JP5633140B2 - 音響パラメータの制御装置 - Google Patents

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この発明は、音響パラメータ値を設定するハードウェア操作子の分解能を変更することができる音響パラメータの制御装置に関する。
従来、多数のマイクロホンあるいは電気・電子楽器などから出力されるオーディオ信号のレベルや周波数特性を調整してミキシングし、パワーアンプに送り出すコンサートホール等で使用されるディジタルミキサが知られている。ディジタルミキサを操作するオペレータは、楽器の演奏音やボーカルの各オーディオ信号の音量や音色を、ディジタルミキサにおけるコンソールパネルに設けられた各種操作子を操作することにより、演奏を最もふさわしく表現していると思われる状態に調整している。ディジタルミキサは、入力信号系列として複数の入力チャンネルと該入力チャンネルから出力される信号をミキシングするバスと、ミキシングされた信号を出力する出力系列である出力チャンネルを備えている。各入力チャンネルはそれぞれ入力する信号の周波数特性やミキシングレベル等を制御して各ミキシングバスに出力し、各ミキシングバスはそれぞれ入力する信号をミキシングして対応する出力チャンネルに出力する。出力チャンネルからの出力は増幅されてスピーカ等から放音される。
従来のディジタルミキサにおいては、音響信号の音量レベル調整を行うために利用される操作子としてフェーダが設けられている。フェーダは手動あるいは電動で所定の範囲内を自在にスライド操作することが可能とされ、フェーダの摘み部分を操作することにより音量レベルなどの所定の各制御値を設定することができるようになっている。そして、設定された各制御値に基づいて各種信号制御が行われている。フェーダにおいては摘み部分をスライド操作することのできる範囲が決まっており、このフェーダの摘み部分を操作することが可能な範囲内の全てにわたって例えば+10dB〜−∞dBのように予め所定の設定値が対応付けられており、フェーダの操作範囲における分解能は固定されている。
特開2005−210163号公報
従来のディジタルミキサを使用する現場によって、フェーダのどの操作範囲のあたりに高い分解能を必要とするかが異なっている。例えば、音楽制作の現場においては、入力されるソースは或る程度のレベル合わせができており、フェーダを使って行う調整は詳細なレベルあわせとなる。そのためフェーダの摘みは0dB付近で操作されることが多く、0dB付近の操作範囲において高い分解能が必要とされる。また、コンサートやミュージカルの現場では、0dB付近で音量を調整したり、音量を−∞dBにしぼりきったり、フェーダの摘みを広い操作範囲においてスライドさせて使用することになる。その中でも、音量をしぼりきる場合においては滑らかに減衰させることが重視されることから、−∞dB付近の操作範囲において高い分解能が必要とされる。
いずれの場合においても、フェーダの分解能は固定されていることから、従来は細かい調整が必要となる操作範囲では、ユーザが手動でフェーダを細かく操作することにより微調整する必要があり、操作に手間がかかると云う問題点があった。
そこで、本発明は、どのような現場においても、現場にあわせた高い操作性を実現できる音響パラメータの制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の音響パラメータの制御装置は、操作範囲が一端から他端までの操作範囲とされている摘みを有し、前記摘みの位置に対応する音響パラメータ値に設定可能な複数の操作子と、前記摘みの位置に対応する音響パラメータ値が示される操作カーブが複数記憶されている記憶手段と、前記複数の操作カーブの内の1つを選択する選択手段と、前記操作子における摘みの操作を検出する検出手段と、前記選択手段において前記複数の操作カーブの内の1つが選択された時に、選択された前記操作カーブに基づいて、前記操作子における摘みの位置と現在の設定値とが対応するように、前記摘みの位置を調整する調整手段と、前記検出手段が前記操作子における摘みの操作を検出した際に、前記摘みの操作量に対応する音響パラメータ値の調整量を、前記選択手段において選択中の前記操作カーブに基づいて決定し、決定した調整量に基づいて音響パラメータ値を更新する更新手段とを備えることを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、複数の操作カーブの内の1つを選択して、操作子における摘みの操作を検出した際に、摘みの操作量に対応する音響パラメータ値の調整量を操作カーブに基づいて決定するようにしたので、どのような現場においても、現場にあわせた高い操作性を実現することができる。
本発明の実施例の音響パラメータの制御装置が適用されるディジタルミキサの構成を示すブロック図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置が適用されるディジタルミキサの等価的な機能ブロック図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置が適用されるディジタルミキサのコンソールパネルの構成を示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置が適用されるディジタルミキサのコンソールパネルにおけるCHフェーダを拡大して示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置に設定されるパラメータテーブルの一例を示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置において設定されるフェーダカーブの一例を示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置において設定されるフェーダカーブの他の例を示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置において設定されるフェーダカーブのさらに他の例を示す図である。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置において実行されるフェーダカーブの設定処理のフローチャートである。 本発明にかかる音響パラメータの制御装置において実行されるフェーダの操作処理のフローチャートである。
本発明の実施例の音響パラメータの制御装置が適用されるディジタルミキサの構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示すディジタルミキサ1は、ディジタルミキサ1の全体の動作を制御すると共に、コンソールパネルに設けられているフェーダ等の各種操作子の操作に応じた制御信号を生成しているCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10が実行するミキシング制御プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている書き換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ11と、CPU10のワークエリアや各種データ等が記憶されるRAM(Random Access Memory)12を備えている。このように、フラッシュメモリ11に動作ソフトウェアを格納することにより、フラッシュメモリ11内の動作ソフトウェアを書き換えることで、動作ソフトウェアをバージョンアップすることができる。また、ディジタルレコーダ等のその他の機器は、入出力インタフェースであるその他I/O13を介してディジタルミキサ1に接続される。
表示器14は、各チャンネルのパラメータを設定する設定画面等を表示するタッチパネルとされた液晶表示器とされている。電動フェーダ15は、入力チャンネルの信号あるいは出力チャンネルの音響信号のレベルを調整するフェーダであり、手動および電動によりレベル調整することができる。操作子16は、パネルに設けられているスイッチやノブ等の各種操作子や、タッチパネルとされている表示器14のタッチスイッチ等である。CPU10は、操作子16を走査することによってスイッチやノブあるいはタッチパネルのイベントを検出して、イベントのあった操作子16に対応するイベントを検出している。ディジタルミキサ1における全ての入力と全ての出力は波形I/O(波形データインタフェース)17により行われる。この波形I/O17は、アナログ信号が入力される複数のA入力ポートと、アナログ信号が出力される複数のA出力ポートと、外部からディジタル信号を入力すると共に外部へディジタル信号を出力する双方向とされている複数のD入力/D出力ポートとを備えている。
また、信号処理部(DSP)18は多数のDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成されており、CPU10の制御の元でミキシング処理やエフェクト処理などを行っている。RAM12には、このミキシング処理やエフェクト処理を制御するための各種パラメータの、信号処理部18に設定されている現在値を記憶しているカレントメモリの領域がある。CPU10は、電動フェーダ15や操作子16の操作に応じてRAM12のカレントメモリの領域に記憶しているパラメータの現在値を変更する。当該変更が行われた時には、変更後の現在値を信号処理部18へ新たに設定することによって、信号処理部18が行うミキシング処理やエフェクト処理の係数やアルゴリズムを制御する。なお、ディジタルミキサ1の各部はコントロールバス、アドレスバスおよびデータバスからなる通信バス19により相互にデータの授受を行っている。
次に、本発明にかかる図1に示す構成のディジタルミキサ1における信号処理部18および波形I/O17の等価的な機能ブロック図を図2に示す。
図2において、複数のアナログ入力ポート(A入力)20に入力された複数のアナログ信号は、波形I/O17に内蔵されているAD変換器によりディジタル信号に変換されて入力パッチ22に入力される。また、複数のディジタル入力ポート(D入力)21に入力された複数のディジタル信号は、そのまま入力パッチ22に入力される。入力パッチ22では、信号の入力元である複数の入力ポートの何れか1つの入力ポートを、例えば48チャンネルとされる複数の入力ch部23の各入力チャンネル毎に選択的にパッチ(結線)することができ、各入力チャンネルには、入力パッチ22でパッチされた入力ポートからの信号が供給される。
入力ch部23における各入力チャンネルには、リミッタ、コンプレッサ、イコライザやディレイ等の信号処理部と、フェーダ23aと、CHオンスイッチと、ミキシング(MIX)バスへの送り出しレベルを調整するセンド調整部が備えられており、これらの入力チャンネルにおいて、周波数バランスやレベル制御およびMIXバスへの送出レベルが調整される。入力ch部23から出力される48チャンネルのディジタル信号は、それぞれMIX1〜24の24本のMIXバス24の1ないし複数に選択的に出力される。MIXバス24においては、24本の各バスにおいて、48入力チャンネルのうちの任意の入力チャンネルから選択的に入力された1ないし複数のディジタル信号がミキシングされて、合計24チャンネルのミキシング出力がMIX出力ch部25に出力される。これにより、24通りにミキシングされた24チャンネルのミキシング出力を得ることができる。
MIX出力ch部25における各出力チャンネルには、リミッタ、コンプレッサ、イコライザ、フェーダ25aが備えられており、これらの出力チャンネルにおいて、周波数バランスやレベル調整および出力パッチ26へ送出されるレベルが制御される。出力パッチ26では、信号の入力元であるMIX出力ch部25からの24チャンネルのミキシング信号の何れか1つの出力チャンネルを、アナログ出力ポート部(A出力)27やディジタル出力ポート部(D出力)28の各出力ポート毎に選択的にパッチ(結線)することができ、各出力ポートには、出力パッチ26でパッチされた出力チャンネルからの信号が供給される。
また、複数のアナログ出力ポートを備えるアナログ出力ポート部(A出力)27へ供給されたディジタル出力信号は、波形I/O17に内蔵されているDA変換器によりアナログ出力信号に変換されてアナログ出力ポートから出力される。そして、アナログ出力ポート部(A出力)27から出力されるアナログ出力信号は、増幅されてメインのスピーカから放音される。さらに、このアナログ出力信号は出演者が耳に装着するインイヤーモニタに供給されたり、その出演者の近傍に置かれたステージモニタスピーカで再生される。また、複数のディジタル出力ポートを備えるディジタル出力ポート部(D出力)28から出力されるディジタルオーディオ信号は、レコーダや外部接続されたDAT等に供給されてディジタル録音することができるようにされている。
本発明にかかるディジタルミキサ1におけるコンソールパネルの構成を図3に示す。
図3に示すようにコンソールパネルには、紙面の右側の上部にタッチパネルとされている表示器14が設けられ、表示器14の下に割当型ストリップ部42が設けられている。また、パネルの左半分の上側にはチャンネルストリップ部(上段)40が設けられ、その下側にチャンネルストリップ部(下段)41が設けられている。チャンネルストリップ部(上段)40とチャンネルストリップ部(下段)41とは、例えばそれぞれ12本ずつチャンネルストリップが設けられており、図示しないレイヤースイッチで選択された入力チャンネルが12チャンネルずつ割り当てられる。チャンネルストリップ部(上段)40とチャンネルストリップ部(下段)41における各チャンネルストリップには、当該チャンネルストリップに割り当てられた入力チャンネルのボリュームを設定できるフェーダ43と、チャンネル番号やチャンネル名が表示される表示部と、その入力チャンネルを選択するSELスイッチおよびチャンネルをオン/オフするCHオンスイッチとが設けられている。割当型ストリップ部42は、横一列に並べて配置された主要なパラメータを制御することのできる16本のストリップ部からなり、割当型ストリップ部42には、入力チャンネルが16チャンネルを割当単位として割り当てることができると共に、チャンネルのグループを割り当てることができるようにされている。割当型ストリップ部42における各ストリップ部には割り当てられた入力チャンネルあるいはグループのボリュームを設定できるフェーダ43と、チャンネル/グループ番号やチャンネル/グループ名が表示される表示部と、割り当てられたチャンネルあるいはグループを選択するSELスイッチおよびオン/オフするONスイッチとパラメータを設定するノブとが設けられている。
フェーダ43は本発明にかかる音響パラメータの制御装置とされており、図1に示すディジタルミキサ1の電動フェーダ15により実現されている。チャンネルストリップ部(上段)40、チャンネルストリップ部(下段)41、割当型ストリップ部42に入力チャンネルが割り当てられた場合、各チャンネルストリップにおけるフェーダ43は入力ch部23におけるフェーダ23aとして機能し、出力チャンネルが割り当てられた場合、各チャンネルストリップにおけるフェーダ43は出力ch部25におけるフェーダ25aとして機能する。
このフェーダ43のコンソールパネル上の構成を拡大して図4に示す。図4に示すように、フェーダ43はフェーダ摘み43aを備えており、フェーダ摘み43aを把持して縦方向に設けられている溝内を上下にスライド可能とされている。フェーダ摘み43aの操作範囲は溝の上端から下端までの操作範囲とされている。また、溝に沿ってフェーダ摘み43aの操作位置を示す目盛り43bが設けられており、例えば目盛り43bの上限は+10dBとされ、+5dB、0dB、−5dB、−10dB、−20dB、−30dB、−40db、−58dB、−60dBおよび下限とされる−∞dBの目盛り43bが付されている。フェーダ43において、フェーダ摘み43aをオペレータが把持してスライドさせると、スライドさせたフェーダ摘み43aの位置に対応する音響パラメータ値に設定することができる。
本発明にかかる音響パラメータの制御装置においては、フェーダ摘み43aの操作位置と、当該フェーダ摘み43aの操作(位置)から決まる音響パラメータ値(音響パラメータの設定値)との対応関係を操作カーブ(以下、「フェーダカーブ」という)としてあらわしている。このフェーダカーブはパラメータテーブルあるいは関数式として複数種類のフェーダカーブがフラッシュメモリ11に記憶されている。
図5にフェーダ摘み43aの操作範囲を1024ステップに分割した際の各ステップの位置(フェーダ摘み43aの位置)と設定値との対応関係をパラメータテーブルで表したフェーダカーブの一例を示す。このフェーダカーブでは、ステップ1の設定レベルはパラメータ値を絞りきった−∞dBとされ、ステップ100の設定レベルは約−64.80dB、ステップ200の設定レベルは約−44.80dB、ステップ300の設定レベルは約−32.80dB、ステップ400の設定レベルは約−22.80dB、ステップ500の設定レベルは約−16.20dB、ステップ600の設定レベルは約−11.20dB、ステップ700の設定レベルは約−6.20dB、ステップ800の設定レベルは約−1.20dBとされ、ステップ824の設定レベルが約±0.00dBのフェーダ摘み43aの設定基準位置を示すノミナル値とされ、ステップ1024の設定レベルはパラメータ値を上げきった約+10.00dBの最大レベルとされる。このパラメータテーブルのフェーダカーブを用いて、スライドさせたフェーダ摘み43aの位置に対応する音響パラメータ値を決定することができる。なお、図5では省略しているが、フェーダ摘み43aが移動できる全ステップ(フェーダ摘み43aの操作範囲内の全ステップ)にわたって、1ステップ毎の設定値がパラメータテーブルに規定されている。
ここで、図5に示すパラメータテーブルのフェーダカーブを表したグラフを図6に示す。図6に示すフェーダカーブは、平均的、一般的、基準となるデフォルトの図4に示す目盛り43bの通りに分解能を分布させたフェーダカーブ(多くのディジタルミキサで採用されている分解能の分布)とされている。図6において、縦軸はステップで表したフェーダ摘み43aの位置とされ、横軸はフェーダ43の設定値[dB]とされている。図6のグラフを参照すると、ステップ1024〜約ステップ500ステップ付近までの位置に対する設定値の分解能は高くされているが、約ステップ500以下となるにつれて分解能は次第に低くなっていき約ステップ100以下の位置に対する設定値の分解能は低くなっている。すなわち、設定値が+10〜約−15dBに対するフェーダ摘み43aの位置に対する設定値の分解能が高くされて、0dB付近において詳細なレベルあわせを容易に行うことができる。
ところで、音楽制作の現場においては、波形I/O17に入力されるソースは或る程度のレベル合わせができており、フェーダ43を使って行う調整は詳細なレベルあわせとなる。そのためフェーダ43の摘みは0dB付近で操作されることが多く、0dB付近の操作範囲において高い分解能が必要とされる。また、コンサートやミュージカルの現場では、0dB付近で音量を調整したり、音量を−∞dBにしぼりきったり、フェーダの摘みを広い操作範囲においてスライドさせて使用することになる。その中でも、音量をしぼりきる場合においては滑らかに減衰させることが重視されることから、−∞dB付近の操作範囲において高い分解能が必要とされる。
そこで、本発明にかかる音響パラメータの制御装置においては、フェーダカーブは複数種類のフェーダカーブが用意されてフラッシュメモリ11に記憶されており、0dB付近の操作範囲において高い分解能とされたフェーダカーブや−∞dB付近の操作範囲において高い分解能とされたフェーダカーブが用意されている。オペレータは、コンソールパネル上に設けられた図示しない選択スイッチを操作して、複数種類のフェーダカーブの内のいずれかのフェーダカーブを選択して使用することができる。
図6に示すフェーダカーブとは異なるフェーダカーブのグラフを図7に示す。図7に示すフェーダカーブは、ノミナル値(0dB)付近の設定値の調整のために、該当するフェーダ摘みの操作範囲を、図6に示す一般的なフェーダカーブよりも広く確保したフェーダカーブとされている。図7に示すフェーダカーブでは、ステップ1024〜約ステップ450付近までのフェーダ位置の分解能はかなり高くされているが、約ステップ350以下となるにつれてフェーダ位置の分解能は次第に低くなっていき約ステップ100以下のフェーダ位置の分解能は非常に低くなっている。すなわち、設定値が+10〜約−10dBの0dB付近のフェーダ43の操作範囲において高い分解能とされて、0dB付近において詳細なレベルあわせをさらに容易に行うことができる。ただし、ノミナル値(0dB)のフェーダ位置は図6に示すフェーダカーブと同様にステップ824とされていると共に、設定値の上限値および下限値も+10dB〜−∞dBと同じとされている。
さらに、図6に示すフェーダカーブとはさらに異なるフェーダカーブのグラフを図8に示す。図8に示すフェーダカーブは、下限位置(−∞)付近の設定値の調整のために、該当するフェーダ摘みの操作範囲を、図6に示す一般的なフェーダカーブよりも広く確保したフェーダカーブとされている。図8に示すグラフのフェーダカーブでは、ステップ1024〜約ステップ500付近までのフェーダ位置の分解能が低くされているが、約ステップ400以下となるにつれてフェーダ位置の分解能が次第に高くされている。すなわち、設定値が約−80dB以下のフェーダ43を絞った操作範囲において高い分解能とされて、音量をしぼりきる場合に滑らかに減衰させることができるようになる。ただし、ノミナル値(0dB)のフェーダ位置は図6に示すフェーダカーブと同様にステップ824とされていると共に、設定値の上限値および下限値も+10dB〜−∞dBと同じとされている。
本発明にかかる音響パラメータの制御装置においては、図3に示すチャンネルストリップ部(上段)40、チャンネルストリップ部(下段)41、割当型ストリップ部42毎に所望のフェーダカーブをフェーダ43に割り当てることができる。また、全てのストリップ部におけるフェーダ43に共通するフェーダカーブを一括して割り当てたり、フェーダ43毎に異なるフェーダカーブを割り当てることもできるようにされている。そして、新たなフェーダカーブが選択されたときに本発明にかかる音響パラメータの制御装置において実行されるフェーダカーブの設定処理のフローチャートを図9に示す。なお、フェーダカーブの選択(変更指示)は表示器14に表示される図示しないフェーダカーブ選択画面で行う。
新たなフェーダカーブが選択されて、図9に示すフェーダカーブの設定処理がスタートされると、ステップS10にて選択されたフェーダカーブのパラメータテーブルあるいは関数式をフラッシュメモリ11から読み出して、フェーダ43の分解能を決めるフェーダカーブとして使用するようRAM12上のカレントメモリに設定する。次いで、ステップS11にて現在の設定値に該当するフェーダ摘み43aの位置を新たなフェーダカーブで確認し、現在の設定値の位置へフェーダ摘み43aを自動的に移動させる。ステップS11の処理が終了するとフェーダカーブの設定処理は終了する。
なお、ステップS11にて移動するフェーダ摘み43aは、新たにフェーダカーブが割り当てられたストリップ部におけるフェーダ43に限られることはいうまでもない。例えば、一括してチャンネルストリップ部(上段)40、チャンネルストリップ部(下段)41、割当型ストリップ部42に新たなフェーダカーブが割り当てられた場合は、これらのストリップ部の全てのフェーダ43におけるフェーダ摘み43aが新たなフェーダカーブに応じて移動することになる。フェーダカーブの設定処理は、ストリップ部40,41,42に属する全てのフェーダ43が実行対象とされる。
次に、フェーダ43が操作された際に起動するフェーダの操作処理のフローチャートを図10に示す。
いずれかのフェーダ43が操作されると、図10に示すフェーダの操作処理がスタートされ、ステップS20にて操作されたフェーダ43に割り当てられているカレントメモリ上のフェーダカーブを参照して、操作後のフェーダ摘み43aの位置に該当する設定値が確認される。次いで、確認された設定値を操作されたフェーダ43にアサインされているチャンネルの新たな音響パラメータ値としてステップS21にてセットする。この場合、ステップS20で確認された設定値を、今回の操作対象であるフェーダ43にアサインされているチャンネルの音響パラメータの新たな現在値とし、当該確認された設定値を新たな現在値としてカレントメモリ中の該当する音響パラメータ値へ上書きし、当該上書き後のカレントメモリの音響パラメータ値を信号処理部(DSP)18へ反映させる。ステップS21の処理が終了するとフェーダの操作処理は終了する。
なお、ディジタルミキサ1においては、コンソールパネルに設けられているフェーダ43、ノブやスイッチ等の操作子により設定されたチャンネル毎の信号処理用のパラメータおよび割り当てられたフェーダカーブからなるパラメータセットはカレントメモリに格納される。このカレントメモリ上のパラメータセットを、シーンとしてシーンメモリにストアすることができる。シーンの各々にはシーン番号が付与されてストアされ、シーン番号を指定してリコール操作することにより、指定されたシーン番号のシーンが読み出され、そのシーンに応じたフェーダカーブを含む設定状態がディジタルミキサ1で再現されるようになる。これにより、一度設定した会議室、宴会場、ミニシアターや多目的ホールまでの様々なシーンを再現することができるようになる。
以上説明した本発明において、フェーダカーブは設定値そのものを記述する絶対値表記に限らず、ステップ位置と操作量に応じた調整量(パラメータ値の増減分の値)との対応関係を規定している相対値表記であってもよい。また、フェーダはスライド型に限らず、回転型であってもよく、設定値の上限と下限との操作範囲が限られている操作子であればよい。
また、新たなフェーダカーブが選択された時に、現在の設定値に該当するフェーダ摘みの位置を新たなフェーダカーブで確認し、現在の設定値の位置へフェーダ摘みを自動的に移動させるようにしたが、これに替えて、現在のフェーダ摘みの位置に該当する設定値を新たなフェーダカーブで確認し、現在のフェーダ摘みの位置の設定値に自動的に変更するようにしても良い。
なお、ディジタルミキサにおけるチャンネルストリップ部には、入力チャンネルや出力チャンネルを割り当てることができる。また、割当型ストリップ部には入力チャンネルやグループを割り当てられるが、出力チャンネルを割り当てるようにしても良い。出力チャンネルを、チャンネルストリップ部あるいは割当型ストリップ部に割り当てた場合は、入力チャンネルに行えた操作と同様の操作を出力チャンネルに対して行えるようになる。
また、チャンネルストリップ部は12本ずつのチャンネルストリップを2段に設けていたが、任意の本数のチャンネルストリップを2段に設けるようにしても良い。また、割当型ストリップ部に設けられているストリップ部の本数も任意の本数とすることができる。
1 ディジタルミキサ、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、13 その他I/O、14 表示器、15 電動フェーダ、16 操作子、17 波形I/O、18 信号処理部、19 通信バス、20 A入力、21 D入力、22 入力パッチ、23 入力ch部、23a フェーダ、24 MIXバス、25 MIX出力ch部、25a フェーダ、26 出力パッチ、27 A出力、28 D出力、40 チャンネルストリップ部(上段)、41 チャンネルストリップ部(下段)、42 割当型ストリップ部、43 フェーダ、43a フェーダ摘み、43b 目盛り

Claims (3)

  1. 操作範囲が一端から他端までの操作範囲とされている摘みを有し、前記摘みの位置に対応する音響パラメータ値に設定可能な複数の操作子と、
    前記摘みの位置に対応する音響パラメータ値が示される操作カーブが複数記憶されている記憶手段と、
    前記複数の操作カーブの内の1つを選択する選択手段と、
    前記操作子における摘みの操作を検出する検出手段と、
    前記選択手段において前記複数の操作カーブの内の1つが選択された時に、選択された前記操作カーブに基づいて、前記操作子における摘みの位置と現在の設定値とが対応するように、前記摘みの位置を調整する調整手段と、
    前記検出手段が前記操作子における摘みの操作を検出した際に、前記摘みの操作量に対応する音響パラメータ値の調整量を、前記選択手段において選択中の前記操作カーブに基づいて決定し、決定した調整量に基づいて音響パラメータ値を更新する更新手段と、
    を備えることを特徴とする音響パラメータの制御装置。
  2. 前記複数の操作カーブでは、前記操作子における摘みの位置を示すステップ数と、設定される音響パラメータ値の上限値および下限値とが同じ値とされることを特徴とする請求項1記載の音響パラメータの制御装置。
  3. 前記操作子における摘みの設定基準位置を示すステップ数が、前記複数の操作カーブにおいてほぼ同じとされることを特徴とする請求項1記載の音響パラメータの制御装置。
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