JP6541928B1 - 制御装置、およびアクティブフィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

電力系統に設けられた交流電源(2)に対して設置点(4a)において負荷(4b)と並列に接続されたアクティブフィルタ(80)の制御装置(100)は、設置点(4a)の電圧に含まれるm次高調波電圧(mは2以上の整数)を検出する高調波電圧検出部(7)と、設置点(4a)から交流電源(2)側を見たm次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて検出されたm次高調波電圧の位相を補正する位相補正部(9)と、補正後のm次高調波電圧に基づいて、設置点(4a)の電圧に含まれるm次高調波電圧を補償するための第1補償指令値を生成する指令値生成部(10)と、第1補償指令値に基づいて、アクティブフィルタ(80)の出力を制御する出力制御部(18)とを含む。

Description

本開示は、電力用アクティブフィルタに係る技術に関する。
電力系統には高圧需要家の負荷等の多数の電力機器が接続されているため、これらの電力機器から発生する高調波電流により系統電圧に高調波電圧歪が生じる。高調波電圧が大きくなると同系統に接続された進相コンデンサ、回転機等が損傷するため、高調波電圧は許容値以下に抑える必要がある。
従来、高調波電圧を抑制するためのアクティブフィルタ装置が知られている。アクティブフィルタ装置は、インバータ回路と、直流電力を蓄えるコンデンサと、インバータ回路を制御するための制御回路とを備えており、配電線の高調波を打ち消すための高調波を生成して配電線に出力する。
例えば、特開2002−320329号公報(特許文献1)は、配電線路の所望のノードに設置された配電系アクティブフィルタ装置を開示している。この装置は、設置点電圧をサンプリング周期で検出し、高調波電圧を検出し、当該高調波電圧に適応するゲインを自動調節して増幅することにより、補償電流指令値をサンプリング周期毎に当該ノードに与える。
特開2002−320329号公報
アクティブフィルタ装置は、電力系統に設けられた負荷により生じる高調波を補償対象とするため、系統電圧に含まれる高調波電圧を検出して出力を制御する必要がある。しかし、電力系統のインピーダンスは一定ではなく、系統条件の変更に伴って系統インピーダンスが誘導性から容量性に変化したり、誘導性から容量性に変化したりする。そのため、例えば、インピーダンスが誘導性を示す場合には高調波を抑制できるものの、インピーダンスが容量性を示す場合には高調波が拡大してしまい制御が困難になるといった課題があった。
特許文献1に係る技術では、配電系統の高調波拡大現象を抑制し、高調波を除去することを検討しているが、上記課題を解決するための技術を何ら開示ないし教示していない。
本開示のある局面における目的は、電力系統のインピーダンス特性に関わらず、高調波を適切に低減することが可能なアクティブフィルタの制御装置、およびアクティブフィルタ装置を提供することである。
ある実施の形態に従うと、電力系統に設けられた交流電源に対して設置点において負荷と並列に接続されたアクティブフィルタの制御装置が提供される。制御装置は、設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧(mは2以上の整数)を検出する高調波電圧検出部と、設置点から交流電源側を見たm次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて検出されたm次高調波電圧の位相を補正する位相補正部と、補正後のm次高調波電圧に基づいて、設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧を補償するための第1補償指令値を生成する指令値生成部と、第1補償指令値に基づいて、アクティブフィルタの出力を制御する出力制御部とを含む。
他の実施の形態に従うアクティブフィルタ装置は、電力系統に設けられた交流電源に対して設置点において負荷と並列に接続されたアクティブフィルタと、アクティブフィルタの制御装置とを備える。制御装置は、設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧(mは2以上の整数)を検出する高調波電圧検出部と、設置点から交流電源側を見たm次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて検出されたm次高調波電圧の位相を補正する位相補正部と、補正後のm次高調波電圧に基づいて、設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧を補償するための第1補償指令値を生成する指令値生成部と、第1補償指令値に基づいて、アクティブフィルタの出力を制御する出力制御部とを含む。
本開示によると、電力系統のインピーダンス特性に関わらず、高調波を適切に低減することが可能となる。
関連技術およびその課題を説明するための図である。 系統インピーダンスの特性を説明するための図である。 実施の形態1に従うアクティブフィルタ装置の概略構成を示す図である。 実施の形態1に従う制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態1に従う制御装置の機能構成を示す模式図である。 実施の形態1に従う位相補正方式を説明するために用いられる等価回路である。 実施の形態1に従う位相補正角と高調波低減率との関係を示す図である。 実施の形態2に従う制御装置の機能構成を示す模式図である。 実施の形態2に従う5次指令監視部および5次位相調整部の構成を示す模式図である。 実施の形態3に従う制御装置の機能構成を示す模式図である。 実施の形態3に従う5次インピーダンス演算部および5次位相調整部の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[関連技術およびその課題]
本実施の形態の理解のため、関連技術およびその課題について説明する。
図1は、関連技術およびその課題を説明するための図である。図1を参照して、電力系統は、3相交流の電圧源AS1、送電線インピーダンスZ0、負荷RL、および進相コンデンサSC1,SC2から構成される。アクティブフィルタ装置AFは、設置点Mで電力系統に接続されている。具体的には、アクティブフィルタ装置AFのインバータ回路は、連系リアクトルおよび変圧器を介して設置点Mに接続されている。
進相コンデンサSC1は、電力系統に常時接続された固定の進相コンデンサである。進相コンデンサSC2は、電力系統に投入、または電力系統から切り離し可能な進相コンデンサである。具体的には、進相コンデンサSC2は、系統電圧の状態に応じて、開閉器の開閉動作によって電力系統に投入、または電力系統から遮断される。
アクティブフィルタ装置AFの設置点Mから3相交流の電圧源AS1を見た系統インピーダンスをZSとすると、系統インピーダンスZSは進相コンデンサSC2の投入または遮断に応じて、図2に示すような特性を有する。
図2は、系統インピーダンスの特性を説明するための図である。具体的には、図2(a)は、系統インピーダンスZSの絶対値と周波数との関係を示している。図2(b)は、系統インピーダンスZSの位相と周波数との関係を示している。
図2(a)および図2(b)を参照して、進相コンデンサSC2が遮断されている場合、5次高調波の系統インピーダンスの絶対値および位相は、それぞれZA5およびPA5で表わされる。位相PA5の極性は正であるため、5次高調波の系統インピーダンスは誘導性となる。また、進相コンデンサSC2が遮断されている場合、7次高調波の系統インピーダンスの絶対値および位相は、それぞれZA7およびPA7で表わされる。位相PA7の極性は負であるため、7次高調波の系統インピーダンスは容量性となる。
一方、進相コンデンサSC2が投入されている場合、5次高調波の系統インピーダンスの絶対値および位相は、それぞれZB5およびPB5で表わされる。位相PB5の極性は負であるため、5次高調波の系統インピーダンスは容量性となる。また、進相コンデンサSC2が投入されている場合、7次高調波のインピーダンスの絶対値および位相は、それぞれZB7およびPB7で表わされる。位相PB7の極性は正であるため、7次高調波の系統インピーダンスは誘導性となる。
上記のように、電力系統のインピーダンスは、進相コンデンサの投入または遮断等の系統条件に応じて、誘導性から容量性の方向へ、またはその逆方向へ変化する。また、ある次数(例えば、5次)の高調波のインピーダンスが容量性を示す場合であっても、他の次数(例えば、7次)の高調波のインピーダンスが誘導性を示す場合もある。したがって、関連技術に係るアクティブフィルタ装置では、インピーダンスの特性によっては適切に高調波を抑制できない場合がある。
このような関連技術における課題を鑑みて、以下に、本実施の形態に従うアクティブフィルタ装置の具体的な構成および動作について説明する。
実施の形態1.
<全体構成>
図3は、実施の形態1に従うアクティブフィルタ装置の概略構成を示す図である。図3に示す電力系統において、母線4は、高調波を発生させる負荷4bに、系統インピーダンス3を介した交流電源2からの電力を供給している。
電力系統とアクティブフィルタ装置1000との接続点は、アクティブフィルタ装置1000を設置する設置点4aとして把握される。すなわち、母線4には、アクティブフィルタ装置1000が設置点4aにおいて接続されている。典型的には、交流電源2は、a相,b相,c相からなる3相の交流電源である。
アクティブフィルタ装置1000は、電圧変成器5と、電流変成器6と、アクティブフィルタ80と、制御装置100とを含む。電圧変成器5は、設置点4aの電圧Vsを検出して当該電圧Vsを制御装置100に入力する。電圧Vsは、3相の交流電圧(Va,Vb,Vc)である。電流変成器6は、アクティブフィルタ80から設置点4aに対して出力される電流Isを検出して当該電流Isを制御装置100に入力する。電流Isは、3相の交流電流(Ia,Ib,Ic)である。
アクティブフィルタ80は、設置点電圧における高調波の抑制、およびその電圧の安定化を図るものである。アクティブフィルタ80は、電力系統に設けられた交流電源2に対して設置点4aにおいて負荷4bと並列に接続されている。具体的には、アクティブフィルタ80は、自励式変換器81と、連系リアクトル82と、変圧器83と、電流変成器84とを含む。典型的には、電流変成器84は、電流値を直流成分も合わせて検出することが可能な直流変流器である。
母線4側に接続された昇圧用の変圧器83および連系リアクトル82を介して自励式変換器81が接続される。連系リアクトル82の一端は変圧器83の一次側に接続され、他端は自励式変換器81に接続される。
自励式変換器81は、自励式の電力変換器で構成されている。例えば、自励式変換器81は、モジュラーマルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)によって構成されている。ただし、自励式変換器81の回路方式は、交流電力を2レベルの直流電力に変換する2レベル変換器で構成されていてもよいし、交流電力を3レベルの直流電力に変換する3レベル変換器で構成されていてもよい。
自励式変換器81は、直列接続されたスイッチング素子と、直流コンデンサとを有している。スイッチング素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはGCT(Gate Commutated Turn-off thyristor)等である。コンデンサの両端の直流電圧Vdc、および電流変成器84によって検出される自励式変換器81の出力電流Ioは、制御装置100に供給される。また、制御装置100から供給される各相(例えば、a相、b相、c相)のゲートパルス信号Gが、対応するスイッチング素子に供給される。ゲートパルス信号GはPWM変調されている。
自励式変換器81により、電力系統の高調波成分の極性と逆方向の極性を有する高調波補償電圧が生成され、この高調波補償電圧が設置点4aに出力されて電力系統の高調波成分を打ち消すことにより高調波が抑制される。また、自励式変換器81により設置点4aの電圧変動を抑制するように作用する基本波無効電力が生成されて、電力系統の電圧の安定化が図られる機能も有する。
<制御装置の構成>
(ハードウェア構成)
図4は、実施の形態1に従う制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図4を参照して、制御装置100は、補助変成器51と、信号変換部52と、演算処理部70とを含む。制御装置100は、ディジタル型の保護制御装置として構成されている。
補助変成器51は、電圧変成器5からの入力電圧、および電流変成器6,84からの入力電流を取り込み、内部回路での信号処理に適した電圧信号に変換して出力する。信号変換部52は、補助変成器51から出力されるアナログ信号(すなわち、電圧信号)を取り込んでディジタル信号に変換する。具体的には、信号変換部52は、アナログフィルタと、サンプルホールド回路と、マルチプレクサと、AD変換器とを含む。
アナログフィルタは、補助変成器51から出力される電圧信号から高周波のノイズ成分を除去する。サンプルホールド回路は、アナログフィルタから出力される信号を予め定められたサンプリング周期でサンプリングする。マルチプレクサは、演算処理部70から入力されるタイミング信号に基づいて、サンプルホールド回路から入力される波形信号を時系列で順次切り替えてAD変換器に入力する。AD変換器は、マルチプレクサから入力される波形信号をアナログデータからディジタルデータに変換する。AD変換器は、ディジタル変換した信号(すなわち、ディジタルデータ)を演算処理部70へ出力する。
演算処理部70は、CPU(Central Processing Unit)72と、ROM73と、RAM74と、DI(digital input)回路75と、DO(digital output)回路76と、入力インターフェイス(I/F)77とを含む。これらは、バス71で結合されている。
CPU72は、ROM73に予め格納されたプログラムを読み出して実行することによって、制御装置100の動作を制御する。なお、ROM73には、CPU72によって用いられる各種情報が格納されている。CPU72は、たとえば、マイクロプロセッサである。なお、当該ハードウェアは、CPU以外のFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびその他の演算機能を有する回路などであってもよい。
CPU72は、バス71を介して、信号変換部52からディジタルデータを取り込む。CPU72は、ROM73に格納されているプログラムに従って、取り込んだディジタルデータを用いて制御演算を実行する。
CPU72は、制御演算結果に基づいて、DO回路76を介して、外部に制御指令を出力する。また、CPU72は、DI回路75を介して、その制御指令に対する応答を受け取る。入力インターフェイス77は、典型的には、各種ボタン等であり、系統運用者からの各種設定操作を受け付ける。
(機能構成)
図5は、実施の形態1に従う制御装置100の機能構成を示す模式図である。図5を参照して、制御装置100は、高調波補償部17と、出力制御部18とを含む。典型的には、これらの各機能は、演算処理部70のCPU72がROM73に格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部は専用の回路を用いることによって実現されるように構成されていてもよい。
高調波補償部17は、補償対象次数の高調波を補償するための補償指令値を生成する。本実施の形態では、補償対象次数の高調波は、5次高調波および7次高調波であるとして説明する。高調波補償部17は、高調波電圧検出部7と、高調波制御部8と、位相補正部9と、指令生成部10と、3相合成部11とを含む。
高調波電圧検出部7は、電圧変成器5により検出された電圧Vsから補償対象次数の高調波電圧成分のみを選択的に検出する。具体的には、高調波電圧検出部7は、電圧Vsに含まれる5次高調波電圧を検出する5次高調波電圧検出部7aと、電圧Vsに含まれる7次高調波電圧を検出する7次高調波電圧検出部7bとを含む。
5次高調波電圧検出部7aは、5次高調波周波数に同期した回転軸座標上において、3相の5次高調波電圧成分をd軸電圧値、およびq軸電圧値として検出する。具体的には、5次高調波電圧検出部7aは、以下の式(1)および(2)を用いて、3相交流電圧(Va,Vb,Vc)から5次高調波電圧(V5d1,V5q1)を検出する。以下の説明では、5次高調波電圧(V5d1,V5q1)を「5次高調波電圧検出値」とも称する。
5次高調波電圧検出部7aは、まず、式(1)に示す変換式を用いて、3相交流電圧をαβ成分(Vα,Vβ)に変換する。
Figure 0006541928
次に、5次高調波電圧検出部7aは、式(2)に示す変換式を用いて、αβ成分(Vα,Vβ)を5次高調波のdq成分(V5d1,V5q1)に変換する。
Figure 0006541928
ここで、ωは電源電圧の基本角周波数である。なお、5次高調波電圧は3相の位相順序が逆相になるため−Vβとする。
7次高調波電圧検出部7bは、7次高調波周波数に同期した回転軸座標上において、3相の7次高調波電圧成分をd−q軸成分として検出する。具体的には、7次高調波電圧検出部7bは、上述した式(1)と、以下の式(3)とを用いて、3相交流電圧(Va,Vb,Vc)から7次高調波電圧(V7d1,V7q1)を検出する。以下の説明では、7次高調波電圧(V7d1,V7q1)を「7次高調波電圧検出値」とも称する。
Figure 0006541928
ここで、ωは電源電圧の基本角周波数である。なお、7次高調波電圧は3相の位相順序が正相になるためVβとする。
高調波制御部8は、高調波電圧検出部7により検出された高調波電圧成分を予め定められたゲインで増幅する。具体的には、高調波制御部8は、検出された5次高調波電圧をゲイン定数K5で増幅する5次高調波制御部8aと、検出された7次高調波電圧をゲイン定数K7で増幅する7次高調波制御部8bとを含む。
具体的には、5次高調波制御部8aは、以下の式(4)を用いて、5次高調波電圧検出値(V5d1,V5q1)をゲイン定数(すなわち、K5)倍した5次高調波電圧(V5d2,V5q2)を5次d−q軸成分のベクトル成分として出力する。以下の説明では、5次高調波電圧(V5d2,V5q2)を「5次高調波電圧信号」とも称する。7次高調波制御部8bは、以下の式(5)を用いて、7次高調波電圧検出値(V7d1,V7q1)をゲイン定数(すなわち、K7)倍した7次高調波電圧(V7d2,V7q2)を7次d−q軸成分のベクトル成分として出力する。以下の説明では、7次高調波電圧(V7d2,V7q2)を「7次高調波電圧信号」とも称する。なお、ゲイン定数K5,K7は、系統運用者によって任意に定められる。
Figure 0006541928
位相補正部9は、設置点4aから交流電源2側を見た系統インピーダンスの特性に応じて(すなわち、系統インピーダンスが容量性か誘導性かに応じて)、高調波電圧信号のd-q軸ベクトル成分の位相を補正する。簡単のため、以下の説明では、単に「高調波電圧信号の位相を補正する」と表現する。具体的には、位相補正部9は、5次位相補正部9aと、7次位相補正部9bとを含む。
5次位相補正部9aは、以下の式(6)を用いて、5次高調波の系統インピーダンスが容量性か誘導性かに応じて、5次高調波電圧信号(V5d2,V5q2)の位相を角度θ5だけ補正した5次高調波電圧(V5d3,V5q3)を出力する。以下の説明では、5次高調波電圧(V5d3,V5q3)を「5次高調波補正後信号」とも称し、角度θ5を「位相補正角θ5」とも称する。7次位相補正部9bは、以下の式(7)を用いて、7次高調波の系統インピーダンスが容量性か誘導性かに応じて、7次高調波電圧信号(V7d2,V7q2)の位相を角度θ7だけ補正した7次高調波電圧(V7d3,V7q3)を出力する。以下の説明では、以下の説明では、7次高調波電圧(V7d3,V7q3)を「7次高調波補正後信号」とも称し、角度θ7を「位相補正角θ7」とも称する。なお、位相補正部9の位相補正方式の詳細については後述する。
Figure 0006541928
指令生成部10は、位相補正された高調波補正後信号に基づいて、電圧Vsに含まれる高調波電圧を補償するための補償指令値を生成する。具体的には、指令生成部10は、5次指令生成部10aと、7次指令生成部10bとを含む。
5次指令生成部10aは、以下の式(8)を用いて、位相補正された5次高調波補正後信号(V5d3,V5q3)に基づいて、電圧Vsに含まれる5次高調波電圧を補償するための補償指令値V5refを生成する。ここで、式(8)では5次高調波電圧の3相の相順が逆相であることを考慮した式となっている。a相,b相,c相の5次高調波電圧の補償指令値を、それぞれV5Aref,V5Bref,V5Crefとすると、V5ref=(V5Aref,V5Bref,V5Cref)である。
Figure 0006541928
このように、d−q軸成分で表された5次高調波補正後信号(V5d3,V5q3)は、2相/3相変換により3相の制御指令信号に変換される。
7次指令生成部10bは、以下の式(9)を用いて、位相補正された7次高調波補正後信号(V7d3,V7q3)に基づいて、電圧Vsに含まれる7次高調波電圧を補償するための補償指令値V7refを生成する。a相,b相,c相の7次高調波電圧の補償指令値を、それぞれV7Aref,V7Bref,V7Crefとすると、V7ref=(V7Aref,V7Bref,V7Cref)である。
Figure 0006541928
このように、d−q軸成分で表された7次高調波補正後信号(V7d3,V7q3)は、3相の制御指令信号に逆変換される。ここで、式(9)は7次高調波電圧の3相の相順が正相であることを考慮した式となっている。
3相合成部11は、3相制御指令信号である補償指令値V5refおよび補償指令値V7refを合成する。具体的には、3相合成部11は、補償指令値V5refおよび補償指令値V7refを加算した高調波補償指令値VHrefを出力制御部18に出力する。
出力制御部18は、3相合成部11から供給される高調波抑制のための高調波補償指令値VHrefに基づいて、アクティブフィルタ80の出力を制御する。なお、出力制御部18は、電圧変動を抑制するための無効電流補償指令値を生成して、電力系統の電圧の安定化を図る機能も有している。具体的には、出力制御部18は、直流電圧制御部18aと、交流電圧制御部18bと、出力電流制御部18cと、PWM制御部18dとを含む。
直流電圧制御部18aは、自励式変換器81のコンデンサの直流電圧Vdcの入力を受け付けて、直流電圧Vdcが一定値を維持するように自励式変換器81の基本波出力電圧の位相を調整する。具体的には、直流電圧制御部18aは、直流電圧Vdcが一定値を維持するように、自励式変換器81から出力される有効電流を制御するための有効電流基準値Vqrefを算出する。直流電圧制御部18aは、自励式変換器81から出力される基本波電圧のうち有効電流に関わる成分を制御する。
交流電圧制御部18bは、電圧Vsの入力を受け付けて、電圧Vsに含まれる基本波電圧を一定値に維持するように自励式変換器81の基本波出力電圧の大きさを調整する。具体的には、交流電圧制御部18bは、電圧Vsに含まれる基本波電圧を一定値に維持するように無効電流基準値Vdrefを算出する。交流電圧制御部18bは、自励式変換器81から出力される基本波電圧のうち無効電流に関わる成分を制御する。
出力電流制御部18cは、有効電流基準値Vqrefに対応する有効電流指令値Iqrefと、無効電流基準値Vdrefに対応する無効電流指令値Idrefとを算出する。出力電流制御部18cは、有効電流指令値Iqrefおよび無効電流指令値Idrefと、自励式変換器81から出力される出力電流Ioとの偏差に応じた基本波補償指令値VBrefを生成する。この基本波補償指令値VBrefは、設置点4aの電圧変動を抑制するための基本波無効電流補償指令値、および、自励式変換器81のコンデンサ電圧を一定に維持するための基本波有効電流補償指令値の両方を合成した基本波補償指令値として作用する。
出力電流制御部18cは、高調波補償指令値VHrefと、基本波補償指令値VBrefとを加算した補償指令値Vrefを生成して、PWM制御部18dに出力する。
PWM制御部18dは、PWM制御に従って、自励式変換器81が補償指令値Vrefに相当する3相交流電圧を出力するためのゲートパルス信号Gを生成する。PWM制御部18dは、生成したゲートパルス信号Gを自励式変換器81へ出力する。
<位相の補正方式>
ここでは、本実施の形態に従う位相補正部9による位相補正方式について説明する。
図6は、実施の形態1に従う位相補正方式を説明するために用いられる等価回路である。ここでは、例えば、5次高調波の抑制のための位相補正方式を説明する。図6を参照して、5次高調波のインピーダンスZS5(=RS5+jXS5)を有した電力系統に、アクティブフィルタ80が接続され、制御装置100がこのアクティブフィルタ80を制御している。また、5次高調波の電圧源AS5が基本波の電圧源AS1に直列接続されている。なお、RS5およびXS5は、それぞれ5次高調波の抵抗およびリアクタンスを示す。
図6に示すような等価回路において、ゲイン定数K5を一定とした状態で、位相補正角θ5を変化させたときの高調波低減率DH5について図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態1に従う位相補正角と高調波低減率との関係を示す図である。図7を参照して、横軸は5次高調波のリアクタンスXS5を示しており、縦軸は高調波低減率DH5を示している。高調波低減率DH5は、電圧源AS5の5次高調波電圧に対する、電力系統の5次高調波電圧の比率により定義される。
図7には、5次高調波のリアクタンスXS5に対する高調波低減率DH5の変化を、位相補正角θ5をパラメータとして示されている。リアクタンスXS5が正の場合には、系統側の5次高調波インピーダンスが誘導性であることを示している。リアクタンスXS5が負の場合には、系統側の5次高調波インピーダンスが容量性であることを示している。また、高調波低減率DH5>1の場合には、高調波が増大していることを示し、高調波低減率DH5<1の場合には、高調波が低減していることを示している。
図7に示すように、リアクタンスXS5が正の場合には、位相補正角θ5が0°のときに高調波低減率DH5が最も小さくなり、高調波低減効果が大きいことがわかる。位相補正角θ5を0°から大きくするにつれて高調波低減率DH5が大きくなり、高調波低減効果が小さくなる。しかし、リアクタンスXS5が正の場合には、位相補正角θ5を90°まで大きくしても高調波低減率DH5<1が満たされているため、一定の高調波低減効果が確保されていることがわかる。
一方、リアクタンスXS5が負の場合には、位相補正角θ5が0°〜30°のときに高調波低減率DH5が1よりも非常に大きくなり、高調波の増大を招くことがわかる。しかし、位相補正角θ5を60°〜90°に設定すると、高調波低減率DH5が1付近あるいは1よりも小さくなるため、一定の高調波低減効果が得られる。
このことから、5次位相補正部9aは、5次高調波のインピーダンスZS5が容量性である場合には、5次高調波電圧信号の位相を位相補正角θ5だけ進める。すなわち、5次位相補正部9aは、5次高調波電圧信号の位相を、進み方向へ位相補正角θ5シフトさせる。典型的には、位相補正角θ5は60°〜90°に設定される。一方、5次位相補正部9aは、5次高調波のインピーダンスZS5が誘導性である場合には、5次高調波電圧信号の位相を補正しない。すなわち、位相補正角θ5は0°に設定される。
上記のように5次高調波電圧信号の位相が補正されることにより、インピーダンスZS5が容量性であっても誘導性であっても、高調波低減効果を高めることができる。
7次高調波電圧信号の位相補正方式は、上述した5次高調波電圧信号の位相補正方式と同様である。具体的には、7次高調波のインピーダンスZS7が容量性である場合には、7次位相補正部9bは、7次高調波電圧信号の位相を位相補正角θ7だけ進める。典型的には、位相補正角θ7は60°〜90°に設定される。また、7次高調波のインピーダンスZS7が誘導性である場合には、7次位相補正部9bは、7次高調波電圧信号の位相を補正しない。すなわち、位相補正角θ7は0°に設定される。
なお、インピーダンスZS5,ZS7の各々が容量性か誘導性かについては、シミュレーション等を用いて系統運用者が予め確認しておき、確認結果に基づいて位相補正角θ5,θ7が設定されればよい。また、系統条件に応じてインピーダンス特性が変化する場合には、どの系統条件であればインピーダンスZS5,ZS7の各々が容量性または誘導性になるのかを系統運用者が予め確認しておき、確認結果に基づいて位相補正角θ5,θ7が設定されればよい。
<利点>
実施の形態1によると、高調波インピーダンス特性に応じた適切な位相補正により、高調波インピーダンスが誘導性および容量性のいずれを示す場合であっても、高調波を低減することができる。
また、5次高調波電圧信号および7次高調波電圧信号の各々の位相を独立して補正することができるため、5次高調波のインピーダンス特性と7次高調波のインピーダンス特性とが異なる場合であっても、5次高調波および7次高調波を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、予め確認したインピーダンス特性に応じて、5次高調波電圧信号および7次高調波電圧信号の位相を補正する構成について説明した。実施の形態2では、補償指令値V5ref,V7refを監視することで5次高調波および7次高調波のインピーダンス特性を判定し、当該判定結果に基づいて5次高調波電圧信号および7次高調波電圧信号の位相を補正する構成について説明する。なお、実施の形態2における全体構成と、制御装置のハードウェア構成とは実施の形態1の当該構成と同様である。
<機能構成>
図8は、実施の形態2に従う制御装置100Aの機能構成を示す模式図である。図8を参照して、制御装置100Aは、高調波補償部17Aと、出力制御部18とを含む。制御装置100Aは図3に示す制御装置100に対応するが、他の実施の形態との区別のため、便宜上「A」といった追加の符号を付している。これは、実施の形態3でも同様である。
高調波補償部17Aは、高調波補償部17に監視部12と、位相調整部13とを追加した構成である。高調波補償部17Aのうち高調波補償部17と同一の構成、および出力制御部18についてはその詳細な説明は繰り返さない。
監視部12は、5次指令生成部10aから出力される補償指令値V5refを監視する5次指令監視部12aと、7次指令生成部10bから出力される補償指令値V7refを監視する7次指令監視部12bとを含む。位相調整部13は、5次指令監視部12aからの信号に従って位相補正角θ5を調整する5次位相調整部13aと、7次指令監視部12bからの信号に従って位相補正角θ7を調整する7次位相調整部13bとを含む。
ここで、図7に示すように、通常の系統条件で5次高調波インピーダンスが誘導性である場合、高調波低減効果を最大化するために、位相補正角θ5を0°に設定しておくことが望ましい。しかし、系統事故等で系統条件が一時的に変化して5次高調波インピーダンスが誘導性から容量性に変化したときに位相補正を行わない場合(すなわち、位相補正角θ5が0°のままである場合)、5次高調波制御が不安定となりアクティブフィルタ80の出力が異常に増加する。
そのため、5次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化すると、補償指令値V5refが急激に増大する。したがって、5次指令監視部12aは、補償指令値V5refが急激に大きくなった場合に、5次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化したと判定する。
5次指令監視部12aは、補償指令値V5refに基づいて、5次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化したか否かを判定する。具体的には、5次指令監視部12aは、補償指令値V5refの実効値が閾値V5mよりも大きい場合に、5次高調波のインピーダンスが容量性であると判定する。この場合、5次指令監視部12aは、5次高調波電圧信号の位相を進めるための位相進み指令を5次位相調整部13aに出力する。5次位相調整部13aは、位相進み指令に従って位相補正角θ5を設定し、当該設定された位相補正角θ5を5次位相補正部9aに出力する。
ここで、5次高調波制御の場合を代表例として、5次指令監視部12aおよび5次位相調整部13aのより詳細な構成および動作について説明する。
図9は、実施の形態2に従う5次指令監視部12aおよび5次位相調整部13aの構成を示す模式図である。図9を参照して、5次指令監視部12aは、実効値演算部20a〜20cと、最大値選択部20dと、比較部20eと、補正角指令部20fとを含む。5次位相調整部13aは、スイッチ制御部21aと、選択スイッチ21bとを含む。
実効値演算部20aは、補償指令値V5refのa相成分である補償指令値V5Arefの実効値V5Armsを演算する。実効値演算部20bは、b相成分である補償指令値V5Brefの実効値V5Brmsを演算する。実効値演算部20cは、c相成分である補償指令値V5Crefの実効値V5Crmsを演算する。
最大値選択部20dは、演算された3相の実効値V5Arms,V5Brms,V5Crmsの中から、最大の実効値を最大値V5maxとして選択する。比較部20eは、最大値V5maxと閾値V5mとを比較して、比較結果を示す信号CMP5を出力する。例えば、V5max>V5mである場合には信号CMP5は値“1”を示し、V5max≦V5mである場合には信号CMP5は値“0”を示す。
補正角指令部20fは、信号CMP5が“1”である期間においては、一定期間毎に位相補正角θ5を増加させる指令信号SH5をスイッチ制御部21aに出力する。なぜなら、信号CMP5が“1”である場合には、5次高調波制御が不安定となっており5次高調波のインピーダンスは少なくとも容量性であると判断できるためである。
スイッチ制御部21aは、指令信号SH5の入力を受け付けると、選択スイッチ21bを位相角が進む方向へ1段シフトすることにより、位相補正角θ5を基準角度(例えば、30°)だけ進ませる。例えば、スイッチ制御部21aは、位相補正角θ5が0°の状態のときに指令信号SH5の入力を受け付けると、位相補正角θ5を30°に設定するように選択スイッチ21bを1段シフトさせる。
なお、位相補正角θ5を大きくすることにより5次高調波制御が安定して、比較部20eから出力されるCMP5が値“0”になった場合、補正角指令部20fは、指令信号SH5を出力しない。これにより、位相補正角θ5は現在の値を維持することになり、当該維持された位相補正角θ5に基づく5次高調波制御が行なわれる。
その後、系統運用者は5次高調波インピーダンスが誘導性に変化したことを確認後、手動でスイッチ制御部21aにリセット信号を与えてもよい。この場合、スイッチ制御部21aは、位相角を遅れ方向へ1段シフトすることにより、位相補正角θ5を基準角度だけ遅らせる。例えば、スイッチ制御部21aは、位相補正角θ5が90°の状態のときにリセット信号の入力を受け付けると、位相補正角θ5を60°に設定するように選択スイッチ21bを1段シフトさせる。
なお、位相補正角θ5の初期状態は0°であるため、補正角指令部20fは、スイッチ制御部21aに出力した指令信号SH5の回数をカウントすることにより、位相補正角θ5が0°〜90°のいずれに設定されているのかを把握できる。例えば、当該回数が“0回”であれば位相補正角θ5は0°に設定されており、当該回数が“1回”であれば位相補正角θ5は30°に設定されている。
そのため、補正角指令部20fは、位相補正角θ5が0°の状態において、入力された信号CMP5の値が“0”から“1”に変化したことを検出した場合には、5次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化したと判定できる。
他の局面において、比較部20eは、閾値V5mよりも小さい閾値V5mtと、最大値V5maxとをさらに比較して、その比較結果として信号CMP5tを出力可能な構成であってもよい。この場合、比較部20eは、V5max>V5mtである場合には信号CMP5tは値“1”を示し、V5max≦V5mである場合(すなわち、最大値V5maxが非常に小さい)には信号CMP5tは値“0”を示す。
信号CMP5tが“1”である期間においては、補正角指令部20fは、当該信号CMP5tに基づく動作を行わない。一方、信号CMP5tが“0”である期間においては、補正角指令部20fは、一定期間毎に位相補正角θ5を小さくするようにリセット信号をスイッチ制御部21aへ出力する。なぜなら、信号CMP5tが“0”である場合には、5次高調波制御が非常に安定しており、5次高調波インピーダンスが容量性から誘導性の方向へ変化していると判断できるためである。
この場合、スイッチ制御部21aは、位相補正角θ5を遅れ方向へ1段シフトすることにより、位相補正角θ5を基準角度だけ遅らせる。当該構成によると、系統運用者により5次高調波インピーダンスが誘導性に変化したことを確認しなくても、自動でスイッチ制御部21aにリセット信号を与えることができる。
再び、図8を参照して、5次位相補正部9aは、位相補正角θ5に従って5次高調波電圧信号の位相を補正する。上記のように、5次指令監視部12aおよび5次位相調整部13aが動作することから、5次位相補正部9aは次のように動作する。
具体的には、5次位相補正部9aは、5次高調波のインピーダンスが容量性であると判定された場合には、5次高調波電圧信号の位相を基準角度だけ進める。5次位相補正部9aは、5次高調波電圧信号の位相を基準角度進めた後、5次高調波のインピーダンスが容量性と判定された場合には、当該基準角度進められた5次高調波電圧信号の位相をさらに基準角度進める。
なお、5次位相補正部9aは、5次高調波電圧信号の位相を基準角度進めた後、5次高調波のインピーダンスが誘導性になった場合には、基準角度進められた5次高調波電圧信号の位相を基準角度遅らせる。
7次指令監視部12bおよび7次位相調整部13bの機能は、それぞれ、上述した5次指令監視部12aおよび5次位相調整部13aの機能と同様である。
7次指令監視部12bは、補償指令値V7refに基づいて、7次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化したか否かを判定する。具体的には、7次指令監視部12bは、補償指令値V7refの実効値が閾値V7mよりも大きい場合に、7次高調波のインピーダンスが容量性であると判定する。この場合、7次指令監視部12bは、7次高調波電圧信号の位相を進めるための位相進み指令を7次位相調整部13bに出力する。
7次位相調整部13bは、位相進み指令に従って位相補正角θ7を設定して、当該設定された位相補正角θ7を7次位相補正部9bに出力する。7次位相補正部9bは、位相補正角θ7に従って7次高調波電圧信号の位相を補正する。
<利点>
実施の形態2によると、高調波インピーダンス特性が誘導性から容量性に変化したことを検出し、当該変化に応じて位相を進み方向へ自動的に補正するため、高調波制御を安定化することができる。
また、リセット信号を与えることにより、位相を遅れ方向へ補正することもできるため、高調波制御が安定している範囲内で位相補正角を小さくすることができる。そのため、高い高調波抑制効果を維持しながら安定してアクティブフィルタを制御することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、予め確認したインピーダンス特性に応じて、5次高調波電圧信号および7次高調波電圧信号の位相を補正する構成について説明した。実施の形態3では、インピーダンスを実際に算出して、当該算出されたインピーダンスに基づいて、5次高調波電圧信号および7次高調波電圧信号の位相を補正する構成について説明する。なお、実施の形態3における全体構成と、制御装置のハードウェア構成とは実施の形態1の当該構成と同様である。
<機能構成>
図10は、実施の形態3に従う制御装置100Bの機能構成を示す模式図である。図10を参照して、制御装置100Bは、高調波補償部17Bと、出力制御部18とを含む。高調波補償部17Bは、高調波補償部17に、位相調整部13と、高調波注入部14と、高調波電流検出部15と、インピーダンス演算部16とを追加した構成である。高調波補償部17Bのうち高調波補償部17と同一の構成、および出力制御部18についてはその詳細な説明は繰り返さない。
高調波注入部14は、電力系統に高調波基準電流を発生させるための電圧指令値を指令生成部10に注入する。具体的には、高調波注入部14は、5次高調波注入部14aと、7次高調波注入部14bとを含む。
5次高調波注入部14aは、5次高調波基準電流ΔIH5を発生させるための基準指令値ΔVH5を5次指令生成部10aに注入する。制御装置100Bの5次指令生成部10aは、補償指令値V5refに電圧指令値ΔVH5を加算した指令値を3相合成部11に出力する。7次高調波注入部14bは、7次高調波基準電流ΔIH7を発生させるための基準指令値ΔVH7を7次指令生成部10bに注入する。制御装置100Bの7次指令生成部10bは、補償指令値V7refに基準指令値ΔVH7を加算した指令値を3相合成部11に出力する。
3相合成部11は、基準指令値ΔVH5および基準指令値ΔVH7を合成した基準指令値ΔVHを生成し、高調波補償指令値VHrefに基準指令値ΔVHを加算した電圧指令値を出力電流制御部18cに出力する。
出力電流制御部18cは、高調波補償指令値VHrefと基本波補償指令値VBrefとを加算した補償指令値Vrefに、基準指令値ΔVHをさらに加算した電圧指令値(Vref+ΔVH)を生成して、PWM制御部18dに出力する。PWM制御部18dは、PWM制御に従って、電圧指令値(Vref+ΔVH)に相当する3相交流電圧を出力するためのゲートパルス信号Gを生成し、生成したゲートパルス信号Gを自励式変換器81へ出力する。
これにより、アクティブフィルタ80は、高調波抑制用の補償電流および電圧変動抑制用の補償電流に、高調波注入部14から注入された5次高調波基準電流ΔIH5および7次高調波基準電流ΔIH7を追加した電流を設置点4aに出力する。
高調波電流検出部15は、電流変成器6により検出された電流Is=(Ia,Ib,Ic)から補償対象とする各次数の高調波電流成分を個別に検出する。具体的には、高調波電流検出部15は、アクティブフィルタ80が設置点4aに対して出力する電流Isに含まれる5次高調波電流を検出する5次高調波電流検出部15aと、電流Isに含まれる7次高調波電流を検出する7次高調波電流検出部15bとを含む。
5次高調波電流検出部15aは、5次高調波周波数に同期した回転軸座標上において、3相の5次高調波電流成分をd軸電流値、およびq軸電流値として検出する。すなわち、5次高調波電流検出部15aは、以下の式(10)および(11)を用いて、3相交流電流(Ia,Ib,Ic)から5次高調波電流(I5d1,I5q1)を検出する。以下の説明では、5次高調波電流(I5d1,I5q1)を「5次高調波電流検出値」とも称する。
5次高調波電流検出部15aは、まず、式(10)に示す変換式を用いて、3相交流電流をαβ成分(Iα,Iβ)に変換する。
Figure 0006541928
次に、5次高調波電流検出部15aは、式(11)に示す変換式を用いて、αβ成分(Iα,Iβ)を5次高調波電流のdq成分(I5d1,I5q1)に変換する。
Figure 0006541928
7次高調波電流検出部15bは、7次高調波周波数に同期した回転軸座標上において、3相の7次高調波電流成分をd−q軸成分として検出する。具体的には、7次高調波電流検出部15bは、上述した式(10)と、以下の式(12)とを用いて、3相交流電流(Ia,Ib,Ic)から7次高調波電流(I7d1,I7q1)を検出する。以下の説明では、7次高調波電流(I7d1,I7q1)を「7次高調波電流検出値」とも称する。
Figure 0006541928
インピーダンス演算部16は、検出された高調波電圧および高調波電流に基づいて高調波インピーダンスを演算する。具体的には、インピーダンス演算部16は、5次インピーダンス演算部16aと、7次インピーダンス演算部16bとを含む。
5次インピーダンス演算部16aは、5次高調波電圧検出値(V5d1,V5q1)と、5次高調波電流検出値(I5d1,I5q1)とに基づいて、5次高調波のインピーダンスZS5を演算する。5次インピーダンス演算部16aは、インピーダンスZS5の位相の極性に基づいてインピーダンスZS5が容量性か誘導性かを判定する。
7次インピーダンス演算部16bは、7次高調波電圧検出値(V7d1,V7q1)と、7次高調波電流検出値(I7d1,I7q1)とに基づいて、7次高調波のインピーダンスZS7を演算する。7次インピーダンス演算部16bは、インピーダンスZS7の位相の極性に基づいてインピーダンスZS7が容量性か誘導性かを判定する。
ここで、5次高調波制御の場合を代表例として、5次インピーダンス演算部16aおよび5次位相調整部13aのより具体的な構成および動作について説明する。
図11は、実施の形態3に従う5次インピーダンス演算部16aおよび5次位相調整部13aの構成を示す模式図である。図11を参照して、5次インピーダンス演算部16aは、電圧変化検出部31a,31bと、電流変化検出部31c,31dと、位相変化検出部32a,32bと、減算器33と、補正角指令部34とを含む。5次位相調整部13aは、スイッチ制御部21aと、選択スイッチ21bとを含む。
電圧変化検出部31aは、入力された5次高調波電圧のd軸電圧V5d1の変化量ΔV5dを検出する。電圧変化検出部31bは、入力された5次高調波電圧のq軸電圧V5q1の変化量ΔV5qを検出する。電圧変化検出部31a,31bは、ハイパスフィルタ等により構成されている。この電圧変化量ΔV5d,ΔV5qは、5次高調波注入部14aにより基準指令値ΔVH5が注入されることにより生じた電圧変化量である。
電流変化検出部31cは、入力された5次高調波電流のd軸電流I5d1の変化量ΔI5dを検出する。電流変化検出部31dは、入力された5次高調波電流のq軸電流I5q1の変化量ΔI5qを検出する。電流変化検出部31c,31dは、ハイパスフィルタ等により構成されている。この電流変化量ΔI5d,ΔI5qは、5次高調波注入部14aにより基準指令値ΔVH5が注入されることにより生じた電流変化量である。すなわち、電流変化量ΔI5dおよびΔI5qは、それぞれ5次高調波基準電流ΔIH5のd軸成分およびq軸成分に対応する。
位相変化検出部32aは、電圧変化量ΔV5d,ΔV5qおよび以下の式(13)を用いて、5次高調波の電圧変化量ベクトルの位相角ΔφVH5を算出する。
Figure 0006541928
位相変化検出部32bは、電流変化量ΔI5d,ΔI5qおよび以下の式(14)を用いて、5次高調波の電流変化量ベクトルの位相角ΔφIH5を算出する。
Figure 0006541928
減算器33は、以下の式(15)を用いて、5次高調波の電圧変化量ベクトルの位相角ΔφVH5から電流変化量ベクトルの位相角ΔφIH5を減算することにより、電圧変化量ベクトルおよび電流変化量ベクトル間の位相角ΔφH5を算出する。
Figure 0006541928
ここで、ΔφVH5は、5次高調波のインピーダンスZS5の位相に相当する。そのため、補正角指令部34は、ΔφVH5の極性に基づいて、インピーダンスZS5が誘導性か容量性かを判定できる。具体的には、補正角指令部34は、ΔφVH5の極性が正の場合にはインピーダンスZS5が誘導性であると判定し、ΔφVH5の極性が負の場合にはインピーダンスZS5が容量性であると判定する。
また、位相角ΔφVH5の大きさが演算されるため、誘導性および容量性の程度が精度よく把握される。そのため、補正角指令部34は、ΔφVHZ5の極性および大きさに従って、安定した5次高調波制御に必要な位相補正角を精度よく演算できる。例えば、補正角指令部34は、位相角ΔφVHZ5の大きさおよび極性に従って、以下のような指令信号SH5をスイッチ制御部21aに出力する。
補正角指令部34は、ΔφVH5≧0の場合には、位相補正角θ5を0°に設定するための指令信号SH5として値“1”をスイッチ制御部21aに出力する。補正角指令部34は、−30≦ΔφVH5<0の場合には、位相補正角θ5を30°に設定するための指令信号SH5として値“2”をスイッチ制御部21aに出力する。補正角指令部34は、−60≦ΔφVH5<−30の場合には、位相補正角θ5を60°に設定するための指令信号SH5として値“3”をスイッチ制御部21aに出力する。補正角指令部34は、−90≦ΔφVH5<−60の場合には、位相補正角θ5を90°に設定するための指令信号SH5として値“4”をスイッチ制御部21aに出力する。
スイッチ制御部21aは、入力された指令信号SH5の値に応じて選択スイッチ21bを切り替えることにより、位相補正角θ5を設定する。例えば、スイッチ制御部21aは、値が“2”の指令信号SH5の入力を受け付けると、位相補正角θ5を30°に設定するように選択スイッチ21bをシフトさせる。設定された位相補正角θ5を示す信号は、5次位相補正部9aに供給される。
再び、図10を参照して、5次位相補正部9aは、設定された位相補正角θ5に従って5次高調波電圧信号の位相を補正する。上記のように、5次インピーダンス演算部16aおよび5次位相調整部13aが動作することから、5次位相補正部9aは次のように動作する。
具体的には、5次位相補正部9aは、5次高調波のインピーダンスが容量性と判定された場合には、5次高調波電圧信号の位相を、5次高調波のインピーダンスZS5の位相の大きさに応じた角度だけ進める。すなわち、5次高調波電圧信号の位相は、進み方向へインピーダンスZS5の位相の大きさに応じた角度だけシフトする。例えば、−60≦ΔφVH5<−30の場合には位相補正角θ5が60°に設定されるため、5次位相補正部9aは、5次高調波電圧信号の位相を60°進める。
一方、5次高調波のインピーダンスZS5が誘導性と判定された場合(すなわち、ΔφVH5≧0の場合)には位相補正角θ5が0°に設定される。そのため、5次位相補正部9aは、5次高調波電圧信号の位相を補正しない。
なお、7次インピーダンス演算部16b、7次位相調整部13bおよび7次位相補正部9bの機能は、それぞれ、上述した5次インピーダンス演算部16a、5次位相調整部13aおよび5次位相補正部9aの機能と同様である。
<利点>
実施の形態3によると、補償対象次数の高調波インピーダンス特性に適した位相補正角を精度よく調整することができる。そのため、系統インピーダンス特性に関わらず高調波抑制制御を実行することができるとともに、高調波低減効果に優れたアクティブフィルタ装置を提供することができる。
その他の実施の形態.
(1)上述した実施の形態では、補償対象とする高調波が5次高調波および7次高調波である構成について説明したが、当該構成に限られず、任意の次数の高調波であればよい。例えば、m次高調波(mは2以上の整数)およびn次高調波(nはmとは異なる2以上の整数)の2つの高調波を補償対象としてもよい。また、補償対象とする高調波の数は、1つだけ(例えば、m次高調波のみ)であってもよいし、3つ以上であってもよい。
例えば、補償対象とする高調波が5次高調波のみである場合には、図5,図8および図10中の7次高調波に対応する機能を削除すればよい。一方、補償対象とする高調波の数が3つ以上である場合には、図5,図8および図10に示す高調波抑制部に、各次数に対応する機能を設ければよい。例えば、5次高調波、7次高調波および9次高調波を補償対象とする場合には、図5,図8および図10に示す高調波抑制部に、9次高調波に対応する機能を追加すればよい。
(2)上述した実施の形態では、制御装置100が高調波抑制用の補償指令値とともに電力系統の電圧変動抑制用の無効電流補償指令値も生成する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、制御装置100は高調波抑制用の補償指令値のみを生成し、無効電流補償指令値を生成しない構成であってもよい。この場合、出力制御部18は、高調波抑制のための高調波補償指令値VHrefに基づいて、アクティブフィルタ80の出力を制御する。具体的には、PWM制御部18dは、PWM制御に従って、高調波補償指令値VHrefに相当する3相交流電圧を出力するためのゲートパルス信号Gを生成し、生成したゲートパルス信号Gを自励式変換器81へ出力する。
(3)上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 交流電源、3,ZS 系統インピーダンス、4 母線、4a,M 設置点、4b,RL 負荷、5 電圧変成器、6,84 電流変成器、7 高調波電圧検出部、8 高調波制御部、9 位相補正部、10 指令生成部、11 3相合成部、12 監視部、13 位相調整部、14 高調波注入部、15 高調波電流検出部、16 インピーダンス演算部、17,17A,17B 高調波補償部、18 出力制御部、18a 直流電圧制御部、18b 交流電圧制御部、18c 出力電流制御部、18d PWM制御部、20a,20b,20c 実効値演算部、20d 最大値選択部、20e 比較部、20f,34 補正角指令部、21a スイッチ制御部、21b 選択スイッチ、31a,31b 電圧変化検出部、31c,31d 電流変化検出部、32a,32b 位相変化検出部、33 減算器、51 補助変成器、52 信号変換部、70 演算処理部、71 バス、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 DI回路、76 DO回路、77 入力インターフェイス、80 アクティブフィルタ、81 自励式変換器、82 連系リアクトル、83 変圧器、100,100A,100B 制御装置、1000,AF アクティブフィルタ装置、SC1,SC2 進相コンデンサ、XS5 リアクタンス、Z0 送電線インピーダンス、ZS5,ZS7 インピーダンス。

Claims (12)

  1. 電力系統に設けられた交流電源に対して設置点において負荷と並列に接続されたアクティブフィルタの制御装置であって、
    前記設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧(mは2以上の整数)を検出する高調波電圧検出部と、
    前記設置点から前記交流電源側を見たm次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて前記検出されたm次高調波電圧の位相を補正する位相補正部と、
    補正後の前記m次高調波電圧に基づいて、前記設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧を補償するための第1補償指令値を生成する指令値生成部と、
    前記第1補償指令値に基づいて、前記アクティブフィルタの出力を制御する出力制御部とを備える、制御装置。
  2. 前記位相補正部は、前記m次高調波のインピーダンスが容量性である場合には、前記検出されたm次高調波電圧の位相を第1角度進める、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記第1角度は、60°〜90°である、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記位相補正部は、前記m次高調波のインピーダンスが誘導性である場合には、前記検出されたm次高調波電圧の位相を補正しない、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記第1補償指令値を監視する監視部をさらに備え、
    前記監視部は、前記第1補償指令値に基づいて、前記m次高調波のインピーダンスが誘導性から容量性に変化したか否かを判定する、請求項1に記載の制御装置。
  6. 前記監視部は、前記第1補償指令値の実効値が第1閾値よりも大きい場合に前記m次高調波のインピーダンスが容量性であると判定する、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記位相補正部は、前記m次高調波のインピーダンスが容量性であると判定された場合には前記検出されたm次高調波電圧の位相を基準角度進める、請求項5または請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記位相補正部は、前記検出されたm次高調波電圧の位相を前記基準角度進めた後、前記m次高調波のインピーダンスが容量性であると判定された場合には、前記基準角度進められたm次高調波電圧の位相をさらに前記基準角度進める、請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記アクティブフィルタが前記設置点に対して出力する電流に含まれるm次高調波電流を検出する高調波電流検出部と、
    前記検出されたm次高調波電圧およびm次高調波電流に基づいて前記m次高調波のインピーダンスを演算するインピーダンス演算部とをさらに備え、
    前記インピーダンス演算部は、演算された前記m次高調波のインピーダンスの位相の極性に基づいて前記m次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かを判定する、請求項1に記載の制御装置。
  10. 前記位相補正部は、
    前記m次高調波のインピーダンスが容量性と判定された場合には、前記検出されたm次高調波電圧の位相を、前記m次高調波のインピーダンスの位相の大きさに応じた角度だけ進め、
    前記m次高調波のインピーダンスが誘導性と判定された場合には、前記検出されたm次高調波電圧の位相を補正しない、請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記高調波電圧検出部は、前記電圧に含まれるn次高調波電圧(nはmと異なる2以上の整数)をさらに検出し、
    前記位相補正部は、前記設置点から前記交流電源側を見たn次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて前記検出されたn次高調波電圧の位相を補正し、
    前記指令値生成部は、補正後の前記n次高調波電圧に基づいて、前記設置点の電圧に含まれるn次高調波電圧を補償するための第2補償指令値を生成し、
    前記出力制御部は、前記第1補償指令値および前記第2補償指令値に基づいて、前記アクティブフィルタの出力を制御する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御装置。
  12. 電力系統に設けられた交流電源に対して設置点において負荷と並列に接続されたアクティブフィルタと、
    前記アクティブフィルタの制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧(mは2以上の整数)を検出する高調波電圧検出部と、
    前記設置点から前記交流電源側を見たm次高調波のインピーダンスが容量性か誘導性かに応じて前記検出されたm次高調波電圧の位相を補正する位相補正部と、
    補正後の前記m次高調波電圧に基づいて、前記設置点の電圧に含まれるm次高調波電圧を補償するための第1補償指令値を生成する指令値生成部と、
    前記第1補償指令値に基づいて、前記アクティブフィルタの出力を制御する出力制御部とを含む、アクティブフィルタ装置。
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