり、ユーザの指定に応じて様々な機能が割り当てられる。10はSELボタンであり、当該チャンネルを選択チャンネルに指定するためのものである。
12はオン/オフ・ボタンであり、当該チャンネル全体のオン/オフ状態(図4のステレオセンドオンオフ切換部158、オンオフ切換部184等のオン/オフ状態)を切り替えるためのものである。14,18はノブであり、ユーザに回動されることにより、割り当てられたパラメータの値を増減する。ここで、チャンネルストリップ70−1の拡大図を図7(a)に示す。図示のように、ノブ14の周囲には、複数のLEDからなるLED群14aが略馬蹄状に配置されている。このLED群14aは、その点灯状態によって、ノブ14に係るパラメータのレベルを表示する。一方、ノブ18の周囲には、LED群は配置されていない。これは、ノブ18に割り当てられたパラメータのレベル等は、その直上にあるディスプレイに表示されるためである(詳細は後述する)。
一方、ノブ14に係るパラメータは、ディスプレイの表示内容とは関連せずに設定できるため、ノブ14の周囲に専用のLED群14aが配置されている。また、上述した各ボタン6,8,10,12は略透明の部材によって構成されており、その内部にはLEDが埋設されている。そして、各ボタン6,8,10,12に係るパラメータのオン/オフ状態によって、埋設されたLEDが点灯または消灯する。レイヤの切替等が発生すると、LED群14aは、新たに割り当てられたチャンネルにおけるパラメータの値(レベル)に基づいてその点灯/消灯状態が変更される。また、各ボタン6,8,10,12内部のLEDも、新たに割り当てられたチャンネルにおけるパラメータに基づいて点灯/消灯状態が変更される。以上、チャンネルストリップ70−1の構成を説明したが、チャンネルストリップ70−2〜70−16もこれと同様に構成されている。
図5に戻り、74は小型ディスプレイであり、ドットマトリクスディスプレイと、その上面に貼付されたタッチパネルとから構成されている。小型ディスプレイ74は、シーンリコールおよびユーザ定義機能についての表示および操作を行うためのものである。また、76−L,76−Rは、ステレオ出力チャンネル部120専用のチャンネルストリップである。これらチャンネルストリップにあっては、チャンネルストリップ70−1〜70−16と同様の構成要素2,6,8,10,12が設けられている。但し、チャンネルストリップ76−L,76−Rはステレオ出力チャンネル部120専用であるため、文字表示器4は設けられておらず、センドレベル等の調整を行うことが無いためにノブ14,18も設けられていない。
次に、メイン・コンソール1100の後パネル1104において、80はセンドレベル調整部であり、選択チャンネルが入力チャンネル等であるとき、該選択チャンネルから、各MIXバスへのセンドレベル(図4のセンドレベル調節部164−1〜164−96のゲイン)等を設定する。ここで、上述した音質調整部72と、センドレベル調整部80とを合わせて「選択チャンネル調整部(72,80)」という。この選択チャンネル調整部(72,80)を設けておく意義について説明しておく。上記チャンネルストリップ70−1等には、限られた数の操作子しか設けられていないため、アサインされたチャンネルの全ての信号処理パラメータを調整するためには手間がかかる。そこで、アサインされているチャンネルの各種パラメータを簡単に調整するために選択チャンネル調整部(72,80)が設けられている。ユーザが何れかのチャンネルストリップにおいてSELボタン10を押下すると、当該チャンネルストリップにアサインされているチャンネルが上記選択チャンネルとして選択され、選択チャンネル調整部(72,80)に割り当てられる。上述のように、選択チャンネル調整部(72,80)には、選択チャンネルの各種パラメータを調整するために多くの操作子が設けられているため、これらの操作子を用いてパラメータ設定を行うと、パラメータ設定の作業効率を高めることができるのである。
選択チャンネルは、排他的に選択され、システム内の全ての入力チャンネルにおいて常に一のチャンネルのみ指定することができる。換言すれば、SELボタン10によって選択されたチャンネルは、同種のチャンネル全ての中で、唯一の選択されたチャンネルになる。そして、あるチャンネルが選択チャンネルに設定されると、当該チャンネルがアサインされているチャンネルストリップにおいてSELボタン10が点灯され、他の全てのSELボタン10は消灯される。82は左メインディスプレイ、84は右メインディスプレイであり、各々ドットマトリクスディスプレイと、その上面に貼付されたタッチパネルとから構成されている。左右メインディスプレイ82,84は、各々複数の領域に分かれており、各領域毎に機能が異なる。左メインディスプレイ82の左端において82aは選択チャンネル領域であり、音質調整部72およびセンドレベル調整部80とともに、選択チャンネルにおける各種パラメータの表示および設定を行う。
82b,84bはナビゲーション領域であり、上述した各レイヤ(入力チャンネル「8」レイヤ、MIX出力チャンネル「6」レイヤ、マトリクス出力チャンネル「4」レイヤ)に対応するアイコンが表示される。これらのアイコンの何れかをユーザが押下すると、メイン・チャンネルストリップ群70に対して、当該レイヤに属する「16」のチャンネルが割り当てられる。82e,84eはチャンネル表示領域であり、各チャンネルストリップ70−1〜70−16に対向する位置(左右方向において同一位置)に設けられた各「8個」(合計「16」個)の枠から構成されており、各枠には、対応するチャンネルストリップ70−1〜70−16に割り当てられたチャンネルのチャンネル番号とチャンネル名とが表示される。
82c,84cはパラメータ領域であり、チャンネル表示領域82e,84eの各枠に隣接するように(左右方向において同一位置)に設けられた各「8個」(合計「16」個)の枠から構成されており、各枠には、対応するチャンネルストリップ70−1〜70−16に係る各種パラメータの内容および設定用のボタン等が表示される。パラメータ領域82c,84cに表示される画像は、VIEWパート画像およびSENDパート画像に分かれており、両パートの画像が前後方向(あるいは上下方向)に並んで配置される。パラメータ領域82c,84cにおいてSENDパート画像が表示される領域をSENDパート画像領域といい、VIEWパート画像が表示される領域をVIEWパート画像領域という。ここで、VIEWパート画像は例えば図9(d)に示すものであり、SENDパートの画像は例えば図9(a)〜(c)の何れかに示すものである。なお、これらの画像についての詳細は後述する。
3.3.サブ・コンソール1200
図5に戻り、サブ・コンソール1200の前パネル1202において40−1〜40−16は下チャンネルストリップであり、上述したメイン・コンソール1100のチャンネルストリップ70−1〜70−16と同様の構成要素2,4,6,8,10,12,14が設けられている。これら構成要素2,4,6,8,10,12,14は、メイン・コンソール1100における同構成要素と、一直線上に並ぶように配置されている。すなわち、前後方向における位置が同一になるように配置されている。また、各下チャンネルストリップ40−1〜40−16の左右方向の幅も、チャンネルストリップ70−1〜70−16の幅と同一である。これにより、操作者は、メイン・コンソール1100におけるチャンネルストリップの操作感と同一の操作感で、下チャンネルストリップ40−1〜40−16を操作することができる。以下、下チャンネルストリップ40−1〜40−16を総称して「下チャンネルストリップ群40」という。
また、下チャンネルストリップ40−1〜40−16の後方には、これらに隣接して合計「16」個のノブ18が設けられている。このノブ18は、メイン・コンソール1100におけるノブ18と、一直線上に並ぶように、すなわち前後方向における位置が同一になるように配置されているが、サブ・コンソール・前パネル1202においては、ノブ18は、下チャンネルストリップ40−1〜40−16には含まれない。これは、ノブ18は前パネル1202に割り当てられたレイヤと、後パネル1206に割り当てられたレイヤとの間で共有されるため、下チャンネルストリップ群40に割り当てられたチャンネルとは無関係な機能を有する場合があるからである。次に、44は下レイヤ選択部であり、下チャンネルストリップ群40に対して割り当てるレイヤを選択する等の機能を有するボタンから構成されている。
ここで、下レイヤ選択部44の詳細構成を図7(c)を参照し説明する。図7(c)において20はセンズ・オン・フェーダ・ボタンであり、下チャンネルストリップ40−1〜40−16において電動フェーダ2の機能とノブ14の機能とを入れ替えるためのものである。22,24,26はレイヤ種別選択ボタンであり、下チャンネルストリップ群40に割り当てるレイヤの種別(入力チャンネル、MIX出力チャンネル、またはマトリクス出力チャンネル)を択一的に選択するためのものである。選択された種別のボタンは緑色に点灯し、他の2つのボタンは白色に点灯する。28−1〜28−8はレイヤ番号選択ボタンであり、選択ボタン22〜26によって選択された種別の第1〜第8レイヤを択一的に選択するためのものである。選択されたレイヤに係るボタンは緑色に点灯し、他のボタンのうち存在する(選択可能な)レイヤに係るボタンは白色に点灯し、存在しない(選択不可能なレイヤ)に係るボタンは消灯される。
上述のように、本実施例においてはMIX出力チャンネルは「6」レイヤしか設けられていないため、レイヤの種別としてMIX出力チャンネルが選択された場合には、レイヤ番号選択ボタン28−7,28−8は消灯され、これらボタンに対する操作は無視される。同様に、マトリクス出力チャンネルは「4」レイヤしか設けられていないため、レイヤの種別としてマトリクス出力チャンネルが選択された場合には、レイヤ番号選択ボタン28−5〜28−8は消灯され、これらボタンに対する操作は無視される。30はフリップ・ボタンであり、上下チャンネルストリップ群40,42に割り当てられているレイヤを入れ替えるためのものである。
図5に戻り、サブ・コンソール1200の後パネル1206において42−1〜42−16は上チャンネルストリップであり、上述したメイン・コンソール1100のチャンネルストリップ70−1〜70−16と同様の構成要素2,6,8,10,12が設けられている。以下、上チャンネルストリップ42−1〜42−16を総称して「上チャンネルストリップ群42」という。但し、メイン・チャンネルストリップ群70における文字表示器4、ノブ14,18は、上チャンネルストリップ群42には設けられていない。この理由を説明しておく。まず、上チャンネルストリップ群42において電動フェーダ2とCUEボタン6との間に文字表示器を設けたとしても、操作者からは見づらい位置にあり、また、後述するように中パネル1204において上チャンネルストリップ42−1〜42−16に係るチャンネル番号とチャンネル名とが表示されるため、チャンネルストリップ内の文字表示器は省かれている。また、ノブ18については、上述したように前パネル1202上のものと兼用するために設けられておらず、ノブ14については、仮に設けたとしても操作しづらい場所に位置するために設けられていない。
上チャンネルストリップ42−n(1≦n≦16)内の構成要素は、下チャンネルストリップ40−nの対応する構成要素と、一直線上に並ぶように配置されている。すなわち、左右方向における位置が同一になるように配置されている。従って、上チャンネルストリップ42−nの幅も下チャンネルストリップ40−nの幅と同一になる。これにより、操作者は、メイン・コンソール1100およびサブ・コンソール・前パネル1202におけるチャンネルストリップの操作感と同様の操作感で、上チャンネルストリップ42−1〜42−16を操作することができる。次に、46は上レイヤ選択部であり、上チャンネルストリップ群42に対して割り当てるレイヤを選択する。上レイヤ選択部46には、上記下レイヤ選択部44と同様に、図7(c)に示すボタン22〜26,28−1〜28−8が設けられているが、センズ・オン・フェーダ・ボタン20およびフリップ・ボタン30は設けられていない。
上述したように、チャンネルストリップ群40,42および70に割り当てられるレイヤは、各々レイヤ選択部44,46およびナビゲーション領域82b,84bにおいて設定されるが、これらのレイヤ選択は相互に独立している。このため、例えばチャンネルストリップ群40,42および70の全てに対して同一のレイヤを割り当てることも可能である。この場合、チャンネルストリップ群40,42および70のうち何れかにおいてあるチャンネルの操作子(例えば電動フェーダ2)が操作されると、その操作結果に基づいて当該チャンネルのパラメータ(例えばフェーダレベル)が変更され、変更されたパラメータに基づいて、他のチャンネルストリップ群における対応する操作量(例えば電動フェーダ2の操作位置)も自動的に追従して変化する。
次に、サブ・コンソール1200の中パネル1204において52は左ディスプレイ、54は右ディスプレイであり、各々ドットマトリクスディスプレイと、その上面に貼付されたタッチパネルとから構成されている。図5のように、メイン・コンソール1100とサブ・コンソール1200とを左右に並べて配置したときの平面視においては、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84の下辺(前端)と、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54の下辺(前端)とが揃うようになっている。そして、左右ディスプレイ52,54は、各々複数の領域に分かれている。まず、左右ディスプレイ52,54の上部において52a,54aは上側チャンネル表示領域であり、各チャンネルストリップ40−1〜40−16,42−1〜42−16に対向する位置(左右方向において同一位置)に設けられた各「8個」(合計「16」個)の枠から構成されており、各枠には、後パネル1206の上チャンネルストリップ42−1〜42−16に割り当てられたチャンネルのチャンネル番号とチャンネル名とが表示される。上側チャンネル表示領域52a,54aは、後パネル1206と隣接する位置に配置されている。これは、後パネル1206に設けられた上チャンネルストリップ群42にアサインされている各チャンネルを上側チャンネル表示領域52a,54aに表示するため、上チャンネルストリップ42−1〜42−16のそれぞれに何れのチャンネルがアサインされているのかを確認しやすくする配置を採用したためである。
また、左右ディスプレイ52,54の下部において52c,54cは下側チャンネル表示領域であり、上側チャンネル表示領域52a,54aの各枠に対して上下方向(前後方向)に沿った位置(左右方向において同一位置)に設けられた合計「16」個の枠から構成されており、各枠には、前パネル1202の下チャンネルストリップ40−1〜40−16に割り当てられたチャンネルのチャンネル・アイコンが表示される。このチャンネル・アイコンには、チャンネル番号とチャンネル名とが表示される。下側チャンネル表示領域52c,54cは、前パネル1202と隣接する位置に配置されている。これは、前パネル1202に設けられた下チャンネルストリップ群40にアサインされている各チャンネルを下側チャンネル表示領域52c,54cに表示するため、下チャンネルストリップ40−1〜40−16のそれぞれに何れのチャンネルがアサインされているのかを確認しやすくする配置を採用したためである。また、左右ディスプレイ52,54の上述した以外の領域は、パラメータ領域52b,54bであり、上下のチャンネル表示領域52a,54a,52c,54cの各枠に対して上下方向(前後方向)に沿った位置(左右方向において同一位置)に設けられた合計「16」個の枠から構成されており、下チャンネルストリップ群40に対応するチャンネル(以下、下側チャンネルという)または上チャンネルストリップ群42に対応するチャンネル(以下、上側チャンネルという)のうち何れか一方のみに係る各種パラメータの内容および設定用のボタン等が表示される。
このように、左右ディスプレイ52,54は、上下チャンネルストリップ群40,42に共用されるものであるため、上チャンネルストリップ群42の上方(または後方)には、ディスプレイは設けられていない。そして、下チャンネルストリップ40−n(1≦n≦16)と、上チャンネルストリップ42−nと、パラメータ領域52b,54bにおいて左からn番目の枠とは、サブ・コンソール1200の正面視の左右方向において同一位置に配置され同一の幅を有することになる。次に、右ディスプレイ54の右方には、複数のボタン62〜68が設けられている。これらの詳細を図7(b)に示す。64はMENUボタンであり、これが押下されると、左右ディスプレイ52,54に各種設定のためのメニューが表示される。66はVIEWボタン、68はSENDボタンであり、パラメータ領域52b,54bに表示するパラメータを切り替えるためのものである。
62はSHIFTボタンであり、上記ボタン64,66,68とともに押下されると、これらボタンの機能を変更する。サブ・コンソール1200に設けられている左右ディスプレイ52,54は、メイン・コンソール1100に設けられている左右メインディスプレイ82,84よりも小型であり、奥行き(前後方向の長さ)も狭いため、パラメータ領域52b,54bには、メイン・コンソール1100のパラメータ領域82c,84cのようにVIEWパートおよびSENDパートの双方の画像を同時に表示させることは不可能である。このため、VIEWパートまたはSENDパートのうち一方の画像を選択して表示することになる。以下、サブ・コンソール1200において表示されているパート(VIEWパートまたはSENDパート)を「表示パート」という。VIEWボタン66は表示パートとしてVIEWパートを選択し、SENDボタン68はSENDパートを選択するためのボタンである。
ここで、左ディスプレイ52における表示例を図8(a),(b)に示す。左右ディスプレイ52,54は前後パネル1202,1206に対して(あるいは上下チャンネルストリップ群40,42に対して)共用されているため、何れの側の表示を行っているか特定しておく必要がある。以下、前パネル1202(下チャンネルストリップ群40)の側を「下側」といい、後パネル1206(上チャンネルストリップ群42)の側を「上側」といい、「上側」および「下側」のうちパラメータが表示されている側を「表示側」といい、表示されていない側を「非表示側」という。図8(a),(b)においては、下チャンネルストリップ群40(図6参照)には入力第1レイヤ(第1〜第16入力チャンネル)、上チャンネルストリップ群42には入力第2レイヤ(第17〜第32入力チャンネル)が割り当てられていることを想定している。
このため、下側チャンネル表示領域52cには、入力第1レイヤの前半「8」チャンネルのチャンネル番号「CH1」〜「CH8」がチャンネル・アイコン302−1〜302−8に表示され、上側チャンネル表示領域52aには、入力第2レイヤ前半「8」チャンネルのチャンネル番号「CH17」〜「CH24」がチャンネル・アイコン304−1〜304−8に表示されている。なお、図8にあっては、作図の関係上、チャンネル・アイコン302−1〜302−8,304−1〜304−8内にチャンネル番号のみを表示しているが、実際には各チャンネル・アイコンには、チャンネル番号とチャンネル名との双方が表示される。
次に、図8(a)において、パラメータ領域52bには、「8」個のSENDパート画像200−1〜200−8が表示されている。これらのSENDパート画像は、前パネル1202(下チャンネルストリップ40−1〜40−8)に対応するものである。その事を示すため、SENDパート画像200−1〜200−8は、下チャンネルストリップ40−1〜40−8に係るチャンネル・アイコン302−1〜302−8に密着して表示され、チャンネル・アイコン304−1〜304−8との間には、黒色で塗り潰された矩形の無表示部338が形成されている。一方、パラメータ領域52bに上チャンネルストリップ42−1〜42−8に対応するSENDパート画像200−1〜200−8を表示する場合は、その表示状態は図8(b)に示すようになる。
図8(b)においては、SENDパート画像200−1〜200−8が後パネル1206(上チャンネルストリップ42−1〜42−8)に対応する事を示すため、SENDパート画像200−1〜200−8は、上チャンネルストリップ42−1〜42−8に係るチャンネル・アイコン304−1〜304−8に密着して表示され、チャンネル・アイコン302−1〜302−8との間には、黒色で塗り潰された矩形の無表示部340が形成されている。なお、右ディスプレイ54においても、残りのチャンネル(第9〜第16,第25〜第32入力チャンネル)について、上述したものと同様の画像が表示される。無表示部338,340を構成するために、矩形の黒色の画像を表示することは、換言すれば「何も表示しない空白部分」を生成することに等しい。また、上述したパラメータ領域52bにおける表示態様は、換言すれば、パラメータ領域52bにおいて表示されている側(上側または下側)に寄せて、各種パラメータが表示される、ということになる。
「寄せる」とは、表示されている側、あるいは表示されている側の辺に、表示内容を関連付けることであり、「関連付ける」とは、表示されている側の辺、あるいは表示されている側のチャンネル表示にパラメータ表示部分(上記例ではSENDパート画像200−1〜200−8)をつなげて連続的にするとともに、表示されていない側(他方の辺)には表示をつなげず不連続的にする、ということである。この結果、表示されていない側とパラメータ表示部分との間には、何も表示しない空白部分(無表示部338,340)が設けられる。すなわち、「表示されている側の辺と、その辺に最も近接して表示されるパラメータの辺との距離」が、「表示されていない側の辺と、その辺に最も近接して表示されるパラメータの辺との距離」よりも短くなる。さらに換言すると、「寄せる」とは、前後パネル1202,1206のうち選ばれていない方のパネルよりも、選ばれている方のパネルに近づけてパラメータ表示部分を表示することであり、パラメータ領域52b,54bのうち選ばれている方のパネルに近接する辺(上辺または下辺)と、パラメータ表示部分との間には、空白は無い。より厳密には、選ばれている方のパネルに近接する辺とパラメータ表示部分との間にも空白は存在するが、選ばれていない方のパネルに近接する辺とパラメータ表示部分との間の空白に比較すると、その幅は極めて狭く、無視できる程度であるため、各請求項などにいう「空白」には該当しない。
4.各種画像の具体例
次に、メイン・コンソール1100のパラメータ領域82c,84cおよびサブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bに表示される各種画像の具体例を図9(a)〜(e)を参照し説明する。SENDパートにあっては、指定された「表示モード」に応じて、複数種類の画像の中から一種類のSENDパート画像が選択される。図9(a)〜(c)には、その具体例であるSENDパート画像200,210,220を示す。図9(a)に示すSENDパート画像200は、対応するチャンネルストリップが入力チャンネルに割り当てられているとき、該入力チャンネルから各MIXバスへのセンドレベルを表示/設定するためのものである。
上述したように、本実施例にあっては、「96」系統のMIXバス116−1〜116−96が設けられているが、MIXバス116−1と116−2、116−3と116−4、のように2系統づつのペアで「ステレオグループ」を形成することができる。SENDパート画像200内における「STG1」,「STG2」等の文字列は、このステレオグループの番号を示すものである。202−1〜202−16はレベル表示画像であり、ステレオグループSTG1〜STG16のセンドレベル(ペアを構成する2系統のMIXバスに対するセンドレベルの平均値)を円グラフ状の図形によって表示する。
ここで、レベル表示画像202−1〜202−16の何れかをユーザが押下すると、その旨がタッチパネルによって検出され、対応するステレオグループが「選択状態」になる。選択状態になったステレオグループについては、対応するレベル表示画像がノブを模した画像に変更される。図示の例にあっては、レベル表示画像202−7に係るステレオグループSTG7が選択状態である。そして、選択状態であるステレオグループについては、そのパラメータ(この場合はセンドレベル)は、当該SENDパート画像200の直下にあるノブ18によって調節することができる。
次に、図9(b)に示すSENDパート画像210は、上述した各ステレオグループに対して、PAN(左右の音量バランス)を表示/設定するためのものである。212−1〜212−16はPAN表示画像であり、ステレオグループSTG1〜STG16の左右の音量バランスを、円弧状の画像と、この円弧状画像上で音像位置を表す短い線分とによって表示する。そして、SENDパート画像200(レベル表示)の場合と同様に、PAN表示画像212−1〜212−16何れかをユーザが押下すると、その旨がタッチパネルによって検出され、対応するステレオグループが「選択状態」になる。選択状態になったステレオグループについては、対応するPAN表示画像がノブを模した画像に変更される。そして、選択状態であるステレオグループについては、そのPANは、当該SENDパート画像210の直下にあるノブ18によって調節することができる。
次に、図9(c)に示すSENDパート画像220は、対応するチャンネルストリップに割り当てられているチャンネルの出力レベルを表示するためのものものである。222はメータ画像であり、該出力レベルを表示する。この出力レベルは、実際に出力されている音声信号のレベルであるため、メータ画像232の高さは刻々と変化する。224はリコールセーフボタンであり、ユーザによって押下されると、当該チャンネルをシーンリコールの対象から外すか否かを指定するシーンリコールモードのオン/オフ状態をトグルで切り替える。
次に、図9(d)に示すVIEWパート画像230は、対応するチャンネルについて、主として設定状態を表示するためのものである。VIEWパート画像230の内部において234はマイク電源表示部であり、当該チャンネルに対応するマイク1402(図1参照)がある場合に、当該マイクに対して、マイク・コントローラ1400から「+48V」の電源が供給されているか否かを表示する。236は位相表示部であり、当該チャンネルの音質調整部150,170,180(図4参照)において、音声信号の位相を「180°」反転しているか否かを表示する。240は周波数特性表示部であり、音質調整部150,170,180にて設定された周波数特性をグラフによって表示する。VIEWパート画像230に表示されるパラメータは、当該VIEWパート画像を用いて直接的に編集することはできず、これらパラメータを編集する場合には、音質調整部72(図5参照)や選択チャンネル領域82aを操作する等、特別な操作が必要である。
次に、図9(e)に示すMENU画像260は、サブ・コンソール1200においてMENUボタン64(図7(b)参照)が押下された際、右ディスプレイ54の右端部分に表示される画像であり、SENDパートにおける表示モードを設定するためのものである。すなわち、MENU画像260には、各種表示モードに対応するボタン画像262〜272が表示されている。そして、何れかのボタン画像が押下されると、その旨がタッチパネルを介して検出され、該ボタン画像に対応する表示モードが選択される。これらのボタン画像のうち、ボタン画像264,270,272は、それぞれ上述したメータ表示,レベル表示,バランス表示の動作モード(SENDパート画像220,200,210)に対応するものである。MENU画像260はポップアップ画像であり、表示される際には、VIEWパート画像またはSENDパート画像に重なって(VIEWパート画像またはSENDパート画像の一部を隠すように)表示されるが、MENU画像260が閉じられる際には、元のVIEWパート画像またはSENDパート画像が復帰される。
5.実施例のデータ構成
5.1.信号処理パラメータ
次に、本実施例におけるデータ構成を説明するが、まず図10(a)を参照し、信号処理パラメータのデータ構成について説明する。「信号処理パラメータ」とは、図3,図4に示したアルゴリズムにおいて各種信号のゲイン、スイッチのオン/オフ状態、リミッタ、コンプレッサ、イコライザ等の特性を定める定数などであり、該アルゴリズムにおいて音声信号に影響を与える全てのパラメータを指す。これら一群の信号処理パラメータに対して、現在設定されている(エンジン1300のDSP1326に現に設定され信号処理に供されている)パラメータ値の集合を「カレントデータ」という。メイン・コンソール1100のメモリ1116の所定領域(カレント領域)には、そのようなカレントデータ1150が記憶されている。
また、ある時点におけるカレントデータは、シーンデータ1154としてメモリ1116内の他の領域(シーン領域)にストアすることができる。シーンデータは複数種類ストアすることができ、任意のシーンデータを所定の操作によってカレント領域に復帰させることができる。かかる操作を「シーンリコール」といい、これによって舞台転換などの際に、新たなシーンにおける信号処理パラメータをワンタッチで再現することができる。エンジン1300内のメモリ1316においてもカレントデータ1350が記憶されており、このカレントデータ1350に基づいてDSP1326のパラメータ等が設定される。エンジン1300が立ち上げられた際には、カレントデータ1150がメイン・コンソール1100からコピーされ、カレントデータ1350はカレントデータ1150と同一内容のデータになる。その後、コンソール1100,1200における各種操作子の操作やシーンリコールによってカレントデータ1150に変更が生じると、その変更内容は直ちにエンジン1300に通知され、変更内容がエンジン1300内のカレントデータ1350に反映される。このように、カレントデータ1150とカレントデータ1350とは、常に一定の内容を保つように同期している。
また、サブ・コンソール1200においては、レイヤ選択部44,46によって二つのレイヤが選択されるため、カレントデータのうちこの二つのレイヤに係る部分である信号処理パラメータ1252がメモリ1216に記憶される。サブ・コンソール1200の操作によってパラメータ1252に変更が生じると、その変更内容は直ちにメイン・コンソール1100に通知され、その変更内容を反映するようにカレントデータ1150(上記パラメータ1252に対応する部分の信号処理パラメータ1152)が変更される。逆に、メイン・コンソール1100において、パラメータ1152に変更が生じると、その変更内容は直ちにサブ・コンソール1200に通知され、その変更内容を反映するようにパラメータ1252が変更される。このように、2箇所に記憶されたデータの一致性または整合性を確保する動作を、本明細書においては「同期をとる」と表現する。
5.2.画像データ用テンプレート
SENDパート画像の具体例は、先に図9(a)〜(c)を参照して説明したが、これらSENDパート画像は、信号処理パラメータ等によって変化する部分と、一定である部分とに分かれる。例えば、図9(a)のSENDパート画像200(レベル表示)にあっては、レベル表示画像202−1〜202−16の部分は信号処理パラメータによって変化し、ステレオグループの名称である「STG1」〜「STG16」の文字列も、表示範囲の設定状態によって変化する。しかし、それら以外の背景部分は、信号処理パラメータや表示範囲の設定状態によっては変化しない。この変化しない部分は、「テンプレート」と呼ぶ画像データとして記憶される。
同様に、VIEWパート画像およびチャンネル・アイコンにおいてもテンプレートが存在する。これらテンプレートの一覧を図10(b)に示す。SENDパート用のテンプレート1160は、複数種類(SENDパート画像の種類数と同数)設けられている。一方、VIEWパート用のテンプレート1162およびチャンネル・アイコン用のテンプレート1164は一種類づつ設けられている。これらテンプレート1160,1162,1164は、メイン・コンソール1100のメモリ1116内のROM領域およびサブ・コンソール1200のメモリ1216内のROM領域にそれぞれ記憶されている。
5.3.表示制御データ
メイン・コンソール1100のメモリ1116の不揮発性領域およびサブ・コンソール1200のメモリメモリ1216の不揮発性領域においては、それぞれ各種の表示制御を行うための表示制御データが記憶されている。これらの表示制御データは、コンソール1100,1200の電源がオフにされた場合にも保持され、次に電源がオンにされた際に再現される。これら表示制御データの詳細を図10(c)を参照し説明する。
まず、メイン・コンソール1100において1170は現レイヤ情報であり、メイン・チャンネルストリップ群70に対して現在割り当てられているレイヤ(レイヤ種別およびレイヤ番号)を表すものである。1172はサブ・コンソール割当情報であり、一または複数のサブ・コンソール1200においてそれぞれ割り当てられている「2」のレイヤ(レイヤ種別およびレイヤ番号)を表すものである。1176は下表示パート情報であり、パラメータ領域82c,84cにおいて下側に表示されているパートがVIEWパートまたはSENDパートのうち何れであるかを表すものである。1178は現表示モード情報であり、SENDパートの表示モード(図9(a)〜(c)の何れのSENDパート画像が選択されているか)を表すものである。
次に、サブ・コンソール1200において1270は現レイヤ情報であり、上下チャンネルストリップ群40,42のそれぞれに現在割り当てられているレイヤ(レイヤ種別およびレイヤ番号)を表すものである。1274は現表示側情報であり、パラメータ領域52b,54bにパラメータが表示されている表示側(上側または下側)を表すものである。1276は現表示パート情報であり、パラメータ領域52b,54bに表示されているパートがVIEWパートまたはSENDパートのうち何れであるかを表すものである。1278は現表示モード情報であり、SENDパートの表示モードを表すものである。
コンソール1100,1200が起動されている状態でサブ・コンソール1200において、レイヤ選択等によって現レイヤ情報1270に変更が生じると、その変更結果は直ちにメイン・コンソール1100に通知され、その変更結果を反映するようにサブ・コンソール割当情報1172が更新される。また、メイン・コンソール1100における下表示パート情報1176と、サブ・コンソール1200における現表示パート情報1276とは同期しており、両コンソール1100,1200における現表示モード情報1178,1278も同期している。すなわち、一方において当該情報が更新されると、その内容は他方にも通知され反映される。これにより、下表示パート情報1176と現表示パート情報1276とは常に一致し、現表示モード情報1178,1278も常に一致するように制御される。
6.実施例の動作
次に、フローチャート等を参照し、コンソール1100,1200における動作を説明する。各フローチャートのうち、メイン・コンソール1100で実行されるルーチンに係るものは、先頭に[M]と表示する。また、サブ・コンソール1200で実行されるルーチンに係るものは、先頭に[S]と表示する。また、コンソール1100,1200の双方で実行されるルーチンに係るものは、先頭に[MS]と表示する。すなわち、かかるルーチンについては、対応するプログラムがコンソール1100,1200のメモリ1116,1216にそれぞれ格納されており、CPU1114,1214において各々実行される。
6.1.メイン・コンソール1100におけるイベント処理
6.1.1.レイヤ選択(および起動時)に対するイベント処理(図11)
メイン・コンソール1100のナビゲーション領域82b,84bにおいて、何れかのレイヤを指定するアイコンが押下されると、図11(a)に示すレイヤ選択イベント処理ルーチンが起動される。なお、本ルーチンは、メイン・コンソール1100の電源が投入された場合、あるいは所定の初期化操作が行われた場合においても起動される。この場合は、現レイヤ情報として記憶されていたレイヤが指定されたものとして、本ルーチンが起動されることになる。
図11(a)において処理がステップSP70に進むと、指定されたレイヤに基づいて、メイン・チャンネルストリップ群70に対して割り当てられているチャンネルが特定される。次に、処理がステップSP72に進むと、メモリ1116のROM領域に記憶されているチャンネル・アイコンのテンプレート1164(図10(b)参照)が読み出され、RAM領域に設けられた画像編集用のバッファ領域に転送される。次に、処理がステップSP74に進むと、現レイヤ情報1170(図10(c)参照)に基づいて、各チャンネルストリップ70−1〜70−16に割り当てられているチャンネルが特定される。これにより、これらチャンネルのチャンネル番号およびチャンネル名が特定される。
そして、特定されたチャンネル番号およびチャンネル名を表す文字画像と、上記バッファ領域内のテンプレート1164とが合成されることにより、各チャンネルストリップに対応するチャンネル・アイコンの画像が生成され、これらチャンネル・アイコンがチャンネル表示領域82e,84eに表示される。すなわち、チャンネル表示領域82e,84eに既に他の画像が表示されている場合であっても、これが新たに生成されたチャンネル・アイコン画像によって上書きされる。次に、処理がステップSP76に進むと、図11(c)に示すSENDパート更新サブルーチンが呼び出される。図11(c)において処理がステップSP90に進むと、現表示モード情報1178(図10(c)参照)に基づいて、表示すべきSENDパート画像のテンプレート1160(図10(b)参照)が読み出され、画像編集用のバッファ領域に転送される。
次に、処理がステップSP92に進むと、対応するチャンネル(この場合は現在メイン・チャンネルストリップ群70に割り当てられている各チャンネル)の信号処理パラメータに基づいて、SENDパートに係るパラメータ表示画像が生成され、該パラメータ表示画像が上記バッファ領域内のテンプレート1160とが合成されることにより、各チャンネルストリップに対応するSENDパート画像が生成され、これらSENDパート画像が所定の領域(この場合においては、パラメータ領域82c,84cにおけるSENDパート画像領域)に表示される。すなわち、パラメータ領域中のSENDパート画像の表示領域にに既に他の画像が表示されている場合であっても、これが新たに生成されたSENDパート画像によって上書きされる。以上の処理が終了すると、処理は呼出元のルーチン(この場合はレイヤ選択イベント処理ルーチン(図11(a)))に戻る。
図11(a)において次に処理がステップSP78に進むと、図11(d)に示すVIEWパート更新サブルーチンが呼び出される。図11(d)において処理がステップSP96に進むと、VIEWパート画像のテンプレート1162が読み出され、画像編集用のバッファ領域に転送される。次に、処理がステップSP98に進むと、対応するチャンネル(この場合は現在メイン・チャンネルストリップ群70に割り当てられている各チャンネル)の信号処理パラメータに基づいて、VIEWパートに係るパラメータ表示画像が生成され、該パラメータ表示画像が上記バッファ領域内のテンプレートとが合成されることにより、各チャンネルストリップに対応するVIEWパート画像が生成され、これらVIEWパート画像が所定の領域(この場合においては、パラメータ領域82c,84cにおけるVIEWパート画像領域)に表示される。すなわち、パラメータ領域中のVIEWパート画像の表示領域に既に他の画像が表示されている場合であっても、これが新たに生成されたVIEWパート画像によって上書きされる。以上の処理が終了すると、処理は呼出元のルーチン(この場合はレイヤ選択イベント処理ルーチン(図11(a)))に戻る。図11(a)において、処理がステップSP80に進むと、必要に応じて、上述した以外の部分の画像が表示され、本ルーチンの処理が終了する。
6.1.2.SENDパートの表示モード変更イベント処理(図11(b))
また、メイン・コンソール1100において、所定の操作が行われると、右メインディスプレイ84にMENU画像260(図9(e)参照)が表示される。該MENU画像260において何れかのボタン画像262〜272が押下されると、図11(b)に示すSENDパート表示モード変更イベントルーチンが起動される。図において処理がステップSP81に進むと、現表示モード情報1178(図10(c)参照)に対して、新たに指定された表示モードが設定され、右メインディスプレイ84におけるMENU画像260は消去される。次に、処理がステップSP82に進むと、新たな表示モードに係るSENDパート画像が表示されるように、SENDパート更新サブルーチン(図11(c))が呼び出される。
これによってパラメータ領域82c,84c内のSENDパート画像領域に、当該表示モードのSENDパート画像が表示される。次に、処理がステップSP84に進むと、この新たな表示モードを通知するメッセージが一または複数のサブ・コンソール1200に送信され、本ルーチンの処理が終了する。なお、詳細は後述するが、各サブ・コンソール1200にあっては、当該メッセージが受信されることにより、SENDパートの現表示モード情報1278が変更され、全てのコンソール1100,1200における表示モードが同一になるように揃えられる。
6.1.3.パート選択メッセージの受信(図12(a))
詳細は後述するが、サブ・コンソール1200においてVIEWボタン66またはSENDボタン68が操作されると、選択されたパート(VIEWパートまたはSENDパート)を通知するメッセージがメイン・コンソール1100に送信される。該メッセージがメイン・コンソール1100に受信されると、メイン・コンソール1100において図12(a)に示すパート選択メッセージ受信イベントルーチンが起動される。図12(a)において処理がステップSP120に進むと、上記メッセージにて通知されたパート(VIEWパートまたはSENDパート)が、メイン・コンソール1100において下側に表示されているパートと一致するか否かが判定される。すなわち、メイン・コンソール1100のパラメータ領域82c,84cには、VIEWパートおよびSENDパートの画像が上下方向(換言すれば前後方向)に並んで配置されているため、このうち、下側に表示されているパートと、上記メッセージにて通知されたパートが一致するか否かが判定される。
次に、処理がステップSP122に進むと、上記ステップSP120の判定結果に応じて処理が分岐される。まず、メイン・コンソール1100において下側に表示されているパートと上記メッセージにて通知されたパートが相違する場合は処理はステップSP124に進み、メイン・コンソール1100のパラメータ領域82c,84cにおいて、VIEWパート画像領域とSENDパート画像領域との上下関係が入れ替えられ、入れ替えられた後のVIEWパート画像領域にVIEWパート画像が上書きされるとともに、入れ替えられた後のSENDパート画像領域にSENDパート画像が上書きされる。その際、下表示パート情報1176(図10(c)参照)には、新たに下側に表示されるパート(VIEWパートまたはSENDパート)が書き込まれる。この結果、上下関係が入れ替えられたSENDパート画像およびVIEWパート画像がパラメータ領域82c,84cに表示される。一方、ステップSP122において「NO」と判定されると、ステップSP124はスキップされる。
次に、処理がステップSP125に進むと、他のサブ・コンソールに対して、メイン・コンソール1100において下側に表示されているパートを選択するようにパート選択メッセージが送信される。上述したように、メイン・コンソール1100には複数のサブ・コンソール1200を接続することが可能であるため、そのうち一台のサブ・コンソール1200からパートを選択するメッセージがメイン・コンソール1100に送信された場合には、他のサブ・コンソール1200に対して、メイン・コンソール1100から、パート選択メッセージが送信されるのである。このパート選択メッセージは、サブ・コンソール1200に対して、現表示パート情報1276をメイン・コンソール1100の下表示パート情報1176の値(VIEWパートまたはSENDパート)に一致させるよう要求するメッセージになる。以上により、本ルーチンの処理は終了する。
6.1.4.SENDパートの表示モード変更指示受信イベント処理(図12(b))
詳細は後述するが、サブ・コンソール1200においてSENDパートの現表示モード情報1278が変更されると、変更後の表示モードを通知するメッセージがメイン・コンソール1100に送信される。該メッセージがメイン・コンソール1100に受信されると、メイン・コンソール1100において図12(b)に示すSENDパートの表示モード変更指示受信イベントルーチンが起動される。図12(b)において処理がステップSP126に進むと、上記メッセージにより通知されたモードは、メイン・コンソール1100における表示モードと相違しているか否かが判定される。
相違している場合は「YES」と判定され、処理はステップSP127に進む。ここでは、現表示モード情報1178(図10(c)参照)に対して、メッセージにて指定された表示モードが設定される。次に、処理がステップSP128に進むと、新たな表示モードに係るSENDパート画像が表示されるように、SENDパート更新サブルーチン(図11(c))が呼び出され、これによってパラメータ領域82c,84c中のSENDパート画像領域に、当該表示モードのSENDパート画像が表示される。
一方、ステップSP126において「NO」と判定されると、ステップSP127,SP128はスキップされる。次に、処理がステップSP129に進むと、メイン・コンソール1100に上記メッセージを送信したサブ・コンソール1200以外のサブ・コンソールに対して、現表示モード情報1278(図10(c)参照)として当該表示モードを選択するように指示する表示モード変更指示メッセージが送信される。以上により本ルーチンの処理が終了する。
6.1.5.選択チャンネル/パラメータ変更に対するイベント処理(図12(c))
メイン・コンソール1100において電動フェーダ2、CUEボタン6、オン/オフ・ボタン12、ノブ14,18等、信号処理パラメータに対応する操作子が操作されると、図12(c)に示す選択チャンネル/パラメータ変更イベント処理ルーチンが起動される。また、このルーチンは、メイン・コンソール1100においてシーンリコール操作があった場合、または外部機器から遠隔操作があった場合、あるいはサブ・コンソール1200からパラメータの変更を通知するパラメータ変更メッセージを受信した場合においても起動される。また、「選択チャンネル」は、その指定の如何によって音声信号に直接的に影響を与えるものではないため、「信号処理パラメータ」には含まれないが、カレントデータ1150には、選択チャンネルを指定する情報が含まれている。メイン・コンソール1100にて選択チャンネルが指定された場合(メイン・チャンネルストリップ群70内で何れかのSELボタン10が押下された場合)、あるいはサブ・コンソール1200から選択チャンネルの指定を要求する選択チャンネル指定要求メッセージを受信した場合においても、本ルーチンが起動される。
図12(c)において処理がステップSP180に進むと、操作子の操作量、リコールされたパラメータ、サブ・コンソール1200または外部機器から通知されたパラメータを反映するように、カレントデータ1150(図10(a)参照)が更新される。特に、選択チャンネルの指定によって本ルーチンが起動された場合には、ステップSP180においては、それまでカレントデータ1150内に選択チャンネルとして記憶されていたチャンネルに代えて、新たに選択チャンネルとして指定されたチャンネルが記憶される。すなわち、それ以前に選択チャンネルであったチャンネルは選択チャンネルではなくなり、新たに指定された選択チャンネルが唯一の選択チャンネルになる。次に、処理がステップSP182に進むと、カレントデータ1150の変更箇所がエンジン1300に通知される。これにより、エンジン1300におけるカレントデータ1350は、メイン・コンソール1100におけるカレントデータ1150と同一になる。そして、エンジン1300にあっては、このカレントデータ1350の変更結果に基づいてDSP1326のパラメータ等が再設定され、信号処理パラメータが実際に音声信号に反映されるようになる。なお、本ルーチンが選択チャンネルの指定に応じて起動された場合には、信号処理パラメータに対して変更が生じるわけではないため、ステップSP182においては実質的な処理は行われない。
次に、処理がステップSP184に進むと、信号処理パラメータ、あるいは選択チャンネルの指定結果に応じて、左右メインディスプレイ82,84の表示内容や、メイン・チャンネルストリップ群70における表示内容等が変更される。特に、選択チャンネルが指定された場合において、ステップSP184にあっては、選択チャンネル調整部(72,80)すなわち音質調整部72およびセンドレベル調整部80に対して、新たに指定された選択チャンネルが割り当てられる。すなわち、この新たな選択チャンネルにおける現在の信号処理パラメータに基づいて、各種表示器の表示内容や、各種操作子の操作量(例えば、ノブの周囲に馬蹄状に配置したLEDの点灯/消灯状態等)が更新される。そして、以後、選択チャンネル調整部(72,80)においてノブの回動やボタンの押下等の操作が行われた場合は、新たな選択チャンネルにおける、対応する信号処理パラメータが変更されるようになる。
次に、処理がステップSP186に進むと、関係するサブ・コンソール1200に対して、パラメータの変更内容が通知される。すなわち、サブ・コンソール割当情報1172(図10(c)参照)に基づいて、各サブ・コンソールに割り当てられているレイヤが判別され、そのレイヤに係る信号処理パラメータ1152(図10(a)参照)が変更された場合には、その旨を示すパラメータ変更メッセージが当該サブ・コンソールに通知される。但し、選択チャンネルが変更された場合については、サブ・コンソール割当情報1172の内容にかかわらず、全てのサブ・コンソール1200に選択チャンネルの変更を示す選択チャンネル変更メッセージが通知される。以上により、本ルーチンの処理が終了する。なお、詳細は後述するが、上記選択チャンネル変更メッセージが各サブ・コンソール1200に送信されることにより、サブ・コンソール1200においては、現表示側情報1274が更新され、表示側が切り替えられる等の処理が状況に応じて実行される。
6.2.サブ・コンソール1200のイベント処理
6.2.1.セットアップ処理(図13)
サブ・コンソール1200の電源が投入された場合、あるいは所定の初期化操作が行われると、該サブ・コンソールにおいて図13に示すセットアップ・ルーチンが起動される。図において処理がステップSP100に進むと、メモリ1216のROM領域に記憶されているチャンネル・アイコンのテンプレート1164が読み出され、RAM領域に設けられた画像編集用のバッファ領域に転送される。次に、処理がステップSP102に進むと、上下チャンネルストリップ群40,42に割り当てられている現レイヤ情報1270に基づいて、各チャンネルストリップに割り当てられているチャンネルが特定される。これにより、これらチャンネルのチャンネル番号およびチャンネル名が特定される。そして、特定されたチャンネル番号およびチャンネル名を表す文字画像と、上記バッファ領域内のテンプレートとが合成されることにより、各チャンネルストリップに対応するチャンネル・アイコンの画像が生成され、これらチャンネル・アイコンが左右ディスプレイのチャンネル表示領域52a,54a,52c,54cに表示される。すなわち、チャンネル表示領域52a,54a,52c,54cに既に他の画像が表示されている場合であっても、これが新たに生成されたチャンネル・アイコン画像によって上書きされる。
次に、処理がステップSP104に進むと、メモリ1216内の現表示側情報1274(図10(c)参照)に基づいて、現在の表示側が確認される。次に、処理がステップSP106に進むと、現レイヤ情報1270に記録されている上下のレイヤに係る信号処理パラメータを転送するよう要求するメッセージが、サブ・コンソール1200からメイン・コンソール1100に送信される。そして、メイン・コンソール1100から信号処理パラメータが返信されると、これらパラメータがメモリ1216に記憶される。次に、処理がステップSP108に進むと、メモリ1216内の現表示パート情報1276に基づいて、現在選択されている表示パート(VIEWパートまたは何れかのSENDパート)が確認される。
次に、処理がステップSP110に進むと、ステップSP108の確認結果に基づいて、現在選択されているパートがSENDパートであるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理はステップSP112に進み、上述したSENDパート更新サブルーチン(図11(c))が呼び出される。本サブルーチンの処理は、メイン・コンソール1100における処理と同様であるが、ステップSP92においては、「現在の表示側」(これは現表示側情報1274によって示される)に割り当てられている各チャンネルの信号処理パラメータに基づいて、パラメータ表示画像が生成され、該パラメータ表示画像とテンプレートとによって合成されるSENDパート画像は、パラメータ領域52b,54bにおいて、「現在の表示側」に対応する位置(例えば図8(a),(b)に示すSENDパート画像200−1〜200−8の位置)に上書きされる点が異なる。
一方、セットアップ・ルーチンのステップSP110において「NO」と判定されると、処理はステップSP114に進み、上述したVIEWパート更新サブルーチン(図11(d))が呼び出される。本サブルーチンの処理も、メイン・コンソール1100における処理と同様であるが、ステップSP98においては、「現在の表示側」に割り当てられている各チャンネルの信号処理パラメータに基づいて、パラメータ表示画像が生成され、該パラメータ表示画像とテンプレート1162(図10(b)参照)とによって合成されるVIEWパート画像は、パラメータ領域52b,54bにおいて、「現在の表示側」に対応する位置に上書きされる点が異なる。次に、セットアップ・ルーチンにおいて処理がステップSP116に進むと、上述した以外の部分の画像、例えば図8(a),(b)における無表示部338,340における画像(矩形の黒色の画像)等が表示され(換言すれば、何も表示しない空白部分である無表示部338,340が形成され)、本セットアップ・ルーチンの処理が終了する。
6.2.2.選択チャンネルの指定に対するイベント処理(図14(a),(b))
サブ・コンソール1200上の上下チャンネルストリップ群40,42において何れかのSELボタン10が押下されると、サブ・コンソール1200のCPU1214において図14(a)に示すサブコンソールSELボタン押下イベント・ルーチンが起動される。図において処理がステップSP10に進むと、当該SELボタン10に係るチャンネル(該SELボタン10の属するチャンネルストリップに割り当てられた入出力チャンネル)を選択チャンネルに設定するように要求するメッセージである選択チャンネル指定要求メッセージがメイン・コンソール1100に送信される。本ルーチンは、これにより処理が終了する。
その後、メイン・コンソール1100においては、上述した選択チャンネル/パラメータ変更イベント処理ルーチン(図12(c))が起動される。その結果、当該チャンネルが選択チャンネルとして設定されると、メイン・コンソール1100から新たな選択チャンネルを特定する選択チャンネル変更メッセージがサブ・コンソール1200に対して送信される。なお、このメッセージは、上記ステップSP10に対する応答である場合のみならず、上述したように、メイン・コンソール1100において何れかのSELボタン10が押下された結果として選択チャンネルが変更された場合であってもサブ・コンソール1200に送信される。
サブ・コンソール1200において該メッセージが受信されると、サブ・コンソール1200のCPU1214において図14(b)に示す選択チャンネル通知イベント処理ルーチンが起動される。図14(b)において処理がステップSP20に進むと、受信したメッセージに示された選択チャンネルが自機に関係しているか否か、すなわち上下チャンネルストリップ群40,42に割り当てられた何れかのチャンネルが選択チャンネルとして設定されたか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、実質的な処理が行われることなく本ルーチンの処理が終了する。
一方、ステップSP20において「YES」と判定されると処理はステップSP22に進み、現在の表示側(上側または下側)に係るチャンネルストリップ群に割り当てられたチャンネルに、当該選択チャンネルが含まれるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理はステップSP26に進み、該チャンネルに係るSELボタン10が点灯状態にされ、他のチャンネルに係るSELボタン10が消灯状態にされ、本ルーチンの処理が終了する。従って、かかる場合には、左右ディスプレイ52,54における表示内容には特に変化は生じない。
一方、ステップSP22において「NO」と判定されると、図14(d)に示す表示側変更サブルーチンが起動される。図14(d)において処理がステップSP40に進むと、対象チャンネル(この場合には選択チャンネル)を有する側が表示側として設定される。すなわち、対象チャンネルの属する側が現表示側情報1274になるように、現表示側情報1274(図10(c)参照)が更新される。次に、処理がステップSP42に進むと、左右ディスプレイ52,54における表示態様が新たな表示側用のものに設定される。例えば、図8(a),(b)の例にあっては、SENDパート画像200−1〜200−8の位置が、図8(a),(b)のうち表示側に応じた側に設定される。すなわち、パラメータ領域52b,54b中のパラメータ表示画像(上記例ではSENDパート画像200−1〜200−8)が、パラメータ領域52b,54b内の反対側に寄せられることになる。すなわち、パラメータ領域52b,54bの上下辺のうち、現在の非表示側とパラメータ表示画像との間にある空白をなくし、現在の表示側とパラメータ表示画像との間に空白を作ることにより、パラメータ表示画像を新たな表示側に寄せ、新たな表示側に関連付けることになる。
次に、処理がステップSP44に進むと、左右ディスプレイ52,54における表示内容が、表示側に応じた表示内容に変更される。図8(a),(b)の例にあっては、各SENDパート画像200−1〜200−8内におけるセンドレベル表示部の表示レベルが、新たな表示側におけるセンドレベルに一致するように変更される。このように、ステップSP44にあっては、寄せられた側、すなわち新たな表示側のパラメータ値に基づいて、パラメータ表示画像の内容が表示される。この結果、寄せられる以前の表示態様が図8(a)に示す通りであれば、これが図8(b)に示すように変更され、逆に、寄せられる以前の表示態様が図8(b)に示す通りであれば、これが図8(a)に示すように変更される。以上により、表示側変更サブルーチン(図14(d))の処理が終了し、処理が図14(b)のルーチンに戻ると、ステップSP26において選択チャンネルに係るSELボタン10が点灯状態にされ本ルーチンの処理も終了する。
このように、図14(a),(b)のルーチンによれば、自機に関係する新たな選択チャンネルが指定されたとき、その選択チャンネルの属する側が必ず表示側として設定される。選択チャンネルは、パラメータの詳細な設定を行おうとするときに指定されるものであるため、当該選択チャンネルに関係するパラメータを左右ディスプレイ52,54に自動的に表示させる要請は強いものと考えられる。本実施例にあっては、上記処理により、かかる操作を自動的に行うことができるから、ユーザは表示側をマニュアル操作で切り替える必要がなくなり、高い操作性を実現することができる。ところで、上記ステップSP22は、「現在の表示側に係るチャンネルストリップ群に割り当てられたチャンネルに、当該選択チャンネルが含まれるか否か」を判定するものであったが、このステップは、換言すれば、「表示側を切り替える必要があるか無いかを判断する処理」、あるいは「パラメータ領域52b,54bにパラメータを表示する側として、新たな側が指示されたか否かを判断する処理」でもある。また、SELボタン10の押下が表示側を指示する操作であるとすると、このステップSP22は、「表示側指示を検出する処理」である。
6.2.3.チャンネル・アイコンに対するイベント処理(図14(c))
サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54において何れかのチャンネル・アイコンが押下されると、図14(c)に示すチャンネル・アイコン押下イベント・ルーチンが起動される。図において処理がステップSP30に進むと、現表示側情報1274が参照され、押下されたアイコンは現在の表示側のアイコンであるか否かが判定される。例えば、図8(a)にあっては、チャンネル・アイコン302−1〜302−8が現在の表示側のアイコンであり、図8(b)にあっては、チャンネル・アイコン304−1〜304−8が現在の表示側のアイコンである。ここで「YES」と判定されると、実質的な処理が行われることなく本ルーチンの処理が終了する。これは、かかる操作においては表示側を変更する必要性が生じないためである。
一方、ステップSP30において「NO」と判定されると処理はステップSP32に進み、現在の表示側に係るチャンネルに選択チャンネルが含まれるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、実質的な処理が行われることなく本ルーチンの処理が終了する。一方、ステップSP32において「NO」と判定された場合(すなわち現在の表示側とは逆側のチャンネル・アイコンが押下され、かつ、現在の表示側に係るチャンネルに選択チャンネルが含まれない場合)は処理はステップSP34に進み、上述した表示側変更サブルーチン(図14(d))が呼び出される。但し、図14(d)における「対象チャンネル」とは、この場合は対応するチャンネル・アイコンが押下されたチャンネルである。本サブルーチンが呼び出されることにより、現表示側情報1274は現在とは逆側に変更され(SP40,42)、表示内容も新たな表示側に応じた内容に変更される(SP44)。
このように、図14(c)のルーチンによれば、現在の表示側に係るチャンネルに選択チャンネルが含まれる場合には、何れのチャンネル・アイコンを押下しても表示側が切り替えられることはなく、該選択チャンネルの属する側が必ず表示側として設定される。上述したように、選択チャンネルは、パラメータの詳細な設定を行おうとするときに指定されるものであるため、当該選択チャンネルに関係するパラメータを左右ディスプレイ52,54に表示し続ける要請は強く、仮に反対側のチャンネル・アイコンが押下されたとしても、これは誤操作である可能性が高い。従って、本ルーチンによれば、誤操作によって表示側が切り替わってしまうような状態を極力抑制することができ、高い操作性を実現することができる。ところで、上記ステップSP30,SP32は、各々「押下されたアイコンは現在の表示側であるか否か」、「現在の表示側に選択チャンネルは含まれるか否か」を判定するものであったが、両者を総合すると、「表示側を切り替える必要があるか無いかを判断する処理」、あるいは「パラメータ領域52b,54bにパラメータを表示する側として、新たな側が指示されたか否かを判断する処理」でもある。また、チャンネル・アイコンの押下が表示側を指示する操作であるとすると、このステップSP22は、「表示側指示を検出する処理」である。
6.2.4.レイヤ選択イベント処理(図15)
サブ・コンソール1200においてレイヤ選択部44,46内のレイヤ種別選択ボタン22,24,26またはレイヤ番号選択ボタン28−1〜28−8のうち有効なものが押下されると、図15に示すレイヤ選択イベント処理ルーチンが起動される。図15において処理がステップSP50に進むと、押下されたボタンに対応するレイヤが対応する上下チャンネルストリップ群40または42に割り当てられる。すなわち、現レイヤ情報1270(図10(c)参照)のうち、レイヤ選択が生じた側の情報が、新たに選択されたレイヤを指標するように更新される。以下、レイヤ選択が生じた側を「レイヤ変更側」という。すなわち、下レイヤ選択部44が操作された場合にあっては、レイヤ変更側は「下側」であり、対応するレイヤが下チャンネルストリップ群40に割り当てられ、一方、上レイヤ選択部46が操作された場合にあっては、レイヤ変更側は「上側」であり、対応するレイヤが上チャンネルストリップ群42に割り当てられる。
このステップSP50において実行される処理内容をさらに詳細に説明しておく。サブ・コンソール1200においては、現に上下チャンネルストリップ群40,42に割り当てられているレイヤの信号処理パラメータしか記憶していないため、一般的には、新たに選択されたレイヤ(以下、新レイヤという)の信号処理パラメータは記憶されていない。このため、サブ・コンソール1200からメイン・コンソール1100に対して、現レイヤ情報1270とともに当該パラメータを送信するように要求メッセージが出力され、その応答として、メイン・コンソール1100からサブ・コンソール1200に対して新レイヤの信号処理パラメータが返信される。また、その際、メイン・コンソール1100にあっては、受信した現レイヤ情報1270に一致するように、当該サブ・コンソールに係るサブ・コンソール割当情報1172が更新される。
新レイヤが割り当てられた上下チャンネルストリップ群40または42にあっては、この返信された信号処理パラメータに基づいて、各電動フェーダ2(図7参照)が自動的に駆動されることによって、これら操作量が変更され、文字表示器4の表示内容、ボタン6,8,10,12の点灯/消灯状態、およびノブ14周辺のLED群14aの点灯/消灯状態が変更される。次に、処理がステップSP51に進むと、チャンネル表示領域52a,54a,52c,54cのうち、レイヤ変更側のチャンネル・アイコンが更新される。すなわち、レイヤ変更側が上側であった場合には上側チャンネル表示領域52a,54aのアイコンが更新される一方、レイヤ変更側が下側であった場合には、下側チャンネル表示領域52c,54cのアイコンが更新される。このステップSP51の処理は、上述したセットアップ・ルーチン(図13)のステップSP100,SP102の処理と同様である。
次に、処理がステップSP52に進むと、現表示側情報1274(図10(c)参照)によって示される現在の表示側と、レイヤ変更側とに基づいて、表示側を切り替える必要があるか否かが、以下の基準に基づいて決定される。
(基準1−1)現在の表示側と、レイヤ変更側とが等しい場合(すなわち双方とも上側である場合または双方とも下側である場合)には、表示側の切り替えは生じない。
(基準1−2)現在の非表示側がレイヤ変更側であって、新レイヤに選択チャンネルが含まれる場合は、現在の非表示側を表示側に切り替える。新レイヤに選択チャンネルが含まれない場合は表示側の切り替えは生じない。
上記基準1−1,1−2によれば、上側または下側の何れか一方のレイヤに選択チャンネルがあれば、レイヤ変更側が何れであるかにかかわらず、選択チャンネルの属する側が表示側として保持されることが解る。また、上側および下側の何れにも選択チャンネルが無い場合には、レイヤ変更によって表示側の切り替えが生じない。また、上側および下側に対して、同一のレイヤが割り当てられ、かつ当該同一のレイヤに選択チャンネルが含まれる場合には、表示側の切り替えが生じる。
上述したように、上側または下側のレイヤに選択チャンネルが含まれる場合には、当該選択チャンネルに関係するパラメータを左右ディスプレイ52,54に表示し続ける要請は強い。本実施例によれば、上記基準1−1,1−2により、上側または下側のレイヤに選択チャンネルが含まれる場合には、常に選択チャンネルのパラメータが表示されるように表示側が選択される。これにより、ユーザはかかる表示側の選択をマニュアル操作で行う必要がなくなり、高い操作性を実現することができる。
次に、処理がステップSP54に進むと、上記ステップSP52によって、表示側の切り替えが必要であると決定されたか否かが判定される。上記ステップSP52,SP54は、換言すれば、「パラメータ領域52b,54bにパラメータを表示する側として、新たな側が指示されたか否かを判断する処理」でもあり、レイヤ選択部44,46における操作が表示側を指示する操作であるとすると、このステップSP52,SP54は、「表示側指示を検出する処理」である。ステップSP54において「YES」と判定されると処理はステップSP56に進み、レイヤ変更側を新たな表示側として設定するように、現表示側情報1274が更新される。次に、処理がステップSP58に進むと、パラメータ領域52b,54bにおける表示態様が新たな表示側用のものに設定される。例えば、図8(a),(b)の例にあっては、SENDパート画像200−1〜200−8の位置が、図8(a),(b)のうち表示側に応じた側に設定される。次に、処理がステップSP60に進むと、パラメータ領域52b,54bにおける表示内容が、表示側に応じた表示内容に変更される。図8(a),(b)の例にあっては、各SENDパート画像200−1〜200−8内におけるセンドレベル表示部の表示レベルが、新たな表示側におけるセンドレベルに一致するように変更される。
一方、表示側の切り替えが不要であった場合には、処理はステップSP54を介してステップSP62に進む。ここでは、現表示側情報1274とレイヤ変更側とに基づいて、パラメータ領域52b,54bの更新が必要か否かが決定される。すなわち、表示側とレイヤ変更側とが等しい場合(双方とも上側、または双方とも下側である場合)に表示内容の更新が必要であると決定される。次に、処理がステップSP64に進むと、上記ステップSP62において表示内容の更新が必要であると決定されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると上記ステップSP60が実行され、パラメータ領域52b,54bにおける表示内容が、表示側に応じた表示内容に変更される。このように、ステップSP54において「NO」と判定され、ステップSP62,SP64を介してステップSP60が実行される場合には、表示側は変更されることなく、従前の表示側において、新たに割り当てられたレイヤのパラメータに基づいて、パラメータ領域52b,54bの表示内容のみが変更される。一方、ステップSP64において「NO」と判定されると本ルーチンはそのまま終了する。
6.2.5.フリップ・ボタン30のイベント処理(図16)
サブ・コンソール1200の下レイヤ選択部44(図7参照)においてフリップ・ボタン30が押下されると、図16に示すフリップ・ボタン・イベントルーチンが起動される。図において処理がステップSP160に進むと、上チャンネルストリップ群42に割り当てられたレイヤを指標する値(レイヤを特定する値)が変数LY1に書き込まれ、下チャンネルストリップ群40に割り当てられたレイヤを指標する値が変数LY2に書き込まれる。次に、処理がステップSP162に進むと、上チャンネルストリップ群42に対して、変数LY2で示されたレイヤが割り当てられる。次に、処理がステップSP164に進むと、下チャンネルストリップ群40に対して、変数LY1で示されたレイヤが割り当てられる。
次に、処理がステップSP166に進むと、現時点の表示側と、上側または下側に割り当てられたレイヤのうち何れかが選択チャンネルを含むか否かとに基づいて、以下の基準により表示側の切り替えが必要であるか否かが決定される。
(基準2−1)上下チャンネルストリップ群40,42に係るチャンネルのうち何れかが選択チャンネルであれば、表示側の切替が必要である。
(基準2−2)上下チャンネルストリップ群40,42に係るチャンネルに選択チャンネルが含まれないのであれば、表示側の切替は生じない。
上述したように、上下チャンネルストリップ群40,42に係るチャンネルのうち何れかが選択チャンネルであれば、必ず選択チャンネルの属する側が表示側として設定されている。そして、かかる状態でフリップ・ボタン30が押下されると、選択チャンネルの属する側が、逆側に変更される。その際、上記基準2−1によれば、表示側の切替が生じるため、結局、フリップ・ボタン30が押下された後においても、選択チャンネルの属する側が必ず表示側に設定されることになる。
上述したように、上側または下側のレイヤに選択チャンネルが含まれる場合には、当該選択チャンネルに関係するパラメータを左右ディスプレイ52,54に表示し続ける要請が強いため、本実施例においては、フリップ・ボタン30が押下された場合においても、常に選択チャンネルのパラメータが表示されるように表示側が選択されるようにしている。これにより、ユーザはかかる表示側の選択をマニュアル操作で行う必要がなくなり、高い操作性を実現することができる。
次に、処理がステップSP168に進むと、上記ステップSP166によって、表示側の切り替えが必要であると決定されたか否かが判定される。上記ステップSP166,SP168は、換言すれば、「パラメータ領域52b,54bにパラメータを表示する側として、新たな側が指示されたか否かを判断する処理」でもあり、フリップ・ボタン30の操作が表示側を指示する操作であるとすると、このステップSP66,SP168は、「表示側指示を検出する処理」である。ステップSP168において「YES」と判定されると、ステップSP170〜SP174の処理が実行される。この処理は、上記レイヤ選択イベント処理ルーチン(図15)におけるステップSP56〜SP60の処理と同様であり、現表示側情報1274が変更されるとともに、パラメータ領域52b,54bの内容が、新たな表示側における信号処理パラメータに基づいて更新される。
一方、表示側の切り替えが不要であった場合には、処理はステップSP168を介してステップSP176に進む。ここでは、現在の表示側に対して割り当てられているレイヤ(上記ステップSP162またはSP164によって表示側に対して割り当てられたレイヤ)に係る信号処理パラメータに基づいて、パラメータ領域52b,54bの表示内容が変更される。ステップSP176においては、表示側は変更されることなく、従前の表示側において、新たに割り当てられたレイヤのパラメータに基づいて、パラメータ領域52b,54bの表示内容のみが変更される。以上の処理により、本ルーチンが終了する。
6.2.6.VIEW/SENDパート選択のイベント処理(図17(a),(b))
サブ・コンソール1200において、VIEWボタン66が押下されると、図17(a)に示すVIEWパート選択イベントルーチンが起動される。また、本ルーチンは、メイン・コンソール1100から、VIEWパートを選択すべき旨のパート選択メッセージ(図12(a),ステップSP125)を受信した場合においても起動される。図17(a)において処理がステップSP130に進むと、上述したVIEWパート更新サブルーチン(図11(d))が呼び出され、サブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bにVIEWパート画像が表示される。また、これと同時に、現表示パート情報1276(図10(c)参照)が、VIEWパートを指標するように更新される。
次に、処理がステップSP131に進むと、当該VIEWパート選択イベントルーチンが当該サブ・コンソール1200における操作(VIEWボタン66の押下)に起因して起動されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理がステップSP132に進み、VIEWパートの選択があった旨を通知するパート選択メッセージがメイン・コンソール1100に送信され、本ルーチンの処理が終了する。一方、当該VIEWパート選択イベントルーチンがメイン・コンソール1100からのパート選択メッセージに基づいて起動された場合には、ステップSP131において「NO」と判定され、ステップSP132はスキップされ、本ルーチンの処理が終了する。なお、ステップSP132が実行された場合には、メイン・コンソール1100においては、上述したパート選択メッセージ受信イベントルーチン(図12(a))が実行され、その結果、メイン・コンソール1100の下表示パート情報1176と、当該サブ・コンソール1200の現表示パート情報1276とは、共にVIEWパートを指標するようになる。
また、サブ・コンソール1200において、SENDボタン68が押下されると、図17(b)に示すSENDパート選択イベントルーチンが起動される。また、本ルーチンは、メイン・コンソール1100から、SENDパートを選択すべき旨のパート選択メッセージ(図12(a),ステップSP125)を受信した場合においても起動される。図17(b)において処理がステップSP134に進むと、上述したSENDパート更新サブルーチン(図11(c))が呼び出され、サブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bにSENDパート画像が表示される。また、これと同時に、現表示パート情報1276(図10(c)参照)が、SENDパートを指標するように更新される。
次に、処理がステップSP135に進むと、当該SENDパート選択イベントルーチンが当該サブ・コンソール1200における操作(SENDボタン68の押下)に起因して起動されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理がステップSP136に進み、SENDパートの選択があった旨を通知するパート選択メッセージがメイン・コンソール1100に送信され、本ルーチンの処理が終了する。一方、当該SENDパート選択イベントルーチンがメイン・コンソール1100からのパート選択メッセージに基づいて起動された場合には、ステップSP135において「NO」と判定され、ステップSP136はスキップされ、本ルーチンの処理が終了する。なお、VIEWパートの場合と同様に、ステップSP136が実行された場合には、メイン・コンソール1100においては、上述したパート選択メッセージ受信イベントルーチン(図12(a))が実行される。
その結果、メイン・コンソール1100の下表示パート情報1176と、当該サブ・コンソール1200の現表示パート情報1276とは、共にSENDパートを指標するようになる。ここで、複数のサブ・コンソール1200がメイン・コンソール1100に接続されていた場合に、一のサブ・コンソール1200においてVIEWボタン66が押下された場合の全体動作を説明する。まず、当該サブ・コンソールにあっては、上記ステップSP130が実行されることにより、パラメータ領域52b,54bにVIEWパート画像が表示される。そして、かかる動作は「VIEWボタン66が押下された」ことに起因するから、ステップSP132が実行され、VIEWパートの選択があった旨を通知するパート選択メッセージがメイン・コンソール1100に送信される。
メイン・コンソール1100においては、パート選択メッセージ受信イベントルーチン(図12(a))が起動され、VIEWパート画像が下側に位置するようにパラメータ領域82c,84cの表示内容が更新され(ステップSP124)、他のサブ・コンソール1200に対して、VIEWパートを選択するようにパート選択メッセージが送信される(ステップSP125)。この結果、他のサブ・コンソール1200においても、VIEWパート選択イベントルーチン(図17(a))が起動され、上記ステップSP130が実行されることにより、パラメータ領域52b,54bにVIEWパート画像が表示される。この結果、メイン・コンソール1100および複数のサブ・コンソール1200の全てにおいて、下表示パート情報1176および現表示パート情報1276(図10(c)参照)が一致してVIEWパートを指標するようになり、これらサブ・コンソールに表示されるパート(メイン・コンソール1100にあっては下側に表示されるパート)がVIEWパートに揃うことになる。
図5において説明したように、メイン・コンソール1100とサブ・コンソール1200とを左右に並べて配置したときの平面視においては、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84の下辺(前端)と、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54の下辺(前端)とが揃うようになっている。ここで、メイン・コンソール1100におけるチャンネル表示領域82e,84eの高さ(前後方向の長さ)と、サブ・コンソール1200における下側チャンネル表示領域52c,54cの高さ(前後方向の長さ)とはほぼ一致するため、パラメータ領域82c,84cの下辺とパラメータ領域52b,54bの下辺とが、ほぼ揃うことになる。
そして、サブ・コンソール1200においてVIEWパートが選択されると、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84の下側にもVIEWパート画像が表示されるから、図18(a)に示すように、全てのコンソール1100,1200においてVIEWパート画像が左右方向にほぼ一直線上に揃うように表示されることになる。また、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84にあっては、SENDパート画像がVIEWパート画像の上方に並べて同時に配置されるのに対して、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54においては、SENDパート画像は表示されない。同様に、サブ・コンソール1200においてSENDパートが選択されると、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84の下側にもSENDパート画像が表示されるから、図18(b)に示すように、全てのコンソール1100,1200においてSENDパート画像が左右方向にほぼ一直線上に揃うように表示されることになる。
また、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84にあっては、VIEWパート画像がSENDパート画像の上方に並べて同時に配置されるのに対して、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54においては、VIEWパート画像は表示されない。図18(a),(b)に示すように、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54の高さは、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84よりも低く、VIEWパート画像およびSENDパート画像のうち、選択された一方の画像のみしか表示できない高さになっている。一方、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84は、VIEWパート画像とSENDパート画像とを同時に表示できるサイズ(高さ)を有しており、VIEWパート画像とSENDパート画像とを前後方向に並べて同時に表示している。
このように、本実施例のサブ・コンソール1200にあっては、VIEWパート画像またはSENDパート画像のうち一方を選択して左右ディスプレイ52,54に表示できるため、左右ディスプレイ52,54の高さ(前後方向の長さ)は、メイン・コンソール1100の左右メインディスプレイ82,84と比較して低くすることができる。これにより、サブ・コンソール1200の奥行きはメイン・コンソール1100と同一でありながら、メイン・コンソール1100の2倍の数のチャンネルストリップ群40,42を前後方向に沿って配列することができ、狭いスペースに多数のチャンネルストリップを効率よく配置することができる。
さらに、図18(a),(b)に示したように、コンソール1100,1200において各ディスプレイの下部における表示パートを揃えることができるから、コンソール1100,1200における表示内容に統一性を持たせることができる。さらに、上述したように、サブ・コンソール1200における各チャンネルストリップ40−1〜40−16,42−1〜42−16の左右方向の幅は、メイン・コンソール1100におけるチャンネルストリップ70−1〜70−16の幅と同一であり、チャンネルストリップ内における操作子の配置も同様であるため、操作/視認の両側面においてメイン・コンソール1100とサブ・コンソール1200との共通性を確保することができ、高い操作性を実現することができる。
6.2.7.SENDパートの表示モード変更イベント処理(図17(c))
また、サブ・コンソール1200において、SENDパートの表示モードが変更された場合、すなわちMENU画像260(図9(e)参照)において何れかのボタン画像262〜272が押下された場合は、図17(c)に示すSENDパート表示モード変更イベントルーチンが起動される。また、本ルーチンは、メイン・コンソール1100からサブ・コンソール1200に対して、表示モード変更指示メッセージ(図12(b),ステップSP129参照)が送信された場合においても起動される。図17(c)において処理がステップSP138に進むと、現表示モード情報1278に対して、新たに指定された表示モードが設定される。次に、処理がステップSP140に進むと、パラメータ領域52b,54bにおいてSENDパート画像が表示中であるか否かが判定される。
ステップSP140において「YES」と判定されると処理はステップSP142に進み、新たな表示モードに係るSENDパート画像が表示されるように、SENDパート更新サブルーチン(図11(c))が呼び出され、これによってサブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bに当該表示モードのSENDパート画像が表示される。なお、SENDパート画像が表示されていない場合(すなわちVIEWパート画像が表示されている場合)には、ステップSP142はスキップされる。次に、処理がステップSP143に進むと、当該SENDパート表示モード変更イベントルーチンが当該サブ・コンソール1200における操作(MENU画像260における操作)に起因して起動されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP144に進み、この新たな表示モードを通知するメッセージがメイン・コンソール1100に送信される。上述したように、メイン・コンソール1100にあっては、このメッセージに合わせて現表示モード情報1178が更新されるから、両コンソール1100,1200における現表示モード情報1178,1278が一致することになる。一方、ステップSP143において「NO」と判定されると、ステップSP144はスキップされ、本ルーチンの処理が終了する。
6.2.8.パラメータ操作・通知に対するイベント処理(図17(d))
サブ・コンソール1200において電動フェーダ2、CUEボタン6、オン/オフ・ボタン12、ノブ14,18等、信号処理パラメータに対応する操作子が操作されると、図17(d)に示すパラメータ変更イベント処理ルーチンが起動される。また、このルーチンは、メイン・コンソール1100からパラメータ変更メッセージが送信された場合(図12(c),ステップSP186)においても起動される。図17(d)において処理がステップSP146に進むと、操作子の操作量またはパラメータ変更メッセージの内容に基づいて、パラメータ1252(図10(a)参照)が変更される。次に、処理がステップSP148に進むと、パラメータの変更結果に応じて、パラメータ領域52b,54bの表示内容や、上下チャンネルストリップ群40,42における表示状態等が変更される。
次に、処理がステップSP50に進むと、当該パラメータ変更イベント処理ルーチン(図17(d))が当該サブ・コンソール1200における操作(上下チャンネルストリップ群40,42等の操作)に起因して起動されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP152に進み、信号処理パラメータの変更内容を表すパラメータ変更メッセージがメイン・コンソール1100に通知される。一方、ステップSP150において「NO」と判定されると、ステップSP152はスキップされ、本ルーチンの処理が終了する。
7.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
7.1.機械的構造に関する変形例
(1)上記実施例においては、サブ・コンソール・前パネル1202が設置面との間で成す角度θ1は「0°」であったが、θ1は「0°」以外の値であってもよい。すなわち、前パネル1202を若干傾斜させた状態にしてもよい。また、上記実施例においては、後パネル1206の角度θ3は「θ1<θ3」となるように選択されたが、「θ1≧θ3」であってもよい。すなわち、「θ1<θ2」かつ「θ3<θ2」の関係が保てるのであれば、角度θ1,θ2,θ3は適宜変更してもよい。なお、前パネル1202、中パネル1204および後パネル1206は、同一平面内に配置してもよい。また、上下チャンネルストリップ群40,42におけるチャンネルストリップ数は異なっていてもよい。
(2)また、上記実施例においては、コンソール1100,1200、エンジン1300、マイク・コントローラ1400、アンプコントローラ1500、およびその他音声機器1600等の装置を別々の筐体内に収容し、これらの装置をIP網1000で接続したが、これらの装置の全部または一部を同一の筐体内に収納してもよい。
7.2.サブ・コンソール1200におけるSELボタンの押下イベントに関する変形
(1)上記実施例においては、サブ・コンソール1200において何れかのSELボタン10が押下されると、メイン・コンソール1100に対して選択チャンネル指定要求メッセージが送信され(図14(a),ステップSP10)、その応答として選択チャンネル変更メッセージが受信されたことを契機として、表示側を変更する等の処理が実行された(図14(b),ステップSP24,SP26)。しかし、ステップSP24,SP26の処理は、メイン・コンソール1100からの応答を待たず、サブ・コンソール1200において何れかのSELボタン10が押下されたことを契機として、直ちに実行するようにしてもよい。
(2)また、上記実施例においては、メイン・コンソール1100からサブ・コンソール1200に対して選択チャンネル変更メッセージが送信されたことを契機として、表示側を変更する処理が実行されたが、サブ・コンソール1200においては、選択チャンネルに対応して必ずしも表示側を切り替えなくてもよい。すなわち、表示側を決定するにあたり、選択チャンネルを無視するようにしてもよい。
7.3.左右ディスプレイ52,54の表示側に応じた表示態様の変形
(1)上記実施例においては、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54内のパラメータ領域52b,54bに表示されるパラメータが、上下チャンネルストリップ群40,42の何れに係るものであるのかを容易に認識できるように、図8(a),(b)において説明したように、現在の表示側に応じて表示態様を変更することが特徴であった。この特徴を実現するにあたっては、実施例において説明した表示態様以外にも、様々な表示態様を採用することが可能である。例えば、上記実施例においては、サブ・コンソール1200の左右ディスプレイ52,54に上側および下側チャンネル表示領域52a,54a,52c,54cを確保し、上下チャンネルストリップ群40,42に係るチャンネルのチャンネル名およびチャンネル番号を表示したが、チャンネル名またはチャンネル番号のうち一方のみを表示するようにしてもよい。また、これらチャンネル表示領域52a,54a,52c,54c自体を省略し、左右ディスプレイ52,54全体をパラメータ領域52b,54bとして使用できるようにしてもよい。その一例を図19(a)に示す。
図19(a)においては、左ディスプレイ52の表示画面の上端部および下端部に、それぞれ左右方向に延びるガイドライン342,344が表示されている。また、無表示部338,340は、ガイドライン342,344とSENDパート画像200−1〜200−8との間に形成されている。この例においては、SENDパート画像200−1〜200−8がガイドライン342,344の何れに近接して表示しているかに基づいて、表示側が上側または下側の何れであるか、ユーザは一見して把握することができる。
(2)また、図19(a)の例においては、ガイドライン342,344の表示位置は表示側にかかわらず固定であったが、表示側に応じてガイドラインを異なる位置に表示することもできる。その一例を図19(b)に示す。図19(b)において表示側が上側であるとき、SENDパート画像200−1〜200−8は左ディスプレイ52の上端部に近接して表示され、その下方には左右方向に延びるガイドライン346が表示され、該ガイドライン346のさらに下方には無表示部348が形成されている。また、図19(b)において表示側が下側であるとき、SENDパート画像200−1〜200−8は左ディスプレイ52の下端部に近接して表示され、その上方には左右方向に延びるガイドライン350が表示され、該ガイドライン350のさらに上方には無表示部352が形成されている。この例においては、SENDパート画像200−1〜200−8が表示されているガイドライン346または350に対して上方向に位置するか下方向に位置するかに基づいて、表示側が上側または下側の何れであるか、ユーザは一見して把握することができる。
(3)また、表示画面の一部をグレーアウトすることによって表示側を表すこともできる。その一例を図19(c)に示す。なお、同図においてメッシュを施した部分は通常の表示色で表示され、それ以外の部分はグレーアウトされていることとする。図19(c)において表示側が上側であるとき、上側チャンネル表示領域52aは通常の表示色で表示される一方、下側チャンネル表示領域52cはグレーアウトされている。また、表示側が下側であるとき、下側チャンネル表示領域52cは通常の表示色で表示される一方、上側チャンネル表示領域52aはグレーアウトされている。この例においては、何れも通常の表示色で表示されている側が表示側であるため、表示側が上側または下側の何れであるか、ユーザは一見して把握することができる。
(4)また、図19(c)の変形例にあっては、上記実施例(図8)と同様に、左ディスプレイ52の表示画面の上から下に向かって上側チャンネル表示領域52a、パラメータ領域52bおよび下側チャンネル表示領域52cを順次確保したが、チャンネル表示領域52a,52cのうち表示側に係る領域を通常の表示色で表示し、他方の領域をグレーアウトするのであれば、各領域52a,52b,52cの位置を異ならせてもよい。その一例を図19(d)に示す。なお、同図においても、メッシュを施した部分は通常の表示色で表示され、それ以外の部分はグレーアウトされていることとする。図19(d)においては、図19(c)の場合と同様に、表示側が上側であるとき、上側チャンネル表示領域52aは通常の表示色で表示される一方、下側チャンネル表示領域52cはグレーアウトされている。また、表示側が下側であるとき、下側チャンネル表示領域52cは通常の表示色で表示される一方、上側チャンネル表示領域52aはグレーアウトされている。従って、図19(c)の場合と同様にして、表示側が上側または下側の何れであるか、ユーザは一見して把握することができる。
上記実施例(図8)および図19(a)〜(d)に係る変形例には、共通する特徴がある。すなわち、これら実施例および変形例は、何れも、左ディスプレイ52の表示画面内に「外縁が矩形である第1の領域」と、「該第1の領域よりも下側にあり、該第1の領域とは重ならず、外縁が矩形である第2の領域」とを有し、表示側が下側である場合は第1の領域を第1の色彩で塗りつぶし、表示側が上側である場合は第2の領域を第2の色彩で塗りつぶすことである。上記実施例(図8)および図19(a),(b)の変形例にあっては、無表示部338,352が「第1の領域」であり、無表示部340,348が「第2の領域」であり、第1の色彩および第2の色彩は共に「黒」である。また、換言すれば、これら無表示部338,340,348,352は、何も表示しない空白部分である。すなわち、「何も表示しない空白部分」を生成することの一例が、「矩形の黒色画像を表示する」ということになる。
また、図19(c),(d)の変形例にあっては、上側チャンネル表示領域52aのうち、チャンネル番号およびチャンネル名を表す「文字」等を除く部分が「第1の領域」であり、同様に、下側チャンネル表示領域52cのうち、チャンネル番号およびチャンネル名を表す「文字」等を除く部分が「第2の領域」であり、第1の色彩および第2の色彩は共に「グレー」である。すなわち、図19(c),(d)の変形例にあっては、チャンネル表示領域52aまたは52cの全体が同一明度のグレーで塗りつぶされるわけではなく、チャンネル番号およびチャンネル名を表す「文字」を構成する部分は明度が若干異なるようにし、これらの文字が判読可能であるように画像が構成される。しかし、文字の背景部分はほぼ同一の色彩であり、第1および第2の領域の外縁は、文字の内容にかかわらず、必ず所定の大きさの「矩形」になる。なお、上記実施例(図8)および図19(a),(b)の変形例にあっては、第1および第2の色彩は同一色であったが、これらを異なる色彩にしてもよい。
7.4.左右ディスプレイ52,54の位置関係に応じた表示態様の変形
上記実施例においては、サブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bと、メイン・コンソール1100のパラメータ領域82c,84cとは、下辺が揃うように配置したが、これらディスプレイの上辺が揃うように配置してもよい。この場合、VIEWパートまたはSENDパートのうち、サブ・コンソール1200で選択された表示パートは、メイン・コンソール1100では上側に表示するとよい。
メイン・コンソール1100で表示されているVIEWパート,SENDパートのうち、サブ・コンソール1200の表示パートと同一のパートは、必ずしもサブ・コンソール1200の表示パートと一直線をなすように揃える必要はなく、要するに、サブ・コンソール1200の表示パートと同一のパートは、他方のパートと比較して、サブ・コンソール1200の表示パートと前後方向における位置がより近接するように、VIEWパートおよびSENDパートの表示位置を決定するとよい。
なお、コンソール1100,1200間でVIEWパートまたはSENDパート表示位置を揃える必要が無い場合は、図12(a)のステップSP124は省略してもよい。
7.5.コンソール1100,1200非連動の変形例
上記実施例においては、サブ・コンソール1200における左右ディスプレイ52,54の表示内容はメイン・コンソール1100における左右メインディスプレイ82,84の表示内容と連動したが、両者は必ずしも連動させる必要はなく、メイン・コンソール1100および各サブ・コンソール1200において、独立して表示内容を選択できるようにしてもよい。また、上記実施例においては、画像データ用テンプレート(図10(b)参照)は、両コンソール1100,1200において共通するものを用いたが、サブ・コンソール1200の表示内容をメイン・コンソール1100とは独立して設定できる場合には、サブ・コンソール1200独特の内容を表示できるようにしてもよい。
その一例として、サブ・コンソール1200のみに表示される表示モードとして、チャンネルストリップを模擬する「擬似チャンネルストリップモード」を設定することが考えられる。このモードにおいては、左ディスプレイ52に図20(a),(b)に示すような画像が表示される。これらの図において、チャンネル・アイコン302−1〜302−8,304−1〜304−8の表示内容は、上記実施例の図8のものと同様である。
次に、図20(a)において、パラメータ領域52bには、「8」個の擬似チャンネルストリップ画像330−1〜330−8が表示されている。これらの擬似チャンネルストリップ画像は、下チャンネルストリップ群40に対応するため、擬似チャンネルストリップ画像330−1〜330−8は、下チャンネルストリップ40−1〜40−8に係るチャンネル・アイコン302−1〜302−8に密着して表示され、チャンネル・アイコン304−1〜304−8との間には、無表示部330が形成されている。一方、パラメータ領域52bに上チャンネルストリップ42−1〜42−8に対応する擬似チャンネルストリップ画像330−1〜330−8を表示する場合は、その表示状態は図20(b)に示すようになる。図20(b)においては、擬似チャンネルストリップ画像が上チャンネルストリップ群42に対応するため、擬似チャンネルストリップ画像330−1〜330−8は、上チャンネルストリップ42−1〜42−8に係るチャンネル・アイコン304−1〜304−8に密着して表示され、チャンネル・アイコン302−1〜302−8との間には、無表示部340が形成されている。
図20(a)の擬似チャンネルストリップ画像330−1の内部において、312はフェーダレベル表示部であり、フェーダを模した画像によって対応するチャンネルのフェーダレベルを表示する。314,316はボタン画像、322はボタン画像群であり、これらによって合計「6」個のボタン画像が構成されている。これらボタン画像には、対応するチャンネルにおいて「オン/オフ状態」が切り替わる信号処理パラメータを任意に割り当てることができる。そして、ユーザが何れかのボタン画像を押下すると、その旨がタッチパネルを介して検出され、対応するパラメータのオン/オフ状態が切り替えられる。
また、318,320はパラメータ表示部であり、任意に割り当てられた合計「5」個のパラメータを円グラフ状の図形によって表示する。なお、パラメータ表示部318,320に割り当てられるパラメータは、対応するチャンネルにおいて連続的な「パラメータ値」を取るパラメータである。また、ユーザがパラメータ表示部318,320またはフェーダレベル表示部312を押下すると、当該表示部が選択状態になり(例えば反転表示され)、該擬似チャンネルストリップ画像330−1の直下に位置するノブ18に対応するパラメータが割り当てられる。これにより、ユーザは、ノブ18を操作することによって当該パラメータを操作することができる。
なお、右ディスプレイ54においても、残りのチャンネル(第9〜第16,第25〜第32入力チャンネル)について、上述したものと同様の画像が表示される。図20(a),(b)の状態の切替方法には様々な態様が可能であるが、例えばレイヤ選択部44,46(図6参照)を用いることができる。すなわち、レイヤ選択部44,46のうち、最後に操作された側が下レイヤ選択部44であれば下チャンネルストリップ群40が選択され図20(a)の画面が表示されるとともに、最後に操作された側が上レイヤ選択部46であれば上チャンネルストリップ群42が選択され図20(b)の画面が表示されるようにするとよい。
本動作モードにおいては、上下チャンネルストリップ群40,42上の実操作子を用いて設定可能なパラメータ、例えばフェーダレベルについても、左右ディスプレイ52,54上に表示されるが、このような表示を行う意義について、再び図6を参照し説明しておく。図6に示すサブ・コンソール1200においては、操作者が椅子に座って、下チャンネルストリップ群40を操作するために好適な姿勢を取ると、上チャンネルストリップ群42には手が届きにくくなるため、操作のために立ち上がる必要が生じる。そこで、上述したように、前パネル1202上のノブ18と、左右ディスプレイ52,54とによって上チャンネルストリップ群42の機能を代替できると、操作者は座ったままの姿勢で上チャンネルストリップ群42に係るチャンネルのパラメータを調整することが可能になる。
また、下チャンネルストリップ40−1上の電動フェーダ2と、上チャンネルストリップ42−1〜42−16上の電動フェーダ2とを音量バランスの調整などのために同時に操作しようとすると、双方の電動フェーダ2の間隔が離れているために、やや操作しづらくなる。その際、本動作モードを用いて、一方の電動フェーダ2と、ノブ18とを操作して音量バランスを調整できるようにすると、操作する二つの操作子の間隔を近づけることができる。
7.6.他の変形例
(1)上記実施例においては、一または複数のサブ・コンソール1200はメイン・コンソール1100に接続されるが、サブ・コンソール1200をIP網1000に接続し、メイン・コンソール1100とサブ・コンソール1200とがIP網1000を介して通信するようにしてもよい。かかる構成においては、サブ・コンソール1200をメイン・コンソール1100から離れた場所に容易に設置することができる。
(2)上記実施例におけるチャンネルストリップ群40,42は、何れも電動フェーダ2、CUEボタン6、fボタン8、SELボタン10およびオン/オフ・ボタン12が設けられている点で共通している。
しかし、チャンネルストリップは上述した実施例のものに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、電動フェーダ2に代えて、自動駆動できない単なるフェーダ(直線上の軌道に沿って移動操作が可能であり、対応するチャンネルの音声信号レベルを増減するもの)を採用してもよく、フェーダ以外の構成要素6,8,10,12は、無くても良い。
(3)上記実施例においては、サブ・コンソール1200のパラメータ領域52b,54bには、上下チャンネルストリップ群40,42のうち一方のパラメータのみを表示したが、パラメータ領域52b,54bに表示可能な場合には、上下チャンネルストリップ群40,42の双方のパラメータを表示するようにしてもよい。
(4)上記実施例においては、カレントデータ1150はメイン・コンソール1100に記憶され(図10参照)、サブ・コンソール1200は、信号処理パラメータとして、割り当てられた上下2レイヤに関係するパラメータ1252のみが記憶されていた。しかし、サブ・コンソール1200は、カレントデータ1150と同等のカレントデータを保持するようにしてもよい。この場合、コンソール1100,1200の何れかにおいてなんらかの信号処理パラメータが変更されると、その内容が直ちに他方に通知され、カレントデータとして同一の内容を保つようにするとよい。