JP5178670B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、交流電源に接続されてその電源電流を制御する電力変換装置に関する。
交流電源から直流電源を得たり、系統の電力を安定化したり、あるいは系統の高調波電流を補償したりするためには、それぞれ電源電流の制御が必要である。このような電源電流を制御する一般的な手法として、電源にリアクトルなどの入力フィルタを介してインバータを接続し、電源電流が所望の値に制御されるようにインバータの出力電圧を調整する手法がある。
しかしながら、電源電流はインバータの出力電圧と電源電圧の差を入力フィルタのインピーダンスで除した値となるので、電流制御で応答できない周波数の外乱、例えば不平衡電圧や高調波電圧などが電源電圧に含まれる場合は、電源電流を所望の値に制御することが困難である。
そこで、従来技術では、電源電圧と電源電流をそれぞれ検出し、検出した電源電流と電流指令とに基づいて電源電流補正用の補正電圧指令を作成し、この補正電圧指令を検出した電源電圧に加算し、これを上記インバータに対して電圧指令として与えることにより、インバータの出力電圧を調整して電源電流を制御するようにしたものが提案されている(例えば、下記の特許文献1、特許文献2等を参照)。
特公平4−19796号公報 特開平7−123726号公報
このように、特許文献1や特許文献2記載の従来技術では、電源電圧を検出し、この検出した電源電圧と電源電流補正用の補正電圧指令とを加算してインバータの出力電圧を調整することにより、電源電圧の外乱の影響を低減するようにしているものの、電源電圧の検出にはサンプリングによる遅れが伴うため、この遅延によって外乱の影響が大きくなる。特に、電力変換装置を低コスト化するために安価なマイクロコンピュータを用いる場合には、サンプリング周波数がより遅くなるので、外乱の影響はより一層大きなものとなる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電源電圧を検出し、その検出出力に基づいて電源電流の制御を行う場合に、電源電圧の検出においてサンプリングなどによる遅れが伴う場合にも、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響を有効に低減できて精度良く電源電流制御を行うことが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明の電力変換装置は、交流電源に入力フィルタを介して接続され、上記交流電源の電源電流が所望の値に制御されるように電圧指令に基づいて上記入力フィルタ側への出力電圧を調整するインバータと、上記交流電源の電源電圧を検出する電圧検出手段と、上記電圧検出手段で検出される電源電圧に対してフィルタ処理を行うフィルタ手段と、上記交流電源から上記入力フィルタを経由して上記インバータへ流れる電源電流を検出する電流検出手段と、上記フィルタ手段でフィルタ処理されて出力された電源電圧と上記電流検出手段で検出された電源電流とに基づいて上記電圧指令を演算する制御手段とを備え、上記フィルタ手段は、上記電圧検出手段で検出された電源電圧の連続した値に対して、時間の正順と逆順にそれぞれ同じフィルタ処理を行った結果の平均値を演算して出力するものであり、上記制御手段は、上記フィルタ手段でフィルタ処理された後の電源電圧の少なくとも半周期前の値を用いて上記電圧指令を演算するものである、ことを特徴としている。
本発明の電力変換装置によれば、電源電圧を検出し、その検出出力に基づいて電源電流の制御を行う場合に、電源電圧の少なくとも半周期前の値を用いて電圧指令を演算しているので、電源電圧の検出においてサンプリングなどによる遅れが伴う場合にも、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響を低減することができる。これにより、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響を有効に低減して精度良い電源電流制御が可能な電力変換装置を提供することが可能となる。しかも、本発明では、制御手段で電源電圧の少なくとも半周期前の値を用いて電圧指令を演算する前に、フィルタ手段によって電圧検出手段で検出された電源電圧の連続した値に対して、時間の正順と逆順にそれぞれ同じフィルタ処理を行った結果の平均値を演算して出力するようにしているので、電圧検出手段で検出される電源電圧に、インバータが出力しないような高い周波数の高調波成分や、リアクトルとコンデンサの共振成分のような不要な高調波成分が含まれており、かつ、必要な周波数成分が複数ある場合でも、必要な複数の周波数成分を遅らせることなく、不要な高調波成分のみを減衰することができるので、より一層精度良い電源電流制御が可能となる。
本発明の実施の形態1における電力変換装置の構成を示すブロック図である。 同装置における電源電圧検出時のサンプリング動作に伴う遅延発生の説明図である。 同装置の動作説明に供する波形図で、同図(a)は本発明の適用前、同図(b)は本発明の適用後の状態をそれぞれ示している。 同装置において、電源電圧検出時の遅延補償器の遅延補償動作の説明に供する波形図である。 本発明の実施の形態2における電力変換装置の構成を示すブロック図である。 同装置の第1フィルタ手段の動作説明に供する波形図で、同図(a)は本発明の適用前、同図(b)は本発明の適用後の状態をそれぞれ示している。 本発明の実施の形態3における電力変換装置の構成を示すブロック図である。 同装置の第2フィルタ手段の動作説明に供する波形図で、同図(a)は本発明の適用前、同図(b)は本発明の適用後の状態をそれぞれ示している。 本発明の実施の形態4における電力変換装置の構成を示すブロック図である。 同装置の第3フィルタ手段の動作説明に供する波形図で、同図(a)は本発明の適用前、同図(b)は本発明の適用後の状態をそれぞれ示している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電力変換装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態1の電力変換装置は、交流電源1に入力フィルタ2を介してインバータ3が接続されている。また、入力フィルタ2の入力側には交流電源1の電圧である電源電圧を検出する電圧検出手段4が、また、入力フィルタ2の出力側には入力フィルタ2を経由して流れる電源電流を検出する電流検出手段5が、それぞれ設けられている。さらに、この実施の形態1では、電圧検出手段4で検出された電源電圧と電流検出手段5で検出された電源電流とに基づいてインバータ3に与える電圧指令を演算する制御手段6を備えている。
ここに、入力フィルタ2は、この実施の形態1ではリアクトルが採用されている。ただし、これに限らず、リアクトルLやコンデンサCを組み合わせた、例えばLCフィルタやLCLフィルタなどを適用することもできる。
インバータ3は、電源電流が所望の値に制御されるように制御手段6から与えられる電圧指令に基づいて入力フィルタ2側への出力電圧を調整するものであって、制御手段6から与えられる電圧指令viu*,viv*,viw*に基づいて三相電圧を出力する。
電圧検出手段4は、例えば変成器等からなるもので、交流電源の電源電圧である各相電圧vsu,vsv,vswを検出する。
電流検出手段5は、入力フィルタ2を経由して流れる電源電流である三相分の各相電流iu,iv,iwを検出する。なお、ここでは、電源電流として三相とも検出しているが、これに限らず、例えば二相分を検出して三相電流の和がゼロであることを利用して三相電流を求めてもよいし、インバータ3の母線電流や、インバータ3を構成するスイッチング素子に流れる電流とスイッチングの状態から三相電流を再生してもよい。
制御手段6は、例えばA/Dコンバータ、D/Aコンバータ、メモリ、CPU等を含むマイクロコンピュータで構成されており、所定の制御プログラムがインストールされることにより、位相検出器7、三相・二相変換器8、座標変換器A9、減算器18,19、d軸電流制御器10、q軸電流制御器11、座標変換器B12、二相・三相変換器13、加算手段としての加算器21〜23、および遅延補償器14が構成されている。
そして、上記の位相検出器7、三相・二相変換器8、座標変換器A9、減算器18,19、d軸電流制御器10、q軸電流制御器11、座標変換器B12、および二相・三相変換器13によって特許請求の範囲における補正電圧指令作成手段が構成されている。
ここに、位相検出器7は、三相の電源電圧vsu,vsv,vswから電源電圧の位相θsを演算する。三相・二相変換器8は、三相電流iu,iv,iwを静止二軸座標上の電流値iα、iβに変換する。座標変換器A9は、静止二軸座標上の電流値iα,iβを電源電圧の位相θsに同期した回転座標上の電流値id,iqに変換する。
一方の減算器18は、d軸電流指令id*とd軸電流idとの誤差を算出する。他方の減算器19は、q軸電流指令iq*とq軸電流iqとの誤差を算出する。d軸電流制御器10は、一方の減算器18で得られるd軸電流指令id*とd軸電流idとの誤差を比例積分制御してd軸電圧指令vid*を演算する。また、q軸電流制御器11は、他方の減算器19で得られるq軸電流指令iq*とq軸電流iqとの誤差を比例積分制御してq軸電圧指令viq*を演算する。
座標変換器B12は、位相検出器7で検出された電源電圧の位相θsを用いて回転座標上の電圧指令vid*,viq*を静止二軸座標上の電圧指令viα*,viβ*に変換する。二相・三相変換器13は、静止二軸座標上の電圧指令viα*,viβ*を、三相電圧指令値viu*’,viv*’,viw*’に変換し、これを電源電流補正用の補正電圧指令として次段の各加算器21〜23に出力する。
一方、遅延補償器14は、特許請求の範囲における電源電圧遅延補償手段に相当するもので、電圧検出手段4で検出された各相の電源電圧vsu,vsv,vswをサンプリングした後の少なくとも1周期Tv分の波形を連続して記憶することができる図示しないメモリ等を備えている。そして、この遅延補償器14は、サンプリング後にメモリに記憶された各相の電源電圧の値に対応した値をもつ1周期Tv前の電源電圧を調べ、これから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた電源電圧の値を現時点の電源電圧として採用してサンプリングに伴う電源電圧の遅延分の補償を行い、遅延補償後の電源電圧vsuf,vsvf,vswfを出力する。なお、この遅延補償器14の動作については、後でさらに詳しく説明する。
そして、各加算器21〜23は、二相・三相変換器13から出力される電源電流補正用の補正電圧指令viu*’,viv*’,viw*’と、遅延補償器14で遅延補償された電源電圧vsuf,vsvf,vswfとを加算し、これを電圧指令viu*,viv*,viw*としてインバータ3に出力する。
次に、従来技術と本発明との相違点について、詳しく説明する。なお、以下において、交流電源1の電源電圧を総称するときには符号Vs、電圧検出手段4で検出された各相電圧vsu,vsv,vswを総称するときには符号Vsd、制御手段6でサンプリングされた後の各相電圧を総称するときには符号Vss、遅延補償器14で遅延補償後の各相の電源電圧vsuf,vsvf,vswfを総称するときにはVsf、入力フィルタ2を通過する各相の電源電流を総称するときにはIsでそれぞれ表記する。
図2に示すように、電圧検出手段4で検出して得られた電源電圧Vsdをサンプリングして制御手段6に取り込む際には、サンプリングや通信時間などによる遅れが生じる。例えば、サンプリング周期をTsとしたとき、制御手段6に入力される電源電圧Vsd(図中、一点鎖線で示す)がサンプリング周期Tsでサンプリングされると、サンプリング後の電源電圧Vss(図中、実線で示す)は、入力される電源電圧Vsdよりサンプリング周期Ts分だけ遅れる。
従来技術では、本発明のような遅延補償器14による処理をすることなく、交流電源1の電源電圧を電圧検出手段4で検出した後にサンプリングして得られた電源電圧Vssを、単純に電流指令により作成した補正電圧指令viu*’,viv*’,viw*’にそのまま加算してインバータ3に電圧指令値viu*,viv*,viw*として出力している。
この結果、従来技術では、図3(a)に示すように、入力フィルタ2を通過して流れる電源電流Isには、電源電圧Vsに含まれる高調波の影響を受けて信号歪みが発生する。つまり、電源電流Isは、電源電圧Vsとインバータ3の出力電圧Viとの差に基づいて制御されるが、サンプリング後の電源電圧Vssに遅延の影響があると、その影響が電源電流制御に影響し、特に電源電圧Vsに高調波が含まれるとインバータ3で精度良く電源電流Isを制御することが難しくなり、電源電流Isに信号歪みが発生する。
これに対して、この実施の形態1では、交流電源1の電源電圧Vsを電圧検出手段4で検出した電源電圧Vsdをサンプリングし、これにより得られた電源電圧Vssについて、次の演算処理を行う。
電源電圧Vsの波形は、その外乱の有無にかかわらず数周期から数十周期の間は略一定であると推定できるので、電源電圧Vsの1周期Tv前後の値は等しいと見なすことが可能である。そこで、遅延補償器14は、制御手段6にサンプリングして取り込まれた電源電圧Vssについて、現在時点からその1周期Tv前の値を調べ、これから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた電源電圧の値を現時点の電源電圧の値と見なして採用する。
例えば、図4において、電圧検出手段4で検出して得られる電源電圧Vsd(図中破線で示す)に対して、制御手段6によりサンプリングして得られる電源電圧Vss(図中実線で示す)は、サンプリング周期Ts分だけ遅れている。これは図2に示した通りである。そこで、遅延補償器14は、サンプリング後に図示しないメモリに記憶されている電源電圧Vssについて、次の処理を行う。
いま、現時点をt1とすると、これから1周期Tv前の時点t2の電源電圧Vssを調べ、この電源電圧Vssから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた符号p2で示す位置の電源電圧を現時点の電源電圧の値と見なして採用する。これは、現時点t1において電圧検出手段4で検出された符号p1で示す位置の電源電圧Vsdに対応しているので、これにより、サンプリングに伴う電源電圧の遅延分が補償されることになる。
このようにすれば、遅延補償器14から出力される電源電圧Vsf(vsuf,vsvf,vswf)は、サンプリングなどによる遅れの影響を受けなくなるため、図3(b)に示すように、電源電圧Vsに高調波を含む場合でも電源電流Isの信号歪みが解消されて正弦波に制御することができる。このため、電圧検出手段4で検出される電源電圧Vsdを用いて電流制御を精度良く行うことができる。
以上のように、この実施の形態1による電力変換装置は、電源電圧を検出し、その検出出力に基づいて電源電流の制御を行う場合に、電源電圧の検出に際してサンプリングなどによる遅れが伴う場合にも、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響を低減することができる。
なお、この実施の形態1では、遅延補償器14において、上記のようにサンプリング後の電源電圧Vssについて、現在時点t1からその1周期Tv前の値を調べ、これから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた電源電圧の値を現時点の電源電圧の値と見なして採用することで遅延補償を行っているが、電源電圧Vsd、Vssの波形は、半周期対称の場合が多いので、N/2周期前(Nは1以上の整数)の値を調べ、これから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた電源電圧の値(図4では例えば符号p3で示す値)をレベル反転した値を現時点の電源電圧の値と見なして採用することも可能である。また、このようにして、N/2周期前の値からそれぞれ1サンプリング周期Ts分だけ遅れた複数の電源電圧を選んでそれらを平均化した値を用いることも可能である。
また、ここでは、サンプリングに伴う遅延補償のみについて説明したが、さらに通信の遅れを伴う場合には、その通信の遅れを考慮し、現時点から1周期Tv前の時点の電源電圧を調べ、この電源電圧から1サンプリング周期Tsおよび通信の遅れを考慮した分だけ遅れた位置の電源電圧を現時点の電源電圧の値と見なして採用することで、サンプリングに伴う遅延および通信の遅れを考慮した遅延補償を行うことができる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2における電力変換装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態2の特徴は、遅延補償器14の前段に電圧検出手段4で検出後にサンプリングされた電源電圧Vssの周期的な値に対してフィルタ処理を行う第1フィルタ手段15が設けられていることである。この場合の第1フィルタ手段15は、サンプリングされた電源電圧Vssの少なくとも1周期Tv分の波形を連続して記憶することができる図示しないメモリ等を備えている。
電源電圧の周期的な波形は、電源電圧の数周期から数十周期では一定とみなせるが、重い負荷が突発的に交流電源1に投入された場合や、交流電源1が瞬間的に短絡されたような場合などには、電源電圧Vsに不規則な外乱が生じることがある。
図6(a)はこの一例を示すものであり、時刻t2において電源電圧Vsに不規則な外乱が生じたため、制御手段6にサンプリングされて取り込まれた電源電圧Vssも瞬間的に歪んでいる。この場合、遅延補償器14において、遅延補償を行うために、実施の形態1のように、サンプリング後の電源電圧Vssについて、その現時点t3からその1周期Tv前の値を調べ、これから1サンプリング周期Ts分だけ遅れた電源電圧の値(時刻t2のp2で示す位置の値)を現時点の電源電圧の値と見なして採用すると、その時刻t2では電源電圧Vssが瞬間的に歪んでいるため、その周期的な値は実線で示されるように大きく変動し、この外乱電圧を制御系に加算することになって悪影響を及ぼす。
そこで、このような不具合発生を解決するため、この実施の形態2では、遅延補償器14の前段に設けた第1フィルタ手段15により、サンプリング後にメモリに記憶されている電源電圧Vssについて、時刻t2に対応する電源電圧Vssに含まれる外乱電圧を除くようにしている。このようにすれば、図6(b)に示すように、次段の遅延補償器14において、現時点の電源電圧の値と見なして採用する周期的な値(図6(b)の符号p1,p2,・・・の各位置での電源電圧の離散的な値)は、実線で示されるように、外乱電圧の影響が低減されて変動が抑えられる。
なお、第1フィルタ手段15は、現時点の電源電圧の値と見なして採用する周期的な値(図6(b)の符号p1,p2,・・・の各位置での電源電圧の離散的な値)に対してフィルタリングを行うだけであって、交流成分に対するフィルタリング処理ではないから、この第1フィルタ手段15によるフィルタ処理によって遅れが発生することはない。
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加えて、電圧検出手段4で検出される電源電圧Vsdに不規則な外乱が含まれる場合でもその影響を低減することができ、より一層精度良い電源電流制御が可能となる。
その他の構成および作用、効果は、実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3における電力変換装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態3の特徴は、遅延補償器14の前段に、電圧検出手段4で検出後にサンプリングされた電源電圧Vssの連続した値に対してフィルタ処理を行う第2フィルタ手段16が設けられていることである。この場合の第2フィルタ手段16は高調波成分を除くローパスフィルタと、このローパスフィルタ処理された電源電圧Vssの少なくとも1周期Tv分の波形を連続して記憶することができる図示しないメモリ等を備えている。
電流制御のために電源電圧検出手段4によって電源電圧を検出する際、交流電源1からの電源電圧にインバータ3が出力できないような高い高調波成分が含まれている場合には、制御される電源電流の高調波成分をかえって増大させることがある。また、交流電源1や入力フィルタ2にリアクトルとコンデンサが存在する場合などは、その共振によって高調波成分を増大させることがある。
このような、交流電源1からの電源電圧に含まれる高調波成分を除くためには、一般的にローパスフィルタを適用することができる。図8(a)はサンプリング後の電源電圧Vssの波形(図中破線)と、この電源電圧Vssをローパスフィルタ処理した後の電源電圧Vss1の波形(図中実線)を示す。ローパスフィルタ処理すると高調波成分は除けるが、電源電圧Vss1の位相が遅れる。したがって、位相が遅れた電源電圧を単純に遅延補償器14に入力すると、その遅延の影響が残るので、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響が大きくなる。
そこで、このような不具合発生を解決するため、この実施の形態3では、第2フィルタ手段16において、サンプリング後の電源電圧Vssに対して、高調波成分を減衰させるローパスフィルタ処理を行うとともに、このローパスフィルタ処理に伴う遅延分を補償する進相処理を行う。
すなわち、第2フィルタ手段16は、まず、電源電圧Vssの連続した値に対してローパスフィルタ処理を行う。この場合のローパスフィルタの差分方程式は、例えば次の式(1)で表される。
Figure 0005178670
ここに、xは入力信号、yは出力信号、添字の−1は1サンプリング期間Tsだけ前の値を示す。また、aとbはフィルタの特性で決まる定数である。
しかしながら、このようなローパスフィルタ処理には、図8(a)に示したように、遅れΔTが発生するので、第2フィルタ手段16は、この遅れΔTを補正するために、ローパスフィルタ処理後の電源電圧について、遅延分ΔTだけ逆に位相を進ませる処理を行う。すなわち、第2フィルタ手段16は、図4を用いて遅延補償器14の動作について説明した場合と同様に、ローパスフィルタ処理後にメモリに記憶されている電源電圧について、現時点から1周期Tv前の時点の電源電圧の値を調べ、この電源電圧からローパスフィルタ処理による遅延分ΔTだけ逆に位相が進んだ位置の電源電圧の値を現時点の電源電圧の値と見なして採用する。
このようにして、第2フィルタ手段16で電源電圧Vssをローパスフィルタ処理するとともに、その際の遅延分ΔTを補正処理した電源電圧Vss2の波形の一例を図8(b)に示す。図から分かるように、処理後の電源電圧Vss2の波形は、不要な高調波成分が除かれるとともに、必要な周波数成分を遅らせることなく減衰できていることが確認できる。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1の効果に加えて、電圧検出手段4で検出される電源電圧にインバータ3が出力しないような高い周波数の高調波成分や、リアクトルとコンデンサの共振成分のような不要な高調波成分が含まれている場合、必要な周波数成分を遅らせることなく、これらの不要な高調波成分のみを減衰することができるので、より一層精度良い電源電流制御が可能となる。
その他の構成および作用、効果は、実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4における電力変換装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態4の特徴は、遅延補償器14の前段に、電圧検出手段4で検出後にサンプリングされた電源電圧Vssの連続した値に対してフィルタ処理を行う第3フィルタ手段17が設けられていることである。
ただし、この第3フィルタ手段17は、上記の実施の形態3の第2のフィルタ手段16と異なり、電源電圧Vssの少なくとも1周期Tv分の波形を連続して記憶することができる図示しないメモリを備えており、このメモリから読み出された電源電圧Vssの1周期Tv前の時間の正順と逆順にそれぞれローパスフィルタ処理を行うとともに、ローパスフィルタ処理を行った結果の平均値を演算するように構成されている。
上記の実施の形態3では、ローパスフィルタ処理の遅れを補正することで、必要な周波数成分を遅らせることなく不要な高調波成分を減衰できるものの、例えば前述の式(1)で表されるようなローパスフィルタの場合、周波数成分毎に遅れる時間が異なるため、必要な周波数成分が複数存在する場合には、それら周波数成分のすべての遅れをゼロに補正することが難しい。この例を図10(a)に示す。
図10(a)ではサンプリング後の電源電圧Vssの波形(図中破線)と、この電源電圧Vssを第2フィルタ手段16でフィルタ処理した後の電源電圧Vss2の波形(図中実線)を示す。第2フィルタ手段16でフィルタ処理すると、電源電圧の高調波成分が除かれるとともに、電源電圧の基本波成分の位相もゼロに補正されているが、他の周波数成分の位相は遅れている。したがって、このような位相が遅れた電源電圧を単純に遅延補償器14に入力すると、その遅延の影響が残るので、不平衡や高調波など電源電圧の外乱の影響が大きくなる。
そこで、このような不具合発生を解決するため、この実施の形態4では、第3フィルタ手段17において、サンプリング後にメモリに記憶された連続した電源電圧Vssについて、その周期性を考慮して、現時点から1周期Tv前の時刻を基準にして、正順と逆順(例えば、1サンプリングTs期間前後)にそれぞれ同じローパスフィルタ処理を行い、そのローパスフィルタ処理後の結果の平均値を演算する。時刻の正順と逆順にローパスフィルタ処理した結果は、位相は進み分と遅れ分とが等しいので、これらの平均をとれば、振幅は若干減衰するものの、位相遅れはゼロとなる。
ここで、ローパスフィルタの差分方程式は、前述の式(1)で表される。これを時刻の逆順に適用した場合の差分方程式を式(2)に示す。添字の+1は1サンプリング期間Tsだけ遅れた次の値を示す。
Figure 0005178670
ここで、電源電圧の信号の周期性を考慮して、例えば現時点の1周期Tv前の時刻から1サンプリング期間Tsだけ前を基準として式(1)と(2)を演算すれば、次の式(3)と(4)となる。式(4)中のTcは、入力信号の一周期が何サンプリングかを示す。Tcが整数にならない場合は、線形補完により求めればよい。
Figure 0005178670
Figure 0005178670
そして、式(3)と式(4)において、位相は進みと遅れが等しく反転しているので、その平均をとれば、位相遅れがゼロのフィルタが構成される。
これらの処理を、図10(a)と同じ電源電圧Vssに対して行った波形を、図10(b)に示す。図から分かるように、処理後の電源電圧Vss3の波形は、基本波だけでなく、他の必要な周波数成分も遅れがゼロの状態で、不要な高調波成分が減衰できていることが確認できる。
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1の効果に加えて、電圧検出手段4で検出される電源電圧にインバータ3が出力しないような高い周波数の高調波成分や、リアクトルとコンデンサの共振成分のような不要な高調波成分が含まれている場合、必要な周波数成分を遅らせることなく、これらの不要な高調波成分のみを減衰することができる。特に、この実施の形態4では、必要な周波数成分が複数ある場合もそれらを遅らせることなく、不要な高調波成分のみを減衰させることができるので、より一層精度良い電源電流制御が可能となる。
その他の構成および作用、効果は、実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
なお、上記の説明では、実施の形態2では第1フィルタ手段15を、実施の形態3では第2フィルタ手段16を、実施の形態4では第3フィルタ手段17を、それぞれ個別に設けているが、これに限らず、第1〜第3の各フィルタ手段15〜17をそれぞれ組み合わせて電力変換装置を構成してもよいことは言うまでもない。また、上記の各実施の形態1〜4では、電源電圧の加算は三相座標上で行ったが、回転座標上や静止二軸上で行ってもよいのは勿論である。
1 交流電源、2 入力フィルタ、3 インバータ、4 電圧検出手段、
5 電流検出手段、6 制御手段、14 遅延補償器(電源電圧遅延補償手段)、
21,22,23 加算器(加算手段)、15 第1フィルタ手段、
16 第2フィルタ手段、17 第3フィルタ手段。

Claims (2)

  1. 交流電源に入力フィルタを介して接続され、上記交流電源の電源電流が所望の値に制御されるように電圧指令に基づいて上記入力フィルタ側への出力電圧を調整するインバータと、
    上記交流電源の電源電圧を検出する電圧検出手段と、
    上記電圧検出手段で検出される電源電圧に対してフィルタ処理を行うフィルタ手段と
    上記交流電源から上記入力フィルタを経由して上記インバータへ流れる電源電流を検出する電流検出手段と、
    上記フィルタ手段でフィルタ処理されて出力された電源電圧と上記電流検出手段で検出された電源電流とに基づいて上記電圧指令を演算する制御手段と、
    を備え、
    上記フィルタ手段は、上記電圧検出手段で検出された電源電圧の連続した値に対して、時間の正順と逆順にそれぞれ同じフィルタ処理を行った結果の平均値を演算して出力するものであり、
    上記制御手段は、上記フィルタ手段でフィルタ処理された後の電源電圧の少なくとも半周期前の値を用いて上記電圧指令を演算するものである電力変換装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記フィルタ手段でフィルタ処理された後の電源電圧に対応した値をもつ少なくとも半周期前の電源電圧を現時点の電源電圧として採用して電源電圧の遅延分を補償する電源電圧遅延補償手段と、
    上記電流検出手段で検出された電源電流と電流指令とに基づいて電源電流補正用の補正電圧指令を作成する補正電圧指令作成手段と、
    上記電源電圧遅延補償手段で得られた遅延補償後の電源電圧に、上記補正電圧指令作成手段で得られた補正電圧指令を加算し、これを上記電圧指令として上記インバータに出力する加算手段と、
    を備える請求項1記載の電力変換装置。
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